特許第6474881号(P6474881)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474881ショットキーダイオード及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474881
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】ショットキーダイオード及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/872 20060101AFI20190218BHJP
   H01L 29/47 20060101ALI20190218BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   H01L29/86 301D
   H01L29/48 D
   H01L29/48 F
   H01L29/06 301F
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-500024(P2017-500024)
(86)(22)【出願日】2015年6月15日
(65)【公表番号】特表2017-524247(P2017-524247A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(86)【国際出願番号】CN2015081501
(87)【国際公開番号】WO2016078400
(87)【国際公開日】20160526
【審査請求日】2017年2月15日
(31)【優先権主張番号】201410663922.0
(32)【優先日】2014年11月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515308855
【氏名又は名称】蘇州捷芯威半導体有限公司
【氏名又は名称原語表記】GPOWER SEMICONDUCTOR,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 洪維
【審査官】 杉山 芳弘
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0140660(US,A1)
【文献】 特開2013−232578(JP,A)
【文献】 特開2009−200096(JP,A)
【文献】 特開2010−219117(JP,A)
【文献】 特表2011−523218(JP,A)
【文献】 特開2014−063830(JP,A)
【文献】 特表2013−503483(JP,A)
【文献】 特開2011−205029(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0021511(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/872
H01L 29/47
H01L 29/778
H01L 29/812
H01L 21/338
H01L 29/06
H01L 29/41
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショットキーダイオードであって、
基板と、第1半導体層と、第2半導体層と、カソードと、第1パッシベーション誘電体層と、アノードチャネルと、フィールドプレートチャネルと、アノードとを備え、
前記第1半導体層は、前記基板上に位置し、
前記第2半導体層は、前記第1半導体層上に位置し、前記第1半導体層と前記第2半導体層との界面には、二次元電子ガスを形成し、
前記カソードは、前記第2半導体層上に位置し、前記カソード及び前記第2半導体層は、オーミック接触を形成し、
前記第1パッシベーション誘電体層は、前記第2半導体層上に位置し、
前記アノードチャネルは、前記第1パッシベーション誘電体層及び前記第2半導体層内に位置し、前記アノードチャネルの底部は、前記二次元電子ガスの位置する領域に延伸するか、又は前記二次元電子ガスの位置する領域を通過し、
前記フィールドプレートチャネルは、前記アノードチャネルと前記カソードとの間における第1パッシベーション誘電体層内に位置し、前記フィールドプレートチャネルの底部は、前記第2半導体層内に延伸し、
前記フィールドプレートチャネルの底部及び前記二次元電子ガスの間の距離は5nmより大きく、
前記アノードは、前記アノードチャネル、前記フィールドプレートチャネル、及び前記アノードチャネルと前記フィールドプレートチャネルとの間における第1パッシベーション誘電体層を覆い、前記アノードチャネル内のアノード及び前記第2半導体層は、ショットキー接触を形成し、前記フィールドプレートチャネル及び前記第1パッシベーション誘電体層上のアノードは、アノードフィールドプレートを構成する、ことを特徴とするショットキーダイオード。
【請求項2】
フィールドプレートチャネル誘電体層をさらに備え、
前記フィールドプレートチャネル誘電体層は、前記フィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層上、及び前記フィールドプレートチャネル上に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のショットキーダイオード。
【請求項3】
前記アノードは、前記フィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層の一部をさらに覆う、ことを特徴とする請求項1に記載のショットキーダイオード。
【請求項4】
前記アノードには、第2パッシベーション誘電体層が成膜され、
前記第2パッシベーション誘電体層には、第2アノードフィールドプレートが成膜され、
前記第2アノードフィールドプレートは、前記アノードに電気接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のショットキーダイオード。
【請求項5】
前記第2アノードフィールドプレートには、第3パッシベーション誘電体層が成膜され、
前記第3パッシベーション誘電体層には、第3アノードフィールドプレートが成膜され、
前記第3アノードフィールドプレートは、前記アノードに電気接続される、ことを特徴とする請求項4に記載のショットキーダイオード。
【請求項6】
前記第2半導体層は、第1障壁層と、第2障壁層とを備える、ことを特徴とする請求項1に記載のショットキーダイオード。
【請求項7】
前記第1障壁層と第2障壁層との間には、阻止層が成膜される、ことを特徴とする請求項6に記載のショットキーダイオード。
【請求項8】
前記第1障壁層及び第2障壁層の材料は、窒化アルミニウムガリウムであり、
前記第1障壁層のアルミニウム成分の含有量は、10〜15%であり、前記第1障壁層の厚さは、5〜15nmであり、
前記第2障壁層のアルミニウム成分の含有量は、20〜45%であり、前記第2障壁層の厚さは、15〜50nmである、ことを特徴とする請求項6に記載のショットキーダイオード。
【請求項9】
前記阻止層の材料は、窒化アルミニウムである、ことを特徴とする請求項7に記載のショットキーダイオード。
【請求項10】
前記アノードチャネルのいずれかの側面と前記アノードチャネルの底部の夾角は、直角、鈍角又は鋭角である、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のショットキーダイオード。
【請求項11】
前記フィールドプレートチャネルのいずれかの側面と前記フィールドプレートチャネルの底部の夾角は、直角、鈍角又は鋭角である、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のショットキーダイオード。
【請求項12】
前記基板と前記第1半導体層の間には、核形成層、バッファ層又はバック障壁層のいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせを順に成膜される、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のショットキーダイオード。
【請求項13】
前記核形成層の材料は、窒化アルミニウム、窒化ガリウム又は他のIII−V族窒化物であり、
前記バッファ層の材料は、アンドープの窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム又は他のIII−V族窒化物であり、
前記バック障壁層の材料は、窒化アルミニウムガリウムであり、前記バック障壁層のアルミニウム成分の含有量は、5〜8%である、ことを特徴とする請求項12に記載のショットキーダイオード。
【請求項14】
前記基板の材料は、炭化ケイ素、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、窒化ガリウム又はIII−V族窒化物を成長できる他の基板材料であり、
前記第1半導体層の材料は、アンドープの窒化ガリウムであり、
前記第2半導体層の材料は、窒化アルミニウムガリウム又は他のIII−V族窒化物である、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のショットキーダイオード。
【請求項15】
ショットキーダイオードを製造する方法であって、
基板に第1半導体層、第2半導体層及び第1パッシベーション誘電体層を順に成膜し、前記第1半導体層と前記第2半導体層との界面に二次元電子ガスを形成することと、
前記第2半導体層上にカソードを形成することと、
前記カソードの間における第1パッシベーション誘電体層及び第2半導体層内にアノードチャネルを形成し、前記アノードチャネルの底部は、前記二次元電子ガスの位置する領域に延伸するか、又は二次元電子ガスの位置する領域を通過することと、
前記アノードチャネルと前記カソードとの間における第1パッシベーション誘電体層内にフィールドプレートチャネルを形成し、前記フィールドプレートチャネルの底部は、前記第2半導体層内に延伸することと、
前記アノードチャネル上及び前記フィールドプレートチャネル上、及び前記アノードチャネルと前記フィールドプレートチャネルとの間における第1パッシベーション誘電体層上、及び/又は前記フィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層上に、アノードを形成することと
を備え、
前記フィールドプレートチャネルの底部及び前記二次元電子ガスの間の距離は5nmより大きい、ショットキーダイオードの製造方法。
【請求項16】
前記アノードチャネル又はフィールドプレートチャネルは、ドライエッチング工程及び/又はウエットエッチング工程によって製造される、ことを特徴とする請求項15に記載のショットキーダイオードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「蘇州捷芯威半導体有限公司」を出願人とする、「ショットキーダイオード及びその製造方法」と題する、2014年11月19日に出願された中国特許出願第201410663922.0号の優先権を主張し、当該出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体の分野に関し、特にショットキーダイオード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高電圧スイッチの応用分野において、ダイオードは逆方向リーク電流が小さく、逆方向耐圧が高く及び順方向導通電圧降下が小さい特性を有することが希望されている。広いバンドギャップの半導体材料、特に窒化ガリウム材料に基づくパワ-電子装置は、優れた特性を有する。したがって、近年、窒化ガリウムショットキーダイオードは、段々と研究のホットスポットとなってきている。窒化ガリウム基板におけるホモエピタキシャル窒化ガリウムの技術は、まだ小サイズ及び高コストの段階にある。高品質のエピタキシャル材料及び理想的なデバイス性能を取得することはできるが、コスト面の理由で広く応用されていない。現在、窒化ガリウム材料は、主に異質な材料にエピタキシャル成長して得られるものである。窒化ガリウム材料は、欠陥密度がまだ高いレベルにある(一般的に、10cm−3である)。したがって、垂直構造の窒化ガリウムショットキーダイオードは、理想的な性能を取得することができない。しかし、窒化アルミニウムガリウム/窒化ガリウムの異質構造で形成される水平方向における高電子移動度の二次元電子ガスチャネルによって製造されている高電子移動度トランジスタ(HEMT)は、無線周波及びパワ-電子の分野に広く応用されている。その理由は、一方で、窒化ガリウムが、ワイドバンドギャップ半導体材料であり、シリコン材料よりも10倍ほどの絶縁破壊電界、及び対応する高耐圧特性を有し、他方で、二次元電子ガスチャネルが、非常に小さい導通抵抗を提供することができ、スイッチの電力消耗を低減するものである。したがって、窒化アルミニウムガリウム/窒化ガリウムの異質構造に基づくプレーナ型トランジスタは、業界において重要な研究対象となっている。窒化アルミニウムガリウム/窒化ガリウムの異質構造にショットキー金属を直接成膜することで形成されるショットキーダイオードに関しては、ショットキー金属と二次元電子ガスとの間における窒化アルミニウムガリウム障壁層の厚さが一般に20nmに達するため、大きなショットキー障壁厚さを形成する。また、窒化アルミニウムガリウム障壁層の表面準位密度が大きくなれば、フェルミレベルピンニング効果を形成し、したがって、ショットキー障壁高さが高い。それによって、ショットキーの順方向ターンオン電圧が大きくなり(>1∨)、ダイオードの伝導損失が減少することには不利である。ショットキーダイオードの順方向導通電圧を減少するため、アノードチャネル構造を提案した。アノード領域において窒化アルミニウムガリウム障壁層及び一部の窒化ガリウムチャネル層をエッチング除去してから、アノード金属を成膜して、アノード金属は側壁から二次元電子ガスチャネルと金属−半導体コンタクトを形成する。それによって、厚さが20nmである窒化アルミニウムガリウム障壁層で形成されたショットキー障壁厚さを除去し、ダイオードの順方向ターンオン電圧(<0.7∨)を減少する。同時に、高電子移動度の二次元電子ガスチャネルは非常に低い導通抵抗を提供するので、低い導通電圧及び低い導通抵抗を有する高性能なショットキーダイオードを形成する。また、窒化ガリウム材料の広いバンドギャップ特性のため、その二次元電子ガスチャネルにおけるホール濃度が非常に低く、したがって、非常に小さい逆方向回復時間を有する。しかし、既存の窒化ガリウムショットキーダイオードには、不足が存在している。例えば、高電界での電界熱電子放出又は電子トンネル効果は、逆方向リーク電流を増大させ、デバイスの耐圧特性を低減させている。
【0004】
現在、たくさんの非特許文献及び特許文献には、ショットキーダイオードの性能を改善するように、異なる構造のショットキーダイオードが開示されている。
【0005】
例えば、非特許文献「Fast Switching GaN Based Lateral power Schottky Barrier Diode with Low Onset Voltage and Strong Reverse Blocking」には、ショットキーダイオードのアノード11をチャネル形状とフィールドプレート構造に設計し、フィールドプレートの下の媒体は窒化ケイ素層12であり、チャネルにおけるアノード11の金属は二次元電子ガス13と直接接触することが開示されている。図1に示すように、この文献は、フィールドプレート構造を増加し且つアノードとカソードとの距離を増大することで、ショットキーダイオードの耐圧特性を向上できることを提案している。
【0006】
Yuvaraj Doraらによる特許第US8772842B2号「Semiconductor Diodes With Low Reverse Bias Currents」には、図2に示すようなショットキーダイオードが提案されている。アノード21は、2層の複合誘電体層構造を用い、一方の層22に階段状のフィールドプレート構造を形成し、他方の層23が、パッシベーション層であり、ピーク電界を低減し且つ破壊電圧を高める役割を果たす。
【0007】
Yifeng Wuらによる特許第US7898004B2号「Semiconductor Heterostucture Diodes」には、複数の階段の構造を有するショットキーダイオードも提案されている。図3に示すように、単層の誘電体層を用いてアノードの階段式フィールドプレート構造を形成し、ピーク電界を低減する役割を果たす。アノード31のチャネル底部の金属は、半導体材料32とショットキー接触を形成して、アノード構造を構成する。
【0008】
上述の全ての技術案において、フィールドプレートを増加する方式を提案しており、逆バイアス電圧が印加されている場合、フィールドプレートは、ショットキー接合の位置する電界強度を低減することで、ショットキーダイオードの逆方向リーク電流を減少し、ショットキーダイオードのオフ状態の破壊電圧を向上することができる。しかし、実際応用において、フィールドプレートの下のパッシベーション誘電体層の存在のため、アノードに印加されている逆バイアス電圧は、アノードの下のチャネルの二次元電子ガスを空乏化する前に、逆バイアスショットキー接合に完全に印加する。また、理想的なパッシベーション効果、及びフィールドプレートが電界を緩める優れた効果に達するためには、一般的に100nmくらいの厚さに達しなければならない。窒化アルミニウムガリウム障壁層の厚さ(一般的に20nmである)に対して、パッシベーション誘電体層の厚さは厚い。また、現在、窒化ケイ素は、パッシベーション誘電体層として一般的に使用されており、誘電率が窒化アルミニウムガリウムより低い。したがって、二次元電子ガスを空乏化する必要な電圧が大きくなり、つまり、二次元電子ガスチャネルが空乏化され且つフィールドプレートが電界を緩める役割を果たす前に、ショットキー接合には大きい逆方向バイアス電圧が印加されており、電界熱電子放出及びトンネル効果は逆方向リーク電流を増大させる。したがって、逆方向リーク電流は、依然として高いレベルにある。
【0009】
したがって、窒化ガリウムショットキーダイオードの逆バイアス状態のリーク電流をさらに減少し、耐圧特性を向上することは、早急に解決しなければならない問題となる。
【発明の概要】
【0010】
既存技術における上述の欠点を解決するためになされたものである。本発明は、ショットキーダイオード及びその製造方法を提供することを目的とする。当該ショットキーダイオードは、既存技術の窒化ガリウムの異質構造における金属/二次元電子ガスのショットキー接合の、アノードの逆バイアス電圧によるリーク電流が大きい問題を解決することができる。そのため、本発明の技術案は以下のとおりである。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、ショットキーダイオードが提供される。
ショットキーダイオードは、基板と、第1半導体層と、第2半導体層と、カソードと、第1パッシベーション誘電体層と、アノードチャネルと、フィールドプレートチャネルと、アノードとを備える。
前記第1半導体層は、前記基板上に位置する。
前記第2半導体層は、前記第1半導体層上に位置し、前記第1半導体層と前記第2半導体層との界面には、二次元電子ガスを形成する。
前記カソードは、前記第2半導体層上に位置し、前記カソード及び前記第2半導体層は、オーミック接触を形成する。
前記第1パッシベーション誘電体層は、前記第2半導体層上に位置する。
前記アノードチャネルは、前記第1パッシベーション誘電体層及び前記第2半導体層内に位置し、前記アノードチャネルの底部は、前記二次元電子ガスの位置する領域に延伸するか、又は前記二次元電子ガスの位置する領域を通過する。
前記フィールドプレートチャネルは、前記アノードチャネルと前記カソードとの間における第1パッシベーション誘電体層内に位置し、前記フィールドプレートチャネルの底部は、前記第1パッシベーション誘電体層内に位置するか、前記第2半導体層の上表面に延伸するか、前記第2半導体層内に延伸する。
前記アノードは、前記アノードチャネル、前記フィールドプレートチャネル、及び前記アノードチャネルと前記フィールドプレートチャネルとの間における第1パッシベーション誘電体層を覆い、前記アノードチャネル内のアノード及び前記第2半導体層は、ショットキー接触を形成し、前記フィールドプレートチャネル及び前記第1パッシベーション誘電体層上のアノードは、アノードフィールドプレートを構成する。
【0012】
さらに、ショットキーダイオードは、フィールドプレートチャネル誘電体層を備える。前記フィールドプレートチャネル誘電体層は、前記フィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層上、及び前記フィールドプレートチャネル上に位置する。
【0013】
さらに、前記アノードは、前記フィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層の一部をさらに覆う。
【0014】
さらに、前記アノードには、第2パッシベーション誘電体層が成膜され、前記第2パッシベーション誘電体層には、第2アノードフィールドプレートが成膜され、前記第2アノードフィールドプレートは、前記アノードに電気接続される。
【0015】
さらに、前記第2アノードフィールドプレートには、第3パッシベーション誘電体層が成膜され、前記第3パッシベーション誘電体層には、第3アノードフィールドプレートが成膜され、前記第3アノードフィールドプレートは、前記アノードに電気接続される。
【0016】
さらに、前記第2半導体層は、第1障壁層と、第2障壁層とを備える。
【0017】
さらに、前記第1障壁層と第2障壁層との間には、阻止層が成膜される。
【0018】
さらに、前記第1障壁層及び第2障壁層の材料は、窒化アルミニウムガリウムであり、前記第1障壁層のアルミニウム成分の含有量は、10〜15%であり、前記第1障壁層の厚さは、5〜15nmであり、前記第2障壁層のアルミニウム成分の含有量は、20〜45%であり、前記第2障壁層の厚さは、15〜50nmである。
【0019】
さらに、前記阻止層材料は、窒化アルミニウムである。
【0020】
さらに、前記アノードチャネルのいずれかの側面の断面形状は、直線、折れ線又は弧状のいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせであり、前記アノードチャネルのいずれかの側面と前記アノードチャネルの底部の夾角は、直角、鈍角又は鋭角である。
【0021】
さらに、前記フィールドプレートチャネルのいずれかの側面の断面形状は、直線、折れ線又は弧線のいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせであり、前記フィールドプレートチャネルのいずれかの側面と前記フィールドプレートチャネルの底部の夾角は、直角、鈍角又は鋭角である。
【0022】
さらに、前記基板と前記第1半導体層の間には、核形成層、バッファ層又はバック障壁層のいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせが順に成膜される。
【0023】
さらに、前記核形成層の材料は、窒化アルミニウム、窒化ガリウム又は他のIII−V族窒化物であり、前記バッファ層の材料は、アンドープの窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム又は他のIII−V族窒化物であり、前記バック障壁層の材料は、窒化アルミニウムガリウムであり、前記バック障壁層のアルミニウム成分の含有量は、5〜8%である。
【0024】
さらに、前記基板の材料は、炭化ケイ素、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、窒化ガリウム又はIII−V族窒化物を成長できる他の基板材料であり、前記第1半導体層の材料は、アンドープの窒化ガリウムであり、前記第2半導体層の材料は、窒化アルミニウムガリウム又は他のIII−V族窒化物である。
【0025】
本発明の第2の態様によれば、ショットキーダイオードの製造方法が提供される。当該方法は、
基板に第1半導体層、第2半導体層及び第1パッシベーション誘電体層を順に成膜し、前記第1半導体層と前記第2半導体層との界面に二次元電子ガスを形成することと、
前記第2半導体層上にカソードを形成することと、
前記カソードの間における第1パッシベーション誘電体層及び第2半導体層内にアノードチャネルを形成し、前記アノードチャネルの底部は、前記二次元電子ガスの位置する領域に延伸するか、又は前記二次元電子ガスの位置する領域を通過することと、
前記アノードチャネルと前記カソードとの間における第1パッシベーション誘電体層内にフィールドプレートチャネルを形成し、前記フィールドプレートチャネルの底部は、前記第1パッシベーション誘電体層内に位置するか、前記第2半導体層の上表面に延伸するか、前記第2半導体層内に延伸することと、
前記アノードチャネル上及び前記フィールドプレートチャネル上、及び前記アノードチャネルと前記フィールドプレートチャネルとの間における第1パッシベーション誘電体層上、及び/又は前記フィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層上に、アノードを形成することとを備える。
【0026】
さらに、ドライエッチング工程及び/又はウエットエッチング工程によって、アノードチャネル又はフィールドプレートチャネルを製造する。
【0027】
本発明のショットキーダイオードによれば、既存技術の窒化ガリウムの異質構造における金属/二次元電子ガスのショットキー接合の、アノードの逆バイアス電圧によるリーク電流が大きい問題を解決し、同時に窒化ガリウムダイオードの順方向ターンオン電圧が低く、導通抵抗が小さい利点を保留する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明の例示的な実施例の技術案をより明確に説明するため、以下、実施例を説明するための図面を簡単に紹介する。明らかに、後述の図面は、本発明の実施例の一部を説明するものに過ぎず、全部の図面ではない。当業者は、創造的な活動をしない前提で、提供された図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0029】
図1-3】図1図3は、既存技術のショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図4図4は、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図5A-5B】図5A図5Bは、図1に示された既存技術のショットキーダイオードの電気特性と本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの電気特性の比較曲線図を示す。
図6A-6B】図6A図6Bは、アノードに同じ逆バイアス電圧を印加している場合、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの電子濃度分布及び図1に示された既存技術のショットキーダイオードの電子濃度分布をそれぞれ示す。
図7A-7B】図7A図7Bは、アノードに同じ逆バイアス電圧を印加している場合、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの電界分布及び図1に示された既存技術のショットキーダイオードの電界分布をそれぞれ示す。
図8図8は、本発明の第2実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図9図9は、本発明の第3実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図10図10は、本発明の第4実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図11図11は、本発明の第5実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図12図12は、本発明の第6実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図13図13は、本発明の第7実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図14図14は、本発明の第8実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図15図15は、本発明の第9実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図16図16は、本発明の第10実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図17図17は、本発明の第11実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
図18図18は、本発明の第12実施例によるショットキーダイオードの製造方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、技術案及び利点をより明らかにするため、以下、本発明の実施例の図面を参照しながら具体的な実施形態に基づいて本発明の技術案を詳細に説明する。明らかに、後述の実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全部の実施例ではない。本発明の実施形態に基づいて、当業者が創造的な活動をしない前提で得られる他の実施例は、全て本発明の保護範囲に含まれる。
【0031】
<第1実施例>
図4は、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。図4に示すように、当該ショットキーダイオードは、基板1と、核形成層2と、バッファ層3と、第1半導体層4と、第2半導体層6と、カソード5と、第1パッシベーション誘電体層8と、アノードチャネル構造と、フィールドプレートチャネル構造と、アノード9とを備える。
【0032】
基板1の材料は、窒化ガリウム、シリコン、サファイア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、SOI、又はIII−V族窒化物のエピタキシャル成長可能な他の基板材料であってもよい。
【0033】
基板1上には、核形成層2、バッファ層3、第1半導体層4及び第2半導体層6が順に成長する。第1半導体層4のバンドギャップは、第2半導体層6のバンドギャップより小さい。核形成層2の材料は、窒化アルミニウム又は窒化ガリウムであってもよい。バッファ層3の材料は、AlGaN組成傾斜層又は超格子材料であってもよい。第1半導体層4の材料は、窒化ガリウムであってもよい。第2半導体層6の材料は、窒化アルミニウムガリウムであってもよい。第1半導体層4と第2半導体層6との界面に二次元電子ガス7を形成する。
【0034】
第2半導体層6上には、カソード5を形成する。カソード5の材料は、金属である。カソード5及び第2半導体層6は、オーミック接触を形成する。
【0035】
カソード5の間に位置する第2半導体層6上には、第1パッシベーション誘電体層8を成膜する。当該第1パッシベーション誘電体層8は、窒化アルミニウムガリウムの表面準位による電流コラプス現象を抑制する役割を果たすことができる。当該の第1パッシベーション誘電体層8の材料は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、フッ化物又は酸化アルミニウムのいずれか1種類又は少なくとも2種類の組み合わせであってもよい。
【0036】
カソード5の間に位置する第1パッシベーション誘電体層8及び第2半導体層6内にアノードチャネル構造を形成する。アノードチャネルとカソード金属との間における第1パッシベーション誘電体層8内にフィールドプレートチャネル構造を形成する。アノードチャネル又はフィールドプレートチャネルを製造するとき、ドライエッチング工程により、縦方向と横方向の異なるエッチング速度を制御して、異なる形状のチャネル構造を形成してもよく、ウエットエッチング工程により形成してもよく、あるいは他の工程により形成してもよい。チャネルの側面と底面との夾角は、直角、鈍角又は鋭角のいずれか1種類又は少なくとも2種類の組み合わせである。チャネルの具体的な寸法は、設計要求によって決定されることができる。アノードチャネル構造の底部は、二次元電子ガス7に達するか又は二次元電子ガス7を通過して第2半導体層6内に延伸する。フィールドプレートチャネル構造の底部は、第2半導体層6の上表面に達するか又は第2半導体層6の上表面を超えて第2半導体層6内に延伸する。
【0037】
アノードチャネルとフィールドプレートチャネルとの間における第1パッシベーション誘電体層8上、フィールドプレートチャネル上及びフィールドプレートチャネルの縁部に延伸している第1パッシベーション誘電体層8上には、アノード9を形成する。アノード9と、第2半導体層6、二次元電子ガス7及び第1半導体層4とは、ショットキー接触を形成する。アノードチャネル内のアノード金属は、二次元電子ガス7に直接接触することで、当該ショットキー接合のバリア高さ及びバリア幅を減少し、さらに、ダイオードの順方向導通電圧を減少することができる。フィールドプレートチャネル構造は、フィールドプレート金属を二次元電子ガスチャネルにより接近させる。したがって、ショットキー接合とカソードとの導電路を遮断するように、小さいアノードの逆バイアス電圧によりチャネルの下の二次元電子ガスを空乏化させることができる。これによって、金属/二次元電子ガスで形成されたショットキー接合に印加されている逆バイアス電圧を大幅に減少させ、さらに、ショットキー接合が逆バイアスされた時のリーク電流を低減させ、耐圧特性を向上させる。
【0038】
実際応用中、ショットキーダイオードの電気特性パラメータは、例えば順方向ターンオン電圧、導通抵抗、逆方向耐圧及び逆方向リーク電流は、ショットキーダイオードの応用効果に影響を与える。より良い応用効果を実現するため、ショットキーダイオードは、小さい順方向ターンオン電圧、小さい導通抵抗、高い逆方向耐圧及び小さい逆方向リーク電流の特性を有しなければならない。
【0039】
図5A図5Bは、図1に示された既存技術のショットキーダイオードの逆方向電気特性と本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの逆方向電気特性の比較曲線図を示す。
【0040】
図5Aでは、破線a1が既存技術のショットキーダイオードの逆方向電気特性を示し、実線b1が本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの逆方向電気特性を示す。図5Aに示すように、同じ逆バイアス電圧の条件下で、既存技術のショットキーダイオードの逆バイアス電流に対して、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの逆バイアス電流は顕著に低減される。同じリーク電流レベルを利用してダイオードの耐圧特性を定義する場合、本発明に提案したフィールドプレートチャネル構造を有するショットキーダイオードの耐圧特性は、顕著に向上される。垂直座標の電流単位は絶対単位であり、auはabsolute unit(絶対単位)の略語である。図5Bでは、破線a2が既存技術のショットキーダイオードの順方向電気特性を示し、実線b2が本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの順方向電気特性を示す。図5Bに示すように、既存技術のショットキーダイオードの順方向電圧と順方向電流との関係と比較すると、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの順方向電圧と順方向電流との関係はほぼ変わらない。つまり、フィールドプレートチャネル構造を用いる場合、ショットキーダイオードの順方向特性への影響は軽微である。垂直座標の電流単位は絶対単位であり、auはabsolute unit(絶対単位)の略語である。
【0041】
上述の電気特性比較によって、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードは逆方向リーク電流が小さい利点を有し、同時に順方向ターンオン電圧が低く、導通抵抗が小さい利点を保留することをさらに証明する。
【0042】
図6A図6Bは、アノードに同じ逆バイアス電圧(−20∨)を印加している場合、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの電子濃度分布及び図1に示された既存技術のショットキーダイオードの電子濃度分布をそれぞれ示す。
【0043】
図6A図6Bに示すように、アノードに同じ逆バイアス電圧(−20∨)を印加している条件下で、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードは、そのアノードフィールドプレート下の第2チャネルに対応するチャネル領域における電子がほぼ空乏化され、二次元電子ガスの濃度が2.4×10−6/cmだけであるが、しかし、既存技術のショットキーダイオードのアノードフィールドプレート下のチャネル領域における電子が空乏化されなく、二次元電子ガスの濃度が1.7×1012/cmと同じくらい高くなる。
【0044】
図7A図7Bは、アノードに同じ逆バイアス電圧を印加している場合、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードの電界分布及び図1に示された既存技術のショットキーダイオードの電界分布をそれぞれ示す。
【0045】
図7A図7Bに示すように、アノードに同じ逆バイアス電圧を印加している条件下で、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードのアノードにおける第1チャネル側面の電界強度は2.6×10V/cmであるが、しかし、既存技術のショットキーダイオードのアノードチャネル側面の電界強度は3.1×10V/cmである。既存技術のショットキーダイオードと比較すると、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードのアノードにおける第1チャネル側面の電界強度は、既存技術のショットキーダイオードのアノード電界強度の約83%である。電界熱電子放出及びトンネル効果による逆方向リーク電流の全ては、電界強度に対して指数関数的な関係特性を有する。したがって、逆方向バイアス電圧が低減した条件下の電界強度は、逆方向リーク電流を効果的に減少することができる。
【0046】
図6Aと6Bのチャネル電子濃度の比較及び図7Aと7Bの電界強度の比較によって、本発明の第1実施例によるショットキーダイオードのアノード構造は、小さい逆バイアス電圧でフィールドプレートの下のフィールドプレートチャネルに対応するチャネル領域の二次元電子ガスを空乏化させて、金属/二次元電子ガスで形成されたショットキー接合に印加されている電界強度を減少させることができることがさらに証明される。
【0047】
本発明の第1実施例によるショットキーダイオードは、アノードチャネル構造及びフィールドプレートチャネル構造を結合して、順方向導通電圧を効果的に低減し且つ逆方向リーク電流を抑制することができる。アノードチャネルによって、アノードのショットキー金属及び二次元電子ガスチャネルは、直接接触を形成する。このようにして、チャネル構造がない場合に対して、ショットキーのバリア高さ及びバリア幅は、大幅に減少される。したがって、低い順方向導通電圧を取得することができる。フィールドプレートチャネル構造によって、フィールドプレートチャネルの下の二次元電子ガスチャネルは、小さいアノード逆バイアス電圧で空乏化されることができる。したがって、ショットキー接合に印加されている逆バイアス電圧を減少する。つまり、ショットキー接合の逆バイアス電界強度を減少することができ、さらに、電界熱電子放出又はトンネル効果による逆方向リーク電流を減少することで、逆方向リーク電流を減少する効果が実現される。
【0048】
パッシベーション技術を利用して窒化アルミニウムガリウムの障壁層に所定の厚さである第1パッシベーション誘電体層(100nm程度の窒化ケイ素の誘電体層が一般的に使用される)を成膜する。第1パッシベーション誘電体層は、窒化アルミニウムガリウム材料の表面準位の充放電による電流コラプス現象を抑制する役割を主に果たす。カソードの間に位置する半導体構造及び誘電体層において、エッチング技術を利用してアノードチャネル構造及びフィールドプレートチャネル構造を実現する。アノードチャネル構造の底部は、二次元電子ガスに達するか又は二次元電子ガスを通過する。フィールドプレートチャネル構造の底部は、第2半導体層の表面に達するか又は第2半導体層の表面を通過して第2半導体層内に延伸する。
【0049】
アノード金属を成膜し、アノードチャネル構造においてアノード金属を二次元電子ガスチャネルと直接接触することで、ショットキーのバリア高さ及びバリア幅を減少し、ダイオードの順方向ターンオン電圧を低減する。
【0050】
フィールドプレートチャネル構造において、アノード金属及び第2半導体層の表面は、ショットキー接触を形成する。フィールドプレートチャネル構造の存在のため、フィールドプレート金属を二次元電子ガスチャネルにより接近させる。したがって、より小さい逆バイアス電圧によって、チャネル領域の下の二次元電子ガスチャネルを空乏化させることができる。これによって、金属/二次元電子ガスで形成されたショットキー接合に印加されている逆バイアス電圧を大幅に減少させ、さらに、当該ショットキー接合が逆バイアスされた時のリーク電流を低減させる。
【0051】
フィールドプレートは、アノード金属と共に成膜されることができ、延伸してフィールドプレートチャネルとカソードとの間に位置する第1パッシベーション誘電体層の一部を覆う。当該延伸部分は、カソード縁部に隣接するフィールドプレートチャネルの強電界を変調し、この箇所の電界ピークが平準化される。したがって、ピーク電界が減少し、耐圧特性が向上する。
【0052】
<第2実施例>
図8は、本発明の第2実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0053】
図8に示すように、第1実施例との相違は、第2実施例によるショットキーダイオードのフィールドプレートチャネルは、第2半導体層6内に延伸するが、第2半導体層6は超えないことである。第2半導体層がエッチングされて薄厚化された後、その下の二次元電子ガスの濃度を減少させる。それによって、導通抵抗が増大される。エッチング深さが深すぎると、二次元電子ガスの空乏化を引き起こし、ダイオードの順方向導通電圧を増大させる。したがって、フィールドプレートチャネルのエッチング深さを合理的な範囲にとどめるべきである。正常導通可能な二次元電子ガスの濃度を有することを確保するように、一般的に、チャネル底部が二次元電子ガスチャネルから離れる距離を5nmよりも大きくするべきである。
【0054】
本発明の第1実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第2実施例によるショットキーダイオードは、フィールドプレートを二次元電子ガスチャネルにより接近させる。したがって、より小さい逆バイアス電圧によって、チャネル領域のフィールドプレートの下の二次元電子ガスを空乏化することができる。これによって、金属/二次元電子ガスで形成されたショットキー接合に印加されている逆バイアス電圧がさらに減少され、さらに、当該ショットキー接合が逆バイアスされた時のリーク電流を低減させる。
【0055】
<第3実施例>
図9は、本発明の第3実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0056】
図9に示すように、第1実施例との相違は、第3実施例によるショットキーダイオードは、フィールドプレートチャネル誘電体層10をさらに備える。
【0057】
フィールドプレートチャネル誘電体層10は、パッシベーション誘電体層8上及びフィールドプレートチャネル上に位置する。
【0058】
本実施例において、フィールドプレートチャネル誘電体層10の材料は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素又は酸化アルミニウムのいずれか1種類又は少なくとも2種類の組み合わせであってもよい。
【0059】
本発明の第1実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第3実施例によるショットキーダイオードのアノード構造は、フィールドプレートチャネルとアノードとの間にフィールドプレートチャネル誘電体層を追加する。これによって、逆バイアス電圧でフィールドプレートチャネル領域のショットキー接合に流れるリーク電流をさらに減少することができる。
【0060】
<第4実施例>
図10は、本発明の第4実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0061】
図10に示すように、第3実施例との相違は、第4実施例によるショットキーダイオードにおけるフィールドプレートチャネル構造は、チャネルのエッチング工程において、ドライエッチング工程を利用して、エッチング時間を制御し、フィールドプレートチャネル誘電体層を形成するようにパッシベーション誘電体層の一部を残すことである。
【0062】
本発明の第2実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第4実施例によるショットキーダイオードのアノード構造は、フィールドプレートチャネル誘電体層の成膜ステップを簡略化する。
【0063】
<第5実施例>
図11は、本発明の第5実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0064】
図11に示すように、第1実施例との相違は、本発明の第5実施例によるショットキーダイオードの半導体構造において、第1半導体層4の下にバック障壁層11が介在されることである。
【0065】
バック障壁層11は、材料が窒化アルミニウムガリウムであり、アルミニウム成分の含有量が5〜15%であってもよい。バック障壁層のアルミニウム成分の含有量は、第2半導体層のアルミニウム成分の含有量よりも少ない。
【0066】
窒化ガリウムと比較すると、窒化アルミニウムガリウムは、より大きいバンドギャップを有する。バック障壁層の増加は、第1半導体層における二次元電子ガスチャネルをよりよく制限する役割を果たすことができる。印加されている逆バイアス電圧によって、電子は、アノードからバッファ層を経由してカソードに漏れて、ショットキーダイオードの逆方向リーク電流を増大させる。アルミニウム成分の含有量が低い窒化アルミニウムガリウムのバック障壁層を増加することで、電子がバッファ層に流れることを制限することができ、バッファ層を経由して漏らされる逆方向リーク電流を低減させる。
【0067】
本発明の第1実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第5実施例によるショットキーダイオードの半導体構造において、アルミニウム成分の含有量が低いバック障壁層が追加され、バッファ層に流れる逆方向リーク電流を抑制する役割を果たす。
【0068】
<第6実施例>
図12は、本発明の第6実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0069】
図12に示すように、第1実施例との相違は、本発明の第6実施例によるショットキーダイオードの第2半導体層は、第1障壁層6a及び第2障壁層6bからなる。
【0070】
第1障壁層6aは、材料が窒化アルミニウムガリウムであってもよく、アルミニウム成分の含有量が10〜15%であってもよく、厚さが5〜15nmであってもよい。第2障壁層6bは、材料が窒化アルミニウムガリウムであってもよい。第2障壁層6bのアルミニウム成分の含有量は、第1障壁層6aよりも高いであり、25〜45%であってもよい。第2障壁層6bの厚さは、15〜50nmであってもよい。
【0071】
フィールドプレートチャネルのエッチング工程を利用して第1パッシベーション誘電体層及びアルミニウム成分の含有量の高い障壁層中にフィールドプレートチャネルを形成する。チャネルの底部は、第1障壁層の表面に達するか第1障壁層の表面を通過する。フィールドプレートチャネルの下の第1障壁層は、アルミニウム成分の含有量が低く、厚さが薄い。したがって、第1実施例と比較すると、フィールドプレートチャネルの下の二次元電子ガスの濃度がより低く、アノードに負バイアス電圧が印加されているとき空乏化され易く、これによって、金属/二次元電子ガスのショットキー接合に印加されている逆バイアス電圧がより低く、さらに、電界熱電子放出及びトンネル効果による逆方向リーク電流を減少する。フィールドプレートチャネルとカソードとの間には、第2障壁層の高いアルミニウム成分の含有量によって、第2障壁層の下の二次元電子ガスは、高い濃度を有することができる。したがって、ショットキーダイオードは、小さい導通抵抗を有し、順方向導通電圧を低減する。
【0072】
第6実施例によるショットキーダイオードは、第1半導体層の下にバック障壁層を介在することができ、バッファ層に流れる逆方向リーク電流を抑制する役割を果たす。バック障壁層の材料は、窒化アルミニウムガリウムであってもよい。バック障壁層が二次元電子ガスをさらに空乏化させるため、導通抵抗を増大させ、順方向導通電圧を増加させる。したがって、窒化アルミニウムガリウムのアルミニウム成分の含有量を5〜8%に限定するべきである。つまり、バック障壁層のアルミニウム成分の含有量は、第1障壁層のアルミニウム成分の含有量よりも低い。それによって、フィールドプレートチャネルの下の二次元電子ガスが所定濃度を有し、完全に空乏化されないことを保証することができる。当該構造のショットキーダイオードの順方向導通電圧が低いようにする。
【0073】
<第7実施例>
図13は、本発明の第7実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0074】
図13に示すように、第6実施例との相違は、本発明の第7実施例によるショットキーダイオードは、阻止層6cをさらに備える。
【0075】
阻止層6cは、第1障壁層6aと第2障壁層6bとの間に位置し、阻止層6cの材料は、窒化アルミニウムであってもよい。
【0076】
本発明の第6実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第7実施例によるショットキーダイオードの第2半導体層は、第2障壁層と第1障壁層との間に阻止層が介在される。阻止層の窒化アルミニウムを増加することで、ドライエッチングするとき窒化アルミニウムと窒化アルミニウムガリウムとの間のエッチング選択比が高い。したがって、エッチングされるチャネル界面は、精確な停止位置を有し、ショットキーダイオードのターンオン電圧の均一性を向上させる。
【0077】
<第8実施例>
図14は、本発明の第8実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0078】
図14に示すように、第1実施例との相違は、本発明の第8施例によるショットキーダイオードの構造において、第2パッシベーション誘電体層12と、第2アノードフィールドプレート13とをさらに備える。
【0079】
第2パッシベーション誘電体層12は、アノード9上に成膜される。
【0080】
第2アノードフィールドプレート13は、第2パッシベーション誘電体層12上に成膜され、アノード9に接続される。
【0081】
本実施例において、第2パッシベーション誘電体層12の材料は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素又は酸化アルミニウムのいずれか1種類又は少なくとも2種類の組み合わせであってもよい。
【0082】
本発明の第1実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第8実施例によるショットキーダイオード構造において、アノード上に第2パッシベーション誘電体層が成膜され、第2パッシベーション誘電体層上に第2アノードフィールドプレートが成膜され、当該第2アノードフィールドプレートはアノードに接続される。第2アノードフィールドプレートを追加することで、アノードとカソードとの間にアノード縁部のピーク電界をさらに低減し、耐圧特性を向上することができる。
【0083】
<第9実施例>
図15は、本発明の第9実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0084】
図15に示すように、第8実施例との相違は、本発明の第9実施例によるショットキーダイオードは、第3パッシベーション誘電体層14と、第3アノードフィールドプレート15とをさらに備える。
【0085】
第3パッシベーション誘電体層14は、第2パッシベーション誘電体層12上及び第2アノードフィールドプレート13上に成膜される。
【0086】
第3アノードフィールドプレート15は、第3パッシベーション誘電体層14に成膜され、第3アノードフィールドプレートは、アノード9及び第2アノードフィールドプレート13に接続される。
【0087】
本実施例において、第3パッシベーション誘電体層14材料は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素又は酸化アルミニウムのいずれか1種類又は少なくとも2種類の組み合わせであってもよい。
【0088】
本発明の第8実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第9実施例によるショットキーダイオード構造において、第3パッシベーション誘電体層及び第3アノードフィールドプレートは、第2パッシベーション誘電体層及び第2アノードフィールドプレート上に成膜され、当該第3アノードフィールドプレートはアノードに接続される。第3アノードフィールドプレートを追加することで、第8実施例に基づいて、ノードとカソードとの間にアノード縁部のピーク電界をさらに低減し、耐圧特性を向上することができる。
【0089】
<第10実施例>
図16は、本発明の第10実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0090】
図16に示すように、第1実施例との相違は、本発明の第10実施例によるショットキーダイオードの構造において、第1半導体層4は第2半導体層6の上表面に成膜され、カソード5及び第1半導体層4の表面はオーミック接触を形成し、アノード9及び第1半導体層4の表面はショットキー接触を形成する。第1半導体層4のバンドギャップは第2半導体層6のバンドギャップよりも小さいので、第1半導体層4及びカソード5はオーミック接触を形成しやすい。本発明の第1実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第10実施例によるショットキーダイオードは、同様に、小さい逆方向リーク電流及び低い順方向ターンオン電圧の電気特性を実現することができる。
【0091】
<第11実施例>
図17は、本発明の第11実施例によるショットキーダイオードの断面模式図を示す。
【0092】
図17に示すように、第1実施例との相違は、本発明の第11実施例によるショットキーダイオードの構造において、1つのカソードと1つフィールドプレートチャネルを備える。
【0093】
本発明の第1実施例によるショットキーダイオードと比較すると、本発明の第11実施例によるショットキーダイオードは、同様に、小さい逆方向リーク電流及び低い順方向ターンオン電圧の利点を有し、同時に当該ダイオードの製造プロセスをより簡単にする。
【0094】
<第12実施例>
図18は、本発明の第12実施例によるショットキーダイオードの製造方法を示す。図18に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0095】
ステップS1において、基板に第1半導体層、第2半導体層及び第1パッシベーション誘電体層を順に成膜し、第1半導体層と第2半導体層との界面に二次元電子ガスを形成する。
【0096】
ステップS2において、第2半導体層上にカソードを形成する。
【0097】
ステップS3において、カソードの間における第1パッシベーション誘電体層及び第2半導体層内にアノードチャネルを形成し、アノードチャネルの底部は、前記二次元電子ガスの位置する領域に延伸するか、又は前記二次元電子ガスの位置する領域を通過する。
【0098】
ステップS4において、アノードチャネル及びカソードの間における第1パッシベーション誘電体層内にフィールドプレートチャネルを形成し、フィールドプレートチャネルの底部は、前記第1パッシベーション誘電体層内に位置するか、前記第2半導体層の上表面に延伸するか、前記第2半導体層内に延伸する。
【0099】
ステップS5において、アノードチャネル上に及びフィールドプレートチャネル上に、及びアノードチャネルとフィールドプレートチャネルとの間における第1パッシベーション誘電体層上に、及び/又はフィールドプレートチャネル以外の第1パッシベーション誘電体層上には、アノードを形成する。
【0100】
ドライエッチング工程及び/又はウエットエッチング工程によって、アノードチャネル又はフィールドプレートチャネルを製造することができる。
【0101】
以上は、本発明の好ましい実施例及び技術原理に過ぎない。当業者であれば、本発明が以上の具体的な実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、調整及び変更が可能であることが分かるはずである。したがって、上述の実施例により本発明について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の均等実施例をさらに含んでもよく、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲により規定される。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18