(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音響素子は前記振動物質層の下部に位置する前記電極と上部に位置する前記電極のうちの下部に位置する前記電極は、前記振動物質層の側面に沿って上部まで延長されている電極パッドを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0032】
図面で様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体にわたって類似の部分については同一な図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の“上”にあるという時、これは他の部分の“直上”にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の“直上”にあるという時には中間に他の部分がないことを意味する。
【0033】
以下、本発明の実施形態による表示装置について
図1を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は本発明の実施形態による表示装置の断面図である。
【0035】
本発明の実施形態による表示装置は、表示パネル70と、表示パネル70の前面を保護するウィンドウ30、そして表示パネル70の背面を保護し、音響素子27が内部に位置するクッションテープ75を含む。
【0036】
図1の実施形態で、表示パネル70は光を自ら発光する表示パネルであるか、または光源から光を受けて画像を表示する受光型表示パネルであってもよい。光を自ら発光する表示パネルとしては有機発光表示パネルなどがあり、受光型表示パネルとしては液晶表示パネルなどがある。受光型表示パネルにはバックライトユニットを含んでいてもよい。
【0037】
表示パネル70は複数のTFT(thin film transistor、薄膜トランジスタ)からなるTFT基板を含み、TFT基板はマトリックス状の薄膜トランジスタが形成されている透明な絶縁基板であって、ソース端子にはデータ線が接続され、ゲート端子にはゲート線が接続されている。そして、ドレイン端子には導電性材質として透明なITO(indium tin oxide、インジウムティンオキシド)からなる画素電極が接続されていてもよい。表示パネル70の詳細構造は表示パネルの種類及び実施形態別に多様である。
【0038】
図1の表示パネル70は表示パネルアセンブリーであってもよい。つまり、
図1の表示パネル70は表示パネルを含むアセンブリーであって、表示パネル以外に集積回路チップ(integrated circuit chip、ICチップ)及びフレキシブル回路基板(flexible printed circuit board、FPC)を含んで表示パネルを駆動する駆動部をさらに含んでもよい。
【0039】
表示パネル70のデータ線及びゲート線はフレキシブル回路基板に接続されて、フレキシブル回路基板から電気的な信号が入力されると、TFTのソース端子とゲート端子にこの電気的な信号が伝達され、ゲート線を通じてゲート端子に印加される走査信号によってTFTはターンオンまたはターンオフされデータ線を通じてソース端子に印加される画像信号がドレイン端子に伝達または遮断される。フレキシブル回路基板は表示パネルの外部から画像信号を受信して表示パネルのデータ線とゲート線にそれぞれ駆動信号を印加する。
【0040】
フレキシブル回路基板は表示装置を駆動するための信号である画像信号と走査信号、そしてこれら信号を適切な時期に印加するための複数のタイミング信号を発生させ、画像信号と走査信号を表示パネル70のゲート線及びデータ線にそれぞれ印加する。さらに、発明の実施形態によるフレキシブル回路基板では音響信号を増幅し伝達するアンプ(図示せず)も形成されていてもよい。アンプは外部から伝達された音響信号の伝達を受けてこれを増幅して音響信号配線を通じて音響素子27に音響信号を伝達する。
【0041】
図1の実施形態では表示パネル70として有機発光表示パネルを中心に説明する。有機発光表示パネルは各画素に含まれている有機発光ダイオードが光を放出するので、別途のバックライトユニットは不必要である。その結果、表示パネル70を単純に構成することができる長所がある。
【0042】
表示パネル70の前面はウィンドウ30によって保護され、表示パネル70の背面はクッションテープ75によって保護される。
【0043】
まず、ウィンドウ30は透明なガラスまたはプラスチックで形成され、表示パネル70が提供する画像を使用者が視認することができるようにし、外部からのスクラッチや衝撃から表示パネル70を保護する。ウィンドウ30と表示パネル70とは接着剤で接着でき、ウィンドウ30は少なくとも表示パネル70を全て覆うことが可能な大きさである。また、ウィンドウ30が表示パネル70の前面より広い面積を有し、表示パネル70の前面を全部覆う構造を有してもよい。ウィンドウ30の中の表示パネル70が対応しない領域にはカメラ、マイクのような他の構成要素を配置してもよい。これは表示装置が使用される電子装備によって多様な構成要素が位置する。
【0044】
本発明の実施形態によるクッションテープ75の内には音響素子27が位置している。
【0045】
クッションテープ75は第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2に分離されており、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2の内側にはそれぞれ対応する溝が形成されている。第1クッションテープ75−1は、クッションテープ75のうち表示パネル70に隣接した位置に設けられている。第2クッションテープ75−2は、第1クッションテープ75−1と所定の間隔離隔した位置に、第1クッションテープ75−1に対向するように設けられている。第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2は、例えば概ね同じ大きさに形成されている。第1クッションテープ75−1の溝75−1aは、第1クッションテープ75−1のうち第2クッションテープ75−2に対向する面に設けられている。第2クッションテープ75−2の溝75−2aは、第2クッションテープ75−2のうち第1クッションテープ75−1に対向する面に設けられている。第1クッションテープ75−1の溝75−1aと第2クッションテープ75−2の溝75−2aとは概ね同じ大きさに形成されている。また、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とを対向させた場合に、第1クッションテープ75−1の溝75−1aと第2クッションテープ75−2の溝75−2aとは互いに概ね対向する位置に形成されている。対応する溝75−1a及び75−2aは音響素子27が位置する空間であるだけでなく、音響素子27から放出される音を反響させる共鳴器76を構成する。
【0046】
第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2の間には音響素子27が位置し、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とが密着するように挟持することによって、音響素子27の支持部分27−2’が第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2との間に固定されている。例えば、支持部分27−2’の厚みが小さく、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とが互いに密着し得、その密着している状態の中で支持部分27−2’が挟持され得る。実施形態によっては音響素子27の支持部分27−2’と第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2は接着剤によって付着されていてもよい。
【0047】
第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2はそれぞれ少なくとも一面に接着成分が含まれていてもよく、音響素子27の支持部分27−2’は第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2の接着成分によって接着されて固定されてもよい。この時、音響素子27の中の支持部分27−2’と接続されていないまた一つの電極27−2b、つまり第1クッションテープ75−1の溝75−1aに隣接する電極27−2bは、クッションテープ75と付着されないように、電極27−2bの上面が隣接する第1クッションテープ75−1の溝75−1aの上面から一定の距離を置いて形成する。また、音響素子27が振動しながらクッションテープ75と接触する場合であっても音響素子27の一電極27−2bが接着されないように、共鳴器76を構成する溝、特に電極27−2bの上面が隣接する第1クッションテープ75−1の溝75−1aの上面では接着成分を除去しておいてもよい。
【0048】
音響素子27は、一対の電極27−2a及び電極27−2bとその間に位置する振動物質層27−1を含む。
【0049】
振動物質層27−1は上下に位置する一対の電極27−2a及び電極27−2bから提供される電界によって振動するピエゾ(piezo)物質を含み、ピエゾ物質の例としてはPVDF(Poly Vinylidene Fluoride)やPZT(チタン酸ジルコン酸鉛セラミック)などがある。PVDFはPVDF−TrFE(polyvinylidene fluoride trifluoroethylene)を含み、フレキシブルなフィルム形態に製作することが容易な物質特性を有する。一方、PZTはPVDFに比べてフィルム形態に製作し難くフレキシブルな特性を有し難いという差異がある。しかし、実施形態によってはPZTを振動物質層として使用しながらもフィルム形態に形成するためにPZTとPVDF(またはPVDF−TrFE)を混合して使用してもよい。
【0050】
一方、一対の電極27−2a及び電極27−2bは振動物質層27−1の両側面にそれぞれ位置し、振動物質層27−1に電界を提供する。電極27−2a及び電極27−2bはITO、IZOのような透明な導電体、不透明な金属、導電性ポリマー(conducting polymer)及び炭素ナノチューブ(CNT)など多様な導電物質を使用することができる。また、一対の電極27−2a及び電極27−2bのうちの一つは、溝75−1a及び溝75−2aを超えて延長されて端に支持部分27−2’を有する。
図1の実施形態では振動物質層27−1の下部に位置する電極27−2aが支持部分27−2’を有しているが、上部に位置する電極27−2bが支持部分27−2’を有してもよい。
【0051】
本発明の実施形態による音響素子27は支持部分27−2’を含む一対の電極27−2a及び電極27−2bによって支持される。振動物質層27−1が振動する場合には支持部分27−2’を含む電極27−2a及び電極27−2bも共に振動する。
【0052】
音響素子27は別途の接着剤なしにも固定することができ、例えば第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とを押圧することにより音響素子27を固定することができる。その他、接着剤を使用して第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2と支持部分27−2’とを接着してもよい。
【0053】
これは、音響素子27が直接接着剤によって付着される場合に接着剤を乾燥させるために熱を加える過程で振動物質層27−1の特性が低下される問題が除去される長所がある。また、音響素子27を固定させるために別途の接着剤を使用しなくてもよく、接着剤を使用しても振動物質層27−1とは離れている支持部分27−2’に接着剤が使用され熱が加えられるので振動物質層27−1の特性低下は発生しない。その結果、音響素子27で提供する音の品質がより向上する長所を有する固定方式である。
【0054】
音響素子27はクッションテープ75の共鳴器76内で振動する。実施形態によっては共鳴器76の音が外部に伝達されるように第1クッションテープ75−1または第2クッションテープ75−2に溝75−1a及び/又は溝75−2aから外部に連通する開口部が形成され音が容易に外部に排出されるようにすることができる。
【0055】
以下、
図1の実施形態によるクッションテープ75の平面構造を
図2を通じて説明する。
【0056】
図2は本発明の実施形態による表示装置に使用されるクッションテープの平面図である。
【0057】
図2ではクッションテープ75を構成する第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2のうちの一つを示している。以下では第1クッションテープ75−1を基準に説明するが、第2クッションテープ75−2も同一な構造を有する。
【0058】
第1クッションテープ75−1は共鳴器76の一部を構成する溝が形成されており、溝での第1クッションテープ75−1の厚さは他の部分に比べて薄く形成されている。つまり、溝75−1aの深さ分だけ、第1クッションテープ75−1の厚みがその他の部分よりも薄くなっている。
【0059】
音響素子27の支持部分27−2’は第1クッションテープ75−1の対応支持部分27−2’’に対応する。対応支持部分27−2’’は共鳴器76の周辺を囲む構造を有する。その結果、音響素子27が振動する場合、支持部分27−2’を除く電極27−2が振動物質層27−1と共に振動して音を生成する。
【0060】
以下、
図1の実施形態による音響素子27の平面構造を
図3を通じて説明する。
【0061】
図3は本発明の実施形態による表示装置に使用される音響素子の平面図である。
【0062】
図3で示したように、音響素子27はクッションテープ75の対応支持部分27−2’’の構造と同一な外郭構造を有する。これは音響素子27の外郭はクッションテープ75の対応支持部分27−2’’に対応する支持部分27−2’が位置するためである。
【0063】
図3での音響素子27は、支持部分27−2’が形成されている電極27−2aと、その上に接触して位置する振動物質層27−1、そして振動物質層27−1の上であり、振動物質層27−1の大きさに準ずる大きさを有する電極27−2bを含む。
【0064】
音響素子27は、電極27−2aの外郭に位置する支持部分27−2’によって固定されるので、別途の付着工程が不必要である。また、支持部分27−2’が形成されている電極27−2aが全体的に振動し、電極27−2aの上に位置する振動物質層27−1及びその上の電極27−2bも共に振動する。
【0065】
以下、
図4の実施形態を通じてウィンドウ30を含まない表示装置について説明する。
【0066】
図4は本発明の他の実施形態による表示装置の断面図である。
【0067】
図4の実施形態による表示装置は
図1と異なり表示パネル70の前面にウィンドウ30が形成されない実施形態である。
【0068】
図4の実施形態による表示装置は表示パネル70と表示パネル70の背面を保護し、音響素子27が内部に位置するクッションテープ75を含む。
【0069】
図4の実施形態での表示パネル70は光を自ら発光する表示パネルであるか光源から光を受けて画像を表示する受光型表示パネルであってもよい。光を自ら発光する表示パネルとしては有機発光表示パネルなどがあり、受光型表示パネルとしては液晶表示パネルなどがある。受光型表示パネルにはバックライトユニットを含んでいてもよい。
【0070】
また、
図4の表示パネル70は表示パネルアセンブリーであってもよい。つまり、
図4の表示パネル70は表示パネルを含むアセンブリーであって、表示パネル以外に集積回路チップ(integrated circuit chip、ICチップ)及びフレキシブル回路基板(flexible printed circuit board、FPC)を含み表示パネルを駆動する駆動部をさらに含んでもよい。
【0071】
表示パネル70のデータ線及びゲート線はフレキシブル回路基板に接続され、フレキシブル回路基板から電気的な信号が入力されると、TFTのソース端子とゲート端子にこの電気的な信号が伝達され、ゲート線を通じてゲート端子に印加される走査信号によってTFTはターンオンまたはターンオフされ、データ線を通じてソース端子に印加される画像信号がドレイン端子に伝達または遮断される。フレキシブル回路基板は表示パネルの外部から画像信号を受信して表示パネルのデータ線とゲート線にそれぞれ駆動信号を印加する。
【0072】
フレキシブル回路基板は表示装置を駆動するための信号である画像信号と走査信号、そしてこれら信号を適切な時期に印加するための複数のタイミング信号を発生させ、画像信号と走査信号を表示パネル70のゲート線及びデータ線にそれぞれ印加する。さらに、本発明の実施形態によるフレキシブル回路基板では音響信号を増幅し伝達するアンプ(図示せず)も形成されていてもよい。アンプは外部から伝達された音響信号の伝達を受けてこれを増幅して音響信号配線を通じて音響素子27に音響信号を伝達する。
【0073】
図4の実施形態では表示パネル70として有機発光表示パネルを中心に説明する。有機発光表示パネルは各画素に含まれている有機発光ダイオードが光を放出するので、別途のバックライトユニットは不必要である。その結果、表示パネル70を単純に構成できる長所がある。
【0074】
表示パネル70の背面はクッションテープ75によって保護され、クッションテープ75の内には音響素子27が位置している。
【0075】
クッションテープ75は第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2に分離されており、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2の内側にはそれぞれ対応する溝が形成されている。第1クッションテープ75−1は、クッションテープ75のうち表示パネル70に隣接した位置に設けられている。第2クッションテープ75−2は、第1クッションテープ75−1と所定の間隔離隔した位置に、第1クッションテープ75−1に対向するように設けられている。第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2は、例えば概ね同じ大きさに形成されている。第1クッションテープ75−1の溝75−1aは、第1クッションテープ75−1のうち第2クッションテープ75−2に対向する面に設けられている。第2クッションテープ75−2の溝75−2aは、第2クッションテープ75−2のうち第1クッションテープ75−1に対向する面に設けられている。第1クッションテープ75−1の溝75−1aと第2クッションテープ75−2の溝75−2aとは概ね同じ大きさに形成されている。また、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とを対向させた場合に、第1クッションテープ75−1の溝75−1aと第2クッションテープ75−2の溝75−2aとは互いに概ね対向する位置に形成されている。対応する溝75−1a及び75−2aは音響素子27が位置する空間であるだけでなく、音響素子27から放出される音を反響させる共鳴器76を構成する。
【0076】
第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2の間には音響素子27が位置し、第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とが密着するように挟持することによって、音響素子27の支持部分27−2’が第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2との間に固定されている。実施形態によっては音響素子27の支持部分27−2’と第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2は接着剤によって付着されていてもよい。
【0077】
音響素子27は、一対の電極27−2a及び電極27−2bとその間に位置する振動物質層27−1を含む。
【0078】
振動物質層27−1は上下に位置する一対の電極27−2a及び電極27−2bから提供される電界によって振動するピエゾ(piezo)物質を含み、ピエゾ物質の例としてはPVDF(Poly Vinylidene Fluoride)やPZT(チタン酸ジルコン酸鉛セラミック)などがある。PVDFはPVDF−TrFE(polyvinylidene fluoride trifluoroethylene)を含み、フレキシブルなフィルム形態に製作することが容易な物質特性を有する。一方、PZTはPVDFに比べてフィルム形態に製作することは難しくてフレキシブルな特性を有しにくいという差異がある。しかし、実施形態によってはPZTを振動物質層として使用しながらもフィルム形態に形成するためにPZTとPVDF(またはPVDF−TrFE)を混合して使用してもよい。
【0079】
一方、一対の電極27−2a及び電極27−2bは振動物質層27−1の両側面にそれぞれ位置し、振動物質層27−1に電界を提供する。電極27−2a及び電極27−2bはITO、IZOのような透明な導電体、不透明な金属、導電性ポリマー(conducting polymer)及び炭素ナノチューブ(CNT)など多様な導電物質を使用することができる。また、一対の電極27−2a及び電極27−2bのうちの一つは、溝75−1a及び溝75−2aを超えて延長されて端に支持部分27−2’を有する。
図4の実施形態では振動物質層27−1の下部に位置する電極27−2aが支持部分27−2’を有しているが、上部に位置する電極27−2bが支持部分27−2’を有してもよい。
【0080】
本発明の実施形態による音響素子27は支持部分27−2’を含む一対の電極27−2a及び電極27−2bによって支持される。振動物質層27−1が振動する場合には支持部分27−2’を含む電極27−2a及び電極27−2bも共に振動する。
【0081】
音響素子27は別途の接着剤なしにも固定され、例えば第1クッションテープ75−1と第2クッションテープ75−2とを押圧することにより音響素子27を固定することができる。その他、接着剤を使用して第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2と支持部分27−2’を接着してもよい。
【0082】
これは、音響素子27が直接接着剤によって付着される場合、接着剤を乾燥させるために熱を加える過程で振動物質層27−1の特性が低下される問題が除去される長所がある。また、音響素子27を固定させるために別途の接着剤を使用しなくてもよく、接着剤を使用しても振動物質層27−1とは離れている支持部分27−2’に接着剤が使用され熱が加えられるので、振動物質層27−1の特性低下は発生しない。その結果、音響素子27から提供される音の品質がより向上する長所を有する固定方式である。
【0083】
音響素子27はクッションテープ75の共鳴器76内で振動する。実施形態によっては共鳴器76の音が外部に伝達されるように第1クッションテープ75−1または第2クッションテープ75−2に溝75−1a及び/又は溝75−2aから外部に連通する開口部が形成され音が容易に外部に排出されるようにすることができる。
【0084】
図4ではクッションテープ75の厚さが示されている。
図4の実施形態によれば、第1クッションテープ75−1または第2クッションテープ75−2の厚さはそれぞれ0.3t(例えば0.3mm)であり、共鳴器76の一部を構成する1つの溝は0.25t(例えば0.25mm)であり、音響素子27の厚さは0.2t(例えば0.2mm)である。したがって、第1クッションテープ75−1または第2クッションテープ75−2の最も薄い部分は約0.05mmの厚さを有し、共鳴器76は少なくとも約0.5mmの厚さを有し得る。このような厚さは実施形態によって変わってもよく、各部分が有する厚さの比率も変わってもよい。
【0085】
つまり、本発明の実施形態による表示装置ではクッションテープに形成される溝75−1a及び溝75−2aはクッションテープの厚さの約80%以上の厚さを有する。また、音響素子の厚さはクッションテープの厚さの約50%以上約70%以下の厚さを有する。
【0086】
以下、
図5を通じて本発明の他の実施形態による表示装置について説明する。
【0087】
図5は本発明の他の実施形態による表示装置の断面図である。
【0088】
図5の実施形態は
図1及び
図4の実施形態とは異なりクッションテープ75には音響素子27を露出させる構造を有する。
【0089】
つまり、
図5の実施形態では
図1及び
図4の共鳴器部分が開口部76’で形成されている。
【0090】
図5のような実施形態によれば、音響素子27から放出される音が開口部76’を通じて外部に容易に伝達される長所を有する。
【0091】
図5の実施形態では第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2が、前述の溝75−1a及び溝75−2aの代わりに開口部をそれぞれ有する。しかし、実施形態によっては第1クッションテープ75−1及び第2クッションテープ75−2のうちの一つが開口部を有し、他の一つは溝を有してもよい。この時、表示パネル70に隣接した第1クッションテープ75−1は溝を有し、第2クッションテープ75−2には開口部が形成されてもよい。実施形態によってはその反対であってもよい。
【0092】
以上では音響素子27が一つ形成される実施形態を説明した。
【0093】
以下、
図6を通じて複数の音響素子27が形成されている実施形態を説明する。
【0094】
図6は本発明の他の実施形態による表示装置に使用される音響素子の平面図である。
【0095】
図6では二つの音響素子27が形成されている実施形態が示されている。
【0096】
図6で示している二つの音響素子27は互いに分離されておらず、一つの電極27−2a及び支持部分27−2’を共有する構造を有する。
【0097】
つまり、二つの音響素子27は下部の電極27−2aを共有し、上部電極27−2bと振動物質層27−1は区分されて形成されている。より具体的に、1つの音響素子27は、下部の電極27−2a、1つの振動物質層27−1a、1つの下部の電極27−2b
1とから形成されている。別の1つの音響素子27は、下部の電極27−2a、別の1つの振動物質層27−1b、別の1つの下部の電極27−2b
2とから形成されている。
【0098】
二つの振動物質層27−1a及び27−1bは下部の電極27−2aを共有するが、上部電極27−2bが互いに異なる信号を提供して互いに異なる振動を発生させてもよく、ステレオで音を発生させてもよい。
【0099】
実施形態によっては下部の電極27−2aも互いに電気的に分離されていてもよく、音響素子27の個数も必要によって多様な個数で形成されてもよい。
【0100】
音響素子27は電極27−2の外郭に位置する支持部分27−2’によって固定されるので、別途の付着工程が不必要である。また、支持部分27−2’が形成されている電極27−2が全体的に振動し、電極27−2aの上に位置する振動物質層27−1a及び27−1b及びその上の電極27−2bも共に振動する。
【0101】
以下、
図7及び
図8を通じて本発明の他の実施形態による表示装置について説明する。
【0102】
図7は本発明の他の実施形態による表示装置の断面図であり、
図8は本発明の他の実施形態による表示装置に使用される背面シャーシの平面図である。
【0103】
図7の実施形態による表示装置は表示パネル70と表示パネル70を受納しその背面を保護し、突出領域28−1を有する背面シャーシ28、突出領域28−1内に位置する音響素子27を含む。
【0104】
図7の実施形態での表示パネル70は光を自ら発光する表示パネルであるか光源から光を受けて画像を表示する受光型表示パネルであってもよい。光を自ら発光する表示パネルとしては有機発光表示パネルなどがあり、受光型表示パネルとしては液晶表示パネルなどがある。受光型表示パネルにはバックライトユニットを含んでいてもよい。
【0105】
表示パネル70は複数のTFT(thin film transistor、薄膜トランジスタ)からなるTFT基板を含み、TFT基板はマトリックス状の薄膜トランジスタが形成されている透明な絶縁基板であって、ソース端子にはデータ線が接続され、ゲート端子にはゲート線が接続されている。そして、ドレイン端子には導電性材質として透明なITO(indium tin oxide、インジウムティンオキシド)からなる画素電極が接続されていてもよい。表示パネル70の詳細構造は表示パネルの種類及び実施形態別に多様である。
【0106】
図7の表示パネル70は表示パネルアセンブリーであってもよい。つまり、
図7の表示パネル70は表示パネルを含むアセンブリーであって、表示パネル以外に集積回路チップ(integrated circuit chip、ICチップ)及びフレキシブル回路基板(flexible printed circuit board、FPC)を含んで表示パネルを駆動する駆動部をさらに含んでもよい。
【0107】
表示パネル70のデータ線及びゲート線はフレキシブル回路基板に接続され、フレキシブル回路基板から電気的な信号が入力されると、TFTのソース端子とゲート端子にこの電気的な信号が伝達され、ゲート線を通じてゲート端子に印加される走査信号によってTFTはターンオンまたはターンオフされ、データ線を通じてソース端子に印加される画像信号がドレイン端子に伝達または遮断される。フレキシブル回路基板は表示パネルの外部から画像信号を受信して表示パネルのデータ線とゲート線にそれぞれ駆動信号を印加する。
【0108】
フレキシブル回路基板は表示装置を駆動するための信号である画像信号と走査信号、そしてこれら信号を適切な時期に印加するための複数のタイミング信号を発生させ、画像信号と走査信号を表示パネル70のゲート線及びデータ線にそれぞれ印加する。さらに、本発明の実施形態によるフレキシブル回路基板では音響信号を増幅して伝達するアンプ(図示せず)も形成されていてもよい。アンプは外部から伝達された音響信号を受信し、これを増幅して音響信号配線を通じて音響素子27に音響信号を伝達する。
【0109】
表示パネル70はモールドフレームをさらに含んでもよく、モールドフレームによって表示パネルが固定されてもよい。さらに、表示パネル70が前面方向に離脱することを防止するためにトップシャーシをさらに含んでもよい。
【0110】
以下、表示パネル70を液晶表示パネルである場合を基準に説明し、表示パネル70にはバックライトユニットも含まれている。
【0111】
このような表示パネル70の背面を保護するために背面シャーシ28が含まれている。背面シャーシ28はボトムシャーシまたはバックシャーシなどとも呼ばれ、表示パネル70の背面に位置して表示パネル70を格納し保護する役割を果たす。このような背面シャーシ28は実施形態によっては表示パネル70のモールドフレームまたはトップシャーシと結合して表示パネル70を保護することもできる。
【0112】
本発明の実施形態による背面シャーシ28は背面方向に突出している突出領域28−1を含む。
図8に示すように、突出領域28−1は円形状を有する。
【0113】
図7の実施形態では背面シャーシ28の厚さ及び突出領域28−1の突出程度が数値で示されている。まず、背面シャーシ28の厚さは0.3t(例えば0.3mm)であり、突出領域28−1は0.25t(例えば0.25mm)突出している。そして、突出領域28−1の内に位置する音響素子27は0.15t(例えば0.15mm)の厚さを有する。このような数値は実施形態によって多様であってもよく、数値の比率を一定に維持してもよい。
【0114】
つまり、本発明の実施形態による表示装置の中の突出領域28−1は背面シャーシ28の厚さの約80%以上の値で突出しており、音響素子27の厚さは突出領域28−1の突出程度の約50%以上約70%以下の厚さを有する。また、音響素子27の厚さは背面シャーシ28の厚さの約40%以上約60%以下である。
【0115】
突出領域28−1は音響素子27が位置する領域であって、音響素子27から提供される音を増幅させる共鳴器の役割を果たすことができる。
【0116】
背面シャーシ28の突出領域28−1の内面には音響素子27が位置しており、音響素子27は支持部材29によって固定されている。音響素子27は音を生成するために振動するので、突出領域28−1の空間内で位置が移動することがある。位置が移動することを防止するために本発明の実施形態では支持部材29を音響素子27の一面と表示パネル70の背面に位置させ、振動によっても音響素子27が移動しないようにする。
【0117】
このような構造は別途の接着剤で音響素子27を付着しなくてもよいので、簡単に製造することができる。一方、接着剤を使用する場合、接着剤を硬化させるために熱を加える必要があり、この時、音響素子27の特性が熱によって低下することもあるので、支持部材29を用いて固定すればこのような短所を減らすことができる。
【0118】
前述の実施形態と同様に、音響素子27は一対の電極27−2a及び電極27−2bとその間に位置する振動物質層27−1を含む(例えば
図1等参照)。振動物質層27−1は上下に位置する一対の電極27−2a及び電極27−2bから提供される電界によって振動するピエゾ(piezo)物質を含み、ピエゾ物質の例としてはPVDF(Poly Vinylidene Fluoride)やPZT(チタン酸ジルコン酸鉛セラミック)などがある。
【0119】
PVDFはPVDF−TrFE(polyvinylidene fluoride trifluoroethylene)を含み、フレキシブルなフィルム形態に製作することが容易な物質特性を有する。一方、PZTはPVDFに比べてフィルム形態に製作するのが難しくてフレキシブルな特性を有しにくい差異がある。しかし、実施形態によってはPZTを振動物質層として使用しながらもフィルム形態に形成するためにPZTとPVDF(またはPVDF−TrFE)を混合して使用してもよい。
【0120】
一方、一対の電極27−2a及び電極27−2bは振動物質層27−1の両側面にそれぞれ位置し、振動物質層27−1に電界を提供する。電極27−2a及び電極27−2bはITO、IZOのような透明な導電体、不透明な金属、導電性ポリマー(conducting polymer)及び炭素ナノチューブ(CNT)など多様な導電物質を使用してもよい。
【0121】
以下、
図7の実施形態のように支持部材29の使用によって音響素子27で発生する波形の差を
図9及び
図10を通じて説明する。
【0122】
図9及び
図10は音響素子の振動を示した図面である。
【0123】
まず、
図9では
図7と同一に支持部材29が音響素子27の中央に位置する場合を示している。
【0124】
音響素子27の中の支持部材29と接している部分は固定されて上下に振動しない。したがって、
図9で示しているように、音響素子27は支持部材29を中心に上下に振動するようになる。
【0125】
このような音響素子27が生成することができる最も大きい波長の波形は、
図9で示しているように、音響素子27の振動可能な全体長さを一波長とする。
【0126】
一方、
図10の実施形態では
図1、
図4及び
図5の実施形態のように音響素子27の両端が固定された場合を示している。
図10では支持部材29を用いて音響素子27の両端を固定しているが、
図1、
図4及び
図5の実施形態のように両端がクッションテープの間に固定される場合も同一な特性を有する。
【0127】
図10のように両端部が固定されている音響素子27は
図10で示しているような波形に振動できる。つまり、
図10の実施形態の音響素子27が生成することができる最も大きい波長の波形は
図10で示しているように音響素子27が振動可能な全体長さを半波長とする。
【0128】
その結果、
図10の構造は
図9の構造より波長がさらに大きい波形を生成でき、音響でも
図9と差があるのが分かる。
【0129】
図9及び
図10は音響素子27のどの部分を固定するのかによって生成される波形が異なり、それによって音の特性も変わるのを示す。したがって、表示装置が発生させる音の種類によって音響素子27のどの部分を固定するのか多様な実施形態が存在し得るのが分かる。
【0130】
以下、
図11乃至
図14を通じて音響素子27の変形例を説明する。
【0131】
図11乃至
図14は本発明の実施形態による多様な音響素子の構造を示した図面である。
【0132】
まず、
図11の音響素子27を説明する。
【0133】
図11は音響素子27の一部分の断面を示しており、一対の電極27−2a及び電極27−2bとその間に位置する振動物質層27−1を含む。振動物質層27−1は上下に位置する一対の電極27−2から提供される電界によって振動するピエゾ(piezo)物質を含み、ピエゾ物質の例としてはPVDF(Poly Vinylidene Fluoride)やPZT(チタン酸ジルコン酸鉛セラミック)などがある。
【0134】
振動物質層27−1を基準に一つの電極27−2bは上部に位置し、他の一つの電極27−2aは下部に位置し、
図11の実施形態では下部に位置する電極27−2aの一部が屈曲して振動物質層27−1の側面に沿って概ね垂直方向に上がって行って一部の振動物質層27−1の上部に電極パッド27−21が位置する実施形態を示している。電極27−2aのうち振動物質層27−1の上部に位置する部分は電極パッド27−21を構成する。振動物質層27−1に電界を印加するために二つの電極27−2a及び電極27−2bに配線を接続しなければならず、
図11のように下部電極27−2aの電極パッド27−21が上部に位置すれば、上部で二つの電極に直ちに接続することができるという長所がある。その結果、音響素子27の下部は接着剤などで接着しても上部を通じて信号の印加を受けることができる。
【0135】
図11のような断面を有する音響素子27を上部で見れば
図12のようであり得る。音響素子27の上部には二つの電極27−2a及び電極27−2bが位置しているが、大部分は上部に位置する電極27−2bが占め、一部の領域のみを下部電極27−2aの電極パッド27−21が位置しており、電極パッド27−21は上部電極27−2bと一定の間隔をおいて離れている。
図12の実施形態では電極パッド27−21は四角形構造を有し、円形状の部分のうち、電極パッド27−21部分を除いた部分には上部の電極27−2bが位置している。その下に位置する振動物質層27−1も円形構造を有し、下部電極27−2aも円形構造であり、下部電極27−2aは、下部の層から屈曲して振動物質層27−1の側面に沿って電極パッド27−21と接続されている。
【0136】
以上のように音響素子27は上部と下部に一対の電極27−2a及び電極27−2bが位置するものが基本であるが、実施形態によっては一つの電極を他の構造物に変更して使用してもよい。
【0137】
図13に示すように、音響素子27は一つの上部の電極27−2とその下の振動物質層27−1で構成されている。振動物質層27−1の下には背面シャーシ28が位置している。背面シャーシ28が導電物質で形成されており、この時、背面シャーシ28と上部の電極27−2が一対の電極役割を果たして振動物質層27−1に電界を提供する。つまり、
図13の実施形態では音響素子27が載置される構成要素が導電物質で構成される場合、一側の電極を省略し、当該構成要素(
図13では背面シャーシ28)を用いて電極の役割も遂行するようにすることができる例を示す。この時、背面シャーシ28のような電極を代替する構成要素はアンプからの信号以外には他の電気的な信号の印加を受けないのが好ましい。
【0138】
図13の実施形態では下部電極の役割を果たす背面シャーシ28が音響素子27に比べて非常に広くて電線を接続する位置が多いので、
図11及び
図12のように振動物質層27−1の側面に沿って上部に位置する電極パッド27−21は別途に形成しなくてもよい。
【0139】
以下、
図14を通じて多層の音響素子27を説明する。
【0140】
図14の実施形態による音響素子27は3つの振動物質層27−1a、27−1b、27−1cと総4つの電極27−2a、27−2b、27−2c、27−2dを含む。3つの振動物質層27−1a、27−1b、27−1cは3層構造に配列されており、3層構造の振動物質層27−1の最外側及びその間に総4つの電極27−2a、27−2b、27−2c、27−2dが位置している。総4つの電極a、27−2b、27−2c、27−2dはそれぞれ2つずつ互いに電気的に接続されており、互いに交互に配置されている。一番下に位置する電極27−2aと一番上に位置する電極27−2dは互いに異なる信号の印加を受け、中間に位置する電極27−2bは振動物質層27−1a,27−1bの側面に沿って一番上の電極27−2dと接続され、また、電極27−2cは振動物質層27−1b、27−1cの側面に沿って一番下の電極27−2aと接続されている。一番下に位置する電極27−2aは電極パッド27−21を、一番上に位置する電極27−2dの横に位置させ、配線が容易に接続されるように構成する。その結果、各振動物質層27−1は上下に接している電極27−2が互いに異なる信号を印加するので発生する電界によって振動物質層27−1が振動しながら音を発生させる。
図14の実施形態は振動物質層27−1が3つ存在し、一つのみ存在する音響素子27に比べて高い音圧を発生させることができる。
【0141】
以下、音響素子27を用いて使用者に音を提供すること以外に他の方式に使用される実施形態について説明する。
【0142】
図15乃至
図19は本発明の実施形態による表示装置が使用可能な駆動特性を示した図である。
【0143】
まず、
図15では音響素子27の振動中の可聴周波数でない周波数を用いてハプティック機能を使用することができる例を説明する。
【0144】
音響素子27によって表示装置には全体的に振動が発生し、そのうちの可聴周波数でない低い振動も
図15のように共に発生する。この周波数は使用者が聞くことができないので他の用途に使用されても音質には影響がない。使用者が表示装置をタッチした時、変化する振動を感知してタッチを感知することができる。このようなタッチの感知はタッチがあるかないかの程度の感知であり得、実施形態によってはハプティック(haptic)機能と共に使用されてもよい。つまり、音響素子27が提供する可聴周波数以外の振動を使用してその変化を感知して使用者のタッチの有無を確認し、ハプティック機能を実現することができる。このために可聴周波数でない低周波の振動を感知することができるセンサを追加的に備えることができ、センサを用いてハプティック機能を実現することは、表示装置で画像を表示する信号制御部や携帯端末では携帯端末の制御ユニット(MPU)で遂行できる。
【0145】
以下、
図16を通じて圧力感知センサとしての役割を説明する。
【0146】
音響素子27に含まれている振動物質層27−1は電界によって振動しながら音を発生させる。しかし、振動物質層27−1が電界なしに振動させる場合には振動物質層27−1から電圧が発生する。発生する電圧を感知すれば振動物質層27−1に変位が発生したのを確認することができ、これは圧力によって押されながら発生した変位であるのを確認して圧力感知の役割を遂行することができる。
【0147】
音響素子27を用いた圧力感知には音響素子27で発生する電圧を感知できるセンサ85を追加的に含んでもよい。しかし、実施形態によってはアンプの構造を変更し、アンプとしての駆動とセンサ85としての駆動を時分割で駆動させて一つのアンプで圧力センサの役割も共に遂行するようにすることもできる。
【0148】
図17では使用者の手の動きを、ドップラー効果を用いて感知する実施形態が示されている。
【0149】
表示装置の内部に位置している音響素子27で可聴周波数でない高周波または低周波の音波が発生する時、使用者が表示装置の前面で手を動かせば、発生した音波が変動しながら携帯端末のマイク130に音波が入力される。
図18で示しているように使用者の手の動きによるドップラー効果で音波は音圧が強くなったり弱くなりながらマイク130に伝達され、マイク130に提供された音波の変動を感知して使用者の手の動きを感知するモーションセンシングが可能である。
【0150】
音響素子27を使用してモーションセンシングを行なうためにはマイク130が必ず必要であり、マイク130を含む電子機器に音響素子27を含む表示装置が使用される場合には別途の追加構成なしにモーションセンシングが可能である。
【0151】
図17によるモーションセンシングはカメラを使用するモーションセンシングに比べてカメラによる画像処理が不必要であり、マイク130に入力される音圧のみを考慮すれば良いので簡単であるという長所がある。
【0152】
以下、
図19を通じて音響素子27を用いた携帯端末のバッテリー充電について説明する。
【0153】
図16で説明したように、音響素子27に含まれている振動物質層27−1が電界なしに振動する場合には振動物質層27−1から電圧が発生する。このように発生する電圧をキャパシタやバッテリー87に貯蔵してバッテリーの使用時間を増加させることができる。一般に使用する携帯端末は使用者の移動時に共に所持して移動するため、一定水準の振動には露出されている。したがって、音響素子27を含む場合には音響素子27自体で振動するようになって電圧が発生し、これをバッテリー87に伝達してバッテリー87が充電されるようにすることができる。
【0154】
さらに、携帯端末を充電できる状況でない場合、使用者が音響素子27を含む携帯端末を揺らしたり指を用いて数十乃至数百回タッチすることによってバッテリー87が充電される効果を有することができる。
【0155】
以上のように
図15乃至
図19で説明した音響素子27のまた他の効果は一つの音響素子27を使用して音響素子27が音を提供する中間に時分割駆動を通じて共に行なわれ得る。さらに、別途の音響素子27を追加的に形成し、音響素子27がアンプと接続されず、別途のセンサやバッテリーと接続されて感知動作やバッテリー充電動作のみを遂行するように形成することができる。
【0156】
本発明では音響素子27が表示装置の内に位置しているものと記述されているが、
図15乃至
図19の特性を有するためには音響素子27が表示装置が使用される携帯端末のどこかにのみあれば十分であり、必ずしも表示装置の内部に位置しなければならないのではない。
【0157】
以上のように電界の印加を受けて音を提供するピエゾ(piezo)物質(例えば、PVDFやPZTなどの物質)を形成して表示装置で音を提供する。また、可聴周波数でない振動を利用して使用者がタッチした場合にこれをフィードバックを受けてタッチ感知を行うようにすることができ別途のタッチスクリーンを形成しなくてもよい。また、ドップラー効果によって表示装置の周辺で手の移動を感知することができ別途の動作センサを含まなくてもよい。
【0158】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の請求範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属する。