(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生物検出カートリッジが、検出装置に適用され、前記検出装置が、異なる時間点において、前記生物検出カートリッジに関連する対応方向の駆動力を前記生物検出カートリッジ内の前記検出流体に印加して、前記第1流動層構造および前記第2流動層構造の中を流動するよう前記検出流体を駆動するために適用される請求項1〜4のいずれか1項に記載の生物検出カートリッジ。
前記第1混合タンクの前記延伸方向に向かう前記第2駆動力を前記生物検出カートリッジ内の前記検出流体に印加して、前記第2混合タンクから前記第1混合タンクに流入するよう前記検出流体を駆動するステップ
をさらに含む請求項9に記載の生物検出カートリッジ内の検出流体の流動方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の1つの実施形態に係る生物検出カートリッジ100を示す概略的立体図である。
図2は、
図1に示した生物検出カートリッジ100の概略的透視上面図である。本実施形態において、生物検出カートリッジ100は、収集ポート110と、第1流動層構造120と、第2流動層構造140とを含む。収集ポート110は、第1流動層構造120に連通し、第1流動層構造120は、第2流動層構造140に連通し、第1流動層構造120および第2流動層構造140は、生物検出カートリッジ100内の異なる平面に配置される。
【0013】
本実施形態において、第1流動層構造120および第2流動層構造140は、生物検出カートリッジ100の中に配置され、第1流動層構造120は、第2流動層構造140の上方に配置され、第2流動層構造140に連通する。第1流動層構造120および第2流動層構造140は、互いに少なくとも部分的に重なっている。
図2を参照すると、生物検出カートリッジ100内の第1流動層構造120は、実線で示され、第2流動層構造140は、点線で示される。
【0014】
本発明の実施形態において、第1流動層構造120および第2流動層構造140は、生物検出カートリッジ100内の異なる平面に配置され、第1流動層構造120および第2流動層構造140は、互いに少なくとも部分的に重なっているため、生物検出カートリッジ100のサイズを効果的に減らすことができる。
【0015】
図1および
図2を参照すると、本実施形態の生物検出カートリッジ100の第1流動層構造120は、第1流路122と、分離タンク160とを含む。第1流路122は、収集ポート110に連通し、分離タンク160にも連通する。本実施形態の生物検出カートリッジ100の第2流動層構造140は、少なくとも1つの分岐構造141を含む。分岐構造141は、定量タンク130と、第2流路142と、混合タンクセット150とを含む。定量タンク130は、第1流動層構造120の第1流路122に連通し、定量タンク130は、第2流路142を介して混合タンクセット150に接続される。
【0016】
本発明の実施形態において、検出流体F(
図4に示す)が収集ポート110から生物検出カートリッジ100に進入した後、異なる時間点において、生物検出カートリッジ100に関連する対応方向の駆動力を検出流体Fに印加して、生物検出カートリッジ100内の第1流動層構造120および第2流動層構造140の中を流動するよう検出流体Fを駆動する。
【0017】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、
図3Aおよび
図3Bは、本発明の1つの実施形態に係る生物検出カートリッジ100に適用した検出装置10を示す概略図であり、それぞれ異なる時間点における生物検出カートリッジ100と検出装置10の間の関係を示したものである。本実施形態において、検出装置10は、回転ベース12を含む。回転ベース12は、第1回転軸14の周りを回転する。生物検出カートリッジ100は、回転ベース12の上に設置され、回転ベース12に相対して第2回転軸16の周りを回転することができる。第1回転軸14および第2回転軸16は、同軸ではない。また、生物検出カートリッジ100は、回転ベース12の回転を介して第1回転軸14の周りを回転してもよい。つまり、生物検出カートリッジ100は、第1回転軸14の周りを回転し、第2回転軸16を軸に回転してもよい。
【0018】
本発明の検出装置10において、生物検出カートリッジ100が異なる時間点において第2回転軸16の周りを対応する角度に回転した後、回転ベース12は、第1回転軸14の周りを回転するよう生物検出カートリッジ100を駆動するため、生物検出カートリッジ100に関連する対応方向の遠心力が検出流体Fに印加される。
【0019】
例えば、第1時間点において、生物検出カートリッジ100が第2回転軸16の周りをある角度に回転し、
図3Aに示した位置にあると仮定する。
図3Aに示した位置において、生物検出カートリッジ100上の点Aは、第1回転軸14と第2回転軸16の間の接続線の延伸線上に位置する。この場合、回転ベース12が第1回転軸14の周りを回転するよう生物検出カートリッジ100を駆動した時、点Aに向かう方向の遠心力が生物検出カートリッジ100内の検出流体Fに印加されるため、検出流体Fは、点Aに向かって流動する。
【0020】
そして、第2時間点において、生物検出カートリッジ100が第2回転軸16の周りをある角度に回転し、
図3Bに示した位置にあると仮定する。
図3Bに示した位置において、生物検出カートリッジ100上の点Bは、第1回転軸14と第2回転軸16の間の接続線の延伸線上に位置する。この場合、回転ベース12が第1回転軸14の周りを回転するよう生物検出カートリッジ100を駆動した時、点Bに向かう方向の遠心力が生物検出カートリッジ100の検出流体Fに印加されるため、検出流体Fは、点Bに向かって流動する。
【0021】
生物検出カートリッジ100内の検出流体Fは、検出装置10を介して異なる時間点において生物検出カートリッジ100に関連する対応方向の駆動力を受けることにより、生物検出カートリッジ100に関連する異なる方向に向かって流動し、生物検出カートリッジ100内の第1流動層構造120および第2流動層構造140の中を流動することができる。本発明において、検出装置10は、上述した実施形態に限定されない。本発明において、検出装置10は、主に、異なる時間点において、生物検出カートリッジ100に関連する対応方向の駆動力を生物検出カートリッジ内の検出流体Fに印加するために適用される。別の実施形態において、検出装置10は、本発明が提供する生物検出カートリッジを異なる時間点において異なる方向に向かって移動するよう駆動して、異なる時間点において生物検出カートリッジ100に関連する対応方向の駆動力を生物検出カートリッジ内の検出流体Fに印加することを達成してもよい。
【0022】
本発明の実施形態において、検出流体Fは、検出流体Fに印加された生物検出カートリッジ100に関連する異なる方向を有する駆動力(例えば、遠心力)を介して生物検出装置10内の異なる位置に移動する方法で、生物検出装置10内を移動する。そのため、生物検出装置10内の流路のサイズに対する精度要求が緩和されるため、より便利になり、高収率および低製造コストの利点も得られる。
【0023】
図4〜
図11は、本発明の生物検出カートリッジ100内の検出流体Fの流動プロセスを示す概略図である。
図4〜
図6および
図8において、生物検出カートリッジ100内の第1流動層構造120は、実線で示され、第2流動層構造140は、点線で示される。
図9〜
図11において、生物検出カートリッジ100内の第1流動層構造120は、点線で示され、第2流動層構造140は、実線で示される。以下、生物検出カートリッジ100の内部構造について詳しく説明し、生物検出カートリッジ100内の検出流体Fの流動および混合方法についても説明する。
【0024】
図4および
図5Aを参照すると、検出流体Fは、収集ポート110から生物検出カートリッジ100に進入した後、収集ポート110に連通する第1流路122に進入する。検出流体Fが第1流路122に進入した後、検出装置10は、第1流路122の延伸方向に基づいて対応方向の駆動力を検出流体Fに印加し、第1流路122に沿って流動するよう検出流体Fを駆動する。
【0025】
本実施形態において、第1流路122は、複数の第1部分122a、122b、および122cを含み、これらの第1部分は順番に接続され、2つの隣接する第1部分は1つの角度で接続される。本実施形態においてさらに詳しく説明すると、第1流路122は、直列に接続された3つの第1部分122a、122b、および122cを含み、第1部分122a、122b、および122cのうちの2つの隣接する部分間の接続は、湾曲部(bend)を有する。したがって、対応する第1部分122a、122b、および122cの延伸方向は、全て同じではない。第1流路122に沿って第1部分122a、122b、および122cを順番に流動するよう検出流体Fを駆動するために、検出装置10は、第1部分122a、122b、および122cの延伸方向に基づいて、異なる時間点においてそれぞれ第1部分122a、122b、および122cの延伸方向に平行な駆動力を検出流体Fに印加する。
【0026】
例えば、
図5Aを参照すると、第1部分122aを流動するよう検出流体Fを駆動するために、検出装置10は、第1部分122aの延伸方向に基づいて、第1部分122aの延伸方向に平行な駆動力D1を検出流体Fに印加するため、
図5Bに示すように、検出流体Fは、第1部分122aを流動して、2つの第1部分122aと122bの間の湾曲部に収集する。そして、第1部分122bを流動するよう検出流体Fを駆動するために、検出装置10は、第1部分122bの延伸方向に基づいて、第1部分122bの延伸方向に平行な駆動力D2を検出流体Fに印加するため、
図6に示すように、検出流体Fは、第1部分122bを流動して、2つの第1部分122bと122cの間の湾曲部に収集する。残りも類推により推測される。
【0027】
本実施形態において、第1流路122は、直列に接続された3つの第1部分122a、122b、および122cを含み、第1部分122a、122b、および122cのうちの2つの隣接する部分間の接続部分に湾曲部が設計されるため、異なる方向に対応する駆動力を検出流体Fに印加して第1流路122内を流動するよう検出流体Fを駆動するプロセスの間に、検出流体Fが逆流するのを回避することができる。しかしながら、第1部分の数は限定されず、本分野の技術者であれば、実際の要求に基づいて、異なる数の第1部分を設計してもよい。各第1部分における検出流体Fの流動方法は、上述した方法と類似するため、ここでは繰り返し説明しない。
【0028】
図6を参照すると、第1流動層構造120の分離タンク160は、2つの第1部分(例えば、122bおよび122c)の間の湾曲部に接続され、分離タンク160の延伸方向は、1つの第1部分(例えば、122b)に平行である。ここで、検出流体Fは、第1部分122bおよび122cを順番に流動し、分離タンク160の延伸方向は、2つの第1部分122bおよび122cのうち検出流体Fが最初に流れる方(例えば、122b)に平行である。
図5Bを参照すると、分離タンク160は、2つの第1部分122bと122cの間の湾曲部に接続され、検出流体Fは、まず、第1部分122bを通ってから第1部分122cを流れるため、分離タンク160の延伸方向は、第1部分122bに平行である。
【0029】
本実施形態において、第1流動層構造120の分離タンク160は、分離タンク160の延伸方向に向かう駆動力を検出流体Fに連続して印加することによって、検出流体Fに含まれる異なる密度を有する構成部分を分離するために適用される。駆動力が連続して印加されると、
図6に示すように、比較的大きな密度を有する検出流体Fの第1構成部分F1が分離タンク160に流入し、比較的小さな密度を有する検出流体Fの第2構成部分F2が第1流路122に残る。
【0030】
例えば、検出流体Fが血液Fである場合、血液Fは、混合された比較的大きな密度の第1構成部分F1(すなわち、血球F1)と比較的小さな密度の第2構成部分F2(すなわち、血漿F2)を含む。血液Fは、駆動力(例えば、遠心力)を介して生物検出カートリッジ100の中を流動する。
図5Bを参照すると、第1部分122bの延伸方向に平行な駆動力D2を血液Fに印加して、第1部分122bを流動して2つの第1部分122bと122cの間の湾曲部に収集するよう血液Fを駆動した後、検出装置10は、分離タンク160の延伸方向に向かう駆動力D2を血液Fに印加し続けるため、比較的大きな密度を有する血球F1は、
図6に示すように、分離タンク160に移動し、比較的小さな密度を有する血漿F2は、第1流路122の中に留まる。もちろん、別の実施形態において、生物検出カートリッジ100が検出流体を異なる密度を有する構成部分に分離する必要がない場合は、分離タンク160の設計を省略してもよい。
【0031】
本実施形態において、第1流動層構造120は、第1流路122の第1部分122a、122b、および122cのうちの1つ(この場合、122cを指す)を介して第2流動層構造140の少なくとも1つの分岐構造141に接続されて連通し、分岐構造141に接続された第1部分122cは、接続部122cとも称す。つまり、第1流路122の複数の第1部分122a、122b、および122cは、分岐構造141に接続された接続部122cを含む。本実施形態において、接続部122cは、分岐構造141と並んで設計された対応構造を有するが、これについては、第2流動層構造140と併せて後で説明する。
【0032】
図2を参照すると、第2流動層構造140は、少なくとも1つの分岐構造141を含む。分岐構造141は、定量タンク130と、第2流路142と、混合タンクセット150とを含む。定量タンク130は、第1流路122の接続部122cに連通し、第2流路142は、定量タンク130に連通し、混合タンクセット150は、第2流路142に連通する。本実施形態において、第2流動層構造140は、第1流動層構造120の下方に配置され、定量タンク130は、第1流路122の接続部122cに部分的に重なるように連通する。
【0033】
引き続き
図6を参照すると、分離タンク160を流れる血液Fが異なる密度を有する構成部分に分離された後、比較的小さな密度を有する血漿F2は、第1流路122の中にあり、第1部分122bと122cの間の湾曲部に収集する。そして、第1部分122cの延伸方向に平行な駆動力D3が血漿F2に印加される。血漿F2が接続部122cの中を流動するよう駆動力D3により駆動されるプロセスの間、血漿F2は、分岐構造141に相応して設計された接続部122cの中に配置された構造を介して、第2流動層構造140の定量タンク130に優先的に進入する。以下、詳しく説明する。
【0034】
本発明の別の実施形態において、生物検出カートリッジ100が検出流体を異なる密度を有する構成部分に分離する必要がない場合は、分離タンク160の設計を省略してもよく、検出流体Fが第1部分122bを流れて第1部分122bと122cの間の湾曲部に収集した後、接続部122cの延伸方向に平行な駆動力D3を同じ方法で検出流体Fに連続して印加してもよく、検出流体は、分岐構造141に対応して、接続部122c内に配置された構造を介して、第2流動層構造140の定量タンク130に優先的に進入することができる。
【0035】
図2および
図6〜
図8を参照すると、
図7は、
図6の線A−Aに沿った概略的断面図であり、
図8は、
図6の概略的部分拡大図である。接続部122cは、分岐構造141に対応する細路123および連通孔125を有する。接続部122cは、連通孔125を介して分岐構造141の定量タンク130に連通する。連通孔125の流動断面幅W3は、細路123の流動断面幅W2よりも大きく、連通孔125は、細路123の検出流体が進入する側に設置される。つまり、検出流体Fは、連通孔125を通ってから、細路123を流れる。
【0036】
本実施形態において、連通孔125の流動断面幅W3は、細路123の流動断面幅W2よりも大きいため、検出流体Fは、接続部122cの延伸方向に平行な駆動力D3により駆動された時、まず、連通孔125を通って定量タンク130に流入する。定量タンク130が満たされた後、検出流体Fは、連通孔125を介して定量タンク130に流入することができないため、こぼれた検出流体Fが駆動力D3によって駆動され、細路123に進入して、細路123を流れる。
【0037】
まず、
図6を参照すると、例えば、検出流体Fが血液Fである場合、分離タンク160を流れる血液Fが異なる密度を有する構成部分に分離された後、接続部122cの延伸方向に平行な駆動力D3を第2部分122bと接続部122cの間の湾曲部に収集した血漿F2に印加する。そして、
図7および
図8を参照すると、血漿F2が接続部122cに沿って流動して分岐構造141に対応する位置に到達した時(
図8に示す)、連通孔125の流動断面幅W3は、細路123の流動断面幅W2よりも大きいため(
図7に示す)、血漿F2は、連通孔125を通って定量タンク130に流入する。対応する定量タンク130が満たされた後、こぼれた血漿F2は、細路123を流れて、接続部122cに沿って流動し続ける。生物検出カートリッジ100が複数の分岐構造141を有する場合、残りの血漿F2が接続部122cに沿って流動し続け、次の分岐構造141に対応する位置に到達し、上述した流動ステップを繰り返す。
【0038】
本実施形態において、定量タンク130に対応する接続部122cの細路123および連通孔125が異なる断面幅を有するよう設計することによって、検出流体Fは、まず、定量タンク130の中を流動して充満するため、分岐構造141に進入する検出流体Fは、設定された量を有する。本実施形態において、生物検出カートリッジ100は、4つの分岐構造141を有する。同様に、接続部122cは、4つの細路123および4つの連通孔125を有し、それぞれ4つの分岐構造141の定量タンク130に対応する。
【0039】
図6〜
図9に基づき、定量タンク130に対応する接続部122cの細路123および連通孔125が異なる断面幅を有するよう設計することによって、血漿F2の流動順序は、まず、連通孔125を介して定量タンク130に向かって流動してから、細路123を介して左向きに流動する傾向にある。つまり、血漿F2は、右から左に向かって定量タンク130を1つずつ満たす。定量タンク130は、混合タンクセット150に流入する血漿の量が設定された範囲内にあることを確保することができるため、血漿の量が多すぎる、または不十分であることによって検出エラーが生じるのを防ぐことができる。
【0040】
また、
図2に戻ると、本実施形態において、生物検出カートリッジ100は、さらに、第1流路122の収集ポート110から離れた一端に接続されたオーバーフロータンク170を含む。
図9を参照すると、血漿F2が定量タンク130を満たした後、残りの血漿F2は、接続部122cからオーバーフロータンク170に流入する。また、再び
図2を参照すると、第1流路122の収集ポート110から離れた一端は、検出流体Fが第1流路122にスムーズに流入できるよう、生物検出カートリッジ100の排気口190に連通してもよい。
【0041】
再び
図9を参照すると、本実施形態において、分岐構造141の数は、例えば、4つであるが、分岐構造141の数は、生物検出カートリッジで試験したい項目の数により変更してもよい。分岐構造141の第2流路142は、複数の第2部分142aおよび142bを含み、第2部分142aおよび142bは、ある角度で接続される。本実施形態において、2つの第2部分142aと142bの間には湾曲部があり、血漿F2が逆流するのを防ぐ。血漿F2が定量タンク130に流入して収集された後、検出装置10は、第2部分142aの延伸方向に平行な駆動力D4を血漿F2に印加して、第2部分142aを流れるよう血漿F2を駆動した後、第2部分142bの延伸方向に平行な駆動力D5を血漿F2に印加して、第2部分142bを流れるよう血漿F2を駆動することができる。同様に、本発明において、第2部分142aおよび142bの数は限定されず、本分野の技術者であれば、実際の要求に基づいて、第2部分142aおよび142bを異なる数に設計してもよい。
【0042】
本実施形態において、混合タンクセット150は、互いに連通した第1混合タンク150aおよび第2混合タンク150bを含む。第2流路142の第2部分142bは、混合タンクセット150に接続される。
図10を参照すると、血漿F2が第2部分142bと混合タンクセット150の間の接続部に流れた時、第1混合タンク150aの延伸方向に向かう駆動力D6を血漿F2に印加して、第1混合タンク150aに流入するよう血漿F2を駆動する。そして、
図11を参照すると、第2混合タンク150bの延伸方向に向かう駆動力D7を血漿F2に印加して、第2混合タンク150bに流入するよう血漿F2を駆動する。
【0043】
本実施形態において、第1混合タンク150aおよび第2混合タンク150bのうちの少なくとも1つに薬剤を提供する。あるいは、第1混合タンク150aおよび第2混合タンク150bに異なる薬剤を提供してもよい。薬剤は、第1混合タンク150aおよび/または第2混合タンク150bに前もって提供し、血漿F2が第1混合タンク150aおよび/または第2混合タンク150bに流入した後、薬剤は、血漿F2内で溶解する。
【0044】
本実施形態において、駆動力D6およびD7を交互に印加することによって、血漿F2は、第1混合タンク150aと第2混合タンク150bの間を前後に流動し、第1混合タンク150aおよび/または第2混合タンク150bに提供された薬剤と迅速かつ均一に混合されるため、混合に必要な時間を減らすことができる。
【0045】
また、
図11を参照すると、本実施形態において、生物検出カートリッジ100は、さらに、排気道180を含む。排気道180は、第2流路142に連通して、生物検出カートリッジ100の流動構造の外に空気を排出するため、検出流体Fが空気に遮断され、流動構造の中に残るのを防ぐことができる。
【0046】
図12は、本発明の別の実施形態に係る生物検出カートリッジ200を示す概略的透視図である。
図13は、
図12に示した生物検出カートリッジ200を示す概略的部分拡大図である。
図12および
図13を参照すると、本実施形態の生物検出カートリッジ200と前の実施形態の生物検出カートリッジ100の間の主な相違点は、前の実施形態の生物検出カートリッジ100において、接続部122cの細路123および連通孔125が定量タンク130に対応して提供され、本実施形態の生物検出カートリッジ200において、接続部222cの分離部290および連通孔225が定量タンク230に対応して提供される。
【0047】
前の実施形態において、生物検出カートリッジ100は、接続部122cの細路123および連通孔125が異なる断面幅を有する設計を介して、定量タンク130に流入して充満するよう検出流体Fを駆動する。しかしながら、定量タンク130が満たされる前、少量の検出流体Fがまだ細路123を流動している。
図8を参照すると、血漿F2が接続部122cの中を流動するプロセスの間、大部分の血漿F2は、比較的大きな断面幅を有する連通孔125を通過し、下層の定量タンク130に向かって流動する傾向がある。しかしながら、少量の血漿F2がまだ比較的小さい断面幅W2を有する細路123に向かって接続部122cに沿って流動している。
【0048】
図12および
図13を参照すると、本実施形態において、生物検出カートリッジ200の第1流路222の接続部222cは、定量タンク230に対応する分離部290および連通孔225を有する。接続部222cは、連通孔225を介して対応する定量タンク230に連通する。分離部290は、連通孔225の上に設置され、連通孔225を入口225aと出口225bに分割する。連通孔225の入口225aと出口225bは、それぞれ分離部290の両側に設置される。
【0049】
本実施形態の生物検出カートリッジ200は、血漿F2が接続部222cに沿って定量タンク230に対応する位置に流動した時、血漿F2が分離部290により遮断され、まず、連通孔225の入口225aを介して定量タンク230に流入する。対応する定量タンク230が満たされた後、血漿F2は、連通孔225の出口225bから流出して、接続部222cに沿って流動し続ける。生物検出カートリッジ200が複数の定量タンク230を有する場合、残りの血漿F2は、接続部222cに沿って次の定量タンク230に対応する位置に流れ続け、上述した流動ステップを繰り返す。
【0050】
以上のように、本発明の生物検出カートリッジは、第1および第2流動層構造を生物検出カートリッジの異なる平面に配置することによって、生物検出カートリッジのサイズを効果的に減らすことができる。また、流路、分離タンク、定量タンク、および混合タンクを様々な延伸方向に設計することによって、本発明の生物検出カートリッジは、異なる時間点において、生物検出カートリッジに関連する異なる方向に対応する駆動力を印加することができるため、生物検出カートリッジ内の対応位置に順番に流動するよう検出流体を駆動することができる。検出流体が毛細管作用によって流動する従来の生物検出カートリッジと比較して、本発明は、生物検出カートリッジ内の流路のサイズに対して高い精度を必要としないため、製造の便利性を上げることができる。また、定量タンクに対応して設計された接続部の構造により、混合タンクに流入して混合タンク内の薬剤と反応する検出流体の量が設定された範囲内にあることを確保することができるため、検出流体の量が多すぎる、または不十分であるために検出値のエラーが生じるのを防ぐことができる。また、複数の混合タンクおよび特定方向に対応する駆動力を設計することによって、検出流体を混合タンクに提供された薬剤と迅速かつ均一に混合することができるため、混合に必要な時間を減らすことができる。
【0051】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。