【文献】
Hemp Seed Hair Concrete,Mintel GNPD,2005年12月,ID10243433,URL,http://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ケイソウ土、カオリンおよびシリカから選ばれる2種以上の無機粉体、揮発性油、25℃で固体のロウまたは炭化水素、並びに25℃で液体の油が配合されており、上記無機粉体の配合量が5〜10質量%であり、
ケイソウ土と、カオリンおよびシリカのうちの少なくとも一方とが配合されていることを特徴とする整髪料。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の整髪料は、ケイソウ土、カオリンおよびシリカから選ばれる2種以上の無機粉体を配合してなるものである。
【0009】
例えば上記の無機粉体の1種のみを使用した場合には、処理後の毛髪のべたつきを十分に抑えるには、無機粉体の配合量を非常に多くする必要があり、その結果、整髪料のスタイリング性が損なわれてしまい、他方、整髪料のスタイリング性を損なわない程度に無機粉体の配合量を抑えた場合には、処理後の毛髪のべたつきを十分に抑制し得ない。
【0010】
ところが、ケイソウ土、カオリンおよびシリカから選ばれる2種以上の無機粉体を配合して構成した整髪料であれば、理由は定かではないが、これらの無機粉体のいずれかを単独で配合した場合に比べて、処理後の毛髪のべたつきのなさを低下させることなく、スタイリングのしやすさと処理後の毛先のまとまりのよさのバランスが向上させることが可能となる。よって、本発明によれば、スタイリング性が良好で、処理後の毛先のまとまりを良好にでき、かつ処理後の毛髪のべたつきを抑え得る整髪料を提供することができる。
【0011】
また、無機粉体を配合した整髪料は、一般に、毛髪に絡んだり毛髪の指通りを悪くしたりするが、本発明の整髪料では、こうした問題の発生を抑えることもできる。
【0012】
本発明の整髪料に配合する無機粉体は、ケイソウ土、カオリン、シリカのうちのいずれか2種であってもよく、3種全てであってもよい。これらの中でも、ケイソウ土と、カオリンおよびシリカのうちの少なくとも一方とを使用することがより好ましく、ケイソウ土、カオリンおよびシリカの全てを使用することが更に好ましい。
【0013】
本発明の整髪料で使用するシリカは、親水性シリカであってもよく、親油性シリカであってもよい。親油性シリカとしては、例えば、ジメチルジシクロシラン処理、ヘキサメチルジシラザン処理、アルキルシリル処理、ジメチルポリシロキサン処理、ジメチルシロキサン処理などの各種処理を施したシリカが挙げられる。
【0014】
整髪料における無機粉体の配合量(ケイソウ土、カオリンおよびシリカの合計配合量。整髪料における無機粉体の配合量について、以下同じ。)は、処理後の毛髪のべたつきを抑制する効果を良好に確保する観点から、5質量%以上であり、6質量%以上であることがより好ましい。ただし、整髪料中の無機粉体の量が多すぎると、整髪料のスタイリング性や処理後の毛先のまとまりのよさが損なわれてしまう。よって、整髪料における無機粉体の配合量は、10質量%以下であり、8質量%以下であることが好ましい。
【0015】
なお、整髪料にケイソウ土を使用する場合、その配合量は、1〜8質量%であることが好ましい。また、整髪料にカオリンを使用する場合、その配合量は、0.1〜5質量%であることが好ましい。更に、整髪料にシリカを使用する場合、その配合量は、0.1〜2質量%であることが好ましい。
【0016】
本発明の整髪料には、スタイリングを容易にしたり、毛先のまとまりを良好にするなど、形成したスタイルを良好に維持したりするための成分として、揮発性油、25℃で固体のロウまたは炭化水素、および25℃で液体の油を配合する。
【0017】
揮発性油としては、例えば、シクロメチコン、重合度が1〜3のジメチコンなどのシリコーン;イソドデカン、イソヘキサデカン、イソパラフィンなどの炭化水素;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記例示の各揮発性油の中でも、シクロメチコンが特に好ましい。
【0018】
整髪料における揮発性油の配合量は、整髪料に要求される形態(剤型)によって変動し得るが、1質量%以上であることが好ましい。ただし、整髪料中の揮発性油の量が多すぎると、整髪料の安定性が低下して、分離や油浮きが生じやすくなる虞がある。よって、整髪料における揮発性油の配合量は、30質量%以下であることが好ましい。なお、後述するように、本発明の整髪料はクリーム状の形態であることが好ましいが、この場合、揮発性油の配合量は、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
【0019】
25℃で固体のロウとしては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、モクロウ、ラノリンなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、25℃で固体の炭化水素としては、例えば、パラフィン、セレシン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、複数種を併用してもよい。更に、本発明の整髪料には、25℃で固体のロウ、および25℃で固体の炭化水素のうちのいずれか一方のみを用いてもよく、25℃で固体のロウの1種以上と25℃で固体の炭化水素の1種以上とを併用してもよい。
【0020】
整髪料における25℃で固体のロウまたは炭化水素の配合量(整髪料に25℃で固体のロウ、および25℃で固体の炭化水素の両者が配合されている場合には、それらの合計量。整髪料における25℃で固体のロウまたは炭化水素の配合量について、以下同じ。)は、処理後の毛先のまとまりのよさを、より良好にし得ることから、3質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、処理後の毛髪のべたつきを抑える効果を、より良好に確保する観点から、整髪料における25℃で固体のロウまたは炭化水素の配合量は、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
【0021】
25℃で液体の油としては、例えば、エステル、シリコーン(揮発性油に該当するもの以外のシリコーン)、植物油などが挙げられ、これらのうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
エステルとしては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−ジエチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ネオペンタン酸2−オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸2−ヘキシルデシル、2−エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2−ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2−オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸2−ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2−オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸2−オクチルドデシル、炭酸ジカプリリル、リンゴ酸ジステアリル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2−エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、エチルヘキサン酸アルキル(C14−18)(括弧内の数値は、アルキル部分の炭素数)などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。上記例示のエステルの中でも、コハク酸ジオクチルやエチルヘキサン酸アルキル(C14−1
8)が特に好ましい。
【0023】
シリコーンとしては、例えば、ジメチコノール、ジメチコン(重合度が1〜3以外のもの)、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、トリメチルシロキシケイ酸、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、メチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられこれらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0024】
植物油としては、例えば、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、ローズヒップ油、マカデミアナッツ油、パーシック油、綿実油、月見草油、メドフォーム油、メドフォーム油誘導体(メドフォーム−6−ラクトンなど)、ヒマワリ油、ブドウ種子油、パーム油、ヒマシ油、グレープシード油、ヤシ油、シア脂(液状のもの)などが挙げられこれらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
整髪料における25℃で液体の油の配合量(25℃で液体の油を複数種使用する場合には、それらの合計量。整髪料における25℃で液体の油の配合量について、以下同じ。)は、整髪料に要求される粘度が確保できる程度の量とすればよいが、具体的には、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、特に処理後の毛先のまとまりのよさをより良好にする観点から、整髪料における25℃で液体の油の配合量は、15質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
【0026】
本発明の整髪料には、界面活性剤を配合することが好ましい。界面活性剤には、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも使用することができる。
【0027】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジメチルステアリルアミン、トリラウリルアミンなどのアルキルアミン;ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどの脂肪族アミドアミン;エステル含有3級アミン;アーコベル型3級アミン;塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化パルタミドプロピルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリンなどのモノアルキル型4級アンモニウム塩;塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウムなどのジアルキル型4級アンモニウム塩;塩化ベンザルコニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウムなどのベンザルコニウム型4級アンモニウム塩;モノアルキルエーテル型4級アンモニウム塩;塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウムなどのアルキルピリジニウム塩;などが挙げられる。
【0028】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。また、アニオン性界面活性剤は、脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸など)とアルカリ〔アミノエチルプロパノール、トリエタノールアミン、アルギニンなどの有機アルカリ;アルカリ金属の水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、アンモニアな
どの無機アルカリ;〕とを配合して形成される脂肪酸アルカリ塩(石ケン)であってもよい。
【0029】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類(ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなど)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンベヘニルエーテルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリンエーテルなど)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル(トリイソステアリン酸PEG−20グリセリンなど)、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル〔(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリンなど〕、アルキルポリグリコシド、N−アルキルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどが挙げられる。
【0031】
界面活性剤には、上記例示のもののうちの1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。特に、毛髪に付着している整髪料を洗髪時に洗い流しやすくする観点からは、整髪料には、ノニオン性界面活性剤またはアニオン性界面活性剤を配合することが好ましい。
【0032】
整髪料における界面活性剤の配合量は、使用する界面活性剤の種類やイオン性、整髪料の形態によって変動し得るが、例えば、1〜20質量%である。
【0033】
本発明の整髪料は水系の整髪料とすることができ、この場合、媒体として水を配合する。整髪料を例えばクリーム状とする場合における水の配合量は、30〜90質量%であることが好ましい。また、本発明の整髪料は、水を配合せずに非水系の整髪料とすることもできる。
【0034】
本発明の整髪料には、上記の各成分以外にも、例えば通常の毛髪化粧料に配合されている各種成分を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。このような成分としては、ペースト状の油、多価アルコール、増粘剤、高級アルコール、低級アルコール、防腐剤、酸化防止剤、香料などが挙げられる。
【0035】
ペースト状の油としては、例えば、ワセリンなどの炭化水素;ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(フィトステリル/ベヘニル/イソステアリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ラノリン脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチルなどのエステル;などが挙げられる。
【0036】
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブ
チレングリコールなどが挙げられる。
【0037】
増粘剤としては、例えば、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、タマリンドシードガムなどが挙げられる。
【0038】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、オクチルドデカノールなどが挙げられる。
【0039】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数が2〜4のアルコールが挙げられる。
【0040】
防腐剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
【0041】
酸化防止剤としては、例えば、dl−α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、エリソルビン酸などが挙げられる。
【0042】
本発明の整髪料の形態(剤型)については、特に制限はなく、例えば、ローション状(乳液状)、クリーム状、ワックス状などの形態とすることができるが、使用しやすさなどの点で、クリーム状であることがより好ましい。
【0043】
本発明の整髪料は、例えば、それを適量手に取って毛髪に塗布するなどして使用することができる。
【実施例】
【0044】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下の表1〜表4では整髪料全体で、それぞれ100%となるように各成分の配合量を%で示すが、その%はいずれも質量%であり、また、その%の表示を省略し、配合量を表す数値のみで表示する。また、本実施例において、「%」は、特に断らない限り、質量基準(質量%)である。
【0045】
実施例1〜7および比較例1〜5
表1および表2に示す組成で実施例1〜7および比較例1〜5の整髪料(クリーム状の整髪料)を調製した。
【0046】
実施例1〜7および比較例1〜5のそれぞれ2gを手に取って伸ばし、ウィッグの全頭の毛髪に塗布してスタイルを形成した時のスタイリングのしやすさ、毛先のまとまりのよさ、および毛髪のべたつきのなさを、専門の評価者5名のそれぞれが、良好と感じた場合を2点、よくも悪くもないと感じた場合を1点、悪いと感じた場合を0点として点数付けした。そして、全評価者の点数を合計して、各整髪料の評価とした。これらの評価結果を表1および表2に併記する。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
表1および表2における「水」の欄の「計100とする」とは、整髪料を構成する水以外の各成分の合計量に、水の量を加えて100%となるようにしたことを意味している(後記の表3においても同様である)。また、表1および表2に記載の「シリカ」は、親水性シリカである(後記の表3においても同様である)。
【0050】
表1および表2に示す通り、無機粉体としてケイソウ土、カオリンおよびシリカのうちの2種以上を特定量で配合し、更に、揮発性油、25℃で固体のロウまたは炭化水素、および25℃で液体の油を配合して構成した実施例1〜7の整髪料では、スタイリングのしやすさが良好で、処理後の毛先のまとまりがよく、毛髪のべたつきも抑えられている。
【0051】
これに対し、無機粉体を1種だけ使用した比較例1〜3の整髪料のうち、ケイソウ土を用いた比較例1の整髪料は、処理後の毛先のまとまりのよさが劣っている。また、無機粉体にカオリンのみを用いた比較例2の整髪料は、スタイリングのしやすさが劣っている。
【0052】
更に、無機粉体にシリカのみを使用した比較例3の整髪料では、無機粉体の配合量を少なくしており、処理後の毛髪のべたつきを抑える機能も劣っているが、その一方でスタイリングのしやすさも劣っている。なお、例えば、比較例3の整髪料とシリカの配合量を同程度とした実施例4、5の整髪料では、スタイリングのしやすさ、処理後の毛先のまとまりのよさ、および処理後の毛髪のべたつきのなさのいずれもが、比較例3の整髪料よりも良好である。これらの結果の対比から、無機粉体としてケイソウ土、カオリンおよびシリカのうちの2種以上を使用することによって、スタイリング性の向上効果、処理後の毛先のまとまりの向上効果、および処理後の毛髪のべたつきの抑制効果のバランスが良好となることが分かる。
【0053】
更に、無機粉体の配合量が少なすぎる比較例4の整髪料は、処理後の毛髪のべたつきを抑える機能が劣っており、無機粉体の配合量が多すぎる比較例5の整髪料は、スタイリングのしやすさ、および処理後の毛先のまとまりのよさが劣っている。
【0054】
実施例8
実施例8の整髪料(クリーム状の整髪料)を表3に示す組成で調製し、実施例1の整髪料などと同じ方法で、ウィッグの全頭の毛髪に塗布しスタイルを形成した時のスタイリングのしやすさ、毛先のまとまりのよさ、および毛髪のべたつきのなさを評価した。その結果を表3に併記する。
【0055】
【表3】
【0056】
実施例8の整髪料も、無機粉体としてケイソウ土、カオリンおよびシリカのうちの2種以上を特定量で配合し、更に、揮発性油、25℃で固体のロウまたは炭化水素、および25℃で液体の油を配合して構成したものであり、スタイリングのしやすさが良好で、処理後の毛先のまとまりがよく、毛髪のべたつきも抑えられている。
【0057】
実施例9、10、比較例6
実施例9、10および比較例6の整髪料(ワックス状の整髪料)を表4に示す組成で調製し、実施例1の整髪料などと同じ方法で、ウィッグの全頭の毛髪に塗布しスタイルを形成した時のスタイリングのしやすさ、毛先のまとまりのよさ、および毛髪のべたつきのなさを評価した。その結果を表4に併記する。
【0058】
【表4】
【0059】
表4における「白色ワセリン」の欄の「計100とする」とは、整髪料を構成する白色ワセリン以外の各成分の合計量に、白色ワセリンの量を加えて100%となるようにしたことを意味している。
【0060】
実施例9、10および比較例6の整髪料は非水系の整髪料の例であるが、無機粉体としてケイソウ土、カオリンおよびシリカのうちの2種以上を特定量で配合し、更に、揮発性油、25℃で固体のロウまたは炭化水素、および25℃で液体の油を配合して構成した実施例9、10の整髪料は、スタイリングのしやすさが良好で、処理後の毛先のまとまりがよく、毛髪のべたつきも抑えられている。
【0061】
これに対し、無機粉体にケイソウ土のみを使用した比較例6の整髪料は、スタイリングのしやすさ、および処理後の毛髪のべたつきを抑える機能が劣っている。