特許第6474820号(P6474820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474820貨物スペースに積み込むための移動用プレート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474820
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】貨物スペースに積み込むための移動用プレート
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/12 20060101AFI20190218BHJP
【FI】
   B65D88/12 E
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-542345(P2016-542345)
(86)(22)【出願日】2014年9月16日
(65)【公表番号】特表2016-536229(P2016-536229A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(86)【国際出願番号】FI2014050706
(87)【国際公開番号】WO2015040275
(87)【国際公開日】20150326
【審査請求日】2017年8月18日
(31)【優先権主張番号】20135931
(32)【優先日】2013年9月17日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】516057451
【氏名又は名称】アクティウ オユ
【氏名又は名称原語表記】ACTIW OY
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アウヴィネン,ヤンネ
(72)【発明者】
【氏名】ウトリアイネン,オットー
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0047105(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/074376(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/008211(WO,A1)
【文献】 特開平10−069944(JP,A)
【文献】 特表2003−522697(JP,A)
【文献】 特開平08−073046(JP,A)
【文献】 特開2009−083993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00−90/66
B65G 67/00−67/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物スペースに積み込みを行うための移動用プレート(15)であって、貨物ユニット(10)が貨物スペース(18)に止まっている状態で、この貨物ユニット(10)とともに貨物スペース(18)に出入りし、押し作用および引っ張り作用の両者に対して耐え得る可撓性の、滑りやすいプラスチック材(36)を有する移動用プレート(15)において、
前記貨物スペース(18)に対して前記移動用プレート(15)を位置決めする位置決め手段(30)を有し、この位置決め手段(30)が、前記移動用プレート(15)の両側に且つ長手方向に取り付けられたバネ要素(31)を有し、これらバネ要素(31)が、凸状に湾曲した板バネ(32)を有し、この板バネの凸状部分(33)が前記板バネ(32)の残りの部分および移動用プレート(15)から突出し、そして前記板バネ(32)が2つの端部(39、40)を有し、この一端(39)が前記移動用プレート(15)に浮動可能に取りけられ、そして他端(40)が前記移動プレート(15)に取りけられたことを特徴とする移動用プレート。
【請求項2】
前記位置決め手段(30)が最初に前記移動用プレート(15)の前記貨物スペースに入るように、この位置決め手段が前記移動用プレート(15)の先端に取り付けられた請求項1に記載の移動用プレート。
【請求項3】
前記位置決め手段(30)が自動式であることを特徴とする請求項1または2に記載の移動用プレート。
【請求項4】
前記位置決め手段(30)が、前記貨物スペース(18)に属する壁(34)と前記位置決め手段(30)との間の摩擦を小さく抑える摩擦面(38)を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動用プレート。
【請求項5】
前記板バネ(32)の前記他端(40)をピボット(41)によって前記移動用プレート(15)に取り付けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の移動用プレート。
【請求項6】
前記板バネ(32)が一枚のバネ板を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の移動用プレート。
【請求項7】
前記板バネ(32)の長さが500〜2,000mmの範囲にあり、好ましくは800〜1,500mmの範囲にある請求項1〜6のいずれか1項に記載の移動用プレート。
【請求項8】
前記板バネ(32)の幅が40〜60mmの範囲にある請求項1〜7のいずれか1項に記載の移動用プレート。
【請求項9】
前記板バネ(32)が繊維強化プラスチック複合材である請求項1〜8のいずれか1項に記載の移動用プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物スペース(cargo space)に積み込むための移動用プレートに関する。この移動用プレートは、貨物ユニット(load units)が貨物スペースに止まっている間、貨物ユニットとともに、貨物スペースに出入りできるように構成され、かつ、押し作用および引っ張り作用(pushing and pulling)の両者に対して耐え得る可撓性の、滑りやすいプラスチック材を有する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2005080132には、貨物スペース内に搬送すべき製品を積み込むための方法および装置が開示されている。この公報に記載されている装置の場合、移動用プレートを使用し、この上にまず貨物を置く。次に、貨物を移動用プレートとともに貨物スペースに押し込んでから、移動用プレートを貨物の下から引き出す。引き出し中、貨物は支持されている。この方法では、貨物を最初に貨物スペースの外側にある移動用プレートに載置し、貨物スペースに押し込む。この後、内部の移動用プレートを貨物スペースの基部上に押し込むことによって貨物スペースに貨物を移す。最後に、貨物を開放側から支持し、貨物スペースの基部と貨物との間から移動用スペースを引き出す。また、装置の場合には、フレームを設け、この上に移動すべき移動用プレートを設ける。この装置には、移動用プレートおよび貨物スペース内の貨物を移動し、かつ貨物スペースの基部と貨物との間から移動用プレートを引き出す移動用手段も設ける。対応して、国際公開第2007071831には、異なるパレットを貨物スペースに積み込むための移動用プレートの用途が開示されている。移動用プレートの長さの少なくとも一部に転動要素(rolling elements)を設けて、移動用プレートの上部後ろ側にあるコンベヤシステムによってパレットを押し出す。対応して、パレットを貨物スペース内にある状態で、パレットの下から移動用プレートを引っ張り出すが、摩擦問題は発生しない。
【0003】
貨物とともに移動用プレートを貨物スペースに押し込むさい、移動用プレートを制御することは難しく、場合によって不可能なことさえある。実際、移動用プレートの押しプレートについては、側部制限器(side limiters)によって区切り、移動用プレートが貨物スペースに奥深く押し込まれることを抑制する。制御手段がないと(the lack of control)、移動用プレート、貨物、そして貨物スペースにも損傷が発生する。この問題は、異なる種類の貨物スペースに積み込みを行うさいに大きくなる。各貨物スペースの積み込みを個別に監視し、かつ調節する必要があるからである。このため積み込み作業が遅滞し、損傷の危険が増す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005080132
【特許文献2】国際公開第2007071831
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、多数の種類の貨物スペースに積み込みを行うさいに好適な、新規なタイプの移動用プレートを実現することである。本発明の特徴については、特許請求の範囲に記載してある。驚くべきことに、本発明の移動用プレートは、移動用プレートを制御する手段を有する。従って、移動用プレートはその貨物とともに貨物スペース内に安全に押し込むことができ、損傷が発生する危険はない。同時に、貨物スペースの特性が相互に相違している場合でも、積み込みの自動化度が向上する。
【0006】
以下、本発明のいくつかの実施態様を示す添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】移動用プレートを使用した装置を示す図である。
図2】本発明の移動用プレートを示す軸測図(axonometric view)である。
図3】本発明の移動用プレートの第2実施態様を示す軸測図である。
図4】本発明装置の概略上面図である。
図5a】本発明の移動用プレートの第3実施態様を示す軸測図である。
図5b図5aの一部を示す上面図である。
【発明の詳細な説明】
【0008】
図1は、本発明の移動用プレートを使用した装置を示す図である。図示のように、移動用のコンベヤ12を形成するローラートラック13によって貨物ユニット10を有するパレット11を積み込み領域(loading area)に移動する。この積み込み領域には、2台の積み込み装置(filling devices)14および移動用手段16を備えた2台の移動用プレート15を設ける。1つ又はいくつかの移動用手段を設けることができる。この場合、中間のコンベヤ17は移動用コンベヤ12と積み込み装置14との間に設ける。1台の移動用プレート15が貨物スペース18に移動している場合、既に第2の移動用プレート15は積み込み状態にある。必要に応じて、積み込み領域には、いくつかの積み込み装置を設置することができる。さらに、パレット11を回転する回転用装置19を中間コンベヤ17に対応して設ける。この場合、パレットは最終ステージで回転する。同時に、一つの移動用プレートには異なるサイズのパレットが積載され、パレットが最適な位置に来る。図1の実施態様の場合、中間コンベヤ17は移動用装置20からなり、この装置はガイド上を移動用コンベヤ12から積み込み装置14の一つ又は他に移動する。この場合、貨物ユニット10は緩衝ビーム(buffer beam)22によってパレット11から押し出される。また、例えばロボットやマニピュレーター(manipulator)によって積み込み装置に貨物ユニットを設けることも可能である。積み込み装置の代わりに、移動用手段の側部から例えばフォークリフトトラックによって、あるいは上部から例えばクレーンによって積み込みを行うことも可能である。
【0009】
図2および図3に、貨物スペースへの積み込み時に利用する本発明の移動用プレート15を示す。この移動用プレートの場合、貨物ユニットが貨物スペース内に止まっている状態で、貨物ユニットとともに貨物スペースに出入りするように移動する。図示の実施態様では、移動用プレート15の表面においてその長さの一部に転動要素23を設け、貨物ユニット10の側の表面において、移動用プレート15と貨物ユニット10との間で移動できるようにする。このようにすると、貨物の移動が容易になる上に、移動用プレートに作用する応力を従来の場合よりも明らかに小さくできる。貨物ユニットおよび他の装置の応力も従来の場合よりも小さくなる。他方、移動用プレートのみを使用することも可能である。この場合、貨物ユニットを移動用プレートの上に設け、貨物ユニットを貨物スペースに移動することができる。いずれの実施態様でも、移動用プレート15は押し作用および引っ張り作用の両者に対して耐え得る可撓性の滑りやすいプラスチック材36を有する。貨物スペースの基部に面する滑りやすいプラスチック材の表面は平滑であるため、プラスチック材が基部上に滑動できる。移動用プレートはその後縁部から押し出し作用を受けるが、滑りやすいプラスチック材の可撓性が十分なため、貨物スペースの基部の形状に追従することができる。
【0010】
転動要素の構造、サイズおよび個数は実施態様毎に異なる。図示の実施態様の場合、転動要素23は自由に回転するローラー24であり、移動用プレート15の長手方向にローラー用レール25を形成する。ローラー用レールは数本でよく、相互に間隔を詰めて配設する。移動用プレート15の端部には、転動要素23から貨物スペースにかけて傾斜部(ramp)を設ける。この傾斜部があるため、貨物ユニットが貨物スペースに滑り落ち、貨物ユニットの下から移動用プレートを引っ張り出すさいに大きな降下は生じない。
【0011】
図2の実施態様では、機能性傾斜部26はローラー用レール25の連続体として構成されたプラスチック製の楔27を有する。図3の実施態様では、縁部に傾斜面29を付加した3つのプラスチックストリップ28を移動用プレート15の上部にボルト締めする。同じ機能を有する構成部材は同じ参照符号で図示する。
【0012】
移動用プレート15の場合、主にプラスチック材からなる。即ち、滑りやすいプラスチック材36から形成するため、貨物スペースの基部にそって滑動しやすい。実際、転動要素の表面に対向する移動用プレートの表面は実質的に平滑である。さらに、移動用プレートの薄く、滑りやすいプラスチック材は貨物スペース内の凹凸(unevennesses)に対応し、貨物スペース内の凹凸のある基部にも対応できる。さらに、貨物の重量は貨物スペースの領域上に均等に分布し、したがって貨物スペースに大きな開口を設けることさえ可能である。さらに、プラスチック製移動用プレートの場合、特に滑りやすいプラスチック材の場合、異なる種類の基部に引っかかることなく滑動する。貨物スペースの床は、例えば、鋼、木材、ベニヤ板またはアルミニウム製とすることができる。
【0013】
滑り作用がすぐれていると、問題も発生する。何らかの理由で、押した時に、移動用プレートが横方向に滑ることがある。この場合、移動用プレート、貨物ユニットまたはパレットまでが貨物スペースの壁にぶつかり、重大な損害が発生することがある。例えば、貨物スペースが傾くと、重力によって移動用プレートが貨物とともに側部に滑る。言うまでもないが、移動用手段および貨物スペースの両者をできるだけ均一かつ水平に常時維持することが目的である。
【0014】
移動用プレート15の場合、貨物ユニット10が貨物スペース18内に止まっている状態で、貨物ユニット10とともに貨物スペース18内に出入りするように移動する。本発明では、移動用プレート15は貨物スペース18に対して移動用プレート15を位置決めする位置決め手段30を有する。移動用プレートが何かにぶつかることなく、貨物スペースの中央に止まるため、損傷は発生しない。これによって、積み込みを自動化できる。
【0015】
さらに、位置決め手段30は移動用プレート15の一部になるように構成する。この場合、移動用プレートは、貨物スペースに異なる種類の貨物を積み込むために使用でき、貨物スペースを変更する必要もなく、また積み込み装置を変更する必要もない。位置決め手段30は、バネ要素31から構成するのが好ましい。また、位置決め手段30は自動式であるため、別な操作装置および制御装置は必要ない。バネ要素のバネ力は、移動用プレートをその貨物とともに位置決めするために十分である。同時に、センサーを備えた別な制御手段は必要ない。なお、“位置決め”とは、移動用プレートが貨物スペースの壁と接触しないようにこれを中心に位置決めすることを指す。移動用プレートが中心線から外れて移動した場合に、バネ要素のみが壁にぶつかる。
【0016】
実際は、位置決め手段30、この場合にはバネ要素31を移動用プレート15に取り付ける。好ましくは、移動用プレート15の前部に取り付ける。従って、位置決め手段は移動用プレートにそって移動する。移動用手段16には側部制限器37があるため、移動用プレート15が少なくとも(at all)移動する場合には、押し出し作用の最終ステージで横方向に移動する。従って、移動用プレート15の前部に設けられたバネ要素が最初に反応し、必要な場合にすぐれた操作効果が得られる。なお、“前部”とは貨物スペースに最初に入る移動用プレートの先端を指す。
【0017】
一般に、上記バネ要素31については、横方向に、構造的な損傷が発生しない状態で、バネ要素を使用して十分な力を得ることができるように設ける。従って、小さな力でも中心に位置決めすることができる。移動用プレートが移動すると、横方向に補正移動が生じるため、動的摩擦が問題になる。従って、小さな力でも、十分な操作作用が得られる。例えば、貨物が13トンの場合、必要な力は700Nほどであればよい。従って、貨物に比較して、中心に位置決めするために必要な力は驚くほど小さい。貨物スペースの壁は、この力に耐えることができ、損傷は発生せず、またバネ要素がより長い距離にわたって荷重を均し、点荷重および衝撃荷重がなくなる。
【0018】
本明細書に開示する実施態様の場合、移動用プレート15の各端部において、バネ要素31は凸状に湾曲した板バネ(leaf spring)32からなる。即ち、移動用プレートの各縁部に一つの板バネを設ける。板バネ32の凸部(convex portion)33は、この板バネ32の残りの部分から突出する(図4)。従って、この自然に凸状になる部分が平滑な形状を保持し、貨物スペース18の壁34に引っかかることはない。他方、移動用プレートが貨物スペースの壁に近づくほど、板バネの中心に位置決めする力が大きくなる。通常、貨物スペース18の壁34の下縁部に小幅(batten)ストリップを設け、このストリップは例えばフォークリフトトラックによって移動状態にあるパレットからの衝撃に耐え得る。移動用プレートに取り付けられた位置決め手段は、ストリップの領域に正確に設けられているため、壁が過剰な応力を受けることはない。実際、板バネは移動用プレートの厚みより薄いが、滑りやすいプラスチック材の厚みよりも厚い。具体的には、板バネ32の幅は40〜60mmである。
【0019】
十分な凸状部分は、十分長い板バネを使用することによって得られる。板バネの長さは500〜2,000mmが好ましく、特に好ましい長さは800〜1,500mmである。この場合、凸状部分の長さは250mm以上であり、貨物スペースの壁に平滑に追従する。同時に、この作用効果は十分局部的であり、点状にはならない。
【0020】
位置決め手段30については、摩擦面38を有するのが好ましく、貨物スペース18の壁34と位置決め手段30との間の摩擦が小さくなる。従って、壁の損傷や、摩擦力の移動用プレートの操作に対する有害な作用がなくなる。例えば、滑りやすいプラスチック材片(a piece of slippery plastic)を板バネの凸状部分に取り付けることができる。滑りやすいプラスチック材片については、着脱自在にするのが好ましい。摩耗した、滑りやすいプラスチック材片は新しいものと交換すればよい。また、滑りやすいプラスチック材は壁材に準じて選択すればよい。このように、滑りやすいプラスチック材片を変更することによって、移動用プレートの各貨物スペースの取り付けを最適化できる。
【0021】
本明細書に開示する実施態様の場合、板バネ32の一端は移動用プレート15に浮動可能に取り付ける。実際、板バネは一端のみ取り付け、他端については動けるように構成する。従って、板バネの長さを変形によって変更することが可能になる。具体的には、板バネ32は2つの端部39、40を有し、このうちの一つの端部39は浮動可能に移動用プレート15に取り付ける。対応して、板バネ32の他端40はピボット41によって取り付ける(図4および図5b)。この場合操作を軽くでき、同時に移動用プレートの過剰応力がなくなる。板バネについては、例えば、軽量の繊維強化プラスチック複合材料(fibre−reinforced plastic composite material)から形成することができ、材料厚みが薄くても十分な力を実現できる。この板バネに関しては、鋼製でもよく、その他の金属製でもよい。
【0022】
図4は、装置の上面図である。移動用手段16は幅が通常貨物スペース18よりも広いが、移動用プレート15は貨物スペース18よりも狭い。移動用プレート15の最も遠い端部において板バネ32を移動用プレートに取り付ける。従って、板バネの形状に変更がある場合には、その長さを自由に変更できる。
【0023】
図5aに、本発明の位置決め手段の形成方法を示す。図示のように、板バネ32の一端40にループ42を設ける。ピボット41の動きが働くので、この端部40をボルト43によって移動用プレートに取り付ける。板バネがボルトに対して回転できるように取り付けを行う。対応して、板バネ32の他端39を浮動可能に取り付ける。図示にように、移動用プレート15に対して傾斜するラグ(lug:突起)44を板バネ32の端部に設ける。さらに、ラグ44とボルト45の間が動けるように細長い開口をラグ44に設ける。従って、板バネが、荷重がかかっているにも関わらず正確な姿勢を保持している間、板バネの端部が動くことが可能になる。スロットについてはアングル鉄(angle iron:山形鋼)で構成し、ここに細長い開口を形成するとともに、板バネの端部に取り付ける。図5aに、板バネ32に加えて、ローラー24を所定位置にロックする縁部ストリップ46を示す。
【0024】
本発明の位置決め手段によって、操作要素がなくても、また貨物スペースを変更することなく、移動用プレートを中心に位置決めできる。同時に、損傷の発生を抑えることができ、自動化度を大きくできる。必要な場合には、バネ要素を変更することによって中心への位置決めに必要な力を変更できる。バネ板が一枚の板バネの代わりに、多数枚のバネ板を重ねた板バネを使用してもよい。なお、バネ板が一枚の板バネは簡単な上に強力かつ耐久性があり、加えて有害な突出部がない。
【符号の説明】
【0025】
10:貨物ユニット
11:パレット
12:移動用コンベヤ
14:積み込み装置
15:移動用プレート
16:移動用手段
17:中間コンベヤ
18:貨物スペース
19:回転用装置
20:移動用装置
22:緩衝ビーム
23:転動要素
24:ローラー
25:ローラー用レール
26:機能性傾斜部
27:楔
28:プラスチックストリップ
29:傾斜面
30:位置決め手段
31:バネ要素
32:板バネ
33:凸状部分
34:壁
36:プラスチック材
38:摩擦面
39、40:端部
41:ピボット
44:ラグ
45:ボルト
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b