特許第6474498号(P6474498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネオフェクト シーオー.,エルティーディー.の特許一覧

<>
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000002
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000003
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000004
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000005
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000006
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000007
  • 特許6474498-リハビリトレーニング装置 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474498
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】リハビリトレーニング装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/14 20060101AFI20190218BHJP
   A63B 23/02 20060101ALI20190218BHJP
   A61H 1/02 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   A63B23/14
   A63B23/02 Z
   A61H1/02 K
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-563177(P2017-563177)
(86)(22)【出願日】2017年5月26日
(65)【公表番号】特表2018-524057(P2018-524057A)
(43)【公表日】2018年8月30日
(86)【国際出願番号】KR2017005491
(87)【国際公開番号】WO2017204586
(87)【国際公開日】20171130
【審査請求日】2017年12月5日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0065439
(32)【優先日】2016年5月27日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0062704
(32)【優先日】2017年5月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516335706
【氏名又は名称】ネオフェクト シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】NEOFECT Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ロ、ソンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョンスー
(72)【発明者】
【氏名】リー、スービン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホヨン
(72)【発明者】
【氏名】バン、ホヨン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ヨングン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、デフン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ビョングォル
(72)【発明者】
【氏名】ユー、キョンファン
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第02923683(EP,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0083469(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/02
A63B 23/12−23/14
A61H 1/00− 5/00
A61H 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をおいて並んで配置される一対の第1トラックと、
前記一対の第1トラックに移動自在に連結される第2トラックと、
前記第2トラックに移動自在に設けられ、使用者の手及び腕のうちの少なくとも何れか1つが載置される手置き台と、
前記第1トラックに設けられ前記第2トラックの移動を制限するトラック用ストッパとを含み
前記トラック用ストッパは、
前記第2トラックの移動経路に沿って前記一対の第1トラックに間隔をおいて形成された複数のトラック用着脱溝と、
前記複数のトラック用着脱溝に選択的に着脱され、前記第2トラックの移動経路を遮断及び遮断解除するトラック用ストッパピンと
を含むリハビリトレーニング装置。
【請求項2】
互いに間隔をおいて並んで配置される一対の第1トラックと、
前記一対の第1トラックに移動自在に連結される第2トラックと、
前記第2トラックに移動自在に設けられ、使用者の手及び腕のうちの少なくとも何れか1つが載置される手置き台と、
前記第1トラックに設けられ、前記第2トラックの移動を制限するトラック用ストッパとを含み、
前記トラック用ストッパは、前記一対の第1トラックに着脱され、前記第2トラックの移動経路を遮断及び遮断解除する複数のクリップを含むリハビリトレーニング装置。
【請求項3】
前記第2トラックに設けられ、前記手置き台の移動を制限する置き台用ストッパを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項4】
前記置き台用ストッパは、
前記手置き台の移動経路に沿って前記第2トラックに間隔をおいて形成された複数の置き台用着脱溝と、
前記複数の置き台用着脱溝に選択的に着脱され、前記手置き台の移動経路を遮断及び遮断解除する置き台用ストッパピンと
を含むことを特徴とする請求項3に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項5】
前記置き台用ストッパは、前記第2トラックの前記手置き台の移動経路に着脱され、前記手置き台の移動経路を遮断及び遮断解除する複数のクリップを含むことを特徴とする請求項3に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項6】
互いに間隔をおいて並んで配置される一対の第1トラックと、
前記一対の第1トラックに移動自在に連結される第2トラックと、
前記第2トラックに移動自在に設けられ、使用者の手及び腕のうちの少なくとも何れか1つが載置される手置き台と、
前記第1トラックに設けられ、前記第2トラックの移動を制限するトラック用ストッパと、
長方形の板状を有し、前記一対の第1トラックと前記第2トラックがなすX-Y軸平面を形成するボードと、
光を発する複数の発光素子と、
前記複数の発光素子から発光される光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを含み、
前記複数の発光素子と前記複数の受光素子により形成される光の経路が互いに交差し、前記ボードにX-Y軸座標を形成することを特徴とするリハビリトレーニング装置。
【請求項7】
前記手置き台に設けられ、前記光の経路を遮断して前記ボードのX-Y軸座標上で前記手置き台の位置を指示するポインタを更に含むことを特徴とする請求項6に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項8】
前記ポインタは、
前記ボードの板面に沿って移動し、前記光の経路を遮断するポインタチップと、
前記ポインタチップが前記ボードの板面に密着するように昇降自在に収容されるチップホルダと、
前記チップホルダを前記手置き台に支持するマウントと
を含むことを特徴とする請求項7に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項9】
前記手置き台が移動した座標データを外部機器に送信する通信モジュールを更に含むことを特徴とする請求項6に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項10】
前記手置き台は、
使用者の腕が載置される置き台本体と、
前記置き台本体に置かれた使用者の手が把持される取っ手と、
前記取っ手と前記置き台を間隔をおいて支持する支持ブラケットと、
前記支持ブラケットに結合され、前記支持ブラケットを前記第2トラックに沿って往復移動するように案内する置き台用ガイドピンと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項11】
前記支持ブラケットに貫通形成された長孔のスロットと、
前記置き台本体を前記スロットに移動自在に結合する結合部材と
を含むことを特徴とする請求項10に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項12】
前記一対の第1トラックに沿って前記一対の第1トラックにそれぞれ配置された一対のトラック用ガイドレールと、
前記第2トラックが連結され、前記一対のトラック用ガイドレールに沿って往復移動する一対のトラック用ガイドブロックと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項13】
前記第2トラックに沿って配置された置き台用ガイドレールと、
前記手置き台に連結され、前記置き台用ガイドレールに沿って往復移動する置き台用ガイドブロックと
を含むことを特徴とする請求項1に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項14】
前記第2トラックに設けられ、前記手置き台の移動を制限する置き台用ストッパを更に含むことを特徴とする請求項2に記載のリハビリトレーニング装置。
【請求項15】
前記手置き台は、
使用者の腕が載置される置き台本体と、
前記置き台本体に置かれた使用者の手が把持される取っ手と、
前記取っ手と前記置き台を間隔をおいて支持する支持ブラケットと、
前記支持ブラケットに結合され、前記支持ブラケットを前記第2トラックに沿って往復移動するように案内する置き台用ガイドピンと
を含むことを特徴とする請求項2に記載のリハビリトレーニング装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリハビリトレーニング装置に関し、より詳細には、手首及び肩の関節部位をリハビリトレーニングできるリハビリトレーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人体の各関節部位は、関節部位と隣接する部位が関節部位を基準に回転可能な構造を有する。
【0003】
一方、お年寄りや筋力の弱いリハビリ患者は健常者と比べて関節運動が困難であり、実質的に運動が必要であるにも拘わらず、一般の運動器具では運動することが現実的に難しい状況である。
【0004】
特に、手首及び肩のような関節部位を手術した患者の場合は、自ら運動することが不可能であるので、筋肉が弱くなり、円滑な栄養供給がなされず、手首及び肩の関節部位が硬直し、硬くなる恐れがある。
【0005】
従って、関節の変形を防止し、正常な活動に復帰するためには長時間の痛みを伴うリハビリ運動を行わなければならない。
【0006】
一方、従来のリハビリトレーニング装置は、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を拘束して無理な運動をしないようにする程度の機能を有するものが大部分であった。
【0007】
そのため、近年、アクチュエータにより関節角度を変化させるように構成されるリハビリトレーニング装置の研究が進められている。
【0008】
従って、本出願人は使用者が手を置いた状態で微細な筋力を用いて手と腕を動かして手首及び肩の関節部位をリハビリトレーニングできるだけでなく、使用者の身体状態に応じて運動範囲を簡単にセットし、リハビリトレーニングを行えるリハビリトレーニング装置を開発するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、使用者の身体状態に応じて運動範囲を簡単にセットし、リハビリトレーニングを行うことができ、使用者が自身の筋力を用いて手と腕を移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行えるリハビリトレーニング装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、手が置かれる手置き台を使用者の特性に応じて多様なパターンで移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行えるリハビリトレーニング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明のリハビリトレーニング装置は、互いに間隔をおいて並んで配置される一対の第1トラックと、前記一対の第1トラックに移動自在に連結される第2トラックと、前記第2トラックに移動自在に設けられ、使用者の手及び腕が載置される手置き台と、前記第1トラック及び前記第2トラックのうちの少なくとも何れか1つに設けられ、前記第2トラック及び前記手置き台の移動を制限するトラック用ストッパとを含むことを特徴とする。
【0012】
ここで、前記トラック用ストッパは、前記第2トラックの移動経路に沿って前記一対の第1トラックに間隔をおいて形成された複数のトラック用着脱溝と、前記複数のトラック用着脱溝に選択的に着脱され、前記第2トラックの移動経路を遮断及び遮断解除するトラック用ストッパピンとを含むことができる。
【0013】
また、前記トラック用ストッパは、他の実施形態として、前記一対の第1トラックに着脱され、前記第2トラックの移動経路を遮断及び遮断解除する複数のクリップを含むことができる。
【0014】
前記第2トラックに設けられ、前記手置き台の移動を制限する置き台用ストッパを更に含むことができる。
【0015】
前記置き台用ストッパは、一実施形態として、前記手置き台の移動経路に沿って前記第2トラックに間隔をおいて形成された複数の置き台用着脱溝と、前記複数の置き台用着脱溝に選択的に着脱され、前記手置き台の移動経路を遮断及び遮断解除する置き台用ストッパピンとを含むことができる。
【0016】
前記置き台用ストッパは、他の実施形態として、前記第2トラックの前記手置き台の移動経路に着脱され、前記手置き台の移動経路を遮断及び遮断解除する複数のクリップを含むことができる。
【0017】
長方形の板状を有し、前記一対の第1トラックと前記第2トラックがなすX-Y軸平面を形成するボードを更に含むことができる。
【0018】
光を発する複数の発光素子と、前記複数の発光素子から発光される光をそれぞれ受光する複数の受光素子とを含み、前記複数の発光素子と前記複数の受光素子により形成される光の経路が互いに交差し、前記ボードにX-Y軸座標を形成できる。
【0019】
前記手置き台に設けられ、前記光の経路を遮断して前記ボードのX-Y軸座標上で前記手置き台の位置を指示するポインタを更に含むことができる。
【0020】
前記ポインタは、前記ボードの板面に沿って移動し、前記光の経路を遮断するポインタチップと、前記ポインタチップが前記ボードの板面に密着するように昇降自在に収容されるチップホルダと、前記チップホルダを前記手置き台に支持するマウントとを含むことができる。
【0021】
前記手置き台が移動した座標データを外部機器に送信する通信モジュールを更に含むことができる。
【0022】
前記手置き台は、使用者の腕が載置される置き台本体と、前記置き台本体に置かれた使用者の手が把持される取っ手と、前記取っ手と前記置き台を間隔をおいて支持する支持ブラケットと、前記支持ブラケットに結合され、前記支持ブラケットを前記第2トラックに沿って往復移動するように案内する置き台用ガイドピンとを含むことができる。
【0023】
前記支持ブラケットに貫通形成された長孔のスロットと、前記置き台本体を前記スロットに移動自在に結合する結合部材とを含むことができる。
【0024】
前記一対の第1トラックに沿って前記一対の第1トラックにそれぞれ配置された一対のトラック用ガイドレールと、前記第2トラックが連結され、前記一対のトラック用ガイドレールに沿って往復移動する一対のトラック用ガイドブロックとを含むことができる。
【0025】
前記第2トラックに沿って配置された置き台用ガイドレールと、前記手置き台に連結され、前記置き台用ガイドレールに沿って往復移動する置き台用ガイドブロックとを含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、使用者の身体状態に応じて運動範囲を簡単にセットし、リハビリトレーニングを行うことができ、使用者が自身の筋力を用いて手と腕を移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行えるという効果を奏する。
【0027】
また、手が置かれる手置き台を使用者の特性に応じて多様なパターンで移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置の斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3図1の第2トラックと手置き台の要部拡大斜視図である。
図4図1の第2トラックの要部分解斜視図である。
図5】一実施形態として、図1のリハビリトレーニング装置で第2トラック及び手置き台の移動経路を制限する過程を示す図面である。
図6】一実施形態として、図1のリハビリトレーニング装置で第2トラック及び手置き台の移動経路を制限する過程を示す図面である。
図7】他の実施形態として、図1のリハビリトレーニング装置で第2トラック及び手置き台の移動経路を制限する過程を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照して本発明について詳細に説明する。
【0030】
図1乃至図4には、本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置が示されている。
【0031】
これらの図面に示されているように、本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置10は、一対の第1トラック11a、11bと、第2トラック21と、手置き台31と、ストッパとを含む。
【0032】
一対の第1トラック11a、11bは、それぞれ一定の長さの中が空いた棒状を有し、互いに間隔をおいて並んで配置される。各第1トラック11a、11bの上部面には、第1トラック11a、11bの長手方向に沿って第1トラック用スリット13a、13bが貫通形成されている。
【0033】
各第1トラック11a、11bには、第1トラック用スリット13a、13bに沿って第1トラック用スリット13a、13bの下方にトラック用ガイドレール15a、15bが設けられている。
【0034】
トラック用ガイドレール15a、15bには、第2トラック21に連結されたトラック用ガイドブロック17a、17bが往復移動自在に結合される。トラック用ガイドブロック17a、17bには、後述するトラック用ガイドピン23が結合される。
【0035】
第2トラック21は、一定の長さの中が空いた棒状を有し、第1トラック11a、11bと直角をなして配置される。
【0036】
第2トラック21の両端部には、トラック用ガイドピン23が第2トラック21から突出するように結合される。トラック用ガイドピン23は、第1トラック用スリット13a、13bを貫通し、トラック用ガイドブロック17a、17bに支持される。
【0037】
これにより、第2トラック21は、トラック用ガイドピン23に連結されたトラック用ガイドブロック17a、17bによりトラック用ガイドレール15a、15bに沿って往復移動するように案内される。即ち、第2トラック21は、一対の第1トラック11a、11bに移動自在に連結される。
【0038】
第2トラック21の上部面には、第2トラック21の長手方向に沿って第2トラック用スリット25が貫通形成されている。
【0039】
第2トラック21には、第2トラック用スリット25に沿って第2トラック用スリット25の下方に置き台用ガイドレール27が設けられている。
【0040】
置き台用ガイドレール27には、手置き台31に連結された置き台用ガイドブロック29が往復移動自在に結合される。置き台用ガイドブロック29には、後述する置き台用ガイドピン45が結合される。
【0041】
ここで、一対の第1トラック11a、11b及び第2トラック21はそれぞれ、長手方向に沿ってテレスコピック可能に結合され、例えば、各トラック11a、11b、21を重ねて入れる方式で製造して延長及び縮小し、長さを調節自在に設けられることもできる。
【0042】
手置き台31は、第2トラック21に移動可能に設けられ、使用者の手及び腕が載置される。手置き台31は、置き台本体33と、取っ手35と、支持ブラケット37と、置き台用ガイドピン45とを含む。
【0043】
置き台本体33は、使用者の腕を部分的に覆うアーチ型の断面形状を有し、使用者の腕を載置する。
【0044】
取っ手35は棒状を有し、置き台本体33に置かれた使用者の手が把持される。
【0045】
支持ブラケット37は板状を有し、第2トラック21の上部面に沿って移動する。支持ブラケット37は、取っ手35と置き台本体33を間隔をおいて支持する。取っ手35と置き台本体33は、第2トラック21の長手方向に対して横方向に配置され、第2トラック21の長手方向に沿って往復移動する。
【0046】
置き台用ガイドピン45は、支持ブラケット37の底部から突出するように結合される。置き台用ガイドピン45は、第2トラック用スリット25を貫通し、置き台用ガイドブロック29に支持される。
【0047】
これにより、手置き台31は、置き台用ガイドピン45に連結された置き台用ガイドブロック29により置き台用ガイドレール27に沿って往復移動するように案内される。即ち、手置き台31は、第2トラック21に移動自在に連結される。
【0048】
一方、支持ブラケット37には、支持ブラケット37の長手方向に沿って長孔のスロット39が貫通形成されている。
【0049】
また、置き台本体33は、置き台本体33の底部に設けられた結合部材41によりスロット39に沿って移動自在に結合されている。
【0050】
このように、支持ブラケット37にスロット39を形成し、置き台本体33を結合部材41によりスロット39に沿って移動自在に結合することによって、置き台本体33と取っ手35間の間隔を自由に調節できるようになる。
【0051】
従って、使用者の身体条件に応じて、取っ手35と置き台本体33との間の間隔を可変調節してリハビリトレーニングを行うことができる。
【0052】
ストッパは、第1トラック11a、11b及び第2トラック21に設けられ、第2トラック21及び手置き台31の移動を制限する。
【0053】
本実施形態では、ストッパとしてトラック用ストッパ51と置き台用ストッパ61とを含む。
【0054】
トラック用ストッパ51は第1トラック11a、11bに設けられ、第2トラック21の移動を制限する。本実施形態では、トラック用ストッパ51として複数のトラック用着脱溝53と、トラック用ストッパピン55とを含む。
【0055】
複数のトラック用着脱溝53は、第1トラック用スリット13a、13bに沿って、例えば、第2トラック21の移動経路に沿って一対の第1トラック11a、11bに間隔をおいて形成されている。
【0056】
トラック用ストッパピン55は、複数のトラック用着脱溝53に選択的に着脱され、第2トラック21の移動経路を遮断及び遮断解除する。
【0057】
これにより、図5及び図6に示すように、第1トラック11a、11bの複数のトラック用着脱溝53のうちの少なくとも何れか1つにトラック用ストッパピン55を装着することによって、使用者の身体状態に応じて第1トラック11a、11bに対する第2トラック21の移動経路を制限、例えば、使用者の運動範囲を簡単にセットし、リハビリトレーニングを行うことができる。
【0058】
ここで、図7に示すように、トラック用ストッパ51としてトラック用着脱溝53とトラック用ストッパピン55の代わりにクリップ57、例えば、弾性を有する「U」字の断面形状のクリップ57を第1トラック11a、11bの上部面に着脱することによって、第2トラック21の移動経路を遮断及び遮断解除することもできる。
【0059】
置き台用ストッパ61は第2トラック21に設けられ、手置き台31の移動を制限する。置き台用ストッパ61は、複数の置き台用着脱溝63と、置き台用ストッパピン65とを含む。
【0060】
複数の置き台用着脱溝63は、手置き台31の移動経路に沿って、例えば、第1トラック用スリット13a、13bに沿って第2トラック21に間隔をおいて形成されている。
【0061】
置き台用ストッパピン65は、複数の置き台用着脱溝63に選択的に着脱され、手置き台31の移動経路を遮断及び遮断解除する。
【0062】
これにより、図5及び図6に示すように、第2トラック21の複数の置き台用着脱溝63のうちの少なくとも何れか1つに置き台用ストッパピン65を装着することによって、使用者の身体状態に応じて第2トラック21に対する手置き台31の移動経路を制限、例えば、使用者の運動範囲を簡単にセットし、リハビリトレーニングを行うことができる。
【0063】
ここで、図7に示すように、置き台用ストッパ61として置き台用着脱溝63と置き台用ストッパピン65の代わりにクリップ67、例えば、弾性を有する「U」字の断面形状のクリップ67を第2トラック21の上部面に着脱することによって、手置き台31の移動経路を遮断及び遮断解除することもできる。また、本実施形態では、ストッパとしてトラック用ストッパ51と置き台用ストッパ61が共に設けられるものと示されているが、これに限定されず、ストッパとしてトラック用ストッパ51又は置き台用ストッパ61のみ設けられることもできる。
【0064】
一方、本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置10は、ボード71を更に含むことができる。
【0065】
ボード71は長方形の板状を有し、一対の第1トラック11a、11bと第2トラック21がなすX-Y軸平面を形成し、一対の第1トラック11a、11bの底部に支持される。
【0066】
ボード71の相互対向する一対の縁には、一対の第1トラック11a、11bが並んで配置されている。第2トラック21は、ボード71の板面を横切って配置されている。
【0067】
以下、説明の便宜上、第2トラック21が配置される方向をX軸方向といい、一対の第1トラック11a、11bが配置される方向をY軸方向という。
【0068】
一方、ボード71の互いに対向する一対のX軸辺、例えば、一側X軸辺には、光を発する複数の発光素子73が一側X軸辺の長手方向に沿って間隔をおいて設けられており、他側X軸辺には、複数の発光素子73から発光される光をそれぞれ受光する複数の受光素子75が他側X軸辺の長手方向に沿って間隔をおいて設けられている。これにより、一側X軸辺に設けられた複数の発光素子73と他側X軸辺に設けられた複数の受光素子75により、直線状の複数のX軸光の経路が形成され、複数のX軸光の経路によりボード71に複数のX軸座標を形成するようになる。
【0069】
また、ボード71の互いに対向する一対のY軸辺、例えば、一側Y軸辺には、光を発する複数の発光素子73が一側Y軸辺の長手方向に沿って間隔をおいて設けられており、他側Y軸辺には、複数の発光素子73から発光される光をそれぞれ受光する複数の受光素子75が他側Y軸辺の長手方向に沿って間隔をおいて設けられている。これにより、一側Y軸辺に設けられた複数の発光素子73と他側Y軸辺に設けられた複数の受光素子75により、直線状の複数のY軸光の経路が形成され、複数のY軸光の経路によりボード71に複数のY軸座標を形成するようになる。
【0070】
従って、ボード71の各辺に沿って複数の発光素子73と複数の受光素子75を配置することによって、複数の発光素子73と複数の受光素子75により形成される光の経路が互いに交差し、ボード71に複数のX-Y軸座標を形成するようになる。
【0071】
ここで、各発光素子73から各受光素子75に照射される光は、赤外線又はレーザであり得る。
【0072】
また、本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置10は、ポインタ81を更に含むことができる。
【0073】
ポインタ81は手置き台31に設けられ、光の経路を遮断してボード71のX-Y軸座標上で手置き台31の位置を指示する。
【0074】
このようなポインタ81は、ポインタチップ83と、チップホルダ85と、マウント87とを含む。
【0075】
ポインタチップ83はボード71の板面に沿って移動し、光の経路を遮断する。ここで、ポインタチップ83は、ボード71の板面に沿ってスライド移動するか、又はボード71の板面から離間し、ボード71の板面に沿って移動することができる。
【0076】
チップホルダ85は、ポインタチップ83がボード71の板面に密着するようにポインタチップ83を昇降自在に収容する。
【0077】
マウント87は、チップホルダ85を手置き台31に支持する。
【0078】
これにより、手置き台31がボード71のX-Y軸座標に沿って移動することによって、手置き台31に支持されたポインタチップ83はボード71に形成された複数の光の経路のうちの何れか1つを遮断し、ボード71のX-Y軸座標上で手置き台31の位置を指示するようになる。
【0079】
また、ポインタチップ83をチップホルダ85に昇降自在に設けることによって、使用者の腕又は手がボード71に向かって傾いても、ポインタチップ83がチップホルダ85に緩衝して収容され、使用者は、手置き台31を円滑に移動させながら運動できるようになる。
【0080】
そして、本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置10は、手置き台31が移動した座標データを外部機器に送信する通信モジュール91を更に含むことができる。
【0081】
このように、通信モジュール91を設けることによって、使用者が手置き台31を動かすのに伴い発生する運動データ、例えば、ボード71のX-Y軸座標上で手置き台31の移動経路データをリアルタイムで外部機器に転送し、運動量及び運動状態を遠隔地でも簡単に把握できるようになる。
【0082】
このような構成により、使用者が手と腕を手置き台31に載置した後、力を加えて手置き台31をボード71のX-Y軸座標上で自由に移動させて例えば、使用者が微細な筋力を用いて手置き台31を所望する方向へ移動させて使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うことができる。
【0083】
このとき、手置き台31の移動経路データ、例えば、ポインタ81が移動した座標データは通信モジュール91を介してリアルタイムで外部機器に転送され、使用者の運動量及び運動状態を遠隔地でも簡単に把握できるようになる。
【0084】
一方、本発明の一実施形態に係るリハビリトレーニング装置10の他の運動方法として、リハビリトレーニング装置10の近くに所定のパターンが形成されたパターンデータをディスプレイを介してディスプレイした状態で、使用者が手と腕を手置き台31に載置した後、使用者がディスプレイを介してディスプレイされるパターンデータを見ながら、手置き台31をパターンデータに従ってボード71のX-Y軸座標上で移動させて例えば、使用者が微細な筋力を用いて手置き台31を移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うことができる。
【0085】
このとき、手置き台31の移動経路データ、例えば、ポインタ81が移動した座標データとディスプレイ上にディスプレイされたパターンデータとを比較し、使用者のリハビリトレーニング状態などを把握できるようになる。
【0086】
このように、本発明によれば、互いに間隔をおいて並んで配置される一対の第1トラックに第2トラックを移動自在に配置し、使用者の手が置かれる手置き台を第2トラックに沿って往復移動させると同時に、第2トラックを第1トラックに沿って往復移動させ、第2トラック及び手置き台の移動を制限するストッパを設けることによって、使用者の身体状態に応じて運動範囲を簡単にセットし、リハビリトレーニングを行うことができ、使用者が自身の筋力を用いて手と腕を移動させて、使用者の手首及び肩の関節部位の関節角度を変化させ、リハビリトレーニングを行うことができる。
【0087】
一方、前述した実施形態では、ボードが底に水平に置かれるものが示されているが、これに限定されず、ボードの一側辺に、底と垂直をなすか、又はボードの底面に密着するように折り畳み可能にヒンジ結合されたサポートを装着し、ボードを底に対して傾斜するように置くこともできる。このように、ボードを底に対して傾斜するように置くことによって、ボードが底に水平に置かれた状態よりも相対的に強い力で手置き台を移動させなければならないので、使用者の運動量を増大させるようになる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7