(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特定の操作で前記表示装置の表示領域の一部又は全部を当該表示装置の後面側が視認可能な透明状態又は当該表示装置の後面側が視認不可能な不透明状態に切り替え可能にし、
前記表示領域の一部を前記透明状態にすることにより前記主制御装置の少なくとも一部分を視認可能にするとともに、他の表示領域を前記不透明状態にすることにより、当該不透明状態の前記他の表示領域に点検内容に関する表示を行うことが可能にしていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(遊技機10)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0022】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1、
図2を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前面側が開放され、他の面を板状態で形成される直方体状の筐体12と、この筐体12の前面側を開閉可能に覆う前扉14とを備えている。
【0023】
(回転リール62)
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個の回転リール62(正面から向かって左側の左回転リール64、中央の中回転リール66、右側の右回転リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全ての回転リール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、回転リール62の正面側に設けられて、回転リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。回転リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0024】
(リールユニット60)
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記回転リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記回転リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、回転リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、メイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、回転リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
【0025】
(クレジット表示器87、払出枚数表示器88)
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、例えば2個の7セグメントLEDで構成されており、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0026】
ここで、払出枚数表示器88は、後述する特定事象検知手段270により特定事象が発生したことが検知された場合に、当該特定事象が生じたこと及び当該特定事象の種類を報知可能な報知装置の一例である。
【0027】
(区間報知ランプ90)
また、図柄表示窓部16の下方には、後述する「有利区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により点灯される区間報知ランプ90が設けられている。
この区間報知ランプ90は、押し順報知の状態が「有利区間」である間は常時点灯されており、「非有利区間」に移行したことを契機にメイン制御手段200により消灯される。
【0028】
なお、本実施の形態にかかる区間報知ランプ90は、「有利区間」である間、常時点灯するものであるが、これに限らず、「有利区間」である間の、例えば、押し順を報知する遊技でのみ点灯する又は当該遊技以降も継続して点灯する場合や、特定の押し順を報知する遊技でのみ点灯する又は当該遊技以降も継続して点灯する場合、有利区間における出玉状況(例えば差枚数)が特定の出玉状況(例えば差枚数が1000枚に到達)であるときにのみ点灯する又は当該特定の状況に到達した以降も継続して点灯する場合、有利区間における出玉状況(例えば差枚数)が特定の出玉状況であって押し順を報知する遊技でのみ点灯する又は当該遊技以降も継続して点灯する場合、など常時点灯させなくても良い。また、前述の様に、区間報知ランプ90を継続して点灯する場合は、例えば、有利区間の上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するまで点灯させる、又は、例えば、有利区間の上限ゲーム数未満の範囲内で設定される所定のゲーム数(例えば1000ゲーム)に到達するまで点灯させると良い。
【0029】
ここで、区間報知ランプ90の点灯制御は、メイン制御手段200に搭載されている制御手段により制御されることが望ましく、有利区間を制御する有利区間制御手段260により実行する、或いは、当該点灯制御を実行する専用の区間報知制御手段を設けて実行する、ことが可能である。
【0030】
(操作部30)
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0031】
(メダルセレクタ17)
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。
【0032】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過してメダル払出口28から払い出される。
【0033】
(精算スイッチ36)
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0034】
(ストップスイッチ50)
前記操作部30の中央には、操作により対応する回転リール62の回転を停止させるため、3個の回転リール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左回転リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中回転リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右回転リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数の回転リール62それぞれに対応して設けられ、複数の回転リール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0035】
(スタートスイッチ40)
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件に回転リール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作により回転リール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0036】
(ベットスイッチ32)
このスタートスイッチ40の上方には、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて2又は3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0037】
(演出用ボタンスイッチ42)
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている。
【0038】
(扉開閉用スイッチ19)
扉開閉用スイッチ19は前扉14が閉じているか否かを検知するためのものである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが押圧されることでオンとなり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して押圧が解除されることでオフとなる。
【0039】
(設定変更スイッチ46)
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。
【0040】
(設定表示器89)
設定表示器89は、例えば7セグメントの小型のLEDにより、大当り確率の設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、設定後一定時間が経過するとその表示は解除される。
【0041】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44を有すると共に各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている。
【0042】
(ホッパーユニット24)
このホッパーユニット24には、メダルセレクタ17から流下した正規のメダルを貯留するメダルタンク24aと、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンク(図示せず)の近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出してメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0043】
(電源ユニット43)
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0044】
(メダル払出口28等)
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0045】
(遊技の流れの説明)
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35等の操作又はメダル投入により所定枚数のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、回転リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各回転リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、回転リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0046】
この有効ライン86は、具体的には3個の回転リール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各回転リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数の回転リール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。
【0047】
本実施の形態の有効ライン86は、左回転リール64、中回転リール66、右回転リール68の中段を結んだライン、の1本である。
なお、有効ライン86として、1ラインを示したが、これに限定されず、2〜5ライン、或いはV字形や山形を含めて6ライン以上としても良い。
また、遊技状態(
図16参照)を問わず1ラインとしたが、これに限定されず、遊技状態で有効ラインの数を変えるようにしても良い。
【0048】
また、図示しないが、左回転リール64、中回転リール66及び右回転リール68の表面には、「赤セブン」、「青セブン」、「バー」、「リプレイ」、「ベル」、「チェリー」などの複数の種々の図柄61が形成されている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープを回転リール62の外周表面に貼付することで形成されている。
【0049】
(演出装置70)
前記前扉14と前記筐体12には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、スピーカー72と、演出用ランプ78、表示装置84とを備えている。
【0050】
(スピーカー72)
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0051】
(演出用ランプ78)
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0052】
(表示装置84)
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示し、演出内容を表示可能なEL表示装置(有機EL表示装置、無機EL表示装置を含む)である。
なお、表示装置84は、EL表示装置に限定されず、本発明の目的を達成可能であれば液晶装置などであっても良い。
【0053】
表示装置84は、
図3、
図4、
図7、
図8に示すように、筐体12のメイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置に配置される。
ここで、メイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置は、筐体12を正面側から見た場合にメイン基板ケース200aと表示装置84とが重なる位置である。また、筐体12を正面側から見た場合に、メイン基板ケース200aの全部が表示装置84により遮られることで視認不可能とされることが望ましいが、これに限定されず、メイン基板ケース200aの全部が視認不可能にならず、一部が視認可能であっても良い。
また、メイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置は、少なくともメイン基板ケース200a、メイン基板200bの不正改造がされやすい箇所や、部品など、例えば、CPUやかしめ部202などは、表示装置84により遮られていることが望ましい。
【0054】
また、
図3、
図4、
図7、
図8に示すように、表示装置84を方形に形成し、筐体12の正面から向かって左側面板、右側面板、上側面板の3つと接するように配置されることが望ましい。
これにより、筐体12と表示装置84との間の隙間を少なくして、不正行為により主制御装置にアクセスすることをより難しくすることができる。
なお、図示しないが、メイン基板ケース200aの正面側の面に接するように配置することで、より筐体12と表示装置84との間の隙間を少なくして、不正行為により主制御装置にアクセスすることをより難しくするようにしても良い。
【0055】
また、前扉14の上パネル20の上側には、表示装置84に表示される演出内容を前扉14により筐体12の前面側を閉じた状態で視認可能とする透過部85を備える。
そのため、前扉14により筐体12の前面側を閉じた状態であると共に表示装置84に演出内容を表示可能な状態である遊技可能状態では、遊技者は、透過部85を通して表示装置84に表示される演出内容を視認可能である。
【0056】
表示装置84は、可撓性を備え、後述するが、所定の操作、本実施の形態では、前扉14を開放することなどにより、メイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置から退避させた退避状態へ変形可能に形成されている(
図4、
図5、
図6、
図8、
図9、
図10参照)。
【0057】
また、後述するが、表示装置84は、メイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置から退避させた退避状態で、当該表示装置84の一部に特定事象の点検内容に関する表示が行われる(
図6、
図10参照)。
【0058】
(制御装置100)
図2に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、主制御装置の一例であり遊技を進行させて遊技状態を制御するメイン制御手段200と、このメイン制御手段200からの情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段300とを備えている。
【0059】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、ベットスイッチ32、精算スイッチ36の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60及びホッパーユニット24の作動を制御する。サブ制御手段300は、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78の各パーツが接続されている。
【0060】
図11に示すメイン制御手段200を有するメイン基板200bと、サブ制御手段300を有するサブ基板300bとは、それぞれ専用の透明樹脂製の基板ケース200a,300aの内部に収納されている。具体的には、メイン基板200bは、メイン基板ケース200aの内部に収納され、サブ基板300bは、サブ基板ケース300aの内部に収納されている。
ここで、メイン基板ケース200aとメイン基板200bとは、主制御装置の一例である。
そして、
図3に示すように、メイン基板ケース200aは、筐体12内部の奥側、本実施の形態では、筐体12の背面板の上部に配置され、
図8に示すように、サブ基板ケース300aは、筐体12内部の正面から向かって左側の左側面板に固定されている。
【0061】
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポートを備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0062】
また、
図11に示すように、メイン基板200bの前面側(筐体12の前面側に向かう面)には、例えば4個の7セグメントLEDで構成される比率表示器201(役比モニタ)が設けられている。
比率表示器201(役比モニタ)は、遊技に関わる情報のうち特定の情報に係るデータを表示可能な表示部であり、
図15を用いて後述する。
【0063】
また、
図11に示すように、メイン基板ケース200aには、メイン基板ケース200aを封印するかしめ部202が設けられている。
かしめ部202は、内部のCPUなどに不正改造等が施されないように、メイン基板ケース200aを封印して、メイン基板ケース200aが不正に開放された際にはその痕跡が残るようにするための部分である。
なお、かしめ部202は、遊技機10の機種毎に設けられる位置や形状が異なり、又、
図11に示すように、1カ所に限定されず、複数箇所、例えば、基板ケース200aの左側と右側との両方に設けられても良い。
【0064】
その他、メイン基板ケース200aとメイン基板200bとには、基板番号、筐体ID、コネクタ、CPU番号、封印シール、封印キャップ、モニタLEDなど、点検を要する箇所や、部品などが設けられている。
ここで、基板番号や筐体IDは、頻繁に点検するものではないため、表示装置84を退避状態に変形した際に視認可能となる部分に配置される必要はないが、頻繁に点検する必要のある役比モニタ201などは、表示装置84を退避状態に変形した際に、視認可能となる部分に配置されている必要がある。
【0065】
(外部集中端子板18)
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン基板200bと配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、データ表示器などの遊技島設備やホールコンピュータに接続されている。
【0066】
(メイン制御手段200)
メイン制御手段200は、
図12に示すように、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、有利区間制御手段260、特定事象検知手段270、遊技履歴監視手段280及び送信手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、有利区間制御手段260は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段300が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0067】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、回転リール62の回転及び停止を制御し、回転リール62がすべて停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0068】
上述したように、遊技状態に応じて規定の賭け数が設定されると、有効ライン86(
図1参照)が設定される。
賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、ベットスイッチ32を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技での回転リール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個すべての回転リール62の回転が開始する。
【0069】
回転リール62の回転開始後、所定の条件(本実施の形態では、回転リール62を加速する処理を実行した後、所定のセンサにより回転リール62の回転位置が基準位置であることを検出すること)が成立すると、ストップスイッチ50の操作が可能な状態(停止操作可能状態)となる。
【0070】
その後に、3個のストップスイッチ50のうち1個を操作すると、当該ストップスイッチ50に対応した回転リール62の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ50の操作を終えると、3個すべての回転リール62の回転が停止する。
このとき、有効ライン86上に所定の図柄61の組合せが揃うと、当該図柄61の組合せに対応した処理が行われる。本実施の形態に係る遊技機10は、有効ライン86上に予め定められた図柄61の組合せが揃うと遊技者に利益が付与されるように形成されている。例えば小役に対応した図柄61の組合せが有効ライン86上に揃うと、小役に対応した枚数のメダルが遊技者に対して付与される。
【0071】
役抽選の当選確率は、複数段階、本実施の形態では、6段階(設定値1〜設定値6)設定されており、設定値によって当選確率の差がある役については、設定値1が最も低く、設定値6が最も高くなるように設定されている。
なお、設定値の段階は、6段階に限定されず、6段階未満の段階や7段階以上であっても良い。
【0072】
また、有効ライン86上に再遊技役(リプレイ役)に対応する図柄61の組合せが揃うと、メダルの払い出しはないものの、次回の遊技において遊技者所有のメダルを使用することなく賭け数が自動的に設定され遊技を行うことができる。
【0073】
(役抽選手段210)
役抽選手段210は、役に当選するか否かの役抽選を実行するものである。そして、役抽選において決定された役を当選役ともいう。すなわち、役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数段階の設定値毎に予め定められた抽選確率で役に当選するか否かの役抽選を行うためのものである。
【0074】
役抽選手段210は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、主な分類としてノーマル遊技状態用、ボーナス内部中状態用、ボーナス遊技状態用のそれぞれに対応して複数備えており、メイン基板200bのROM上に記憶されている。
【0075】
役抽選手段210は、予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。
【0076】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、図示しないが、大別すると、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)、リプレイ役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆる再遊技役)、小役(メダルの払い出しを伴う役)が設けられている。
【0077】
(リール制御手段220)
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各回転リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応する回転リール62の回転位置とに基づいて、各回転リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。
【0078】
(停止図柄判定手段230)
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、すべての回転リール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。
【0079】
(払出制御手段240)
払出制御手段240は、メイン制御手段200が備える手段であり、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払い出し等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払い出しを行う。
【0080】
(遊技制御手段250)
遊技制御手段250は、メイン制御手段200が備える手段であり、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図12に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態制御手段251、ボーナス内部中状態制御手段252及びボーナス遊技状態制御手段253の各手段を有する。
【0081】
(ノーマル遊技状態制御手段251)
ノーマル遊技状態制御手段251は、ノーマル遊技状態を制御するものである。ここで、ノーマル遊技状態は、ボーナス内部中状態制御手段252によるボーナス内部中状態、ボーナス遊技状態制御手段253によるボーナス遊技状態、以外の状態をいう。
【0082】
(ボーナス内部中状態制御手段252)
ボーナス内部中状態制御手段252は、「ボーナス内部中状態」(
図16参照)を制御するものである。ここで、ボーナス内部中状態は、ボーナス移行役に当選したが、当該ボーナス移行役に対応した図柄62の組み合わせを有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。
【0083】
(ボーナス遊技状態制御手段253)
ボーナス遊技状態制御手段253は、「ボーナス遊技状態」(
図16参照)を制御するものである。ここで、ボーナス遊技状態は、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応した図柄61の組み合わせを有効ライン86上に停止表示させることで移行する。
ボーナス遊技状態には、「RBB1」と、「RBB2」とがある。ここで、「RBB1」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば40枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB2」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば312枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、ボーナス遊技状態終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0084】
(有利区間制御手段260)
有利区間制御手段260は、メイン制御手段200が備える手段であり、
図17を用いて後述するストップスイッチ50の操作態様を報知不可能な非有利区間と、報知可能な有利区間とを制御するものである。
そして、後述する演出制御手段320を用いてストップスイッチ50の押し順を報知させる演出等を実行させる。
【0085】
また、有利区間制御手段260は、
図17に示すように、役抽選により予め定められた役に当選した場合に「非有利区間」から「有利区間」へ移行させる。
【0086】
なお、役抽選により予め定められた役に当選することにより、非有利区間から有利区間へ移行する場合に限定されず、当該役に当選することを契機に実行される抽選(有利区間移行抽選)により、有利区間へ移行することが決定された場合に移行するようにしても良い。
【0087】
(特定事象検知手段270)
特定事象検知手段270は、メイン制御手段200が備える手段であり、特定事象が発生したか否かを検知するものである。
この特定事象とは、具体的には、遊技機10において、通常の状態とは異なる異常な状態が発生している状態、いわゆるエラー発生が含まれる。
【0088】
この特定事象には、具体的には、例えば、
図14に示すように、投入メダルエラー、払出メダルエラー、払出不良エラー、払出メダル切れエラー、RWMエラー、リールエラー、オーバーフローエラー、メダル払出装置接続エラー、センサエラー等が該当する。これらの特定事象(エラー)には、それぞれの種類を分類するためのエラーコード(上記の順番にE0、E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、EA)が設定されている。
【0089】
(遊技履歴監視手段280)
遊技履歴監視手段280は、メイン制御手段200が備える手段であり、遊技履歴を監視するものである。
遊技履歴監視手段280は、遊技機関わる情報のうち特定の情報に係るデータとして、ゲーム毎に遊技数を計数し、毎ゲーム所定の期間毎、例えば400ゲーム毎の期間の総払出枚数、役物払出枚数、連続役物払出枚数を計数する。
【0090】
具体的には、有利区間比率(累計)を毎ゲーム算出し、連続役物比率(6000ゲーム)、役物比率(6000ゲーム)、連続役物比率(累計)、役物比率(累計)を400ゲーム毎に算出する。
有利区間比率(累計)の算出では、総累計の有利区間遊技数の、総累計の総遊技数に対する割合(百分率)(%)を算出する。
【0091】
また、連続役物比率(6000ゲーム)の算出では、累積の連続役物払出枚数の、累積の総払出枚数に対する割合(百分率)(%)を算出し、役物比率(6000ゲーム)の算出では、累積の役物払出枚数の、累積の総払出枚数に対する割合(百分率)(%)を算出する。
さらに、連続役物比率(累計)の算出では、総累計の連続役物払出枚数の、総累計の総払出枚数に対する割合(百分率)(%)を算出し、役物比率(累計)の算出では、総累計の役物払出枚数の、総累計の総払出枚数に対する割合(百分率)(%)を算出する。
【0092】
そして、算出された(1)有利区間比率(累計)、(2)連続役物比率(6000ゲーム)、(3)役物比率(6000ゲーム)、(4)連続役物比率(累計)、(5)役物比率(累計)が
図15に示す表示方法に従って順次表示される。
【0093】
つぎに、
図15を用いて、比率表示器201(役比モニタ)の表示内容について説明する。
ただし、
図15中の7セグ表示の欄の表示内容が比率表示器201の具体的な表示例であり、百分率(%)が50(%)の場合を例に挙げている。
【0094】
具体的には、(1)有利区間比率(累計)では、比率表示器201の上位2桁(千の位と百の位)のセグメントに「有利区間比率(累計)」を示す略記「7A」が表示され、比率表示器201の下位2桁(十の位と一の位)のセグメントに設置以降またRWMクリア以降の累計ゲームにおける有利区間遊技数の、累計ゲームにおける総遊技数に対する割合(百分率)(%)の下位2桁が表示される。
【0095】
また、(2)連続役物比率(6000ゲーム)では、比率表示器201の上位2桁(千の位と百の位)のセグメントに「連続役物比率(6000ゲーム)」を示す略記「6b」が表示され、比率表示器201の下位2桁(十の位と一の位)のセグメントに直近6000ゲームにおける連続役物払出枚数の、直近6000ゲームにおける総払出枚数に対する割合(百分率)(%)の下位2桁が表示される。
【0096】
さらに、(3)役物比率(6000ゲーム)では、比率表示器201の上位2桁(千の位と百の位)のセグメントに「役物比率(6000ゲーム)」を示す略記「7b」が表示され、比率表示器201の下位2桁(十の位と一の位)のセグメントに直近6000ゲームにおける役物払出枚数の、直近6000ゲームにおける総払出枚数に対する割合(百分率)(%)の下位2桁が表示される。
【0097】
さらに、(4)連続役物比率(累計)では、比率表示器201の上位2桁(千の位と百の位)のセグメントに「連続役物比率(累計)」を示す略記「6c」が表示され、比率表示器201の下位2桁(十の位と一の位)のセグメントに設置以降またはRWMクリア以降の累計ゲームにおける連続役物払出枚数の、設置以降またはRWMクリア以降の累計ゲームにおける総払出枚数に対する割合(百分率)(%)の下位2桁が表示される。
【0098】
(5)役物比率(累計)では、比率表示器201の上位2桁(千の位と百の位)のセグメントに「役物比率(累計)」を示す略記「7c」が表示され、比率表示器201の下位2桁(十の位と一の位)のセグメントに設置以降またはRWMクリア以降の累計ゲームにおける役物払出枚数の、設置以降またはRWMクリア以降の累計ゲームにおける総払出枚数に対する割合(百分率)(%)の下位2桁が表示される。
【0099】
これらの(1)有利区間比率(累計)、(2)連続役物比率(6000ゲーム)、(3)役物比率(6000ゲーム)、(4)連続役物比率(累計)、(5)役物比率(累計)が、所定の順番で表示される。具体的には、(1)有利区間比率(累計)が一定期間表示される。続いて、(2)連続役物比率(6000ゲーム)が一定期間表示され、さらに続いて、(3)役物比率(6000ゲーム)が一定期間表示される。さらに続いて、(4)連続役物比率(累計)が一定期間表示され、さらに続いて、(5)役物比率(累計)が一定期間表示される。
なお、比率表示器201(役比モニタ)の表示は一例であり、上述したものをすべて表示する必要はなく、又、上述したものに限定されず、他の比率を表示するようにしても良い。
【0100】
(送信手段290)
送信手段290は、サブ制御手段300へ信号を送信するためのものである。
【0101】
(サブ制御手段300)
サブ制御手段300は、
図13に示すように、受信手段310、演出制御手段320の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、演出制御手段320は、サブ制御手段300ではなく、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0102】
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
具体的には、サブ制御手段300は、演出用ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0103】
(受信手段310)
受信手段310は、送信手段290からの信号を受信するものである。
【0104】
(演出制御手段320)
演出制御手段320は、
図16に示す遊技状態及び
図17に示す有利区間の状態に応じた遊技機10の演出を制御するものである。
また、演出制御手段320は、
図17に示す有利区間の間、メイン制御手段200の有利区間制御手段260からストップスイッチ50の押し順を報知させるコマンドを受信した場合に当該ストップスイッチ50の押し順を報知させる演出を実行する。
【0105】
具体的には、各ストップスイッチ50の位置(詳しくは各ストップスイッチ50に対応する回転リール62の位置)と対応する表示装置84の画面に、押し順を示す複数の画像又は映像(例えば「1」「2」「3」)を表示することで押し順を報知する。その後、前記押し順を示す画像又は映像は、ストップスイッチ50が操作される度に、当該操作されたストップスイッチ50の位置に対応する部分が消去(又は順序を示さない画像に変更)される。
【0106】
また、演出制御手段320は、メイン制御手段200から特定事象が発生したことを示す信号と扉開閉用スイッチがオフになったことを示す信号が送信された場合は、表示装置のモータを駆動し、退避状態へ変形させる(
図4、
図8参照)。
そして、後述するように、退避状態で表示装置84の一部に特定事象の点検内容に関する表示を行うようにしている(
図6、
図10参照)。
また、当該退避状態で、後述するように、点検内容に関する表示を行っていない表示装置の他の一部を光源として点灯するようにしている(
図6、
図10参照)。
【0107】
(
図16を用いた遊技状態の説明)
つぎに、
図16を用いて遊技状態について説明する。
遊技状態は、メイン制御手段200により管理され、
図16に示すように、大別すると、ノーマル遊技状態、ボーナス遊技状態がある。
【0108】
(ノーマル遊技状態)
ノーマル遊技状態は、ノーマル遊技状態制御手段251により制御される。
ノーマル遊技状態における役抽選によりボーナス移行役に当選した場合に、ノーマル遊技状態からボーナス内部中状態へ移行する。
【0109】
(ボーナス内部中状態)
ボーナス内部中状態は、ボーナス内部中状態制御手段252により制御され、ノーマル遊技状態において、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組合せが停止表示されなかった場合に移行する。
【0110】
(ボーナス遊技状態)
ボーナス遊技状態は、ボーナス遊技状態制御手段253により制御され、本実施の形態では、ボーナス移行役に当選し、当該ボーナス移行役に対応する図柄組合せが停止表示された場合に移行する。
【0111】
ボーナス遊技状態は、「RBB1」と、「RBB2」とがある。ここで、「RBB1」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば40枚を超えるメダルの払い出しで終了する。また、「RBB2」はいわゆる「RBB」が連続作動し、所定の枚数、例えば312枚を超えるメダルの払い出しで終了する。
そして、ボーナス遊技状態終了後、ノーマル遊技状態に移行する。
【0112】
(
図17を用いた有利区間の説明)
図17に示すように、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合に、当該押し順を遊技者に報知不可能な「非有利区間」と、「非有利区間」から移行可能であり、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合に、当該押し順を遊技者に報知可能な「有利区間」とがある。
【0113】
「非有利区間」は、「有利区間」を除いた区間である。
「非有利区間」から「有利区間」には、非有利区間における役抽選により予め定められた役に当選したことに基づいて移行する。
なお、「非有利区間」から「有利区間」には、予め定められた役に当選したことに基づいて移行する場合に限定されず、予め定められた役に当選し、当該役に対応する図柄組合せが有効ライン86上に停止表示されたことに基づいて移行することとしても良いし、又、予め定められた役に当選した場合に有利区間移行抽選を行い、当該有利区間移行抽選に当選したことに基づいて移行することとしても良い。
【0114】
また、本実施の形態では、区間報知ランプ90は、有利区間へ移行する契機となる予め定められた役に当選したゲームのいわゆる第3停止後に点灯するように設定されている。
【0115】
(有利区間)
「有利区間」は、「非有利区間」よりも遊技者に有利な区間であって、図示しないが、「AT状態」などを備える。
【0116】
なお、ここで、遊技者に有利な区間とは、例えば、非有利区間では、役抽選により予め定められた押し順でストップスイッチ50の操作がされた場合に入賞となる押し順役に当選した場合であっても、当該押し順を遊技者に報知することが不可能であった状態から可能な状態になったことや、非有利区間では実行されないART状態が実行されることなどから、遊技者に有利な区間となっている。
したがって、「有利区間」全体を通して遊技者にとって有利である必要はなく、「有利区間」の一部で遊技者にとって有利ではないことがあっても良い。
【0117】
また、非有利区間から有利区間へ移行してから、所定の上限ゲーム数、例えば1500ゲームを消化した場合は、有利区間の上限ゲーム数に到達したとして、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
そのため、メイン制御手段200では、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の消化ゲーム数を計数している。
【0118】
また、非有利区間から有利区間へ移行した後、所定の上限ゲーム数(1500ゲーム)を消化する前(有利区間の上限ゲーム数に到達する前)であっても、予め定められた所定枚数の出玉(例えばいわゆる差枚数2400枚)を獲得したときには、これを契機に、上限ゲーム数を消化する前であっても、有利区間から非有利区間へ移行するようにしている。
そのため、メイン制御手段200では、予め定められた所定枚数の出玉(いわゆる差枚数2400枚)に到達するか否か判定するため、有利区間へ移行した後の投入枚数と払出枚数とを計数している。
【0119】
また、有利区間には、AT状態だけではなく、有利区間からAT状態などの特殊な状態を除いた有利区間通常状態や、AT状態のゲーム数を上乗せさせるか否かを抽選する上乗せ状態、AT状態を継続させるか否かを抽選する継続状態などを備えても良い。
【0120】
(AT状態)
「AT状態」は、「非有利区間」より遊技者に有利な状態である。当該「AT状態」に移行すると、所定の役の入賞をアシストするための報知演出として、当選した役の押し順が報知される遊技(AT)が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役や再遊技役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払い出される。
「AT状態」は、所定のゲーム数、例えば50ゲームの間、実行可能な状態である。そして、所定のゲーム数が消化されると、「AT状態」から「非有利区間」や「有利区間通常状態」へ移行する。
【0121】
(表示装置84の退避状態への変形)
図5、
図9を用いて、前扉14が開放されることに伴う変形について説明する。
上述したように、表示装置84は、可撓性を備え、前扉14を開放することにより、メイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置から退避させた退避状態へ変形可能に形成されている。
【0122】
ここで、メイン基板ケース200aの遊技者側を覆い得る位置から退避させた退避状態は、筐体12を正面側から見た場合にメイン基板ケース200aと表示装置84とが重なる位置である主制御装置の遊技者側を覆い得る位置から、遊技店の店員が遊技機10の点検をする際などに、メイン基板ケース200a、メイン基板200bの少なくとも頻繁に点検を要する箇所や、部品など、例えば、比率表示器201(役比モニタ)や、CPU、かしめ部202などが表示装置84により遮られることがない位置まで退避させた状態である。
【0123】
具体的には、前扉14が開放されることにより、扉開閉用スイッチ19がオフになった場合に、モータ84cを駆動し、
図5に示すように、表示装置84を折り曲げることにより退避状態へ変形させる。
【0124】
より具体的には、
図5(A)に示すように、表示装置84には、左右方向に4個の回転軸(第1回転軸84d、第2回転軸84e、第3回転軸84f、第4回転軸84g)を備え、各回転軸84d,84e,84f,84gにより、表示装置84のパネル部Pを折り曲げ可能に形成されている。そして、モータ84cを駆動することにより、表示装置84の右端の第1回転軸84dを備えたスライダ84hをモータ84cによって回転されるボールねじ84iに沿って表示装置84の左側の第4回転軸84g側へ移動させる。かかる移動に伴い、
図5(B)に示すように、表示装置84の第2回転軸84eと第3回転軸84fとにより表示装置84のパネル部Pをボールねじ84iの前側に折り曲げつつ、表示装置84を図示しない回転軸により、表示領域が遊技機10の右側を向くように回転させる。
【0125】
かかる退避状態へ変形させることで、
図4に示すように、遊技店の店員などがメイン基板ケース200a、メイン基板200bを視認することが可能となり、遊技機10の点検やメンテナンスに際し、表示装置84が邪魔になることを防止することができる。
【0126】
なお、退避状態への移動はかかる構造を備えるものに限定されず、例えば、スライダ84hにモータ84cを備えても良いし、又、各回転軸84d,84e,84f,84gにモータを備え、当該モータを駆動させることにより表示装置84を折り曲げるようにしても良い。
また、モータ84cを使用せず、前扉14と表示装置84とを棒状や紐状の構造物により連結させ、前扉14が開放されることにより、当該構造物が引っ張られることに伴い、退避状態へ変形するようにしても良い。
【0127】
また、前扉14の開放により退避状態へ変形する場合に限定されず、遊技店の店員が各種のスイッチ(ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50など)を用いてコマンドを入力することや、前扉14を開放した後に、手を用いて表示装置84を折り曲げるなどの手法で、退避状態へ変形させることを妨げるものではない。
【0128】
また、他の例として、前扉14が開放されることにより、扉開閉用スイッチ19がオフになった場合に、モータ84cを駆動し、
図9に示すように、表示装置84を巻き取ることにより退避状態へ変形させる場合について説明する。
【0129】
具体的には、モータ84jを駆動させることにより、
図9(A)に示す状態から
図9(B)に示す状態のように、表示装置84の右端の回転軸84kを備えたスライダ84lをモータ84jによって回転されるボールねじ84mに沿って表示装置84の左側へ移動させる。かかる移動とともに、回転軸84kを回転させて、表示装置84のパネル部Pを回転軸84kで巻き取る。そして、
図9(C)に示すように、表示装置84の左端までスライダ84lを移動させる。
【0130】
かかる退避状態へ変形させることで、
図8に示すように、遊技店の店員などがメイン基板ケース200a、メイン基板200bを視認することが可能となり、遊技機10の点検やメンテナンスに際し、表示装置84が邪魔になることを防止することができる。
【0131】
なお、退避状態への移動はかかる構造を備えるものに限定されず、例えば、スライダ84lにモータ84jを備えて移動しながら表示装置84のパネル部Pを巻き取るようにしても良い。
また、モータ84jを使用せず、前扉14と表示装置84(回転軸k)とを棒状や紐状の構造物により連結させ、前扉14が開放されることにより、当該構造物が引っ張られることに伴い、退避状態へ変形するようにしても良い。
【0132】
また、前扉14の開放により退避状態へ変形する場合に限定されず、遊技店の店員が各種のスイッチ(ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50など)を用いてコマンドを入力することや、前扉14を開放した後に、手を用いて表示装置84を巻き取るなどの手法で、退避状態へ変形させることを妨げるものではない。
【0133】
(特定事象の点検内容に関する表示)
図6に示すように、表示装置84は、退避状態で、当該表示装置84の遊技者側に向かった一部84aに特定事象の点検内容に関する表示が行われる。
図6を用いて、表示装置84を折り曲げることにより退避状態へ変形される場合の特定事象の点検内容に関する表示について説明する。
まず、特定事象が発生すると、報知装置(払出枚数表示器88)に特定事象のエラーコードが表示される。
【0134】
例えば、特定事象が、
図14に示す「投入メダルエラー」である場合は、エラーコードとして「E0」が表示される。
そして、当該エラーコードが表示されることなどにより、特定事象が生じたことを遊技店の店員が認識した場合は、点検をするために、前扉14を開放させる。かかる開放に伴い、
図4、
図5(B)、
図6に示すように表示装置84が折り曲げられ、退避状態へ変形されることで、メイン基板ケース200a、メイン基板200bを視認容易とする。
【0135】
ここで、例えば、特定事象が、
図14に示す「投入メダルエラー」である場合は、
図6に示すように、表示装置の一部84aに、「E0:投入メダルエラー」と表示すると共に、メダル投入口内部を点検することが表示される。
これは、特定事象が生じた場合に、遊技店の店員が前扉14を開放して筐体12の内部の特定事象を生じさせた場所を点検するが、特定事象が生じた場合に当該特定事象の種類を報知可能な報知装置(払出枚数表示器88)は、前扉14の前面側に設けられており、筐体12の内部を点検している場合に、当該報知装置(払出枚数表示器88)は視認不可能であるため、前扉14を開放した状態でも、特定事象の種類や、対応の仕方などの点検内容に関する表示を表示装置84に表示することで、点検を容易にするためである。
なお、前扉14の上側に液晶装置が配置された従来の遊技機では、特定事象が生じた場合に当該特定事象の種類を液晶装置でも報知しているが、前扉14を開放した状態では、液晶装置は視認不可能であるため、本願のように筐体12側に表示装置84を配置することで、点検を容易にすることが可能となる。
【0136】
また、
図6に示すように、退避状態で、表示装置84の筐体12の内部側に向かった表示装置の他の一部84bを光源として点灯することで、筐体12の内部を照光可能にしている。
これは、筐体12の内部には、当該内部側を照光するライトなどが設けられていないことが通常であり、遊技店の店内の照明に頼って内部を筐体12の内部を点検すると、筐体12の内部が暗く、点検内容によっては点検する箇所が見づらい場合が多いため、別途ライトなどを用いることなく点検を容易にするためである。
【0137】
つぎに、
図10を用いて、表示装置84を巻き取ることにより退避状態へ変形される場合の特定事象の点検内容に関する表示について説明する。
まず、特定事象が発生すると、報知装置(払出枚数表示器88)に特定事象のエラーコードが表示される。
例えば、特定事象が、
図14に示す「投入メダルエラー」である場合は、エラーコードとして「E0」が表示される。
【0138】
そして、当該エラーコードが表示されることなどにより、特定事象が生じたことを遊技店の店員が認識した場合は、点検をするために、前扉14を開放させる。かかる開放に伴い、
図7、
図8、
図9に示すように表示装置84が巻き取られ、退避状態へ変形されることで、メイン基板ケース200a、メイン基板200bを視認容易とする。
【0139】
ここで、例えば、特定事象が、
図14に示す「投入メダルエラー」である場合は、
図10に示すように、表示装置の一部84aに、「E0:投入メダルエラー」と表示する。
なお、上述した表示装置84を折り曲げることにより退避状態へ変形される場合の特定事象の点検内容に関する表示とは異なり、表示スペースの都合上メダル投入口内部を点検することは表示されないが、最後まで巻き取らず、巻き取り量を調整することで表示スペースを確保して、メダル投入口内部を点検することを表示するようにしても良い。
【0140】
これは、特定事象が生じた場合に、遊技店の店員が前扉14を開放して筐体12の内部の特定事象を生じさせた場所を点検するが、特定事象が生じた場合に当該特定事象の種類を報知可能な報知装置(払出枚数表示器88)は、前扉14の前面側に設けられており、筐体12の内部を点検している場合に、当該報知装置(払出枚数表示器88)は視認不可能であるため、前扉14を開放した状態でも、特定事象の種類や、対応の仕方などの点検内容に関する表示を表示装置84に表示することで、点検を容易にするためである。
【0141】
また、
図10に示すように、退避状態で、表示装置84の筐体12の内部側に向かった表示装置の他の一部84bを光源として点灯することで、筐体12の内部を照光可能にしている。
これは、筐体12の内部には、当該内部側を照光するライトなどが設けられていないことが通常であり、遊技店の店内の照明に頼って内部を筐体12の内部を点検すると、筐体12の内部が暗く、点検内容によっては点検する箇所が見づらい場合が多いため、別途ライトなどを用いることなく点検を容易にするためである。
【0142】
(第2の実施の形態)
つぎに、第2の実施の形態について
図1、
図18〜
図22を用いて説明する。
上述した第1の実施の形態は、表示装置84を退避状態に変形することでメイン基板ケース200a、メイン基板200bを視認可能としたが、本第2の実施の形態は、表示装置84を透明状態Tにすることでメイン基板ケース200a、メイン基板200bを視認可能とするものである。
なお、本第2の実施の形態は、第1の実施の形態の表示装置84を退避状態に変形する構成を備えつつ表示装置84を透明にすることと、第1の実施の形態の表示装置84を退避状態に変形する構成を備えず表示装置84を透明することと、の両方を含むものである。
上述した第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については説明を簡略又は省略する。
【0143】
(表示装置84)
表示装置84は、演出内容を表示可能であり、表示領域の少なくとも一部を透明状態T又は不透明状態Oに切り替え可能なものである。
ここで、透明状態Tは、表示装置84の後面側が視認可能な状態であり、不透明状態Oは、表示装置84の後面側が視認不可能な状態である。
ここで、
図1は、表示領域の全てを不透明状態Oにしている状態を示す図であり、
図18、
図19は、表示領域の全てを透明状態Tにしている状態を示す図である。
そして、表示装置84の表示領域の全てを不透明状態Oにしている状態で、演出制御手段320による演出が実行される。
【0144】
また、表示装置84は、遊技機10の電源が切られた状態では、全ての表示領域が不透明状態Oとなるように形成される。
なお、本実施の形態でも、表示装置84は、筐体12側に設けられることが望ましいが、前扉14側に設けられることを排除するものではない。
【0145】
具体的には、表示装置84は、前扉14により筐体12の前面側を閉じた状態であると共に、演出内容を表示可能な状態である遊技可能状態で、当該表示装置84を透明状態Tにするとメイン基板ケース200a、メイン基板200bが視認可能となり、不透明状態Oにするとメイン基板ケース200a、メイン基板200bが視認不可能な状態になるように配置される。
【0146】
そして、前扉14を閉じた状態で、特定の操作、例えば、遊技店の店員が通常の遊技の操作では行わない各種のスイッチ(ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50など)を用いたコマンドの入力を行うことにより、表示領域の少なくとも一部を透明状態Tにすることでメイン基板ケース200aやメイン基板200bの特定部分を視認可能にする。
ここで、「通常の遊技の操作では行わない」には、各種のスイッチを特別な順番で操作することや、前扉14を開閉するための鍵をさした状態で各種のスイッチを操作することなどを含む。
これにより、前扉14を開放することなく、遊技店の店員などが点検をすることが可能となる。
【0147】
また、「メイン基板ケース200aとメイン基板200bとの特定部分」は、メイン基板ケース200aとメイン基板200bとの複数箇所、例えば、メイン基板200bの比率表示器201(役比モニタ)の前面側(
図20参照)や、CPUの前面側(
図21参照)、メイン基板ケース200aのかしめ部202の前面側(
図22参照)などの、遊技機10の点検に際し遊技店の店員が見る必要のある箇所に設けられる。
そして、特定の契機、例えば、時間の経過や、遊技店の店員による切り替え操作などにより、特定部分に対応した表示領域を透明状態Tに切り替えるようにしている。
【0148】
また、表示領域の一部を不透明状態Oにして、当該不透明状態Oにした表示領域に、点検内容に関する表示を行うことを可能にしている。
具体的には、特定部分が比率表示器201(役比モニタ)の場合は、
図20に示すように、例えば、比率表示器201(役比モニタ)に表示されている数値の適正範囲として、「7A」の「有利区間比率(累計)」では、比率が「70%以内」であることなどを遊技店の店員に向けて表示することで、遊技機10が故障していることや、不正改造されているおそれがあることなどを判断可能にしている。
【0149】
また、特定部分が「CPU」である場合は、
図21に示すように、例えば、CPUの表面に刻印されているメーカー名や型番などの情報を遊技店の店員に向けて表示することで、CPUが不正なCPUに交換されているおそれがあることなどを判断可能にしている。
【0150】
また、特定部分が「かしめ部」である場合は、
図22に示すように、例えば、かしめ部202の正しい状態を示す画像を遊技店の店員に向けて表示することで、かしめ部202に、基板ケース200aが不正に開放されたおそれがあることなどを判断可能にしている。
【0151】
なお、特定部分は、上述したものに限定されず、又、採用される遊技機10の機種毎にメイン基板ケース200a、メイン基板200bにおける特定部分の配置も異なるため、不透明状態Oにする表示領域を変更可能にすることが望ましい。
より詳しくは、遊技機10の機種毎に、点検対象となる部品の位置や形状が異なり、遊技店の店員などの点検する者がマニュアルを確認しながら点検することは負担が大きいものとなる。そのため、機種毎に点検対象となる部品の位置や形状に関する情報を記憶しておき、マニュアルを確認することなく複数種類の機種の点検を効率的に行うことが可能となる。
【0152】
(演出制御手段320)
演出制御手段320は、メイン制御手段200から特定の操作、例えば、遊技店の店員が各種のスイッチ(ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50など)を用いたコマンドの入力が行われたことを示す信号が送信された場合は、表示装置84の表示領域の一部を透明状態Tに制御する。
そして、表示装置84の透明状態Tにしていない表示領域の一部の不透明状態Oの表示領域に、点検内容に関する表示を行うようにしている(
図20〜
図22参照)。
【0153】
なお、本第2の実施の形態を、第1の実施の形態の表示装置84を退避状態に変形する構成も備えているように構成する場合は、退避状態に変形した表示装置84(
図9(B)参照)の一部を透明状態Tにして、メイン基板ケース200aとメイン基板200bとの特定部分を視認可能とすると共に、透明状態Tではない不透明状態Oの表示領域に点検内容に関する表示を行うようにしても良い。
【0154】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。
【0155】
以上のように、本発明では、以下の効果を奏する。
本発明は、表示装置84を筐体12側に配置することで、遊技機10の重量バランスを取りやすくすることが可能な遊技機10を提供することができる。
また、メイン基板ケース200aを覆うように表示装置84を配置することで、不正行為によりメイン基板ケース200a、メイン基板200bにアクセスし難くすることが可能となり、不正行為が行われ難くすることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0156】
また、本発明は、さらに、遊技店の店員が遊技機10の点検をする際などに、表示装置84に邪魔されることなく、メイン基板ケース200a、メイン基板200bにアクセスすることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0157】
また、本発明は、さらに、遊技店の店員などが表示装置84を退避状態へ変形させるために他の操作をする必要がなくなり、点検の負担を軽減することが可能な遊技機10を提供することができる。
【0158】
また、本発明は、さらに、エラーなどの特定事象が生じた場合に、遊技店の店員が前扉14を開放して筐体12の内部の特定事象を生じさせた場所を点検するが、特定事象が生じた場合に当該特定事象の種類を報知可能な報知装置は、前扉14の前面側に設けられており、筐体12の内部を点検している場合に、当該報知装置は視認不可能であるため、点検中に特定事象の種類を見ることが困難なことが多い。そのため、前扉14を開放した状態でも、特定事象の種類や、対応の仕方などの点検内容に関する表示を表示装置84に表示することで、点検を容易にすることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0159】
また、本発明は、さらに、筐体12の内部には、当該内部側を照光するライトなどが設けられていないことが通常であり、遊技店の店内の照明に頼って内部を筐体12の内部を点検すると、筐体12の内部が暗く、点検内容によっては点検する箇所が見づらい場合が多い。そのため、別途ライトなどを用いることなく点検を容易にすることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0160】
また、本発明は、さらに、遊技店の店員などが点検内容に関する表示を見ながら点検をすることが可能となり、遊技機10の点検を容易にすることが可能な遊技機10を提供することができる。
【0161】
また、本発明は、さらに、遊技機10の電源が切られた運搬時などに、メイン基板ケース200a、メイン基板200bが視認可能となることを防止することが可能な遊技機10を提供することができる。
また、メイン基板ケース200a、メイン基板200bが視認可能となることに伴う、不正改造などを防止することが可能な遊技機10を提供することができる。
【0162】
また、本発明は、さらに、EL表示装置は、液晶表示装置などの他の表示装置に比べ、軽いことから、遊技機(10)の上側に偏った重心を低くすることが可能な遊技機10を提供する際に最適である。
また、EL表示装置は、液晶表示装置などの他の表示装置に比べ、折り曲げ耐性が強いことから、退避状態へ変形することによる故障などの確率を低くすることが可能な遊技機10を提供する際に最適である。
【解決手段】メイン制御基板の遊技者側を覆い得る位置に配置される表示装置84を備え、前扉14には表示装置84に表示される演出内容を前扉14により筐体12の前面側を閉じた状態で視認可能とする透過部85を備え、前扉14により筐体12の前面側を閉じた状態であると共に表示装置84に演出内容を表示可能な状態である遊技可能状態では、遊技者は、透過部85を通して表示装置84に表示される演出内容を視認可能であることを特徴とする。