(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前面に開口部を有する冷蔵庫本体と、該冷蔵庫本体に対してヒンジ部材によって回動可能に軸支持され、前記開口部を開閉する扉と、前記冷蔵庫本体から前記扉へ架け渡された配線と、を備える冷蔵庫であって、
前記配線は、前記扉に設けられた画像表示部に接続された第1の配線と、前記扉に設けられた前記画像表示部以外の装置に接続され、前記第1の配線よりも線径が細い又は本数が少ない第2の配線とを含み、
前記第2の配線が前記第1の配線に沿ってその上方に配置され、
前記ヒンジ部材のヒンジ軸部の挿通孔に前記第2の配線が挿通され、
前記ヒンジ軸部の軸線延長線を横切るように、前記配線を通過させるための配線通過部が設けられることを特徴とする冷蔵庫。
【背景技術】
【0002】
昨今、冷蔵庫本体の前面開口を開閉する回動式扉に新たな機構や装置を設けることが知られている。これは、冷蔵庫の機能を高めるのに有効な手段であるが、電源やコントローラを備えた冷蔵庫本体から扉内部へ電気供給や通信制御等のための配線が必要となる。
【0003】
ここで、冷蔵庫本体から回動式扉へ配線するため、扉を回動可能に軸支持するヒンジ軸の近傍で、冷蔵庫本体と扉の間を架け渡すように架空配線することが考えられる。しかし、扉を開閉する際に冷蔵庫本体と扉の間の距離が変化するので、これらの間を架け渡された配線には引張力又は圧縮力が作用するが、この引張力又は圧縮力が過度になると、スムーズな扉の開閉が難しくなる。さらに、このような扉の開閉を繰り返すと、配線が繰り返し応力によって疲労断線するおそれがある。
【0004】
これに対して、例えば特許文献1に開示されるように、ヒンジ軸を軸方向に貫通する挿通孔の内部に配線を挿通することで、ヒンジ軸を介して冷蔵庫本体から扉へ配線することが知られている。このような配線では、扉の開閉の際に配線に過度な引張力等が作用するのを防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ヒンジ軸の挿通孔を介して行える配線の本数には限界があり、冷蔵庫の回動式扉に新たな機構や装置を設ける上で制約となっていた。
【0007】
そこで、本発明は、扉の開閉による断線等を防止しながら、冷蔵庫本体から扉への配線の本数が制約されない冷蔵庫、すなわち、信頼性を確保しながら設計上の自由度が向上した冷蔵庫を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る冷蔵庫は、次のように構成したことを特徴とする。
【0009】
まず、本発明は、前面に開口部を有する冷蔵庫本体と、該冷蔵庫本体に対してヒンジ部材によって回動可能に軸支持され、前記開口部を開閉する扉と、前記冷蔵庫本体から前記扉へ架け渡された配線と、を備え、前記ヒンジ部材のヒンジ軸部の軸線延長線を横切るように、前記配線を通過させるための配線通過部が設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、冷蔵庫本体から扉内部への配線は、ヒンジ軸部の挿通孔を介して行われないので、その配線の本数が制約されない。また、ヒンジ軸部の軸線延長線を横切るように設けられた配線通過部を配線が通されているので、扉を開閉した際、扉の回転軸を略中心に配線が屈曲されることより、配線に過度に引張力又は圧縮力が作用することがない。したがって、扉の開閉による断線等を防止しながら、冷蔵庫本体から扉への配線の本数が制約されない設計上の自由度が向上した冷蔵庫を提供することができる。
【0011】
また、本発明は、冷蔵庫本体の前方底部を支持する複数の台脚部材を有し、前記ヒンジ部材の近傍の前記台脚部材は、平面視で前記ヒンジ軸部の軸線に対してオフセットして配置されることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、台脚部材がヒンジ軸部の回転軸に対してオフセットして配置されるので、扉を開放時の冷蔵庫本体の安定性を確保しながら、ヒンジ軸の軸線延長線上を通る配線を可能とし、扉の開閉による断線等を防止することができる。
【0013】
また、本発明は、前記扉の底部には、前方から前記配線が露出しないように配線カバーが設けられることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、扉の底部には、前方から配線が露出しないように配線カバーが設けられるので、前方からの外観が向上すると共に、扉の開閉時に配線が摩耗、損傷するのを防止することができる。
【0015】
また、本発明は、前記冷蔵庫本体の底部前方には、キックプレートが設けられ、該キックプレートの前面には、前記扉の閉鎖時に前記配線カバーを収納するカバー収納部が設けられることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、キックプレートの前面に扉の閉鎖時に配線カバーを収納するカバー収納部が設けられるので、閉鎖時の扉の底部において、キックプレートと配線カバーを互いに干渉することなく配置することができる。その結果、冷蔵庫の前方からの外観をより向上させることができる。
【0017】
さらに、本発明は、前記扉には、前記配線が接続された画像表示部が設けられることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、扉の画像表示部に所望の画像を表示することができるので、従来の冷蔵庫には無かった機能を付加したり、その機能を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図5を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る冷蔵庫全体の斜視図である。
【0021】
(冷蔵庫の全体構成について)
図1に示すように、本発明の実施形態の冷蔵庫1は、その内部に食品等の貯蔵室として、上段に冷蔵室(図示しない)と下段に冷凍室(図示しない)がそれぞれ設けられる冷蔵庫本体2を備える。また、冷蔵庫1は、冷蔵庫本体2の前方Y1の上下にそれぞれ、片開き式の下扉4aと上扉4bを備える。下扉4aは冷凍室の前面の開口部(図示しない)を開閉し、上扉4bは冷蔵室の前面の開口部(図示しない)を開閉する。
【0022】
冷蔵庫本体2は、その左右方向X一側に複数のヒンジ部材6a〜6dが取り付けられる。冷蔵庫本体2の底面部及び前面中央部にそれぞれ取り付けられた下扉用の下ヒンジ部材6a及び上ヒンジ部材6bは、下扉4aを上下方向Zに延びる軸線を中心として水平方向に回動可能に軸支持している。同様に、冷蔵庫本体2の前面中央部及び天面部にそれぞれ取り付けられた上扉用の下ヒンジ部材6c及び上ヒンジ部材6dは、上扉4bを上下方向Zに延びる軸線を中心として水平方向に回動可能に軸支持している。
【0023】
本実施形態では、下扉4a及び上扉4bの前面にはそれぞれ、液晶モニター等の画像表示装置8が設けられる。これら画像表示装置8の表面を覆うように、下扉4a及び上扉4bの前面には、光透過性を有するガラス板10が設けられる。下扉4a,4bの前面には、外部から冷蔵庫1の温度設定等を操作するための操作部(図示しない)がさらに設けられてもよい。
【0024】
画像表示装置8は、任意の情報や模様、モチーフを表示することができ、さらにテレビの映像やインターネットの映像を表示することもできる。これに伴って、音声を発する機能を有することもできる。
【0025】
冷蔵庫本体2は、その底面部前方Y1の左右方向X両端には、冷蔵庫本体2と床面間の高さを調節する台脚部材12a,12bが設けられており、また、その底面部後方Y2の左右には、冷蔵庫1の搬送を容易にする一対のローラ部材(図示しない)が設けられる。これら台脚部材12a,12b及びローラ部材によって冷蔵庫1全体が床面上に安定して支持される。本実施形態では、台脚部材12aは、左右方向Xにおいて下ヒンジ部材6aが設けられる側に位置し、台脚部材12bはその反対側に位置する。
【0026】
また、これらの台脚部材12a,12b及びローラ部材を前方Y1及び側方から覆うように、冷蔵庫本体2の前面及び側面の下部には、カバー部材14が装着される。
【0027】
次に、
図2から
図4を参照しながら、下ヒンジ部材6a周辺の構造について詳細に説明する。
図2は、冷蔵庫1の下扉4aが閉鎖された状態での下ヒンジ部材6a周辺を示す拡大底面図である。
図3は、
図2の下ヒンジ部材6a周辺のA−A線における側方断面図である。
図4は、
図2の下ヒンジ部材6a周辺のB−B線における前方断面図である。ただし、
図2は、配線構造が分かるように、構成部品の一部を消去して図示している。
【0028】
(下ヒンジ部材について)
図2から
図4に示すように、下ヒンジ部材6aは、前後方向Yに延びる平板状の本体部62を有する。特に
図3に示すように、本実施形態では、本体部62は、その前後方向Yの略中央部を折り曲げて段差が形成された板金部材であり、この段差の前方Y1側がその後方Y2側よりも低い位置で略水平方向に延びて構成される。この本体部62の後側は、冷蔵庫本体2に底面部前方に締結手段15によって固定される取付部62aであり、その前側は冷蔵庫本体2の前面から略水平に突出する支承部62bである。支承部62bの上面には一体的に、ヒンジ軸部64が上方向Z1に垂直に立設される。
【0029】
また、この支承部62bは、その下面に前後方向Yに延設する断面コ字状のブラケット部66が溶接等により固設される。特に
図2に示すように、この支承部62bにおいて、ヒンジ軸部64は左右方向X外側に配置されると共に、ブラケット部66は左右方向X内側に配置されており、すなわち、ヒンジ軸部64とブラケット部66は、平面視で互いに重ならないように配置される。
【0030】
このブラケット部66の下面には、高さ調節可能に台脚部材12aが取り付けられる。台脚部材12aは、ブラケット部66の左右方向X略中央にその中心が位置するように配置される。そのため、台脚部材12aは、平面視で、下扉4aの下方Z2において、ヒンジ軸部64に対して左右方向X内側かつ後方Y2にオフセットして配置される。
【0031】
さらに、上述の構造を有する下ヒンジ部材6aは、ブラケット部66の左右方向X外側であってヒンジ軸部64の下方Z2に、ヒンジ軸部64の軸線延長線Lを横切るように配線通過部68が設けられる。ここで、配線通過部68とは、配線16(仮想線で表示)が通過可能な空間を意味し、本実施形態では、
図4に示すように、最大でも、ブラケット部66の左右方向X外側面とキックプレート22の内側面との間の空間を配線通過部68とすることができる。
【0032】
また、本実施形態では、ヒンジ軸部64には、その軸方向に挿通孔69が貫通して設けられる。
【0033】
(下ヒンジ部材の周辺部材について)
冷蔵庫本体2の底面には、その内部にある電源部(図示しない)まで連通する配線開口部(図示しない)が形成される。この配線開口部を覆うように、冷蔵庫本体2の底面には、本体底面カバー18が取り付けられる。
【0034】
下扉4aの底面の側端部には、筒状のブッシュ44がその中心軸を上方Z1に向けて嵌入されることで取り付けられる。このブッシュ44に下ヒンジ部材6aのヒンジ軸部64が挿入されると共に、ブッシュ44の下端にある鍔部の下端面がヒンジ軸部64の座面部の上端面に接して面支持されることで、下扉4aが冷蔵庫本体2に対して回動可能に軸支持される。
【0035】
また、下扉4aの底面には、その内部にある画像表示装置8まで連通する配線開口部42が形成される。この配線開口部42から外方に延びる配線16が冷蔵庫1の前方から見て露出しないように、冷蔵庫1の前方から覆うカバー部材14の一部として、下扉4aの底部には配線カバー20が設けられる。
【0036】
この配線カバー20は、下扉4aの底面における所定の領域Cを囲むような側壁20aを有する。
図2に示すように、この領域Cは、平面視において、配線開口部42を含むように下扉4aの前方を左右方向Xに側端部まで延在するが、下ヒンジ部材6aとは重ならない。この側壁20aの後方Y2の一部には、後方Y2に向けて配線16を導出するための切り欠き20bが形成される。また、
図3、
図4に示すように、配線カバー20の下面には、その内部を覆うように蓋体21が取り付けられる。
【0037】
台脚部材12a,12bが冷蔵庫1の前方Y1から見て露出しないように、冷蔵庫1を前方Y1から覆うカバー部材14の一部として、冷蔵庫本体2の底部前方Y1にはキックプレート22が前方Y1から脱着可能に取り付けられる。上述の配線カバー20と干渉しないように、キックプレート22の下ヒンジ部材6a側の前面には、
図5に示すように、下扉4aの閉鎖時に配線カバー20を収納するための空間であるカバー収納部22aが設けられる。
【0038】
より詳細には、キックプレート22は、下扉4aの下方Z2において、平面視で、上述の領域Cと重ならない領域Dを前方Y1及び側方から囲むような側壁22bを有している。この領域Dは、下ヒンジ部材6a及び台脚部材12aを含むように下扉4aの左右両端に亘って延在する。この側壁22bの前方Y1の一部には、その前方Y1から配線16を導入するための切り欠き22cが形成される。
【0039】
(配線構造について)
次に、
図2及び
図5を参照しながら、下扉4aを開閉した際の配線構造について詳細に説明する。
【0040】
冷蔵庫本体2の底面には、冷蔵庫本体2から下扉4aへ配線16が架け渡される。この配線16は、その一端が下扉4aの底面の開口部42を介してその内部にある画像表示装置8に接続され、その他端が冷蔵庫本体2の底面に設けられた本体底面カバー18を介してその内部にある電源部やコントローラ(図示しない)等に接続される。これによれば、冷蔵庫本体2の内部の電源部やコントローラ等から画像表示装置8に配線16を介して、例えば、電力の供給、制御信号の伝送等を行うことができる。
【0041】
図5は、
図2の下扉4aが開放された際の下ヒンジ部材6a周辺を示す拡大底面図である。
図2に示すような下扉4aが閉鎖された状態から、
図5に示すように下扉4aが開放された場合、配線16は、配線通過部68の左右方向Xの幅の範囲内でわずかに動くことができるが、ヒンジ軸部64の軸線延長線Lを中心に屈曲されていた配線16は、この軸線延長線Lの近傍を通過した状態のままで伸長される。下扉4aの開放時に配線16についてヒンジ軸部64の軸線延長線Lの近傍を通過した状態が維持されるので、下扉4aの開放によって配線16に過度な引張力が作用しない。
【0042】
他方、
図5に示すような下扉4aが開放された状態から、
図2に示すように下扉4aが閉鎖された場合、配線16は、配線通過部68の左右方向Xの幅の範囲内でわずかに動くことができるが、ヒンジ軸部64の軸線延長線Lの近傍を通過した状態のままで、ヒンジ軸部64の軸線延長線Lを中心に屈曲される。下扉4aの閉鎖時に配線16についてヒンジ軸部64の軸線延長線Lの近傍を通過した状態が維持されるので、下扉4aの閉鎖によって配線16に過度な圧縮力が作用しない。
【0043】
また、本実施形態の場合、ヒンジ軸部64の挿通孔69には、配線16よりも線径が細い又は本数が少ない他の配線24が挿通される。この他の配線24は、その一端が下扉4aに設けられた画像表示装置8以外の装置に接続されており、上述の配線16と同様に、その他端が冷蔵庫本体2の底面部に設けられた本体底面カバー18を介してその内部にある電源部やコントローラ(図示しない)等に接続される。
【0044】
このような他の配線24を設けることで、冷蔵庫本体2から下扉4aへさらに多くの配線を行うことができる。また、他の配線24を配線16に沿ってその上方Z1に配置することで、これらの配線16,24を互いに干渉せずに配線することができる。また、配線16及び他の配線24は共に配線通過部68を通過して冷蔵庫本体2側へ延びているので、比較的容易に配線作業を行うことができる。さらに、必要に応じて、他の配線24を配線16と共に結束部材によって束ねることができ、この場合、より確実に配線16をヒンジ軸部64の軸線延長線Lの近傍を通過した状態に維持することができる。
【0045】
以上のように、本実施形態によれば、前面に開口部を有する冷蔵庫本体2と、該冷蔵庫本体2に対してヒンジ部材6a,6bによって回動可能に軸支持され、開口部を開閉する下扉4aと、冷蔵庫本体2から下扉4aへ架け渡された配線16と、を備える冷蔵庫1であって、下ヒンジ部材6aのヒンジ軸部64の軸線延長線Lを横切るように、配線16を通過させるための配線通過部68が設けられる。そのため、冷蔵庫本体2から下扉4a内部への配線16は、ヒンジ軸部64の挿通孔69を介して行われないので、その配線16の本数が制約されない。また、ヒンジ軸部64の軸線延長線Lを横切るように設けられた配線通過部68を配線16が通されるので、下扉4aを開閉した際、下扉4aの回転軸を略中心に配線16が屈曲されることより、配線16に過度に引張力又は圧縮力が作用することがない。したがって、下扉4aの開閉による断線等を防止しながら、冷蔵庫本体2から下扉4aへの配線16の本数が制約されない設計上の自由度が向上した冷蔵庫1を提供することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫本体2の前方Y1底部を支持する複数の台脚部材12を有し、ヒンジ部材6aの近傍の台脚部材12は、平面視でヒンジ部材6aに対してオフセットして配置されるので、台脚部材12がヒンジ軸部64に対してオフセットして配置されるので、下扉4aを開放時の冷蔵庫本体2の安定性を確保しながら、ヒンジ軸部64の軸線延長線L上を通る配線を可能とし、下扉4aの開閉による断線等を防止することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、下扉4aの底部には、前方Y1から配線16が露出しないように配線カバー20が設けられるので、下扉4aの底部には、前方Y1から配線16が露出しないように配線カバー20が設けられるので、前方Y1からの外観が向上すると共に、下扉4aの開閉時に配線16が摩耗、損傷するのを防止することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、冷蔵庫本体2の底部前方Y1には、キックプレート22が設けられ、該キックプレート22の前面には、下扉4aの閉鎖時に配線カバー20を収納するカバー収納部22aが設けられるので、閉鎖時の下扉4aの底部において、キックプレート22と配線カバー20を互いに干渉することなく配置することができる。その結果、冷蔵庫1の前方Y1からの外観をより向上させることができる。
【0049】
さらに、本実施形態によれば、下扉4aには、配線16が接続された画像表示装置8が設けられるので、下扉4aの画像表示装置8に所望の画像を表示することができるので、従来の冷蔵庫1には無かった機能を付加したり、その機能を高めることができる。
【0050】
本発明は、例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
【0051】
例えば、本実施形態では、下扉4aを軸支する下ヒンジ部材6aに配線通過部68を設けた冷蔵庫1について説明したが、これに限定されるものではなく、代替的に又は付加的に、他のヒンジ部材6c,6dに配線通過部を設けてもよい。また、下扉4a及び上扉4bの上下2枚の扉を備える冷蔵庫1について説明したが、これに限定されるものではなく、1枚の扉を有する冷蔵庫や、上下方向Zに3枚以上の扉を有する冷蔵庫であってもよい。また、本実施形態では、片開き式の冷蔵庫1について説明したが、左右両端に軸支持された2枚の扉が左右方向Xに開く観音開き式の冷蔵庫であってもよい。さらに、回動式扉だけでなく、引き出し形式の収納箱を有する冷蔵庫であってもよく、以上のような構成を任意に組み合わせることができる。
【0052】
また、本実施形態では、ヒンジ軸部64の挿通孔69にも他の配線24が挿通される冷蔵庫1について説明したが、これに限定されるものではなく、ヒンジ軸部64を介した他の配線がなくてもよい。
【0053】
さらに、本実施形態における配線16,24は、電力の供給や制御信号の伝送のためのケーブルに限るものではなく、映像や音声等を伝送するケーブル、電源線と信号線とが一体化されたケーブルであってもよい。具体的には、配線16,24として、光ファイバーケーブル、LAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブル、USB(ユニバーサルシリアルバス)ケーブル、HDMI(登録商標)ケーブル、同軸ケーブル等を単体で又は任意に組み合わせて用いることができる。