【実施例】
【0058】
以下の実施例は本発明の特定の実施形態を例示し、いかなる方法でも限定するものと解釈されるべきでない。
【0059】
IV.例
式(IV-a〜IV-d)のビニルトリフレートの生成(
図18を参照されたい)
例1:式 (III-a)の化合物の合成
式(II)のプラステロン(30 g, 104.2 mmole)、イミダゾール(21.2 g, 312.6 mmole)及びDCM (150 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を20〜30℃で約5分間撹拌し、均一溶液を得た。TMSCl (29.7g, 234.5 mmole)及びDCM (150 mL)を含む混合物を20〜30℃で添加した。得られた混合物を20〜30℃で2時間撹拌し、反応を完了した。混合物をろ過し、イミダゾールHCl塩を除去し、ろ液を約40℃にて減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。MeCN (300 mL)を濃縮物に添加し、得られた混合物を、体積が150 mLとなるまで、約40℃で減圧下に蒸留した。混合物を約78℃に加熱し、均一溶液を得た。20〜30℃に冷却した後に、混合物をろ過し、そしてろ過ケーキをMeCN (30 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、化合物(III-a) (30.6 g)を81.6%収率で提供した。
【0060】
1H-NMR (400 MHz, アセトン-d6) δ5.38 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 3.55-3.49 (m, 1 H), 2.45-2.38 (m, 1 H), 2.26-1.51 (m, 14 H), 1.37-1.33 (m, 2 H), 1.29-1.02 (m, 2 H), 1.06 (s, 3 H), 0.88 (s, 3 H), 0.11 (s, 9 H)。
【0061】
例2:式(IV-a)の化合物の合成
化合物(III-a) (20 g, 55.6 mmole)、PhNTf
2 (25.8 g, 72.3 mmole)及びTHF (100 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を0〜10℃に冷却した。NaHMDS (THF中2M、41.7 mL, 83.4 mmole)をゆっくりと0〜10℃で1時間添加した。反応が完了した後に、トルエン(100 mL)及び水(120 mL)を混合物に添加し、そして混合物を20〜30℃で約5分間撹拌した。相分離後に有機部分を分離し、順次に1N HCl(aq) (120 mL)、8% NaHCO
3(aq) (120 mL)及び水(120 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を減圧下に約40℃でほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/50)に供し、精製された式(IV-a)の化合物 (24.7 g)を90.3%収率で提供した。
【0062】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.60 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 5.36 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 3.56-3.47 (m, 1 H), 2.32-2.20 (m, 3 H), 2.07-2.00 (m, 2 H), 1.18-1.59 (m, 10 H), 1.15-1.04 (1.04 (s, 3 H), 0.89 (s, 3 H), 0.11 (s, 9 H)。
【0063】
例3:式(III-b)の化合物の合成
式(II)のプラステロン (30 g, 104.2 mmole)、イミダゾール(21.2 g, 312.6 mmole)、DMAP (1.27 g, 10.4 mmole)及びDCM (300 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。TBSCl (31.3 g, 208.4 mmole)を20〜30℃で添加した後に、混合物を30〜40℃に加熱し、2時間撹拌し、反応を完了させた。水(150 mL)を添加し、混合物を20〜30℃で約5分間撹拌した。相分離の後に、分離された有機部分を約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。アセトン(200 mL)を濃縮物に添加し、そして混合物を50〜55℃で加熱し、均一溶液を得た。水(400 mL)を50〜55℃で添加し、得られた混合物をこの温度で30分間撹拌した。0〜10℃に冷却した後に、混合物をろ過し、そしてろ過ケーキをアセトン及び水の混合物(1/2, 40 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、化合物(III-b) (40.7 g)を97.2%収率で提供した。
【0064】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.37 (dd, J = 3.6, 1.6 Hz, 1 H), 3.54-3.48 (m, 1 H), 2.52-2.45 (m, 1 H), 2.13-1.40 (m, 14 H), 1.30-1.29 (m, 2 H), 1.15-1.05 (m, 2 H), 1.05 (s, 3 H), 0.91 (s, 3 H), 0.91 (s, 9 H), 0.08 (s, 6 H)。
【0065】
例4:式 (IV-b)の化合物の合成
化合物(III-b) (6.9 g, 17.2 mmole), PhNTf
2 (12.2 g, 34.4 mmole)及びTHF (34.5 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を0〜10℃に冷却した。NaHMDS (THF中1M, 30.8 mL, 31.0 mmole)を0〜10℃で1時間、ゆっくりと添加した。反応が完了した後に、混合物をトルエン(70 mL)及び水(100 mL)と混合した。得られた混合物を20〜30℃で約5分間撹拌した。相分離の後に、有機部分を分離した。有機部分を順次に1N HCl(aq) (100 mL), 8% NaHCO
3(aq) (100 mL)及び水(100 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/50)に供し、化合物(IV-b) (7.89 g)を85.9%収率で提供した。
【0066】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.60 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 5.35 (m, 1H), 3.53-3.49 (m, 1 H), 2.30-2.22 (m, 3 H), 2.06-2.00 (m, 2 H), 1.83-1.48 (m, 10 H), 1.15-1.06 (m, 2 H), 1.06 (s, 3 H), 1.02 (s, 3 H), 0.91 (s, 9 H), 0.08 (s, 6 H)。
【0067】
例5:式 (III-c)の化合物の合成
式(II)のプラステロン (700 g, 2.43 mole)、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン(305 g, 3.63 mole)、ピリジニウムp-トルエンスルホネート (60.7 g, 0.24 mole)及びDCM (16 L)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を20〜30℃で16時間撹拌し、反応を完了した。水(8 L)を20〜30℃で添加し、混合物をこの温度で約5分間撹拌した。相分離の後に、有機部分を40〜45℃で減圧下に体積が約3.5 Lになるまで濃縮した。アセトン(14 L)を添加し、そして混合物を40〜45℃で減圧下に体積が約7Lになるまで濃縮した。アセトン(14 L)を添加し、そして混合物を40〜45℃で減圧下に体積が約7 Lとなるまで濃縮した。水(7 L)を濃縮物に45〜55℃で添加し、得られた混合物をこの温度で1時間撹拌した。混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、そしてろ過ケーキをアセトン及び水の混合物 (1/1, 1.6 L)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、化合物(III-c) (873 g)を96.6%収率で提供した。
【0068】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.37 (dd, J = 11.6, 6.0 Hz, 1 H), 4.71 (dd, J = 4.8, 2.4 Hz, 1 H), 3.91-3.89 (m, 1 H), 3.54-3.49 (m, 2 H), 3.37-2.46 (m, 2 H), 2.20-1.52 (m, 20 H), 1.28-1.27 (m, 1 H), 1.09-0.99 (m, 2 H), 0.99 (s, 3 H), 0.88 (s, 3 H)。
【0069】
例6:式 (IV-c)の化合物の合成
化合物(III-c) (36 g, 96.8 mmole)、PhNTf
2 (60.5 g, 169.4 mmole)及びTHF (180 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を0〜10℃に冷却した。NaHMDS (THF中 1M、145.2 mL, 145.2 mmole)を0〜10℃で1時間、ゆっくりと添加した。反応が完了した後に、混合物をトルエン(180 mL)及び水(540 mL)と混合した。得られた混合物を20〜30℃で約5分間撹拌した。相分離の後に、有機部分を分離した。有機部分を順次に1N HCl(aq) (540 mL)、8% NaHCO
3(aq) (540 mL)及び水(540 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/30)に供し、精製された化合物(IV-c) (40.9 g)を83.8%収率で提供した。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 5.59 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 5.37 (m, 1 H), 4.74-4.72 (m, 1 H), 3.94-3.92 (m, 1 H), 3.56-3.50 (m, 2 H), 2.40-2.39 (m, 1 H), 2.30-2.22 (m, 1 H), 2.05-1.50 (m, 19 H), 1.10-1.06 (m, 2 H), 1.06 (s, 3 H), 1.01 (s, 3 H)。
【0070】
例7:式 (III-d)の化合物の合成
式(II)のプラステロン(10 g, 34.7 mmole)、TrCl (17.4 g, 62.5 mmole)、DMAP (0.42 g, 3.5 mmol)及びピリジン(100 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を110℃に加熱し、そして16時間撹拌し、反応を完了した。DCM (500 mL)及び水(300 mL) を、混合物を20〜30℃に冷却した後に添加した。混合物を20〜30℃で約5分間撹拌した。相分離の後に、分離された有機部分を保存した。分離された水性部分にDCM (200 mL)を20〜30℃で添加し、そして混合物をこの温度で約5分間撹拌した。分離された有機部分を相分離の後に保存した。2つの有機部分を合わせ、約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/10)に供し、精製された化合物 (III-d) (12.5 g)を67.9%収率で提供した。
【0071】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.56-7.53 (m, 6 H), 7.33-7.25 (m, 9 H), 4.94 (d, J = 5.2, Hz, 1 H), 3.41-3.36 (m, 1 H), 2.49-2.42 (m, 1 H), 2.20-1.20 (m, 16 H), 0.99 (s, 3 H), 0.86 (s, 3 H), 0.91-0.78 (m, 2 H)。
【0072】
例8:式 (IV-d)の化合物の合成
化合物(III-d) (10.5 g, 19.8 mmole)、PhNTf
2 (14.1 g, 39.6 mmole)及びTHF (55 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を0〜10℃に冷却した。NaHMDS (THF中 1M、35.6 mL, 35.6 mmol)を0〜10℃で1時間、ゆっくりと添加した。反応が完了した後に、混合物をトルエン(50 mL)及び水(160 mL)と混合した。相分離の後に、分離された有機部分を保存した。分離された水性部分にトルエン(50 mL)を20〜30℃で添加し、混合物をこの温度で約5分間撹拌した。相分離の後に、分離された有機部分を保存した。2つの有機部分を合わせ、約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/50)に供し、精製された化合物(IV-d) (9.4 g)を71.7%収率で提供した。
【0073】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.56-7.53 (m, 6 H), 7.33-7.25 (m, 9 H), 5.57 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 4.91 (d, J = 5.2 Hz, 1 H), 3.38-3.37 (m, 1 H), 2.23-2.15 (m, 2 H), 2.01-1.94 (m, 2 H), 1.87-1.34 (m, 11 H), 1.03 (s, 3 H), 0.99 (s, 3 H), 0.99-0.81 (m, 2 H)
【0074】
或いは、NaHMDSをLiHMDS, KHMDS 又はLDAなどの他の強塩基で置き換えることができる。各塩基を、化合物(III, 5 mmol)及びPhNTf
2 (1/1.3, 当量/当量) を含む THF (5 vol)中に溶液に0〜10℃で約1時間添加した。他の強塩基を用いて得られた化合物(IV) の収率(化合物(III-a〜III-d)からの工程にわたる)を表1に示し、例えば、KHMDSは81.6%〜93.4%の範囲の収率を提供し、LiHMDSは80.8%〜93.7%の範囲の収率を提供し、LDA は56.9%〜71.0%の範囲の収率を提供した。
【表1】
【0075】
アビラテロン(I)の合成 (
図19を参照されたい)
例9:式(VII-a)の化合物の合成
化合物(IV-a) (2.0 g, 4.1 mmole)、ジエチル (3-ピリジル)ボラン(0.6 g, 4.1 mmole)、Na
2CO
3 (0.43 g, 4.1 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (21 mg, 0.03 mmole)、トルエン(10 mL)、THF (6 mL)、EtOH (4 mL)及び水(10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に0.5時間加熱した。反応が完了した後に、有機部分を相分離後に分離した。有機部分を水(20 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/7)に供し、精製された化合物(VII-a) (1.48 g)を86.2%収率で提供した。
【0076】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.64 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.48 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.67 (ddd, 1 H), 7.26-7.22 (m, 1 H), 6.02 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 5.39 (dd, J = 5.2, 3.2 Hz, 1 H), 3.56-3.48 (m, 1 H), 2.37-2.20 (m, 3 H), 2.12-2.04 (m, 3 H), 1.86-1.45 (m, 9 H), 1.16-1.09 (m, 2 H), 1.08 (s, 3 H), 1.07 (s, 3 H), 0.14 (s, 9 H)。
【0077】
例10:式 (VII-b)の化合物の合成
化合物(IV-b) (13.3 g, 24.8 mmole)、ジエチル (3-ピリジル)ボラン(5.5 g, 37.4 mmole)、Na
2CO
3 (8.5 g, 80.2 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (350 mg, 0.5 mmole)、トルエン(67 mL)、THF (40 mL)、EtOH (20 mL)及び水 (100 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。得られた混合物を70〜75℃に1時間加熱した。反応が完了した後に、相分離後に有機部分を分離した。有機部分を水(100 mL)で洗浄し、分離し、そして約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー (溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/6)に供し、精製された化合物(VII-b) (9.38 g)を81.7%収率で提供した。
【0078】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.64 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.48 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.67 (ddd, 1 H), 7.26-7.23 (m, 1 H), 6.02 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 5.38 (dd, J = 5.6, 2.0 Hz, 1 H), 3.56-3.48 (m, 1 H), 2.35-2.20 (m, 3 H), 2.15-2.05 (m, 3 H), 1.88-1.47 (m, 9 H), 1.14-1.09 (m, 2 H), 1.08 (s, 3 H), 1.07 (s, 3 H), 0.92 (s, 9 H), 0.09 (s, 6 H)。
【0079】
例11:式 (VII-c)の化合物の合成
化合物(IV-c) (2.0 g, 4.0 mmole)、ジエチル (3-ピリジル)ボラン(0.59 g, 4.0 mmole)、Na
2CO
3 (0.25 g, 2.4 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (14 mg, 0.02 mmole)、トルエン(10 mL)、THF (6 mL)、EtOH (4 mL)及び水(10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に2時間加熱した。反応が完了した後に、相分離後に有機部分を分離した。有機部分を水 (20 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン= 1/4)に供し、精製された化合物 (VII-c) (1.48 g)を85.5%収率で提供した。
【0080】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.62 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.46 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.65 (ddd, 1 H), 7.29-7.20 (m, 1 H), 6.00 (dd, J = 3.2, 2.0 Hz, 1 H), 5.39 (dd, J = 5.6, 2.0 Hz, 1 H), 4.74-4.72 (m, 1 H), 3.93-3.92 (m, 1 H), 3.55-3.51 (m, 2 H), 2.40-2.39 (m, 2 H), 2.26-2.24 (m, 2 H), 2.06-2.04 (m, 3 H), 1.88-1.49 (m, 14 H), 1.10-1.05 (m, 2 H), 1.08 (s, 3 H), 1.05 (s, 3 H)。
【0081】
例12:式 (VII-d)の化合物の合成
化合物(IV-d) (12.5 g, 18.8 mmole)、ジエチル(3-ピリジル)ボラン (4.1 g, 28.2 mmole)、Na
2CO
3 (8.5 g, 80.2 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (130 mg, 0.19 mmole)、トルエン (63 mL)、THF (38 mL)、EtOH (20 mL)及び水 (100 mL)を適切なフラスコに 20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に0.5時間加熱した。反応が完了した後に、相分離の後に有機部分を分離した。有機部分を水 (100 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約40℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン = 1/6)に供し、精製された化合物(VII-d) (9.45 g)を85.0%収率で提供した。
【0082】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.62 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.47 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.71 (ddd, 1 H), 7.56-7.54 (m, 6 H), 7.33-7.23 (m, 10 H), 6.02 (dd, J = 2.8, 1.6 Hz, 1 H), 4.95 (dd, J = 4.8, 2.0 Hz, 1 H), 3.40-3.37 (m, 1 H), 2.89-2.11 (m, 2 H), 2.10-1.94 (m, 2 H), 1.71-1.27 (m, 11 H), 1.03 (s, 3 H), 1.02 (s, 3 H), 0.98-0.81 (m, 2 H)。
【0083】
例13:式 (V)の化合物の合成
式(IV-a)の化合物→式(V)の化合物
化合物(IV-a) (17.0 g, 34.6 mmole)、THF (90 mL)及びn-ヘプタン (40 mL) を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を20〜30℃で約5分間撹拌し、均一溶液を得た。2N HCl(aq) (35 mL)を20〜30℃で添加し、そして混合物をこの温度で2時間撹拌した。反応が完了した後に、相分離後に、有機部分を分離した。4% NaHCO
3(aq) (20 mL)を20〜30℃で添加してpHを8〜9に調節し、そして混合物をこの温度で約5分間撹拌した。得られた有機部分を約90〜95℃で体積が約50 mLになるまで濃縮した。n-ヘプタン (100 mL)を混合物に90〜95℃で添加し、そして得られた混合物を70〜75℃に1時間冷却した。その後、混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキをn-ヘプタン (20 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約60℃で減圧下に乾燥し、化合物(V) (12.3 g)を84.8%収率で提供した。
【0084】
式(IV-b)の化合物→式(V)の化合物
化合物(IV-b) (1.0g, 1.9 mmole)及びアセトン(10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物に12N HCl(aq) (0.2 mL)を添加してpHを1〜2に調節し、10分間撹拌した。反応が完了した後に、混合物を4% NaHCO
3(aq) (10 mL)と混合してpHを7〜8に調節し、水(10 mL)と20〜30℃で混合した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (2 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、化合物(V) (0.72 g)を90.2%収率で提供した。
【0085】
式(IV-c)の化合物→式(V)の化合物
化合物(IV-c) (1.0g, 2.0 mmole)、2N HCl(aq) (1.0 mL)及びMeOH (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を60〜65℃に加熱し、30分間撹拌した。反応が完了した後に、混合物を20〜30℃に冷却し、そして2% NaHCO
3(aq) (20 mL)を添加して、pHを7〜8に調節した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (2 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約60℃で減圧下に乾燥し、式 (V)の化合物 (0.81 g)を96.4%収率で提供した。
【0086】
式 (IV-d)の化合物 → 式(V)の化合物
化合物(IV-d) (1.0g, 1.5 mmole)及びアセトン (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物に12N HCl(aq) (0.2 mL)を添加してpHを1〜2に調節し、1.5時間撹拌した。反応が完了した後に、混合物を2% NaHCO
3(aq) (20 mL)と混合してpHを7〜8に20〜30℃で調節した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (2 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、化合物(V) (0.52 g)を82.5%収率で提供した。
【0087】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ5.61 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 5.39 (dd, J = 3.6, 2.4 Hz, 1H), 3.59-3.52 (m, 1 H), 2.37-2.23 (m, 3 H), 2.07-2.00 (m, 2 H), 1.93-1.44 (m, 11 H), 1.18-1.10 (m, 2 H), 1.06 (s, 3 H), 1.02 (s, 3 H)。
【0088】
例14:式(I)のアビラテロンの合成
式(VII-a)の化合物→式(I)のアビラテロン
化合物(VII-a) (0.5 g, 1.2 mmole)及びMeOH (5 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物に、2N HCl(aq) (0.85 mL)を添加し、1.5時間撹拌しながらpHを1〜2に調節した。反応が完了した後に、混合物を4% NaHCO
3(aq) (2.8 mL)と混合し、pHを7〜8に調節し、そして水 (5 mL)を20〜30℃で添加した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (2 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約 40℃で減圧下に乾燥し、アビラテロン(I) (0.4 g)を96.6%収率で提供した。
【0089】
式 (VII-b)の化合物→式 (I)のアビラテロン
化合物(VII-b) (1.0 g, 2.2 mmole)、12N HCl(aq) (0.22 mL)及びMeOH (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を20〜30℃で1時間撹拌し、均一溶液を得た。反応が完了した後に、混合物を17% Na
2CO
3(aq) (10 mL)に添加し、pHを11〜12に調節し、そして水 (20 mL)を20〜30℃で添加した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (4 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、アビラテロン(I) (0.74 g)を96.5%収率で提供した。
【0090】
式 (VII-c)の化合物→式(I)のアビラテロン
化合物(VII-c) (0.5 g, 1.2 mmole)及びMeOH (5 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物に、2N HCl(aq) (0.82 mL)を添加してpHを1〜2に調節し、そして撹拌を4時間続けた。反応が完了した後に、混合物を4% NaHCO
3(aq) (3.5 mL)と混合してpHを7〜8に調節し、そして水 (5 mL)を20〜30℃で添加した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (2 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、アビラテロン(I) (0.38 g)を94%収率で提供した。
【0091】
式(VII-d)の化合物→式(I)のアビラテロン
化合物(VII-d) (1.0 g, 1.7 mmole)、12N HCl(aq) (0.22 mL)及びMeOH (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を20〜30℃で1時間撹拌し、均一溶液を得た。反応が完了した後に、混合物を17% Na
2CO
3(aq) (20 mL)と混合してpHを11〜12に調節し、そして水 (20 mL)を20〜30℃で添加した。得られた混合物を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (4 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、アビラテロン(I) (0.57 g)を96.1%収率で提供した。
【0092】
式(V)の化合物→式(I)のアビラテロン
化合物(V) (1.68 g, 4.0 mmole)、ジエチル(3-ピリジル)ボラン (0.88 g, 6.0 mmole), Na
2CO
3 (0.43 g, 4.0 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (28 mg, 0.04 mmole)、THF (10 mL)及び水 (5 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に0.5時間加熱した。反応が完了した後に、有機部分を相分離後に分離した。有機部分を水 (100 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を体積が8mLとなるまで約65〜70℃で濃縮した。8 mL EtOH (10 mL)及び水 (10 mL)を濃縮物に65〜70℃で添加した。得られた混合物を65〜70℃で1時間撹拌した。混合物を20〜30℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (10 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約40℃で減圧下に乾燥し、式(I)のアビラテロン (1.24 g)を88.8%の収率で提供した。
【0093】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.64 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.48 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.67 (ddd, 1 H), 7.26-7.22 (m, 1 H), 6.02 (dd, J = 3.2, 1.6 Hz, 1 H), 5.42 (dd, J = 5.2, 2.4 Hz, 1 H), 3.60-3.53 (m, 1H), 2.38-2.25 (m, 3 H), 2.13-2.04 (m, 2 H), 1.93-1.45 (m, 10 H), 1.18-1.10 (m, 2 H), 1.09 (s, 3 H), 1.07 (s, 3 H)。
【0094】
例15:式(VII-a)の化合物の合成 (
図20を参照されたい)
化合物(IV-a) (2.02 g, 4.1 mmole)、3-ピリジンボロン酸 (0.77 g, 6.1 mmole)、Na
2CO
3 (1.72 g, 16.2 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (56 mg, 0.08 mmole)、トルエン (10 mL)、THF (6 mL)、EtOH (4 mL)及び水 (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に1.5時間加熱し、反応を完了させた。混合物を20〜30℃に冷却した後に、撹拌を止めて、相分離を行った。分離された有機部分を保存し、分離された水性部分を廃棄した。保存された有機部分を水 (20 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約60℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: トルエン/n-ヘプタン = 1/5、1%のEt
3Nを含む)に供した。精製された化合物(VII-a) (1.34 g)は77.6%収率を提供した。
【0095】
例16:式 (VII-b)の化合物の合成
化合物(IV-b) (2.0 g, 3.74 mmole)、3-ピリジンボロン酸 (0.69 g, 5.61 mmole)、Na
2CO
3 (0.4 g, 3.74 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (165 mg, 0.23 mmole)、THF (12 mL)及び水 (6 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を60〜65℃に6時間加熱し、反応を完了させた。トルエン (10 mL)を、混合物を20〜30℃に冷却した後に添加した。撹拌を止め、相分離を行った。分離された有機部分を保存し、分離された水性部分を廃棄した。保存された有機部分を水 (20 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約60℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: トルエン/n-ヘプタン = 1/4)に供した。精製された化合物(VII-b) (1.17 g)は67.5%収率を提供した。
【0096】
例17:式 (VII-c)の化合物の合成
化合物(IV-c) (2.14 g, 4.0 mmole)、3-ピリジンボロン酸 (0.63 g, 5.0 mmole)、Na
2CO
3 (0.43 g, 4.0 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (56 mg, 0.08 mmole)、トルエン (10 mL)、THF (6 mL)、EtOH (4 mL)及び水 (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に2.5時間加熱し、反応を完了させた。混合物を20〜30℃に冷却した後に、撹拌を止め、相分離を行った。分離された有機部分を保存し、分離された水性部分を廃棄した。保存された有機部分を水 (20 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約60℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/トルエン = 1/4、1%のEt
3Nを含む)に供した。精製された化合物(VII-c) (1.26 g)は72.7%の収率で提供された。
【0097】
例18:式(VII-d)の化合物の合成
化合物(IV-d) (2.0 g, 3.0 mmole)、3-ピリジンボロン酸 (0.55 g, 4.5 mmole)、Na
2CO
3 (0.32 g, 3.0 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (126 mg, 0.18 mmole)、THF (12 mL)及び水 (6 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を60〜65℃に6時間加熱し、反応を完了させた。トルエン (10 mL)を、混合物を20〜30℃に冷却した後に添加した。撹拌を止め、相分離を行った。分離された有機部分を保存し、分離された水性部分を廃棄した。保存された有機部分を水 (20 mL)で洗浄した。得られた分離された有機部分を約60℃で減圧下にほぼ乾燥まで濃縮した。濃縮物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤: EtOAc/n-ヘプタン = 1/6)に供した。精製された化合物(VII-d) (1.41 g)は80.2%の収率で提供された。
【0098】
例19:式(I)のアビラテロンの合成 (
図21を参照されたい)
化合物(V) (1.68 g, 4.0 mmole)、3-ピリジンボロン酸 (0.74 g, 6.0 mmole)、Na
2CO
3 (0.43 g, 4.0 mmole)、PdCl
2(PPh
3)
2 (168 mg, 0.24 mmole)、トルエン (10 mL)、THF (6 mL)、EtOH (4 mL)及び水 (10 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に2.5時間加熱し、反応を完了させた。THFのほとんどを常圧での蒸留により除去した。トルエン (20 mL)を添加した後に、得られた混合物を20〜30℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキをEtOH (5 mL)で洗浄した。精製されたアビラテロン(I) (0.72 g)は51.6%の収率で提供された。
【0099】
例20:式 (I’)の酢酸アビラテロンの合成
アビラテロン (I) (7 g, 20 mmole)、DMAP (122 mg, 1 mmole)、Ac
2O (6.12 g, 60 mmole)及びアセトン (42 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。混合物を55〜65℃に加熱し、そして1時間撹拌した。反応が完了した後に、水 (14 mL)及び酢酸アビラテロンシード(35 mg, 0.5 wt%)を50〜55℃で添加した。混合物を50〜55℃で1時間撹拌した。水 (35 mL)を添加した後に、混合物を0〜5℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトン及び水の混合物(1/1, 28 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約60℃で減圧下に乾燥し、酢酸アビラテロン(I’) (7.45 g) を95.3%収率で提供した。
【0100】
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ8.62 (d, J = 1.6 Hz, 1 H), 8.46 (dd, J = 4.8, 1.6 Hz, 1 H), 7.64 (m, 1 H), 7.28-7.20 (m, 1 H), 5.99 (dd, J = 3.2, 2.0 Hz, 1 H), 5.42 (dd, J = 5.2, 2.4 Hz, 1 H), 4.63-4.60 (m, 1H), 2.38-2.33 (m, 2H), 2.32-2.25 (m, 1H), 2.12-2.05 (m, 3 H), 2.04 (s, 3H) 1.93-1.45 (m, 9 H), 1.19-1.10 (m, 2 H), 1.08 (s, 3 H), 1.05 (s, 3 H)。
【0101】
例21:式(I)の化合物のワンポット調製の実験(
図22を参照されたい)
式(III-a)の化合物の調製
プラステロン (II) (30 g, 104.2 mmole)、HMDS (11.7 g, 72.9 mmole)及びTHF (210 mL)を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。触媒量のTMSOTf (0.46 g, 2.08 mmole)を20〜30℃で添加し、そして混合物をこの温度で20分間撹拌し、反応を完了させた。混合物を45〜55℃で蒸留し、約60 mLの溶媒を除去した。20〜30℃に冷却した後に、化合物(III-a)を含む、得られた溶液を次の工程に直接的に使用した。
【0102】
化合物 (IV-a)の調製
化合物(III-a)を含む溶液を適切なフラスコに添加し、次いで、PhNTf
2 (48.4 g, 135.5 mmole)を20〜30℃で添加した。混合物を0〜10℃に冷却し、NaHMDS (THF中2M、 78 mL, 156 mmole)をこの温度で1時間添加した。トルエン (250 mL)を添加し、そして得られた混合物を水 (480 mL)で洗浄した。分離された有機溶液は溶液アッセイにより46.7 gの化合物(IV-a)(プラステロン (II)からの2つの工程にわたって、91.2%に対応する)を含むものと決定された。化合物(IV-a)を含む溶液を次の工程で直接的に使用した。
【0103】
化合物(V)の調製
化合物(IV-a) (10.2 g、溶液アッセイにより決定)を含む溶液の一部分を適切なフラスコに20〜30℃で添加した。HCl水溶液(0.1N, 92 mL)を20〜30℃で添加し、そして混合物をこの温度で18時間撹拌し、反応を完了させた。分離された有機溶液を順次に8% NaHCO
3(aq) (92 mL)及び10% NaCl(aq) (92 mL)で20〜30℃で洗浄した。化合物(V)を含む分離された有機溶液を次の工程で直接的に使用した。
【0104】
アビラテロン (I)の調製
適切なフラスコに化合物(V)を含む溶液を、次いで、ジエチル(3-ピリジル)ボラン (4.6 g, 31.2 mmole)、Na
2CO
3 (2.2 g, 20.8 mmole)及びPdCl
2(PPh
3)
2 (145 mg, 0.2 mmole)を20〜30℃で添加した。混合物を70〜75℃に40分間加熱し、反応を完了させた。有機部分を60℃で分離し、この温度で水 (100 mL)をゆっくりと添加した。混合物を20〜30℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキを水 (40 mL)で洗浄した。ウエットケーキを約60℃で減圧下に乾燥し、アビラテロン (I) (5.38 g)を74.0%収率 (プラステロン (II)から4つの工程にわたる) で提供した。
【0105】
以前の合成で報告されたとおり、パラジウム(II)触媒をアビラテロン (I)生成に用いた。パラジウムの所望されない汚染は必然的に起こる。下記のとおり、本明細書中の方法により製造されるアビラテロン (I)は初期的に165 ppmのパラジウムを含んだ(表1、エントリー1)。酢酸アビラテロン(I’)中のパラジウムのレベルを10 ppm以下に低減するために、パラジウム含有分低減のための実行可能な方法は必要とされる。
【表2】
【0106】
粗アビラテロン(I)をシリカ系スカベンジャー(エントリー3〜13を参照されたい)の存在下に適切な溶媒(トルエン又はキシレン)からの再結晶化に供することにより、精製されたアビラテロンを80〜90%の収率で、非常に低減されたPd含有分を含んで得た。スカベンジャーの構造を下記に示す。エントリー3〜5において使用されたスカベンジャーはPhosphonicSから得られ、そしてエントリー6〜13において使用されたスカベンジャーはSilicycleから得られる。PEP-21及びPEP-27は10 ppm未満の残留パラジウム含有分をうまく達成するようであった(エントリー3〜5)。対照的に、精製されたアビラテロン (I’)は、非官能化シリカゲルを用いたときには40.6 ppmのパラジウムを含んだ(エントリー2)。
【表3】
【0107】
アビラテロン(I)におけるパラジウム含有分の低下のための代表的な手順
粗アビラテロン (40 g)及びトルエン (1200 mL)を適切なフラスコに20〜40℃で添加した。混合物を還流温度に加熱し、そして約1時間撹拌した。得られた混合物を約100℃でろ過し、不溶性材料を除去した。スカベンジャー(PEP-21, 3 g,)を添加した。混合物を還流温度で加熱し、そして約1.5時間撹拌した。得られた混合物を100℃でろ過し、スカベンジャーを除去した。溶液を0〜10℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、そしてろ過ケーキをトルエンで洗浄した。ウエットケーキを約60℃で減圧下に乾燥し、精製されたアビラテロン (35.7g)を89%収率で、2 ppmのPdを含んで得た。
【0108】
例22:アセトン/水からの結晶化
約15 gの酢酸アビラテロンを120 mLのアセトン中に50℃で溶解した。混合物を熱いうちに500 mL反応器(ジャケット温度60℃、撹拌速度300 rpm)にろ過し、次いで、30 mLのアセトンでリンスした。水 (60 mL)を約60℃でゆっくりと添加し、曇り点まで達し、そして混合物をこの温度で5分間撹拌した。さらなる水 (90 mL)を添加した後に、混合物を20℃に冷却し、そして1時間撹拌した。混合物をろ過し、ろ過ケーキをアセトン及び水の混合物(1/1, 45 mL)で洗浄した。70℃で減圧下に18時間乾燥した後に、得られた結晶性酢酸アビラテロン(14.6 g)を96.5%収率で提供した。結晶性酢酸アビラテロンのXRPDパターンは5.8、9.5、10.7、12.1、12.6、14.8、15.1、15.9、16.5、17.2、17.6、18.4、18.9、19.8、21.7、21.9、22.4、23.0、23.5、23.7、24.3、25.4、26.0、26.3、26.8、27.5、27.9、29.0、29.5、29.9、30.5、31.0、31.2、32.2、33.1、33.5、33.8、34.5、34.8、35.9、36.8、37.5、38.4、38.8、39.4及び39.8° 2-θ± 0.2で特徴的なピークを示す(
図1)。
【0109】
例23:シクロヘキサンからの結晶化
酢酸アビラテロン(30 g)をシクロヘキサン(210 mL)中に20〜40℃で溶解した。混合物を70〜80℃に加熱した。溶液を冷却し、そしてAPIシード(0.03 g)を60〜70℃で添加した。得られたスラリーを曇り点で1時間撹拌する。スラリーを10〜25℃に冷却し、そして1時間保持した。混合物をろ過し、そしてろ過ケーキをシクロヘキサンで10〜25℃にて洗浄した。ウエットケーキを約60℃で乾燥し、酢酸アビラテロン(24.9 g)を89%収率で得た。
【0110】
上記の本発明は理解の明確化の目的で例示及び実施例により幾分か詳細に記載してきたが、当業者は特定の変更及び改変は添付の特許請求の範囲内で実施されうることを理解するであろう。さらに、本明細書中に提供された各文献は各文献が個々に参照により取り込まれるのと同様に、その全体が参照により取り込まれる。本出願と本明細書中に提供された文献との間に矛盾が存在する場合には、本出願が優位を占めるであろう。