特許第6474485号(P6474485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474485
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】ガスタービン燃焼エンジン用の装置
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/18 20060101AFI20190218BHJP
   F23R 3/42 20060101ALI20190218BHJP
   F23R 3/46 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   F02C7/18 C
   F23R3/42 D
   F23R3/46
【請求項の数】19
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-518974(P2017-518974)
(86)(22)【出願日】2014年10月7日
(65)【公表番号】特表2017-531131(P2017-531131A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2014059381
(87)【国際公開番号】WO2016057020
(87)【国際公開日】20160414
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】599078705
【氏名又は名称】シーメンス エナジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド エイ. リトル
【審査官】 金田 直之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−185633(JP,A)
【文献】 特開2013−231426(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/150437(WO,A1)
【文献】 特開2011−232022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/18
F23R 3/06−3/08,
3/42,3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カニュラー型のガスタービン燃焼エンジンの複数の燃焼器から、タービンブレードの第1列へとガスを送る装置であって、該装置は、各燃焼器につき1つの流れ配向構造を有しており、該流れ配向構造は、ガス路円筒体と、円錐部と、出口片とを有しており、各出口片は前記円筒体と前記円錐部とを介して各燃焼器からガス流を受け取るまっすぐな経路部分を有しており、前記出口片はさらに、各出口片が、隣接する出口片の接続位置で隣接する出口片に接続される接続位置を有し、接続された複数の出口片が環状出口構造を画定しており、該環状出口構造は、前記ガス流を前記ブレードの第1列に送るために、周方向で延在しており、かつガスタービンエンジン長手方向軸線に対して同心的に方向付けられており、ガスは、各燃焼器から、それぞれまっすぐな経路部分を通って、前記環状出口構造へと流れる、装置において、
各まっすぐな経路部分は、流路を形成する多角形の横断面を画定しており、前記流路は、半径方向内側壁に対向する半径方向外側壁を有しており、前記半径方向外側壁及び内側壁は、対向する前壁及び後壁に互いに連結されており、前記前壁は、前記まっすぐな経路部分の上流端部から前記流路の出口端部まで連続的な壁を画定しており、
互いに隣接するまっすぐな経路部分は、周方向で隣接する上流流路と下流流路とを画定しており、前記下流流路の前記後壁は、収束接合後縁で終端する第1の側壁を画定しており、前記上流流路の前記前壁は、前記収束接合後縁の方向で前記第1の側壁に向かって収束する第2の側壁を画定しており、
前記第1及び第2の側壁の間にインピンジメントシート構造が配置されていて、前記第1及び第2の側壁にインピンジメント冷却空気を提供しており、
1つ以上の開口が、前記第1及び第2の側壁の間に冷却空気通路を提供しており、ポストインピンジメント空気流を前記収束接合後縁におけるガス路内へと供給している、
ガスを送る装置。
【請求項2】
前記インピンジメントシート構造は第1及び第2のシート部分を含み、該第1及び第2のシート部分は、それぞれ前記第1及び第2の側壁に係合する内面を有している、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の側壁は、平らな面から延在するリブを有しており、該リブは、前記第1及び第2の側壁に隣接するインピンジメントチャンバを画定するように、前記第1及び第2のシート部分と前記平らな面との間に空間を維持している、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のシート部分は下流端部へと延在しており、前記第1及び第2の側壁は、前記収束接合後縁に隣接する壁頂部で互いに接しており、前記シート部分の下流端部から前記壁頂部まで延在する前記第1及び第2の側壁の間にポストインピンジメントチャンバが画定されており、ポストインピンジメント空気は、前記ポストインピンジメントチャンバ内を通ってから前記冷却空気通路を通って流れる、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記シート部分は、前記複数の燃焼器における燃焼のための空気供給として提供されるシェル空気に対して開かれた外面を有しており、前記シート部分は、前記第1及び第2の側壁に対するインピンジメント冷却空気としてのシェル空気を通過させるためのインピンジメント穴を有している、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の側壁の少なくとも一方の厚さは、前記ポストインピンジメントチャンバの長さに沿って前記収束接合後縁へと減じられた厚さとなるように先細にされている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記第1及び第2の側壁のそれぞれが、前記ポストインピンジメントチャンバに隣接して位置し、上流で下流方向に向かって延在する細長い寸法を有する細長いリブを含んでおり、前記細長いリブの間に延在し前記ポストインピンジメントチャンバの上流端部を画定している可動のシールを含んでいる、請求項4記載の装置。
【請求項8】
前記各リブを通って延在していて、前記インピンジメントチャンバから前記ポストインピンジメントチャンバへとポストインピンジメント空気流を提供する、冷却空気通路を含む、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の側壁を貫通して画定され、前記インピンジメントチャンバから、前記ガス流に曝される前記第1及び第2の側壁の側へとフィルム冷却空気を供給するフィルム冷却孔を含む、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記第1及び第2の側壁の厚さは、前記ポストインピンジメントチャンバの長さに沿って、前記収束接合後縁へと、減じられた厚さとなるように先細にされている、請求項7記載の装置。
【請求項11】
前記第2の側壁の下流部分は、前記第1の側壁を含む前記下流流路を画定する出口片に一体に形成されており、前記第2の側壁は、前記第1の側壁の下流縁部の上流で終端する下流縁部を有している、請求項1記載の装置。
【請求項12】
前記第2の側壁は、前記上流流路を画定する出口片に一体に形成された上流部分を含み、前記第2の側壁の前記上流部分は、前記第2の側壁の前記下流部分に隣接して位置しており、前記第2の側壁の前記上流部分と前記下流部分との間に位置する可動シールを含む、請求項11記載の装置。
【請求項13】
カニュラー型ガスタービン燃焼エンジンの複数の燃焼器から、周方向に延在していて、かつガスタービンエンジン長手方向軸線に対して同心的に方向付けられている、ブレードの第1列にガス流を送るための環状出口構造へとガスを送る装置であって、該装置は、周方向で互いに隣接して位置している少なくとも1つの上流流路と下流流路とを含み、該下流流路は後方の第1の側壁を含み、前記上流流路は前方の第2の側壁を含み、
前記第1の側壁の下流の終端縁部に画定された収束接合後縁を含んでおり、前記第2の側壁は、前記収束接合後縁の方向で前記第1の側壁に向かって収束しており、
前記第1及び第2の側壁の間に位置し、前記第1及び第2の側壁にインピンジメント冷却空気を提供するインピンジメントシート構造を含んでおり、
前記第1及び第2の側壁の間に冷却空気通路を提供し、ポストインピンジメント空気流を前記収束接合後縁におけるガス路内へと供給する1つ以上の開口を含んでいる、ガスを送る装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の側壁はそれぞれ、ガス流に曝される高温側と、インピンジメントシート構造からのインピンジメント冷却空気を受け取る反対側の低温側とを含み、前記第1の側壁の前記低温側は、前記第2の側壁の前記低温側に面して位置している、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記第1及び第2の側壁の前記低温側の間に開放領域を含んでおり、該開放領域は、前記インピンジメントシート構造に設けられたインピンジメント穴を通るインピンジメント冷却空気としてシェル空気を提供する燃焼器シェルに対して開かれている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記インピンジメントシート構造は第1及び第2のシート部分を含み、該第1及び第2のシート部分は、それぞれ前記第1及び第2の側壁の前記低温側に係合する内面を有している、請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記第1及び第2の側壁の前記低温側は、平らな面から延在するリブを有しており、該リブは、前記第1及び第2の側壁に隣接するインピンジメントチャンバを画定するように、前記第1及び第2のシート部分と前記平らな面との間に空間を維持している、請求項16記載の装置。
【請求項18】
前記第1及び第2のシート部分は下流端部へと延在しており、前記第1及び第2の側壁は、前記収束接合後縁に隣接する壁頂部で互いに接しており、前記シート部分の下流端部から前記壁頂部まで延在する前記第1及び第2の側壁の間にポストインピンジメントチャンバが画定されており、ポストインピンジメント空気は、前記ポストインピンジメントチャンバ内を通ってから前記冷却空気通路を通って流れる、請求項16記載の装置。
【請求項19】
前記第1及び第2の側壁の少なくとも一方の厚さは、前記ポストインピンジメントチャンバの長さに沿って前記収束接合後縁へと、減じられた厚さとなるように先細にされている、請求項18記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた開発の記載
本発明のための開発は、米国エネルギー省によって与えられた契約番号DE−FC26−05NT42644によって部分的にサポートされた。従って、米国政府は本発明において一定の権利を有することができる。
【0002】
発明の分野
本発明は、ガスタービン燃焼エンジンに関する。特に、本発明は、タービンエンジンのタービンブレードの第1列に膨張したガスを搬送するためのアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ガスタービンエンジンは通常、圧縮機セクションと、複数の燃焼器を含む燃焼セクションと、タービンセクションとを有する。周囲の空気が圧縮機セクションで圧縮され、燃焼セクションにおける燃焼器へと搬送される。燃焼器は、圧縮空気を燃料と混合させ、この混合物に点火して、高温の作動ガスを成す燃焼生成物を形成する。この高温の作動ガスは乱流かつ高速で流れる。作動ガスは、従来、移行ダクトと呼ばれる複数のガス通路を介してタービンセクションへと送られる。タービンセクション内には、固定ベーンアッセンブリおよび回転ブレードアッセンブリの列が設けられている。回転ブレードアッセンブリはタービンロータに連結されている。作動ガスがタービンセクションを通って膨張するとき、作動ガスは、ブレードアッセンブリ、ひいてはタービンロータを回転させる。タービンロータは発電機に接続することができ、発電機においてタービンロータの回転が発電機で電力を生成するために利用される。
【0004】
ガス通路は、燃焼器に隣接して位置しており、タービンベーンの第1列に関連するタービン入口構造からタービンセクションへと作動ガスを通す。作動ガスは、移行ダクト及び関連部品を高温に曝す。耐用期間を延ばし、過度の温度の結果として構成部品が故障する可能性を低減するためにこれらの構成部品を冷却する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様によると、カニュラー型ガスタービン燃焼エンジンの複数の燃焼器から、タービンブレードの第1列へとガスを送る装置が設けられている。この装置は、各燃焼器につきガス路円筒体と、円錐部と、IEPとを有している。各IEPは円筒体と円錐部とを介して各燃焼器からガス流を受け取るまっすぐな経路部分を有している。IEPはさらに、各IEPが、隣接するIEPの接続位置で、隣接するIEPに接続される接続位置を含み、このように接続されたIEPは環状出口構造を画定しており、環状出口構造は、ガス流をブレードの第1列に送るために、周方向で延在しており、かつガスタービンエンジン長手方向軸線に対して同心的に方向付けられており、ガスは、各燃焼器から、それぞれまっすぐな経路部分を通って、環状出口構造へと流れる。各まっすぐな経路部分は、流路を形成する多角形の横断面を画定しており、流路は、半径方向内側壁に対向する半径方向外側壁を有しており、半径方向外側壁及び内側壁は、対向する前壁及び後壁に互いに連結されている。前壁は、まっすぐな経路部分の上流端部から流路の出口端部まで連続的な壁を画定している。互いに隣接するまっすぐな経路部分は、周方向で隣接する上流流路と下流流路とを画定しており、下流流路の後壁は、収束接合後縁で終端する第1の側壁を画定しており、上流流路の前壁は、収束接合後縁の方向で第1の側壁に向かって収束する第2の側壁を画定している。第1及び第2の側壁の間にインピンジメントシート構造が配置されていて、第1及び第2の側壁にインピンジメント冷却空気を提供している。1つ以上の開口が、第1及び第2の側壁の間に冷却空気通路を提供しており、ポストインピンジメント空気流を収束接合後縁におけるガス路内へと供給している。
【0006】
インピンジメントシート構造は第1及び第2のシート部分を含んでいてよく、第1及び第2のシート部分は、それぞれ第1及び第2の側壁に係合する内面を有している。
【0007】
第1及び第2の側壁は、平らな面から延在するリブを有していてよく、リブは、第1及び第2の側壁に隣接するインピンジメントチャンバを画定するように、第1及び第2のシート部分と平らな面との間に空間を維持している。
【0008】
第1及び第2のシート部分は下流端部へと延在していてよく、第1及び第2の側壁は、収束接合後縁に隣接する壁頂部で互いに接していてよく、シート部分の下流端部から壁頂部まで延在する第1及び第2の側壁の間にポストインピンジメントチャンバが画定されていてよく、ポストインピンジメント空気は、ポストインピンジメントチャンバ内を通ってから冷却空気通路を通って流れてよい。
【0009】
シート部分は、複数の燃焼器における燃焼のための空気供給として提供されるシェル空気に対して開かれた外面を有していてよく、シート部分は、第1及び第2の側壁に対するインピンジメント冷却空気としてのシェル空気を通過させるためのインピンジメント穴を有していてよい。
【0010】
第1及び第2の側壁の少なくとも一方の厚さは、ポストインピンジメントチャンバの長さに沿って収束接合後縁へと、減じられた厚さとなるように先細にされていてよい。
【0011】
第1及び第2の側壁のそれぞれが、ポストインピンジメントチャンバに隣接して位置し、上流で下流方向に向かって延在する細長い寸法を有する細長いリブを含んでいてよく、細長いリブの間に延在しポストインピンジメントチャンバの上流端部を画定している可動のシールを含んでいてよい。
【0012】
冷却空気通路は、各リブを通って延在するように設けることができ、インピンジメントチャンバからポストインピンジメントチャンバへとポストインピンジメント空気流を提供することができる。
【0013】
第1及び第2の側壁を貫通してフィルム冷却孔が設けられていてよく、フィルム冷却孔は、インピンジメントチャンバから、ガス流に曝される第1及び第2の側壁の側へとフィルム冷却空気を提供してよい。
【0014】
第2の側壁の下流部分は、第1の側壁を含む下流流路を画定するIEPに一体に形成されていてよく、第2の側壁は、第1の側壁の下流縁部の上流で終端する下流縁部を有していてよい。
【0015】
第2の側壁は、上流流路を画定するIEPに一体に形成された上流部分を含んでいてよく、第2の側壁の上流部分は、第2の側壁の下流部分に隣接して位置していてよく、第2の側壁の上流部分と下流部分との間に位置する可動シールが設けられていてよい。
【0016】
本発明の別の態様によれば、カニュラー型ガスタービン燃焼エンジンの複数の燃焼器から、周方向に延在していて、かつガスタービンエンジン長手方向軸線に対して同心的に方向付けられている、ブレードの第1列にガス流を送るための環状出口構造へとガスを送るための装置が設けられている。この装置は、周方向で互いに隣接して位置している少なくとも1つの上流流路と下流流路とを含み、下流流路は後方の第1の側壁を含み、上流流路は前方の第2の側壁を含む。第1の側壁の下流の終端縁部には、収束接合後縁が画定されており、第2の側壁は、収束接合後縁の方向で第1の側壁に向かって収束している。第1及び第2の側壁の間にインピンジメントシート構造が位置していて、第1及び第2の側壁にインピンジメント冷却空気を提供している。1つ以上の開口が、第1及び第2の側壁の間に冷却空気通路を提供しており、ポストインピンジメント空気流を収束接合後縁におけるガス路内へと供給している。
【0017】
第1及び第2の側壁はそれぞれ、ガス流に曝される高温側と、インピンジメントシート構造からのインピンジメント冷却空気を受け取る反対側の低温側とを含んでいてよく、第1の側壁の低温側は、第2の側壁の低温側に面して位置していてよい。
【0018】
第1及び第2の側壁の低温側の間に開放領域が設けられていてよく、開放領域は、インピンジメントシート構造に設けられたインピンジメント穴を通るインピンジメント冷却空気としてシェル空気を提供する燃焼器シェルに対して開かれていてよい。
【0019】
インピンジメントシート構造は第1及び第2のシート部分を含んでいてよく、第1及び第2のシート部分は、それぞれ第1及び第2の側壁の低温側に係合する内面を有している。
【0020】
第1及び第2の側壁の低温側は、平らな面から延在するリブを有していてよく、リブは、第1及び第2の側壁に隣接するインピンジメントチャンバを画定するように、第1及び第2のシート部分と平らな面との間に空間を維持していてよい。
【0021】
第1及び第2のシート部分は下流端部まで延在していてよく、第1及び第2の側壁は、収束接合後縁に隣接する壁頂部で互いに接していてよく、シート部分の下流端部から壁頂部まで延在する第1及び第2の側壁の間にポストインピンジメントチャンバが画定されていてよく、ポストインピンジメント空気は、ポストインピンジメントチャンバ内を通ってから冷却空気通路を通って流れてよい。第1及び第2の側壁の少なくとも一方の厚さは、ポストインピンジメントチャンバの長さに沿って収束接合後縁へと減じられた厚さとなるように先細にされていてよい。
【0022】
本明細書は、本発明を特に指摘しかつ本発明を明瞭に請求する請求項で締めくくるが、本発明は、同じ参照符号が同じ要素を表している添付の図面に関連した以下の説明からよりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の態様による、燃焼ガスをブレードの第1列へと送る組み立てられた装置を、ガスタービンエンジンにおいて後方から前方に向かって見た軸方向の図である。
図2A図1の装置の部分構成を示す斜視図である。
図2B図2Aに示した構造に対して選択的な構造を示す、図1の装置の部分構成を示す斜視図である。
図3A】個別出口片(IEP)用の外側冷却構造を示す、図2Aの領域3−3で切り取った部分の斜視図である。
図3B図3Aに示した構造に対応するIEPの外面を、インピンジメントシートを除去した状態で示す拡大斜視図である。
図4A】2つのIEPの間に形成された後縁を冷却する構造に関する構成を示した、図2Aの4A−4A線で断面した断面図である。
図4B】2つのIEPの間に形成された後縁を冷却する構造に関する、図2Bに対応する選択的な構成を示した、図4Aと同様の断面図である。
図4C図4Bの構成に対して選択的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好適な実施の形態の以下の詳細な説明において、その一部を形成する添付の図面が参照され、図面には、例として、限定としてではなく、本発明を実施可能な特定の好適な実施の形態が示されている。本発明の思想及び範囲から逸脱することなく、その他の実施の形態が使用されてもよく、変更がなされてもよいことが理解されるべきである。
【0025】
ガスタービンエンジンの燃焼器からタービンセクションへと高温の作動ガスを供給するためのシステムの1つのアッセンブリは、本発明の態様によれば、ガスタービンエンジンの燃焼器缶を接線方向の配置に方向付けている。特に、カニュラー型燃焼器の燃焼器缶はそれぞれ、高温の作動ガス流を、ガス通路を画定する構成部品のアッセンブリを通して方向付けるように配向されている。このガス通路は、個々のガス流を、半径方向内側へと、かつ、エンジンのタービンセクションにおけるタービンブレードの第1列に隣接するそのすぐ上流の共通の出口環に対して角度付けられた周方向へと方向付ける。例えば、出口環へと流れを供給するガス通路の配置は、一般的に、タービンブレードの第1列に直接ガス流を供給するための構造に対応しており、列1のタービンベーンは必要ない。出口環は、エンジンの長手方向軸線に対して垂直な平面を有しており、ここでガスはタービンブレードの第1列へと流れる。
【0026】
図1を参照すると、順方向で見たときの、カニュラー型ガスタービン燃焼エンジンの複数の燃焼器から、タービンブレードの第1列へとガスを送る装置10を軸方向で見た図が示されている。本明細書に記載するように、正面図とは、ガスタービンエンジン長手方向軸線に沿って排気端部から入口端部へと見たものを意味し、後面図とは、その逆方向を意味する。流れについて記載する場合、ガスタービンエンジンの長手方向軸線に関して前方とはエンジン吸気側、後方とはエンジン排気側のことである。内側及び外側とは、ガスタービンエンジン長手方向軸線に関して半径方向の位置に関する。隣接するとは、ガスタービンエンジン長手方向軸線に対して周方向に隣接するものを示す。開示された態様では、ガスタービンエンジンは、後方方向に見た場合、即ち、ガスタービンエンジン長手方向軸線に関して前方端部から後方端部へと見た場合、反時計回りで回転する。しかしながら、この開示全体は、後方方向に見た場合に時計回りで回転するガスタービンエンジンも含むものであると考えることもでき、この場合、本明細書に記載し図示した構成部品を単に再配向すればよい。この態様における上流とは、ガスタービンエンジンの回転方向に関して上流を意味する。下流とは、ガスタービンエンジンの回転方向に関して下流を意味する。従って、回転中、ブレードは、組み立てられた装置の上流の構成部品に向き合った後で、下流の構成部品に向き合う。
【0027】
装置10は、複数セットの流れ配向構造12を有している。各燃焼器(図1には1つの燃焼器15が図式的に示されている)につき1つの流れ配向構造12が設けられている。各燃焼器からの燃焼ガスは、各流れ配向構造12内へと流れる。各流れ配向構造は、ガス流円筒体13と、円錐区分14と、一体の出口片16(以後、「IEP」と記載する)とを含んでいてよい。各燃焼器15につき1つである、複数のIEP16が設けられており、これら複数のIEP16は、タービンセクションの前で、1つの環構造を画定する装置10を形成するように接続されている。複数のIEP16により形成された環構造は、以後、出口環18と記載する。各ガス流は、タービンエンジン長手方向軸線20に関して周方向成分及び軸方向成分を含む配向をもって、周方向で離散的な間隔を置いて出口環18に入る。各ガス流は、それぞれの燃焼器缶から発生して、別個の流れとして環状チャンバ18へと方向付けられる。別個の各流れが壁によって分離されているが、出口環18に入る際には、流れは壁によって分離されていない。これらの流れは出口環18において依然として半径方向で束縛されているが、互いに分離されてはいない。各IEP16は、IEP接合部24において隣のIEP16に隣接している。
【0028】
出口環18のすぐ後方には、タービンブレードの第1列(図示せず)が位置している。出口環18は、タービンセクションに入る直前の流れを分離する壁を除去しており、流れを分離する流れ配向ベーンの第1の列も除去されている。即ち、出口環18に入ると、上流で各流れの前側及び後側を画定していた壁は、そのように画定することはなくなる。さらに、流れの内側及び外側を画定する壁は、まっすぐな壁から、出口環18を部分的に画定する弓形の壁へと移行するように構成することができる。
【0029】
図2Aを参照すると、装置10の部分構成26が図示されており、3つの隣接する流れ配向構造が示されている。これら3つの流れ配向構造は、説明のために、上流側流れ配向構造12a、中央流れ配向構造12b、下流側流れ配向構造12cと呼ばれる。流れ配向構造12のIEP16は、円錐区分14を含み、各流れ配向構造12の流れ軸線22に沿って延在するまっすぐな流路を有していてよい。各IEP16は、多角形の横断面を有するように形成されてよく、半径方向外側壁28と、反対側の半径方向内側壁30と、これら外側壁28と内側壁30との間に半径方向で延在する互いに対向する前壁32及び後壁34(図4Aも参照)を含む。前壁32は、まっすぐな流路の上流端部36からこの流路の出口端部38まで連続的な壁を形成することができる。後壁34は、さらに後述するように、収束接合後縁40として画定される下流の末端位置へと延在する。
【0030】
IEP16はさらに、隣接するIEP16に接続するための接続位置を画定する接続セグメント42を有していてよい。即ち、接続セグメントは、所定の位置で鋳造されて、後壁34の下流部分に隣接してIEP16に一体に形成されてよい。接続セグメント42は、収束接合後縁40の上流で延在していてよい。これについては、図4Aに基づきより詳しく後述する。
【0031】
図3Aを参照すると、IEP16の一部が図示されている。この部分は、図2Aに示したように、IEP16の領域3−3にほぼ対応している。以下の領域3−3に関する説明は、IEP16又は流れ配向構造12のいずれの部分にも同様に当てはめることができることが理解されるだろう。さらに、図1及び図2に示した流れ配向構造12の構成部分の表面が一般的に示されているが、本明細書に記載の外面構造を含むものと理解されてよいことは勿論である。
【0032】
図3Aに示したように、IEP16の外面は符号44で示されており、IEP16の面46と、面46の上方に位置するインピンジメントシート48とを含んでいてよい。面46はほぼ平らな面として画定されており、複数のリブ50aから成る方形の格子を有している。リブ50aは、インピンジメントシート48が除去された状態で領域3−3の部分を示している図3Bにより判るように、面46から外側に向かって延在するリブ構造50を形成している。「平らな」という用語は、インピンジメントキャビティ52内のインピンジメント面46aとしての局所的な面を画定するようにリブ50aの方形の配置により取り囲まれたような局所的な面46を説明しているものであることがわかるだろう。さらに、面46は、IEP16の隣接する壁の間の、曲率半径を有する接合部を形成する、符号49で示すような局所的に湾曲した区分を含んでいてよい(図3A)。インピンジメントシート48は、リブ50aの外側端部54でIEP16に取り付けることができ、インピンジメントキャビティ52内へと延在する内側に向かって位置する部分48aを含んでいてよい。さらに、この内側に位置する部分48aは、インピンジメント穴56を含んでいてよい。流れ配向構造12の構成部分が、燃焼器15のための空気源としてのエンジンの圧縮機セクションから排出されるシェル空気を含む燃焼器シェル58(図1参照)を通って延在していることが、理解されるだろう。インピンジメントシートに設けられたインピンジメント穴56により、シェル空気がインピンジメントキャビティ52内へと通ることができ、インピンジメント面46aでIEP16に衝突してIEP16を冷却する。
【0033】
本発明の態様によれば、収束接合後縁40(以後、「後縁40」と言う)が、IEP16の上流及び下流に隣接する流れにより供給されるような、テーパ構造の両側における高温ガス流に曝されるテーパ構造の下流端部に位置していることが留意される。さらに、後縁40で隣接するIEP16の外面46は、互いに近位で互いに向き合い、冷却空気が後縁40からの熱に接触し、熱が伝達されるのを効果的に阻止することができる制限部を形成することができる。
【0034】
図4Aには、本発明の態様による後縁40用の冷却構造が示されている。後縁40は、上流流路60と下流流路62の収束部に形成されている。特に後縁40は、下流流路62の後壁34に対応する第1の側壁64と、後縁40の方向で第1の側壁64に向かって収束する第2の側壁66とによって画定されている。第1の側壁64は、後縁40を画定する第1の側壁64の最も下流の端部41で終端している。
【0035】
第2の側壁66は、下流部分66aと、隣接する上流部分66bとを含んでいてよく、この場合、下流部分66aは、下流流路62を画定しているIEP16に一体に形成されている。上流部分66bは、上流流路60を画定しているIEP16の出口端部38で前壁32の一部によって画定されている。下流部分66aは、接続セグメント42に対応することができ、下流端部68を含んでおり、下流端部68は、壁頂部70において第2の側壁66と第1の側壁64との交点を画定する。圧力負荷されるばねシール72が、IEP16の出口端部38(上流部分66b)と下流部分66aの上流端部74との間に位置している。ばねシール72は、接合部73に隣接して位置するリブ50aに向かって位置することができ、ばねシール72の一方の側における上流流路60内の高温ガス流を、ばねシール72の反対側におけるシェル空気から分離するために、接合部におけるシールを形成する。ばねシール72は、振動と熱膨張差の結果として生じ得るような、隣接するIEP16間の相対移動に適応することができるように可動シールを形成することが、理解されるだろう。
【0036】
第1の側壁64は、下流流路62に面した高温側64と、上述したように、IEP16のインピンジメント面46aに対応する反対側の低温側64とを含む。同様に、第2の側壁66は、上流流路60に面した高温側66と、IEP16のインピンジメント面46aに対応する反対側の低温側66とを含む。第1及び第2の側壁64,66の高温側64,66には、熱バリアコーティング76を設けることができる。
【0037】
インピンジメントシート構造78は、第1及び第2の側壁64,66の低温側64,66の間に位置していて、各低温側64,66に対して間隔を置いて位置している。インピンジメントシート構造78は第1及び第2のシート部分78a,78bを有しており、これらシート部分78a,78bは、低温側64,66における1つ以上のリブ50aで支持されていてよく、隣接する低温側64,66に対して平行に延在しており、シート頂部80で互いに接続される。シート部分78a,78bは、別個のクリップ構造を有していてよく、又は各IEP16につき連続したインピンジメントシート48であってよく、インピンジメントチャンバ又はキャビティ52に沿って低温側64,66をインピンジメント冷却するためにインピンジメント穴82を含む。即ち、内部領域84は、インピンジメントシート部分78a,78bの外面の間に画定されており、開放領域84は、インピンジメント穴82を通って流れ、低温側64,66に衝突するインピンジメント冷却空気源としてのシェル空気を受け取るために燃焼器シェルに向かって開かれている。
【0038】
シート頂部80におけるシート部分78a,78bの下流端部から壁頂部70まで延在する、第1の側壁64と第2の側壁66との間には、ポストインピンジメントチャンバ86が画定されている。低温側64,66への衝突後、ポストインピンジメント空気は、ポストインピンジメントチャンバ86内へと流れ、次いで、冷却空気通路88を通って後縁40に沿って流れる。冷却空気通路88は、1つ以上のスロット又は穴を含む1つ以上の開口によって画定することができる。
【0039】
第2の側壁66の下流部分66aの下流端部68は、後縁40を画定する第1の側壁64の下流の終端部41の上流で終端していることに注目することができる。このような構造は、上流流路60と下流流路62とからの流れの収束部における空気力学的な損失を低減又は最小限にするように、薄いテーパ構造としての後縁40を形成する単一の壁厚さ、即ち第1の側壁64を提供する。加えて、第2の側壁66の高温側66に並ぶすぐ下流の延在部66は、第1の側壁64の下流の終端部41に交差することができ、冷却空気通路88からの冷却空気流は、すぐ下流の延在部66と第1の側壁64との間の空間の少なくとも一部に沿って、即ち、第1の側壁64の下流端部に沿って流れることができ、第1の側壁64に沿って対流の冷却空気流を提供する。
【0040】
図2B図4Bには、本発明の別の態様による後縁140用の冷却構造が示されている。図2A及び図4Aの部材に対応する図2B及び図4Bの部材には、同じ参照符号に100を加えた参照符号が付与されている。図2Bを参照すると、図2Aの部分構成26に同様の部分構成126が図示されており、3つの隣接する流れ配向構造が示されている。これら3つの流れ配向構造は、説明のために、上流側流れ配向構造112a、中央流れ配向構造112b、下流側流れ配向構造112cと呼ばれる。流れ配向構造112のIEP116は、円錐区分114を含み、各流れ配向構造112の流れ軸線122に沿って延在するまっすぐな流路を有していてよい。各IEP116は、多角形の横断面を有するように形成されてよく、半径方向外側壁128と、反対側の半径方向内側壁130と、これら外側壁128と内側壁130との間に半径方向で延在する互いに対向する前壁132及び後壁134(図4Bも参照)を含む。前壁132は、まっすぐな流路の上流端部136からこの流路の出口端部138まで連続的な壁を形成することができる。
【0041】
図4Bでは、収束接合後縁140は、上流流路160と下流流路162の収束部に形成されている。特に後縁140は、下流流路162の後壁134に対応する第1の側壁164と、上流流路160の前壁132に対応する、第1の側壁164に向かって収束し、後縁140を画定する壁頂部170で第1の側壁164に接続される第2の側壁166と、によって画定されている。第1及び第2の側壁164,166は、後縁140を画定する最も下流の端部で終端している。
【0042】
第1の側壁164は、下流流路162に面した高温側164と、図3A及び図3Bに基づき上述したように、IEP16のインピンジメント面46aに対応する反対側の低温側164とを含む。同様に、第2の側壁166は、上流流路160に面した高温側166と、IEP16のインピンジメント面46aに対応する反対側の低温側166とを含む。第1及び第2の側壁164,166の高温側164,166には、熱バリアコーティング176を設けることができる。
【0043】
インピンジメントシート構造178は、第1及び第2の側壁164,166の低温側164,166の間に位置していて、各低温側164,166に対して間隔を置いて位置している。インピンジメントシート構造178は、第1及び第2のシート部分178a,178bを有しており、これらシート部分178a,178bは、低温側164,166における1つ以上のリブ150a,151aで支持されていてよく、隣接する低温側164,166に対して平行に延在しており、シート頂部180で互いに接続される。この態様では、シート頂部180は、低温側164,166に設けられた対向するリブ151aの間にシールを形成する、圧力負荷された別個のばねシール181によって画定することができる。リブ151aは、細長いリブとして形成することができ、即ちばねシール181を支持するために、上流で下流方向に向かって細長く延ばされている。ばねシール181が、振動とIEP116間の熱膨張差の結果として生じ得るような隣接するIEP116間の相対移動に適応することができるように、隣接するIEP116間の接続位置で可動シールを形成することが、理解されるだろう。さらに、ばねシール181の機能は、例えば、ブラシシールやドッグボーン型シール、又はその他の準拠する任意の種類のシールを含む別の形式のシールによって行うことができることに留意されたい。
【0044】
シート部分178a,178bは、図3Aに基づき説明したように、各IEP16(116)のための連続したインピンジメントシート48であってよく、インピンジメントチャンバ又はキャビティ152に沿って低温側164,166をインピンジメント冷却するためにインピンジメント穴182を含んでいてよい。インピンジメントシート部分178a,178bの間の内部領域184は、インピンジメント穴182を通って流れ、低温側164,166に衝突するインピンジメント冷却空気源としてのシェル空気を受け取るために燃焼器シェルに向かって開かれている。
【0045】
ばねシール181によって画定されるシート頂部180から壁頂部170まで延在する、第1の側壁164と第2の側壁166との間には、ポストインピンジメントチャンバ186が画定されている。冷却空気通路190は、それぞれの細長いリブ151aを通って延在していて、インピンジメントチャンバ152をポストインピンジメントチャンバ186へと接続しており、これにより、ポストインピンジメント空気の少なくとも一部は、インピンジメントチャンバ152からポストインピンジメントチャンバ186へと流れることができる。さらに、フィルム冷却孔192が、第1及び第2の側壁164,166を貫通して画定されてよく、インピンジメントチャンバ152からのポストインピンジメント空気の一部を含むフィルム冷却空気を、第1及び第2の側壁164,166の高温側164,166へと供給する。
【0046】
低温側164,166への衝突後、リブ151aを通過して、ポストインピンジメントチャンバ186内へ入るポストインピンジメント空気は、次いで、後縁140に沿った冷却空気通路188を通って流れる。冷却空気通路188は、1つ以上のスロット又は穴を含む1つ以上の開口によって画定されてよい。ポストインピンジメントチャンバ186内のポストインピンジメント空気は、第1及び第2の側壁164,166の下流の長さに沿った冷却空気流を、冷却空気通路188における後縁140の端部に供給することができ、ここで使用済み冷却空気は高温ガス流へと排出されることを記載しておくことができる。
【0047】
図4Bの構造に対して選択的な構造が図4Cに示されている。図4Cにおける後縁140のための冷却構造は、第1及び第2の側壁164,166の下流端部における変更を除いて本質的には同じである。特に、第1の側壁164は第1の側壁厚さTを有しており、第2の側壁166は第2の側壁厚さTを有しており、第1及び第2の側壁164,166の厚さT,Tは、シート頂部180にほぼ隣接しているところから、後縁140の壁頂部170まで、ポストインピンジメントチャンバ186の長さに沿って減じられた厚さとなるように減少している。例えば、第1及び第2の側壁164,166のそれぞれの壁厚さは、インピンジメントチャンバ152の場所における完全な厚さから、完全な厚さの約半分の後縁厚さ又は幅まで、後縁140に向かって減少することができる。後縁140における厚さの減少により、第1及び第2の流路160,162の流れが収束する後縁140の端部における空気力学的な損失を減じることができる。さらに、同様に先細にされた後縁は、図4Aに基づき開示した後縁40に設けることができ、この場合、冷却空気通路88から第1の側壁64の終端部41まで延在する第1の側壁64の壁厚さを減じることにより設けられることがわかるだろう。
【0048】
本発明の特定の実施の形態について例示及び説明してきたが、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく様々なその他の変更および改変をなし得ることは当業者に明らかであろう。従って、本発明の範囲に包含される全てのこのような変更及び改変は、添付の請求項において包含されるように意図されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C