【文献】
Negin Golrezaei,Wireless video content delivery through distributed cashing and peer-to-peer gossiping,Signals, Systems and Computers (ASILOMAR), 2011 Conference Record of the Forty Fifth Asilomar Conference on, IEEE,2011年11月 6日
【文献】
Wei Koong Chai,Cache less for More in Information-Centric Networks(Extended Version),Computer Communications,2013年 2月 6日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ネットワーク・ノードの下で動作するユーザ・ノード関する隣接行列を決定するステップであって、該隣接行列は、異なるユーザ・ノードの間の接続を示す、ステップと、
前記隣接行列の中心度測定基準に基づいて、前記有力ユーザ・ノードを決定するステップと、
を更に含む請求項1に記載の方法。
所与のユーザ・ノードが、前記ソーシャル・ネットワーク・コミュニティの内の他のユーザ・ノードに対して有する接続数に、少なくとも部分的に基づいて、前記所与のユーザ・ノードを有力ユーザ・ノードとして選択するステップを更に含む請求項1または2に記載の方法。
所与のユーザ・ノードに、物理的に近接しているユーザ・ノードの数に、少なくとも部分的に基づいて、前記所与のユーザ・ノードを有力ユーザ・ノードとして選択するステップを更に含む請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の方法。
所与のユーザ・ノードがタイム・ウィンドウ内に伝送したデータ量に、少なくとも部分的に基づいて、前記所与のユーザ・ノードを有力ユーザ・ノードとして選択するステップを更に含む請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の方法。
前記ネットワーク・ノードで動作する各ユーザ・ノードに対して、前記ソーシャル・ネットワーク・コミュニティを介して別のユーザ・ノードと通信する確率を決定するステップと、
前記決定された確率に、少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザ・ノードを前記少なくとも1つの前記近接ベース・クラスタに配置するステップと、
を更に含む請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の方法。
所与のデータ・コンテンツに対して、前記データ・コンテンツが、所与の近接ベース・クラスタにダウンロードされることがどの程度ありそうであるか、を示す伝送確率を決定するステップと、
前記伝送確率に、少なくとも部分的に基づいて、前記人気データ・コンテンツを決定するステップと、を更に含む請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の方法。
所与の近接ベース・クラスタの物理的位置の少なくとも1つの特徴へのデータ・コンテンツの結びつきに、少なくとも部分的に基づいて、前記人気データ・コンテンツを決定するステップを更に含む請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の方法。
所与の近接ベース・クラスタのユーザ・ノードにより要求された前記人気データ・コンテンツが、前記近接ベース・クラスタの前記ユーザ・ノードの少なくとも1つにキャッシュされることを検出するステップと、
前記人気データ・コンテンツをキャッシュする前記ユーザ・ノードに、前記直接近接通信を介して、要求している前記ユーザ・ノードへ前記人気データ・コンテンツを伝送するように要求するステップと、
を更に含む請求項1ないし11のいずれか1項に記載の方法。
所与のユーザ・ノードの許容インジケータをチェックするステップであって、該許容インジケータは、該所与のユーザ・ノードが、前記ソーシャル・ネットワークの挙動のモニタリングを可能にするか否かを示す、ステップと、
前記許容インジケータに基づいて、前記人気データ・コンテンツの前記決定において、前記ユーザ・ノードの前記ソーシャル・ネットワーク挙動情報を利用するか否かを決定するステップと、
を更に含む請求項1ないし請求項13のいずれか1項に記載の方法。
前記少なくとも1つのメモリおよび前記コンピュータ・プログラム・コードは、前記少なくとも1つのプロセッサを用いて、前記装置に、更に、どの少なくとも1つのユーザ・ノードにおいて、どのデータ・コンテンツがキャッシュされるかを示すキャッシュ・データベースを生成するステップを含む動作を実行させるように構成される、請求項19ないし32のいずれか1項に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の実施形態は代表的なものである。明細書本文では「1つ(an、one)」または「いくつかの(some)」実施形態と記載されているが、それぞれの言及が必ずしも同じ実施形態(複数可)を示すことはなく、特定の特徴が1つの実施形態についてのみ適用されることを示すものでもない。異なる実施形態の単一の特徴を組み合わせて他の実施形態を提供することもできる。
【0006】
本明細書に記載する実施形態は、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAX)、モバイル通信向けグローバルシステム(GSM(登録商標)、2G)、GSM(登録商標) EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、汎用パケット無線サービス(GRPS)、ベーシック広帯域コード多分割アクセス(W−CDMA)によるユニバーサル・モバイル・テレコミュニケーション・システム(UMTS,3G)、高速パケットアクセス(HSPA)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE−Aおよび/または5Gシステムなどのうち少なくとも1つである無線システムで実施可能である。ただし本発明の実施形態がこれらのプロトコルに制限されることはない。
図1は、通信ネットワーク例を示す。第三世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)またはLTEアドバンスト(LTE−A)などの無線通信ネットワークは、一般にセル102に対応する、少なくとも1つの基地局100で構成される。各セルは、例えばマクロセル、マイクロセルまたはピコセルなどであってもよい。基地局は、LTEおよびLTE−Aなどにおける進化ノードB(eNB)、UMTSにおける無線ネットワークコントローラ(RNC)、GSM(登録商標)/GERANにおける基地局コントローラ(BSC)、または無線通信を制御し、セル内の無線資源を管理することができるその他の装置である。通信ネットワーク内のマルチeNBの場合、LTEで規定されているX2インターフェースによるeNB同士の相互接続が可能となる。eNB102は、S1インターフェース経由で進化パケットコア(EPC)110、より詳細にはモビリティ管理実体(MME)およびシステムアーキテクチャー進化ゲートウェイ(SAE−GW)への更なる接続が可能である。
【0007】
図1によれば、eNB102は、BS102と、セル100内の端末装置104A、104Bとの間に確立されるセルラー無線通信リンクを制御することができる。点線の矢印が示す通信リンクは、基地局102および/またはコアネットワークを介してソース装置が目的の装置へとデータを送信する、端末間通信向けの従来の通信リンクを示す。したがって例えばユーザ端末104A、104Bは、基地局102およびEPC110を介して相互に通信可能である。端末装置は、例えばコンピュータ(PC)、ラップトップ、パームコンピュータ、モバイルフォン、またはセルラー通信ネットワークで通信可能な他の任意のユーザ端末もしくはユーザ機器である。
【0008】
従来の通信リンクに加え、またはその代わりとして、端末装置間に直接近接接続が設定される場合もある。近接通信例としては、装置間、D2D、ユーザ・ノード間の通信があげられる。近接通信の他の例として、近接装置のクラスタ(またはグループ)の直接通信、セルラーネットワークの自律的D2D通信、特定のタスクを協働して実行し、相互通信するローカルマシンのグリッドまたはグループ、およびセルラーネットワークのアクセスのため、多くの低性能装置またはマシンのゲートウェイとして作動する高度なセルラー装置が挙げられる。マシン通信(MTC)における近接サービスまたはアプリケーションの実施可能性の例としては、サイバー物理システム(CPS)がある。CPSでは、物理的物体に埋め込まれた相互接続装置(センサ、アクチュエータ、プロセッサ、マイクロコントローラなど)は、相互通信または、マルチメディア装置などの通信装置との通信が可能である。
【0009】
二台以上の装置間、例えば
図1に示す端末装置106Aと106Bとの間などの直接通信リンクを設定することができる。実線の矢印が示す直接通信リンク108は、直接通信に必要な端末装置106Aおよび108Bが、複数の無線アクセス技術のうち任意の技術により通信が適用できるような任意の無線技術に基づく。BS102に接続される無線資源制御(RRC)接続を設定した端末装置は、
図1の破線矢印が示すように、近接通信リンク108をBS102により制御することができる。
【0010】
ただし、説明を平易にするため、以下、近接通信/サービスの例として、D2Dの使用を前提とする。
【0011】
上記のように、ネットワークからユーザ装置への動画伝送などのファイルストリーミングが、現時点での通信容量の過半を占め得る。他に増加している人気サービスはソーシャルネットワーキングで、通信量はほぼ15%を占める。ソーシャル・ネットワークのユーザは、ソーシャルリレーションおよび繋がりを活用することでデータを求める場合がある。例えばユーザは、ソーシャル・ネットワークの友人による音楽動画の視聴を検出できる。その時、ユーザは、同じ音楽動画を視聴する傾向が大きくなる。ソーシャル・ネットワークの人気の高まりはまた、データ通信需要増大へも寄与する。
【0012】
このようにかつてない通信需要に対応するため考えられる1つの取り組みとして、小セルネットワーク(SNC)の展開が挙げられる。SNCは、より大きいマクロセルラーネットワークにおける低出力かつ低コストの小セル基地局(SBS)展開を含むことができる。小セル基地局は、例えばミクロセル、ピコセルまたはフェムトセルを適用範囲とすることができる。ただし近年の最先端の研究では、ユーザが求める通信量やフローが、その取得時に直ちに対応しなければ、システムのダウンにより動作不能状態を引き起こすような、反応性ネットワーキングパラダイムが前提となっている。したがって、既存の小セルネットワークがピーク時の通信量需要の管理上の問題を抱える状況が起こり得る。このような問題は、接続装置数の増加(人間およびマシンの通信)、超高密度ネットワークの出現、およびネットワーク全体でやりとりされる大量のデータいわゆる「ビッグデータ」などによりますます深刻になる可能性がある。上記の問題に対する大規模な解決策は、一般に、高額なサイトの取得、インストールおよびバックホールコストに依存する。
【0013】
したがって効率的なデータ伝送について、より高度な解決策が必要である。そのため、ソーシャル・ネットワーク・コミュニティでは、装置の記憶容量、ユーザのコンテキスト適応性、ユーザ需要の予測の利用が提案されている。
図2および
図3に示すように、ステップ200では、ネットワーク・ノード300は、ソーシャル・ネットワーク・コミュニティ(SNC)302の一組のユーザ・ノード311ないし322を近接ベース・クラスタ304ないし308(例えばD2Dクラスタ)のそれぞれ少なくとも1つのクラスタに配置することができる。
図2の方法を実行するネットワーク・ノード300は、eNBなどの基地局にできる。実施形態では、ネットワーク・ノードは、限られたエリアを担当する基地局であり、都市およびビル内での数十メートルから地方での数キロメートルにおよび得る。これらの種類のセルは、例えばマイクロセル、ピコセルまたはフェムトセルと呼んでもよい。一実施形態では、ネットワーク・ノードをホーム基地局(HeNB)にできる。ただし、簡明のため、ネットワーク・ノード300はSBSとして説明される。例えばインターネットよりの/へのデータ通信のため、SBS300をコアネットワーク310に接続できる。
【0014】
ユーザ・ノード311ないし322は、例えばユーザ装置、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末(UT)、コンピュータ(PC)、ラップトップ、タブロイドコンピュータ、ファブレット、セルラーフォン、モバイルフォン、通信機、スマートフォン、パームトップコンピュータ、またはデータ伝送目的でネットワークにアクセス可能なその他の任意の通信装置である。ただし、説明を簡単にするため、説明において、ユーザ・ノード311ないし320をUEと称する。各UEの機能はSBS300によって実行されてもよく、加えて、他の基地局によって実行されてもよい。
【0015】
ソーシャル・ネットワーク・コミュニティ(SNC)302には、例えば、フェースブック(登録商標)、ツィッタ、Diggまたはインスタグラムなどの、ネットワーキングソサエティが含まれ得る。この種のSNC302は、UE311ないし320に対応するSNC302にアクセスする多くのユーザ(また、メンバとしても知られる)から構成されている。SNC302のメンバは、識別子(ID)入力によってSNCに自身を識別させることが必要になる場合がある。1つのSNC302は、1つのSBS300が担当するユーザ(複数)から構成され得る。しかし、別の実施形態では、1つのSNC302は、多くのSBSを担当し、または多くのeNBのUEから構成されてもよい。
【0016】
一実施形態では、ステップ200でのD2Dクラスタ形成に先立ち、SBS300が、SNC302に属するUEを判定できる。これは、SBS300がUE311ないし322のデータ伝送を管理しているため可能となり得、およびそのため、SBS300は、UE311ないし322のうち、どれがソーシャル・ネットワーク・コミュニティ302にアクセスするか把握することができる。
図3を簡略化するため、全てのUE311ないし322がSNC302の一部であるものとする。
【0017】
上述のように、従来の通信では、通信装置間の通信は、コアネットワーク310を介してルーティングされるため、ネットワーク負荷、データ遅延(待機時間)および基地局資源の利用が増加する。より「高速」通信手段が提供されるよう、ステップ200では、SBSは、UE311ないし322を、D2Dクラスタ304、306、308のうち少なくとも1つに配置できる。セルラーネットワークの直接通信を利用する動機の1つが、ローカル通信の保持である。D2Dのコンセプトでは、既存のセルラーネットワーク資源を利用することで、UEの相互直接通信が可能となる。その結果、直接通信モードは、不要なコアネットワークの使用を回避することに寄与し、それにより、基地局の資源活用を強化する。SBS300は、所定UEがD2Dモードまたは従来のモードのどちらを適用するか制御できる。更に、SBS300は、D2Dクラスタ通信モードにおいて、UEの資源割り当てを制御することができる。ただし、一実施形態では、D2DクラスタモードのUEは、ネットワークの制約内で割り当てられた無線資源をどのように使用するかについて自身で決めることができる。したがってUEは、例えば使用された変調および符号化方法(MCS)ならびにリンク適応変調を決めることができる。
【0018】
図3の例では、三つのD2Dクラスタ304ないし308が形成されている。各D2Dクラスタは、1つ以上のUEを含むことができる。D2Dクラスタの大きさが同じである必要はない。
図3のUE間の実線矢印が示すように、D2DクラスタのUEは、直接D2D通信リンクにおいて、相互にD2D通信を実施することができる。D2DクラスタのUEは、比較的近くに位置すると同時にSBS300に接続されている、多くのUEに同時に接続することができる。ただし、UE322は、任意のD2Dクラスタの一部ではなく、SBS300を介して通信するものであってもよい。
【0019】
どのUEを同じD2Dクラスタに対して選択すべきか決定できる場合について説明する。実施形態では、D2Dクラスタ形成(例えばD2Dクラスタリング)は、連結性および/または近接範囲に基づく。
【0020】
一実施形態では、1つのSBS300の全UEが、1つのD2Dクラスタに配置されている。これは、SBS300の担当エリアが、SBS300の担当するUE同士が比較的近接していることを伴うものであってもよいため、可能となる。
【0021】
一実施形態では、1つのSBS300でのUEが、複数のD2Dクラスタ304ないし308に配置される。一実施形態では、各D2Dクラスタは、有力なUEを少なくとも1つ有する。有力なユーザの概念については後で説明する。本実施形態は、後続する工程の複雑さを低減するため、SBS300において、最初に多くのUE群を複数の比較的小さなD2Dクラスタに配置することでシステムの複雑さを低減している。
【0022】
一実施形態において、SBS300は、異なるUE311ないし322間の物理的な距離を判定でき、判定された物理的距離に少なくとも部分的に基づき、UEをD2Dクラスに配置できる。例えば、二つのUE間の距離が大きい場合、これら二つのUEは相互に通信できないため、これら二つのUEは、決して同じクラスタに置かれることがない。
【0023】
一実施形態では、SBS300は、SBS300で(SBS300が担当する)作動される各UE311ないし322について、SNC302を介した別のUEとの通信の確率について判定する。その結果、SBS300は、判定された確率に少なくとも部分的に基づき、UEを少なくとも1つのD2Dクラスタ304ないし308に、配置することができる。例えば、所定閾値よりも相互通信の確率が高いUEは、1つのD2Dクラスタに配置することができる。D2Dクラスタの各UEは、D2Dクラスタの他の任意のUEと通信する確率が高い。あるいは、第一UEが第二UEと通信しやすく、第二UEが第三UEと通信しやすいように、D2Dクラスタでのシーケンシャル通信が可能である。ここで、第一UEおよび第三UEを、同じD2Dクラスタに接続する必要すらなく、更には割り当てる必要もない。
【0024】
一実施形態では、確率の判定は、異なるUE間のソーシャル・ネットワーク接続に基づいてできる。一実施形態では、SBS300は、このSBS300でのUE作動に関する隣接行列Aを判定することができる。ここで、隣接行列Aは,異なるUE311ないし322間の接続を示す。例えば、Nのユーザ・ノード311ないし322間の接続は、NxNの大きさの隣接(または連結)行列Aにより説明できる。ユーザ・ノードiとjの間にリンクが存在する場合、成分A
ij、i,j=1・・・N、は1に等しく、それ以外はゼロとなる。
【0025】
一般に隣接行列Aから四種類の中心度測定基準を得ることができる。
1)「ディグリー(degree)中心度」あるノードが有する他のノードとの連結数を表すもの。
2)「近接中心度」あるノードと他のノードとの距離を表すもの。
3)「間隔中心度」あるノードが他のノードへの最短経路上にある度合いを表すもの。
4)「固有ベクトル中心度」ネットワークの隣接行列Aの最大固有値に対応する固有ベクトルを使用することで、SNC302のノードの影響を推定するもの。
【0026】
中心度測定基準のうち少なくとも1つの基準を用いることで、SBS300は、任意の二つのユーザ・ノードiとjとの通信の確率を取得でき、これをユーザiとユーザjとのリンクウェイトとして認識もまたできる。このように、ユーザをD2Dクラスタ(複数可)304ないし308に配置する際、任意の二つのユーザ・ノード間の通信確率を考慮することができる。
【0027】
一実施形態では、所定UE322がSNC302にアクセスするか、または任意のデータ・コンテンツをリクエストするかの、確率は、予め定められた確率閾値より低いと判断する場合がある。その場合、UE322が、D2Dクラスタ304ないし308のいずれにも配置されていないと決定できる。
【0028】
ステップ202において、SBS300は、所定の近接ベース・クラスタ内(例えばD2Dクラスタ304内)の人気データ・コンテンツを判定できる。一実施形態では、人気データ・コンテンツは、予め定められた人気基準を満たさなければならない。任意のデータ・コンテンツには、例えば動画ファイル、オーディオファイルまたはテキストファイルなどを含むことができる。
【0029】
その際、ステップ204では、D2Dクラスタ304内のUE311ないし315によりユーザ・ノード間の直接近接通信を介して人気データ・コンテンツを伝送可能とするため、SBS300は、人気データ・コンテンツを所定D2Dクラスタ304の、少なくとも1つのUE311ないし315に先行的にキャッシュすることができる。したがって、D2Dクラスタ304ないし308内に人気ファイルを保存することにより、ステップ204の先行的なキャッシュが適用される。所定D2Dクラスタ304の人気データ・コンテンツは、別のD2Dクラスタのコンテンツとは異なる場合がある。したがって所定D2Dクラスタは、別のD2Dクラスタとは異なるデータ・コンテンツを(それぞれのUEの1つに)キャッシュすることができる。キャッシュは、ユーザ側の保存の制約を考慮することができる。キャッシュは、少なくとも暫定的に、メモリへデータを保存することを意味する場合がある。UE311ないし315のうちの少なくとも1つに、人気データ・コンテンツをキャッシュすることは、保存を目的とした、SBS300による各UEへの人気データ・コンテンツの伝送を意味する場合がある。
【0030】
SBS300が人気データ・コンテンツ400を判定できるステップ202について説明する。例えば統計的分析により、SNC302のユーザが、同様の嗜好を持つ友人および人々が高く推奨するコンテンツを評価し、それをまた推奨する傾向にあることが知られている。SBS300が、アクセス側のUE311ないし322の装置識別情報、ID(例えば、メディアアクセス制御(MAC)ID)も検出できる。SBS300は、コアネットワーク310にアクセスする装置311ないし322を更に制御および管理でき、これにより、どのようなデータがどの装置に伝送されたかを把握できる。
【0031】
図4に示すように、一実施形態では、SBS300は、D2Dクラスタ304のデータ・コンテンツの伝送履歴に少なくとも部分的に基づき、人気データ・コンテンツ400を判定することができる。例えば、
図4のブロック402が示すように、予め定められた人気基準により、人気データ・コンテンツがD2Dクラスタ304内に少なくとも所定回数伝送されていることを要求できる。伝送回数が多いことにより、人気データ・コンテンツであることを示唆でき、今後も同じくリクエストされる可能性がある。しかし、伝送回数が低いことにより、人気データ・コンテンツではないことを示唆でき、今後もリクエストされる可能性は低い。所定の伝送回数は、例えば経験的データまたは数学的シミュレーションに基づくことができる。
【0032】
一実施形態において、判定された人気データ・コンテンツは、所定D2Dクラスタにおいて最も多く伝送されたデータ・コンテンツである。これは例えば伝送履歴から判定することができる。
【0033】
図4のブロック404が示す一実施形態において、SBS300は、所定データ・コンテンツについて、それが所定D2Dクラスタにダウンロードされる確率の度合いを示す伝送確率を判定する。その後SBS300は、伝送確率に少なくとも部分的に基づき、人気データ・コンテンツを判定できる。所定データ・コンテンツが所定人気基準を満たす前に、所定確率閾値を上回ることが必要な場合がある。この確率により、データ・コンテンツがタイム・ウィンドウ内にダウンロードされる確率の度合いを示すことができる。タイム・ウィンドウは、事前に定義できる。
【0034】
所定D2Dクラスタへの所定データ・コンテンツのダウンロードの確率の判定に関する一実施形態において、ユーザ数をN、コンテンツの総数をFと定義する。大量のコンテンツが利用可能として、F=F
0+F
Hが成立すると仮定できる。ここでF
Hは、履歴のあるコンテンツ群(閲覧履歴など)を表し、F
0は、履歴のないコンテンツ群である。Fのうちコンテンツ/ファイルfが所定ユーザに選択される確率は、ベータ分布によるものと仮定できる(例えば事前確率)。したがって、(ユーザNのうち)ユーザnの選択結果は、ベータ分布の共役確率として定義でき、ベルヌーイ分布によるものとなり得る。上記を考慮すると、得られるユーザファイル分割により、中華料理店過程(CRP)の分割を想起できる。したがって一実施形態では、伝送確率はCRPに基づく。
【0035】
当業者により知られているように、CRPはレストランの顧客を対象とし、顧客が席につくテーブルを等級とする比喩に基づくものとできる。特に、多くのテーブルがあり、各テーブルに無限数の席があるレストランに、顧客が次から次へと入店し、各々がテーブルを無作為に選択する。パラメータβを有するCRPでは、各顧客は既に席についている人数に比例した確率で席が埋まっているテーブルを選択し、次にβに比例した確率で空きテーブルを選択する。このプロセスは、全ての顧客が席につくまで続き、テーブルに割り当てる人の配分を定義する。
【0036】
このプロセスを現在の事例に反映させると、SNC302が中華レストランを表し、複数のデータ・コンテンツが多くの椅子を表し、およびユーザが顧客を表すと考えることができる。したがってデータ・コンテンツの普及プロセスは、CRPのアナロジーによりオンラインで予測できる。即ち例えばD2Dクラスタ304において、UE311ないし315は、所定データ・コンテンツのダウンロードを順次リクエストし、ユーザがそのデータ・コンテンツをダウンロードすると、伝送が記録される(例えばデータ伝送履歴作成のため)。今度は、この伝送実行は、このデータ・コンテンツが、同じD2Dクラスタ内の他のユーザによりリクエストされる確率に影響を及ぼす。換言すれば、これは人気データ・コンテンツがより頻繁にリクエストされ、新しいデータ・コンテンツは、それほど頻繁にリクエストされない可能性があり、以下の式で表現される。
【数1】
ここでZ
NxFは、どのユーザがどのコンテンツを選択したかを示す二値ランダム行列であり、Z
nf=1は、ユーザnがコンテンツfを選択する場合を示し、それ以外はゼロである。注「(.)は、ガンマ関数、m
fはコンテンツfに現在割り当てられているユーザ数(あるいは閲覧履歴)、F’は、m
f>0の分割数、である。
【0037】
P(Z)は、確率変数Zの確率分布関数を意味する。例えば高確率は、D2Dクラスタのコンテンツ拡散プロセスが、所定マトリックスZによるものであることを示す。これにより、どのコンテンツに人気があり、どのコンテンツに人気がないかを示すことができる。
【0038】
このように、所定ユーザ(すなわち、UE)が自身のD2Dクラスタ内の所定コンテンツをリクエストする確率を取得できる。例えばパラメータβのCRPを前提として、各ユーザは、D2Dクラスタ内のデータ伝送履歴に比例する確率で所定データ・コンテンツを選択し、次に確率βで別のコンテンツ(データ伝送履歴無し)を選択する。例えば第一ユーザが確率β/β=1で第一コンテンツを選択する。次に、第二ユーザは、確率1/(1+β)で第一コンテンツを、確率β/(1+β)で第二コンテンツを、選択する。第二ユーザが第二コンテンツを選択した後、第三ユーザは、確率1/(2+β)で第一コンテンツを、確率1/(2+β)で第二コンテンツを、そして確率β/(2+β)で第三コンテンツを、選択する。このプロセスは、理論上全てのユーザがコンテンツを取得するまで継続でき、次にデータ・コンテンツのユーザ割り当て分布が定義される。したがって後続ユーザの決定は、先行ユーザのデータ・コンテンツダウンロードの決定に影響される。このように、各クラスタ304ないし308に対してファイルの人気分布を判定することができ、この分布(伝送確率として知られる)を、D2Dクラスタ304ないし308内の人気データ・コンテンツ(戦略データ・コンテンツとして知られる)の判定時に使用することができる。
【0039】
図4のブロック406が示す一実施形態において、SBS300は、所定D2Dクラスタ304ないし308の物理的位置の少なくとも1つの特徴点に対するデータ・コンテンツの関連付けに少なくとも部分的に基づき、人気データ・コンテンツを判定することができる。例えば、D2Dクラスタの位置には、特定種類のレストラン、店、公共の場所、図書館が存在してもよい。例えばD2Dクラスタ304がサングラス店の周囲に形成されている場合、人気データ・コンテンツには、サングラス店の広告など、サングラスに関連付けたものを求めることができる。
【0040】
各D2Dクラスタのキャッシュ対象コンテンツは、対応するD2Dクラスタに属するユーザのソーシャルリレーションやソーシャル・ネットワーク活性により、それぞれ異なり得ることが認識できる。同様に、異なるソーシャル・ネットワーク・セルコミュニティ(即ち、異なるSBSが担当するユーザ)では、キャッシュするデータ・コンテンツが異なる場合がある。
【0041】
この結果、ステップ204において、各D2Dクラスタ304ないし308内のユーザの少なくとも一人のメモリに、人気データ・コンテンツ400を予め割り当てることができる。D2Dクラスタ304の視点より、このような先行的なキャッシュは、人気データ・コンテンツ400をD2Dクラスタ304のUE311ないし315のうち少なくとも1つのUEにダウンロードできることを意味する。そのUE、例えばUE311は、人気データ・コンテンツを自身のメモリに所定期間保存することができる。UE311は、リクエストに応じて、対応するD2Dクラスタ304内に人気データ・コンテンツを、リクエスト側のUE312ないし315の少なくとも1つに対して、D2D通信リンクを介して拡散できる。結果として、ピーク通信需要を、SBS300の視点から抑制することができるため、バックホール輻輳を緩和するとともにネットワークの相当な省電力化を達成できる。
【0042】
例として以下、データ・コンテンツ400が、UE312ないし315も有するD2Dクラスタ304のUE311にキャッシュされると仮定する。
図5Aについて、SBS300が、人気データ・コンテンツ400(例えば動画ファイル)のUE311へのキャッシュを決定した場合を仮定する。その後、ステップ500において、SBS300が動画ファイル400をUE311にアップロードし、UE311は、自身のメモリに動画ファイル400を保存する。その後、同じD2Dクラスタ304のUE312のユーザは、動画400の視聴を自ら希望する。これは、UE311(または他のUE)が、SNC302の動画ファイル400へのリンクを投稿したか、またはUE312のユーザが、動画ファイル400の視聴を何らかの理由で希望したか、のためであってもよい。その後、ステップ502において、UE312は、SBS300に対してコアネットワーク310から動画ファイル400のダウンロードをリクエストする。
【0043】
所定UE312が動画ファイル400をリクエストすると、SBS300は、D2Dクラスタ304のUE311、313ないし315のうちのどの1つが、メモリ内のファイル400をリクエストしたかを判定する。この場合、動画ファイル400は、UE311に既に先行的にキャッシュされている。したがってステップ504において、SBS300は、Sbs300がコアネットワーク310にアクセスする代わりに、UE311と312間のD2D通信リンクを介して、UE311に対してファイル400をリクエスト側のユーザ312に伝送するよう指示できる。このステップ504では、D2Dクラスタ304が必要とする無線資源が、D2Dクラスタ304ないし308の形成時にD2Dクラスタ304に既に割り当てられていない限り、D2D無線資源をUE311、312に割り当てることを、含むことができる。ステップ506では、UE311は、次に動画ファイル400をリクエスト側のUE312に伝送できる。
【0044】
一実施形態では、UE312は、SBS300からのデータ・コンテンツ400のリクエストに先立ち、D2Dクラスタへのリクエストをまず発信できる。このように、UE311は、UE312が、UE311によりキャッシュされるデータ・コンテンツを必要としていることを、検出することができる。このようにUE311は、SBS300からのリクエストを最後まで受信することなく、データ・コンテンツ400をUE312へと送信することができる。
【0045】
図5Aによる、更に別の実施形態では、UE312は、D2Dクラスタ304のそれぞれのUE311、313ないし315のうちどのUEが、どのコンテンツをキャッシュしたかを予め把握できる。これは、D2Dクラスタ304で検出されたデータ伝送から把握することができる。このように検出されたデータ伝送に基づき、UE312は、UE311による所望データ・コンテンツ400のキャッシュを検出することができる。したがってUE311に対して、データ・コンテンツ400をUE312に伝送するよう直接要求することができる。これにより、データ・コンテンツ400の受信速度を上げることができる。
【0046】
しかし、SBS300で作動するD2Dクラスタ304での、SBS300による制御を維持するため、
図5Aに描くように、UE11は、伝送に先立ちSBS300からコマンドが伝送されるまで待機することが有利な場合がある。
【0047】
しかし、人気データ・コンテンツ400を、D2Dクラスタ304のUE311ないし315のいずれのUEにもキャッシュしない実施形態を説明する。この場合、ステップ520において、SBS300は、D2Dクラスタ304のUE312がリクエストした人気データ・コンテンツ400が、D2Dクラスタ304のいずれのUEにもキャッシュされないことを検出できる。その結果、ステップ522においてSBS300は、コアネットワーク310から人気データ・コンテンツ400をダウンロードでき、ステップ524でファイル400をリクエスト側のユーザ312へと直接伝送することができる。このように、この解決策は、データ・コンテンツ400が先行的にキャッシュされなかった場合の、またはキャッシュされたデータ・コンテンツ400が既にUE311から削除された場合(例えば所定期間を過ぎた場合)の予備解決策を表す。
【0048】
図5Cに示す更に1つの実施形態において、SBS300は、ステップ530で人気データ・コンテンツ400をSBS300自身にキャッシュできる。この種のキャッシュは、D2Dクラスタ304のUE311ないし315のキャッシュの代替として、またはこれに加えて実行可能である。これは、SBS300の記憶容量を、D2Dクラスタ304のモバイルUE311ないし315の記憶容量より大きくできることにより、有利場合がある。その後SBS300は、D2Dクラスタ304のUE312からの人気データ・コンテンツ400のリクエストに応じて、ステップ524で、リクエスト側のUE312へと人気データ・コンテンツ400を伝送できる。したがってSBS300は、UE312からのデータ・コンテンツリクエストの受信時、コアネットワーク310からデータ400を取り出す必要はない。これは、SBS300が早い段階で作動し、人気動画ファイル400をSBS300自身のメモリにキャッシュしているからである。
【0049】
更に1つの実施形態において、リクエスト側のUE312へ、利用可能なリンク容量に応じて、SBS300とUE311とによりデータが同時に提供できる。これによりUE312によるデータ・コンテンツの受信が更に促進できる。SBS300は、キャッシュされているコンテンツから、またはコアネットワーク310からデータ・コンテンツをリクエストすることで、UE312にデータを提供できる。
【0050】
図5Aおよび
図5Cが示す提案は、本質的に先行的なものとみなすことができ、サービス/エクスペリエンス(QoS/QoE)要求事項およびコスト/エネルギー消費を損なうことなく、省資源化を達成するため、ユーザの背景情報を活用し、ユーザの需要を予測/予想する、ネットワーク・ノード(例えば基地局)に基づくものである。予測フレームワークは、モバイル・ユーザの情報需要パターンが、ある程度予測可能であることに依存できる。実際にリクエストされる前に、選択されたユーザに対して所望情報400を先行的に事前にキャッシュすることで、セルラーネットワークのピーク負荷を最小限にするため、このような予測可能性を活用することができる。これは、期限付きの特定ファイルを複数ユーザ311ないし322がリクエストする際に重要な場合がある。古典的な方法は、コアネットワーク310からファイルを取得することであるが、これにより、それぞれの期限に間に合わなくなる恐れがある。提案された方法は、ネットワークエッジ(例えばUEおよび/またはSBS300)のコンテンツを代わりにキャッシュでき、リクエスト側UEに対してネットワークエッジからデータを直接提供できる。これにより、期限を守る助けにできる。
【0051】
更に、提案された先行的キャッシュ手順は、ピークモバイルデータ通信需要を最小限とするため、記憶能力およびUE311ないし322のソーシャルリレーションを活用する。この提案は、ユーザ311ないし322がデータ・コンテンツ400をリクエストするまで待機することなく、ユーザのデータリクエストを推測し、UE311ないし322の少なくとも1つにおよび/またはSBS300内に、人気データ・コンテンツ(UEによりリクエストされると予測された)をキャッシュするという意味で、先行性である。このキャッシュは、所定ユーザからリクエストを受信する前に実行される。これにより、ユーザの品質要求事項を満足させつつ、ピーク通信料需要が円滑になる。
【0052】
実施形態では、SBS300は時間に対するデータ伝送分布を検出することができる。上記のように、SBS300はセル内のデータ伝送を管理できるため、セル内で伝送されるデータの量や伝送時期を判定することができる。
図6の符号600で示すデータ伝送分布を前提に説明する。SBS300は、データ伝送分布に基づき、オフピーク期間602を判定できる。例えば、
図6のタイム・ウィンドウを24時間とすると、夜間時間が、例えばセル内でのオフピーク期間を表す場合がある。オフピーク期間が複数の場合がある。ステップ604では、SBS300は、オフピーク期間602内に少なくとも1つのUE311に人気データ・コンテンツ400をキャッシュするよう決定できる。これは、時間領域内でのデータ伝送をより均一に分布でき、ピーク伝送時間(例えば日中)でのSBS300からの人気データ400の伝送を必要としない点から、有利である。このように、処理能力および、UE311ないし322のメモリ記憶の活用により、ネットワークのオペレータは、オフピーク時間内に予測可能なピーク時のリクエストに先行的に対応可能とできる。
【0053】
一実施形態においてSBS300は、キャッシュされているデータ・コンテンツ400を、所定期間の経過後にUE311から削除することができる。これは、他の目的のためにUE311のキャッシュを解除するため、有利である。上記期間を事前に設定できる。D2Dクラスタ304のUE312ないし315のうちの少なくとも1つの他のUEからの人気データ・コンテンツのリクエスト(複数可)が、所定時間内に受信されると予測されることが判定できる。いずれのリクエストも受信されない場合でも、それにかかわえらず、人気データ・コンテンツ400をUE311から流布できる。予測されたデータ伝送リクエスト期間は、例えばCRPに基づき判定できる。
【0054】
加えて、一実施形態では、キャッシュされたデータ・コンテンツに関する、予測されたデータ伝送リクエストが受信された後、データ・コンテンツ400が流布できる。これは、例えばCRPに基づき、またはD2Dクラスタサイズに基づき判定される。SBS300は、UE(データ400のキャッシュ先)に、UEでのデータ・コンテンツ400のキャッシュにかかる時間や、キャッシュされたデータ・コンテンツ400をフラッシュする前に対応すべきデータ・コンテンツリクエストの数量を通知できる。UE311ないし322のメモリの記憶容量が限られているため、キャッシュされたデータ・コンテンツ400からUE311ないし322のメモリをフラッシュすることが重要な場合がある。
【0055】
図7に示す一実施形態では、更なるSBS300は、所定UE700が悪質なデータ・コンテンツを含んでいることを検出できる。これは、SBS300が、コアネットワーク310への/よりのノード313への/よりのデータ伝送を扱うことができるため、SBS300によりできる。SBS300は、例えばウィルスまたはマルウェアスキャナーを含むデータをチェックできる。検出に対応して、SBS300は、ステップ700でそのUE313から別のUEへの接続確立を防止できる。UE313がいずれのD2Dクラスタのメンバにもなることが許可されないことで、分離が実施できる。別の実施形態では、UE313がSNC302のメンバになることは許可されない。SBS300は、悪質なデータ・コンテンツを含む恐れがあることの注意をUE313に送付して、悪質なコンテンツを削除するため、ウィルス/マルウェアソフトウェアへ実行するようUE313に要求する。
【0056】
一実施形態について、
図8を参照して説明する。ステップ800では、SBS300はSNC302から、少なくとも1つの有力なUEを選択できる。各有力なUEは、所定の有力度基準を満たすことが要求される場合がある。ステップ802において、SBS300は、各D2Dクラスタが有力なUEを少なくとも1つ含むように、D2Dクラスタを配置する。更に、ステップ804において、SBS300は少なくとも1つの有力なUEに対して人気データ・コンテンツ400を先行的にキャッシュできる。
【0057】
D2Dクラスタ304のUE311ないし315のうちの少なくとも1つに対してデータ・コンテンツ400を先行的にキャッシュする代わりに、人気データ・コンテンツ400を有力なUEにキャッシュするよう、キャッシュ側のUEをより高度に選択できる。これは、後で説明するように、有力ユーザがSNC302で良好に接続され得るリーダーとなることができるため、およびSNC302の他の多くのメンバに達することができるため、有利である。このように、一実施形態のステップ800−804は、
図2のステップ200および204の少なくとも部分的な代替となることができる。
【0058】
SBS300が、D2Dクラスタの複数のUEに対してデータ・コンテンツをマルチキャストする必要性を回避するため、SBS300へ可能性を提供できるので、データ・コンテンツ400をキャッシュする有力ユーザを探すことは有利な場合がある。代わりに、SBS300は、1つの有力なUEにデータ・コンテンツ400を送信できる。これにより、例えば、帯域幅が節約でき、資源の割り当てをより効率的にできる。
【0059】
図3に示す例では、実線が有力ユーザ311、316および318を示し、点線が非有力ユーザを示す。これらのUEは、各D2Dクラスタで最も良好に接続されているものである。一実施形態において、これらの有力なユーザは、それぞれのD2Dクラスタ304ないし308のクラスタヘッドとみなすことができる。
図3には示されていないが、各クラスタ304ないし308は、一人以上の有力ユーザを有する場合がある。
【0060】
有力ユーザ群を判定するため、中心度測定基準という考えを用いることにより、ユーザ間のソーシャルリレーションおよび繋がりを活用できる。そこで、一実施形態では、SBS300は、そのSBS300自身が担当するUEについての隣接行列Aを判定でき、隣接行列Aは、異なるUE311ないし312間の接続を示す。既に説明したように、想定し得る1つ以上の中心度測定基準(「ディグリー(degree)中心度」、「近接中心度」、「間隔中心度」、および「固有ベクトル中心度」)を、隣接行列Aから得ることができる。
【0061】
SBS300は、隣接行列Aの中心度測定基準に基づき、有力UEを判定できる。一実施形態では、有力ユーザ群を検出するため、固有ベクトル中心度を使用できる。固有ベクトル中心度測定基準の取得方法について、より詳細に説明する。SBS300においてユーザ・ノード311ないし322の数をNとし、大きさがNxNの隣接(または連結)行列Aを得ると想定する。Aの固有値を降順にλ
1・・・λ
Nとして、対応する固有値をv
1・・・v
Nとする。ここで、固有ベクトル中心度は、最大固有値λ
1に対応する固有ベクトルv
1に基づくことができる。これにより、SBS300におけるSNC302の有力ユーザ・ノードを示すことができる。これらの有力ユーザは、SNC302において良好なまたは多くのソーシャルな繋がりを有するユーザである可能性があり、フェースブック(登録商標)またはツィッタなどのSNC302で複数のフォロワーを有するユーザ、SNC302におけるリーダーなどである。一実施形態では、クラスタリング方法(K平均クラスタリング法など)が、ステップ802のD2Dクラスタ形成のため、このベクトルに適用できる。
【0062】
次に有力ユーザのいくつかの選択方法例について
図9を参照して説明する。
【0063】
一実施形態では、ブロック900が示すように、SBS300は、所定ユーザ・ノードが有する、ソーシャル・ネットワーク・コミュニティの他のユーザ・ノードへの接続数に少なくとも部分的に基づき、所定ユーザ・ノードを、有力ユーザとして選択できる。例えば、所定の有力度基準は、有力UEが、SNC302の他のユーザとの少なくとも予め定められた接続数を有していることを要求できる。これは、例えば隣接行列Aより取得できる。
【0064】
一実施形態では、ブロック902が示すように、SBS300は、所定ユーザ・ノードに物理的に近接するユーザ・ノード数に少なくとも部分的に基づき、所定ユーザ・ノードを有力ユーザ・ノードとして選択できる。例えば、所定の有力度基準は、SNC302のUE311ないし322のうち少なくとも所定数のUEが、有力UEに物理的に近接して位置することを要求できる。したがってSBS300は、異なるUE311ないし322間の物理的距離を検出でき、所定有力UE候補に近接しているUEの数を検出するように、予め定めた近接閾値と比較できる。
【0065】
一実施形態では、ブロック904が示すように、SBS300はタイム・ウィンドウ内に所定ユーザ・ノードが伝送したデータ量に少なくとも部分的に基づき、所定ユーザ・ノードを有力ユーザ・ノードとして選択できる。例えば予め定めた有力度基準は、有力UEがタイム・ウィンドウ内で少なくとも予め定めた量のデータを伝送したことを要求できる。これは、有力UE候補がSNC302で活性であり、一般的に活性なユーザが、SNC302に良好に接続されていることを意味し得る。ソーシャルコミュニティ内のユーザの活性を表すため、タイム・ウィンドウを予め定義できる。タイム・ウィンドウの判定には、例えばSNC302の種類が考慮できる。
【0066】
一実施形態では、ブロック906が示すように、SBS300は、所定ユーザ・ノードのデータ伝送能力に少なくとも部分的に基づき、所定ユーザ・ノードを有力ユーザ・ノードとして選択できる。例えば、予め定めた有力度基準は、有力UEが、少なくとも予め定めた伝送速度でデータを伝送できることを要求できる。これにより、D2D通信のキャッシュのため、選択されたUEのデータ伝送を高速にできる。例えば3Gが可能なUEよりも、LTE/5Gの能力のUEがより好適と言い得る。
【0067】
一実施形態では、予め定めた有力度基準は、有力UEの記憶容量が、予め定めた記憶閾値を超えることを要求する。これにより記憶スペースが容易に消失しないようにできる。
【0068】
したがって上記のように、いくつかの実施形態では、例えばSNC302のユーザの過去の活性(伝送、ファイルリクエストなど)、有力ユーザに付随するSBS300のセル内のユーザ位置、予測されたユーザの行動などに基づき、有力ユーザを選択できる。
【0069】
予め定められた、接続数、UE数,近接閾値、データ量および伝送速度は、有力ユーザ(複数可)の選択が、提案しているシステムの伝送要求事項(例えば、待ち時間、QoS、QoE)に有利になるよう、経験的または数学的な分析に基づくことができる。
【0070】
一実施形態において、SBS300は、所定UEの許容指針をチェックでき、許容指針は、所定UEがソーシャル・ネットワーク行動のモニタを許容するか否かを示す。その結果、SBS300は、どのデータ・コンテンツを、どのユーザ・ノードにキャッシュするかを判定する際、そのUEのソーシャル・ネットワーク行動情報を利用するか否かを決めることができる。例えば、人気データ・コンテンツ400の判定ステップにおいて、UEがソーシャル・ネットワーク行動のモニタを許容していることを検出すると、SBS300は、SNC302のUEの行動を考慮すると判断できる。しかし、UEがソーシャル・ネットワーク行動のモニタを許容しないと検出すると、人気データ・コンテンツ400の判定ステップにおいて、SBS300は、SNC302におけるUEの行動を考慮しないと判断できる。
【0071】
一実施形態では、ユーザ間でのソーシャルな繋がりを構築する許容を示す許容指針を、SNC302のユーザのプロフィール情報に設定できる。一実施形態において、これは、通常の加入割り当て時および/またはD2Dユーザとしてのユーザ登録時、検出できる。一実施形態では、ソーシャルトラッキング/モニタリングの全ての種類が一般的に許可される。別の実施形態では、許容指針は、予め定義されたユーザ群間(各自のD2Dクラスタ間)の限られたトラッキングについてのみの許容を示す。その結果、SBS300は、このSBS300でのSNC302のユーザ間の部分的なユーザ群についてのみトラッキング/モニタリングが可能であると検出できる。ユーザ・ノードは、全体から限定へのもしくはその逆の許容を動的に変更でき、または例えば、モニタリングが許容されるユーザの追加または削除などの更なる限定を設定できる。
【0072】
一実施形態においてSBS300は、所定UEがD2Dクラスタに含まれることを許容するか否かをチェックできる。その後SBS300は、チェックに少なくとも部分的に基づき、D2Dクラスタ304ないし308のうち少なくとも1つのクラスタにユーザ311ないし322を配置できる。
【0073】
一実施形態において、SBS300は、先行的キャッシュの手順を開始する際、許容指針を考慮できる。例えばSBS300は、全体の登録もしくはD2D登録実体から、または更にはD2Dクラスタ/グループを形成しているUEから、所定UEのソーシャルトラッキングについての確認をリクエストできる。確認は、D2Dグループの設定時にリクエストできる。更に、新たなユーザがD2Dグループに参加する際、確認の問い合わせができる。
【0074】
図10に示す一実施形態では、ステップ1000において、SBS300は、どのデータ・コンテンツがどのUEにキャッシュされるかを示すキャッシュ・データベースを作成できる。UE311ないし322は、これに基づき各自のデータベースを作成できる。例えば、SBS300および/またはUE311ないし322は、リストまたは表のフォーマットを使用して各ユーザ・ノードにキャッシュされたコンテンツを継続的にトラックできる。リストは、キャッシュされたデータ・コンテンツ、キャッシュノード、キャッシュされたデータが関連するソーシャルコミュニティ、のうち少なくとも二つの間のマッピングを含む。
【0075】
一実施形態において、SBS300および/またはUE311ないし322は、どのデータ・コンテンツ400が、どの実体/ノードにキャッシュされるかについて受信側が継続してトラックできるよう、送信側が当該データ・コンテンツ400をキャッシュすることを示す、配布されたデータ・コンテンツ400に関する通知をピギーバック方式で転送できる。これは
図10の、伝送されたデータ・コンテンツ400のキャッシュを示す指示1002を送信するUE311によって示されている。データ・コンテンツ送信506および指示1002を、1つのメッセージにまとめることができる。このように一実施形態では、どのデータ・コンテンツがどのユーザ・ノード間で送信されるかを示す情報を各々有するデータ・コンテンツ送信の検出に基づき、キャッシュ・データベースが作成できる。
【0076】
一実施形態において、SBS300および/またはUE311ないし322は、送信側に受け取り通知(ACK)メッセージ1004を送信でき、ACKメッセージは、送信側に対し、送信されたデータ・コンテンツ400を受信側が受信した旨を通知する。例えば、
図10に示すように、UE312がACK1004をUE311に送信できる。ACK1004は、受信側302が、受け取ったデータ・コンテンツ400を現在キャッシュしている旨の指示も含む。したがって一実施形態では、受信ユーザ・ノードが所定データ・コンテンツを受信した旨の情報を各々示す受け取り通知メッセージの検出に基づき、キャッシュ・データベースが作成できる。
【0077】
したがって、キャッシュ・データベースは、メッセージ1002および1004のうち少なくとも1つに、少なくとも部分的に基づくことができる。メッセージ1002および/または1004を検出することで、SBS300またはUEは、異なるソーシャルコミュニティの異なるコンテンツがキャッシュされる場合の、実体のマップを形成することができる。
【0078】
一実施形態では、送信装置も、データベース作成へ寄与するように、どのデータ・コンテンツ400がだれに送信されるかを記録できる。
【0079】
UE311などのモバイル装置に注目すると、UE311は
図11のステップ1100において、ネットワーク・ノード300から人気データ・コンテンツ400を受信でき。ステップ1102において、UE311は、受信した人気データ・コンテンツ400を(少なくとも所定期間において)キャッシュできる。ステップ1104において、UE311はリクエストに応じ、キャッシュされた人気データ・コンテンツ400を、直接近接通信(例えばD2Dリンク)を介して別のユーザ・ノード(例えばノード312)に伝送できる。上記リクエストは、例えばSBS300から受信できる。
【0080】
したがって、提案された解決策により、モバイルネットワークのオペレータは、情報を既存の無線アクセスネットワークへと構築可能にでき、ネットワーク・ノード300は、今後のリクエストを予測するため、ユーザの需要プロファイルをトラックし、学び、構築し、装置の能力および膨大な量の利用可能データを活用する。ユーザパターンを正確に予測するために十分なデータを、一人のユーザから収集することができない場合もある。この問題の解決において、信頼性のある統計的モデル/パターンを構築するため、ソーシャルリレーションと同様、他のユーザのデータを活用することができる。配布された統計的通信パターンおよびユーザの背景情報(すなわち、人気ファイルの配信、位置、速度およびモビリティパターン)を活用することで、提案されたパラダイムは、データ・コンテンツがいつ、誰によってリクエストされるかについて、およびどのネットワーク位置にコンテンツを事前にキャッシュすべきかについて、より良好に予測するための選択肢を提供できる。
【0081】
以下、
図2から
図11に関する上記実施形態の実行に適した装置例を表す。
【0082】
図12および
図13は、少なくとも1つのプロセッサである制御回路網(CTRL)1202、1302、およびコンピュータ・プログラム・コード(PROG)を含む少なくとも1つのメモリ1204、1304、を備える装置1200、1300を示す。ここで、少なくとも1つのメモリおよびコンピュータ・プログラム・コード(PROG)が、それぞれの装置に上述したいずれかの実施形態を実行させるため、少なくとも1つのプロセッサとともに構成される。
【0083】
メモリ1204、1304は、半導体メモリ装置、フラッシュメモリ、磁気メモリ装置およびシステム、光学メモリ装置およびシステム、固定メモリ装置、およびリムーバブルメモリ、などの任意の適切なデータ記憶技術を使用することで実施できる。メモリ1204、1304には、上記の人気データ・コンテンツ400のキャッシュ用スペースを有することができる。
【0084】
装置1200,1300は、1つ以上の通信プロトコルによる通信接続性を実現するためのハードウェアおよび/またはソフトウェアを有する通信インターフェース(TRX)1206,1306を更に備える。TRXは、この装置に対して、例えば無線アクセスネットワークへアクセスする通信能力を持たせることができる。
【0085】
装置1200、1300は、例えば、うち少なくとも1つのキーパッド、マイクロフォン、タッチディスプレー、ディスプレー、スピーカーなどを有するユーザインターフェース1208、1308もまたそれぞれ備える。ユーザは、それぞれの装置の制御のため、各ユーザインターフェースを使用できる。
【0086】
一実施形態では、装置1200は、基地局に備えることができる(例えば基地送受信局、ノードB、無線ネットワークコントローラまたは発展型ノードBなど)。一実施形態では、装置1200は、ネットワーク・ノード300か、その構成要素である。
【0087】
制御回路網1202は、例えば、SNC302の異なるメンバ間の接続を検出するための、SNC302のメンバを判定するソーシャル・ネットワーク制御回路網1210を備えることができる。D2D制御回路網1212は、どのユーザがどのD2Dクラスタに割り当てられるかなどを決めるため、D2Dクラスタ304ないし308の資源割り当てを担当できる。データ・コンテンツ制御回路網1214は、例えば人気データ・コンテンツ400を判定するものにできる。キャッシュ制御回路網1216は、必要に応じて人気データ・コンテンツ400のキャッシュを制御するものにできる。データ伝送制御回路網1218は、リクエストされたデータ・コンテンツをコアネットワーク310からダウンロードしてこのデータ・コンテンツをリクエスト側のUEに伝送するか、データ・コンテンツをリクエスト側のユーザ(UEの1つがリクエストされたデータ・コンテンツをキャッシュする場合)に伝送するためD2D通信リンクを使用するよう、UEのうちの1つに要求するか、を判定するものにできる。
【0088】
一実施形態では、装置1300は、例えばユーザ装置、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末(UT)、コンピュータ(PC)、ラップトップ、タブレット、セルラーフォン、モバイルフォン、通信機、スマートフォン、パームトップコンピュータ、ファブレット、または通信に適した他の装置など、セルラー通信システムの端末装置を備えることができる。あるいは装置1300は、上記端末装置を構成する。更に装置1300はプラグインユニット、「USBドングル」またはその他のユニットのような連結用のモジュール(装置に取り付けられるもの)であるか、有することができる。ユニットは、装置内部に設けられるか、コネクタにより、または更には無線により装置に取り付けられるかの、いずれでもよい。一実施形態では、装置1300は、モバイルフォンにおいて、UE311ないし322の1つなどであるか、それを備えるか、それに備わるかのいずれでもよい。
【0089】
制御回路網1302は、人気データ・コンテンツ400のキャッシュを制御する、キャッシュ制御回路網1310を備えることができる。データ伝送制御回路網1312は、D2D通信リンクを介して同じD2Dクラスタの別のUEへとキャッシュされたデータ・コンテンツ400を伝送するものとできる。データ伝送制御回路網は、キャッシュされるデータ・コンテンツの受信も更に制御するものとできる。制御回路網1302は、装置とユーザ端末との間のD2D通信の確立に関係するD2D制御回路網(図示せず)を更に備えるものとできる。
【0090】
本出願で使用されている用語「回路網」は、以下のすべてを指す。
(a) アナログおよび/またはデジタル回路網のみにおける実装など、ハードウェアのみの回路実装、および
(b) 以下のような回路とソフトウェア(および/またはファームウェア)との(適用可能な)組み合わせ、(i)プロセッサ(複数可)の組み合わせまたは(ii)デジタル信号プロセッサ(複数可)、ソフトウェア(コンピュータ・プログラム・コードまたはその一部)を含む、プロセッサ(複数可)/ソフトウェアの一部)。コンピュータ・プログラムまたはコンピュータ・プログラム製品は、プログラムの作動時に、装置に対して様々な機能を実行させるよう共に作動する内部および/または外部メモリを作動させるよう構成された、1つ以上のコンピュータで実行可能な構成要素を備えることができる。
(c) ソフトウェアやファームウェアが物理的に存在しなくても、それらの作動を要求する、マイクロプロセッサ(複数可)またはマイクロプロセッサ(複数可)の一部、などの回路。「回路網」の定義は、本明細書内でのこの用語の使用すべてに適用する。更に本明細書で使用される例として、「回路網」は、プロセッサ(もしくは複数のプロセッサ)またはプロセッサの一部、並びに、それ(ら)に伴うソフトウェアおよび/またはファームウェアを単に実施することも範囲とする。用語「回路網」は、例えば、特定要素に適用可能な場合、ベースバンド集積回路、もしくはモバイルフォンのアプリケーションプロセッサ集積回路、またはサーバーの同様の集積回路、セルラーネットワーク装置、もしくは別のネットワーク装置も範囲とする。
【0091】
ユーザ・ノード間の直接近接通信を介し、近接ベース・クラスタのユーザ・ノードが、人気データ・コンテンツを伝送できるようにするため、別の例では、装置はソーシャル・ネットワーク・コミュニティのユーザ・ノードのセットを、少なくとも1つの近接ベース・クラスタに配置する手段(1202)、所定近接ベース・クラスタの人気データ・コンテンツを判定する手段(1202)、および、人気データ・コンテンツを、近接ベース・クラスタの少なくとも1つのユーザ・ノードに先行的にキャッシュする手段(1202)、を含む。
【0092】
ユーザ・ノード間の直接近接通信を介し、近接ベース・クラスタのユーザ・ノードが、人気データ・コンテンツを伝送できるようにするため、更に別の例の装置は、ソーシャル・ネットワーク・コミュニティのユーザ・ノードのセットを、少なくとも1つの近接ベース・クラスタに配置する配置手段(ソーシャル・ネットワーク制御回路網1210)、所定近接ベース・クラスタ内の人気データ・コンテンツを判定する判定手段(データ・コンテンツ制御回路網1214)、および、人気データ・コンテンツを近接ベース・クラスタの少なくとも1つのユーザ・ノードに先行的にキャッシュする保存手段(キャッシュ制御回路網1216および/またはメモリ1204など)、を備える。
【0093】
更に別の例の装置は、ネットワーク・ノードから人気データ・コンテンツを受信する(または受信を制御する)手段(1312)、受信した人気データ・コンテンツをキャッシュする手段(1310)、および、リクエストに応じて、直接近接通信を介してキャッシュされた人気データ・コンテンツを別のユーザ・ノードに伝送する手段(1312)、を備える。
【0094】
更に別の例の装置は、ネットワーク・ノードから人気データ・コンテンツを受信する(または受信を制御する)受信手段(データ伝送制御回路網1312)、受信した人気データ・コンテンツをキャッシュする保存手段(キャッシュ制御回路網1310および/またはメモリ1304など)、および、リクエストに応じて、直接近接通信を介してキャッシュされた人気データ・コンテンツを別のユーザ・ノードに伝送する手段(データ伝送制御回路網1312など)、を備える。
【0095】
上記の技術および方法は、本明細書において、様々な手段で実施できる。例えば、これらの技術は、ハードウェア(1つ以上の装置)、ファームウェア(1つ以上の装置)、ソフトウェア(1つ以上のモジュール)またはこれらの組み合わせにより実施できる。ハードウェアの実施について、実施形態の装置(複数可)は、1つ以上のアプリケーションに特化した集積回路(ASICs)、デジタル信号プロセッサ(DSPs)、デジタル信号処理装置(DSPDs)、プログラマブルロジック装置(PLDs)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書に記載の機能を実行するため設計された他の電子ユニット、またはこれらの組み合わせにより実施できる。ファームウェアまたはソフトウェアは、本明細書に記載の機能を実行する、少なくとも1つのチップセットのモジュール(例えば手順、機能など)により実施できる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに保存され、プロセッサによって実行される。メモリユニットは、プロセッサ内またはプロセッサの外部で実施できる。後者の場合、周知の様々な手段を介してプロセッサに通信可能に接続することができる。加えて、それらに関連して記載された様々な態様などの実現を促進するため、構成要素を追加することで、本明細書に記載されたシステムの要素を再構成および/または補完することができる。および、これらが、添付の図に記載された正確な構成に限定されないことを、当業者は認識する。
【0096】
上述の実施形態は、コンピュータ・プログラムまたはその一部で定義されたコンピュータプロセスの形式でも実行できる。コンピュータ・プログラムは、ソースコード形式、オブジェクトコード形式、または特定の中間形式とすることができ、プログラムを保持可能な任意の実体または装置でもよい特定種のキャリアに保存できる。例えば、コンピュータ・プログラムとして、コンピュータまたはプロセッサによる読み取りが可能なコンピュータ・プログラム(配布)媒体に保存できる。コンピュータ・プログラム媒体は、例えば記録媒体、コンピュータメモリ、読出し専用メモリ、電気搬送波信号、テレコミュニケーション信号およびソフトウェア配布パッケージなどを挙げ得るが、これらに限定されることはない。コンピュータ・プログラム媒体を固定媒体とすることもできる。図示および説明された実施形態を実行するためのソフトウェアの符号化は、当業者が十分に実施できる範囲である。
【0097】
本発明は、添付の図面による例を参照した説明に限定されることなく、後述の特許請求の範囲を逸脱しない限り、様々な形の変更が可能である。したがって全ての言葉や表現は広義に解釈されるべきであり、これらは実施形態を説明するためのものであり、限定するものではない。技術は進化するものであり、本発明の概念が様々な形式で実施可能であることは、当業者は容易に理解できる。また、上述の実施形態を様々な形式で組み合わせることができる点についても当業者にとっては自明である。