特許第6474791号(P6474791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474791通電型眼用レンズをプログラミングするシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474791
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】通電型眼用レンズをプログラミングするシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 7/04 20060101AFI20190218BHJP
   G02B 3/14 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   G02C7/04
   G02B3/14
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-514032(P2016-514032)
(86)(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公表番号】特表2016-518630(P2016-518630A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】US2014037858
(87)【国際公開番号】WO2014186365
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2016年7月28日
(31)【優先権主張番号】13/896,643
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510294139
【氏名又は名称】ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Vision Care, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ピュー・ランドール・ビー
(72)【発明者】
【氏名】フリッチュ・フレデリック・エイ
【審査官】 池田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/033349(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/118777(WO,A1)
【文献】 特開2002−357796(JP,A)
【文献】 特開2011−036645(JP,A)
【文献】 特開昭61−100227(JP,A)
【文献】 特開平05−303011(JP,A)
【文献】 米国特許第05359444(US,A)
【文献】 特表2008−543350(JP,A)
【文献】 特表2005−518856(JP,A)
【文献】 特開2010−200915(JP,A)
【文献】 特表2005−506866(JP,A)
【文献】 特表2005−516717(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0171365(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0270596(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0335701(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 7/04
G02B 3/14
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に遠視矯正と近視矯正を含む多焦点視力矯正を提供するシステムであって、
通電型眼用レンズの視覚ゾーン外に配置され、変形可能又は剛性の基材で構成され、電池と弓形液体メニスカスレンズの一方又は両方を封入するメディアインサートと、前記メディアインサートを支持するヒドロゲル部と、を含む通電型眼用レンズと、
前記通電型眼用レンズに設けられたシステムプロセッサに論理電気接続され、ユーザーの屈折検査からのデータを無線で受信するように構成された通信システムと、
前記メディアインサートに支持された前記システムプロセッサであって、ユーザーからの入力及び前記屈折検査からの前記無線で受信したデータに基づくプログラム信号に応じて、前記弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスの形状を第1状態から第2状態に変化させるように構成された前記システムプロセッサと、を含み、
前記通電型眼用レンズの幾何学形状は、少なくとも部分的にトポグラフィー検査により定められ、眼の前眼表面の装着に有用であり、前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスが第1状態にあるとき、遠方視力障害を矯正可能であり、
前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの形状の、第1状態から第2状態への変化により、近視障害を矯正可能であり、
前記システムは、前記通電型眼用レンズを最初に使用するに際して必要な前記遠方視力障害を矯正するための設定を前記第1状態の設定により行い、最初に使用するに際して必要な前記近視障害を矯正するための設定を前記第2状態の設定により行う、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、
前記屈折検査は遠隔地にて、前記患者が利用可能な視力矯正の選択肢を示すために生成されるシミュレーションされた視力表を表示し、前記シミュレーションされた視力表における図形的表現の1つ又は2つ以上を見た際に前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた視力表を表示するように構成された前記診断ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び眼用レンズ幾何学形状情報を使用する、システム。
【請求項4】
請求項2に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記視力表を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
【請求項5】
請求項2に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記視力表を表示可能な携帯端末により実行される、システム。
【請求項6】
請求項2に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、ユーザーのフィードバックと測定屈折検査情報の一方又は両方を、アイケア施術者に送信可能である、システム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムであって、
前記屈折検査はアイケア施術者のオフィスにて、シミュレーションされた視力表における図形的表現を表示し、前記シミュレーションされた視力表を見た際に前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた視力表を表示するように構成された前記診断ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び製品幾何学形状情報を使用する、システム。
【請求項9】
請求項7に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記視力表を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
【請求項10】
患者に遠視矯正と近視矯正を含む多焦点視力矯正を提供するシステムであって、
視覚ゾーン外に配置され、変形可能又は剛性の基材で構成され、電池と弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスを封入するメディアインサートと、前記メディアインサートを支持するヒドロゲル部と、を含む通電型眼用レンズと、
前記通電型眼用レンズに設けられたシステムプロセッサに論理電気接続され、ユーザーの屈折検査からのデータを受信するように構成された通信システムと、
前記メディアインサートに支持された前記システムプロセッサであって、ユーザーからの入力及び前記屈折検査からの前記受信したデータに応じて、前記液体メニスカスレンズの形状を第1状態から第2状態に変化させるように構成された前記システムプロセッサと、を含み、
前記通電型眼用レンズの幾何学形状は、少なくとも部分的にトポグラフィー検査により定められ、眼の前眼表面の装着に有用であり、前記液体メニスカスレンズが第1状態にあるとき、近方視力障害を矯正可能であり、
前記液体メニスカスレンズの形状の、第1状態から第2状態への変化により、遠視障害を矯正可能であり、
前記システムは、前記通電型眼用レンズを最初に使用するに際して必要な前記近方視力障害を矯正するための設定を前記第1状態の設定により行い、最初に使用するに際して必要な前記遠視障害を矯正するための設定を前記第2状態の設定により行う、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記屈折検査は遠隔地にて、前記患者が利用可能な視力矯正の選択肢を示すために生成されるシミュレーションされた視力表を表示し、前記シミュレーションされた視力表における図形的表現を見た際に前記液体メニスカスレンズの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた視力表を表示するように構成された前記診断ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び製品幾何学形状情報を使用する、システム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記液体メニスカスレンズの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記視力表を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記液体メニスカスレンズの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記視力表を表示可能な携帯端末により実行される、システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、ユーザーのフィードバックと測定屈折検査情報の一方又は両方を、アイケア施術者に送信可能である、システム。
【請求項16】
請求項10に記載のシステムであって、
前記屈折検査はアイケア施術者のオフィスにて、シミュレーションされた視力表における図形的表現を表示し、前記シミュレーションされた視力表を見た際に前記液体メニスカスレンズの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた視力表を表示するように構成された前記診断ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び製品幾何学形状情報を使用する、システム。
【請求項18】
請求項16に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記液体メニスカスレンズの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記視力表を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
【請求項19】
請求項1から18のいずれかに記載の、前記通電型眼用レンズを設計するための、前記システムの使用方法であって、前記システムが、
距離Xについてユーザーの視力矯正の必要性を判断することと、
距離Yについてユーザーの視力矯正の必要性を判断することと、
患者の少なくとも1つの裸眼データ測定値と、前記患者の前記少なくとも1つの裸眼データ測定値に対応する1つ又は2つ以上のレンズデザインオプションとを取得することと、
前記取得された1つ又は2つ以上のレンズデザインオプションの視力効果を予測するシミュレーションされた視力表における図形的表現の表示を提供することと、
前記シミュレーションされた視力表における図形的表現の表示から、前記ヒドロゲル部と前記メディアインサートとを含む前記通電型眼用レンズを選択することであり、前記メディアインサートの少なくとも一部が前記ヒドロゲル部に支持され、前記通電型眼用レンズの視覚ゾーンの一部の上に配置され、前記距離Xでの視力を矯正可能な視力効果を提供する、通電型眼用レンズを選択することと、
前記距離Yでのイメージについて、前記弓形液体レンズの視力矯正特性の状態を切り替える動作プロトコルをプログラミングすることと、を行うことを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの裸眼データ測定値は、施術者のオフィス、小売店、キオスク、車両、患者の職場、及び患者の家からなる群から選択される場所で取得される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して通電型眼用レンズに関し、特に眼用レンズの多焦点視力矯正パラメータをプログラミングするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒドロゲルレンズ、眼内レンズ、又は涙点プラグ等の眼用デバイスは、矯正性、美容性、又は治療性を備える。例えば、コンタクトレンズは、視力矯正機能、美容向上、及び/又は治療効果を提供してよい。それぞれの機能は、コンタクトレンズの物理的特性によって提供される。例えば、屈折性は視力矯正機能を提供でき、色素は美容を向上でき、活性剤は治療機能を提供できる。
【0003】
液体メニスカスレンズは、様々な産業において周知である。既知の液体メニスカスレンズは、直線である軸線から一定距離にある点により形成される周囲表面によって円柱形状に設計されていた。既知の液体メニスカスレンズは、第2の内側表面が2内部に略平行で、第1の内側表面が第2の内側表面に略平行で、それぞれが円柱軸線に対して垂直な設計に制限されてきた。液体メニスカスレンズの使用の既知の例としては、電子カメラ及び携帯電話装置等の装置が挙げられる。
【0004】
近年では、本開示の発明者に譲渡された「弓形液体メニスカスレンズ」という名称の米国特許出願第13/095,786は、コンタクトレンズに適した弓形液体メニスカスレンズを教示している。更に、超小型電子装置の開発が進んだことで、サイズ、形状、制御についての制限があっても、能動的通電部品を有用に眼用レンズに内蔵する余地がある。上述の通り、現在利用可能なコンタクトレンズは、当該コンタクトレンズの物理特性により視力を矯正できるものである。しかし、異なる距離に対する視力に必要な視力矯正のため、多くの人が2焦点又は3焦点レンズを使用しなければならない。超小型電子装置と、眼の表面に設置するのに適した幾何学形状の可変液体メニスカスレンズを使用するため、可変視力矯正の提供に有用となり得るような新たなプログラミングと設計方法及びシステムが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、多焦点視力矯正を提供可能なように構成された、電子的及び能動的視力矯正部品を内蔵可能な眼用レンズ及びシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、上記要求は、本明細書に開示のシステム及び方法の1つ以上の実施形態によって大いに満たされる。いくつかの実施形態によると、患者に多焦点視力矯正を提供するシステムは、メディアインサートと、ヒドロゲル部と、を含む通電型眼用レンズを含んでよい。ヒドロゲル部は、電池と弓形液体メニスカスレンズの一方又は両方を包むメディアインサートを支持し、いくつかの実施形態では包むことができる。通信システムは、眼用レンズのマイクロプロセッサに論理電気接続されてもよく、ユーザーの屈折検査のデータを無線受信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサはメディアインサートに支持されてもよく、ユーザーからの入力及び屈折検査からの無線で受信したデータに基づくプログラム信号に応じて、弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスの形状を第1状態から第2状態に変化させるように構成される。システムの眼用レンズの幾何学形状は、少なくとも部分的にトポグラフィー検査により定められ、前記弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスが第1状態にあるとき、遠方視力障害を矯正可能である。前記弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスの形状の、第1状態から第2状態への変化は、ユーザーの近方視力障害の矯正に有用であり得る。同様に、一方の状態から他方の状態への変化は、遠方視力障害の矯正に有用であり得る。いくつかの実施形態では、第1状態のとき、視力矯正が行われなくてもよい。この場合、必要に応じて遠視矯正と近視矯正の一方のみが実行される。
【0007】
本開示の追加の態様によると、多焦点視力矯正を提供する通電型眼用レンズをプログラミングする方法が開示される。方法は、距離Xについてユーザーの視力矯正の必要性を判断することと、距離Yについてユーザーの視力矯正の必要性を判断することと、少なくとも1つの裸眼データ測定値と少なくとも1つのレンズデザインの視力矯正特性を取得することと、1つ以上の眼用レンズの視力効果を予測する図形的表現のシミュレーションされた表示を提供することと、前記シミュレーションされた表示から、ヒドロゲル支持構造と、メディアインサートとを含む眼用レンズを選択することであり、前記メディアインサートの少なくとも一部が前記ヒドロゲル部に支持され、眼用レンズの視覚ゾーンの一部の上に配置され、眼用レンズの形状が、距離Xに対する視力を矯正可能な視力効果を提供する、前記選択することと、距離Yにある画像に対する障害を矯正するために、レンズの視力矯正特性の状態を切り替える動作プロトコルをプログラミングすることと、を含む。
【0008】
システムと方法ステップの特定の実施態様は、下記の発明を実施するための形態を理解しやすいように概要を示している。当然のことながら、下記で説明され、請求の範囲の主題を形成する追加の実施態様も存在する。
【0009】
この点では、少なくとも1つの実施態様について詳細に説明する前に、通信システムを含むヒドロゲルレンズは、その用途において、下記の説明に記載されるか又は図面で示される構成要素の配置及び構造体の詳細に限定されないことを理解されたい。また、本明細書並びに要約書で用いられる表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定するものと見なされるべきではない。
【0010】
したがって、当業者には、本開示が基づく概念が、眼用レンズの製造後に、いくつかの実施形態で含まれ得る追加の動的部品を制御することを含む、眼用レンズのいくつかの目的を実行するための他の構造体、方法、及びシステムを設計するための基盤として直ちに使用し得ることを理解されよう。したがって、本出願の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、請求の範囲がかかる同等の構造体を含むことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通電型眼用装置150用の例示的なメディアインサート100の上面図、及び2か所の部分的断面がとられた通電型眼用装置150の等角図を示す。
図2A】本開示の態様に係る例示的通電型眼用レンズの図式的表現を示す。
図2B】本開示のいくつかの態様に係る、例示的な液体メニスカスレンズの断面を示す。
図3】本開示のいくつかの態様に係る、実施可能な例示的な機能化多層メディアインサートの三次元断面表現を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態を実現するために使用され得るプロセッサを示す。
図5】本開示の態様に係る、或る患者に対する視力矯正のシミュレーションを示す表現の表示を示す。
図6】本開示のシステムの多焦点眼用レンズのプログラミングに使用できる方法ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ユーザーの多焦点視力矯正の提供に有用な方法及びシステムが開示される。システムは、通電型眼用レンズを使用する2つ以上の状態の視力矯正特性を適切にプログラミングするために使用してもよい。いくつかの態様によると、システムは、ユーザーからの信号に応じて、第1の状態を所定の第2の視力矯正状態に変化させることが可能な電気活性弓形液体メニスカスレンズを含む能動レンズインサートを含んでもよい。
【0013】
用語解説
本説明及び特許請求の範囲において様々な用語が使用されてよく、下記の定義が適用される。
能動レンズインサート:本明細書で使用するとき、論理回路に基づく制御が行われる、電子式又はエレクトロメカニカルインサートデバイスを指してよい。
【0014】
裸眼データ:本明細書で使用するとき、視力矯正装置を一切使用しない患者の眼から取得されたデータと情報を指してよい。例えば生理的検査、トポグラフィー検査、波面検査、屈折検査を含む一連の検査を実行して、裸眼データを収集してもよい。
【0015】
通信システム:本明細書で使用するとき、自部品に対して電磁波放射を送信、受信するように構成可能な無線通信装置を指してよい。いくつかの実施形態では、通信システムはナノフラクタルアンテナ又はナノ八木・宇田型アンテナ構造のようなナノアンテナや、ナノスケールセンサー、プロセッサ、ナノトランシーバーを含んでよい。いくつかの実施形態では、通信システムはごく小さいサイズで、大半の光プラスチックポリマー又は樹脂製品を破壊することなく使用できる。別の実施形態では、より大きな通信システムの、視覚に干渉するような非常に透明性の低い部品を、例えばメディアインサートの一部になるように、視覚ゾーン外に配置してもよい。
【0016】
通電:本明細書で使用するとき、電流を供給することができる、又は内部に蓄積された電気的エネルギーを有することができる状態であることを指してよい。
【0017】
エネルギー受容体:本明細書で使用するとき、例えば電波通信等を介して無線エネルギーを受容するようなアンテナとして機能可能な媒体を指してよい。
【0018】
エネルギー源:本明細書で使用するとき、エネルギーを供給し、又は論理若しくは電気的装置を通電状態に置くことが可能な装置又は層を指してよい。
【0019】
エネルギー:本明細書で使用する場合、ある物理系が仕事をする能力のことを指してよい。本開示で使用される場合の多くは、仕事をする際に電気的作用を行うことができる前記能力に関連し得る。
【0020】
フィッティングレンズデータ:本明細書で使用するとき、フィッティングレンズ型視力矯正装置を使用する患者の眼から取得されたデータと情報を指してよい。例えば生理的検査、トポグラフィー検査、波面検査、屈折検査を含む一連の検査を実行して、フィッティングレンズデータを収集してもよい。
【0021】
機能化多層インサート:本明細書で使用するとき、複数の機能層の少なくとも一部が積み重ねられた複数の機能層から形成された眼用デバイス向けインサートを指してよい。この複数の層は、それぞれ特有の機能を有してよい、又は複数の層で組み合わされた機能を有してよい。いくつかの実施形態では、層は環状であってよい。
【0022】
通常使用レンズ:本明細書で使用するとき、患者が通常、例えば日常的に装着するレンズを指してよい。
【0023】
通常使用レンズデータ:本明細書で使用するとき、通常使用レンズ型視力矯正装置を使用する患者の眼から取得されたデータと情報を指してよい。例えば生理的検査、トポグラフィー検査、波面検査、屈折検査を含む一連の検査を実行して、通常使用レンズデータを収集してもよい。
【0024】
レンズ設計:本明細書で使用するとき、所望のレンズの形態、機能、及び/又は外観を指してよく、屈折度補正、色的外観、治療機能、装用性、許容可能な透過性、形状、組成、順応性、許容可能なレンズのフィット感(例えば、角膜のカバレージ及び運動)、及び許容可能なレンズの回転安定性等を含むが、これらに限定されない機能特性をもたらし得る。
【0025】
本明細書で使用するとき、レンズ形成混合物:用語「レンズ形成混合物」、又は「反応性混合物」、又は「RMM」(反応性モノマー混合物)は、硬化及び架橋することができるか、又は架橋して眼用レンズを形成することができる、モノマー、又はプレポリマー材料を指す。様々な実施形態は、UV遮断剤、染料、光開始剤、又は触媒、及びコンタクト若しくは眼内レンズ等の眼科レンズに望まれ得る他の添加剤等の1つ又は2つ以上の添加剤を有するレンズ形成混合物を含むことができる。
【0026】
機械的選択肢は本明細書で使用するとき、視認可能、有形な選択肢を指してよい。機械的選択肢は、ベースカーブ、直径、中心部厚さ、安定性プロフィールを含んでよい。
【0027】
メディアインサート:本明細書で使用するとき、眼用レンズ内で電池等の通電部品を支持できる、変形可能又は剛性の基材を指してよい。実施形態によっては、メディアインサートはまた、1つ又は2つ以上の可変眼用レンズと通信システムを含む。
【0028】
測定:本明細書で使用するとき、測定の理論的要素、実用的要素の両方を指してよく、「測定装置」は材料の視覚特性及び材料特性を測定可能な器具を含む。
【0029】
成形型:本明細書で使用するとき、未硬化調合物からレンズを形成するために使用され得る、剛性又は半剛性の物体を指してよい。一部の成形型は、隆起部を含むヒドロゲルレンズの形成に使用される1つ又は複数の成形型部分を含んでよい。
【0030】
眼表面:本明細書で使用するとき、眼の前面領域を指してよい。
【0031】
眼用レンズ:本明細書で使用するとき、眼の中又は眼の上に設置される任意の眼用デバイスを指してよい。これらの装置は、視力補正を与えるものであってもよく、又は美容用であってもよい。例えば、レンズという用語は、コンタクトレンズ、眼内レンズ、オーバーレイレンズ、眼球インサート、光学インサート、又はそれによって視力が矯正若しくは改変されるか又はそれによって眼の生理学的特性が視力を妨げることなく美容的に向上する(例えば虹彩の色)ような他の同様のデバイスのことを指し得る。いくつかの実施形態では、本開示の好ましいレンズは、シリコーンエラストマー又はヒドロゲルから作製されたソフトコンタクトレンズであり、そのシリコーンエラストマー又はヒドロゲルには、限定するものではないが、シリコーンヒドロゲル、及びフルオロヒドロゲルが挙げられる。
【0032】
視力選択肢:本明細書で使用するとき、患者の視力向上に最も有用な選択肢を指してよい。視力選択肢は、低次収差補正(例えば2次、3次)、カスタム低〜中次収差補正(例えば4次、5次)、カスタム中〜高次収差補正(例えば6次、7次)を含んでよい。
【0033】
視覚ゾーン:本明細書で使用するとき、レンズ形成後に眼用レンズの装用者がそれを通じて見る眼用装置又はレンズの領域を指してよい。
【0034】
背景プロフィール:本明細書で使用するとき、眼用レンズの背景及び/又は製造履歴を指してよい。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、背景プロフィールはレンズ修正詳細、ベースカーブ、材料、暗号化デジタル識別データ、製造施設情報、認証データの内1つ又は2つ以上を含んでよい。
【0035】
周辺ゾーン:本明細書で使用するとき、用語「周辺ゾーン」又は「非視覚ゾーン」は、眼用レンズの視覚ゾーンの外側の眼用レンズの区域を指してよく、したがって、それは、眼用レンズを通常の指定されるやり方で眼の上、眼の近く、又は眼の中に装着中にレンズ装用者がそれを通して見ることになる部分の外側である。
【0036】
生理的検査:本明細書で使用するとき、眼の物理的外観を観察する検査を指してよい。限定的ではないが、生理的検査は、緑内障検査(例えば眼圧検査、眼底検査、視神経コンピュータイメージング技術等)、網膜検査(例えば眼底検査、乳頭拡大検査、オプトマップ網膜検査等)、潰瘍検査、ドライアイ症候群検査のための涙生成試験(例えばシルマー試験)、眼感染症検査等を含んでよい。
【0037】
屈折検査:本明細書で使用するとき、近視、遠視、乱視、又は老眼のようなあらゆる屈折障害の可能性を判断するため、数百ものレンズの組合せを持つ装置を使用して被験者の視覚を屈折させる検査を指してよい。追加屈折検査は、同様の検査をコンタクトレンズを装着する被験者に実施することである。
【0038】
ソフトウェアベース:本明細書で使用するとき、1つ又は2つ以上の電気的又は電子的構造を持ち、動作にソフトウェアコードを要する装置により記憶、生成、配信される情報にアクセスするための相互干渉を指してよい。ソフトウェアは1つ又は2つ以上の装置にローカルにインストールされても、遠隔地にあってもよい。
【0039】
店舗ベース:本明細書で使用するとき、購入地点(例えば施術者のオフィス、薬局、小売店、オンライン、キオスク、販売車両等)で生じる、患者と情報利用装置又は情報源要素との間の相互干渉を指してよい。
【0040】
トポグラフィー検査:本明細書で使用するとき、眼の表面特性に注目した検査を指してよい。限定的ではないが、トポグラフィー検査は、患者の眼のベースカーブ測定、角膜縁測定、瞳孔サイズ、視線測定、瞳孔中心測定、幾何学的中心測定等の特定の特性の判定に供され得る角膜及び網膜表面の曲率を含む。
【0041】
波面検査:本明細書で使用するとき、眼内で光がどのように移動するかに注目した検査を指してよい。収差計により実施可能な波面検査は、「光学式指紋」と呼ばれることもある収差マップを作製し、患者の眼の収差又は歪み(例えば、低次、中次、高次、ゼルニケ、その他機能又は記述子等)を特定するものである。低次収差の例は、近視、遠視、乱視を含む。高次収差の例は、コマ、トレフォイル、施術者球面収差を含む。
【0042】
ウェブベースは本明細書で使用するとき、施術者及び/又は患者と情報との、ワールドワイドウェブとしばしば呼ばれるインターネットを介した接続による、一方に施術者及び/又は患者が存する2地点間の通信によるほぼリアルタイム又は遅延送信に基づく相互干渉を指してよい。そのようなウェブベース相互干渉の、施術者及び/又は患者が存する地点は、店舗又は非店舗(例えば家又はオフィス)であってよい。
【0043】
図1は、通電型眼用装置用の例示的なメディアインサート100の上面図を示し、2か所断面がとられた例示的通電型眼用装置150の等角図を示す。メディアインサート100は、1つ又は2つ以上の状態で視覚矯正を行うように機能可能であり得る能動的視覚ゾーン120を含んでよい。いくつかの実施形態では、メディアインサート100は、通電部品110及び電子部品105が組み込まれた基板115を含む、光学ゾーン120外の部分を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、例えば電池であってよい電源110及び例えば半導体ダイであってよい負荷105を基板115に取り付けてもよい。導電性トレース125及び130は、電子部品105と通電要素110とを電気的に相互接続し得る。いくつかの実施形態では、メディアインサート100は、通電素子110、トレース125及び130、並びに電子部品105を保護しかつ収容するために、完全に封止され得る。いくつかの実施形態では、封止材料は、例えば水のような特定の物質がメディアインサート100に入るのを防ぎ、かつ例えば周囲の気体、流体サンプル、及び/又は通電素子110内の反応副産物のような特定の物質がメディアインサート100に出入りすることを可能にするように、半透過性であってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、メディアインサート100は、ポリマー生体適合性物質を含み得る眼用装置150に組み込むことができる、又は眼用装置150そのものであってもよい。眼用レンズ150は、中央部分が剛性でスカートが柔らかい設計を含み得、中央の剛性の光学素子がメディアインサート100を含んでいる。いくつかの具体的な実施形態では、メディアインサート100は、大気及び角膜表面とそれぞれ前面及び後面において直接接触してもよく、あるいは、メディアインサート100は眼用装置150内に封入されてもよい。眼用デバイス150の周辺155は、例えばヒドロゲル材料等を含む柔らかいスカート材料であり得る。シリコーン含有成分を含み得るヒドロゲル材料。「シリコーン含有構成成分」は、モノマー、マクロマー又はプレポリマー中に少なくとも1個の[−Si−O−]単位を含有する成分である。好ましくは、総Si及び結合Oは、シリコーン含有構成成分中に、そのシリコーン含有構成成分の総分子量の約20重量%より大きい、更に好ましくは30重量%より大きい量で存在する。有用なシリコーン含有構成成分は、好ましくは、アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニル、N−ビニルラクタム、N−ビニルアミド、及びスチリル官能基等の重合性官能基が含まれる。
【0046】
本開示の使用に好適な他のシリコーン含有構成成分としては、ポリシロキサン、ポリアルキレンエーテル、ジイソシアネート、ポリフッ素化炭化水素、ポリフッ素化エーテル、及び多糖類基を含有するマクロマー、末端のジフルオロで置換された炭素原子に結合する水素原子を有する、極性のフッ素化グラフト又は側基を有するポリシロキサン、エーテルを含有する親水性シロキサニルメタクリレート、並びにポリエーテル及びポリシロキサニル基を含有するシロキサニル結合及び架橋性モノマーが挙げられる。前述のポリシロキサンのいずれも、シリコーン含有成分として本開示に用いることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、メディアインサート100及び眼用装置150のインフラストラクチャは、本発明の態様に係る眼表面に接触した眼液の分析をする環境を提供してよい。眼液サンプルは、涙液、房水、硝子体液、及び他の眼の中に位置する組織液の任意の1つ又は組合せを含むことができる。
【0048】
図2Aは、本開示の態様に係る別の例示的通電型眼用レンズ200の図式的表現を示す。例示的通電型眼用レンズ200は、メディアインサート204を支持し、いくつかの実施形態では封入することが可能な、軟プラスチック及び/又はヒドロゲル部202を含んでよい。本開示の態様によると、メディアインサート204は、電子装置に起動され、例えば起動に応じて近く又は遠くの画像にフォーカスする弓形液体メニスカスレンズ206を有してよい。
【0049】
集積回路208は、メディアインサート204上に装着可能で、電源210(例えば電池)、レンズ206、及びシステムの必要性に応じて他の構成要素に接続する。集積回路208は、光センサ212及び関連した光検出器信号経路回路を含んでよい。光センサ212は、レンズインサートを通して外側を向いてよく、眼から見て外側に向くため、周辺光を受信することができる。光センサ212は、例えば、単一のフォトダイオード又はフォトダイオードのアレイとして、集積回路208上に実装されてもよい(図示)。光センサ212はまた、メディアインサート204上に装着され、かつ配線トレース214と接続された独立した装置として実現されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、弓形液体メニスカスレンズ206の状態変化用起動信号はユーザーのまばたきによりトリガされてよい。まぶたが閉じるときに、光検出器212を含むメディアインサート204は覆われ、それによって、光センサ212に入射する光レベルが低減する。光検出器212は、周辺光を測定可能で、ユーザーがまばたきしているかを判定する。まばたき検出システムを含むいくつかの実施形態では、ユーザーからの起動信号を特定するため、より多様なまばたきシーケンスの長さ、間隔を使用可能とするアルゴリズムが実施されてよい。例えば、固定されたテンプレートの使用又はマスクの「考慮しない」間隔(0値)の拡大ではなく、測定された第1のまばたきの終了時間に基づき第2のまばたきの開始のタイミングを測定する。
【0051】
まばたき検出アルゴリズムは、システムコントローラ210のプロセッサ上で動作するデジタル論理又はソフトウェアで実現されてもよいことが理解されよう。アルゴリズム論理又はシステムコントローラ210は、光検出信号経路回路及びシステムコントローラを有する単一の特定用途向け集積回路であるASICに実装されてもよく、あるいは、複数の集積回路に分割されてもよい。本開示のまばたき検出システムは、視力診断、視力矯正、及び視力補助よりも広範な用途を有するということに留意することが重要である。これらの広範な用途は、身体障害を有する個人のための多種多様な機能性を制御する手段として、まばたき検出を利用することを含む。
【0052】
物体の存在及び位置を検出するためのセンサ、即ち、エミッタ−検出器対、並びに瞳孔拡張センサについても同様である。これら全てのセンサで読み取られたものは、電子又は電動式眼用レンズに組み込まれる各種システムに実現される制御プロトコルの信号又は値に利用できる。
【0053】
ここで図2Bを参照すると、液体メニスカスレンズ206の断面図は、前方湾曲レンズ201と、後方湾曲レンズ223とを有する。前方湾曲レンズ201及び後方湾曲レンズ223は、相互に隣接して位置し、それらの間に弓形空洞213を形成してよい。前方湾曲レンズは、凹状弓形内側レンズ表面203と、凸状弓形外側レンズ表面215とを含む。凹状弓形レンズ表面203は、1つ又は2つ以上のコーティング(図2に図示せず)を有してよい。コーティングは、例えば、導電性の材料又は電気的に絶縁性の材料、疎水性材料又は親水性材料のうちの1つ以上を含むことができる。弓形レンズ表面203及びコーティングのうちの1つ又は両方は、空洞213内に収容される油217と液体及び光学連通である。
【0054】
後方湾曲レンズ223は、凸状弓形内側レンズ表面205と、凹状弓形外側レンズ表面219とを含む。凸状弓形レンズ表面205は、1つ以上のコーティング(不図示)を有することができる。コーティングは、例えば、導電性の材料又は電気的に絶縁性の材料、疎水性材料又は親水性材料のうちの1つ以上を含むことができる。凸状弓形レンズ表面205及びコーティングのうちの少なくとも1つは、空洞213内に収容される生理食塩水溶液207と液体連通及び光学連通している。生理食塩水溶液207は、導電性である1つ以上の塩又は他の成分を含んでよく、そのため、電荷に引き寄せられるか、又はそれによって退けられるかのいずれかであり得る。
【0055】
本発明によると、導電性のコーティング209は、前方湾曲レンズ201及び後方湾曲レンズ202のうちの1つ又はその両方の周辺部の少なくとも一部に沿って位置する。導電性のコーティング209は、金又は銀を含むことができ、好ましくは生体適合性である。電荷を導電性のコーティング209に印加することにより、生理食塩水溶液中の導電性の塩又は他の成分を引き寄せるか、又は退けるかのいずれかを生じさせる。
【0056】
前方湾曲レンズ201は、凹状弓形内側レンズ表面203及び凸状弓形外側レンズ表面215を通過する光に関して屈折度を有する。屈折度は、0であるか、又は正若しくは負の度数であってもよい。一部の好ましい実施形態では、屈折度は、非限定的な例として、−8.0〜+8.0ジオプターの度数等の矯正コンタクトレンズに典型的に見られる度数である。
【0057】
後方湾曲レンズ223は、凸状弓形内側レンズ表面205及び凹状弓形外側レンズ表面219を通過する光に関して屈折度を有する。屈折度は、0であるか、又は正若しくは負の度数であってもよい。いくつかの実施形態では、屈折度は、非限定的な例として、−8.0〜+8.0ジオプターの度数等の矯正コンタクトレンズに典型的に見られる度数である。
【0058】
様々な実施形態はまた、生理食塩水溶液207と油217との間に形成される液体メニスカス211の形状の変化に関連する屈折度の変化も含むことができる。いくつかの実施形態では、屈折度の変化は、例えば、0〜2.0ジオプター変化の変化のように、比較的小さくてよい。他の実施形態では、液体メニスカスの形状の変化に関連する屈折度の変化は、最大約30又はそれ以上のジオプターの変化であってよい。一般に、液体メニスカス211の形状の変化に関連する、より大きな屈折度の変化は、比較的厚めのレンズ厚221に関連する。
【0059】
コンタクトレンズ等の眼用レンズに含まれ得るそれらの実施形態等の本発明のいくつかの実施形態によると、弓形液体メニスカスレンズ206の横断レンズ厚221は、最大約1,000マイクロメートルである。比較的薄めの眼用レンズ200の例示的レンズ厚221は、最大約200マイクロメートルである。好ましい実施形態は、約600マイクロメートルのレンズ厚221の液体メニスカスレンズ206を含むことができる。一般に、前方湾曲レンズ201の横断厚は、約35マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってよく、後方湾曲レンズ202の横断厚はまた、約35マイクロメートル〜約200マイクロメートルであってもよい。
【0060】
本発明によると、集合屈折力は、前方湾曲レンズ201、後方湾曲レンズ223、及び油217と生理食塩水溶液207との間に形成される液体メニスカス211の屈折度の集合である。いくつかの実施形態では、レンズ200の屈折度は、前方湾曲レンズ201、後方湾曲レンズ223、油217、及び生理食塩水溶液207のうちの1つ以上の間での屈折率の差も含む。
【0061】
眼用レンズ200に組み込まれる弓形液体メニスカスレンズ206を含むそれらの実施形態では、コンタクト着用者が動くため、生理食塩水207及び油217が、湾曲した液体メニスカスレンズ200内のそれらの相対位置で安定した状態を保つことが、更に望ましい。一般に、着用者が動くとき、油217が、生理食塩水207に対して浮動かつ移動するのを防止することが好ましく、したがって、油217と生理食塩水溶液207の組合せは、好ましくは、同一又は類似する密度状態に選択される。加えて、油217と生理食塩水溶液207は、生理食塩水217と油208が混合しないように、比較的低い不混和性を有することが好ましい。
【0062】
一部の好ましい実施形態では、空洞213内に収容される生理食塩水溶液207の体積は、空洞213内に収容される油217の体積より大きい。加えて、一部の好ましい実施形態は、後方湾曲レンズ223の内側表面205の実質的に全体と接触する生理食塩水溶液207を含む。いくつかの実施形態は、生理食塩水溶液207の量と比較して、約66容積%以上である容積の油217を含んでもよい。一部の更なる実施形態は、生理食塩水溶液207の量と比較して、油217の容積が約90容積%以下である、弓形液体メニスカスレンズを含むことができる。
【0063】
図3は、自身の層330、331、332のうち1つ又は2つ以上に通電及び電子部品を有する可変弓形液体メニスカスレンズ310を含むように構成される機能化多層メディアインサート320を含む、更なる例示的眼用レンズ300の3次元断面図を示す。本例示的実施形態では、メディアインサート320は、眼用レンズ300の周辺全体を取り囲む。当業者は、実際のメディアインサート320が、完全な環状輪又は眼用レンズ300のヒドロゲル部分の内側又はその上になお存在し、及びユーザーの眼の環境により生じる大きさ及び形状の制約内にある、他の形状を含んでもよいということを理解できる。
【0064】
層330、331、及び332は、積層された機能層として形成されるメディアインサート320内に存在する複数の層のうちの3つとして示されるものである。いくつかの実施形態では、例えば1つの層が、能動及び受動部品並びに本開示に記載する通電、プログラミング、制御機能を含む特定目的に寄与する構造的、電気的、又は物理的特性を有する部分のうちの1つ又は2つ以上を含んでよい。例えば、いくつかの実施形態では、層330は、電池、コンデンサ、及びレシーバのうちの1つ以上といったエネルギー源を、層330内部に含み得る。限定的でなく、あくまで例示的だが、アイテム331は、眼科用レンズ300のための作動信号を検出する層内の微小回路を含んでもよい。一部の実施形態では、外部供給源から電力を受け取り、電池層330を充電し、レンズ300が充電環境にない場合には層330からの電池電力の使用を制御することができる電力調整層332が含まれてもよい。電力調整はまた、メディアインサート320の中央の環状の切り取り部内の、例示的な能動的弓形液体メニスカスレンズ310への信号の制御となり得る。
【0065】
埋め込み型メディアインサート320を備えた通電レンズは、例えば、エネルギー貯蔵手段としての電気化学セル又は電池等のエネルギー源を含んでもよく、及び一部の実施形態では、眼用レンズを配置した環境からのエネルギー源を含む材料の封入、及び分離するための手段を含んでもよい。いくつかの実施形態では、メディアインサート320はまた、回路、構成要素、及びエネルギー源のパターンを含むことができる。様々な実施形態は、眼用レンズの装用者が眼用レンズを通して見る視覚ゾーンの周辺部の周りに回路パターン、部品、及びエネルギー源を配置するメディアインサート320を含む場合があるが、一方で、他の実施形態は、眼用レンズの装用者の視界に悪影響を及ぼさないほどの小型であることができる、回路パターン、部品、及びエネルギー源を含んでもよく、したがって、メディアインサート320はこれらが視覚ゾーンの内部又は外部に配置されてもよい。
【0066】
図4は、本発明のいくつかの実施形態を実現するために使用され得る、例示的システムコントローラ400のブロック図を示す。システムコントローラ400は、通信装置420に結合する、1つ又は2つ以上のプロセッサ部品を含み得るプロセッサ410を含む。一部の実施形態では、システムコントローラ400を使用して、眼用レンズ内に配置されるエネルギー源にエネルギーを送信することができる。
【0067】
システムコントローラ400は、通信路を介して論理電気信号を通信するように構成された通信装置420と結合された、1つ以上のプロセッサ410を含むことができる。例えば、通信装置420は、例えば、弓形液体メニスカスレンズの状態の変化、電気部品の起動、センサデータの記録、動作プロトコルのプログラミング及び実行、部品動作用のコマンド送信のうちの1つ以上を電子的に制御するために使用されてもよい。
【0068】
通信装置420を使用することによってまた、例えば、1つ以上の無線ユーザーインターフェイス装置、測定装置及び/又は製造機器部品と通信してもよい。システムプロセッサ410は、記憶装置430とも通信する。記憶装置430は、磁気記憶デバイス(例えば、磁気テープ及びハードディスクドライブ)、光記憶装置、及び/又はランダムアクセスメモリ(RAM)装置及びリードオンリーメモリ(ROM)装置等の半導体記憶デバイスを含む、任意の適切な情報記憶装置を備え得る。
【0069】
記憶装置430は、プロセッサ410を制御するためのプログラム440を記憶することができる。プロセッサ410は、プログラム440の指示を実行し、それによって、本開示に従って動作する。例えば、プロセッサ410は、固有識別子、センサデータ、較正データ、動作プロトコル、ユーザー情報、及び眼用レンズの動作用及び/又はいくつかの実施形態ではユーザープロフィールの作成のために含まれるその他データを含むデータを送信してよい。したがって、記憶装置430はまた、1つ又は2つ以上のデータベース450〜660内に眼関連データを記憶することもできる。
【0070】
図5に、或る患者の視力矯正のシミュレーション500の典型的例示を示す。具体的には、図5は、レンズデザインデータを使用して、当該患者が利用可能な視力矯正の選択肢を示すために生成されるシミュレートされたスネレン視力表を示す。患者の裸眼データに関する情報が提供され、利用可能な視力選択肢が2つ以上選択、表示される。患者は必要性、好みに応じて選択することが可能である。本発明の特定の実施形態では、患者に情報を要求し、適切な選択肢を選択する基本的ステップは、実質的に連続した、双方向的な処理として行われる。
【0071】
例えば、店舗の表示装置が、使用者に質問に答えることを促すこと、回答を記録すること、回答に応じて新たな質問及び/又は選択肢を提供すること、上述の回答に基づく適切な分類の選択を可能とする双方向性コンピュータを備えてよい。別の実施形態では、患者からの情報収集は、ワールドワイドウェブ上の双方向サイト、メニュー動作式双方向電話システム等を使用して行われてよい。チャート、表、その他の図は、上述のように患者に情報を要求し、患者に好みを選ぶ処理をさせるように装置に使用されてよい。同様に、チャート、図等は、ワールドワイドウェブ等のようなネットワークを介して配信されてよい。
【0072】
アイケア関係施術者、業者、又はアイケア製品の推奨、小売り、宣伝、流通、無料配布、貿易を行うその他個人及び/又は場所に、本発明の方法に係る視力矯正選択肢選択用の情報を配信してよい。本用途について説明された相互作用は、患者、患者の介護者、患者の親、患者のアイケア関係施術者、業者又はアイケア製品の販売に係るその他関係者の間で行われてよい。更に、任意の利用可能な分類に属する利用可能な視力矯正オプションを1つ又は2つ以上含むディスプレイケース近傍で選択は行われてよい。
【0073】
図6は、本開示のシステムの多焦点眼用レンズのプログラミングに使用できる方法ステップを例示するフローチャートを示す。ステップ701において、距離Xについて患者が視力矯正を必要とするか判定するために、視力シミュレーション双方向性ソフトウェアを使用して、患者の眼の検査を行ってよい。そのステップ701の眼の検査又は別の種類の検査が実行中に、ステップ705において、同様に視力シミュレーション双方向性ソフトウェアを使用して、第2の距離Yについて患者が視力矯正を必要とするか判定してよい。ステップ710において、裸眼データ又は測定値を、1つ以上の検査の最中に取得してよい例えば、眼の検査は、トポグラフィー検査、波面検査及び/又は生理的検査を含んでよい。検査は、ソフトウェアベース、店舗ベース、ウェブベースデータ収集方法の1つ又は組合せを含んでよい。
【0074】
ステップ715において、利用可能製品の少なくとも1つのレンズデザイン選択肢を取得する。例えば、レンズデザイン選択肢は、装着用の幾何学的形状、光学特性、機能部品、機械的選択肢等を含んでよい。当該取得されたレンズデザインオプションは、選択された選択肢に基づく視覚シミュレーションを提供する視覚シミュレーションソフトウェアにより実現可能である。視力シミュレーションは、患者が利用可能な1つ又は2つ以上のレンズデザイン選択肢による視力効果を予測する図形的表現のシミュレーション表示として患者に提供されてもよい。
【0075】
ステップ720において、距離Xについて、患者が必要とする視力矯正を可能とする眼用レンズを選択してよい。ステップ725において、選択された眼用レンズに応じて、距離Yについての視力矯正特性を提供するための、弓形液体メニスカスレンズの光学的状態を変化するための動作プロトコルがプログラミングされる。プロトコルは、起動信号に応じて実行されてよい。上述のように、起動信号は、例えば、まばたき検出システムによりトリガされてよい。更に、いくつかの実施形態では、1つの状態は視力矯正光学特性を一切含まなくてもよい。例えば、第1状態の眼用レンズでは近視用視力矯正特性がプログラムされ、第2状態では視力矯正が起きないようにしてもよい。これは近視、遠視の一方のみのために視力矯正が必要なユーザーに有用である。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) 開示される、患者に多焦点視力矯正を提供するシステムであって、
電池と弓形液体メニスカスレンズの一方又は両方を封入するメディアインサートと、前記メディアインサートを支持するヒドロゲル部と、を含む通電型眼用レンズと、
前記通電型眼用レンズのシステムプロセッサに論理電気接続され(in logical electrical connection)、ユーザーの屈折検査からのデータを無線で受信するように構成された通信システムと、
前記メディアインサートに支持され、ユーザーからの入力及び前記屈折検査からの前記無線で受信したデータに基づくプログラム信号に応じて、前記弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスの形状を第1状態から第2状態に変化させるように構成された前記システムプロセッサと、を含み、
前記眼用レンズの幾何学形状は、少なくとも部分的にトポグラフィー検査により定められ、眼の前眼表面の装着に有用であり、前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスが第1状態にあるとき、遠方視力障害を矯正可能であり、
前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの形状の、第1状態から第2状態への変化により、近視障害を矯正可能である、システム。
(2) 実施態様1に記載のシステムであって、
前記屈折検査は遠隔地にて、シミュレーションされた図形的比較を表示し、シミュレーションされた図形的表現の1つ又は2つ以上を見た際に前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
(3) 実施態様2に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた図形的比較を表示するように構成された前記ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び眼用レンズ幾何学形状情報を使用する、システム。
(4) 実施態様2に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記図形的比較を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
(5) 実施態様2に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記図形的比較を表示可能な携帯端末により実行される、システム。
【0077】
(6) 実施態様2に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、ユーザーのフィードバックと測定屈折検査情報の一方又は両方を、アイケア施術者に送信可能である、システム。
(7) 実施態様1に記載のシステムであって、
前記屈折検査はアイケア施術者のオフィスにて、シミュレーションされた図形的表現を表示し、前記シミュレーションされた図形的表現を見た際に前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
(8) 実施態様7に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた図形的比較を表示するように構成された前記ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び製品幾何学形状情報を使用する、システム。
(9) 実施態様7に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記弓形液体メニスカスレンズの前記液体メニスカスの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記図形的比較を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
(10) 開示される、患者に多焦点視力矯正を提供するシステムであって、
電池と弓形液体メニスカスレンズの液体メニスカスを封入するメディアインサートと、前記メディアインサートを支持するヒドロゲル部と、を含む通電型眼用レンズと、
前記眼用レンズのシステムプロセッサに論理電気接続され、ユーザーの屈折検査からのデータを受信するように構成された通信システムと、
前記メディアインサートに支持され、ユーザーからの入力及び前記屈折検査からの前記受信したデータに応じて、前記液体メニスカスレンズの形状を第1状態から第2状態に変化させるように構成された前記システムプロセッサと、を含み、
前記眼用レンズの幾何学形状は、少なくとも部分的にトポグラフィー検査により定められ、眼の前眼表面の装着に有用であり、前記液体メニスカスレンズが第1状態にあるとき、近方視力障害を矯正可能であり、
前記液体メニスカスレンズの形状の、第1状態から第2状態への変化により、遠視障害を矯正可能である、システム。
【0078】
(11) 実施態様10に記載のシステムであって、
前記屈折検査は遠隔地にて、シミュレーションされた図形的比較を表示し、シミュレーションされた図形的表現を見た際に前記液体メニスカスレンズの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
(12) 実施態様11に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた図形的比較を表示するように構成された前記ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び製品幾何学形状情報を使用する、システム。
(13) 実施態様11に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記液体メニスカスレンズの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記図形的比較を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
(14) 実施態様11に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記液体メニスカスレンズの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記図形的比較を表示可能な携帯端末により実行される、システム。
(15) 実施態様11に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、ユーザーのフィードバックと測定屈折検査情報の一方又は両方を、アイケア施術者に送信可能である、システム。
【0079】
(16) 実施態様10に記載のシステムであって、
前記屈折検査はアイケア施術者のオフィスにて、シミュレーションされた図形的表現を表示し、前記シミュレーションされた図形的表現を見た際に前記液体メニスカスレンズの前記形状の変化による予測される視力性能に対応したユーザーフィードバックを受信するように構成された診断ソフトウェアを使用して行われる、システム。
(17) 実施態様16に記載のシステムであって、
前記シミュレーションされた図形的比較を表示するように構成された前記ソフトウェアは、前記予測される視力性能をシミュレーションするために、角膜トポグラフィー情報及び製品幾何学形状情報を使用する、システム。
(18) 実施態様16に記載のシステムであって、
前記診断ソフトウェアは、前記第2状態の前記液体メニスカスレンズの前記形状の前記予測される視力性能により修正された図形的表現を含む前記図形的比較を表示可能なパーソナルコンピューターにより実行される、システム。
(19) 二焦点視力矯正を提供する通電型眼用レンズをプログラミングする方法であって、
距離Xについてユーザーの視力矯正の必要性を判断することと、
距離Yについてユーザーの視力矯正の必要性を判断することと、
患者の少なくとも1つの裸眼データ測定値と、前記患者の前記少なくとも1つの裸眼データ測定値に対応する1つ又は2つ以上のレンズデザインオプションとを取得することと、
前記取得された1つ又は2つ以上のレンズデザインオプションの視力効果を予測する図形的表現のシミュレーションされた表示を提供することと、
前記シミュレーションされた表示から、ヒドロゲル支持構造とメディアインサートとを含む眼用レンズを選択することであり、前記メディアインサートの少なくとも一部が前記ヒドロゲル部に支持され、前記眼用レンズの視覚ゾーンの一部の上に配置され、前記眼用レンズの視覚オプションは距離Xでの視力を矯正可能な視力効果を提供する、眼用レンズを選択することと、
距離Yでのイメージについて、前記レンズの視力矯正特性の状態を切り替える動作プロトコルをプログラミングすることと、を含む、方法。
(20) 実施態様19に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの裸眼データ測定値は、施術者のオフィス、小売店、キオスク、車両、患者の職場、及び患者の家からなる群から選択される場所で取得される、方法。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6