特許第6474645号(P6474645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474645電力半導体モジュールおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474645
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】電力半導体モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20190218BHJP
   H01L 25/18 20060101ALI20190218BHJP
   H01L 25/065 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   H01L25/04 C
   H01L25/08 Z
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-40491(P2015-40491)
(22)【出願日】2015年3月2日
(65)【公開番号】特開2016-82213(P2016-82213A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2017年12月20日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0139723
(32)【優先日】2014年10月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソン−ミン
【審査官】 黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−340639(JP,A)
【文献】 特開平06−104367(JP,A)
【文献】 特開2009−071059(JP,A)
【文献】 特開2013−219268(JP,A)
【文献】 特開2012−151172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/065
H01L 25/07
H01L 25/18
H01L 23/34−23/473
H01L 23/48
H01L 23/50
H01L 23/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1デバイスと、
前記第1デバイスと一定間隔で配置される第2デバイスと、
前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの外面と接触するように固定的に組立てられ、一側接続端となる第2組立ターミナルと、
前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの間に接触するように固定的に組立てられ、他側接続端となる第1組立ターミナルとを含み、
前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルのうちの少なくとも一つは、クリップ形状であり、
前記第1組立ターミナルと前記第2組立ターミナルとの間に介在する絶縁部材をさらに含むことを特徴とする、電力半導体モジュール。
【請求項2】
封止材を用いて、前記固定的に組立てられている状態を維持するように保護外面を形成する保護部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項3】
前記第1組立ターミナルの内側、または前記第2組立ターミナルの外側に付着する絶縁部材をさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の電力半導体モジュール。
【請求項4】
前記第1組立ターミナルの一側末端は、一字形状であることを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項5】
前記第1組立ターミナルの一側末端は、コ字形状またはコ字を反転させた形状であることを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項6】
前記第1組立ターミナルの他側末端は、前記第1組立ターミナルの他の部分より幅がより広いことを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項7】
前記第1組立ターミナルの他側末端、または前記第2組立ターミナルの両側末端が、鋸歯形状であることを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項8】
前記第1組立ターミナルの他側末端、または前記第2組立ターミナルの両側末端が、屈曲のある形状であることを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項9】
前記第1デバイスおよび前記第2デバイスは、FET(Field Effect Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Mode Transistor)、およびパワー整流ダイオードのうちのいずれか1つであることを特徴とする、請求項1に記載の電力半導体モジュール。
【請求項10】
前記封止材は、金型を通して、前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルが圧着された状態で流入して凝固することを特徴とする、請求項に記載の電力半導体モジュール。
【請求項11】
前記封止材は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする、請求項に記載の電力半導体モジュール。
【請求項12】
第1デバイスを配置し、前記第1デバイスと一定間隔で第2デバイスを配置する配置ステップと、
一側接続端となる第2組立ターミナルを、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの外面と接触するように固定的に組立てる第1固定組立ステップと、
他側接続端となる第1組立ターミナルを、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの間に接触するように固定的に組立てる第2固定組立ステップとを含み、
前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルのうちの少なくとも一つは、クリップ形状であり、
前記第1組立ターミナルと前記第2組立ターミナルとの間に絶縁部材を介在させるステップをさらに含むことを特徴とする、電力半導体モジュールの製造方法。
【請求項13】
封止材を用いて、前記固定的に組立てられている状態を維持するように保護外面のための保護部を形成する保護部形成ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の電力半導体モジュールの製造方法。
【請求項14】
前記第1組立ターミナルの内側、または前記第2組立ターミナルの外側に絶縁部材を付着させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の電力半導体モジュールの製造方法。
【請求項15】
前記保護部形成ステップは、金型を用いて前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルを圧着するステップと、
前記金型を通して前記封止材を流入させて凝固させるステップとを含むことを特徴とする、請求項13に記載の電力半導体モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記封止材は、熱硬化性樹脂であることを特徴とする、請求項13に記載の電力半導体モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力半導体モジュールに関するものであって、より詳細には、クリップ状のターミナルを介して内部デバイスを直接接続する電力半導体モジュールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電力半導体モジュールは、熱のため、大電力化、高放熱実現のために、電流密度が高いパワーデバイス、熱抵抗が低い絶縁構造のパッケージ実現方式を適用している。
【0003】
具体的には、SCR(Silicon Controlled Rectifier)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Mode Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)、またはこれらの組合体のような大部分の電力半導体は、電気的に絶縁されないパッケージ内に組立てられる。
【0004】
つまり、通常、パッケージ型装置の後方側を形成する金属タブが、パッケージ型装置内にある半導体ダイに、ソルダリング工程および/またはワイヤ接合工程により電気的に結合される。一般的に、ソルダリング工程は、熱を加えてソルダ(solder)を溶かして接合する方式である。また、ワイヤ接合工程は、ワイヤ状のAu、Al、Cuなどを溶接により接合する方式である。
【0005】
しかし、電力半導体モジュールは、通常、約30〜1,000Vの比較的高圧で、論理装置および/またはメモリ装置のような他の電子半導体装置に比べて高圧で作動するように設計されている。
【0006】
また、電力半導体モジュールは、エンジン隔室または工場のように比較的高温の場所で用いられるため、作動中、一部装置の放熱および/または環境によって放熱が多く発生する。
【0007】
したがって、数ワットまたは数キロワットの電力を発生させて環境温度を上昇させる能動型装置の間に熱抵抗を最小化させることが重要である。
【0008】
また、ソルダリングおよび/またはワイヤ工程によって材料費および工程費用が上昇する欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の背景技術による問題を解消するためになされたものであって、クリップ状のターミナルを介して内部デバイスを直接接続する電力半導体モジュールおよびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面は、上記の課題を達成するために、クリップ状のターミナルを介して内部デバイスを直接接続する電力半導体モジュールを提供する。
【0011】
前記電力半導体モジュールは、第1デバイスと、前記第1デバイスと一定間隔で配置される第2デバイスと、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの外面と接触するように固定的に組立てられ、一側接続端となる第2組立ターミナルと、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの間に接触するように固定的に組立てられ、他側接続端となる第1組立ターミナルとを含むことを特徴とする。
【0012】
この時、前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルは、クリップ形状であることを特徴とすることができる。
【0013】
また、前記電力半導体モジュールは、封止材を用いて、前記固定的に組立てられている状態を維持するように保護外面を形成する保護部をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0014】
また、前記電力半導体モジュールは、前記第1組立ターミナルと前記第2組立ターミナルとの間に介在する絶縁部材をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0015】
また、前記電力半導体モジュールは、前記第1組立ターミナルの内側、または前記第2組立ターミナルの外側に付着する絶縁部材をさらに含むことを特徴とすることができる。
【0016】
また、前記第1組立ターミナルの一側末端は、一字形状であることを特徴とすることができる。
【0017】
これと異なり、前記第1組立ターミナルの一側末端は、コ字形状またはコ字を反転させた形状であることを特徴とすることができる。
【0018】
また、前記第1組立ターミナルの他側末端は、前記第1組立ターミナルの他の部分より幅がより広いことを特徴とすることができる。
【0019】
これと異なり、前記第1組立ターミナルの他側末端、または前記第2組立ターミナルの両側末端が、鋸歯形状であることを特徴とすることができる。
【0020】
これと異なり、前記第1組立ターミナルの他側末端、または前記第2組立ターミナルの両側末端が、屈曲のある形状であることを特徴とすることができる。
【0021】
また、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスは、FET(Field Effect Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Mode Transistor)、およびパワー整流ダイオードのうちのいずれか1つであることを特徴とすることができる。
【0022】
また、前記封止材は、金型を通して、前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルが圧着された状態で流入して凝固することを特徴とすることができる。
【0023】
また、前記封止材は、熱硬化性樹脂であることを特徴とすることができる。
【0024】
一方、本発明の他の側面は、第1デバイスを配置し、前記第1デバイスと一定間隔で第2デバイスを配置する配置ステップと、一側接続端となる第2組立ターミナルを、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの外面と接触するように固定的に組立てる第1固定組立ステップと、他側接続端となる第1組立ターミナルを、前記第1デバイスおよび前記第2デバイスの間に接触するように固定的に組立てる第2固定組立ステップとを含むことを特徴とする、電力半導体モジュールの製造方法を提供する。
【0025】
また、前記製造方法は、封止材を用いて、前記固定的に組立てられている状態を維持するように保護外面のための保護部を形成する保護部形成ステップをさらに含むことを特徴とすることができる。
【0026】
また、前記製造方法は、前記第1組立ターミナルと前記第2組立ターミナルとの間に絶縁部材を介在させるステップをさらに含むことを特徴とすることができる。
【0027】
これと異なり、前記製造方法は、前記第1組立ターミナルの内側、または前記第2組立ターミナルの外側に絶縁部材を付着させるステップをさらに含むことを特徴とすることができる。
【0028】
また、前記保護部形成ステップは、金型を用いて前記第1組立ターミナルおよび前記第2組立ターミナルを圧着するステップと、前記金型を通して前記封止材を流入させて凝固させるステップとを含むことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、他の異種接着剤なしでもクリップ状のターミナルを介して内部デバイスを直接接続することができる。
【0030】
また、本発明の他の効果としては、追加の接合材料、および/またはソルダリング、ワイヤ接合工程が要求されないため、工程費用および空間効率を高めて価格低減を実現することが可能である点が挙げられる。
【0031】
さらに、本発明の他の効果としては、金属性のクリップ形状を用いるため、両面冷却構造が可能であり、これによって性能改善の効果を期待することができる点が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1実施形態にかかる電力半導体モジュールの内部接続を示す概念図である。
図2図1により組立ターミナルを組立てた後、封止材を用いて最終固定した状態を示す概念図である。
図3】本発明の第2実施形態にかかる入力端を変形した電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。
図4】本発明の第3実施形態にかかる入力端を変形した電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。
図5】本発明の第4実施形態にかかる組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるための電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。
図6】本発明の第5実施形態にかかる組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるための電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。
図7】本発明の第6実施形態にかかる組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるための電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。
図8】本発明の第7実施形態にかかる絶縁部材を組立ターミナルに付着させた状態において電力半導体モジュールの内部接続を示す概念図である。
図9】本発明の第8実施形態にかかる金型を用いて組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度をさらに強化する概念図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる組立ターミナルを用いた電力半導体モジュールの製造過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、多様な変更を加えることができ、様々な実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示して詳細な説明に具体的に説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むと理解されなければならない。
【0034】
各図面を説明しながら、類似の参照符号を類似の構成要素について使用する。
【0035】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0036】
例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない範囲で、第1構成要素は第2構成要素と名付けられてよく、同様に、第2構成要素も第1構成要素と名付けられてよい。「および/または」という用語は、複数の関連する記載項目の組み合わせまたは複数の関連する記載項目のうちのいずれかの項目を含む。
【0037】
異なって定義されない限り、技術的または科学的な用語を含むここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同じ意味がある。
【0038】
一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されてはならない。
【0039】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態にかかる電力半導体モジュールおよびその製造方法を詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる電力半導体モジュールの内部接続を示す概念図である。図1を参照すれば、前記電力半導体モジュール100は、第1デバイス131と、前記第1デバイス131と一定間隔で配置される第2デバイス132と、前記第1デバイス131および第2デバイス132の外面と接触するように固定的に組立てられ、一側接続端となる第2組立ターミナル112と、前記第1デバイス131および第2デバイス132の間に接触するように固定的に組立てられ、他側接続端となる第1組立ターミナル111などとを含んで構成される。
【0041】
第1組立ターミナル111および/または第2組立ターミナル112は、導電性材質であって、クリップ形状である。したがって、スプリングのような弾性力で第1および第2デバイス131、132と接触しながら一定の力で固定する機能を果たす。
【0042】
第1および第2デバイス131、132は、電力半導体となる。このような電力半導体は、FET(Field Effect Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor FET)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Mode Transistor)、およびパワー整流ダイオードのうちのいずれか1つ、またはこれらの組合体になってよい。
【0043】
電力半導体モジュール100は、環境車両のインバータシステムに適用可能である。環境車両の例としては、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV:Plug−in Hybrid Electric Vehicle)、電気車(EV:Electric Vehicle)、低速電気自動車(NEV:Neighborhood Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCV:Fuel−Cell Vehicle)、クリーンディーゼル自動車(CDV:Clean Diesel Vehicle)などが挙げられる。
【0044】
第1組立ターミナル111と第2組立ターミナル112との間には絶縁部材120が置かれる。絶縁部材120は、導電性である第1組立ターミナル111と第2組立ターミナル112との間の導電性を遮断して絶縁する機能を果たす。
【0045】
図1では、第1組立ターミナル111と第2組立ターミナル112が同時に第1デバイス131および第2デバイス132に接触組立てられるものとして示されているが、同時に組立てられてもよいし、第2組立ターミナル112が先に組立てられ、その後、第1組立ターミナル111が組立てられてもよい。また、これと逆の順序で組立てられてもよい。
【0046】
絶縁部材120は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタンなどのような高分子絶縁材料などが使用できる。
【0047】
また、図1では、理解の便宜のために、2つのデバイスと2つの組立ターミナルを参照して説明したが、これに限定されるものではなく、2つ以上のデバイスと2つ以上の組立ターミナルを用いて実現することも可能である。
【0048】
図2は、図1により組立ターミナルを組立てた後、封止材を用いて最終固定した状態を示す概念図である。図2を参照すれば、図1により、第1および第2組立ターミナル111、112、第1および第2デバイス131、132、および絶縁部材120を一次的に組立てて固定した後、封止材を用いて保護部210を形成する。この保護部210はさらに、電力半導体モジュール100の保護外面を形成する役割も果たす。
【0049】
封止材は、エポキシ樹脂が主に用いられるが、これに限定されるものではなく、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂(thermostting resin)、シリコーンなどが使用できる。
【0050】
もちろん、他の電子部品との接続のための出力端を形成するために、第2組立ターミナル112の一端の端部分には封止材が覆われないように露出する。また、他の電源部品との接続のための入力端を形成するために、第1組立ターミナル111の一端の端部分にも封止材が覆われないように露出する。
【0051】
図3および図4は、入力端の多様な形状を示すものである。つまり、図3は、本発明の第2実施形態にかかる入力端を変形した電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。図3を参照すれば、第1組立ターミナル311の入力端311−1が一字形状である。これと異なり、第2組立ターミナル312は半楕円形状である。
【0052】
図4は、本発明の第3実施形態にかかる入力端を変形した電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。図4を参照すれば、第1組立ターミナル411の入力端411−1がコ字形状またはコ字を反転させた形状である。これと異なり、第2組立ターミナル412は半楕円形状である。
【0053】
図5図7は、組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるために、接触部の形状を多様に示すものである。つまり、図5は、本発明の第4実施形態にかかる組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるための電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。図5を参照すれば、第1組立ターミナル511の右側末端部である接触部511−1の形状が他の部分より幅の広い構造となる。第2組立ターミナル512は半楕円形状である。
【0054】
図6は、本発明の第5実施形態にかかる組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるための電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。図6を参照すれば、第1組立ターミナル611の接触部611−1は、両面が鋸歯形状であり、第2組立ターミナル612の接触部612−1は、内側面が鋸歯形状である。
【0055】
図7は、本発明の第6実施形態にかかる組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度を高めるための電力半導体モジュールの構造を示す概念図である。図7を参照すれば、第1組立ターミナル711の接触部711−1は、両面が屈曲のある形状であり、第2組立ターミナル712の接触部712−1は、内側面にのみ屈曲のある形状である。
【0056】
図8は、本発明の第7実施形態にかかる絶縁部材を組立ターミナルに付着させた状態において電力半導体モジュールの内部接続を示す概念図である。図8を参照すれば、第1組立ターミナル811の内側面に第1絶縁部材811−1が付着し、第2組立ターミナル812の外側面に第2絶縁部材812−1が付着する。
【0057】
この場合、図1に示された構造と異なり、組立ターミナル811、812に絶縁部材811−1、812−1を付着させるため、工程が単純化される。
【0058】
図9は、本発明の第8実施形態にかかる金型を用いて組立ターミナルとデバイスとの間の接触強度をさらに強化する概念図である。図9を参照すれば、下金型枠901と上金型枠902との間に一次的に組立てられた状態の第1および第2組立ターミナル111、112、第1および第2デバイス131、132を挿入する。この状態で、下金型枠901と上金型枠902を押して二次的に接触状態を追加確保する。二次的な接触状態で、封止材910を各下金型枠901と上金型枠902を通して注入する。注入された封止材は、一定時間が経過した後、硬化(または凝固)される。したがって、最終固定力を確保することができる。
【0059】
図10は、本発明の一実施形態にかかる組立ターミナルを用いた電力半導体モジュールの製造過程を示すフローチャートである。図10を参照すれば、第1デバイス(図1の131)、第2デバイス(図1の132)、および/または絶縁部材(図1の120)などを一定間隔で配置する(ステップS1010)。
【0060】
出力端となる第2組立ターミナル(図1の112)を、前記第1デバイス131および第2デバイス132の外面と接触するように固定的に組立てる。これと共に、入力端となる第1組立ターミナル(図1の111)を、前記第1デバイス131と第2デバイス132との間に接触するように固定的に組立てる(ステップS1020)。もちろん、このような組立順序は逆になってもよいし、同時に行われてもよい。
【0061】
封止材を用いて、固定的に組立てられている状態を維持するように保護外面のための保護部(図2の210)を形成する(ステップS1030)。
【0062】
もちろん、前記保護部形成ステップ(S1030)は、金型を用いて第1組立ターミナルおよび第2組立ターミナルを圧着するステップと、前記金型を通して前記封止材を流入させて凝固させるステップとをさらに含むことができる。
【符号の説明】
【0063】
100:電力半導体モジュール
111:第1組立ターミナル
112:第2組立ターミナル
120:絶縁部材
131:第1デバイス
132:第2デバイス
210:保護部
901:下金型枠
902:上金型枠
910:封止材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10