(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動部は、前記光ファイバの側に配置され、前記カニューレの前記軸に直交する方向に前記光ファイバの前記一部分を変位させるように構成される、請求項1に記載のOCTプローブ。
プローブハウジングと、前記プローブハウジングから延びる前記カニューレと、前記プローブハウジングに配置される前記駆動部とをさらに備える、請求項1に記載のOCTプローブ。
【発明の概要】
【0005】
例示の態様において、本開示は、患者の組織を撮像するOCTプローブに関する。OCTプローブは、カニューレ軸を有するカニューレを備えてよい。OCTプローブは、光を伝達する選択的に変位可能な光ファイバも有してよく、当該光ファイバはカニューレ内に配置され、遠位端を有する。光ファイバは、遠位端から光を発するように構成されてよい。作動システムは、カニューレ内の光ファイバを変位させるように構成されてよい。作動システムは、光ファイバの一部を変位させるように作動可能な駆動部を備えてよく、当該駆動部は、カニューレの軸に対して角度を有する方向に作用する。作動システムは、光ファイバと動作可能に係合されるピボット機能
部も備えてよい。光ファイバは、駆動部による光ファイバの一部の変位に応じて、ピボット機能
部を中心に枢動可能であってよい。
【0006】
ある態様において、補強チューブを光ファイバの周りに配置して、光ファイバとピボット機能
部を分離してよい。補強チューブは、枢動するようにピボット機能
部に直接係合してよい。ある態様において、補強チューブは、少なくともピボット機能
部から駆動部に延在する。ある態様において、OCTプローブは、カニューレに配置された制限機能
部を備えてよい。制限機能
部は光ファイバの変位を、特定の移動範囲に制限するように形作られてよい。ある態様において、特定の移動範囲は、平面である。ある態様において、制限機能
部は、横方向に交差する方向の大きい変位量と、横方向の比較的小さい変位量を可能にする、局所的な狭窄部である。
【0007】
ある態様において、ピボット機能
部は、カニューレのクリンプである。ある態様において、ピボット機能
部は、カニューレに配置されたインサートである。ある態様において、ピボット機能
部は、カニューレの近位側に配置される。ある態様において、駆動部は、光ファイバ側に配置され、光ファイバの一部をカニューレの軸に直交する方向に変位させるように構成される。
【0008】
ある態様において、OCTプローブは、プローブハウジングと、プローブハウジングから延びるカニューレと、プローブハウジング内に配置される駆動部とを備えてよい。ある態様において、駆動部は、光ファイバに沿って第1の距離だけピボット機能
部から離間され、光ファイバの遠位端は、第1の距離より大きい第2の距離だけピボット機能
部から離間される。
【0009】
別の例示の態様において、本開示は、患者の組織を撮像するOCTプローブに関する。OCTプローブは、患者の組織に侵入するように適合され、カニューレ軸を有するカニューレと、カニューレ内に配置され、遠位端を有する光を伝達する選択的に変位可能な光ファイバとを備えてよい。光ファイバは、遠位端から、及び、カニューレから光を発するように適合されてよい。作動システムは、駆動部を備えてよく、駆動部は、光ファイバの一部を第1の距離だけ変位させ、光ファイバの遠位端を第1の距離より大きい第2の距離だけ変位させるように適合される。
【0010】
ある態様において、作動システムは、光ファイバの支点を形成するピボット機能
部を備える。ある態様において、駆動部は、ピボット機能
部から第1の距離だけ離間され、光ファイバの遠位端は、ピボット機能
部から第2の距離だけ離間され、第2の距離は第1の距離より大きい。ある態様において、ピボット機能
部は、駆動部と光ファイバの遠位端との間に配置される。
【0011】
別の例示の態様において、本開示は、OCTプローブを用いてスキャンする方法に関し、方法は、OCTプローブのカニューレ内の光ファイバの遠位端から光を発することと、駆動部を作動させてピボット機能
部を中心に光ファイバを枢動させることとを含む。ピボット機能
部は、駆動部の作動距離より大きい距離だけ、光ファイバの遠位端を変位させる正の機械効率を発生させるように、駆動部に対して、また、光ファイバの遠位端に対して配置されてよい。
【0012】
ある態様において、駆動部を作動させてピボット機能
部を中心に光ファイバを枢動させることは、カニューレの軸に直交する方向に駆動部を作動させることを含む。ある態様において、ピボット機能
部は、カニューレのクリンプと、カニューレのインサートのうちの1つである。ある態様において、ピボット機能
部は、カニューレの近位側に配置される。ある態様において、方法は、駆動部を作動させてピボット機能
部を中心に光ファイバを枢動させながら、制限機能
部を用いて光ファイバの横方向の動きを制限することも含む。
【0013】
前述の一般的な記載と、以下の詳細な記載は両方とも、例示的、説明的な性質のもので、本開示の範囲を制限することなく、本開示の理解の提供を意図していることは理解されたい。その意味で、本開示の追加の態様、特徴、利点は、以下の詳細な記載から当業者に明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の原理が理解しやすいように、図面に示された例示の実施形態を参照し、その実施形態の記載に具体的な用語を使用する。しかしながら、開示の範囲を制限することを意図していないことは理解されよう。記載の装置、器具、方法の任意の変更及びさらなる修正、並びに、本開示の原理のさらなる任意の適用を、開示の分野の当業者は通常、思いつくと十分に考えられる。詳細には、一実施形態に関連して記載された特徴、構成要素、及び/または、ステップは、本開示の他の実施形態に関して記載された特徴、構成要素、及び/または、ステップと組み合わされてよいことは、十分に企図されている。しかしながら、簡潔になるように、これらの組合せを個々に何度も繰り返し記載はしない。簡単なように、一部の例において、図面を通して、同じまたは類似の部分を指して同じ参照番号を用いる。
【0016】
本開示は、一般的に、組織をスキャンしてOCT画像を取得するOCTプローブ、OCTシステム、及び、方法に関する。OCTプローブは、照明システムを備え、照明システムは、レンズと、レンズを通して光を向け、レンズを通して戻ってくる反射光を捕獲する光ファイバとを備える。単に点ではなく、面(area)または線のスキャンを得るために、照明システムの少なくとも一部が、組織に対して移動する。
【0017】
本明細書に記載のある態様において、本明細書に開示のOCTプローブ、OCTシステム、及び、方法は、枢動技術を用いて細長いカニューレ内で光ファイバを動かしてレンズに入力される光を横方向にオフセットすることによって光を偏向させ、結果として、出力ビームを角度偏向させる。枢動技術は、機械効率を得るために延長レバーアームとして光ファイバを用いることを含む。組織に対して光源を動かしてスキャンを行い、画像作成のために、スキャンされる組織の距離または面積を増やす。
【0018】
図1は、OCT撮像システム100の例示の実施例を示す。システム100は、コンソール102と、ユーザインタフェース104と、OCTプローブ106とを備える。コンソール102は、様々な要素のうち、特に、光源108とコントローラ110とを含むOCTエンジンを備える。一部の例において、光源108は、近赤外線光を提供するように構成される。他の実装において、他の周波数を有する放射線を用いてよい。任意の規定帯域幅の光周波数をOCTと共に用いてよい。眼科の多くの適用に関しては、近赤外線を用いてよい。例えば、中心波長800nmで放射帯域幅周波数700〜900nmを眼科の適用に用いてよい。他の例において、放射波長帯域1250〜1450で中心波長1350nmを用いてよい。さらに、放射波長帯域1400〜1600で中心波長1500nmも用いてよい。さらに、本明細書に記載の実施例は、眼科処置という文脈で記載しているが、適用の範囲は、これに限定されず、本明細書に提示の概念は、他の適用で用いられてもよい。例えば、概念は、他の医療処置で用いられてよい。さらに、本明細書に記載の概念は、任意の他の適切な分野で用いられてよい。詳細には、記載の概念は、医療技術以外の分野で用いられてよい。
【0019】
光は、OCTプローブ106を通して、対象の生体組織に向けられ、対象の生体組織から反射し、捕捉されてよい。一部の実施形態において、光源108は、超発光ダイオード、超短パルスレーザ、または、比較的長い波長の光を提供するスーパーコンティニウムレーザを含んでよい。コントローラ110は、プロセッサ及びメモリを含んでよく、メモリは、光源108、ユーザインタフェース104、及び、OCTプローブ106を動作させるための、また、OCT撮像手順を行う機能及びプロセスを実行及び行うための実行可能プログラムを含んでよい。
【0020】
一部の実施形態においては、ユーザインタフェース104は、コンソール102の一部に置かれる、または、コンソール102の一部を形成する。ユーザインタフェース104は、画像をユーザまたは患者に提示し、OCT撮像手順中にプローブ106でスキャンした組織を表示するように構成されたディスプレイであってよい。ユーザインタフェース104は、様々な入力装置の中で特に、キーボード、マウス、ジョイスティック、ダイアル、及び/または、ボタンを含むが、それらに限定されない入力装置またはシステムも備えてよい。
【0021】
OCTプローブ106は、外科医または他の医療専門家等のユーザによって取り扱われ、患者の体内に突き出るような大きさ及び形状にされる。図示の実施形態において、OCTプローブ106は、コンソール102と電気的及び光学的通信を行う、また、組織を撮像するために、患者の組織に光源108からの光を当てるように構成される。
【0022】
図2及び
図3は、例示のOCTプローブ106の断面図を示す。以下に詳細に記載するように、OCTプローブ106は、光ファイバがレンズに対して移動するように光源108からの光を伝達する光ファイバを作動させる機構を備える。光ファイバからの光は、レンズを通って伝わる。レンズに対して光線の位置を横方向に動かすことによって、角度スキャンが行われる。
【0023】
図2及び
図3を参照すると、OCTプローブ106は、プローブハウジング200と、カニューレ202と、照明システム204と、作動システム206とを備える。一部の実装においては、カニューレは、金属、ポリマー、複合材料、または、任意の他の適切または所望の材料から形成されてよい。プローブハウジング200は、OCT手順中等に、ユーザによって把持、操作されるように構成される。ハウジング200の一部は、ハンドルまたはグリップを形成してよく、OCTプローブ106の構成要素を収容してよい。カニューレ202は、プローブハウジング200の遠位端207から突出し、OCT画像を取得するために、患者の組織に侵入するように構成、配置される。カニューレ202は、遠位端208と近位端209を備える。カニューレ202の近位端209は、プローブハウジング200内に配置され、プローブハウジング200によって支持される。一部の実施形態においては、カニューレ202の内腔216は、作動システム206の一部と、照明システム204を以下に記載の方法で受け入れる。一部の例において、カニューレ202は、眼の内部に侵入して眼の内部で使用される大きさであってよく、患者の組織のスキャンに用いられてよい。例えば、一部の例において、カニューレ202は、網膜組織等の患者の眼の組織のスキャンに利用されてよい。カニューレ202は、中心軸203を規定する。
【0024】
照明システム204は、レンズ210と光ファイバ214を備える。照明システム204は、光源108からの光を受け取り、その光を伝える。一部の実装において、レンズ210は、光ファイバ214からの光が通過し得る平らな表面を有する屈折率分布型(GRIN)レンズであってよい。一部の実装において、勾配屈折率は、球面状、軸方向、または、放射状であってよい。他の例において、レンズ210は、球面レンズであってよい。さらに別の例において、他のレンズの形状を用いてよい。
【0025】
光ファイバ214は、光源108からの光をレンズ210に伝え、最終的には、観察下で組織に伝えるように構成される。一部の例において、光ファイバ214は、単一の光ファイバであってよい。他の例において、光ファイバ214は、光ファイバの束であってよい。一部の例において、光ファイバ214は、光源108から光ファイバ214の遠位端218まで延びる連続した光ファイバであってよい。他の例において、光ファイバ214は、光源108から延びる複数の光ファイバから形成されてよい。さらに、他の実装において、光ファイバ214は、光源108からの光をコンソール102からOTCプローブ106に延びる光ファイバから受け取ってよい。
【0026】
一部の例において、光ファイバ214の近位端(図示せず)は、光源108の近くに配置されてよく、遠位端218は、レンズ210を通して光を方向付けるように、レンズ210の近くに配置されてよい。
図2及び
図3に示すように、光ファイバ214は、レンズ210に直接、接続されず、レンズ210は、カニューレ202に対して、適所に固定される。従って、光ファイバ214は、カニューレ202とレンズ210に対して移動してよい。光ファイバ214の遠位端218は、所定の光学作用距離と、焦点スポットサイズを達成するために、レンズ210の近位側の面211から所定の距離に位置してよい。
【0027】
作動システム206は、主にプローブハウジング200内に配置されてよい。この実施例においては、作動システム206は、駆動部220と、ピボット機能
部222と、補強チューブ224とを備える。OCT撮像システム100を用いて一次元方向または二次元方向のスキャンによって2D画像または3D画像を作成するために、作動システム206は、照明システム204の光ファイバ214をカニューレ202に対して移動させるように動作可能である。
【0028】
駆動部220は、マイクロエレクトリカルメカニカルシステム(MEMS)マイクロメータ、リニアモータ、圧電モータ、電磁モータ、空気圧式ピストン、ダイヤフラム、電気ソレノイド、または、そのような他の要素であってよい。駆動部220は、
図2の駆動部220に関連付けられた矢印213、215の示す方向に、光ファイバ214を物理的に変位させるように力を加えるように構成される。正の機械効率を与える以下に記載の構成により、駆動部220は、光ファイバ214の遠位端218の所望の変位距離より小さいストローク距離を有するように選択されてよい。一部の実施形態において、駆動部220は、OCTプローブ106から延びる電力ケーブル(図示せず)によって電力を供給され、コンソール102に電気的に接続される。他の実施形態において、駆動部220は、プローブハウジング200内に配置され、駆動部220上で自給式に構成される。従って、このような実施形態は、プローブハウジング200に電源を備えてよく、その電源によって駆動部220に電力を供給して、カニューレ202内の光ファイバ214を物理的に変位させる。例えば、電源は、1つまたは複数の電池または他の電源の形態であってよい。一部の実施形態において、駆動部220は、光ファイバ214の対向する両側に力または荷重を加えることによって、ピボット機能
部222の周囲に揺動効果をもたらすことによって、光ファイバ214の一部を前後方向に変位させるように構成される。他の実施形態において、駆動部220は、光ファイバ214の片側または一方向に力または荷重をかけることによって、光ファイバ214の一部を一方向にのみ変位させるように構成される。ばね等の付勢部材(図示せず)は、ピボット機能
部222の周囲に揺動効果をもたらすように反対側に作用してよい。
【0029】
一部の例において、ピボット機能
部222は、照明システム204の一部がカニューレ202に対して移動するように、照明システム204の少なくとも一部を枢動させるように構成された局所的な狭窄部であってよい。ピボット機能
部222は、一次元方向または二次元方向スキャンを行うように照明システム204の一部が移動するのを可能にする枢着部を備える任意の構造で形成されてよい。図示の例示の実施形態において、ピボット機能
部222は、光ファイバ214がレバーとして枢動できるように協働する1つまたは複数の支点である。ピボット機能
部222は、第1及び第2の支点であってよい。
図2及び
図3に示すように、ピボット機能
部22は、光ファイバ214の少なくとも一方の側に、カニューレ202のクリンプの結果として形成されてよい。他の実施形態において、ピボット機能
部222は、カニューレ202とは別個の構成要素または要素であってもよく、支点として働くために、カニューレ202に挿入されてよい。一部の実施形態において、ピボット機能
部222は、Oリングまたは他の突出体等の光ファイバ214の周囲に配置された突出体である。他の実施形態において、ピボット機能
部222はカニューレ202の近位端209に配置された構成要素から形成され、光ファイバ214は、その間を通って延在する。さらに他の実施形態において、ピボット機能
部222は、OTCプローブ106の1つまたは複数の構成要素を通る開口部の形状であってよい。例えば、ピボット機能
部222は、プローブハウジング200の開口部として形成されてよい。さらに他のピボット機能
部222も企図されている。
【0030】
補強チューブ224は、中空のチャネルを備え、その中に光ファイバ214が延びている。補強チューブ224は、金属、ポリマー、複合材料、または、任意の他の適切または所望の材料から形成されてよい。補強チューブ224は、光ファイバ214に剛性を提供し、同時に、ピボット機能
部222と協働する剛体の界面を提供するために、剛体材料で形成されてよい。剛体の界面によって、補強チューブ224は、ピボット機能
部222によって形成された支点を中心に最小の抵抗で、つまりは、最小の力に応答して枢動し得る。これによって、駆動部220が光ファイバ214を最小の荷重レベルで効率よく枢動させるのを支援し得る。図示の実施形態において、補強チューブ224は、駆動部220のちょうど近位側の位置からピボット機能
部222のちょうど遠位側の位置まで延在する。しかしながら、他の実施形態において、補強チューブ224は、遠位端218近くから、駆動部220の近位側またはその近くの位置まで、光ファイバ214の長さだけ延在する。補強チューブ224は、光ファイバ214の別の長さに沿って、配置されてよく、または、延在してよい。
【0031】
作動システム206は、光ファイバの遠位端218をカニューレ202に対して変位させるように光ファイバ214を枢動させるように構成され、それによって、少なくとも1つの平面で光ファイバ214を移動させてスキャンを行う。スキャンによって、組織の特定のスポットまたは点ではなく、評価中の組織の面(area)全体にわたって光を取得することができる。そして、スキャンはOCTシステム100によって2D画像または3D画像に変換され、その画像が、医療提供者によって評価されてよい。
【0032】
図2及び
図3に示す実施形態は、作動システム206が、低量の入力エネルギーと最小量の駆動部の変位または駆動部のストロークで、スキャンのために光ファイバ214を動かすことができるように構成されており、その結果、より小さい費用効率の良い駆動部を用いることができる。これは、正の機械効率を提供するように、作動システム206が、光ファイバ214上に配置、構成されているので、可能である。ここで、ピボット機能
部222は、駆動部220と光ファイバ214の遠位端218との間に配置され、
図3に示すように、光ファイバ214を、作動アームの長さとして本明細書で言及される長さL1と、ファイバアームの長さとして本明細書で言及される長さL2と、に分けている。単純なレバーに関しては、機械効率MAは、等式を用いて決定してよい。
【0033】
MA=ファイバアームの長さL2/作動アームの長さL1
【0034】
図示の実施例においては、ファイバアームの長さL2は、作動アームの長さL1より大きいので、作動システム206は、機械効率MAが値1より大きくなる正の機械効率を提供するように構成されている。実際の効果は、駆動部220の位置で光ファイバ214がわずかに変位することによって、光ファイバ214の遠位端218では大きな変位が起こる。正の機械効率MAを提供する構成を用いることによって、最小の入力を用いてスキャン手順を行うのに適切な変位を提供し得る。一部の実施形態において、作動アームの長さL1は、約2mm〜12mmの範囲内にあり、ファイバアームの長さL2は、約4mm〜35mmの範囲にある。従って、一部の例において、2〜12.5の範囲の機械効率が提供され得る。一部の実施形態において、作動アームの長さL1は約8mmで、ファイバアームの長さL2は約25mmである。これによって、約3:1程度の機械効率MAが提供される。しかしながら、一部の実施形態において、作動システム206は、任意の正の機械効率を提供するように構成されてよい。機械効率MAによって、光ファイバ214の遠位端218の変位が、駆動部220でのストロークより大きくなり得るので、光ファイバを移動させるために比較的小さい駆動部を採用することができる。
【0035】
図2及び
図3に示す実施例のOCTプローブ106に関しては、ピボット機能
部222は、レンズ210と駆動部220との間に配置され、駆動部220はピボット機能
部222の近位側にある。しかしながら、機械効率を提供する他の構成も企図されている。一部の実装においては、駆動部220は、ピボット機能
部222と遠位端218との間に、ピボット機能
部222の遠位側に配置される。このような例においても、ピボット機能
部222は、正の機械効率を提供するように構成されてよい、他の構成も企図されている。
【0036】
図3は、光ファイバ214がカニューレ202の中心軸203から偏向されているOCTプローブ106を示す。光ファイバ214は、ピボット機能
部222によって形成された支点で偏向される。図から分かるように、駆動部220における中心軸からのわずかな偏位d1は、光ファイバ214の遠位端218における大きな偏位d2になる。駆動部220における小さな偏位またはストロークは、光ファイバ214の遠位端118での大きいスキャンまたは変位になり得るので、光ファイバ214の遠位端218で大きい所望の変位を起させながらも、比較的小さいストロークを有する、または、光ファイバ214をほんの少しの距離だけ変位させる駆動部220が選択されてよい。
【0037】
図4は、OCTプローブ106の一部を示し、ピボット機能
部222が光ファイバ214及び補強チューブ224と協働するのを拡大して示している。この実施例において、ピボット機能
部222は、プローブ106のカニューレ202に形成されたクリンプ350として示されている。ここで、カニューレの対向する両側にあるクリンプ350は、光ファイバ214と補強チューブ224がカニューレを通して中心軸に沿って維持されるのを可能にし、広範囲の枢動能力を提供する。
図4の線8―8に沿ったピボット機能
部222としてのクリンプ350の断面図を
図8に示す。図から分かるように、クリンプ350は、カニューレ202の局所的狭窄部で、支点での光ファイバ214の横方向の変位を限定または制限することによって、光ファイバ214がクリンプ350を中心に枢動するのを可能にする。
【0038】
図5は、カニューレ202内のインサート360として示される代替のピボット機能
部222を有するOCTプローブ206の一部を示す。インサート360は、カニューレ202に嵌め込まれるように構成され、接着、または、他の方法で適所に固定されてよい。インサート360は、上記の方法で支点として働く頂点362を備える。
図5において、インサート360は、断面で示されており、カニューレ202の内腔364の内側断面形状と一致、当該形状に沿うように構成された円形の外側断面形状を有し、一点に集まって頂点362を形成する傾斜した内壁366、368を備える。頂点362は、光ファイバ214と補強チューブ224のピボット位置を規定する。
図5の線10―10に沿ったピボット機能
部222としてのインサート360の断面図を
図10に示す。図から分かるように、カニューレ202のインサート360は、狭窄部を形成する。狭窄部は、少なくとも1つの方向に支点での移動を限定、制限することによって、光ファイバ214がインサート360を中心に枢動するのを可能にする。
【0039】
図6は、OCTプローブ400の代替実施例の詳細図である。OCTプローブ400は、上記に類似の方法等で、プローブハウジング402と、カニューレ404と、光源の一部を形成する光ファイバ406とを備える。OCTプローブ400は、作動システム408も備えてよく、その他の点では、別段の記載のない限り、上記のOCTプローブ106に類似していてもよい。
【0040】
作動システム408は、駆動部420と、ピボット機能
部422と、補強チューブ424とを備えてよい。ここで、ピボット機能
部422は、カニューレ404とは別個で独立している。ピボット機能
部422は、プローブハウジング402の一部から突出するピボット突起部430を備える。これらのピボット突起部430は、細い通路を形成し、光ファイバ406は、その通路を通り、上記に記載したのと同様の働きをする。従って、これらのピボット突起部は、光ファイバ406の枢動の中心となる局所的な狭窄部または支点の働きもする。
図6から分かるように、ピボット突起部430は、カニューレ202の中心軸412と整列した中心位置に光ファイバ406を維持するように延在する。駆動部420は、ピボット機能
部422の近位側の位置から動作し、正の機械効率を提供するように構成される。
【0041】
図7は、OCTプローブ450の別の実施例を示す。OCTプローブ450は、上記の照明システム204と作動システム206を備える。しかしながら、
図7においては、補強チューブ224は、
図2及び
図3に示す補強チューブ224よりも光ファイバ214のより長い部分に沿って延在している。OCTプローブ450は、制限機能
部452も備える。制限機能
部452は、ピボット機能
部222と協働して光ファイバ214と補強チューブ224の動きを平面内に制限する。
【0042】
図8及び
図9は、ぞれぞれ、ピボット機能
部222及び制限機能
部452を示す。ピボット機能
部222及び制限機能
部452は協働して、光ファイバ214の動きを、平面内の動き等の特定の移動範囲に制限する。
図8は、ピボット機能
部222を、カニューレ202のクリンプ350として示す。ピボット機能
部を形成するクリンプの実施例は、
図4及び
図7に示す。
図8から分かるように、光ファイバ214は、補強チューブ224があってもなくても、クリンプ350の両側が支点として働くことができるように、クリンプ350の開口部を通る。
【0043】
図9は、
図7に示す制限機能
部452の断面図である。一部の例においては、制限機能
部452は、カニューレ202のクリンプ410として形成されてよい。一部の例においては、光ファイバがクリンプ350で枢動しながら制限機能
部452が光ファイバ214の動きを単一面に制限するように、クリンプ410は、クリンプ350に直交に形成されてよい。クリンプ410とクリンプ350の直交関係を
図8及び
図9に示す。これらの2つの断面は、カニューレ202に沿った、クリンプ410とクリンプ350の互いに対する向きを表す。
【0044】
光ファイバ214と、一部の例においては、補強チューブ224が通る、クリンプ410によって形成される狭窄部413は、光ファイバ214と補強チューブ224の矢印414、416で示されるような横方向の動きを制限する大きさにされてよい。狭窄部413の構成は、光ファイバ214の横方向414、416の移動を制限しながら、矢印418、420で示される横方向に交差する、すなわち、直交する方向の動きを可能にしてよい。従って、動きの所望の包絡線(envelope)の外側にあるスプリアスな動きを、低減し、最小限にし、及び/または、除去してよい。一部の実装においては、制限機能
部452は、
図7に示すように、ピボット機能
部222の遠位側の位置に備えられてよい。
【0045】
図10及び
図11は、それぞれ、ピボット機能
部222と制限機能
部452を示す。ピボット機能
部222と制限機能
部452は協働して、光ファイバ214の動きを、平面の動きに制限する等、特定の移動範囲に制限する。上記のように、
図10のピボット機能
部222は、
図5に示すような、カニューレ202に挿入可能なインサート360である。図から分かるように、光ファイバ214は、補強チューブ224があってもなくても、インサート360の頂点362が支点として働くことができるように、ピボット機能
部222の開口部を通る。
【0046】
この実施形態において、制限機能
部452も、インサート460であり、インサート460は、ピボット機能
部222の遠位側の位置でカニューレ202に配置されてよく、ピボット機能
部222の狭窄部と直交する狭窄部を提供してよい。制限機能
部452の開口部の大きさは、光ファイバ214と補強チューブ224の、横方向に交差する、すなわち、直交する方向への動きを可能にしながら、横方向の動きを制限するのに十分な大きさにしてよい。ここで、制限機能
部の開口部462は、ピボット機能
部222を形成するインサート360の開口部に直交する向きである。制限機能
部462は、制限機能
部360によって形成された狭い開口部462に規定される面内に、光ファイバ214の動きを制限する役割をする。制限機能
部360の開口部462の大きさは、望まない方向の光ファイバ214の動きを制限するのに十分な長さであるように選択されてよい。一部の実施形態においては、ピボット機能
部222と制限機能
部452の両方が、同じインサートで形成される。すなわち、一部の実装においては、2つの同一のインサートがインサート360とインサート460の両方に用いられてよく、一方は他方を90度回転させたものである。さらに別の実装においては、ピボット機能
部222及び制限機能
部452は、カニューレ202内に配置された単一のインサートとして形成されてよい。
【0047】
上記の実施例は、カニューレ202に対して適所に固定されたレンズ210を有するとして示されているが、他の実施形態は、光ファイバ214の遠位端218と固定された位置関係のレンズ210を有する(例えば、光ファイバ214及びレンズ210が結合されている)。この光学配置は、情報を1つの焦点で集めるA―スキャンOCTの基礎を形成する。光ファイバ214及びレンズ210が物理的に動かされると、スキャンを行うことができる。さらに別の実施形態も企図している。
【0048】
操作中、ユーザは、コンソール102でOCTプローブ106を制御し、評価する組織の近くにOCTプローブ106を向ける。OCTプローブ106は、所望の位置に来ると、起動されてスキャン手順を開始する。これを行うために、作動システム206は、光ファイバ214を、カニューレ202(及び、一部の実施形態では、レンズ)に対して、物理的に前後の動きで変位させるよう動作する。駆動部220は、光ファイバ214の軸方向にほぼ直交する方向に光ファイバ214を変位させるよう動作することによって、ピボット機能
部222を中心に光ファイバ214を枢動させる。ピボット機能
部222は、本明細書に記載の方法で局所的な狭窄部から形成されてよい。OCTプローブ400は、類似の方法で動作されてよい。
【0049】
OCTプローブ106は、駆動部220が第1の量だけ物理的に変位すると、光ファイバ214の遠位端218が第1の量より大きい第2の量だけ物理的に変位するように、構成される。従って、OCTプローブ106は、正の機械効率を提供するように構成される。
【0050】
ピボット機能
部及び制限機能
部の両方を有する実施形態は、光ファイバの変位が、制限機能
部が規定する平面内で実質的に起こるように構成されてよい。一部の実施形態において、制限機能
部は、ピボット機能
部に直交する向きである。
【0051】
一部の態様において、記載の幾つかの可能な実施形態によって支点を作成し、アクチュエータのストロークの増加(multiplication)を利用することによって、本開示は、適切な作動を行うのに十分なストロークを有する高価でないアクチュエータの利用可能性の限界の問題を解決する。
【0052】
開示では、多くの実施例を記載したが、本開示の範囲はこれに制限されない。むしろ、広範囲の修正、変更、及び、置き換えが記載した開示では企図されている。本開示の範囲を逸脱することなく、このような変形が行われてよいことは理解されよう。従って、請求項は、本開示と矛盾のないように幅広く解釈されるのが適切である。