(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表示画面を有する表示部と、所定の撮影時間ごとに、前記表示画面の表面から前記表示画面の裏面の方向を撮影する撮影部と、記憶部と、地磁気センサと、プロセッサとを有する携帯端末の制御プログラムであって、前記プロセッサに、
前記地磁気センサからの出力値に基づいて、前記表示画面の上部が指す方位角を示す方位情報を、所定の取得時間ごとに算出し、
前記算出した方位情報を前記記憶部に記憶し、
前記撮影部によって撮影された撮影画像に、所定の設備に付された特定の向きを示す標識が含まれる場合に限り、前記撮影部が撮影をした時から所定時間前までに算出された前記方位情報を前記記憶部から抽出し、抽出した前記方位情報によって示される方位角の平均方位角を算出し、
前記撮影部によって撮影された撮影画像を前記表示画面に表示し、前記算出された平均方位角を前記撮影した情報に重畳させて前記表示画面に表示する、
ことを実行させる制御プログラム。
表示画面を有する表示部と、所定の撮影時間ごとに、前記表示画面の表面から前記表示画面の裏面の方向を撮影する撮影部と、記憶部と、地磁気センサと、プロセッサとを有する携帯端末の制御方法であって、
前記地磁気センサからの出力値に基づいて、前記表示画面の上部が指す方位角を示す方位情報を、所定の取得時間ごとに算出し、
前記算出した方位情報を前記記憶部に記憶し、
前記撮影部によって撮影された撮影画像に、所定の設備に付された特定の向きを示す標識が含まれる場合に限り、前記撮影部が撮影をした時から所定時間前までに算出された前記方位情報を前記記憶部から抽出し、抽出した前記方位情報によって示される方位角の平均方位角を算出し、
前記撮影部によって撮影された撮影画像を前記表示画面に表示し、前記算出された平均方位角を前記撮影した情報に重畳させて前記表示画面に表示する、
ことを含むことを特徴とする制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0019】
(第1の実施形態における携帯端末1の概要)
図1は、第1の実施形態における携帯端末1の概要を説明するための模式図である。
【0020】
本実施形態の携帯端末1は、少なくとも撮影部及び地磁気センサを備える多機能携帯電話(所謂「スマートフォン」)等であり、撮影部によって撮影された撮影画像情報及び地磁気センサによって測定された方位情報を表示することが可能である。
【0021】
撮影部は、各種情報を表示するための表示画面の表面から当該表示画面の裏面の方向を撮影するデジタルカメラ装置又はビデオカメラ装置等である。例えば、撮影部は、携帯端末1の表示画面を有する筐体における、表示画面の背面に設置され、所定の撮影時間ごとに撮影した画像情報を取得する。なお、取得された画像情報は、取得されるたびに表示画面に表示される。なお、所定の撮影時間は、どのような時間でもよく、例えば、1/60秒、1/24秒、1/20秒等である。以下、所定の撮影時間が1/60秒である場合を例にして説明する。
【0022】
また、地磁気センサは、複数の軸方向の地磁気成分を検出するためのセンサであり、各軸の出力値に基づいた撮影方位を所定の方位出力時間ごとに出力する。なお、所定の方位出力時間は、どのような時間でもよく、例えば、1/100秒、1/60秒、1/50秒等である。以下、所定の方位出力時間が1/100秒である場合を例にして説明する。
【0023】
以下、
図1を参照して、携帯端末1によって実行される方位測定処理の一例の概要について説明する。
【0024】
まず、携帯端末1は、地磁気センサから所定の方位出力時間(1/100秒)ごとに出力された出力値が出力されるたびに、出力値に基づいて、携帯端末1の表示画面の上部が指す方位角を示す方位情報を所定の算出時間ごとに算出する。すなわち、携帯端末1は、ユーザが表示画面に正対して当該表示画面を見た場合における表示画面の上方向の方位を示す方位角を算出する。なお、方位角は、水平面上における、真北方向から特定方向までの時計回りの角度等である。なお、所定の算出時間は、どのような時間でもよく、例えば、1秒、1/2秒、2秒等である。以下、所定の算出時間が1秒である場合を例にして説明する。
【0025】
次に、携帯端末1が有する撮影部は、所定の撮影時間(1/60秒)ごとに、表示画面の表面から表示画面の裏面の方向を撮影する(
図1の(1))。例えば、ユーザは、アンテナ等の所定の設備の向きを調査する調査作業において、所定の設備に付された特定の向きを示す標識(所定長さの線分のマーカ等)を撮影する。なお、特定の向きとは、当該所定の設備における予め設計された設置方向等である。
【0026】
次に、携帯端末1は、所定の算出時間(1秒)ごとに算出した方位情報を時系列に従って記憶する。次に、携帯端末1は、現在時刻から所定時間前までに記憶された方位情報を抽出し、抽出した全て又は一部の方位情報によって示される方位角の平均方位角を算出する(
図1の(2))。このように、現在取得された撮影画像が撮影されたときから所定時間前までに算出された方位角情報に基づいて平均方位角が算出される。なお、所定時間は、どのような時間でもよく、例えば、10秒、20秒、30秒等である。以下、所定時間が10秒である場合を例にして説明する。
【0027】
次に、携帯端末1は、撮影部が撮影するたびに撮影部によって撮影された撮影画像を表示画面に表示し、平均方位角が算出されるたびに、算出された平均方位角を撮影情報に重畳させて表示画面に表示する(
図1の(3))。このように、携帯端末1は、AR(Augmented Reality)技術を用いることによって、撮影情報上に平均方位角を重畳させて、作業者に提示することが可能になる。これにより、作業者に携帯端末1の向き(方位)を容易に把握させることが可能になる。
【0028】
次に、ユーザからの計測結果取得指示に従って、表示画面に表示されている撮影画像と平均方位角とを、計測結果情報として取得する。例えば、計測結果取得指示は、所定の設備の向きを調査する調査作業において、所定の設備に付された特定の向きを示す標識と表示画面の縦方向とが一致したとユーザが判断した場合における、ユーザによる操作に応じた指示である。
【0029】
上述のとおり、携帯端末1では、作業中のユーザの手振れ等によって、携帯端末1による方位の測定結果として、所定時間内の平均方位が表示されることによって、測定結果の視認性を向上させることが可能になる。
【0030】
なお、上述した
図1の説明は、本発明の内容への理解を深めるための説明にすぎない。本発明は、具体的には、次に説明する各実施形態において実施され、且つ、本発明の原則を実質的に超えずに、さまざまな変形例によって実施されてもよい。このような変形例はすべて、本発明及び本明細書の開示範囲に含まれる。
【0031】
(携帯端末1)
図2は、携帯端末1の概略構成の一例を示す図である。
【0032】
携帯端末1は、撮影された撮影画像を表示するとともに、携帯端末1の向きの方位(平均方位角)又は現在位置等を表示する機能を少なくとも有する。そのために、携帯端末1は、通信部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、撮影部15、方位検出部16、GPS(Global Positioning System)部17、処理部18とを備える。
【0033】
なお、携帯端末1として、多機能携帯電話を想定するが、本発明はこれに限定されるものではない。携帯端末1は、本発明が適用可能であればよく、例えば、携帯電話(所謂「フィーチャーフォン」)や携帯情報端末(Personal Digital Assistant, PDA)、携帯ゲーム機、携帯音楽プレーヤ、タブレット端末、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC等でもよい。
【0034】
通信部11は、所定の周波数帯を感受帯域とするアンテナを含む、通信インターフェース回路を備え、携帯端末1をインターネット等のネットワークに接続する。通信部11は、基地局(図示せず)により割り当てられるチャネルを介して、基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)方式等による無線信号回線を確立し、基地局との間で通信を行う。そして、通信部11は、処理部18から供給されたデータをサーバ等の外部装置に送信する。また、通信部11は、外部装置から受信したデータを処理部18に供給する。
【0035】
記憶部12は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ装置を備える。記憶部12は、処理部18での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、記憶部12は、ドライバプログラムとして、操作部13を制御する入力デバイスドライバプログラムや、表示部14を制御する出力デバイスドライバプログラム等を記憶する。また、記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、各種センサからの出力値の取得、画像の表示等を行うプログラム等を記憶する。また、記憶部12は、データとして、時系列に従った方位情報を含む方位テーブルT1及び測定対象テーブルT2等を記憶する。また、記憶部12は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶してもよい。なお、方位テーブルT1測定対象テーブルT2の詳細は後述する。
【0036】
操作部13は、携帯端末1の操作が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネルやキーボタン等である。ユーザは、操作部13を用いて、文字や数字、記号等を入力することができる。操作部13は、ユーザにより操作されると、その操作に対応する信号を発生する。そして、発生した信号は、ユーザの指示として、処理部18に供給される。
【0037】
表示部14は、動画像、静止画像等の出力が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパネル式の表示装置、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ等である。表示部14は、処理部18から供給される動画像データに応じた動画像、静止画像データに応じた静止画像等を表示する。
【0038】
撮影部15は、結像光学系、撮像素子及び画像処理部等を有する。結像光学系は、例えば光学レンズであり、被写体からの光束を撮像素子の撮像面上に結像させる。撮像素子は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等であり、撮像面上に結像した被写体像の画像を出力する。画像処理部は、連続して撮像素子によって生成された画像から、所定の撮影時間(1/60秒)ごとに所定のファイル形式の動画像データを作成して出力する。または、画像処理部は、撮像素子によって生成された画像から所定のファイル形式の静止画像データを作成して出力する。
【0039】
方位検出部16は、例えば、3軸地磁気センサであり、3軸方向の地磁気成分を検出し、検出された各軸の地磁気成分の出力値を所定の方位出力時間(1/100秒)ごとに出力する。
【0040】
GPS部17は、主に1.5GHz帯を感受帯域とするアンテナを含む、GPS回路を有し、不図示のGPS衛星からGPS信号を受信する。GPS部17は、そのGPS信号をデコードし、時刻情報等を取得する。次に、GPS部17は、その時刻情報等に基づいてGPS衛星から携帯端末1までの擬似距離を計算し、その擬似距離を代入して得られる連立方程式を解くことにより、携帯端末1が存在する位置(緯度、経度、高度等)を検出する。そして、GPS部17は、検出した位置を示す位置情報と取得した位置時刻情報とを関連付けて所定のGPS出力時間ごとに出力する。なお、GPS部17は、位置測定部の一例である。また、所定のGPS出力時間は、どのような時間でもよく、例えば、1/10秒、1/5秒、1/2秒等である。以下、所定のGPS出力時間が1/10秒である場合を例にして説明する。
【0041】
処理部18は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。処理部18は、携帯端末1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。処理部18は、携帯端末1の各種処理が記憶部12に記憶されているプログラムや操作部13の操作等に基づいて適切な手順で実行されるように、通信部11や表示部14等の動作を制御する。処理部18は、記憶部12に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、処理部18は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行することができる。
【0042】
処理部18は、画像取得部181、位置取得部182、方位算出部183、記憶処理部184、表示処理部185を有する。処理部18が有するこれらの各部は、処理部18が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、処理部18が有するこれらの各部は、ファームウェアとして携帯端末1に実装されてもよい。
【0043】
以下、
図3〜4を参照して、携帯端末1が、方位検出部16として3軸地磁気センサを備える場合を例にして、方位角の算出処理について説明する。
【0044】
方位検出部16は、X軸方向の地磁気成分を検出するX軸地磁気センサと、Y軸方向の地磁気成分を検出するX軸地磁気センサと、Z軸方向の地磁気成分を検出するX軸地磁気センサと、を有する。なお、X軸、Y軸及びZ軸の3軸は、互いに直交しており、X軸地磁気センサ、Y軸地磁気センサ及びZ軸地磁気センサの各地磁気センサは、対応する各軸方向の地磁気成分に対応する出力値を、所定の方位出力時間(1/100秒)ごとに出力する。なお、X軸の正方向は、携帯端末1の表示画面141の中央上部を指す方向である。
【0045】
なお、
図3(a)に示すように、方位検出部16は、表示部14の表示画面141の縦方向とX軸とを一致させ、表示画面141の横方向とY軸とを一致させ、表示画面141と直交する方向とZ軸とを一致させるように、携帯端末1に設置される。
【0046】
そして、
図3(b)及び
図4に示すように、方位算出部183は、X軸方向の地磁気成分、Y軸方向の地磁気成分及びZ軸方向の地磁気成分に基づいて、X軸の正方向を水平面に投影した方向に対応する方位角を所定の算出時間ごとに算出する。
【0047】
なお、撮影部15は、結像光学系の光軸と方位検出部16のZ軸地磁気センサのZ軸方向とが略平行となるように、携帯端末1に設置されており、これにより、撮影部15は、表示部14の表示画面141の表面から表示画面141の裏面の方向を撮影することが可能になる。
【0048】
以下、
図5を参照して、携帯端末1の表示部14に表示される各画面の一例について説明する。
【0049】
図5(a)は、携帯端末1の表示部14に表示されるホーム画面500の一例を示す図である。
【0050】
ホーム画面500には、登録選択指示オブジェクト501、撮影指示オブジェクト502及び閲覧指示オブジェクト503が表示される。なお、ホーム画面500は、ユーザによる操作部13の所定のアプリケーション開始操作等によって表示される画面である。
【0051】
登録選択指示オブジェクト501は、例えば、登録選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、登録選択指示オブジェクト501が指定された場合、後述する登録画面510が表示される。登録選択指示オブジェクト501の指定は、情報登録指示の一例である。
【0052】
撮影指示オブジェクト502は、例えば、撮影選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、撮影指示オブジェクト502が指定された場合、後述する撮影対象選択画面600が表示される。
【0053】
閲覧指示オブジェクト503は、例えば、閲覧選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、閲覧指示オブジェクト503が指定された場合、後述する閲覧対象選択画面700が表示される。
【0054】
図5(b)は、携帯端末1の表示部14に表示される登録画面510の一例を示す図である。
【0055】
登録画面510には、管理項目入力オブジェクト511、登録指示オブジェクト512、終了指示オブジェクト513が表示される。
【0056】
管理項目入力オブジェクト511は、例えば、テキスト入力ボックスであり、ユーザによる操作部13の操作によって、入力された各管理項目の文字情報が管理項目入力オブジェクト511に表示される。
【0057】
登録指示オブジェクト512は、例えば、登録選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、登録指示オブジェクト512が指定された場合、管理項目入力オブジェクト511に表示されている、撮影対象の施設に対する各管理項目の文字情報が、後述する測定対象テーブルT2に登録される。
【0058】
終了指示オブジェクト513は、例えば、戻る選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、終了指示オブジェクト513が指定された場合、登録画面510の表示が終了し、ホーム画面500が表示される。
【0059】
図6(a)は、携帯端末1の表示部14に表示される撮影対象選択画面600の一例を示す図である。
【0060】
撮影対象選択画面600には、1又は複数の撮影対象選択オブジェクト601が表示される。撮影対象選択オブジェクト601は、例えば、撮影対象選択ボタンである。また、各撮影対象選択オブジェクト601は、測定対象テーブルT2に記憶された撮影対象の各施設に対応付けられている。ユーザによる操作部13の操作によって、撮影対象選択オブジェクト601のうちの一つが指定された場合、指定された撮影対象選択オブジェクト601に対応する施設の向きを撮影するための撮影画面610が表示される。
【0061】
図6(b)は、携帯端末1の表示部14に表示される撮影画面610の一例を示す図である。
【0062】
撮影画面610には、撮影画像表示領域611、平均方位角表示領域612、項目表示領域613、現在位置表示領域614、計測結果取得指示オブジェクト615、撮影終了指示オブジェクト616が表示される。
【0063】
撮影画像表示領域611は、例えば、画像表示枠であり、撮影部15によって撮影中の撮影画像がリアルタイムで撮影画像表示領域611に表示される。平均方位角表示領域612は、例えば、文字表示枠であり、算出された平均方位角がリアルタイムで平均方位角表示領域612に表示される。
【0064】
項目表示領域613は、例えば、文字表示枠であり、撮影画面610に係る各管理項目の文字情報が項目表示領域613に表示される。現在位置表示領域614は、例えば、文字表示枠であり、現在位置を示す緯度及び経度の数字情報がリアルタイムで現在位置表示領域614に表示される。
【0065】
計測結果取得指示オブジェクト615は、例えば、撮影選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、計測結果取得指示オブジェクト615が指定された場合、撮影画像表示領域611に表示されている撮影画像、平均方位角表示領域612に表示されている平均方位角が、計測結果情報として取得される。なお、計測結果情報に、現在位置表示領域614に表示されている現在位置を示す緯度及び経度の数字情報が含まれてもよい。
【0066】
撮影終了指示オブジェクト616は、例えば、戻る選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、終了指示オブジェクト513が指定された場合、撮影画面610の表示が終了し、ホーム画面500が表示される。
【0067】
図7(a)は、携帯端末1の表示部14に表示される閲覧対象選択画面700の一例を示す図である。
【0068】
閲覧対象選択画面700には、1又は複数の閲覧対象選択オブジェクト701が表示される。閲覧対象選択オブジェクト701は、例えば、撮影対象選択ボタンである。また、各閲覧対象選択オブジェクト701は、計測結果情報が取得された各施設に対応付けられている。ユーザによる操作部13の操作によって、閲覧対象選択オブジェクト701のうちの一つが指定された場合、指定された閲覧対象選択オブジェクト701に対応する施設の計測結果情報及び各管理項目を含む閲覧画面710が表示される。
【0069】
図7(b)は、携帯端末1の表示部14に表示される閲覧画面710の一例を示す図である。
【0070】
閲覧画面710には、計測画像表示領域711、計測方位角表示領域712、計測項目表示領域713、計測位置表示領域714、出力指示オブジェクト715、削除指示オブジェクト716、閲覧終了指示オブジェクト717が表示される。
【0071】
計測画像表示領域711は、例えば、画像表示枠であり、計測結果情報として取得された撮影画像が撮影画像表示領域611に表示される。計測方位角表示領域712は、例えば、文字表示枠であり、計測結果情報として取得された平均方位角が計測方位角表示領域712に表示される。
【0072】
計測項目表示領域713は、例えば、文字表示枠であり、計測結果情報に係る各管理項目の文字情報が計測項目表示領域713に表示される。計測位置表示領域714は、例えば、文字表示枠であり、計測結果情報として取得された緯度及び経度の数字情報が計測位置表示領域714に表示される。
【0073】
出力指示オブジェクト715は、例えば、メール送信選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、出力指示オブジェクト715が指定された場合、閲覧画面710に表示された計測結果情報を外部装置(サーバ、他の携帯端末1等)に出力する。例えば、外部装置への出力は、メール送信等によって実行される。なお、ユーザによる操作部13の操作に応じた帳票出力指示に従って、計測結果情報を少なくとも含む所定の帳票情報が外部装置に送信されてもよい。
【0074】
削除指示オブジェクト716は、例えば、情報削除選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、削除指示オブジェクト716が指定された場合、閲覧画面710に係る計測結果情報が、測定対象テーブルT2から削除される。
【0075】
閲覧終了指示オブジェクト717は、例えば、戻る選択ボタンであり、ユーザによる操作部13の操作によって、閲覧終了指示オブジェクト717が指定された場合、閲覧画面710の表示が終了し、ホーム画面500が表示される。
【0076】
なお、施設の向きを撮影するための撮影画面は、
図6(b)で示した撮影画面610に限らない。
図8は、携帯端末1の表示部14に表示される撮影画面6100の他の一例を示す図である。なお、
図8において、
図6(b)に示す撮影画面610と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
撮影画面6100には、撮影画像表示領域611、平均方位角表示領域612、計測結果取得指示オブジェクト615、撮影終了指示オブジェクト616、電子地図表示領域6101が表示される。
【0078】
電子地図表示領域6101には、所定の設備周辺又は現在位置周辺の電子地図情報を表示される。この場合、記憶部12は、例えば、日本全国を複数の矩形領域に分割した場合における各矩形領域に対応する地図情報を記憶する。携帯端末1は、所定の設備の位置又は現在位置を取得して、取得した位置を含む矩形領域に対応する電子地図情報を記憶部12から取得し、取得した電子地図情報を電子地図表示領域6101に表示する。なお、電子地図表示領域6101において、平均方位角表示領域612に表示された平均方位角、及び/又は、当該平均方位角を示すベクトル画像を、電子地図情報に重畳させて表示してもよい。なお、撮影画面6100は、ユーザによる操作部13の操作に応じた地図表示指示に応じて表示されてもよい。
【0079】
(各種テーブル)
以下、記憶部12に記憶される各種テーブルについて説明する。
図9(a)は、方位テーブルT1のデータ構造の一例を示す図であり、
図9(b)は、測定対象テーブルT2のデータ構造の一例を示す図である。なお、記憶部12に記憶される各種テーブルの全て又は一部は、記憶部12とは異なる一又は複数の装置によって記憶されてもよい。この場合、携帯端末1は、無線又は有線の通信ネットワークを介して、各種テーブルを記憶する一又は複数の装置と接続し、一又は複数の装置から各種テーブルに含まれる情報を受信し、又は、一又は複数の装置に各種テーブルに記憶する情報を送信する。
【0080】
図9(a)に示す方位テーブルT1には、方位算出部183によって算出された方位角を、方位角の算出日時又磁気センサによる出力値の出力日時に対応付けて、時系列に従って記憶する。なお、現在日時から記憶時間範囲(例えば、現在日時から10分以内)に限り、方位角及び日時が方位テーブルT1に記憶されてもよい。
【0081】
図9(b)に示す測定対象テーブルT2には、対象ID(Identifier)、管理番号、施設名、担当者名、撮影画像、方位角、位置等が互いに関連付けて記憶される。対象IDは、作業対象となる施設を一意に識別するための識別情報であり、登録画面510によって新たに管理項目(管理番号、施設名、担当者名等)が登録された場合に、当該管理項目に関連付けて新たに付与される。撮影画像、方位角、位置は、撮影画面610の計測結果取得指示オブジェクト615が選択された場合に取得された計測結果情報である。
【0082】
(方位測定処理の動作フロー)
図10は、画像取得部181、位置取得部182、方位算出部183、記憶処理部184、表示処理部185によって実行される方位測定処理の動作フローの一例を示す図である。
【0083】
まず、画像取得部181は、撮影部15によって撮影中の撮影画像を取得する(ステップS101)。すなわち、撮影部15によって所定の撮影時間(1/60秒)ごとに撮影された画像情報が出力され、画像取得部181は、出力された撮影画像を所定の取得時間ごとに順次取得する。なお、所定の取得時間は、どのような時間でもよく、例えば、1秒、1/2秒、2秒等である。以下、所定の取得時間が1秒である場合を例にして説明する。
【0084】
次に、位置取得部182は、GPS部17から所定のGPS出力時間(1/10秒)ごとに出力された位置情報を、所定の取得時間(1秒)ごとに取得する(ステップS102)。
【0085】
次に、方位算出部183は、方位検出部16から所定の方位出力時間(1/100秒)ごとに出力された出力値に基づいて、方位角を所定の算出時間(1秒)ごとに算出し、記憶処理部184は、時系列に従って算出された方位角を方位テーブルT1に記憶する(ステップS103)。
【0086】
次に、方位算出部183は、方位テーブルT1から、現在時刻から所定時間内に取得された方位角を抽出し、抽出した全て又は一部の方位情報によって示される方位角の平均方位角を所定の算出時間(1秒)ごとに算出する(ステップS104)。なお、画像取得部181及び位置取得部182の取得タイミング並びに方位算出部183の算出タイミングが同期するように設定されてもよい。なお、平均方位角を算出する方位算出部183は、平均方位算出部の一例である。
【0087】
次に、表示処理部185は、取得した撮影画像及び現在位置、並びに算出された平均方位角を、撮影画面610の撮影画像表示領域611、現在位置表示領域614、及び平均方位角表示領域612に順次表示する(ステップS105)。
【0088】
次に、表示処理部185は、ユーザによる操作部13の操作によって、計測結果取得指示オブジェクト615が指定された場合、撮影画像表示領域611に表示されている撮影画像、平均方位角表示領域612に表示されている平均方位角、現在位置表示領域614に表示されている現在位置を、計測結果情報として取得し(ステップS106)、取得した計測結果を測定対象テーブルT2に記憶する。なお、計測結果情報として取得する表示処理部185は、計測結果取得部の一例である。
【0089】
そして、表示処理部185は、ユーザによる操作部13の操作によって、出力指示オブジェクト715が指定された場合、閲覧画面710に表示された計測結果情報を外部装置(サーバ、他の携帯端末1等)に出力し(ステップS107)、一連のステップを終了する。なお、ユーザによる操作部13の操作に応じた帳票出力指示に従って、表示処理部185は、計測結果情報を少なくとも含む所定の帳票情報が外部装置に送信してもよい。なお、外部装置に計測結果情報を送信する表示処理部185は、測定結果送信部の一例である。
【0090】
上述のとおり、携帯端末1では、所定時間内に取得された撮影方位の平均方位を、表示画面に表示するように構成したため、携帯端末1を向けた方位の測定結果の表示視認性を向上ことが可能となる。また、移動体通信事業者によって実施される法律上確認が必要なアンテナ指向方向の確認作業では、真北計、カメラ装置及び地図(紙媒体又は電子媒体)の3種類の道具が用いられる。基地局のアンテナは高所に設置されているため、当該確認作業は、真北計の準備や、真北計、カメラ装置及び地図の使用が要求され、高所での危険作業を伴うものであった。携帯端末1は、上述の3種類の道具の機能の全てを包含しているため、これら3種類の道具を使用することなくアンテナの指向方向を撮影することが可能になる。また、この携帯端末1では、撮影した方位(携帯端末1の向きの方位)及び/又は撮影位置(携帯端末1の現在位置)を地図上に自動的にプロットすることが可能になる。これらにより、この携帯端末1は、作業者の高所での作業を軽減することが可能になる。
【0091】
(変形例1)
なお、本発明は、上述した第1の実施形態及び第2の実施形態に限定されるものではない。例えば、ステップS106において、表示画面に表示されている撮影画像に対して、予め記憶された所定の施設の標識のパターン画像による画像検索が実行されてもよい。この場合、画像検索によって、撮影画像中に、パターン画像に対応する画像が含まれると判定された場合に限り、計測結果情報が取得されるようにしてもよい。
【0092】
(変形例2)
また、携帯端末1は、全方位の風景を撮影する全方位撮影カメラ装置を備えてもよい。この場合、ステップS105において、表示処理部185は、全方位撮影部によって撮影されたパノラマ画像を表示画面に表示するとともに、算出された平均方位角に基づいて算出された所定方位を示すマーク画像を、パノラマ画像に重畳させて表示画面に表示する。例えば、全方位撮影カメラ装置が、
図3に示すY−Z平面上の全方位(360度)のパノラマ画像を撮影するように設置された場合、パノラマ画像の所定位置(例えば、画像の左端及び右端)が、
図3のZ軸負方向となるように設定され、パノラマ画像の横方向のピクセル数と平均方位角に基づいて、パノラマ画像上にマーク画像を表示する。
【0093】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。