(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の構成体と複数の第2の構成体は、前記ネックの前記自由端部の末端部分が依然として前記第1のトライアルヘッドの前記ボア内に位置している間にスライド式で係合解除可能となるように、前記ネック上及び前記ボア内に配置される、請求項1に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体又は複数の第2の構成体は、前記ネックの前記自由端部の最端面又は前記トライアルヘッドの前記ボアの開口部の手前で終端する、請求項2に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体及び複数の第2の構成体はスライド式で係合し、かつ前記第1のトライアルヘッドは、前記縦軸に沿った移動によって前記ネックから取り外し可能である、請求項1に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体は第1の構成体対を含み、かつ前記複数の第2の構成体は、複数の第2の構成体対を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体は前記ネックの前記自由端部上に設けられ、かつ前記複数の第2の構成体は前記第1のトライアルヘッドの前記ボア内に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体は前記第1のトライアルヘッドの前記ボア内に設けられ、かつ前記複数の第2の構成体は前記ネックの前記自由端部上に設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体対は突出部対を含み、前記第2の構成体対の各々はスロット対を含み、かつ各スロット対は異なる長さを有する、請求項5に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1の構成体対はスロット対を含み、前記第2の構成体対の各々は突出部対を含み、かつ各突出部対は異なる長さ又は前記縦軸に沿った異なる位置を有する、請求項5に記載のトライアルインプラントシステム。
関節表面を有する第2のトライアルヘッドを更に備え、前記第2のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、前記ボアは、前記ネック縦軸とボア縦軸とが一致する状態で、前記ネックの前記自由端部を受容することができ、前記第2のトライアルヘッドは、前記第1のトライアルヘッドとは異なるサイズであり、更なる第1の構成体か、又は前記縦軸の周りに角度を持って配設された更なる複数の第2の構成体のいずれかを有する、請求項1に記載のトライアルインプラントシステム。
関節表面を有する第2のトライアルヘッドを更に備え、前記第2のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、前記ボアは、前記ネック縦軸とボア縦軸とが一致する状態で、前記ネックの前記自由端部を受容することができ、前記第2のトライアルヘッドは、前記第1のトライアルヘッドと同じサイズであり、更なる第1の構成体か又は前記縦軸の周りに角度を持って配設された更なる複数の第2の構成体のいずれかを有し、かつ前記更なる第1の構成体又は前記更なる第2の構成体は、前記第1のトライアルヘッドとは異なる種々の量で、前記ボアの中への前記ネックの挿入深さを制限し得る、請求項1に記載のトライアルインプラントシステム。
前記第1のトライアルヘッドは複数のマーキングを有し、各マーキングは、前記第2の構成体のうちのそれぞれの1つに関連付けられる、異なるオフセットに対応する、請求項1に記載のトライアルインプラントシステム。
前記ネックは複数のマーキングを有し、各マーキングは、前記第2の構成体のうちのそれぞれの1つに関連付けられる、異なるオフセットに対応する、請求項1に記載のトライアルインプラントシステム。
前記ステム構成要素は、トライアルステム構成要素又はトライアルステム構成要素の一部を含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載のトライアルインプラントシステム。
前記ステム構成要素は、トライアルステム構成要素の一部を含み、かつ前記トライアルステム構成要素の前記一部をブローチに解放可能に取り付けるための取付け機構を有する、請求項1〜18のいずれか一項に記載のトライアルインプラントシステム。
前記ネックの前記自由端部に着脱可能に取り付けられるプロテクタを更に備え、前記第1の構成体は前記プロテクタの一部である、請求項20に記載のトライアルインプラントシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、ボールソケット型関節に関するトライアルをより簡潔にすることが有益となる。
【0008】
また、理想的にはトライアル構成要素が使用されることになるが、例えば実際の人工装具構成要素の位置がトライアル構成要素の位置と異なり得るため、場合によっては、外科医はトライアル構成要素を使用しないことを選んでもよく、あるいは外科医は、埋め込んだ人工装具構成要素の更なるトライアルを行うことを望んでもよい。したがって、ワークフローの効率化のために、あるいは人工装具構成要素の位置が固定され、したがって更に信頼性のあるデータが提供されるようになるために、外科医は、実際の人工装具構成要素を用いてトライアルを行うことを望むこともある。しかしながら、人工装具構成要素はトライアルを目的としたものではないので、人工装具構成要素を使用することにより、トライアルはより信頼性の低いものとなり得る。
【0009】
したがって、ボールソケット型関節に対するトライアルをより信頼性の高いものにすることが有益となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、トライアルインプラントシステムが提供される。そのトライアルインプラントシステムは、自由端部を有するネックを有するステム構成要素を含み得る。ネックはネック縦軸を有し得る。このシステムは、関節表面を有する第1のトライアルヘッドを含み得る。第1のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、そのボアは、ネック縦軸とボア縦軸とが一致する状態で、ネックの自由端部を受容し得る。このシステムはまた、縦軸の周りに角度を持って配設された、第1の構成体又は第1の構成体対と複数の第2の構成体又は複数の第2の構成体対とを有し得る。第1の構成体又は第1の構成体対と、複数の第2の構成体又は複数の第2の構成体対のうちの一方がネック上に設けられ、もう一方はボア内に設けられる。第2の構成体又は第2の構成体対の各々は、第1の構成体又は第1の構成体対と嵌合によって係合して、ボアの中へのネックの挿入深さを異なる量で制限し得る。
【0011】
したがって、特定サイズのトライアルヘッドとステム構成要素との組立体のオフセットがトライアル中に変更され得る。また、このオフセットを調節可能にする機構により、トライアルヘッドをステム構成要素から容易に取り外すことができ、そのため、他のトライアルヘッドを同じステム構成要素と共に使用して、異なるオフセット及び/又は異なるサイズを得ることもでき、したがって、患者サイズの典型的な範囲の大部分又はすべてを、トライアル部品の個数を削減しながらも網羅するように、広範なトライアルサイズ及びオフセットを提供することができる。
【0012】
好ましくは、この組立体は、トライアルヘッドとステムを完全に分離することなく調節され得る。第1の構成体と複数の第2の構成体は、ネックの自由端部の末端部分が依然として第1のトライアルヘッドのボア内に位置している間にスライド式で係合解除可能となるように、ネック上及びボア内に配置される。トライアルヘッドは、ネックの自由端部がボア内にある間に、また第1の構成体が複数の第2の構成体から係合解除された状態で、ネックの自由端部を中心として回転可能となり得る。
【0013】
第1の構成体又は複数の第2の構成体は、ネックの自由端部の最終端面又はトライアルヘッドのボアの開口部の手前で終端し得る。
【0014】
第1の構成体及び複数の第2の構成体は、ネックの自由端部の最終端面及びトライアルヘッドのボアの開口部の手前で終端し得る。
【0015】
第1の構成体は、ネックの自由端部の最終端面又はトライアルヘッドのボアの開口部の手前で終端し得る。
【0016】
第1の構成体/構成体対は、複数の第2の構成体/構成体対の各々とスライド式で係合するように配置され得る。
【0017】
第1のトライアルヘッドは、縦軸に沿って移動することによって、ステム構成要素から取外し可能又は着脱可能となり得る。
【0018】
第1の構成体は突出部を含み得、かつ/又は第2の構成体はスロットを含み得る。
【0019】
第1の構成体/構成体対は、ネックの自由端部上に設けられ得る。複数の第2の構成体/構成体対は、第1のトライアルヘッドのボア内に設けられ得る。
【0020】
第1の構成体/構成体対は、第1のトライアルヘッドのボア内に設けられ得る。複数の第2の構成体/構成体対は、ネックの自由端部上に設けられ得る。
【0021】
第1の構成体/構成体対は雄型構成体を含み得、第2の構成体/構成体対は雌型構成体を含み得る。第1の構成体対は突出部対又はスプライン対を含み得る。第2の構成体対の各々はスロット対を含み得る。各スロット対は、異なる長さを有し得る。
【0022】
雄型構成体(1個又は複数個)をトライアルヘッド上に有することが好まれ得る。このことは、トライアルヘッドが人工装具ステムと共に使用されることを防止するのに役立ち得るものであり、したがって人工装具ステムのトライアル利用を防止することになる。
【0023】
第1の構成体/構成体対は雌型構成体を含み得、第2の構成体/構成体対は雄型構成体を含み得る。第1の構成体対はスロット対を含み得る。第2の構成体対の各々は突出部対又はスプライン対を含み得る。各突出部対又はスプライン対は、縦軸に沿って異なる長さ及び/又は異なる位置を有し得る。
【0024】
このトライアルインプラントシステムは、複数のトライアルヘッドを含み得る。複数のトライアルヘッドが、別様に構成された第1の構成体若しくは構成体対及び/又は第2の構成体若しくは構成体対を備えるがサイズは同じであるヘッドを有し得、そのため、同じサイズの各ヘッドが、異なる一連の調節可能オフセットを提供し得る。複数のトライアルヘッドは、第1のトライアルヘッドと同じ一連の調節可能オフセット又は異なる一連の調節可能オフセットをもたらす第1の構成体/構成体対及び/又は第2の構成体/構成体対を備えた、異なるサイズのヘッドを含み得る。
【0025】
トライアルインプラントシステムは、関節表面を有する第2のトライアルヘッドを更に備え得る。第2のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、そのボアは、ネック縦軸とボア縦軸とが一致又は整列する状態で、ネックの自由端部を受容し得る。第2のトライアルヘッドは、第1のトライアルヘッドとは異なるサイズであってもよい。第2のトライアルヘッドは、縦軸の周りに角度を持って配設された、更なる第1の構成体/構成体対か又は更なる複数の第2の構成体/構成体対のいずれかを有し得る。
【0026】
トライアルインプラントシステムは、関節表面を有する第2のトライアルヘッドを更に備え得る。第2のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、そのボアは、ネック縦軸とボア縦軸とが一致又は整列する状態で、ネックの自由端部を受容し得る。第2のトライアルヘッドは、第1のトライアルヘッドと同じサイズであってもよい。第2のトライアルヘッドは、縦軸の周りに角度を持って配設された、更なる第1の構成体/構成体対か又は更なる複数の第2の構成体/構成体対のいずれかを有し得る。この更なる第1の構成体/構成体対又は更なる第2の構成体/構成体対は、第1のトライアルヘッドとは異なる種々の量で、ボアの中へのネックの挿入深さを制限し得る。
【0027】
第1のトライアルヘッドは複数のマーキングを有し得る。各マーキングは、第2の構成体/構成体対のうちのそれぞれの1つに関連付けられる、異なるオフセットに対応し得る。
【0028】
これら複数のマーキングは、関節表面の側部上に設けられ得る。これら複数のマーキングは、ボア縦軸の周りに角度を持って配設され得る。
【0029】
ネックは複数のマーキングを有し得、各マーキングは、第2の構成体/構成体対のうちのそれぞれの1つに関連付けられる、異なるオフセットに対応する。これら複数のマーキングは、ネック縦軸に沿った種々の位置に設けられ得る。
【0030】
これら複数のマーキングは、物差しを設けるように配置され得る。この物差しは目盛りを含み得る。マーキングは、各オフセットの大きさ及び/又は各オフセットの向きの指示を含み得る。
【0031】
各第2の構成体対は、縦軸の周りに直径方向に対向して配置され得る。
【0032】
少なくとも3つの第2の構成体又は第2の構成体対、少なくとも4つの対、より好ましくは少なくとも5つの対、最も好ましくは少なくとも6つの対が存在し得る。
【0033】
ステム構成要素は、トライアルステム又はトライアルステムの一部を含み得る。
【0034】
ステム構成要素はトライアルステムの一部を含み得、また、そのトライアルステムの一部をブローチ又はブローチの一部に解放可能に取り付けるための取付け機構を有し得る。このシステムはまた、トライアルステムと相互作用してステム構成要素をブローチ又はブローチの一部に解放可能に取り付けるように配置された取付け機構という1つ又は複数の特徴を有するブローチを含み得る。
【0035】
ステム構成要素は、人工装具ステム又は人工装具の一部を含み得る。
【0036】
トライアルインプラントシステムは、ネックの自由端部に着脱可能に取り付けられるプロテクタを更に備え得る。第1の構成体/構成体対又は複数の第2の構成体/構成体対が、プロテクタの一部であっても、プロテクタ上にあっても、あるいはプロテクタによって設けられてもよい。
【0037】
プロテクタは側壁を有し得、第1の構成体/構成体対は対抗する側部の側壁から延び得る。
【0038】
プロテクタは端壁を有し得、その端壁はネックの自由端部を被覆するように配置され得る。端壁はまた、ネックの自由端部の端面又は端表面に当接するように配置され得る。
【0039】
本発明の更なる態様は、インプラントをトライアルする方法を提供する。この方法は、ステム構成要素のネックを、関節表面を有するトライアルヘッドのボア内に挿入し、第1の構成体又は第1の構成体対を複数の第2の構成体又は構成体対のうちの1番目のものと嵌合によって係合させて、ボアの中へのネックの挿入深さを第1の量で制限することを含み得る。第2の構成体/構成体対のうちの1番目のものと第1の構成体/構成体対は係合解除され得る。複数の第2の構成体/構成体対のうちの2番目のものが、第1の構成体/構成体対と嵌合によって係合して、ボアの中へのネックの挿入深さを、第1の量とは異なる第2の量で制限し得る。
【0040】
したがって、トライアルヘッドの中へのネックの挿入深さを異なる量で制御するために、インプラントのオフセットは、第1の構成体/構成体対を複数の第2の構成体/構成体対のうちの異なる1つと係合させることによって調節され得る。
【0041】
好ましくは、このオフセットは、トライアルヘッドとネックを完全に分離することなく調節され得る。
【0042】
第1の構成体/構成体対と第2の構成体/構成体対を係合及び/又は係合解除するために、トライアルヘッドはボアの縦軸に沿って移動され得る。
【0043】
第1及び第2の構成体又は構成体対を係合解除することは、ネックをトライアルヘッドのボアから部分的にあるいは完全に取り外すことを含み得る。
【0044】
この方法は、第2の構成体/構成体対のうちの2番目のものを第1の構成体/構成体対と係合解除した後に及び嵌合によって係合させる前に、第1のトライアルヘッドを、縦軸を中心として回転させることを更に含み得る。
【0045】
第1のトライアルヘッドが回転されている間、ネックの自由端部はトライアルヘッドのボア内に位置し得る。
【0046】
この方法は、第1のトライアルヘッドをネックから取り外すことを更に含み得る。ネックは次いで、第1のトライアルヘッドとは異なるサイズを有する第2のトライアルヘッドのボア内に挿入され、更なる第1の構成体/構成体対を第2の構成体/構成体対のうちの1番目のものと、あるいは更なる複数の第2の構成体/構成体対のうちの1番目のものを第1の構成体対とのどちらかで嵌合によって係合し得る。したがって、異なるサイズを有する更なるトライアルヘッドがトライアルに使用され得る。その更なるトライアルヘッドは、これまでに使用されたトライアルヘッドと同じ又は異なる複数のオフセットを設けることができる。
【0047】
本発明の更なる態様は、インプラントをトライアルする方法を提供する。この方法は、ステム構成要素のネックを、関節表面を有する第1のトライアルヘッドの第1のボア内に挿入し、かつ第1の構成体/構成体対を複数の第2の構成体/構成体対のうちの1つと嵌合によって係合させて、第1のボアの中へのネックの挿入深さを制限することを含み得る。第1のトライアルはネックから取り外され得る。ステムのネックは、関節表面を有しかつ第1のヘッドとは異なるサイズを有する第2のトライアルヘッドの第2のボア内に挿入され、第1の構成体/構成体対を、複数の第2の構成体/構成体対のうちの前記1つ又は更なる1つと嵌合によって係合させ得る。したがって、異なるサイズを有する更なるトライアルヘッドがトライアルに使用され得る。更なるトライアルヘッドが、これまでに使用されたトライアルヘッドと同じ又は異なる複数のオフセットを設けることができる。
【0048】
次に、ほんの一例として、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1A】本発明の第1の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図1B】本発明の第1の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図1C】本発明の第1の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図1D】本発明の第1の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図2A】本発明の第1の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図2B】本発明の第1の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図2C】本発明の第1の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図2D】本発明の第1の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図3A】使用時における本発明の第1の実施形態のトライアルシステムの斜視図を示している。
【
図3B】使用時における本発明の第1の実施形態のトライアルシステムの斜視図を示している。
【
図3C】使用時における本発明の第1の実施形態のトライアルシステムの斜視図を示している。
【
図4A】異なるオフセット量を与えるように調節された、本発明の第1の実施形態のトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図4B】異なるオフセット量を与えるように調節された、本発明の第1の実施形態のトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図4C】異なるオフセット量を与えるように調節された、本発明の第1の実施形態のトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図5A】本発明の第2の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図5B】本発明の第2の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図5C】本発明の第2の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図5D】本発明の第2の実施形態によるトライアルシステムのヘッド部の様々な図を示している。
【
図6A】本発明の第2の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図6B】本発明の第2の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図6C】本発明の第2の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図6D】本発明の第2の実施形態のトライアルシステムのネック部の様々な図を示している。
【
図7】ヘッド構成要素上のマーキングを示す、本発明のトライアルシステムの側面図を示している。
【
図8】ネックのマーキングを示す、トライアルシステムのネック構成要素の斜視図を示している。
【
図9】
図8のネック構成要素を使用したトライアルシステムの側面図を示している。
【
図10】本発明の第2の態様による更なるトライアルシステムの各部の斜視図を示している。
【
図11】
図10のトライアルシステムのパーツを介した断面図を示している。
【
図12】
図10のトライアルシステムの人工装具構成要素を介した断面図を示している。
【
図13】更なるトライアルシステムの第2の実施形態のパーツを介した断面図を示している。
【
図14】更なるトライアルシステムの第3の実施形態のパーツを介した断面図を示している。
【
図15】更なるトライアルシステムの第4の実施形態のパーツを介した断面図を示している。
【
図16】
図15に示すような更なるトライアルシステムの第4の実施形態のパーツを介した断面図を示している。
【
図17】更なるトライアルシステムの第5の実施形態のテーパプロテクタ及びネック部の概略斜視図を示している。
【
図18】更なるトライアルシステムの第6の実施形態のテーパプロテクタ及びネック部の概略斜視図を示している。
【
図19】更なるトライアルシステムの第7の実施形態のテーパプロテクタ及びネック部の概略斜視図を示している。
【
図20】本発明のトライアルシステムのプロテクタの更なる実施形態の概略斜視図を示している。
【
図21A】本発明の第3の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図21B】本発明の第3の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図21C】本発明の第3の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図21D】本発明の第3の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図22A】本発明の第4の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図22B】本発明の第4の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図22C】本発明の第4の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図22D】本発明の第4の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【
図22E】本発明の第4の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本明細書で開示する装置及び方法の構造、動作、及び用途の原理が全体的に理解されるように、本発明のいくつかの実施形態について、一例としてこれから説明することにする。これらの実施形態の1つ又は複数の例が添付の図面に示されている。本明細書で詳細に説明し、添付の図面に示す装置及び方法が、非限定的な例示的実施形態であること、並びに、本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることが、当業者には理解されよう。ある例示的な実施形態に関連して例示又は説明した特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0051】
本発明について、股関節インプラントに関連して以下に説明するが、本発明はまた、肩関節インプラントなど、他のボールソケット型関節インプラントにも適用され得ることが明らかとなろう。以下において、「人工装具」又は「人工装具の」とは、患者の関節を置換するために外科医によって最終的に定置された実際のインプラントを意味するために用いられるものであり、「トライアル」とは、トライアル利用を目的とした手技の間に外科医によって一時的に設置又は使用されるインプラントを意味するために用いられるものである。
【0052】
本発明の第1の態様は、利用可能な異なるオフセット及び/又はヘッドサイズ及び/又はテーパサイズのトライアルを可能にするのに必要なトライアルヘッド構成要素の個数を削減することを目的とする。これは、トライアルヘッドが異なる深さでネックに取り付けられるようにネックとトライアルヘッドを適合させることによって達成され、またこれらの異なる深さは、そのヘッドサイズで利用可能な異なるオフセットに対応する。例えば、既存のインプラントシステムに対し、多数の異なるトライアルヘッドが必要となり得、信頼性のあるトライアルを可能にするために必要な、オフセット、テーパサイズ、及びヘッドサイズの異なる組み合わせを提供するためには、例えば最大で21種類に及ぶ。しかしながら、これは、異なる3通りのオフセットを各トライアルヘッドで提供して、28mmのトライアルヘッドが1種、36mmのトライアルヘッドが2種、40mmのトライアルヘッドが2種、44mmのトライアルヘッドが2種の、わずか7種類のトライアルヘッドに削減され得る。トライアルヘッドによって、特により長いトライアルヘッドによって、4通り以上のオフセットが提供される場合、6種類以下のトライアルヘッドが提供され得る。
【0053】
本発明の第2の態様はボールソケット型関節のトライアルの信頼性を改善することを目的とし、それによってトライアルステム構成要素よりも人工装具ステムインプラント構成要素をトライアルに用いるように外科医に決断させる。ステムのテーパプロテクタ及び特別に適合されたトライアルヘッド構成要素が用いられるが、ここで、トライアルヘッドは、ステムのテーパプロテクタと相互作用するように構成されており、そのため、組み立てられると、人工装具ステムとトライアルヘッドとの組立体は、そのトライアルヘッドに対応する人工装具ステム及び人工装具ヘッドと同じ幾何学的形状を有するようになっている。ステムテーパプロテクタにより、さもなければ人工装具ステムテーパと人工装具ヘッド構成要素との嵌合の信頼性を低下させ得る損傷及び/又は手術部位からの体液への暴露からステムテーパを保護しながら、人工装具ステムをトライアルに利用することができる。
【0054】
また本発明の第1及び第2の態様は組み合わされて、オフセット調節とステムテーパ保護をもたらし得る。
【0055】
図1A〜1Dを参照すると、本発明の第1の態様によるトライアルインプラントシステムの一部であるトライアルヘッド100の第1の実施形態の平面図、底面図、側面図、及び断面図がそれぞれ示されている。トライアルヘッド100は、切頭された球形の形態を有し、また球形の表面の側部及び上側部の全体に延びる関節表面102を有している。下側表面104は、平坦な概ね円状の形態を有している。トライアルヘッド100は、下側の円状表面104の中心と、関節表面102の上側部の極とを通過する縦軸106を有し、この軸106を中心として関節表面は概ね回転対称となっている。
【0056】
図1B及び(
図1Cの線A−Aに沿った)断面
図1Dに最良に示されるように、直円柱状ボア108がトライアルヘッド内に内壁によって画定され、縦軸に沿って延びている。トライアルヘッドの内壁は12個のスロットを有し、これらのスロットは、縦軸106に沿って延び、縦軸の周りに角度を持って配置されている。対向する6つのスロット対の各対のスロット、例えばスロット110及び112は同じ長さを有し、6つのスロット対のうちの各対は、
図1Dに最良に示されるように、異なる長さを有している。スロット対の各スロットは、ボアの周りに互いに直径方向に対向して配置されている。
【0057】
トライアルヘッドは、金属、合金又はプラスチック、特にポリマーなど、任意の好適な材料から作製され得る。寛骨臼カップなどの人工装具インプラントに対してユーザーがトライアルされる場合、好ましくは、トライアルヘッドは、ソケット構成要素の関節表面に損傷を与えそうにない材料から作製される。例えば、トライアルヘッドは、AvaSpire(いくつかの国で登録され得る商標)の名称で提供されているようなガラス繊維入りポリアリルエーテルケトン(PAEK)、Radel(いくつかの国で登録され得る商標)の名称で提供されているようなポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリフェニルスルホン(PPSU)から作製され得る。トライアルヘッド100は多数の様々なサイズで提供され、各サイズは対応する人工装具ヘッドのサイズに対応している。ヘッドのサイズは、球状部の直径によって規定され得る。例えば、トライアル及び人工装具ヘッドは、28mm、36mm、40mm及び44mmのサイズで提供され得る。
【0058】
図2A〜2Dはそれぞれ、本発明の第1の態様によるトライアルインプラントシステムの一部であるステム構成要素120の第1の実施形態の平面図、側面図、端面図、及び底面図を示している。ステム構成要素は、自由端部124とフレア付きベース126とを有するネック122を含んでいる。ステム126の裏面は、ステム人工装具を受容する空洞を長骨に準備するために使用されてきたブローチの嵌合機構に、ステム構成要素を解放可能に取り付けるための第1の雄型取付け構造126と第2の雌型取付け構造128とを有している。ネック122の自由端部124は、概して直円柱状の形態を有し、面取りされた上側縁部130が最上部の円状表面132の周囲に延びている。ネック122は縦軸123を有し、縦軸123はネックの長さ方向に沿って、かつ円状表面132の中心を貫いて通過している。第1の突出部134と第2の突出部136が自由端部の側壁から延び、互いに直径方向に対向して配置された突出部対をなしている。これらの突出部は同じ厚さを有し、それらの厚さは、トライアルヘッドの各スロットの幅と同等であり、そのため、これらの突出部対は、スロット対の各々の中にぴったりとスライド式に受容され得るようになっている。
【0059】
別の実施形態において、ステム構成要素120は、ブローチに取付け可能な別の部品ではなく、むしろステムトライアルインプラントの一部として提供される。
【0060】
図3A〜3Cはそれぞれ、異なる使用段階におけるトライアルヘッド100とステム構成要素120との組立体140の斜視図を示している。
図3Aに示すように、ボア108の縦軸106は、ネック122の縦軸と整列され、トライアルヘッド100は、スロット対のうちの1つをネックの突出部対134、136と整列させるように回転されている。ネック120は次いで、突出部対がスロット対のそれぞれのスロットの中にスライド式に受容される状態で、ボア108の中に導入される。
図3Cに示すように、ネックはボアの中へと前進され、ついには、突出部の上端部137、138がスロット対のそれぞれの閉鎖端部と当接して、ボアの中にネックが更に移動するのを防止する。次いでこれにより、トライアルヘッドが特定の角度位置にある状態で、ネックがトライアルヘッドの中に挿入される深さが、したがってトライアルヘッドとステム構成要素の組立体のオフセットが制御される。組立体のオフセットは一般に、基準範囲(「ゼロオフセット」であるが、インプラント組立体は依然として、内外方向に有限の延びを有する)と比較した、内−外方向におけるインプラント組立体の広がりの差である。
【0061】
図4A〜4Cはそれぞれ、異なるオフセット量を有する組立体140の側面図、端面図及び断面図を示している。各スロット対は、縦軸を中心としたトライアルヘッドの回転角度を変化させることによって、異なる長さを有するので、ボア108の中へのネック122の挿入深さを制御するために、スロット対のうちの異なる1つが突出部対によって係合されるように選択され得る。
図4Aは、トライアルヘッドが第1の角度位置にある状態の第1の最大オフセット構成142にある組立体140を示しており、この第1の角度位置は、突出部対134、136が6つのスロット対のうちの最長のスロット対の中に受容されるものであり、15.5mmのオフセットの増加に対応する。
図4Bは、トライアルヘッドが第2の角度位置にある状態の中間オフセット構成144にある組立体140を示しており、この第2の角度位置は、突出部対134、136が6つのスロット対のうちの異なるスロット対に受容されるものであり、5mmのオフセットの増加に対応する。
図4Cは、トライアルヘッドが第3の角度位置にある状態の最小オフセット構成146にある組立体140を示しており、この第3の角度位置は、突出部対134、136が6つのスロット対のうちの最短のスロット対に受容されるものであり、2mmのオフセットの増加に対応する。
【0062】
図1Bに最良に示されるように、トライアルヘッドは異なる長さの6つのスロット対を有しており、したがって、トライアルヘッドの角度位置を6通りの個々の角度位置のうちの1つに変更することによって、異なる6通りのオフセット(−2mm、+1.5mm、+5mm、+8.5mm、+12mm及び+15.5mm)が選択され得る。組立体のオフセットを変更するために、トライアルヘッドは移動されて、突出部をスロットの開放端部から完全に係合解除するのに十分な距離にステムから離されることが明らかとなろう。トライアルヘッドは次いで、異なるオフセットを選択し、異なるスロット対を突出部に与えるように、縦軸を中心として回転され得る。突出部を異なるスロット対と係合させ、したがって組立体の以前の構成とは異なるオフセットで組立体を構成するために、トライアルヘッドは次いで、ステム構成要素に向かって、それぞれの縦軸を整列させて移動される。
【0063】
図1Bにも示すように、この組立体は、異なるスロット対の各々に関連付けられるオフセット量を示すマーキングを有し得る。第1の実施形態において、マーキングは、そのオフセットに対応するスロットの開放端部に隣接してトライアルヘッドの下部表面104に設けられている。
図1Bに示すように、マーキングは、オフセット量を示すように数値的であってもよく、また、オフセットが任意のゼロに対する増加(正)であるか、任意のゼロに対する減少(負)であるかを示すために、符号(正又は負)を有してもよい。したがって、例えば、スロット対110、112はオフセットの2mmの低減に対応している。
【0064】
図5A〜5Dを参照すると、本発明の第1の態様によるトライアルインプラントシステムの一部であるトライアルヘッド200の第2の実施形態の平面図、底面図、側面図、及び断面図がそれぞれ示されている。また、
図6A〜6Dはそれぞれ、本発明の第1の態様によるトライアルインプラントシステムの一部であるステム構成要素220の第2の実施形態の平面図、側面図、端面図、及び底面図を示している。トライアルヘッド200及びステム構成要素220の第2の実施形態は、上述した第1の実施形態と構造において類似している。しかしながら、第2の実施形態において、突出部対234、236はトライアルヘッド200に設けられており、複数のスロット対、例えばスロット対210、212はステム構成要素220に設けられている。
【0065】
図5Cの線A’’’−A’’’に沿った断面図である
図5Dに最良に示されるように、突出部対234、236が、トライアルヘッド220の内側壁の対向側部から延びており、この内側壁は、突出部対234、236がなければ、トライアルヘッド200の縦軸226に沿って延びる概ね円柱状のボア208を画定している。
図5Dに示すように、突出部は、下側表面204と同じ高さの下縁部244、246から、途中までボア208に沿って延びている。
図6A、6B及び6Cに示すように、自由端部224は、合計で6つのスロットを有し、それらのスロットは3つのスロット対をなし、各対は異なるスロット長を有し、そのため、突出部の下側端部244、246とスロット対のうちの1つ、例えばスロット210、212の閉鎖端部との当接によって、ボア208の中へのネック222の挿入深さが制御される。
【0066】
縦軸206に沿った下側縁部244、246の位置及び/又は突出部の長さは異なり得る。下側縁部244、246の位置は単純に、スロットの閉鎖端部の位置と一緒に、ボア208の中へのネック222の挿入深さを制御するように作用する。
【0067】
トライアルヘッド100、200は、それらがトライアルに使用されている対象である、対応する人工装具ヘッドと同じサイズを有し、したがって、人工装具ヘッドと同じ関節表面を呈する。スロット及び突出部の位置及び長さもまた、トライアル組立体が、オフセットのうちの選択された1つ、例えば+15mmを有するように構成されているとき、対応するオフセット、この例では+15mmを有する人工装具ステムとヘッドの組立体と同じ幾何学的形状を有し、かつまたその人工装具ステムとヘッドの組立体と同じ位置及び向きで関節表面を呈するように配置される。
【0068】
第1の実施形態において、スロット対のうちの特定の1つに関連付けられるオフセットを示すマーキングが、トライアルヘッドの下側表面104にある。しかしながら、他の実施形態においては、例えばトライアル組立体を使用している間に外科医に視認され得る容易さを増すために、他のマーキング位置が用いられ得る。
【0069】
図7は、第1の実施形態と共に用いられ得る、代替的又は付加的なマーキング標識を示している。ヘッド100は、関節表面102の外側又は側方部分に、かつ下側表面104との連結部に隣接して、複数のマーキング116を有している。複数のマーキング116は物差しをなしており、この物差しから、各スロット対のうちの現在選択されているものに対応するオフセットが読み取られ得る。マーキング116は、ダッシュ117と、オフセットの向き(増加又は減少)及び大きさ118の表示とを有しており、この表示は、対応するスロットの位置と一致するように置かれ、トライアルヘッドの縦軸106と当接するように配置されている。同等のマーキングが、ヘッドの反対側に、かつ直径方向に対向して設けられている。ネック120は、単線のマーキング140を有しており、マーキング140は、ネックの縦軸123に沿って延び、突出部対134、136を通過する平面と整列されている。したがって、マーキング140は、ネック上における突出部の角度位置を示す基準又は基準線をなすものであり、この基準又は基準線は、ヘッドのマーキング116のうちの基準線140と整列された、
図7に示す例では+15.5mmであるマーキングを読み取ることによって、ネック120とトライアルヘッド100の現在の構成に関連付けられるオフセットを示すために用いられ得る。
【0070】
図8及び9は、トライアル組立体の第1又は第2の実施形態で用いられ得る、更なる代替的又は付加的なマーキング標識を示している。
図8に示すように、ステム120のネック124が複数のマーキング150を有している。複数のマーキング150は物差しをなしており、この物差しから、各スロット対のうちの現在選択されているものに対応するオフセットが読み取られ得る。複数のマーキング150は、ネックの縦軸123に沿って延びる直線状マーキング152と、複数の目盛り、例えば目盛り154と、各目盛りに関連付けられた向き(すなわちオフセットの増加又は減少)及び大きさの表示、例えば156とを含んでいる。
図9に示すように、目盛り及びマーキングは、突出部136、134が各スロット対のうちの1つの端部と嵌合され当接するとき、トライアルヘッド100の下側面104の縦軸に沿った位置が、現在選択されているスロット対、図示の例では+12に対応するオフセットの目盛り154及び表示156に隣接するように、線152に沿って離間されている。したがって、上方の物差し上の任意のマーキングはトライアルヘッドによって見えなくなる一方で、下方の物差し上のマーキングは視認可能である。したがって、ヘッドの裏面及び関節表面の外側部との連結部は、それによって「最後の」可視マーキングが物差しから読み取られ、トライアルヘッドの裏面に隣接する基準又は基準線として作用する。
【0071】
股関節形成術との関連におけるトライアルインプラントシステムの使用についてこれから説明することにする。このシステムは、患者のサイズの典型的な範囲に適応するように、異なるサイズの複数のトライアルヘッド100を含み得る。このシステムはまた、同じサイズではあるが異なる複数のスロットを各々が有するトライアルヘッドを含んでもよく、その結果、最大範囲のオフセットがいかなる特定のヘッドサイズにも利用可能となる。トライアルインプラントシステムは複数のトライアルヘッドを含み得るが、システムの使用中にトライアルヘッドのすべてが使用されなくてもよく、実際には1つのトライアルヘッドのみが使用されてもよい。
【0072】
大腿骨頭が切除され、ブローチ又は一連のブローチが使用されて大腿骨の上部に空洞が形成される。ブローチは、ブローチ部と、解放可能な接続可能なハンドルとを有する。大腿骨に空洞が、計画したステム人工装具に適切なサイズ及び深さで形成されると、ブローチ部は空洞内に残され、ブローチハンドルは取り除かれる。トライアルステム構成要素200は次いで、ブローチの相互作用機構と嵌合する取付け構成体128及び126を用いてブローチに取り付けられる。寛骨臼も置換される場合、寛骨臼は準備処理され、典型的には、その準備処理された寛骨臼にトライアルカップが置かれる。外科医は、トライアルカップと同じサイズ、すなわち直径を有するトライアルヘッド100を選択し、突出部134、136を第1のスロット対と係合させることによってそのトライアルヘッドをステム構成要素100に第1のオフセットで取り付ける。次いで外科医は関節を整復して、第1のオフセット及び/又はトライアルヘッドのサイズが適切か否かを見極める。第1のオフセットが、いかなる理由であっても適切でない場合は、外科医はトライアルヘッドを取り外し、トライアルヘッドを回転させ、異なるオフセットが選択されるようにトライアルヘッドを再び取り付け得る。次いで外科医は関節を再び整復して、新たに選択したオフセットがより適切であるか否かを見極め得る。外科医が、現行のトライアルヘッドではサポートされていないオフセットをトライアルしたいと望む場合、外科医は、同じサイズを有するが異なる複数のオフセットを提供する別のトライアルヘッドを選択し得る。その場合、外科医は第1のトライアルヘッドを取り外し、廃棄し、同じサイズの新たなトライアルヘッドを選択し、トライアルするオフセットに対応するスロット対を用いてこの新たなトライアルヘッドを取り付ける。それに加えてあるいはそれに代わって、外科医は、トライアルヘッドのサイズが適切でないと判断してもよく、また、最初のトライアルカップを、異なるサイズを有する、例えばより大きい更なるトライアルカップと置換し、次いでこの更なるトライアルカップと共に使用するのに適したトライアルヘッドを選択してもよい。外科医は、選択した構成要素に満足するまで、オフセットとヘッド/カップのサイズの組み合わせを変更してもよく、次いで、トライアル構成要素を、決定したサイズ及びオフセットを有する人工装具構成要素と置換してもよい。
【0073】
したがって、本発明の第1の態様は、手術室に供給されるトライアルヘッドの個数を同様に低減する簡潔なオフセット調節機構を設けることによって、典型的な患者のサイズの最大範囲にわたって信頼性のあるトライアルを依然として可能にする一方で、供給されるトライアルインプラントの複雑性及び/又は個数を低減する。
【0074】
本発明の第2の態様について、特に
図10〜20を参照してこれから説明することにする。本発明の第2の態様はまた、ボールソケット型関節のトライアルに関する。具体的に言えば、本発明の第2の態様は、1つ又は複数のトライアルヘッド構成要素を用いたトライアルに、トライアルステム構成要素ではなく人工装具ステム構成要素を使用するように判断する選択肢を外科医に提供する。
【0075】
図10は、本発明の第2の態様によるトライアルシステム300のトライアルヘッド部310、人工装具ステム部320、及びステムプロテクタ部330の分解斜視図を示している。
図11は、トライアルシステムのトライアル組立体350を介した側面断面図を示している。
図12は、人工装具ステム部320と人工装具ヘッド380とを含んだトライアルシステムの人工装具組立体370を介した断面図を示している。
【0076】
トライアルヘッド310は一般に、切頭された球形の形態を有し、トライアルヘッドの上側及び側方部分の全体に広がる関節表面312をなしている。トライアルヘッドはまた、平面的な円状の下部表面314を有している。内壁316が、縦軸319に沿ってトライアルヘッドの内部へと延びる円柱状ボア318を画定しており、この縦軸319は、下部表面314の中心と関節表面312の頂点の極とを通過している。トライアルヘッドは、その球状部が人工装具ヘッド380の球状部と同じ直径を有しているため、人工装具ヘッドと同じサイズを有している。トライアルヘッドは、プラスチック又はポリマーを含めて、任意の好適な生体適合性材料から作製され得る。
【0077】
図10、11及び12は、明確にするために、人工装具ステム構成要素320のネック部のみを示しているが、実際には、人工装具ステムもまた、本体部と、大腿骨の上部に形成された空洞の中へと延びるシャフトとを有することが明らかとなろう。人工装具ステム320のネック部322は、ネックの自由端部に向かうテーパ324を有している。このテーパは、平滑な側壁326と、円状の端壁328と、それらの連結部の周りに延びる面取り部329とを有している。テーパ側壁326の仕上げは平滑であり、そのため、人工装具ヘッド380の対応するテーパボアとの強力な締り嵌めをなすようになっている。人工装具ステムは、金属、合金又はプラスチックなど、好適な生体適合性材料から作製され得る。例えば、ステムは、鍛造又は鍛錬用チタン合金から作製され得る。
【0078】
テーパプロテクタ330は、第1の外側部332と第2の内側部340とを有している。外側部332は、変形不可能な硬質材料から作製されている。外側部332は、側壁333と円状の端壁335とを備えた、概ね円筒状のキャップの形態を有している。側壁333の外側表面337は円柱状であり、内側表面338はわずかに傾斜しており、外側部332内にテーパ付きの空洞339を画定している。外側部は、プラスチック又は金属又は合金など、好適な硬質又は変形不可能な生体適合性材料から作製され得る。種々様々なエンジニアリングプラスチックが使用され得る。好適なプラスチックには、シリコーン(特に高度なショア硬さを有するもの)、RADEL(いくつかの国で登録され得る)の商標で提供されているようなポリフェニルスルホン(PPSU)、アセタール及びPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が含まれる。好適な金属及び合金には、ステンレス鋼、チタン及びコバルトクロム合金が挙げられる。
【0079】
内側部340は、変形可能な材料から作製され、特に弾性変形可能な材料から作製され得る。内側部340の材料は低剥離性であってもよく、好ましくは、テーパ表面326、328上に異物又は残留物を残すことがない。内側部は、開放端部を備えた、全体的にテーパ付きのスリーブ又はチューブの形態を有し、先細の側壁342を有している。側壁342の外側表面345は、外側部332の内側表面338とインターフェイスを形成する。側壁342の内側表面346は、テーパ324の外側表面326とインターフェイスを形成する。内側部340は、シリコーンエラストマー(低いショア硬さを有するもの)、ウレタン、ウレタンゴムのような合成ゴム、及び様々な発泡体など、様々な変形可能な材料から作製され得る。内側部340は、外側部330よりも低いショア硬さを有する。
【0080】
図11に最良に示すように、内側部340は、外側部330内に取り付けられ、機械的にかつ/又は例えば接着剤によるボンディングによって、外側部の中に固定される。内側部と外側部との間の表面は、接着剤がなじむ良好な表面をなすように粗面化されてもよい。内側部340と外側部330は共に、ショア硬さは異なるが種類は同じ材料、例えばシリコーンから作製されてもよく、また、プロテクタが概ね一体の構造を有するようにシリコーン接着剤によって接合されてもよい。
【0081】
同様に
図11に十分に示すように、プロテクタは、ネック322のテーパ324が受容される変形可能な空洞又は穴を設けており、また、プロテクタ330をテーパ324に解放可能に固定する締り嵌めをもたらす。プロテクタは次いで、変形不可能な又は硬質の外側表面を呈し、この外側表面は次いで、人工装具ステム320を使用するトライアルの間、体液への暴露及び/又は損傷を与える可能性のある器具若しくはインプラントとの接触からテーパ表面326、328を保護するように、トライアルヘッドの穴318内に嵌合され得る。
【0082】
図12を参照すると、人工装具ステム320と人工装具ヘッド380とを備える人工装具組立体370が示されている。人工装具組立体370は、トライアルヘッド310と人工装具ステム320を使用したトライアルの後に組み立てられる。人工装具ヘッド380は、関節表面382と平坦な下部表面384とを含む、切頭された球状の形態を有するという点で、トライアルヘッド310と類似した構造を有している。縦軸386が、円状の下部表面384の中心を通過し、また関節表面382の頂部に向かう極を通過している。人工装具ヘッド380の内壁は、人工装具ステム320のテーパ324とのテーパ嵌合をなすように寸法及び形状を定められたテーパ付きの空洞又はボアを画定している。人工装具ヘッド370は、詳細には金属及び合金を含めた、任意の生体適合性材料から作製され得る。特に好適な材料には、セラミクス、ステンレス鋼、及びコバルトクロム合金が挙げられる。
【0083】
人工装具ヘッド370の関節表面382は、トライアルヘッド310の関節表面312と同一である。トライアルヘッド310と装具ヘッド380との違いとは、トライアルヘッドの空洞318は、人工装具ステム構成要素320に対するトライアル関節表面312の位置が人工装具組立体の人工装具ステム320に対する人工装具関節表面382の位置と同一となることを確実にする一方で、テーパ上にプロテクタ330が存在することを補償するように適合されていることである。つまり、
図12と
図11が重ね合わされると、それぞれの関節表面312、382は、トライアルヘッド310及び人工装具ヘッド380の球状表面部分の全体にわたって同一となる。
【0084】
トライアル空洞318と人工装具空洞との構造的な違いは、人工装具空洞がテーパ付きであるのに対し、トライアルボア318は直円柱の形態をなすことである。また、トライアルボア318は、より大きな横方向寸法と、より大きな深さを有し、プロテクタ330の側壁及び端壁を収容するようになっている。トライアル関節表面312は、少なくとも人工装具関節表面382のすべてを含むべきである。人工装具構成要素を用いて利用可能となる全運動範囲に対応する全運動範囲がトライアルされ得るようにするために、トライアル関節表面312は、人工装具関節表面382よりも大きくはなり得るが、小さくはなるべきでない。トライアル関節表面と人工装具関節表面は十分に類似していて、そのため、トライアルヘッドが人工装具ヘッドと別様には挙動しないようになっている。
【0085】
したがって、
図11と12とを比較することによって最良に示されるように、トライアルボア318は、好ましくは共通する関節表面の全体にわたって、トライアル組立体350の関節表面312が人工装具組立体370の関節表面382と空間において同じ位置にあることを確実にしながら、プロテクタ330を収容するように適合されている。具体的に言えば、トライアル空洞318は、人工装具空洞と比べて、より深い深さと、より大きな直径を有している。また、人工装具空洞は、テーパ324と人工装具ヘッド380との良好なテーパ締り嵌めを確実にするように、テーパ付きとなっており、その結果、人工装具ヘッド380は人工装具ステム320にしっかりと取り付けられるようになっている。トライアル空洞318は円柱状であり、そのため、トライアル手技の間、プロテクタ330をテーパ324から取り外すことなく、トライアルヘッド310は容易に人工装具ステムから取り外され、異なるサイズの異なるトライアルヘッドと置換され得るようになっている。変形可能部340は、プロテクタ330とテーパとの締り嵌めをもたらすのを助け、この締り嵌めは、トライアル中にまた人工装具ヘッドをならす前にプロテクタが早まってテーパから取り外されるのを防止するのを助ける。更に、変形可能部340はスリーブの形態をなしているので、変形不能部332の変形不能端壁335はテーパの端面とトライアルボア318の端表面との間に位置し、これによって、トライアルヘッド310が人工装具ステム320上に正確に着座されることを確実にし、トライアルヘッド及び人工装具ヘッドの各関節表面が合同となることを確実にする。このことは、テーパ328の端表面とトライアル空洞の端面との間に変形可能部を有することと比較して好ましく、かつテーパ328の端表面とトライアル空洞の端面との間に変形可能部を有することは、硬質部に着座していないときにトライアルヘッド310の関節表面の位置に変動を引き起こすことになり得る。
【0086】
更に、外側部332の硬質外壁333は、ステムテーパが最初にプロテクタに導入されるときに変形可能部340をプロテクタ330内に保持することを支援し、また、硬質テーパ表面326と外側部の硬質側壁333との間で変形可能部をわずかに圧縮させることによって締り嵌めを強化する。
【0087】
したがって、使用の際、外科医は大腿骨の近位又は上位部を切除し、ブローチ又は同様の器具を使用して、切除した大腿骨に空洞を形成する。次いで、プロテクタ330が、定位置にありかつテーパ324の側表面及び端表面を囲む状態で、人工装具ステムを空洞に設置できる。プロテクタ330は、人工装具ステムに事前に組み付けられて提供され得る。その場合、プロテクタの材料は、滅菌時にあるいは経時的にプロテクタが劣化しないように選択される。外科医は次いで、トライアル関節表面312の位置が最終的に選択した人工装具ヘッドの位置に対応すると確信した上で、プロテクタを覆うようにして、異なるサイズのトライアルヘッドを解放可能に取り付けることができる。トライアルの後で、かつ外科医が適切なヘッドサイズを選択したときに、プロテクタ330はテーパ324から取り外され、人工装具ヘッド370が人工装具ステム構成要素320にしっかりと固着されて、
図12に示すように人工装具組立体370が形成される。テーパプロテクタ330の利用により、テーパは、人工装具ヘッド370と人工装具ステム320とのテーパ嵌合の有効性を低下させ得るかあるいは損なわせ得る体液に暴露されることがない。それに加えてかつ/又はそれに代わって、テーパプロテクタ330は、トライアルの間に外科医によって使用される器具、インプラント又は他の機器による、テーパ表面の仕上げに与えるかき傷又は他の損傷を回避するのを助け得る。したがって、人工装具ヘッドを人工装具ステムに取り付ける信頼性が改善され得ると共に、トライアル中のテーパに与えられる汚染又は損害に関連するあらゆる問題が軽減又は回避され得る。
【0088】
図13を参照すると、本発明の更なる実施形態による更なるトライアル組立体390が示されている。パイル組立体400は人工装具ステム320とトライアルヘッド410とを含み、トライアルヘッド410は、球状の関節表面412と、平坦な円状の下部表面414とを有している。トライアルヘッド410は、トライアルヘッド310と類似しているが、テーパ付きトライアル空洞を有しており、このテーパ付きトライアル空洞は、トライアルヘッドの中へと、そしてトライアルヘッドの縦軸416に沿って延びている。トライアル組立体400は、テーパ324の側壁表面326を被覆するプロテクタ420を含んでいる。テーパプロテクタ420は、先細のスリーブ又はチューブの一般的形態を有し、傾斜した側壁422を備えている。テーパプロテクタ420は開放端部を有しており、そのため、トライアルヘッドボアの内側端壁がテーパの上側端壁328の上に着座し得るようになっている。テーパプロテクタ420は、多数の構造を有し得る。テーパプロテクタ420は、弾性的に変形可能な材料若しくは硬質材料又はそれらの組み合わせから作製され得る。テーパプロテクタ420は、同じ種類の材料から作製され得るが、変形可能な内側表面と硬質な外側表面とを有するように設計され得る。変形可能な内側表面は、プロテクタ420とテーパとの締り嵌めをもたらすことに役たち、その結果トライアル中にプロテクタをテーパ上に保持することを支援する。硬質な外側表面、及びテーパ付きトライアル空洞の形状は、解放可能な取付け機構をなすように設計して、テーパプロテクタ420を引き抜くことなく、異なるトライアルヘッドを人工装具ステム320に取り付け、また人工装具ステム320から取り外すことができる。他の実施形態において、スリーブ422は、円柱状の外壁と、テーパプロテクタ330と類似しているが端壁335を持たないテーパ付きの内壁とを有し得る。
図13には単体であるものとして概略的に示されているが、他の実施形態において、テーパプロテクタ420はまた、ここでもステムプロテクタ330と同様に、硬質で変形不能な外側部と弾性変形可能な内側部とを含んだ2部構造を有してもよい。
【0089】
図14は、トライアル組立体440の更なる実施形態の断面図を示している。トライアル組立体440は、人工装具ステム320と、前述したトライアルヘッドに類似した人工装具ヘッド350とを含んでいる。トライアルヘッド450は、球状の関節表面452及び平坦な円状の下側表面454と、縦軸456とを有し、縦軸456は、円状下部表面454の中心と関節表面452の極とを通過する。トライアルヘッド450は、テーパ付きトライアルボアを画定する内側表面を有し、このテーパ付きトライアルボア内に、テーパプロテクタ460及び人工装具ステムのテーパ324が受容される。
【0090】
テーパプロテクタ460は、テーパプロテクタ420と類似しているが、概ねキャップ様の構造を有し、先細の側壁462と円状の端壁464とを有している。テーパプロテクタ460は、変形不能な材料、変形可能な材料、又はそれらの組み合わせから作製され得る。また、テーパプロテクタ460は、単一の部品から作製された概ね一体の構造を有し得るが、テーパプロテクタ330と同様に、変形可能部と変形不能部とを設けた、2つの別々の部品から作製されてもよい。上で議論した理由により、パイル組立体440に対して、トライアルヘッド450が人工装具ステム320上に明確に画定されて着座するようにするため、端壁464がほとんどあるいは完全に硬質材料から作製されることが好ましい。
【0091】
図15を参照すると、本発明の第1の態様と第2の態様とを組み合わせたトライアル組立体480の分解斜視図が示されている。
図16は、トライアル組立体480の側面断面図を示している。トライアル組立体480は、人工装具ステム320と、トライアルヘッド490と、テーパプロテクタ500とを含んでいる。トライアルヘッド490は、球状の関節表面492と、円状の下部表面494と、縦軸とを有し、縦軸は、円状の下部表面494の中心と、関節表面492の極とを通過する。トライアルヘッド490の内壁は、概ね円柱の形状を有するトライアル空洞又はボア498を画定している。複数のスロット、例えばスロット499が、トライアルヘッド490の内側壁に形成されており、第1の態様に関連して説明したものに類似した、異なる長さの複数のスロット対を画定している。
【0092】
テーパプロテクタ500はテーパプロテクタ330と類似した構造を有し、変形不能な外側部502と、変形可能なテーパ付き内側部520とを含んでいる。外側部502は硬質材料から作製されており、キャップ様の構造を有し、また側壁508から延び互いに直径方向に対向する突出部対又はスプライン対504、506を有している。
【0093】
したがって、
図16に示すように、トライアル組立体480は、人工装具ステム320によるトライアルを可能にする、又はオフセット調節及びそれに関連する上述の利点を同様にもたらすという、本発明の第1の態様と第2の態様とが組み合わさった利点をもたらす。
【0094】
図17は、人工装具ステム320のテーパに装着されたテーパプロテクタ560の更なる実施形態の概略斜視図を示している。テーパプロテクタ560はテーパプロテクタ500と類似しているが、プロテクタとトライアルヘッドとの嵌合を制御するために一体ばね(live spring)要素を有している。一体ばねは、公差による厳密なサイズの変動性を認めると同時に、プロテクタとトライアルヘッドとの滑り嵌めをもたらす。
図17に示すように、テーパプロテクタ560は、概ねキャップ様の形態を有し、側壁562と円状の端壁564とを有している。側壁562は、円柱状の形態を呈する外側表面と、内側の変形可能部(
図17には示さず)を受容するテーパ付き内側表面とを有している。第1の突出部566と第2の突出部568が、プロテクタ560の直径方向の対抗する両側から延びている。各突出部566、568は、一体ばね要素を形成するように、突出部566、568を通過するアパーチャを有している。
【0095】
図18は、人工装具ステム320のテーパに装着されたテーパプロテクタ580の更なる実施形態の概略斜視図を示している。テーパプロテクタ580は、前述したものと類似した構造を有し、側壁582と円状の端壁584とを含んだ概ねキャップ様の形態を有している。テーパプロテクタ580は1つの対向した突出部対586、588を有し、この対向した突出部対586、588は、テーパプロテクタ580の下側端部から中間部分に向かって延び、端壁584の手前で止まっている。サークリップ(Cクリップと呼ばれることもある)590が端壁584と突出部586、588の上側端部との間に設けられている。あるいは、Oリングがサークリップ590の代わりに使用され得る。一体ばねと同様に、サークリップ又はOリングは、プロテクタとトライアルヘッドとの嵌合を制御する機構をもたらす。別の言い方をすれば、Oリング又はサークリップは、各部品同士の締り嵌めを制御するのを助ける。
【0096】
図19は、テーパプロテクタ580と類似したテーパプロテクタ600の更なる実施形態の斜視図を示している。更なる実施形態において、テーパプロテクタ600はサークリップ602又はOリングを有し、そのサークリップ又はOリングは、突出部604、606の下方で、テーパプロテクタ600を囲んで広がる。その他の点では、テーパプロテクタ600の構造は、
図18に示すテーパプロテクタ580の構造と類似している。
【0097】
プロテクタ560、580及び600の機構はまた、本発明の第1の態様のトライアルステム上でも使用され得ることが明らかとなろう。
【0098】
図20は、プロテクタ650の更なる実施形態の概略斜視図を示している。プロテクタ650は概ね円柱状のキャップ様の構造を有し、かつ側壁652及び端壁654と、側壁656から外向きに延びる突出部の形態をなす単一の第1の構成体656とを有している。プロテクタ650はまた、プロテクタの他の様々な実施形態に関連して上述したものに類似した締り嵌めの方式で人工装具ステムのテーパを受容する空洞を有することが明らかとなろう。しかしながら、この実施形態において、プロテクタ650は、突出部対ではなく、単一の突出部のみを有している。したがって、対応するトライアルヘッドは、異なる長さのスロット対ではなく、異なる長さの複数の個別のスロットを有する。単一の雄型構成体をトライアルステムネック上に用いる同様の配置構成も利用され得ることが明らかとなろう。
【0099】
したがって、
図20に示す実施形態では、オフセットを調節するために、雄型及び雌型構成体対ではなく、複数の個別の雌型構成体と相互作用する単一の雄型構成体のみが用いられる。単一の雄型構成体がトライアルヘッドの空洞内にあり、かつ個別の雌型構成体がプロテクタ又はステムネック上にある代替的な配置構成も考えられることが明らかとなろう。
【0100】
図21A〜21Dは、本発明の第3の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
図21Aは、トライアルヘッド660の断面斜視図を示しており、
図21Bは、ステム部680の側面図を示しており、
図21Cは、完全係合構成又は状態690にあるトライアルヘッド及びステム部の側面断面図を示しており、並びに
図21Dは、部分係合構成又は状態700にあるトライアルヘッド及びステム部の側面断面図を示しており、この部分係合構成又は状態700において、ステム680の自由端部685は依然として、ヘッド660の中心ボア665内に少なくとも部分的に配置又は受容されている。
【0101】
第3の実施形態は、概ね円状の中心ボア665を画定する内壁に画定された7つのスロット対をトライアルヘッドが有するという点で、
図1〜4に示し上述した第1の実施形態と類似している。各スロット対は、直径方向に対向するスロット、例えばスロット662、664を備え、これらのスロットはそれぞれ同じ長さを有している。しかしながら、各スロット対は、他のスロット対と比較して、異なる長さを有している。すべてのスロットが、トライアルヘッドの下側又は下部表面666から、トライアルヘッドの中心軸に対して概ね平行な縦方向に延び、閉鎖端部で終端し、その閉鎖端部は中心ボアの途中にあるが、中心ボア685を閉鎖する端面668には隣接しない。最長のスロット対であるスロット662、664は、ボアの中へ向かう道程の約3分の2まで延びており、そのため、ボアの側壁の長さの約3分の1はいかなるスロットも有していない。これにより、以下で更に詳細に説明するように、ステムの自由端部を受容するための末端空間670が設けられている。
【0102】
ステム680は、
図2A〜2Dに示すステムと類似しているが、突出部対682、684は、ステムの円柱状末端部分681の自由端部685の最上位表面686までには延びない。したがって、突出部のいかなる部分をも持たないステムの最遠位部分が、自由端部685に存在する。ステムの円柱状末端部分681の直径は、トライアルヘッドの円柱ボア665の内径よりもわずかに小さく、そのため、自由端部685は、末端空間670内に、また円筒ボア665の残部内にスライド式で受容され得るようになっている。
【0103】
図21Cは、完全係合構成又は状態690にあるトライアルヘッド660とステム部680の側面断面図を示している。明らかなように、突出部684、686は、スロット対662、664内に受容されており、ステムの円柱状末端部分681は、トライアルヘッドの円柱状ボア内に配置され、特に自由端部分685は円柱状ボアの末端空間670内に収容されている。突出部とスロット662、664の閉鎖端部は、トライアルヘッドの中へのステムの挿入深さを制御し、したがって組立体の長さ又はオフセットを制御するように当接する。
図21Cは、すなわち最長のスロット対662、664を使用した最小オフセット配置を示しており、したがって末端空間670は、ステムの自由端部685の長さに適応するように十分に長くなければならない。
【0104】
組立体の長さを調節するために、
図21Dに示すように、トライアルヘッドは縦軸に沿ってスライドされ、ついには、突出部682、684はスロットを係合解除し、トライアルヘッドの下部表面666から離れる。しかしながら、ステム685の自由端部分685は依然として、少なくとも部分的にはトライアルヘッドの円柱状ボア665の中に配置されており、トライアルヘッドは、隣接するスロット間のランド、例えばランド663が自由端部分685の側壁687の上をスライドするとき、自由端部分685を中心として回転され得る。したがって、
図21Dに示すように、トライアルヘッド660とステム部680は部分係合構成又は状態700にあり、この部分係合構成又は状態700において、トライアルヘッド660とステム部680は完全には係合解除されず、また、トライアル組立体の異なる長さ、したがってオフセットを選択するために、異なるスロット対が選択され、突出部682、684と係合されるように、トライアルヘッドはステムを中心として回転され得る。
【0105】
トライアルヘッドとステムとを完全に係合解除することなく、組立体の長さを変更できるようにすることにより、関節が完全にあるいは部分的に整復された状態で、かつ関節を脱臼させ、次いで再び整復させる必要なく、外科医が組立体の長さを生体位で調節することがより容易となる。関節表面などの関節に、及び/又は腱及び靱帯などの軟組織構造に及ぼす損傷を回避するのを助けるために、手術中に関節を繰返し脱臼し、かつ/又は整復することを回避することが好ましい。
【0106】
図22A〜22Eは、本発明の第4の実施形態によるヘッド部、ネック部及びトライアルシステムの様々な図を示している。
図22Aは、トライアルヘッド720の断面斜視図を示しており、
図22Bは、トライアルヘッド720の下側の斜視図を示しており、
図22Cは、ステム部740の斜視図を示しており、
図22Dは、完全係合構成又は状態760にあるトライアルヘッド及びステム部の側面断面図を示しており、
図22Eは、部分係合構成又は状態770にあるトライアルヘッド及びステム部の側面断面図を示しており、この部分係合構成又は状態770において、ステム740の自由端部745は依然として、ヘッド720の中心ボア725内に少なくとも部分的に配置又は受容されている。
【0107】
図22A及び22Bを参照すると、第4の実施形態は、トライアルヘッド720は、概ね円状の中心ボア725を画定する内壁721から内向きに延びる突出部対722、724を有するという点で、
図5及び6に示され上述された第2の実施形態に類似している。トライアルヘッド720は、突出部がトライアルヘッドの下部表面726まで完全には延びていないという点を除いて、
図5に示すものと類似している。むしろ、突出部722、724は、ボアの開放端部728にて、かつ中心ボア725への開口部を画定する端面726と隣接しないところで、下部表面726の前で終端している。突出部は、ボアに沿って閉鎖端部729から開放端部に向かう道程の約3分の2〜4分の3にわたって延びており、そのため、ボアの側壁の長さの約3分の1又は4分の1は突出部のいかなる部分をも含まない。これにより、以下で更に詳細に説明するように、ステムの自由端部を受容するための開放末端空間732が設けられている。
【0108】
図22Cを参照すると、ステム740は、
図6A〜6Dに示すステムに概ね類似しており、外壁746に画定された6つのスロット対、例えば直径方向に対向するスロット対742、744を含んでおり、外壁746は、自由端部分745を有する概ね円柱状の末端部分を画定している。各スロット対は、直径方向に対向するスロット、例えばスロット742、744を備え、それぞれは同じ長さを有している。しかしながら、各スロット対は、他のスロット対と比較して、異なる長さを有している。すべてのスロットが、ステムの円柱状末端部分746の最上位面又は表面748から、ステムの中心軸に対して概ね平行な縦方向に延び、末端部分746に沿って途中にある閉鎖端部で終端している。
【0109】
ステムの円柱状末端部分746の直径は、トライアルヘッドの円柱状ボア725の内径よりもわずかに小さく、そのため、自由端部745は、開放端空間732内に、また円柱状ボア725の残部内にスライド式で受容され得るようになっている。
【0110】
図22Dは、完全係合構成又は状態760にあるトライアルヘッド720とステム部740の側面断面図を示している。図から明らかなように、突出部722、724は、スロット対内に受容されており、ステムの円柱状末端部分746は円柱状ボア725内に配置されている。突出部とスロットの閉鎖端部は、トライアルヘッドの中へのステムの挿入深さを制御し、したがって組立体の長さ又はオフセットを制御するように当接する。
図22Dは、すなわち最長のスロット対を使用した最小オフセット配置を示しており、したがってステムの自由端部745は、ボアの中に、ただし閉鎖端面729から離れて受容されている。
【0111】
組立体の長さを調節するために、
図22Eに示すように、トライアルヘッドは縦軸に沿ってスライドされ、ついには、突出部722、724はスロットを係合解除し、トライアルヘッドの上端部表面748から離れる。しかしながら、ステム740の自由端部分745は依然として、開放端部空間732内で、少なくとも部分的にはトライアルヘッドの円柱状ボア725の中に配置されており、トライアルヘッドは、隣接するスロット間のランド、例えばランド743がボアの内壁721の上をスライドするとき、自由端部分745を中心として回転され得る。したがって、
図22Eに示すように、トライアルヘッド720とステム部740は部分係合構成又は状態770にあり、この部分係合構成又は状態770において、トライアルヘッド720とステム部740は完全には係合解除されず、また、トライアル組立体の異なる長さ、したがってオフセットを選択するために、異なるスロット対が選択され、突出部722、724によって係合されるように、トライアルヘッドはステムを中心として回転され得る。
【0112】
したがって、この実施形態ではまた、トライアルヘッド720とステム770を完全に係合解除することなく、組立体の長さを変更することができる。外科医はしたがって、関節が完全にあるいは部分的に整復された状態で、かつ関節を脱臼させ次いで再び整復させる必要なく、それのよって関節を損傷させる機会を低減させて、組立体の長さを生体位で調節し得る。
【0113】
同じ機能がまた、突出部ではなくスロットを修正することによっても実現され得ることが明らかとなろう。例えば、スロットの開放端部の位置は、
図21Bに示す突出部と同様に、ネックの末端表面の前に終端するように修正され得る。ネックの末端部をトライアル組立体の調節中にボアに残存させ、したがってその調節中にトライアル組立体を完全に分離しないようにするため、突出部及び/又はスロットの位置及び/又は長さに対する様々な修正形態が用いられ得る。
【0114】
異なる実施形態の機構は、具体的に上に記載した実施形態の機構へと、異なる組み合わせで修正及び/又は利用され得ることが明らかとなろう。
【0115】
〔実施の態様〕
(1) トライアルインプラントシステムであって、
自由端部を有するネックを有するステム構成要素であって、前記ネックはネック縦軸を有する、ステム構成要素と、
関節表面を有する第1のトライアルヘッドであって、前記第1のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、前記ボアは、前記ネック縦軸とボア縦軸とが一致する状態で、前記ネックの前記自由端部を受容することができる、第1のトライアルヘッドと、
第1の構成体と、
前記縦軸の周りに角度を持って配設された複数の第2の構成体であって、前記第1の構成体と前記複数の第2の構成体の一方は前記ネック上に設けられ、もう一方は前記ボア内に設けられ、かつ前記第2の構成体の各々は、前記第1の構成体対と嵌合によって係合して、前記ボアの中への前記ネックの挿入深さを異なる量で制限することができる、第2の構成体と、を備える、トライアルインプラントシステム。
(2) 前記第1の構成体と複数の第2の構成体は、前記ネックの前記自由端部の末端部分が依然として前記第1のトライアルヘッドの前記ボア内に位置している間にスライド式で係合解除可能となるように、前記ネック上及び前記ボア内に配置される、実施態様1に記載のトライアルインプラントシステム。
(3) 前記第1の構成体又は複数の第2の構成体は、前記ネックの前記自由端部の最端面又は前記トライアルヘッドの前記ボアの開口部の手前で終端する、実施態様2に記載のトライアルインプラントシステム。
(4) 前記第1の構成体及び複数の第2の構成体はスライド式で係合し、かつ前記第1のトライアルヘッドは、前記縦軸に沿った移動によって前記ネックから取り外し可能である、実施態様1に記載のトライアルインプラントシステム。
(5) 前記第1の構成体は第1の構成体対を含み、かつ前記複数の第2の構成体は、複数の第2の構成体対を含む、実施態様1〜4のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
【0116】
(6) 前記第1の構成体は前記ネックの前記自由端部上に設けられ、かつ前記複数の第2の構成体は前記第1のトライアルヘッドの前記ボア内に設けられる、実施態様1〜5のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
(7) 前記第1の構成体は前記第1のトライアルヘッドの前記ボア内に設けられ、かつ前記複数の第2の構成体は前記ネックの前記自由端部上に設けられる、実施態様1〜5のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
(8) 前記第1の構成体対は突出部対を含み、前記第2の構成体対の各々はスロット対を含み、かつ各スロット対は異なる長さを有する、実施態様5に記載のトライアルインプラントシステム。
(9) 前記第1の構成体対はスロット対を含み、前記第2の構成体対の各々は突出部対を含み、かつ各突出部対は異なる長さ又は前記縦軸に沿った異なる位置を有する、実施態様5に記載のトライアルインプラントシステム。
(10) 関節表面を有する第2のトライアルヘッドを更に備え、前記第2のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、前記ボアは、前記ネック縦軸とボア縦軸とが一致する状態で、前記ネックの前記自由端部を受容することができ、前記第2のトライアルヘッドは、前記第1のトライアルヘッドとは異なるサイズであり、更なる第1の構成体か、又は前記縦軸の周りに角度を持って配設された更なる複数の第2の構成体のいずれかを有する、実施態様1に記載のトライアルインプラントシステム。
【0117】
(11) 関節表面を有する第2のトライアルヘッドを更に備え、前記第2のトライアルヘッドは、ボア縦軸を有するボアを有し、前記ボアは、前記ネック縦軸とボア縦軸とが一致する状態で、前記ネックの前記自由端部を受容することができ、前記第2のトライアルヘッドは、前記第1のトライアルヘッドと同じサイズであり、更なる第1の構成体か又は前記縦軸の周りに角度を持って配設された更なる複数の第2の構成体のいずれかを有し、かつ前記更なる第1の構成体又は前記更なる第2の構成体は、前記第1のトライアルヘッドとは異なる種々の量で、前記ボアの中への前記ネックの挿入深さを制限し得る、実施態様1に記載のトライアルインプラントシステム。
(12) 前記第1のトライアルヘッドは複数のマーキングを有し、各マーキングは、前記第2の構成体のうちのそれぞれの1つに関連付けられる、異なるオフセットに対応する、実施態様1に記載のトライアルインプラントシステム。
(13) 前記複数のマーキングは、前記関節表面の側部上に設けられ、前記ボア縦軸の周りに角度を持って配設される、実施態様12に記載のトライアルインプラントシステム。
(14) 前記ネックは複数のマーキングを有し、各マーキングは、前記第2の構成体のうちのそれぞれの1つに関連付けられる、異なるオフセットに対応する、実施態様1に記載のトライアルインプラントシステム。
(15) 前記複数のマーキングは、前記ネック縦軸に沿った種々の位置に設けられる、実施態様14に記載のトライアルインプラントシステム。
【0118】
(16) 各第2の構成体対は、前記縦軸の周りに直径方向に対向して配置されている、実施態様5に記載のトライアルインプラントシステム。
(17) 少なくとも3つの第2の構成体が存在する、実施態様1〜16のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
(18) 前記ステム構成要素は、トライアルステム構成要素又はトライアルステム構成要素の一部を含む、実施態様1〜17のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
(19) 前記ステム構成要素は、トライアルステム構成要素の一部を含み、かつ前記トライアルステム構成要素の前記一部をブローチに解放可能に取り付けるための取付け機構を有する、実施態様1〜18のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
(20) 前記ステム構成要素は、人工装具ステム又は人工装具ステムの一部を含む、実施態様1〜19のいずれかに記載のトライアルインプラントシステム。
【0119】
(21) 前記ネックの前記自由端部に着脱可能に取り付けられるプロテクタを更に備え、前記第1の構成体は前記プロテクタの一部である、実施態様20に記載のトライアルインプラントシステム。
(22) 前記プロテクタは側壁を有し、前記第1の構成体は前記側壁から延びる、実施態様21に記載のトライアルインプラントシステム。
(23) 前記プロテクタは、端壁を有し、かつ前記ネックの前記自由端部を被覆するように配置されている、実施態様22に記載のトライアルインプラントシステム。
(24) インプラントをトライアルする方法であって、
ステム構成要素のネックを、関節表面を有するトライアルヘッドのボア内に挿入し、第1の構成体を複数の第2の構成体のうちの1番目のものと嵌合によって係合させて、前記ボアの中への前記ネックの挿入深さを第1の量で制限することと、
前記第2の構成体のうちの前記1番目のものと前記第1の構成体とを係合解除することと、
前記複数の第2の構成体のうちの2番目のものを前記第1の構成体と嵌合によって係合させて、前記ボアの中への前記ネックの挿入深さを、前記第1の量とは異なる第2の量で制限することと、を含む、方法。
(25) 係合解除した後、かつ前記第2の構成体のうちの前記2番目のものと前記第1の構成体とを嵌合によって係合させる前に、前記第1のトライアルヘッドを、縦軸を中心として回転させることを更に含む、実施態様24に記載の方法。
【0120】
(26) 前記第1のトライアルヘッドが回転される間、前記ネックの自由端部が前記トライアルヘッドの前記ボア内に配置されている、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記第1のトライアルヘッドを前記ネックから取り外すことと、
前記第1のトライアルヘッドとは異なるサイズを有する第2のトライアルヘッドのボア内に前記ネックを挿入し、かつ更なる第1の構成体を前記第2の構成体のうちの1番目のものと、あるいは更なる複数の第2の構成体のうちの1番目のものを前記第1の構成体と、嵌合によって係合させることと、を更に含む、実施態様24又は25に記載の方法。
(28) 前記第1の構成体と前記第2の構成体のうちの1番目のものとを係合解除することは、前記第1のトライアルヘッドを前記ネックの縦軸に沿って移動させることを含む、実施態様24〜27のいずれかに記載の方法。
(29) インプラントをトライアルする方法であって、
ステム構成要素のネックを、関節表面を有する第1のトライアルヘッドの第1のボア内に挿入し、第1の構成体を複数の第2の構成体のうちの1つと嵌合によって係合させて、前記第1のボアの中への前記ネックの挿入深さを制限することと、
前記第1のトライアルヘッドを前記ネックから取り外すことと、
前記ステムの前記ネックを、関節表面を有しかつ前記第1のヘッドとは異なるサイズを有する第2のトライアルヘッドの第2のボア内に挿入し、前記第1の構成体を、前記複数の第2の構成体のうちの前記1つ又は更なる1つと嵌合によって係合させて、前記ボアの中への前記ネックの挿入深さを制限することと、を含む、方法。
(30) 前記第1のトライアルヘッドを取り外すことは、前記第1のトライアルヘッドを前記ネックの縦軸に沿って移動させることを含む、実施態様29に記載の方法。