特許第6474517号(P6474517)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474517複数列充填包装方法、複数列充填包装機および充填包装体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6474517
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】複数列充填包装方法、複数列充填包装機および充填包装体
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/067 20120101AFI20190218BHJP
   B65B 3/02 20060101ALI20190218BHJP
   B65B 51/10 20060101ALI20190218BHJP
   B65B 51/16 20060101ALI20190218BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   B65B9/067
   B65B3/02
   B65B51/10 W
   B65B51/16
   B65D75/58
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-114791(P2018-114791)
(22)【出願日】2018年6月15日
【審査請求日】2018年6月18日
(31)【優先権主張番号】特願2018-77439(P2018-77439)
(32)【優先日】2018年4月13日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2018-102777(P2018-102777)
(32)【優先日】2018年5月29日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】307028493
【氏名又は名称】株式会社悠心
(74)【代理人】
【識別番号】110001542
【氏名又は名称】特許業務法人銀座マロニエ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二瀬 克規
【審査官】 西山 智宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−145473(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/069678(WO,A1)
【文献】 特開昭53−071997(JP,A)
【文献】 実開平07−021506(JP,U)
【文献】 特開平06−099913(JP,A)
【文献】 特開2001−114220(JP,A)
【文献】 特開2006−206153(JP,A)
【文献】 特開昭62−004011(JP,A)
【文献】 特開2006−076601(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第0023128(EP,A1)
【文献】 国際公開第2018/099843(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B1/00−3/36
B65B9/00−9/24
B65B47/00−47/10
B65B51/00−51/32
B65D67/00−79/02
B65D81/18−81/30
B65D81/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルム製包装袋内に被包装物を充填してなる充填包装体を、複数列同時に連続して製造するための包装方法であって、
長手方向に連続して繰り出され、幅方向に折り返して使用される1枚のプラスチックフィルムの少なくとも非折返し側端部どうし、または、連続して繰り出される2枚のプラスチックフィルムの両側端部どうしをそれぞれ、一対の縦シールロールによって長手方向に連続的に縦シールすることにより、1の広幅筒状体を連続的に得る広幅筒状体形成工程と、
長手方向に連続的に繰り出される前記広幅筒状体の幅方向の1以上の位置を、一対のシールアンドカット縦ロールによって、境界縦シール部を連続的に形成すると同時に、その境界縦シール部の幅方向中央部を長手方向に連続的に切断し、該広幅筒状体を並列する複数の狭幅筒状体列に切り離して独立させる際、前記境界縦シール部が、それぞれの狭幅筒状体列の側に0.3mm以上3.0mm以下のシール幅となるように切り離すシールアンドカット工程と、
切り分けられて独立して走行するそれぞれの前記狭幅筒状体列に対し、被包装物を充填しながら長手方向に所定の間隔をおいて横シールを施すことにより、包装体を連続的に製袋していく製袋工程と、
を有することを特徴とする複数列充填包装方法。
【請求項2】
前記境界縦シール部は、切断位置となる幅方向中央部に非シール域が残るように前記一対のシールアンドカット縦ロールによってシールしカットすることを特徴とする請求項1に記載の複数列充填包装方法。
【請求項3】
プラスチックフィルム製包装袋内に、被包装物を充填してなる充填包装体を、複数列同時に連続して製造する複数列充填包装機であって、
長手方向に連続して繰り出され、幅方向に折り返して使用される1枚のプラスチックフィルムの少なくとも非折返し側端部どうし、または、連続して繰り出される2枚のプラスチックフィルムの両側端部どうしをそれぞれ、長手方向に連続的に縦シールすることにより、1の広幅筒状体を連続的に形成する一対の縦シールロールと、
長手方向に連続的に繰り出される前記広幅筒状体の幅方向の1以上の位置を、長手方向に連続的にヒートシールして境界縦シール部を形成すると同時に、その境界縦シール部の幅方向中央部を長手方向に連続的に切断して、該広幅筒状体を並列する複数の狭幅筒状体列に切り分けて独立させる際、前記境界縦シール部が、それぞれの狭幅筒状体列の側に0.3mm以上3.0mm以下のシール幅となるように切り離す一対のシールアンドカット縦ロールと、
切り分けられて独立して走行するそれぞれの前記狭幅筒状体列に対し、被包装物を充填しながら長手方向に所定の間隔をおいて横シールを施して包装体を連続的に製袋していく一対の横シールロールと、
を設けてなることを特徴とする複数列充填包装機。
【請求項4】
前記横シールロールはそれぞれ、その周方向に等間隔に位置する複数本のヒートシールバーを有し、該横シールロールの少なくとも一方の、ヒートシールバーに注出口形成用の窪み部を設けてなることを特徴とする請求項3に記載の複数列充填包装機。
【請求項5】
前記シールアンドカット縦ロールは、少なくとも一方の周面が山形に突出し、該山形部分による加熱および加圧によって前記境界縦シール部の形成と同時に、該境界縦シール部の幅方向中央部をシールしカットすることにより、前記広幅筒状体を複数の前記狭幅筒状体列に切り離すロールであることを特徴とする請求項3または4に記載の複数列充填包装機。
【請求項6】
前記シールアンドカット縦ロールは、切断位置となる前記境界縦シール部の幅方向中央部に、非シール域が残るようにシールしカットするものであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の複数列充填包装機。
【請求項7】
前記シールアンドカット縦ロールと前記横シールロールとの間に、一対の絞りロールを配設してなることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の複数列充填包装機。
【請求項8】
前記横シールロールによって連続して製袋された包装体を、前記横シール部位置で一体または複数体ずつに切り離す、切り離し手段を備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の複数列充填包装機。
【請求項9】
請求項3〜8のいずれか1に記載の複数列充填包装機によって製袋されたプラスチックフィルムフィルムからなる包装袋内に、液状被包装物を充填してなる充填包装体を複数列で同時に製造してなるものであって、
前記包装袋は、左右縦シール部と上下横シール部によって囲繞されており、
その左右縦シール部のいずれか少なくとも一方のシール幅が、0.3mm以上3.0mm以下であることを特徴とする充填包装体。
【請求項10】
前記上下横シール部の少なくとも一方に、非シール部分からなる注出通路が設けられていることを特徴とする請求項に記載の充填包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺のプラスチックフィルムを製袋して、液状や粘稠状、粉粒状等の被包装物を充填包装して包装体を製造する方法およびその充填包装機、充填包装体に関し、とくには、一の充填包装機にて連続して複数の包装体を同時に並列して製造することのできる複数列充填包装方法、複数列充填包装機および充填包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
飲食物や調味液、医薬品、化学品等の液状物、粘稠物もしくは粉・粒状物からなる被包装物を、軟質のプラスチックフィルムを複数列で同時に並行して、袋状に成形しながら充填包装することのできる多列充填包装機の一例としては、引用文献1に記載されたようなものがある。
【0003】
この多列充填包装機では、1条の幅広のプラスチックフィルムを4列あるいはそれ以上の複数列に切り分けてから、各列独立した狭幅のプラスチックフィルムを用いて、複数列を独立させた状態のまま製袋し、そして被包装物の充填を行うことで、4方シール形の包装袋が多列で製造されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−217944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の多列充填包装機では、複数列の独立した狭幅のプラスチックフィルムそれぞれについて幅方向の中央位置で二つに折り畳んだ後、重畳する端縁部に縦シールを行うこととしている。ただし、このような充填包装機では、狭幅のプラスチックフィルムを、端縁部どうしが正確に重なり合うように案内し、折り返すことが非常に難しく、シール不良が発生しやすいという問題点があった。
【0006】
そのため、1条の幅広のプラスチックフィルムを二つに折り畳み、複数列で縦シール部を形成して複数列の筒状部が横に連なって一体となったままの各筒状部に対し、それぞれ被包装物の充填と横シールを行った後に、包装体毎に切り分けている。この場合には、横に繋がった複数列の筒状体に対して同時に、一対の横シールロールによって挟持して横シールを行っているため、複数列の筒状部はそれぞれ被包装物で膨らんだ状態にあり、包装用プラスチックフィルム全体が幅方向に広がることができず、相対的に多くの充填量を確保できないという致命的な欠陥がある他、横シール部に被包装物が挟み込まれたり、縦シワが入りやすくなったり、シール強度が不足して被包装物の漏れ出しや破袋が生じるという問題点があった。
【0007】
また、従来の多列充填包装機は、複数の包装体を同時に製造することができるため、包装体を高い生産効率で製造することができるという特徴を有しているが、多列充填包装機によって製造される包装体の多くは、4方が縦シール部と横シール部によって囲繞された4方シール形の包装体であるため、一辺が折返し部(非シール部)からなる3方シール形の包装体に比べて、多量のフィルムを必要とすると共に、4方に設けられたシール部(シール幅:5〜20mm程度)によって厚み方向への膨らみ(自由度)が拘束されるため、被包装物の容量効率(被包装物の充填量/包装袋の外寸)が低いという欠点があった。
【0008】
そこで、本発明では、横シール部への縦シワの発生を抑制することができると共に、被包装物の容量効率の高い包装体を複数列で同時に製造することのできる複数列充填包装方法、複数列充填包装機および充填包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、プラスチックフィルム製包装袋内に被包装物を充填してなる充填包装体を、複数列同時に連続して製造するための包装方法であって、
長手方向に連続して繰り出され、幅方向に折り返して使用される1枚のプラスチックフィルムの少なくとも非折返し側端部どうし、または、連続して繰り出される2枚のプラスチックフィルムの両側端部どうしをそれぞれ、一対の縦シールロールによって長手方向に連続的に縦シールすることにより、1の広幅筒状体を連続的に得る広幅筒状体形成工程と、
長手方向に連続的に繰り出される前記広幅筒状体の幅方向の1以上の位置を、一対のシールアンドカット縦ロールによって、境界縦シール部を連続的に形成すると同時に、その境界縦シール部の幅方向中央部を長手方向に連続的に切断し、該広幅筒状体を並列する複数の狭幅筒状体列に切り離して独立させる際、前記境界縦シール部が、それぞれの狭幅筒状体列の側に0.3mm以上3.0mm以下のシール幅となるように切り離すシールアンドカット工程と、
切り分けられて独立して走行するそれぞれの前記狭幅筒状体列に対し、被包装物を充填しながら長手方向に所定の間隔をおいて横シールを施すことにより、包装体を連続的に製袋していく製袋工程と、
を有することを特徴とする複数列充填包装方法を提案する。
【0010】
なお、本発明の上記複数列充填包装方法については、さらに下記のような構成にすることがより好ましい解決手段を提供できると考えられる。即ち、前記境界縦シール部は、切断位置となる幅方向中央部に非シール域が残るように前記一対のシールアンドカット縦ロールによってシールしカットすることである。
【0011】
また、本発明は、プラスチックフィルム製包装袋内に、被包装物を充填してなる充填包装体を、複数列同時に連続して製造する複数列充填包装機であって、
長手方向に連続して繰り出され、幅方向に折り返して使用される1枚のプラスチックフィルムの少なくとも非折返し側端部どうし、または、連続して繰り出される2枚のプラスチックフィルムの両側端部どうしをそれぞれ、長手方向に連続的に縦シールすることにより、1の広幅筒状体を連続的に形成する一対の縦シールロールと、
長手方向に連続的に繰り出される前記広幅筒状体の幅方向の1以上の位置を、長手方向に連続的にヒートシールして境界縦シール部を形成すると同時に、その境界縦シール部の幅方向中央部を長手方向に連続的に切断して、該広幅筒状体を並列する複数の狭幅筒状体列に切り分けて独立させる際、前記境界縦シール部が、それぞれの狭幅筒状体列の側に0.3mm以上3.0mm以下のシール幅となるように切り離す一対のシールアンドカット縦ロールと、
切り分けられて独立して走行するそれぞれの前記狭幅筒状体列に対し、被包装物を充填しながら長手方向に所定の間隔をおいて横シールを施して包装体を連続的に製袋していく一対の横シールロールと、
を設けてなることを特徴とする複数列充填包装機を提案する。
【0012】
なお、本発明の上記複数列充填包装機については、さらに下記のような構成にすることがより好ましい解決手段を提供できると考えられる。即ち、
(1)前記横シールロールはそれぞれ、その周方向に等間隔に位置する複数本のヒートシールバーを有し、該横シールロールの少なくとも一方の、ヒートシールバーに注出口形成用の窪み部を設けてなること、
)前記シールアンドカット縦ロールは、少なくとも一方の周面が山形に突出し、該山形部分による加熱および加圧によって前記境界縦シール部の形成と同時に、該境界縦シール部の幅方向中央部をシールしカットすることにより、前記広幅筒状体を複数の前記狭幅筒状体列に切り離すロールであること、
)前記シールアンドカット縦ロールは、切断位置となる前記境界縦シール部の幅方向中央部に、非シール域が残るようにシールしカットするものであること、
)前記シールアンドカット縦ロールと前記横シールロールとの間に、一対の絞りロールを配設してなること、
)前記横シールロールによって連続して製袋された包装体を、前記横シール部位置で一体または複数体ずつに切り離す、切り離し手段を備えること、
である。
【0013】
さらに本発明は、前記複数列充填包装機によって製袋されたプラスチックフィルムフィルムからなる包装袋内に、液状被包装物を充填してなる充填包装体を複数列で同時に製造してなるものであって、前記包装袋は、左右縦シール部と上下横シール部によって囲繞されており、その左右縦シール部いずれか少なくとも一方のシール幅が、0.3mm以上3.0mm以下であることを特徴とする充填包装体を提案する。
【0014】
なお、本発明の上記充填包装体については、さらに前記上下横シール部の少なくとも一方に、非シール部分からなる注出通路が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の複数列充填包装方法および複数列充填包装機によれば、まずプラスチックフィルムからなる1の広幅筒状体を製造した後、該広幅筒状体に、シールアンドカット縦ロールによって複数列で長手方向に連続的に境界縦シールを形成すると同時に、該境界縦シール部分の幅方向中央位置を長手方向に連続して切断して複数の狭幅筒状体列に切り分け、そのそれぞれ独立した狭幅筒状体列に対し、被包装物を一対の横シールロールによって絞り出しながら横シールして充填包装している。これにより、狭幅筒状体列はそれぞれ、並列する他の狭幅筒状体列によって拘束されることがなく独立し、横シール時に幅方向(横方向)へ自由に変形することができるため、横シール部内への被包装物の挟み込みと縦シワの発生を抑制することができる。
【0016】
また、本発明によれば、前記したように1の広幅筒状体に、シールアンドカット縦ロールを用いて複数列で長手方向に連続して境界縦シール部を形成すると同時に該境界縦シール部分の幅方向中央位置を長手方向に連続して切断することで、切断位置の位置決めが容易になり、境界縦シール部を、前記狭幅筒状体列のそれぞれに0.3mm以上3.0mm以下のシール幅を残して切り離すことが可能になる。
【0017】
そのため、前記狭幅筒状体列に横シール部を施すことによって製造される充填包装体の、切り離されたとき前記境界縦シール部によって構成される左右の縦シール部は、従来よりも狭幅となり、プラスチックフィルムの使用量を約20%削減することができる。さらに、本発明によれば、包装体が左右の縦シール部による拘束を受けることがなくなるため、厚み方向に自由に膨らむことができ、その結果、三方シール形の包装体と同等およびそれ以上の容量効率を達成することが可能になると共に、フィルムの使用量の削減や製造コストの低減を果たすことができる。
【0018】
また、従来の多列充填包装機では、複数列で形成される各縦シール部のシール幅が広幅(5mm超)であったため、該縦シール部の冷却に時間がかかり、高い温度のまま横シール手段へと繰り出されていた。そのため、縦シール部と重なる横シール位置においては、温度が高くなりすぎて、プラスチックフィルムが過剰に溶融して流動し、ピンホール等の不具合が発生する原因となっていた。
【0019】
これに対し、本発明によれば、上記したように境界縦シール部を、シールアンドカット縦ロールによって、独立した狭幅筒状体列のそれぞれに0.3mm以上3.0mm以下のシール幅を残して切り離すことができるため、横シールロールに繰り出される狭幅筒状体列の側端部に位置する境界縦シール部が狭幅で、早く冷却することができるため、横シール時におけるプラスチックフィルムの過剰な溶融を抑制し、ピンホール等の不具合の発生を阻止することができる。
【0020】
また、本発明の複数列充填包装機によれば、前記シールアンドカット縦ロールと前記横シールロールとの間に、一対の絞りロールを設けることで、被包装物の充填量を調整することができると共に、横シールロールに繰り出される狭幅筒状体列の形状を安定化させて横シール部における被包装物の挟み込みと縦シワの発生をより一層、抑制することができる。
【0021】
また、本発明では、前記一対の横シールロールがそれぞれ、その周方向に等間隔に位置する複数本のヒートシールバーを有し、該横シールロールの少なくとも一方のヒートシールバーに窪み部を設けたことで、横シール部が、該窪み部に相当する位置に非シール部分を残してヒートシールされることになり、これにより横シール部の形成と同時に、該横シール部内に、前記非シール部分からなる被包装物の注出通路を形成することができる。
【0022】
さらに、本発明では、一対の前記シールアンドカット縦ロールの、少なくとも一方の周面が山形に突出し、該山形部分を介して広幅筒状体をヒートシールしながら切断するようにしたことで、切断位置の位置決めが不要であると共に、切断と同時に、その切断位置の両側にそれぞれ、各狭幅筒状体列をそれぞれ区画するように、0.3mm以上3.0mm以下の狭幅の縦シール部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の複数列充填包装機の一実施形態を示す模式図である。
図2】本発明の複数列充填包装機に用いるシールアンドカット縦ロールの一実施形態を示す端面図である。
図3】本発明の複数列充填包装機に用いる横シールロールの他の一実施形態を拡大して示す図である。
図4】(a)は図3の横シールロールを具える複数列充填包装機によって製造される包装体を示す正面図であり、(b)は(a)のA−A位置における端面図である。
図5】本発明の複数列充填包装機の他の一実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、この発明に係る複数列充填包装機の一実施形態を示す模式図であり、図面に示すところに基づいて、この発明の複数列充填包装方法、複数列充填包装機および得られる充填包装体について説明する。
【0025】
図1に示す複数列充填包装機では、例えば、一軸もしくは二軸延伸したポリエチレンテレフタレートフィルム層やナイロン樹脂フィルム層等からなるベースフィルム層と、無延伸のポリエチレン層やポリプロピレン層等からなるシーラント層とを積層してなるプラスチックフィルムFが巻回されているフィルムロールRから、該プラスチックフィルムFを、上方から下方に向かって連続的に繰り出し走行させながら、その走行中にガイドロッド1で案内しつつ、プラスチックフィルムFを、シーラント層が互いに向かい合わせになるように幅方向に折り返し、その両側端部同士を重ね合わせる。
【0026】
次に、前後で一対の縦シールロール2(水平面内で、図の前後方向で平行に延在する。図では手前側に位置する前方側のものだけを示す。)によって上記のように折り返して重ね合わせたプラスチックフィルムFの両側端部を挟持しつつ、該縦シールロール2によって加熱、加圧することで、縦シールロール2の回転下で、そのシーラント層どうしを長手方向(縦方向)に連続して融着接合させて縦シール部4を形成し、これによって広幅筒状体5を形成する。
【0027】
ここで一対の縦シールロール2は、それらを相互に逆向きに等速で回転駆動させる、一の駆動モータおよび歯車機構(図示しない)と、一方(前方側)の縦シールロール2の両端部を軸受け支持する軸受けブロックを、他方(後方側)の縦シールロール2を軸受け支持する軸受けブロックに向けて押圧する一対の、たとえばエアシリンダを備えている。
【0028】
このような一対の縦シールロール2はそれぞれ所定の間隔をおいて外周面に1以上の円形フランジ状のシールバー3、3’を有するとともに、該シールバー3、3’の加熱に寄与するヒータを内蔵している。
一対の前記縦シールロール2は、図示しない一対のシリンダによって前方側の縦シールロール2を後方側の縦シールロール2に向けて押圧することで、プラスチックフィルムFの重ね合わせ側端部および折返し端部を両シールバー3、3’間に挟持し、加熱、加圧して合掌状に融着させて縦シール部4を形成し、広幅筒状体5を形成するとともに、縦シールロール2の回転に基づいて該広幅筒状体5を図の下方側へ繰り出し走行させる。
【0029】
なお、他の実施形態として、プラスチックフィルムFの重ね合わせ側端部および折返し端部に相当する位置に設けられたシールバー3、3’のうち、折返し端部側のシールバー3’を省略して、重ね合わせ側端部だけにシールバー3を設けることもできる。また、広幅筒状体5は、上記のように1枚の長尺のプラスチックフィルムFを幅方向に折り返して形成する他、2つのフィルムロールRを使ってそれぞれ繰り出された2枚のプラスチックフィルムFを重ね合わせ、その両側端部を長手方向に加熱および加圧して縦シール部4を形成し、これにより広幅筒状体5を形成してもよい。この場合は、折返し端部側は存在せず、両側端部にシールバー3、3’が必要となる。
【0030】
次に、本発明において特徴的な1対のシールアンドカット縦ロール6によって、広幅筒状体5を表裏から挟持しつつ、例えば複数列が2列の場合では、図1に拡大して示すように、その幅方向中央位置に長手方向に連続的にヒートシールして一の境界縦シール部7を形成すると同時に、該境界縦シール部7の幅方向中央位置を長手方向に切断することにより、1の広幅筒状体5から、シールアンドカットによって2つの狭幅縦シール部7a、7bを連続的に形成させ、かつ切り離すことで独立した2列の狭幅筒状体列8、8’を形成する。これにより図1に示すように、2つに切り離された一方の狭幅筒状体列8は、側端部が縦シール部4と、境界縦シール部7を長手方向に切断して形成される一方の狭幅縦シール部7aとによってシールされ、同様に他方の狭幅筒状体列8’は、縦シール部4と他方の狭幅縦シール部7bとによってシールされた状態となる。
【0031】
なお、前記実施形態では、1対のシールアンドカット縦ロール6によって広幅筒状体5を2列に切断して、並列する独立した2つの狭幅筒状体列8、8’に切り分ける場合を一例として示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シールアンドカット縦ロール6は、広幅筒状体5の幅方向に複数設けてもよく、これによれば、1の広幅筒状体5を独立した複数の狭幅筒状体列8・・・に切り分けて、該狭幅筒状体列8・・・から包装体を同時に並列して製造することができるため生産性を向上させることができる。この場合には、並列する複数の狭幅筒状体列8・・・のうち中間位置にあるものは、両側端部が境界縦シール部7を長手方向に切断してなる狭幅縦シール部7a、7bによって形成されることになる。
【0032】
また、シールアンドカット縦ロール6は、ヒートシール機能と切断機能とを兼ね備えていればよく、例えば、縦シール手段2と同様に1対のシールアンドカット縦ロール6にそれぞれ設けられた円形フランジ状のシールバーによって広幅筒状体5を加熱および加圧して境界縦シール部7を形成し、図1に示すように、1対のシールアンドカット縦ロール6の、少なくとも一方の周面に山形状のシール刃9を突設し、該シール刃9による加熱、加圧によって広幅筒状体5の幅方向略中央位置を切断することで、シールアンドカットを実現し、2列の独立した狭幅筒状体列8、8’に切り離す方法などがある。
【0033】
なお、図1の1対のシールアンドカット縦ロール6に設けた山形状のシール刃9は、図2に拡大して示したようにその頂部に平坦な部分(平坦部9a)を有することが好ましい。なお、その平坦部9aの幅dは、1.0〜20mmであることが好ましく、境界縦シール部7の幅や、狭幅縦シール部7a、7bの幅等によって適宜決定される。
【0034】
お、シール刃9は、平坦部9aが上向きに湾曲し、とくに角部9bにR(アール)がついていることが好ましく、これによりシール刃9の角部9b位置において広幅筒状体5が不測に破断するおそれがなく、狭幅縦シール部7a、7bを形成しながらシール刃9の平坦部9a位置で広幅筒状体5を切断させることができる。
【0035】
なお、境界縦シール部7は、シールアンドカット縦ロール6によって、その幅方向略中央位置で長手方向に連続して切断され、前記狭幅筒状体列8、8’のそれぞれの側端部に位置することになる狭幅縦シール部7a、7bが、重ね合わせた2枚のプラスチックフィルムFの厚み(液体充填用包装袋のプラスチックフィルム厚みは、通常50〜150μm/1枚)の3倍以上10倍以下に相当する長さのシール幅となるように切り分けて互いに離すことが好ましく、そのシール幅は0.3mm以上3.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上2.0mm以下である。
これは、狭幅縦シール部7a、7bのシール幅が重ね合わせた2枚のプラスチックフィルムFの厚みの3倍以上に相当する長さ、即ち少なくとも0.3mm以上あれば、200kgfを超える荷重に耐え得る包装体Wを提供することができ、一方シール幅が重ね合わせた2枚のプラスチックフィルムFの厚みの10倍以下に相当する長さ、即ち3.0mm以下とすることで、狭幅筒状体列8、8’の厚み方向への膨らみが、狭幅縦シール部7a、7bによって拘束されることがなく、従来の4方シール形の包装体に比べて被包装物の充填量を増加させることができるためである。
【0036】
また、狭幅縦シール部7a、7bは、1対の横シールロール10によってヒートシールされると、狭幅縦シール部7a、7bが再溶融し、その溶融した樹脂が食み出して横シールロール10に付着等するおそれがある。そのため、境界縦シール部7の、シールアンドカット縦ロール6によるシールおよび切断に際し、図1に包装体Wの一部を拡大して示したように、狭幅縦シール部7a、7bの外側縁にそれぞれ、0.3〜1.5mm幅、好ましくは0.5〜1.0mm幅の非シール域22が残るようにすることが好ましい。これによれば、前記のように狭幅縦シール部7a、7bから食み出した樹脂を非シール域22に滞留させることができるため、該樹脂が横シールロール10に付着等するのを効果的に防止することができる。なお、非シール域22は、シールアンドカット縦ロール6に設けたシール刃9に、例えば凹部を設けて、プラスチックフィルムFどうしの融着を抑制することで形成することができ、このシール刃9によれば、境界縦シール部7を形成しながら、その幅方向略中央部に非シール部分を形成することができるため、該非シール部分の幅方向略中央位置を切断することで狭幅縦シール部7a、7bの外側縁にそれぞれ非シール域22を形成することができる。
【0037】
なお、1対のシールアンドカット縦ロール6の一方に、図2に拡大して示したような山形状のシール刃9を設け、他方が例えば円形フランジ状のシールバーからなる場合、該山形状のシール刃9の、シールアンドカット縦ロール6の回転軸6a表面からの高さhは、1対のシールアンドカット縦ロール6の間を走行する広幅筒状体5のフィルム厚み(プラスチックフィルムFを2枚重ね合わせた厚み)の30%以上であることが好ましく、より好ましくは30%以上100%未満であり、さらに好ましくは50%以上80%以下である。
とくに前記したように山形状のシール刃9によって、境界縦シール部7を形成しながら、その幅方向略中央部に形成された非シール部分を切断する場合には、該シール刃9の高さhが、広幅筒状体5のフィルム厚みの30%程度であっても、破断がプラスチックフィルムF内を伝播して進むため、上記したように広幅筒状体5を、2列の独立した狭幅筒状体列8、8’に簡単に切り分けることができる。なお、シール刃9の高さhが、広幅筒状体5のフィルム厚みの100%以上になると、シールアンドカット時にシール刃9が、対向するシールバー等と当接してその頂部が摩耗し、長期の利用ができずシール刃9の交換等が必要になるおそれがある。
【0038】
縦シールロール2によって形成される縦シール部4および横シールロール10によって形成される横シール部12のシール幅は、とくに限定されないが、包装体Wに製袋した際に、左右縦シール部および上下横シール部がそれぞれ好ましくは0.3mm以上3.0mm以下となるようにすれば、被包装物の充填量を更に増加させることができる。
【0039】
さらに、従来の多列充填包装機では、例えば1条の幅広のプラスチックフィルムを二つに折り畳み、複数の縦シール部を設けて、複数列の筒状部を形成し、各筒状部に対してそれぞれ被包装物の充填と横シールを行った後、縦シール位置および横シール位置で切断して、包装体を一体毎または複数体毎に分離させている。この方法では、縦シール部および横シール部の切断位置をピンポイントで設定することが難しく、シール幅を広幅(5mm超)に設定する必要があり、縦シール部の温度がなかなか下がらず、高い温度のまま横シール手段に繰り出されていた。そのため、横シールする際、縦シール部と重なる位置では、加熱温度が高くなりすぎて、プラスチックフィルムが過剰に溶融されて流動し、ピンホール等が発生する原因となっていた。
これに対しても、上記したように狭幅筒状体列8、8’がそれぞれ独立して走行し、狭幅筒状体列8、8’のそれぞれの側端部に位置する狭幅縦シール部7a、7bのシール幅を3.0mm以下としたことで、該狭幅縦シール部7a、7bが早く冷却されて、横シール時のプラスチックフィルムの過剰の溶融を抑制することができるという効果が期待できる。
【0040】
このようにして切り分けられた狭幅筒状体列8、8’の内側へは、それぞれ図示しないタンクから図示しないポンプおよび供給路を介して供給された被包装物Mが充填ノズル11a、11bから連続的に充填される。
【0041】
1対の横シールロール10では、独立して走行するそれぞれの狭幅筒状体列8、8’を同時に挟持し、該狭幅筒状体列8、8’の長手方向に所定の間隔をおいて、充填された被包装物を絞り出しながら、その絞り出し位置を加熱および加圧して横シール部12を形成することで、上下端部が横シール部12によって、左右端部が縦シール部4または狭幅縦シール部7a、7bによって包囲された多数の包装体Wを、プラスチックフィルムFの長手方向へ繋がった状態で製袋することができる。
【0042】
このとき、狭幅筒状体列8、8’はそれぞれ、独立した状態にあるため、1対の横シールロール10によって挟持した際に、幅方向(横方向)に容易に変形(広がる)することができる。そのため、一対の外横シールロール10によって横シール位置に介在する被包装物を絞り出しながらヒートシールすることができ、横シール部12内への被包装物の挟み込みと、縦シワの発生を効果的に抑制することができる。
【0043】
1対の横シールロール10は、図の前後方向に平行に延在させてあり(図では手前側に位置する前方側のものだけを示す。)、歯車組を介してモータで互いに逆向きにかつ等速で回転駆動するものである。例えば、該横シールロール10については、その外周面上に等間隔に位置し、軸線方向へ延在する複数本のヒートシールバー13を有し、対向するヒートシールバー13同士によって狭幅筒状体列8、8’を挟持し、加熱することで、狭幅筒状体列8、8’の走行方向と直交する方向に、その全幅にわたって横シール部12を形成することができる。
【0044】
なお、横シール手段として、1対の横シールロールを2段で設けてもよく、その場合には、1段目で狭幅筒状体列8、8’を加熱、加圧して横シール部12を形成し、2段目で該横シール部12部分を冷却されたシールバーによって押さえ付けることで、横シール部12を定着させて安定化させることができる。
【0045】
横シールロール10において連続して製袋された包装体Wは、ロータリーカッター等による切り離し手段15によって横シール部12の略中間部を幅方向にカットして一体ずつ、もしくは所要の複数体ずつに切り離したり、横シール部12の略中間部にミシン目を入れて複数体を繋げた状態で搬出される。
【0046】
図3は、複数列充填包装機に用いる横シールロール10の他の実施形態を拡大して示すものであり、包装体Wを3列で並行して製造する場合を一例として示す。
1対の横シールロール10(図では手前側の横シールロールのみを示す)はそれぞれ、ローラ軸線方向に延在して複数本のヒートシールバー13を有し、少なくとも一方の横シールロール10に設けられたヒートシールバー13の端部に窪み部16が設けられている。この1対のヒートシールバー13によって、狭幅筒状体列8、8’、8’’を挟持して加熱、加圧すると、前記窪み部16に相当する位置は非シール部分となり、横シール部12上に、該非シール部分からなる注出通路17が形成されることになる。
【0047】
窪み部16は、横シール部12上に形成される注出通路17が、上側横シール部12上の、狭幅縦シール部7a(および/または7b)に隣接する位置に、好ましくは上側横シール部12の上端縁に向かって次第に狭幅となる形状で形成されるように設けることが好ましい。図4(a)は、図3の横シールロール10で製造された包装体W(3列の狭幅筒状体列8、8’、8’’のうち、中間列の狭幅筒状体列8’で製造された包装体W)であり、狭幅縦シール部7a、7bと横シール部12によって包囲されている。この包装体Wから分かるように、注出通路17は、その先端部を開封して形成される注出口18に向かって先細りとなり、そのため、被包装物の押し出し方向が一定となり、被包装物が飛び散ることがなく、液だれの発生を抑制することができる。
【0048】
また、注出口18は、図4(a)に示したように、包装体Wの上側の横シール部12の上端縁から注出通路17の側端縁に向かって直線状や曲線状等からなる引裂き誘導疵19を設けた場合には、該引裂き誘導疵19に沿って引裂くことで簡単に開封することができる。この場合、引裂き誘導疵19の始端は、上側の横シール部12上端の中程に位置しているため、自動充填包装中に引裂き誘導疵19の始端がロール等に引っ掛かり、該引裂き誘導疵19が不測に破断等してしまうことがない。
【0049】
なお、図4(a)に示す包装体Wにおいても、狭幅縦シール部7a、7bを境界縦シール部7の切断によってシール幅が重ね合わせた2枚のプラスチックフィルムFの厚みの3倍以上10倍以下、即ち0.3mm以上3.0mm以下となるように形成して該狭幅縦シール部7a、7bを狭幅とする。これによれば、図4(b)のA−A位置における端面図に示したように、境界縦シール部7を切断して狭幅縦シール部7aを形成した際に、プラスチックフィルムのシーラント層が、被包装物の充填スペース20側に若干食み出して樹脂溜まり21を形成し、その樹脂溜まり21の存在によって注出通路17の狭幅縦シール部7a側の端縁部は常にストロー状に開いた状態となる。このため、被包装物が注出通路17に沿って注ぎ出し易くなり、液だれ等の発生を有効に抑制することができる。また、狭幅縦シール部7aの外側縁には、上記したように非シール域22を有することが好ましく、この非シール域22によって、横シール部12の形成時に再溶融した狭幅縦シール部7aの樹脂を、図4(b)に示したように非シール域22に滞留させ、樹脂溜まり21とすることができるため、前記樹脂が横シールロール10に付着等するのを防止することができる。
【0050】
図5は、本発明の複数列充填包装機の他の一実施形態を示す図であり、この複数列充填包装機では、シールアンドカット縦ロール6と横シールロール10との間に、一対の絞りロールからなる絞りロール14(図では手前側に位置する前方側のものだけを示す。)が設けられている。この一対の絞りロール14は、例えば、歯車組を介してモータで互いに逆向きにかつ等速で回転駆動するもの等とすることが好ましく、一対の絞りロール14の間隔を調整することで、包装袋W内に充填される被包装物の充填量を調整することができると共に、狭幅筒状体列8、8’の形状を安定化させて、横シールロール10における横シール部12内への縦シワの発生をより一層、抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の複数列充填包装機は、飲食物や調味液、医薬品、化学品等の液状物、粘稠物もしくは粉・粒状物からなる被包装物を複数列で並列して同時に製造する際に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 ガイドロッド
2 縦シールロール
3、3’ 環状フランジ
4 縦シール部
5 広幅筒状体
6 シールアンドカット縦ロール
6a 回転軸
7 境界縦シール部
7a、7b 狭幅縦シール部
8、8’、8’’ 狭幅筒状体列
9 シール刃
9a 平坦部
9b 角部
10 横シールロール
11a、11b 充填ノズル
12 横シール部
13 ヒートシールバー
14 絞りロール
15 切り離し手段
16 窪み部
17 注出通路
18 注出口
19 引裂き誘導疵
20 充填スペース
21 樹脂溜まり
22 非シール域
R フィルムロール
F プラスチックフィルム
W 包装体
M 被包装物
【要約】
【課題】横シール部への縦シワの発生を抑制すると共に、被包装物の容量効率の高い包装体を複数列で同時に製造することのできる複数列充填包装方法、複数列充填包装機および充填包装体を提供すること。
【解決手段】長手方向に繰り出されるプラスチックフィルムに、その長手方向に連続的に縦シールすることにより、1の広幅筒状体を連続的に得る広幅筒状体形成工程と、前記広幅筒状体の幅方向の1以上の位置を、長手方向に連続的にヒートシールして境界縦シールすると共に、その境界縦シール部を長手方向に連続的に切断し、該広幅筒状体を並列する複数の狭幅筒状体列に切り離して独立させるシールアンドカット工程と、切り分けられて独立して走行するそれぞれの前記狭幅筒状体列に対し、被包装物を充填しながら長手方向に所定の間隔をおいて横シールを施すことにより、包装体を連続的に製袋していく製袋工程と、を有すること。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5