特許第6474663号(P6474663)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474663
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】発熱装置、定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20190218BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   G03G15/20 555
   G03G21/00 370
   G03G21/00 386
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-67776(P2015-67776)
(22)【出願日】2015年3月28日
(65)【公開番号】特開2016-188880(P2016-188880A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】591044164
【氏名又は名称】株式会社沖データ
(74)【代理人】
【識別番号】100089093
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 健治
(72)【発明者】
【氏名】矢部 慶良間
【審査官】 岡▲崎▼ 輝雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−025903(JP,A)
【文献】 特開2011−248145(JP,A)
【文献】 特開2014−186314(JP,A)
【文献】 特開2012−189700(JP,A)
【文献】 特開2014−048422(JP,A)
【文献】 特開2002−236430(JP,A)
【文献】 特開2005−062491(JP,A)
【文献】 特開2005−148649(JP,A)
【文献】 特開2015−007716(JP,A)
【文献】 特開2008−134302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
数の発熱手段と、
記発熱手段の温度を検知する複数の温度検知素子と、
前記温度検知素子の検知温度に基づいて制御を行う制御部を有し、
前記制御部は、前記検知温度が所定の値を超えたとき異常と判断するための温度エラー閾値を設定し、
更に、前記制御部は前記温度エラー閾値を利用して前記複数の温度検知素子のうち一の温度検知素子の異常を判定すると、前記発熱手段により発熱検査を行い、前記一の温度検知素子の温度上昇が認識できるときは、前記判定を誤検知であると判断して、前記一の温度検知素子の前記検知温度が正常な範囲に入るように前記一の温度検知素子に関する前記温度エラー閾値を変更することを特徴とする発熱装置。
【請求項2】
請求項1記載の発熱装置を利用して、記録媒体に転写された現像剤像を熱により定着させることを特徴とする定着装置
【請求項3】
前記記録媒体に前記現像剤像を形成する画像形成部を有し、更に、請求項2記載の定着装置を有する画像形成装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真記録方式を使用した画像形成装置、特に、温度検知用素子を複数有し、記録媒体に転写されたトナーを熱により定着させる定着装置を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の画像形成装置の定着装置において、保護部材に覆われ、加熱体に接する状態で設置された複数の温度検知用素子について前記保護部材が剥がれた場合、当該温度検知用素子で検知する検知温度によって故障やエラーを誤検知することがあった。そこで故障が発生した場合、一旦ヒータを点灯させて全ての温度検知部の温度上昇が認識できれば、保護部材が剥がれたと判断して、当該温度検知用素子が検知した温度を補正していた。温度補正は定着装置の両端にある温度検知部の温度差を記憶して、温度が高い方の温度検知部を保護部材が剥がれたと判断して、その高い方の温度検知部の検知温度に温度差分を減算して補正を行う。それによって、温度検知部の前記保護部材が剥がれた程度では定着装置を交換するほどの故障とはいえないことから、不要な定着装置の交換をなくし使用者の負担を軽減することができる。
【0003】
特開2011−48331号公報(特許文献1)には、保護部材が剥がれた温度検知部の検知温度を補正して故障やエラーの誤検知を防ぐ定着装置が記載されている。特許文献1によれば、温度検知部により検知された温度に差がある場合、保護部材の剥がれに起因するにも拘わらず片寄った用紙搬送が行われていると誤検知する場合があるという問題を解決するために、検知した温度を補正するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−48331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術によれば、温度異常検知があった場合の温度補正を行うためには、温度差を記憶しなければならなかった。また、両端の温度検知部がヒータに対して同等の距離であるような定着装置の構成が必要であり、かつ両端の温度検知部によって検知した上でなければ温度補正を行うことができなかった。そのため、定着装置の構成の変更があった場合や、誤検知の原因である保護部材の剥がれ方に相違があった場合や、温度検知部における他の原因による故障のための誤検知であった場合などの状況によって、温度差をそのまま減算して補正する方法では温度補正が難しくなってしまう問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、複数の温度検知素子のうちいずれか一に異常が検出された場合、当該温度検知素子で検知する検知温度の温度補正を行わず、温度補正のための温度差を記憶する記憶部を不要とする定着装置を提供することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に関する発熱装置は、数の発熱手段と、記発熱手段の温度を検知する複数の温度検知素子と、前記温度検知素子の検知温度に基づいて制御を行う制御部を有し、前記制御部は、前記検知温度が所定の値を超えたとき異常と判断するための温度エラー閾値を設定し、更に、前記制御部は前記温度エラー閾値を利用して前記複数の温度検知素子のうち一の温度検知素子の異常を判定すると、前記発熱手段により発熱検査を行い、前記一の温度検知素子の温度上昇が認識できるときは、前記判定を誤検知であると判断して、前記一の温度検知素子の前記検知温度が正常な範囲に入るように前記一の温度検知素子に関する前記温度エラー閾値を変更することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
上記構成を有する本発明によれば、複数の温度検知素子のうち一の温度検知素子に温度異常検知があった場合、一の温度検知素子の起点方向に隣接する温度検知素子からの検知温度を用いて、一の温度検知素子からの検知温度とするので、当該一の温度検知素子で検知する検知温度の温度補正を行う必要がないため、温度補正のための温度差を記憶する記憶部を設けることを不要とする発熱装置としての定着装置を提供することが可能になる。更に、発熱装置としての定着装置構成の変更や、故障や誤検知の原因が多岐にわたる状況でも実施することができる。更に、不要な発熱装置又は定着装置の交換をなくして使用者の負担を軽減することができる。更にまた、温度検知ができないような温度検知用素子の故障があった場合でも、発熱装置又は定着装置を使用することができるという効果を有する。



【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に関する画像形成装置を示す構成図である。
図2】第1の実施の形態に関する定着ユニットの構成を示す構成図である。
図3】第1の実施の形態に関する定着ユニットのヒータ及び温度センサの位置関係を示す説明図である。
図4】第1の実施の形態に関する印刷装置の制御関係のブロック図である。
図5】第1の実施の形態に関する主制御部の要部を示すブロック図である。
図6】第1の実施の形態に関する定着制御部の機能ブロック図である。
図7】第1の実施の形態に関する定着ユニットの動作を示すフローチャートである。
図8A】印刷ユニットのイニシャル動作からプリント動作の処理手順を示すシーケンス図である。
図8B】印刷ユニットのイニシャル動作からプリント動作の処理手順を示すシーケンス図である。
図9】第2の実施の形態に関する定着制御部の機能ブロック図である。
図10】第2の実施の形態に関する定着ユニットの動作を示すフローチャートである。
図11】第3の実施の形態に関する定着制御部の機能ブロック図である。
図12】第3の実施の形態に関する定着ユニットの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は第1の実施の形態に関する画像形成装置を示す構成図である。図1において、画像形成装置としての印刷装置1はトナー等の現像剤を熱融解して記録媒体31上に熱定着させ、画像形成することができる。記録媒体31は印刷する前はロール状に収納され、引出ローラ33によって引出され給紙が行われる。カットセンサ32は、記録媒体31をカットするためのタイミングを計測する。カッタ34はカットセンサ32が計測したタイミングで記録媒体31を所定の長さにカットする。カッタ34は可動刃及び固定刃によりスライド又は挟持することで記録媒体31をカットする。カットされた記録媒体31は、搬送ローラ35、二次転写ローラ39、発熱装置又は定着装置としての定着ユニット40及び排出ローラ41により挟持されて矢印A方向に沿って搬送される。
【0011】
IDユニット38は、像担持体としての感光体ドラム38−1に現像剤像を形成する。ここでIDユニット38は、印刷装置1がカラー印刷装置である場合、プロセスの色毎(シアン色、イエロー色、マゼンタ色、ブラック色)に設けられ、印刷装置1がモノクロ印刷装置である場合、ブラック色のIDユニット38で構成される。本実施の形態では、印刷装置1がモノクロ印刷装置であり、IDユニット38がブラック色であるものとする。一次転写ローラ37は感光体ドラム38−1上に形成された図示しない現像剤像を一旦矢印B方向に沿って移動する転写ベルト36上に転写する。転写ベルト36上に転写された現像剤像の先頭と、記録媒体31の書出し位置が二次転写ローラ39で重なるように記録媒体31の搬送が調整される。これにより、転写ベルト36上の現像剤像は、二次転写ローラ39で記録媒体31に転写される。
【0012】
現像剤像が転写された記録媒体31は、次に定着装置としての定着ユニット40に送られる。記録媒体31上に転写された現像剤像は、定着ユニット40により記録媒体31上に定着される。最後に印刷装置1は、現像剤像が定着された記録媒体31を、排出ローラ41によって印刷装置1外へ排出するという構成である。なお、表示部2は印刷装置1の状態を表示し、操作部4はオペレータの操作により印刷命令が入力される。
【0013】
図2は第1の実施の形態に関する定着ユニットの構成を示す構成図である。定着装置としての定着ユニット40は、定着ベルト51と加圧ベルト52からなり、記録媒体31上の現像剤像を熱融解して記録媒体31上に熱定着させる。定着ユニット40は矢印C方向に回転して暖められた定着ベルト51と矢印D方向に回転する加圧ベルト52の間に記録媒体31を矢印Aで示す搬送方向へ通過させる。これにより熱と圧力によって、現像剤像を熱融解させて記録媒体31上に熱定着させる。定着ベルト51は次に説明する発熱手段としての複数のヒータ61乃至65及びヒータ61乃至65の温度を検知する温度検知素子としての複数の温度センサ53乃至59を有し、加圧ベルト52はヒータ66及び温度センサ60を有する。
【0014】
図3は第1の実施の形態に関する定着ユニットのヒータ及び温度センサの位置関係を示す説明図である。図3(a)は図2に示す定着ベルト51を上方(y軸)より見た場合のヒータ及び温度センサの位置関係を示し、図3(b)は図2に示す加圧ベルト52を同じく上方(y軸)より見た場合のヒータ及び温度センサの位置関係を示す。
【0015】
図2及び図3に示すように、定着ベルト51及び加圧ベルト52は、記録媒体31の幅方向(z軸)に平行な回転軸を有する円筒状の形状である。円筒状の定着ベルト51の円周内側には発熱手段としての複数のヒータ61乃至65が配置され、円筒状の定着ベルト51の円周外側には定着ベルト51の表面温度を検知する複数の温度センサ53乃至59が円筒状の軸方向に直線状に配置されている。また、円筒状の加圧ベルト52の円周内側には、ヒータ66が記録媒体31の幅方向全域に亘って配置され、その円周外側には加圧ベルト52の表面温度を検知する温度センサ60が記録媒体31の幅方向中央に配置されている。
【0016】
発熱手段としての複数のヒータ61乃至65は、記録媒体31の幅方向の一端(図では左端)の位置を起点Eとし、当該起点Eから幅方向の他端方向へ延びる長さが異なるヒータである。ヒータ61乃至65は、利用可能な記録媒体31の幅方向のサイズに応じて複数設けられる。これは記録媒体31のサイズや環境や定着装置の状態によって使い分けるためである。
【0017】
温度検知素子としての複数の温度センサ53乃至59のうち温度センサ59は、記録媒体31の幅方向の一端である前記起点Eに相当する円周の一か所に配置される。更に、他の温度センサ53乃至58は、温度センサ59の位置から記録媒体31の幅方向の他端方向に向けて一直線に配置される。また、温度センサ54乃至58の配置は、各ヒータ61乃至65の他端付近に設けられる。これは記録媒体31が片寄った走行であったとき、記録媒体31が通過しない端部があると、その端部では記録媒体31によって熱が奪われず温度が上昇し続けることがあり、これを避けるためである。
【0018】
図3(a)に示すように、最長のヒータ65については、温度センサ53乃至59のうち全ての温度センサがヒータ65の温度上昇を検知できる位置に配置されている。二番目に長いヒータ64については、温度センサ53乃至57及び59がヒータ64の温度上昇を検知できる位置に配置されている。以下同様に、最短のヒータ61については、温度センサ53、54及び59がヒータ61の温度上昇を検知できる位置に配置されていることになる。このように複数の温度センサ53〜59は、長さの異なる複数のヒータ61〜65に対応して配置される。
なお、ヒータ及び温度センサの設置個数は、図2及び図3に示す個数に限るものではなく、印刷装置1の用途及び構成によって適宜決定される。
【0019】
図4は第1の実施の形態に関する印刷装置の制御関係のブロック図である。印刷装置1の主制御部5は印刷装置1の状態表示及び印刷動作を制御する。印刷装置1の状態表示については、主制御部5の制御に従って表示部2が表示を行う。印刷装置1の印刷動作については、オペレータによる操作部4の操作により又はパーソナルコンピュータ3の動作により、操作部4又はパーソナルコンピュータ3から印刷命令がデータ受信部9へ送られる。主制御部5はデータ受信部9から印刷命令を受け取ると、印刷命令の情報を基に搬送制御部16、画像形成制御部17及び定着制御部18を制御し印刷動作を行う。
【0020】
センサ部10は前記温度センサ53乃至60及びカットセンサ32等の各種のセンサを含む。センサ部10は各種センサからの情報を主制御部5に送信する。主制御部5はこれを搬送制御部16、画像形成制御部17及び定着制御部18へ送る。搬送制御部16、画像形成制御部17及び定着制御部18の各制御部は、センサ部10の情報を主制御部5を介して受信し、これを用いて次に説明する制御対象に対する制御を行う。
【0021】
搬送制御部16、画像形成制御部17及び定着制御部18の各制御部は、センサ部10の情報から制御に異常があることを判定した場合、この異常を主制御部5に通知する。これを受けた主制御部5は、表示部2に対し表示を行うなどの制御を行う。後述するように、本実施の形態において温度センサ53乃至60の検知温度に基づいて制御を行う制御部としての定着制御部18は、前記温度センサ53乃至60の情報から温度センサ53乃至60に異常があると判定し、主制御部5へ通知する。
【0022】
搬送制御部16は、主制御部5からの命令及び情報に基づいて制御対象としての搬送ユニット26を制御し媒体搬送を行う。なお、制御対象としての搬送ユニット26は前述した引出ローラ33、カッタ34、搬送ローラ35及び排出ローラ41などからなる。
【0023】
画像形成制御部17は、主制御部5からの命令及び情報に基づいて制御対象としてのプロセスユニット27を制御し画像形成を行う。なお、制御対象としてのプロセスユニット27は前述した転写ベルト36、一次転写ローラ37、IDユニット38及び二次転写ローラ39などからなる。
【0024】
定着制御部18は、主制御部5からの命令及び情報に基づいて制御対象としての定着駆動制御部21及び定着温度制御部22を制御する。更に、定着駆動制御部21は制御対象としての定着ローラ部28を制御し、定着温度制御部22は制御対象としてのヒータ部29を制御し、定着ユニット40を動作させる。なお、制御対象としての定着ローラ部28は前述した定着ベルト51及び加圧ベルト52からなり、制御対象としてのヒータ部29は前述したヒータ61乃至66からなる。
【0025】
図5は第1の実施の形態に関する主制御部の要部を示すブロック図である。主制御部5は制御方法等が格納されているROM6及び動作に必要なデータを逐次メモリするRAM7が設けられる。CPU8はROM6を参照取得しながら、RAM7を用いて主制御部5の制御を行う。
【0026】
図6は第1の実施の形態に関する定着制御部の機能ブロック図である。図6は定着制御部18の本実施の形態に関する主な機能を示し、他の機能は省略する。定着制御部18のユニット制御部70は各部を制御する。ウォーミングアップ動作部71はユニット制御部70の制御によって、前記定着駆動制御部21及び前記定着温度制御部22のウォーミングアップ動作を制御する。ヒータ点灯部72はユニット制御部70の制御によって、ヒータ部29即ちヒータ61乃至66の点灯を行う。主制御部通知部73はユニット制御部70の制御によって、主制御部5への通知を行う。通知を受けた主制御部5は、後述するROM6への格納及び表示部2への表示などを行う。
【0027】
温度センサ異常判定部75はユニット制御部70の制御によって、前記温度センサ53乃至60のうちいずれか一に異常が検出されるかどうか判定を行う。隣接温度センサ温度上昇判定部76は、後述するように温度センサ53乃至60のうち一に異常が検出されたとき、その温度センサに隣接する温度センサに温度上昇が認められるか判定を行う。
【0028】
ここで隣接する温度センサとは、記録媒体31の幅方向に一直線に配置された複数の温度センサ53乃至59のうち、記録媒体31の幅方向の一端である前記起点E方向に隣接する温度センサ及び他端方向に隣接する温度センサがあるが、何れでもよい。ただし、起点E方向に隣接する温度センサの方が好ましい。例えば、ヒータ61が使用中のとき温度センサ54に異常が検出された場合、起点E方向に隣接する温度センサ53及び他端方向に隣接する温度センサ55のいずれでもよい。ただし、起点E方向に隣接する温度センサ53の方が好ましい。これは、使用中のヒータ61乃至65の長さとの関係で、起点E方向に隣接する温度センサ53はヒータ61をカバーするが、他端方向に隣接する温度センサ55はヒータ61をカバーしているとは限らないからである。
【0029】
次に、第1の実施の形態に関する定着ユニット40の動作を説明する。図7は第1の実施の形態に関する定着ユニットの動作を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、温度センサに異常が検出されたときの制御手順及びヒータ制御の処理手順を示す。まず印刷装置1は図示しない電源投入動作、sleep復帰動作又はパワーセーブ後の印刷動作などでイニシャル動作を行う。
【0030】
S101:印刷装置1の定着制御部18は、イニシャル動作で定着温度制御部22に対し、ヒータ点灯部72によってヒータ部29を点灯させ、ウォーミングアップ動作部71によってウォーミングアップ動作を行うよう指示する。
【0031】
S102:定着制御部18は、温度センサ異常判定部75によって、ウォーミングアップ動作時にセンサ部10の温度センサ53乃至60のうちいずれか一に異常が検出されるかどうか判定を行う。異常が検出されなければステップ108へ移行し、異常が検出されればステップ103へ移行する。ここでセンサ部10の温度センサ53乃至60のうち一に異常が検出されるかどうか判定する方法は、以下の方法がある。
【0032】
(1)温度センサが著しく低い温度を検知した場合(例えば温度エラー閾値S1としての−5℃以下を検知した場合)に異常があると判定する。
【0033】
(2)温度センサが著しく高い温度を検知した場合(例えば温度エラー閾値S2としての280℃以上を検知した場合)に異常があると判定する。
【0034】
(3)隣接する2個の温度センサで検出された温度差が一定以上であった場合(例えば一定の温度差が100℃以上としたとき、温度センサ53が50℃、温度センサ54が180℃であり、その結果温度差が130℃であった場合)に異常があると判定する。
【0035】
(4)ヒータを点灯して一定時間経過したにも拘わらず温度上昇がみられない場合、温度センサに異常があると判定する。センサ部10の温度センサ53乃至60の異常判定に関し、印刷装置1の用途や構成によって温度エラー閾値S1、S2や前記異常判定方法(1)乃至(4)は変更することができる。
【0036】
S103:ステップS102において、定着制御部18は、センサ部10の温度センサ53乃至60のうち一に異常があると判定した場合、定着温度制御部22に対し、ヒータ点灯部72によって各ヒータ61乃至66の状態を検査するためヒータ61乃至66を点灯させるよう指示する。全てのヒータ61乃至66を点灯させてもよく、又は、全ての温度センサ53乃至59の温度上昇を検知できる位置に配置されている最長のヒータ65のみ点灯させてもよい。
【0037】
S104:定着制御部18は、隣接温度センサ温度上昇判定部76によって、ステップS102において異常が検出される温度センサ53乃至60のうち一に隣接する温度センサの温度上昇が認識できるか判定を行う。例えば、ステップS102において、図3(a)に示す温度センサ53に異常が検出された場合、温度センサ53に隣接する温度センサ54又は温度センサ59若しくはその両方で温度上昇があると認識できるかどうか判定する。前記異常判定方法(3)の2個の温度センサで検出された温度差が一定以上であった場合、温度センサの組合せを複数設けて比較し、その温度差に閾値を設けて、異常と判定された温度センサ53乃至60のうち一を特定する。
【0038】
隣接する温度センサの温度上昇が認識できなければステップS105へ移行し、隣接する温度センサの温度上昇が認識できればステップS106へ移行する。なお、ステップS104において、図3(a)に示す温度センサ60のように隣接する温度センサがない場合、温度センサ60に異常と判定されても、隣接する温度センサの上昇を認識できないため必ずステップS105へ移行する。
【0039】
S105:隣接する温度センサの温度上昇が認識できなければ、定着制御部18は、定着ユニット40の問題としてエラーとし、主制御部通知部73によって、主制御部5へ通知する。これを受けて主制御部5は表示部2へメッセージを表示するよう指示する。
【0040】
S106:ステップS104において、隣接する温度センサの温度上昇が認識できれば、定着制御部18は異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一が誤検知をしたと判定して、主制御部通知部73によって、主制御部5へ通知する。これを受けて主制御部5は不揮発性のROM6にその情報を格納する。
【0041】
S107:定着制御部18は、ウォーミングアップ動作部71によって、異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一の温度センサの代わりにこれに隣接する温度センサを用いてウォーミングアップ動作を行う。なお、代替として利用する隣接する温度センサは、前述の通り複数の温度センサ53乃至59のうち、記録媒体31の幅方向の一端である前記起点E方向に隣接する温度センサ及び他端方向に隣接する温度センサがあるが、何れでもよい。ただし、起点E方向に隣接する温度センサの方が好ましい。
【0042】
S108:ステップS102において、ウォーミングアップ動作時にセンサ部10の温度センサ53乃至60の中に異常が検出される温度センサがないと判定するとき、定着制御部18は、ウォーミングアップ動作部71によって通常のウォーミングアップ動作を行う。その後は次の動作を行う。
【0043】
即ち、温度センサ53乃至59のうち異常と判定された温度センサが、温度センサ53であった場合、隣接する温度センサは温度センサ54又は温度センサ59若しくはその両方である。異常と判定された温度センサがヒータ61乃至66からなるヒータ部29の中央部又は端部であろうと、補正は行わないものとする。異常と判定された温度センサが温度センサ53であれば、隣接する単一の温度センサ54の検知温度又は単一の温度センサ59の検知温度を用いて、温度センサ53の検知温度に置き換えて制御を継続する。
【0044】
又は、その両方である複数の温度センサ54及び59の検知温度の平均値を算出しこれを用いて、温度センサ53の検知温度に置き換えて制御を継続する。電源をOFF/ONした場合はROM6に温度センサの誤検出した情報、即ち温度センサ53の情報が格納されているため、温度センサ53に隣接する温度センサ54及び59用いてステップ101及び102を行う。
【0045】
次に第1の実施の形態に関する処理シーケンスについて説明する。図8A及び図8Bは印刷ユニットのイニシャル動作からプリント動作の処理手順を示すシーケンス図である。まず、図8Aに示すように主制御部5は印刷ユニット1のイニシャル動作S201を開始する。主制御部5はイニシャル動作で、画像形成制御部17に画像制御イニシャル開始要求S202を、搬送制御部16に搬送制御イニシャル開始要求S203を、定着制御部18に定着制御イニシャル開始要求S204をそれぞれ通知する。
【0046】
画像形成制御部17は要求に従ってプロセスユニット27(図4参照)のイニシャル動作を行う。そして、プロセスユニット27のイニシャル動作が終了すると、画像形成制御部17は主制御部5に画像制御イニシャル終了通知S205を通知する。搬送制御部16も同様に要求に従って搬送ユニット26(図4参照)のイニシャル動作を行う。そして、搬送ユニット26のイニシャル動作が終了すると、搬送制御部16は主制御部5に搬送制御イニシャル終了通知S206を通知する。
【0047】
定着制御部18は、要求に従って定着駆動制御部21(図4参照)及び定着温度制御部22(図4参照)のイニシャル動作を行う。定着駆動制御部21は定着ローラ部28のイニシャル動作を行う。定着温度制御部22はヒータ部29のイニシャル動作を行う。温度センサ異常判定S207が行われ(S102)、温度センサに異常が検出されなかった場合は、定着制御部18も同様にイニシャル動作が終了すると、定着制御イニシャル終了通知S208を主制御部5に通知する。
【0048】
温度センサに異常が検出された場合は、主制御部5はヒータ状態検査要求S209を定着制御部18に通知する。定着制御部18は、全ての温度センサ53乃至59の温度上昇を検知できる位置に配置されている最長のヒータ65(図3参照)を点灯させ、ヒータ部29の状態検査S210を行う(S103)。ここでは最長のヒータ65のみとする。
【0049】
そこで異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一に隣接する温度センサで温度上昇があれば、定着制御部18はヒータ異常誤検知通知S211を主制御部5に通知する。主制御部5はヒータ異常誤検知通知S211を受けると、ROM6に誤検知情報S212を格納する(S106)。定着制御部18はヒータ異常誤検知通知S211を行った後はセンサ異常誤検知時制御S213を行う。ここでのセンサ異常誤検知時制御S213とは、図7におけるステップS107の動作である。即ち、定着制御部18は、ウォーミングアップ動作部71によって、異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一の温度センサの代わりにこれに隣接する温度センサを用いてウォーミングアップ動作を行う。
【0050】
図8Bに示すように、異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一に隣接する温度センサで温度上昇がなければ、定着制御部18はエラーとしてヒータ異常検知通知S214を主制御部5に通知する。主制御部5はこれを表示部2に表示を行う(S105)。これと同時に、主制御部5は画像形成制御部17に画像制御停止要求S215を送り、画像形成制御部17の動作を停止させる。同様に、主制御部5は搬送制御部16に搬送制御停止要求S216を送り、搬送制御部16の動作を停止させる。更に、主制御部5は定着制御部18に定着制御停止要求S217を送り、定着制御部18の動作を停止させる。
【0051】
ここで、前述の通り定着制御部18がイニシャル動作を終了し、温度センサ53乃至60に異常が検出されなかった場合、主制御部5に通知する前記定着制御イニシャル終了通知S208を改めて定着制御イニシャル終了通知S218と図示する。イニシャル終了後、主制御部5は、画像制御待機要求S219を画像形成制御部17に、搬送制御待機要求S220を搬送制御部16に、定着制御待機要求S221を定着制御部18にそれぞれ要求し、印刷装置1を待機状態とさせる。
【0052】
続いて主制御部5がデータ受信部9を介して操作部4からプリント要求S222を受けると、主制御部5は画像制御印刷開始要求S223を画像形成制御部17に、搬送制御印刷開始要求S224を搬送制御部16に、定着制御印刷開始要求S225を定着制御部18にそれぞれ要求する。
【0053】
そして主制御部5は給紙開始要求S226を搬送制御部16に送り、給紙を開始する。搬送制御部16は、給紙が完了すると給紙完了通知S227を主制御部5に通知する。画像形成制御部17は印刷動作終了後、画像制御印刷完了通知S228を主制御部5に通知する。同様に搬送制御部16は印刷動作終了後、搬送制御印刷完了通知S229を主制御部5に通知する。同様に定着制御部18は印刷動作終了後、定着制御印刷完了通知S230を主制御部5に通知する。
【0054】
印刷が終了すれば、主制御部5は画像制御待機要求S231を画像形成制御部17に、搬送制御待機要求S232を搬送制御部16に、定着制御待機要求S233を定着制御部18にそれぞれ要求し、印刷装置1を待機状態にさせる。
【0055】
以上のように、複数のセンサのうち一の温度センサ53に温度異常検知があった場合、一の温度センサに隣接する温度センサ54及び59からの検知温度を用いて、一の温度検知素子からの検知温度に置き換えるので、当該一の温度センサで検知する検知温度の温度補正を行う必要がないため、温度補正のための温度差を記憶する記憶部を設けることを不要とすることができる。
【0056】
更に、第1の実施の形態によれば、定着装置構成や、故障、誤検知の原因が多岐に亘る状況でも故障した温度センサに隣接する温度センサを使用することによって温度状況を認識することができる。これにより細かな補正は行わないため精度は落ちるが、温度補正を行うことなく使用可能となる。また温度補正に関する制御がなくなることから、制御の複雑化を回避することができる。それによって、不要な定着装置の交換をなくして使用者の負担を軽減できる。更に、そもそも温度検知ができないような温度検知用素子の故障があった場合でも、第1の実施の形態によれば定着装置を使用することが可能となる。
【0057】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は第2の実施の形態に関する定着制御部の機能ブロック図である。第1の実施の形態に関する定着制御部18の機能ブロック図と異なるところは、ヒータ点灯禁止部77を有することである。その他は図6を同じであるので説明を省略する。後述するように、ヒータ点灯禁止部77はユニット制御部70の制御によって、異常と判定された温度センサに対応するヒータについて、点灯を禁止し使用不可とする。これにより、ヒータに対応するサイズを有する記録媒体31は使用できないことになる。
【0058】
図10は第2の実施の形態に関する定着ユニットの動作を示すフローチャートである。図10に示すフローチャートは、温度センサに異常があると判定されたときの制御手順及びヒータ制御の処理手順を示す。ステップS301乃至S306は、第1の実施の形態に関するフローチャートにおけるステップS101乃至S106と同じであり、更にステップS309及びS310はステップS107及びS108と同じである。以下に、第1の実施の形態に関するフローチャートにおけるステップと異なるステップS307及びS308(*印で示す)のみ説明する。
【0059】
S307:ステップ306において、隣接する温度センサの温度上昇が認識できたとき、定着制御部18は異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一が誤検知をしたと判定し、主制御部5は、不揮発性のROM6に誤検検知した温度センサのエラー情報を格納する。その後、定着制御部18は、ヒータ点灯禁止部77によって異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一に関する該当ヒータの点灯を禁止する。例えば、図3に示すヒータ61の右端部の温度を監視している温度センサ54に異常が検出された場合に、当該ヒータ61の点灯を禁止する。
【0060】
S308:定着制御部18は、主制御部通知部73によって、該当ヒータの点灯を禁止することを主制御部5へ通知する。これを受けて主制御部5は表示部2に対し、当該ヒータを使用しなければ特定の記録媒体31の印刷ができない旨の通知を表示する。例えば、ヒータ61がA4サイズの記録媒体31の横幅に適する長さであったとき、温度センサ54に異常が検出された場合、表示部2にはA4サイズの記録媒体31が印刷できないことを通知することになる。通知のタイミングは、特定の記録媒体の幅の印刷要求があったときでよい。ヒータ61乃至65及び記録媒体については、ヒータと温度センサの構成によって選定される。
【0061】
第2の実施の形態に関する処理シーケンスについては、第1の実施の形態に関する処理シーケンスを示す図8と同じである。
以上のように、第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の有する効果に加えて、異常が検出された温度センサに関するヒータの点灯を禁止し、該当ヒータを使用する記録媒体幅の印刷をできないことを表示するので、安全に動作することができる。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図11は第3の実施の形態に関する定着制御部の機能ブロック図である。第1の実施の形態に関する定着制御部18の機能ブロック図と異なるところは、該当温度センサ温度上昇判定部78及び温度エラー閾値変更部79を有することである。その他は図6を同じであるので説明を省略する。
【0063】
後述するように、該当温度センサ温度上昇判定部78はユニット制御部70の制御によって、異常が検出された温度センサ53乃至60のうち一の温度センサに温度上昇が認識できるかどうか判定する。また、温度エラー閾値変更部79はユニット制御部70の制御によって、温度センサ53乃至60のうち一の温度センサに異常が検出され、該温度センサの温度上昇が確認されたとき、異常が検出された温度センサ53乃至60のうち一の温度センサの温度エラー閾値を変更する。
【0064】
図12は第3の実施の形態に関する定着ユニットの動作を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、温度センサに異常が検出されたときの制御手順及びヒータ制御の処理手順を示す。ステップS401乃至S403は、第1の実施の形態に関するフローチャートにおけるステップS101乃至S103と同じであり、更にステップS408及びS409はステップS107及びS108と同じである。以下に、第1の実施の形態に関するフローチャートにおけるステップと異なるステップS404乃至S407(*で示す)のみ説明する。
【0065】
S404:ステップS403において各ヒータ61乃至66の状態を検査するためヒータ61乃至66からなるヒータ部29を点灯させた後、定着制御部18は、該当温度センサ温度上昇判定部78によって、異常が検出された温度センサ53乃至60の温度上昇が認識できるか判定を行う。異常が検出された温度センサ53乃至60のうち一の温度センサに温度上昇が認識できなければステップS405へ移行し、温度上昇が認識できればステップS406へ移行する。
【0066】
S405:異常が検出された温度センサ53乃至60のうち一の温度上昇が認識できなければ、定着制御部18は主制御部通知部73によって、定着ユニット40の問題のエラーとし、主制御部5へ通知する。これを受けて主制御部5は表示部2へメッセージを表示するよう指示する。
【0067】
S406:ステップS404において、異常が検出された温度センサ53乃至60のうち一の温度上昇が認識できれば、定着制御部18は異常が検出された温度センサ53乃至60のうち一が誤検知をしたと判定して、主制御部通知部73によって、主制御部5へ通知する。これを受けて主制御部5は不揮発性のROM6にその情報を格納する。
【0068】
S407:定着制御部18は、温度エラー閾値変更部79によって、誤検知と判断された温度センサ53乃至60のうち一の温度センサの温度エラー閾値Sを変更する。即ち、異常が検出され温度上昇が確認された一の温度センサの検出温度が正常な範囲に入るように閾値を設定する。例えば異常温度差が100℃としていた温度エラー閾値Sを150℃としてエラー検出を緩和させる。変更する温度エラー閾値Sについては、ヒータと温度センサの構成によって変更することができる。ただし、異常温度差は150℃を超えない範囲で閾値を設定することにする。
【0069】
S408:定着制御部18は、ウォーミングアップ動作部71によって、異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一に隣接する温度センサを用いてウォーミングアップ動作を行う。
【0070】
第3の実施の形態に関する処理シーケンスについては、第1の実施の形態に関する処理シーケンスを示す図8と同じである。
以上のように第3の実施の形態によれば、異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一を交換することなく、温度エラー閾値を変更することによって定着ユニット40を継続して使用することができる。また、第1の実施の形態に比べて、異常が検出された温度センサ53乃至59のうち一を継続して使用しているため誤検知したセンサ箇所についての精度は落ちるがエラー監視は続けているため安全に動作することが期待できる。また、第2の実施の形態に比べ印刷動作に制限が設けられることはない。
【0071】
第1乃至第3の実施の形態の説明では印刷装置について説明したが、本発明はこれに限らず、複写機又はファクシミリにも適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 印刷装置
2 表示部
4 操作部
5 主制御部
18 定着制御部
21 定着駆動制御部
22 定着温度制御部
31 記録媒体
40 定着ユニット
51 定着ベルト
52 加圧ベルト
53〜60 温度センサ
61〜65 ヒータ
70 ユニット制御部
71 ウォーミングアップ動作部
72 ヒータ点灯部
75 温度センサ異常判定部
76 隣接温度センサ温度上昇判定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12