(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474726
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】ケーブルの端部を加工するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
H02G 1/12 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
H02G1/12 056
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-537162(P2015-537162)
(86)(22)【出願日】2013年10月14日
(65)【公表番号】特表2016-501004(P2016-501004A)
(43)【公表日】2016年1月14日
(86)【国際出願番号】EP2013003087
(87)【国際公開番号】WO2014063794
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2016年10月12日
(31)【優先権主張番号】102012020798.0
(32)【優先日】2012年10月23日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506333314
【氏名又は名称】ローゼンベルガー ホーフフレクベンツテクニーク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺
(74)【代理人】
【識別番号】100116001
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター バルトアウフ
【審査官】
久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−309522(JP,A)
【文献】
特開2007−202303(JP,A)
【文献】
実開平05−060123(JP,U)
【文献】
特開2002−262429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側部分および前記内側部分を囲繞するスリーブを有するケーブルの端部を加工するための装置であって、前記スリーブの一区分を径方向に拡開して前記スリーブの径方向拡開区分を設けるための手段を備えるとともに、ケーブル端部に対して軸方向に相互に近接移動されることで前記スリーブの前記径方向拡開区分を一領域で切断する第1切削体(13)および第2切削体(3)を包含する切削装置を備え、前記第1切削体(13)が前記第2切削体(3)の開口部(14)へ貫入して前記スリーブを切削する装置において、前記スリーブの前記径方向拡開区分を折り曲げるために、前記スリーブの前記区分と前記内側部分との間の間隙へ軸方向に挿入される折り返し管(12)を備え、前記折り返し管(12)がバネ付勢方式で前記第1切削体(13)と直接的に接続されるとともに、前記折り返し管(12)が軸方向ストッパに達するまで前記第1切削体(13)の軸方向移動を介して前記間隙へ挿入され、前記第1切削体(13)のさらなる移動が前記折り返し管(12)に対する移動として行われることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1切削体(13)が管形状であり、前記スリーブの前記径方向拡開区分を一領域で切断する切断動作に続いて、加工される前記端部に隣接する前記ケーブルの区分の上を摺動することにより、前記スリーブの残りの径方向拡開区分を折り返すことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ケーブルを囲繞するとともに、径方向に拡開される前記区分を限定する支持スリーブ(4)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
径方向拡開のための前記手段が、局所的に径方向に拡開される前記スリーブの前記区分を前記ケーブルの前記内側部分へ押圧するニッパ(5)を包含することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記ケーブルの内側部分の外側層および/または外側部分の外側層を切断するための切断装置(15)を備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の装置による、内側部分および前記内側部分を囲繞するスリーブを有するケーブルの端部の自動加工のための方法において、前記スリーブの一区分が径方向に拡開されて前記スリーブの径方向拡開区分が設けられ、その後、軸方向切削力の印加を介して前記スリーブの前記径方向拡開区分が一領域で切断されることを特徴とする方法。
【請求項7】
前記区分の部分的領域での径方向力の印加を介して前記区分の前記径方向拡開が実行されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
軸方向力の印加を介して前記スリーブの前記区分が折り曲げられることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
径方向に拡開される前記スリーブの前記区分における前記スリーブの内側層の径方向拡開に先立って前記スリーブの外側層が除去されることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記スリーブの前記区分の径方向拡開およびその結果としての前記内側部分の対応区分の露出に続いて、前記内側部分の外側層が前記内側部分の内側層から除去されることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側部分および内側部分を囲繞するスリーブを有するケーブル、特に同軸ケーブルの端部を加工するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルが組み立てられる時には、ケーブルの端部が、例えばプラグコネクタとの接続用にこれらを準備するために加工される。同軸ケーブルの場合において、これは、加工される端部の一区分で内側導体を露出させるとともに、内側導体を同軸に囲繞する外側導体を別の区分で露出させることを含みうる。この目的のために、概して、外側導体を露出させるために、外側導体を囲繞するシースが、加工されるケーブルの端部の全長にわたって除去される。そして、通常はワイヤ編組体から成る外側導体が、最初の径方向拡開に続いて折り返され、そのため、加工されるケーブルの端部に隣接する区分のシースにこれが当たる。それから、内側導体を外側導体から電気的に絶縁する絶縁層が、加工されるケーブルの端部の一区分でまたは全長にわたって除去されることで、内側導体を露出させる。
【0003】
そして例えば同軸プラグコネクタとの接続が行われ、同軸プラグコネクタの内側導体部分が、ケーブルの露出した内側導体区分と電気的および機械的に接続され、例えば一緒に圧着される。同時に、例えば、外側導体部分が外側導体の折り返し区分に押し付けられて、下にあるシースの区分に径方向に押圧され、例えば圧着されることで、同軸プラグコネクタの外側導体部分が外側導体と電気的に接続される。
【0004】
多くの場合において、外側導体の折り返し区分の長さは加工されるケーブルの端部よりも短くされるべきであるため、追加の作業工程でトリミングによりこれが短縮される。
【0005】
費用を削減するために、上述したケーブルの端部の加工が自動化されるようにケーブルの組立をできる限り自動化することが目標となる。
【0006】
この目的に適した装置ならびに対応の方法は、特許文献1から周知である。ここでは、同軸ケーブルの端部が、自動手段により、同軸プラグコネクタとの接続のために準備され、同時にこれと接続される。この目的のために、加工される端部の一区分でケーブルのシースと外側導体と絶縁層とが最初に切削装置によって除去され、こうして内側導体を露出させる。それから、加工される端部の別の区分のシースが、この区分の外側編組導体を露出させるために前記の切削装置によって除去される。そして、露出した外側編組導体のケーブル側端部の近傍の輪状部がこの端部に径方向に押圧され、この位置で固定されたケーブルに巻き付けられることで、露出した外側編組導体の最初の径方向拡開が行われる。この結果、外側編組導体が絶縁層へ局所的に押圧され、これは、露出した外側編組導体の自由端部の拡開と関連する。それから、拡張マンドレルの軸方向挿入を含む追加の手段を介して、この拡開が増大される。そして、外側編組導体と絶縁層との間に結果的に生じる間隙にプラグコネクタの外側導体部分が押入され、それから、拡開された外側編組導体がスリーブによって外側導体部分の外側に押圧される。これは、ケーブルの外側導体と同軸プラグコネクタの外側導体部分との間に、電気的および機械的な接続を発生させる。特許文献1による方法は、拡開された外側編組導体の折り返しまたは短縮を図るものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4719697号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この先行技術を始点として、本発明は、例えば特許文献1から周知のようなケーブル端部の自動加工のための汎用タイプの方法をさらに改良する、特に外側導体の径方向拡開区分の自動短縮の可能性を加えるという課題に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、独立請求項に記載の装置および方法によって解決される。本発明による装置および本発明による方法の有利な態様は従属請求項の主題であり、本発明についての以下の記載で説明される。
【0010】
内側部分および内側部分を囲繞するスリーブを有するケーブルの端部を加工するための本発明による装置は、少なくとも、スリーブの(またはその一部分の)一区分の径方向拡開のための手段と、(少なくとも)ケーブル端部に対して軸方向に相互に近接移動されることでスリーブの径方向拡開区分を一領域で切断する第1および第2切削体を有する切削装置とを包含する。
【0011】
内側部分および内側部分を囲繞するスリーブを有するケーブルの端部を加工するための対応の(自動的)方法は、スリーブの(またはその一部分の)一区分が径方向に拡開され、(加工される端部でのケーブルの長手軸について)軸方向の切削力の印加を介してスリーブの径方向拡開区分が一領域で切断されることを含む。
【0012】
本発明によれば、「径方向拡開」は、スリーブの一区分がケーブル端部の長手軸について径方向に(必ずしも垂直にではなく)少なくとも部分的に延在するような、この区分の(弾性的または塑性的)拡開を指すものと理解される。
【0013】
本発明による装置および本発明による方法の重大な利点は、スリーブの切断が径方向拡開またはさらなる折り返しと同時に行われうることである。その結果、スリーブがさらに短縮されるにもかかわらず、ケーブル端部の加工に必要とされる時間が延長されないか、あるいは大幅には延長されない。
【0014】
加工されるケーブルは、好ましくは、(少なくとも)一つの内側導体と、内側導体を囲繞する(少なくとも)一つの外側導体とともに、内側導体を外側導体から電気的に絶縁する(少なくとも)一つの絶縁層を少なくとも包含する同軸ケーブルである。加えて、外側導体を囲繞する(少なくとも)一つのシースも、好ましくは設けられる。この場合、同軸ケーブルの内側部分は、内側導体と絶縁層と外側導体のスリーブとシースとを包含し、好ましくは外側導体のみが径方向に拡開され、必要であれば折り曲げられる(特に折り返される)のに対して、対応区分のシースは予め除去されている。
【0015】
したがって、本発明による方法の好適な態様では、径方向に拡開されるスリーブの区分におけるスリーブの(特に同軸ケーブルの外側導体の)内側層の径方向拡開に先立って、スリーブの外側層(特に同軸ケーブルのシース)が除去されうる。本発明による装置は、この目的のために対応の切断装置を具備しうる。
【0016】
同軸ケーブルの外側導体は好ましくは編組体の形状で設計されるが、それは、このような外側編組導体が、比較的容易に径方向拡開、必要であれば折り曲げおよび折り返しを行えるからである。しかし、本発明による同軸ケーブルの加工は、中実の外側導体または他のおそらくは中実のスリーブについても可能であり、径方向に拡開される区分では、外側導体またはスリーブの弾性および/または塑性変形とおそらくは断裂とが見られる。
【0017】
好ましくは、スリーブの区分の部分的領域での径方向(内向き)力の印加を介して、この区分の径方向拡開が実行されうる。この目的のために、本発明による装置は好ましくは、この部分的領域でケーブルの内側部分へ折り曲げられるスリーブの区分をこうして押圧するニッパを含みうる。
【0018】
本発明による装置の好適な態様では、第1切削体が第2切削体の開口部へ挿入されてスリーブを切断することがありうる。これは、軸方向作用の切削装置の構造的設計が特に単純であることを表す。
【0019】
第1切削体がスリーブ形状の設計であり、切断動作に続いて、加工される端部に隣接するケーブルの区分の上を摺動することにより、スリーブの残りの径方向拡開区分をさらに折り曲げ、特に折り返すこともありうる。
【0020】
本発明による装置の好適な態様では、スリーブの径方向拡開区分が、軸方向力の印加を介して、折り曲げられる、つまり((最初の配向に対して)垂直な配向を越えて)さらに径方向に拡開されるか折り返されることがありうる。これは、径方向拡開区分の切断の前または後に行われる。この目的のために、本発明による装置は、スリーブの径方向拡開区分を折り曲げるために、スリーブの径方向拡開区分と内側部分との間に形成される間隙へ軸方向に挿入される折り返し管を包含しうる。
【0021】
本発明による装置の一態様では、折り返し管がバネ付勢方式で第1切削体と接続され、折り返し管が軸方向ストッパに達するまで第1切削体の軸方向移動を介して折り返し管が間隙へ挿入され、第1切削体のさらなる移動が折り返し管に対する移動として行われる(バネに張力をかける)ことがありうる。折り曲げられるスリーブの一部分が、折り返し管によって(例えば、加工されるケーブルの端部の長手軸に垂直な配向である)切断動作に望ましい位置に動かされることを、こうして可能にする。切断動作に続いて行われるスリーブの残りの径方向拡開区分のさらなる折り曲げ(特に折り返し)は、第1切削体によって実行されうる。
【0022】
加工される端部に隣接する区分でケーブルを囲繞するとともに、径方向に拡開される区分を限定する支持スリーブは、折り返し管の軸方向ストッパとして機能しうる。しかし、代替的に、スリーブの予めトリミングされた外側層(特に同軸ケーブルのシース)の端面が、軸方向ストッパとして機能しうる。支持スリーブは他の機能も実行し、特に、加工されるケーブルの端部を配置するように機能しうる。
【0023】
ケーブル端部の加工について可能な最高程度の自動化を達成するために、本発明による装置は、装置内で加工されるケーブルの端部の規定位置を検出する(少なくとも)一つの位置センサも包含しうる。こうして制御装置は、ケーブルの端部の加工を開始しうる。
【0024】
最後に、本発明による方法では、スリーブの区分の径方向拡開およびその結果としての内側部分の対応区分の露出に続いて、内側部分の内側層(これは、特に同軸ケーブルの内側導体などのコアでもありうる)を露出させるために、内側部分の外側層(特に同軸ケーブルの絶縁層)が除去されうる。この目的のために、本発明による装置は、特にスリーブの外側層を除去するのにも同じ切断装置が使用されるものでもありうる対応の切断装置を具備しうる。
【0025】
例示的実施形態を参照して、本発明が以下でより詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図2】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図3】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図4】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図5】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図6】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図7】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【
図8】本発明による方法の種々の工程を、そこで使用される本発明による装置の構成要素とともに図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、端部が加工される同軸ケーブル1がどのようにして本発明による装置へ軸方向に押入されるかを示す。こうして同軸ケーブル1は、クランプ装置2と(第2)切削ツール3と支持スリーブ4とニッパ5との対応の開口部または間隙を通過する。位置センサ6は、装置内の既定位置にケーブル端部が達した時を検出し、それから制御装置(不図示)に制御されて、同軸ケーブル1が装置により完全に自動的に加工される。
【0028】
ここに示される同軸ケーブル1は、加工される区分でシース7が除去されてこの区分での同軸ケーブル1の外側編組導体8が露出されることで、加工の準備が整えられたものである。ここに説明される方法の若干の変更により、外側編組導体8のこの露出は、後で説明されるように、ここに示される装置により自動的にも行われうる。
【0029】
図2は、一方において、クランプ装置2による同軸ケーブル1の固定を示し、そのクランプジョー9はこの目的のために(ケーブルの長手軸について)径方向に一緒に移動される。同軸ケーブル1または少なくとも加工されるその端部はこうして、主として軸方向に、しかし回転に抵抗するようにも固定される。
【0030】
図2はまた、露出した外側編組導体8の径方向拡開も示す。この目的のために、ニッパ5の二つのニッパ要素10が(ケーブルの長手軸について)径方向に一緒に移動され、その結果、同軸ケーブル1または外側編組導体8の自由端部からある距離に、好ましくは支持スリーブ4にできる限り近接して配置される露出区分の部分的領域で、外側編組導体8が、外側編組導体の下に位置する同軸ケーブルの絶縁層へある距離だけ押圧される。これは、外側編組導体8の個々のワイヤの局所的(実質的には塑性)変形、および、その結果としての、ニッパ要素10と外側編組導体8の自由端部との間の区分での外側編組導体8の径方向拡開を引き起こす。これにより、同軸ケーブル1の外側編組導体8と絶縁層11との間に漏斗形状の拡開間隙をこの区分に形成する。
【0031】
それから、
図3に示されるように、外側編組導体8の径方向拡開部分を折り曲げる、つまり最初にこれを径方向にさらに拡開させるために、折り返し管12がこの間隙へ軸方向に挿入されうる。それゆえ、外側編組導体8の折り曲げを妨害しないように、ニッパ要素10はすでに初期位置へ戻されている。折り返し管12は軸方向に変位可能であり、バネ圧を受けて(第1)切削ツール13のガイド内で案内される。折り返し管12の移動は、第1切削ツール13の移動を介して間接的に実行される。
【0032】
折り返し管12は、外側編組導体8の対応区分が介在している状態で、支持スリーブ4に当接するまで、径方向に拡開された外側編組導体8へ挿入される。第1切削ツール13のさらなる移動は、折り返し管の緩衝作用を引き起こす、つまり第1切削ツール13がさらに移動される間、これは静止したままである(
図4参照)。
【0033】
このさらなる移動の結果として、第1切削ツール13は第2切削ツール3の開口部14へ貫入する。ほぼ等しい直径(第1切削ツール13の外径および第2切削ツール3の開口部14の内径)ゆえに、径方向に拡開された外側編組導体8の領域には局所的に相当なせん断力が印加され、その結果として、対応の領域でこれが切断される(
図5参照)。
【0034】
図5は、外側編組導体8の切断後に、第1切削ツール13が第2切削ツール3の開口部14へさらに貫入することも示す。部分的に管形状の第1切削ツール13の前縁部はこうして支持スリーブ4の上を摺動し、これは、残りの露出した外側編組導体8のさらなる折り曲げ、結果的には折り返しを引き起こす。こうしてこの区分は、最初の配向と反対の方向に延在する。
【0035】
それから、折り返し管12を含む第1切削ツール13が引き抜かれる(
図6参照)。
【0036】
切断装置15の切削要素17によって、絶縁層11に周方向の切り目が設けられ(
図7参照)、こうして分離された絶縁層スリーブが同軸ケーブル1の自由端部の方向に内側導体16から引き抜かれる(
図8参照)ことで、切断装置15によって、同軸ケーブル1の内側導体16の一区分が露出されうる。これは例えば、まだ絶縁層11に嵌合している切断装置15の対応の移動を介して、あるいは、切断装置15が絶縁層11にまだ嵌合している状態で、例えばクランプ装置2による同軸ケーブル1の逆移動を介して実行されうる。シース7の一区分が切断装置15によって除去されることで、外側編組導体8の露出も同じように行われうる。
【0037】
そして同軸ケーブル1が取り外されて、例えば同軸プラグコネクタ(不図示)と接続されうる。この目的のために、同軸プラグコネクタの内側導体部分は内側導体16の露出区分に接続(例えば圧着、はんだ付け、溶接など)され、外側導体部分は外側編組導体8の折り返し区分に接続(例えば圧着、はんだ付け、溶接など)されうる。同軸ケーブルの加工済み端部の接続も、自動的に行われうる。本発明による装置は、ケーブル端部を加工した後にこれが同軸プラグコネクタとの接続も実行するように、さらに発展させることも可能である。