(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
スピーカがボイスコイル表面の上に測定面を有し、前記測定面が単一コンポーネント作業エリアを有し、前記単一コンポーネント作業エリアが前記測定面の線形磁場測定エリア、AC磁場測定エリア及び信号対雑音比測定エリアによって形成される共通部分である、前記スピーカの電磁信号をオーディオ信号に変換する磁気抵抗オーディオピックアップにおいて、少なくとも1つの線形磁気抵抗センサ、カップリングキャパシタ、AC増幅器、増幅器、及び、信号処理回路を含むオーディオピックアップ回路と、前記線形磁場測定エリアからの信号をセンシングする少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサユニットを備える線形磁気抵抗センサとを備え、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々は電源入力端と信号出力端とをそれぞれ有し、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の信号出力端は、それぞれAC信号を出力する前記カップリングキャパシタを通じて前記AC増幅器に接続され、それから、それらの信号を1つの信号に組み合わせる前記増幅器に接続され、前記信号処理回路を通じてオーディオ信号として出力される磁気抵抗オーディオピックアップ。
更に、磁気スイッチ型制御回路或いはDC出力型制御回路又はこれらの双方である前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々が前記測定面に位置しているか否かを検出する、線形磁場計測エリア制御回路を備える、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記磁気スイッチ型制御回路は、少なくとも1つの単軸磁気スイッチセンサユニット、比較器及び制御器を有する磁気スイッチセンサを備え、前記単軸磁気スイッチセンサユニットと検出された前記単軸線形磁気抵抗センサユニットとが測定面上の感磁軸方向の磁場を検出する同方向の感磁軸を有し、前記単軸磁気スイッチセンサユニットの信号出力端は前記比較器に接続され、前記比較器は前記単軸磁気スイッチセンサユニットによって検出された前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの信号を前記比較器によって記憶される基準電圧と比較して比較信号を取得し、かつ、前記比較信号を制御器に入力し、前記制御器は前記比較信号に従ってオーディオピックアップ回路を制御し、前記DC出力型制御回路はフィルタ、前置/差動増幅器、比較器及び制御器を備え、検出された前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の信号出力端は、DC出力信号を取得するフィルタを通じて前記増幅器に接続され、前記DC出力信号は、前記比較信号を取得する前記比較器の基準電圧と比較され、前記比較器は前記制御器に比較信号を入力し、前記制御器は前記比較信号に応じて前記オーディオピックアップ回路を制御する、請求項2記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記磁気スイッチセンサは、少なくとも2つの単軸磁気スイッチセンサユニットの別々の素子の組み合わせ、又は、少なくとも2つの単軸磁気スイッチセンサユニットを統合した単一チップ素子である、請求項3記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、ハーフブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの信号出力端は、前記フィルタを通じて前記前置増幅器に接続されている、
又は、
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、フルブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの2つの信号出力端は、それぞれ、前記フィルタを通じて差動増幅器に接続されている、請求項3記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の線形磁場の上下限及び飽和磁場の上下限は、前記単軸スイッチセンサユニットの各々の磁場の作動値及び復元値である、又は、DC電圧型制御回路の比較器の基準信号である、請求項2記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記制御回路は、更に、検出された前記単軸線形電磁抵抗センサユニットをDC電源供給又はパルス電源供給にスイッチすること、及び、前記AC増幅器の電源、前記増幅器の電源、前記信号処理回路の電源、及び、前記磁気標識信号のいずれか1つ以上をターンオン又はターンオフすることを、それぞれ制御する複数の制御信号を出力するために用いられる、請求項2記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記線形磁気抵抗センサは、少なくとも2つの単軸線形磁気抵抗センサユニットの別々の素子の組み合わせ、又は、少なくとも2つの単軸線形磁気抵抗センサユニットを統合した単一チップ素子である、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、ハーフブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの信号出力端は、前記カップリングキャパシタを通じて前記前置AC増幅器に接続されている、
又は、
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、フルブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの2つの信号出力端は、それぞれ、カップリングキャパシタを通じて前記差動AC増幅器に接続されている、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサ、前記2軸及び前記3軸線形磁気抵抗センサは、対応する単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の単軸作業エリアの共通部分又は融合部分にそれぞれ位置している、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記線形磁気抵抗センサは、前記スピーカの前記ボイスコイル面に対して平行な計測面に位置し、前記少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサユニットは、前記測定面上の線形磁場測定エリアに位置している、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々は、前記測定面上の対応する単一コンポーネント作業エリアに位置しており、前記測定面上では、永久磁気回路のDC磁場コンポーネントにおける線形磁場測定エリア、非線形磁場測定エリア及び飽和磁場測定エリアが、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の線形磁場特性エリア、非線形磁場特性エリア及び飽和磁場特性エリアに対応し、前記測定面上では、前記スピーカの前記ボイスコイルによって生成される様々な軸のAC磁場コンポーネントの振幅が1mGよりも大きい領域は、前記AC磁場測定エリアであり、かつ、その振幅が1mG未満である領域は、AC磁場非測定エリアであり、測定面上では、周波数帯域が15kHzの場合に、熱雑音に対する単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々によって出力されるACオーディオ信号の信号雑音比が1よりも大きい領域は、信号雑音比エリアであり、かつ、信号雑音比が1よりも小さい領域は、信号雑音比非測定エリアである、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
前記オーディオピックアップは、丸型、レーストラック形、又は、角型のボイスコイルを有するスピーカに好適である、請求項1記載の磁気抵抗オーディオピックアップ。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1)受信コイルによる出力電圧の振幅がコイルの巻数及びコイルのエリアに関連しているので、コイルの巻数及びコイルのエリアを増加させるだけで、大きな受信電圧信号及び高い感度を取得することができるが、その結果、コイルの体積及びコイルのサイズが大きくなる。
【0005】
2)スピーカのボイスコイルによって生成される電磁場信号は、主として、ボイスコイル近傍の空間領域を囲んでいるが、その距離の増加に伴って速やかに減衰するので、受信コイルは、可能な限りボイスコイル近傍の領域に位置させる必要があり、その結果、コイルの空間的な柔軟性が低下する。
本発明の目的は、この種の既存のオーディオピックアップの多くの問題を解決する磁気抵抗オーディオピックアップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため、本発明は、スピーカがボイスコイル表面の上に測定面を有し、前記測定面が単軸作業エリアを有し、単一コンポーネント作業エリアが前記測定面の線形磁場測定エリア、交流(AC)磁場測定エリア及び信号対雑音比(SNR)測定エリアによって形成される共通部分である、前記スピーカの電磁信号をオーディオ信号に変換する磁気抵抗オーディオピックアップにおいて、少なくとも1つの線形磁気抵抗センサ、カップリングキャパシタ、AC増幅器、増幅器、及び、信号処理回路を含むオーディオピックアップ回路と、前記線形磁場測定エリアからの信号をセンシングする少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサユニットを含む線形磁気抵抗センサとを含み、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々は電源入力端と信号出力端とをそれぞれ有し、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の信号出力端は、それぞれAC信号を出力する前記カップリングキャパシタを通じて前記AC増幅器に接続され、それから、前記信号を1つの信号に組み合わせる前記増幅器に接続され、前記信号処理回路を通じてオーディオ信号として出力される。
【0007】
好ましくは、本発明の磁気抵抗オーディオピックアップは、更に、磁気スイッチ型制御回路或いは直流(DC)出力型制御回路又はこれらの双方である前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々が前記測定面に位置しているか否かを検出する、線形磁場計測エリア制御回路を含む。
【0008】
前記磁気スイッチ型制御回路は、少なくとも1つの単軸磁気スイッチセンサユニット、比較器及び制御器を有する磁気スイッチセンサを含み、前記単軸磁気スイッチセンサユニットと検出された前記単軸線形磁気抵抗センサユニットとが測定面上の感磁軸方向の磁場を検出する同方向の感磁軸を有し、前記単軸磁気スイッチセンサユニットの信号出力端は前記比較器に接続され、前記比較器は前記単軸磁気スイッチセンサユニットによって検出された前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの信号を前記比較器によって記憶される基準電圧と比較して比較信号を取得し、かつ、前記比較信号を制御器に入力し、前記制御器は前記比較信号に従ってオーディオピックアップ回路を制御し、前記DC出力型制御回路はフィルタ、前置/差動増幅器、比較器及び制御器を含み、検出された前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の信号出力端は、DC出力信号を取得するフィルタを通じて前記増幅器に接続され、前記DC出力信号は、前記比較信号を取得する前記比較器の基準電圧と比較され、前記比較器は前記制御器に比較信号を入力し、前記制御器は前記比較信号に応じて前記オーディオピックアップ回路を制御する。
【0009】
前記磁気スイッチセンサは、少なくとも2つの単軸磁気スイッチセンサユニットの別々の素子の組み合わせ、又は、少なくとも2つの単軸磁気スイッチセンサユニットを統合した単一チップ素子である。
単軸磁気スイッチセンサユニットの各々は、X軸、Y軸、又は、Z軸の磁気スイッチセンサである。
前記単軸スイッチセンサユニットの各々は、全極型磁気スイッチセンサである。
前記単軸スイッチセンサユニットの各々は、X軸、Y軸又はZ軸磁気スイッチセンサである。
【0010】
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、ハーフブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの信号出力端は、前記フィルタを通じて前記前置増幅器に接続されている、
又は、
【0011】
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、フルブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの2つの信号出力端は、それぞれ、前記フィルタを通じて差動増幅器に接続されている。
【0012】
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の線形磁場の上下限及び飽和磁場の上下限は、前記単軸スイッチセンサユニットの各々の磁場の作動値及び復元値である、又は、DC電圧型制御回路の比較器の基準信号である。
【0013】
前記制御回路は、更に、検出された前記単軸線形電磁抵抗センサユニットをDC電源供給又はパルス電源供給にスイッチすること、及び、前記AC増幅器の電源、前記増幅器の電源、前記信号処理回路の電源、及び、前記磁気的標識信号のいずれか1つ以上をターンオン又はターンオフすることを、それぞれ制御する複数の制御信号を出力するために用いられる。
【0014】
前記線形磁気抵抗センサは、少なくとも2つの単軸線形磁気抵抗センサユニットの別々の素子の組み合わせ、又は、少なくとも2つの単軸線形磁気抵抗センサユニットを統合した単一チップ素子である。
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々は、X軸、Y軸、又は、Z軸のセンサである。
【0015】
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、ハーフブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの信号出力端は、前記カップリングキャパシタを通じて前記前置AC増幅器に接続されている、
又は、
【0016】
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットは、フルブリッジ構造であり、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの2つの信号出力端は、それぞれ、カップリングキャパシタを通じて前記差動AC増幅器に接続されている。
【0017】
前記少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサ、前記2軸及び前記3軸線形磁気抵抗センサは、対応する単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の単軸作業エリアの共通部分又は融合部分にそれぞれ位置している。
前記線形磁気抵抗センサは、AMRセンサ、ホールセンサ、GMRセンサ及びTMRセンサの1つである。
前記測定面は、前記スピーカの前記ボイスコイル表面から0mm〜10mmの範囲内の距離にある。
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの感磁軸方向は、前記測定面に対して垂直又は平行である。
【0018】
前記線形磁気抵抗センサは、前記スピーカの前記ボイスコイル面に対して平行な計測面に位置し、前記少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサユニットは、前記測定面上の線形磁場測定エリアに位置している。
【0019】
前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々は、前記測定面上の対応する単一コンポーネント作業エリアに位置しており、前記測定面上では、永久磁気回路のDC磁場コンポーネントにおける線形磁場測定エリア、非線形磁場測定エリア及び飽和磁場測定エリアが、前記単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の線形磁場特性エリア、非線形磁場特性エリア及び飽和磁場特性エリアに対応し、前記測定面上では、前記スピーカの前記ボイスコイルによって生成される様々なAC磁場コンポーネントの振幅が1mGよりも大きい領域は、前記AC磁場測定エリアであり、かつ、その振幅が1mG未満である領域は、AC磁場非測定エリアであり、測定面上では、周波数帯域が15kHzの場合に、熱雑音に対する単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々によって出力されるACオーディオ信号の信号雑音比が1よりも大きい領域は、信号雑音比エリアであり、かつ、信号雑音比が1よりも小さい領域は、信号雑音比非測定エリアである。
前記オーディオピックアップは、丸型、レーストラック形、又は、角型のボイスコイルを有するスピーカに好適である。
前記オーディオピックアップは、外部磁気スピーカ又は内部磁気スピーカに適している。
【0020】
本発明で提供される磁気抵抗オーディオピックアップは、出力用のAC電圧信号にボイスコイルのAC電磁場信号を直接変換するための高感度線形磁気抵抗センサを用いて、上記欠点をうまく解決している。線形磁気抵抗センサはその位置で磁場信号にのみ応答し、それによって占有される空間位置は、線形磁気抵抗センサ自体のサイズにのみ依存し、さらに、線形磁気抵抗センサのサイズは、ピックアップコイルのそれよりはるかに小さい。したがって、線形磁気抵抗センサピックアップは、より大きな測定可能範囲とより大きな空間の柔軟性とを有することになるであろうから、必要とされるその取付サイズも大幅に削減されるであろう。加えて、線形磁気抵抗センサがより高い磁場感度を有しているので、ピックアップコイルのものよりも大きな出力電圧信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】スマートフォンとスマートフォンのスピーカの位置との概略ビューである。
【
図2】内部磁気スピーカの2次元の概略構造ビューである。
【
図3】外部磁気スピーカの2次元の概略構造ビューである。
【
図4】スピードのボイスコイルの幾何学的形状の概略ビューである。
【
図5】線形磁気抵抗センサの外部磁場vs出力電圧の特性曲線である。
【
図6】線形磁気抵抗センサの外部磁場vs出力抵抗の特性曲線である。
【
図7】内部磁気スピーカのDC磁場の2次元の磁力線の分布プロットである。
【
図8】内部磁気スピーカの測定面の2次元DC磁場の分布プロットである。
【
図9】内部磁気角型スピーカの測定面上のDC磁場Bxの測定エリアのプロファイルである。
【
図10】内部磁気角型スピーカの測定面上のDC磁場Byの測定エリアのプロファイルである。
【
図11】内部磁気角型スピーカの測定面上のDC磁場Bzの測定エリアのプロファイルである。
【
図12】内部磁気丸型スピーカの測定面上のDC磁場Bxの測定エリアのプロファイルである。
【
図13】内部磁気丸型スピーカの測定面上のDC磁場Byの測定エリアのプロファイルである。
【
図14】内部磁気丸型スピーカの測定面上のDC磁場Bzの測定エリアのプロファイルである。
【
図15】外部磁気スピーカのDC磁場の2次元磁力線の分布プロットである。
【
図16】外部磁気スピーカの測定面上の2次元DC磁場の分布プロットである。
【
図17】外部磁気角型スピーカの測定面上のDC磁場Bxの測定エリアのプロフファイルである。
【
図18】外部磁気角型スピーカの測定面上のDC磁場Byの測定エリアのプロフファイルである。
【
図19】外部磁気角型スピーカの測定面上のDC磁場Bzの測定エリアのプロフファイルである。
【
図20】外部磁気丸型スピーカの測定面上のDC磁場Bxの測定エリアのプロフファイルである。
【
図21】外部磁気丸型スピーカの測定面上のDC磁場Byの測定エリアのプロフファイルである。
【
図22】外部磁気丸型スピーカの測定面上のDC磁場Bzの測定エリアのプロフファイルである。
【
図23】スピーカのボイスコイルの2次元のAC磁力線の分布プロットである。
【
図24】測定面上の2次元のAC磁場の分布プロットである。
【
図25】角型ボイスコイルの測定面上のAC磁場bxの等電位ビューである。
【
図26】角型ボイスコイルの測定面上のAC磁場byの等電位ビューである。
【
図27】角型ボイスコイルの測定面上のAC磁場bzの等電位ビューである。
【
図28】丸型ボイスコイルの測定面上のAC磁場bxの等電位ビューである。
【
図29】丸型ボイスコイルの測定面上のAC磁場byの等電位ビューである。
【
図30】丸型ボイスコイルの測定面上のAC磁場bzの等電位ビューである。
【
図31】X方向での角型内部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図32】Y方向での角型内部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図33】Z方向での角型内部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図34】X方向での丸型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図35】Y方向での丸型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図36】Z方向での丸型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図37】X方向での角型外部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図38】Y方向での角型外部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図39】Z方向での角型外部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図40】X方向での丸型外部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図41】Y方向での丸型外部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図42】Z方向での丸型外部磁気スピーカの測定面での線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの信号雑音比の輪郭プロットである。
【
図43】X方向での角型外部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図44】Y方向での角型外部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図45】Z方向での角型外部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図46】X方向での丸型外部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図47】Y方向での丸型外部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図48】Z方向での丸型外部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出される磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図49】X方向で角型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出された磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図50】Y方向で角型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出された磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図51】Z方向で角型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出された磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図52】X方向で丸型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出された磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図53】Y方向で丸型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出された磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図54】Z方向で丸型内部磁気スピーカの測定面上の線形磁気抵抗センサによって検出された磁場コンポーネントの測定エリアの分布プロットである。
【
図55】フルブリッジ線形磁気抵抗センサの概略ビューである。
【
図56】ハーフブリッジ線形磁気抵抗センサの概略ビューである。
【
図57】プッシュプルフルブリッジ線形磁気抵抗センサの概略ビューである。
【
図58】DC出力型制御回路の単軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムのビューである。
【
図59】磁気スイッチ型制御回路の単軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムのビューである。
【
図60】磁気スイッチセンサの出力電圧vs外部磁場の特性曲線である。
【
図61】2軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムのプロファイルである。
【
図62】3軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムのプロファイルである。
【
図63】単軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムの論理制御信号の表である。
【
図64】2軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムの論理制御信号の表である。
【
図65】3軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムの論理制御信号の表である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、図面及び実施形態を参照して詳細に以下説明される。
実施形態1
図1は、スマートフォンなどのスマート電子機器におけるスピーカの位置の概略図である。スピーカ2は、スマートフォン1の画面の下に位置している。
図2及び
図3は、スピーカの構造ビューである。スピーカは、永久磁石回路4又は永久磁石回路4(1)及びボイスコイル3という2つの部分を含む。永久磁石回路4又は永久磁石回路4(1)は、永久磁石5又は永久磁石5(1)と、軟質磁石6又は軟質磁石6(1)及び軟質磁石7又は軟質磁石7(1)と、エアギャップ8又はエアギャップ8(1)とを含む。ボイスコイル3は、エアギャップ8又はエアギャップ8(1)に位置している。永久磁石回路4又は永久磁石回路4(1)は、エアギャップ8又はエアギャップ8(1)に強力な静磁場を発生させるので、オーディオAC信号がボイスコイル3を通過する際に、ボイスコイル3は、エアギャップ8又は8(1)における静磁場の作用下でローレンツ力を発生させ、振動膜から音を出させる。永久磁気回路4又は4(1)における永久磁石5又は5(1)と、軟質磁石6又は6(1)及び軟質磁石7又は7(1)との位置の相違により、スピーカ2は、内部磁気型と外部磁気型とに分類することができる。前者の場合には、
図2に示すように、永久磁石5は、ボイスコイル3の内側に位置し、後者の場合には、
図3に示すように、永久磁石5(1)は、ボイスコイル3の周辺に位置する。ボイスコイル3及び永久磁気回路4又は4(1)は、
図4に示すように、一般的に、角型12又は丸型11に類似する幾何学的形状をしている。したがって、スピーカ2は、幾何学的形状の相違と永久磁気回路の種別とに従って、外部磁気丸型、外部磁気角型、内部磁気丸型、内部磁気角型という、4つの典型的な構造に分類することができる。
【0023】
図2及び
図3における線形磁気抵抗センサ10は、ボイスコイル3及び永久磁気回路4の表面に平行な測定面9に位置している。
【0024】
測定面は、スピーカのボイスコイル表面から0mm〜10mmの範囲内の距離に位置することが好ましい。
【0025】
実施形態2
スピーカ2の磁場は、永久磁気回路4又は4(1)からのDC静磁場及びボイスコイル3からのACオーディオ磁場という2つの部分を含む。したがって、測定面9上に位置した線形磁気抵抗センサ10の場合、バイアスされたDC静磁場Hが存在し、かつ、この状態の下では、ACオーディオ磁場h上の測定が実施され、携帯電話機のスピーカの場合には、DC静磁場Hの振幅がACオーディオ磁場hのそれよりも非常に大きい。
【0026】
図5及び
図6は、それぞれ、線形磁気抵抗センサ10の磁場vs出力信号電圧の特性曲線、及び、線形磁気抵抗センサ10の磁場vs抵抗の特性曲線である。これらから、線形磁気抵抗センサ10は、全体の磁場の範囲では3つの特徴的なエリア、すなわち、線形磁場特性エリア13、非線形磁場特性エリア14及び飽和磁場特性エリア15を有すること、及び、DC静磁場Hが線形磁場特性エリア13内にある場合にのみ、ACオーディオ磁場信号hは、線形磁気抵抗センサ10の電圧信号に正確に変換されることがわかるであろう。測定面9に対応して、上記DC静磁場Hは、3つの磁場測定エリア、すなわち、線形磁場測定エリア、非線形磁場測定エリア及び飽和磁場計測エリアに分類することもできる。
【0027】
加えて、線形磁気抵抗センサ10の場合、ACオーディオ磁場hの振幅が1mGよりも大きいことが要求されることによってのみ測定要求を満たすことができ、感度限界及び雑音が存在してこれよりも小さな磁場の場合には、測定を実施することは困難であり、この時点では信号は出力されないであろう。
【0028】
これに基づき、線形磁場測定エリアにおける線形磁気抵抗センサ10のDC出力信号及びオーディオ出力信号電圧の分布は、3つの磁場測定エリアにおける測定面9上のDC静磁場H及びACオーディオ磁場hの分布値、及び、線形磁気抵抗センサ10の磁場vs線形磁気抵抗センサ10の出力信号電圧の特性曲線に応じてそれぞれ決定される。さらに、線形磁気抵抗センサ10のオーディオ出力信号ジョンソン熱雑音比の分布を決定するために、3つの磁場の測定エリアにおけるジョンソン雑音電圧の分布が、線形磁気抵抗センサ10の磁場vs線形磁気抵抗センサ10の抵抗の曲線とDC静磁場Hの空間分布とに従って決定され、オーディオ出力信号電圧の分布値に対する分布比が算出される。
【0029】
図7は、内部磁気スピーカの永久磁気回路4の2次元DC磁場の分布プロットである。これから、磁力線が、軸対称特性を有しており、永久磁石7から始まり、エアギャップ8を横切り、軟性磁石6及び軟性磁石5を通過して、永久磁石7に戻ることがわかるであろう。
図8は、X方向に沿った内部磁気回路4の上部の測定面9上の2次元、すなわち、磁場Bx及び磁場ByのDC静磁場の分布プロットである。これから、磁場Byが中央の磁場0に対して左右対称的な分布特性を有しているのに対して、磁場Bxが中央に対して左右対称的な分布特性を有していないことがわかる。加えて、線形磁気抵抗センサ10の線形磁場特性エリア13の分布から、磁場Bxの場合には3つの線形磁場測定エリアがあり、すなわち、中央の磁場0付近の領域16と、両端に位置している2つの磁場減衰領域17及び18がある。磁場Byの場合には4つの線形磁場測定エリアがあり、すなわち、磁場0付近の左右の領域19及び20と、両端の磁場減衰領域21及び22とがある。磁場減衰領域は、磁場が磁石から離れる場合に生じる距離の増加を伴う堆積減衰によって引き起こされる。
【0030】
図9、
図10及び
図11は、角型内部磁気スピーカの測定面9上の3次元磁場Bx,By及びBzの等位線領域の分布プロットである。ここで、2つの標示された等位線は、それぞれ線形磁場特性エリア13と非線形磁場特性エリア14との間の磁場の境界値、及び、非線形磁場特性エリア14と飽和磁場特性エリア15との間の磁場の境界値を示す。磁場の等位線の分布プロットの1/4のみがX軸及びY軸の軸対称特性に起因して描かれている。測定面9上の磁場Bxの飽和磁場測定エリア23、非線形磁場測定エリア24及び飽和磁場測定エリア25と、測定面9上の磁場Byの飽和磁場測定エリア26、非線形磁場測定エリア27及び飽和磁場測定エリア28があり、かつ、
図8に示されている2次元線形磁場測定エリア16,17,18に対応する3つの領域が、測定面9上の領域25又は28に実際に接続されている2次元の磁場Bxの分布プロットの組み合わせであることがわかる。加えて、3次元の等位線領域の分布プロットでは、
図9のBx及び
図10のByは、類似する分布特性を有しているが、これらの位相は、相対的に90度回転している。
図11の磁場Bzの場合、2つの線形磁場測定エリアを有し、一方の線形磁場測定エリア32はボイスコイル3の端部に位置し、他方の線形磁場測定エリア33はボイスコイルの外側に位置する。飽和エリア29は小さい部分のみを占領し、かつ、ボイスコイルの角部に位置している。例えば、他の領域30及び31は非線形磁場測定エリアであり、かつ、
図8になぞらえると、2次元線形磁場測定エリア19及び20が3次元線形磁場測定エリア32であり、磁場減衰エリア21及び22が線形磁場測定エリア33である。
【0031】
図12,
図13及び
図14は、それぞれ丸型内部磁気スピーカの測定面9上の3次元磁場Bx,By,Bzの等位線領域の分布プロットである。これらから
図12及び
図13における線形磁場測定エリア36及び39の分布位置は、角型内部磁気スピーカの領域の分布プロットにおける分布位置に類似しているが、1つの相違としてその領域は円弧状領域であることがわかる。加えて、非線形磁場測定エリア35及び38と、飽和磁場測定エリア34及び37とについても円弧状である。
図14における磁場Bzの場合、
図11における対応する角型内部磁気スピーカの等位線の分布プロットとは明らかに相違し、
図8における2次元磁場Byの分布プロットに対応する3つの線形磁場測定エリア44,43,42を有し、新たな追加領域は、磁場0の近傍領域における磁場の低い値のエリアに位置し、その磁場の値は、具体的には、永久磁気回路4のサイズと永久磁石5の磁化の強さとに関連し、新たな追加領域は、角型内部磁気スピーカでは、非線形磁場測定エリア内に位置してもよいし、線形磁場測定エリア内に位置してもよく、その値は非線形磁場測定エリアのみ減少されるが、これに対して、丸型内部磁気スピーカでは、その値は線形磁場測定エリアに減少することがわかる。他の相違は、
図14では飽和磁場測定エリアが存在しない点である。
【0032】
実施形態3
図15は、外部磁気スピーカの永久磁気回路4(1)の2次元の磁力線の分布プロットである。ここから、磁力線がボイスコイルの周囲の永久磁石5(1)から開始し、軟質磁石7(1)を通過し、エアギャップ8(1)を横切り、軟質磁石6(1)を通過し、永久磁石5(1)に戻る。同様に、その磁場の分布は、軸対称特性を有することがわかる。
図16は、X方向に沿った測定面9上の2次元の磁場Bx及び磁場Byの分布プロットである。これから、磁場Byが左右対称的な特性を有しているのに対して、磁場Bxは依然として左右対称的な特性を有していないことがわかる。磁場Bxの場合、その曲線の両端が直接ポイント0を横切っているので、線形磁場測定エリア45,48,49に加えて、2つの線形磁場測定エリア46及び47が、内部磁気永久磁気回路に対して追加される。磁場Byの場合、線形磁場測定エリアの数は、50,51,52,53で、そのまま同じである。
【0033】
図17,
図18及び
図19、それぞれ、測定面上の3次元磁場Bx,By,Bzの等位線領域の分布プロットである。これらから、内部磁気永久磁気回路とは異なり、非線形磁場測定エリア55に加えて、非線形磁場測定エリア56が追加されていること、及び、非線形磁場測定エリア55,56の周囲が非線形磁場測定エリアに対応していることがわかる。2次元の磁場Bxvs磁場Xの分布曲線から、追加された領域46,47は、実際に、非線形磁場測定領域56と非線形磁場測定領域55との間に位置する領域であることがわかる。3次元の視点では、線形磁場測定エリア57は、実際には全体的である。線形磁場測定エリアの数が2次元の磁場分布の観点からは増加しているが、実際の線形磁場測定エリアの数は、3次元の磁場分布の観点からは減少している。
【0034】
同様に、線形磁場測定エリア61、飽和磁場測定エリア58、及び非線形磁場測定エリア59,60を含む、
図18における磁場Byも類似する特性を有している。
【0035】
図19における磁場Bzの場合、ボイスコイルの角部に飽和磁場測定エリア62が位置する。その上の線形磁場測定エリアは符号65及び66である。線形磁場測定エリア65は、ボイスコイルの狭い領域であり、符号64及び63は非線形磁場測定エリアである。
【0036】
図20,
図21及び
図22は、それぞれ、丸型外部磁気スピーカの永久磁気回路の測定面9上の3次元磁場Bx,By,Bzの等位線領域の分布プロットである。これらから、円弧状の分布特性に加えて、線形磁場測定エリア70及び71と、非線形磁場測定エリア68及び69と72及び73と、それらの上の飽和磁場測定エリア67及び71は、角型外部磁気の永久磁気回路におけるそれらのエリアに非常に類似していることがわかる。
図22における磁場Bzの場合、角型永久磁気回路になぞらえると、飽和磁場測定エリアがなく、線形磁場測定エリア79,78及びそれらの上の非線形磁場測定エリア76,75に加えて、線形磁場測定エリア77が追加される。これは、丸型内部磁気の永久磁気回路の測定面9上の磁場の分布特性に非常に類似している。
【0037】
実施形態4
図23は、スピーカのボイスコイル3の2次元AC磁力線の分布プロットである。この磁力線は、中央から開始し、ボイスコイルの端部を横切り、中央に戻り、閉ループを形成する。
図24は、測定面9上の2次元AC磁場bx,bzの分布プロットである。これから、磁場bzの左右対称的な分布特性を有しているのに対して、磁場bxは左右対称的な分布特性を有していないことがわかる。
【0038】
AC磁場の振幅範囲が1mGよりも大きくなるように要求することによってのみ、十分な信号応答を生成することができる。
図24から、磁場bxの場合、中央領域における磁場0付近にAC磁場非測定エリア80があり、加えて、AC磁場非測定エリア81,82が、磁場減衰領域の両端のそれぞれに存在する。一方、磁場bzの場合、2つのAC磁場非測定エリア83,84が両端の2つの磁場0付近に存在し、加えて、2つのAC磁場非測定エリア85,86も磁場減衰領域の両端に存在している。1mGという値は非常に小さいので、その上のAC磁場非測定エリアは、非常に狭いことが分かる。
【0039】
図25,
図26,
図27は、角型ボイスコイルの測定面上の3次元AC磁場bx,by,bzの等位線の分布プロットである。これらから、磁場bxの場合には、それぞれ、左右対称の軸Xの付近であって磁場減衰エリアに位置している1mGの2つの等位線87があることがわかる。これにより、2次元のAC磁場の場合と同じ結果となり、したがって、その上のAC磁場測定エリアは、それらの間の領域となる。磁場byの場合、この結果も類似しており、1mGの等位線88がある。磁場bzの場合、ここに示されている磁場0の等位線の近くの狭い領域内であって磁場減衰エリア内に、1mGの等位線89が位置している。したがって、それらのAC磁場測定エリアは、磁場0の等電位周辺エリアの2つの領域、及び、磁場0と等位線89との間の領域に位置している。
図28,
図29及び
図30は、それぞれ、丸型ボイスコイルの測定面9の上の3次元のAC磁場bx,by,bzの等位線の分布プロットである。1mGの等位線90,91は、それぞれ、磁場0の等位線の近くの領域に位置して閉形状を形成し、それらの上のAC磁場測定エリアは、閉曲線の内側に位置している。
図30に示すbzの場合、磁場0の近くに細長い領域92があり、かつ、その端部を越えた減衰磁場0の近くに1mGの等位線93がある。したがって、AC磁場測定エリアは、それぞれ、二つの部分に分類され、領域92と等位線93との間、及び、領域92の内側に位置している。
【0040】
実施形態5
図31,
図32及び
図33は、内部磁気角型スピーカの測定面9上の対応する線形磁気抵抗センサ10の磁場コンポーネントがそれぞれX方向、Y方向、Z方向に沿っている場合の、ACオーディオ信号とジョンソン熱雑音信号との比の等値線の分布プロットである。信号雑音比が1より大きい場合にのみ、有効な信号検出を実現することができるので、
図31及び
図32から、符号94及び95が、それぞれX方向及びY方向での信号雑音比が1である等位線であることがわかる。ここで、周辺領域が信号雑音比測定エリアであり、加えて、
図33から等値線が1である2つの領域があることがわかる。この領域の一方は周辺の磁場減衰エリア96に位置し、他方は符号97の値0の近くにある(これは、一方が磁場減衰エリア96と符号97との間にあり、他方が符号97内にある、2つの信号雑音比計測エリアに対応している。)。
【0041】
図34,
図35及び
図36は、それぞれ、X方向,Y方向及びZ方向に沿った、対応する内部磁気丸型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10の感磁軸の信号雑音比の等値線の分布プロットである。
図34及び
図35から信号雑音比が1である等値線102,103が磁場0の近くにあり、その中の周囲領域が信号雑音比測定エリアであることがわかる。
図36では、等位線の信号雑音比が1である2つの領域、すなわち、領域104及びその周辺の領域105がある。したがって、その信号雑音比測定エリアは2つの部分に分類され、一方は領域104と領域105との間にあり、他方は領域104内に位置している。
【0042】
実施形態6
図37,
図38及び
図39は、対応する外部磁気角型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10の感磁磁場がX方向,Y方向及びZ方向に沿っている場合の、信号雑音比の分布プロットである。これらから、符号106及び107がそれらの値が1である等位線のそれぞれのプロファイルであり、かつ、それらに囲まれた領域が信号雑音比測定エリアであることがわかる。Z方向の信号雑音比の観点から、それぞれ値が1である2つの等値線108,109があり、等値線108は減衰エリアに位置し、したがって、領域109内、及び、領域109と領域108との間に、2つの信号雑音比測定エリアがある。
【0043】
図40,
図41及び
図42は、それぞれ、対応する外部磁気丸型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10によって検出される磁場コンポーネントが、X方向,Y方向及びZ方向に沿っている場合の信号雑音比の分布プロットである。これらから、X方向及びY方向の信号雑音比が1である等値線110,111によって囲まれた領域が、対応する外部磁気丸型検出面9上の信号雑音比測定エリアであることがわかる。Z方向の場合には、信号雑音比が1である等位線112,113が2つの信号雑音比測定エリアを形成し、一方は等位線112の内部の領域であり、他方は等位線112と等位線113との間の領域である。等位線113は、磁場減衰エリア内に位置している。
【0044】
実施形態7
図43,
図44及び
図45は、それぞれ、内部磁気角型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10によって検出される磁場コンポーネントがX方向,Y方向及びZ方向に沿った場合の測定エリアの分布プロットである。ここで、符号114は線形磁場測定エリア境界であり、符号115はAC磁場測定エリア境界であり、符号116は信号雑音比測定エリア境界である。AC磁場測定エリア境界115は、信号雑音比測定エリア境界116の内側に位置し、したがって、X軸の作業エリアは、AC磁場測定エリア境界115と線形磁場測定エリア境界114とによって形成された領域内に位置している。同様に、Y軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界117とAC磁場測定エリア境界118とによって形成される境界領域内にある。Z軸の作業エリアは、以下のように分類される。すなわち、第1の領域は減衰エリアの線形磁場測定エリア境界121とAC磁場測定エリア境界124との間に位置し、第2の領域は線形磁場測定エリア境界120とAC磁場測定エリア境界122との間に位置し、第3の領域は線形磁場測定エリア境界123とAC磁場測定エリア境界122との間に位置する。なお、AC磁場測定エリア境界122が位置する領域は、非常に狭い。
【0045】
図46,
図47及び
図48は、それぞれ、内部磁気角型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10によって検出される磁場コンポーネントがX方向,Y方向及びZ方向にそれぞれ沿っている場合の測定エリアの分布のプロットである。同様に、X軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界125とAC磁場測定エリア境界126との間に位置した領域であり、信号雑音比測定エリア境界127は、AC磁場測定エリア境界126の外側に位置している。Y軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界128とAC磁場測定エリア境界129との間に位置した領域であり、かつ、信号雑音比測定エリア境界130は、AC磁場測定エリア境界129の外側に位置している。Z軸の作業エリアは、さらに、4つの部分に分類されている。第1の部分は線形磁場測定エリア境界131とAC磁場測定エリア境界136との間に位置し、第2の部分は線形磁場測定エリア境界135とAC磁場測定エリア132との間に位置し、第3の部分は線形磁場測定エリア境界135と線形磁場測定エリア境界133との間に位置し、第4の部分は線形磁場測定エリア境界134内に位置している。
【0046】
図49,
図50及び
図51は、それぞれ、外部磁気角型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10によって検出される磁場コンポーネントがX方向,Y方向及びZ方向にそれぞれ沿っている場合の測定エリアの分布プロットである。X軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界137,138とAC磁場測定エリア境界139との間に位置している領域であり、符号140はAC磁場測定エリア境界139の外側に位置している信号雑音比測定エリア境界である。Y軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界141,142とAC磁場測定エリア境界143との間に位置している領域であり、符号144はAC磁場測定エリア境界143の外側に位置している信号雑音比測定エリア境界である。Z軸の作業エリアは、3つの領域を含む。第1の領域は線形磁場測定エリア境界145とAC磁場測定エリア境界149との間に位置し、第2の領域は線形磁場測定エリア境界145とAC磁場測定エリア境界146との間に位置し、第3の領域はAC磁場測定エリア境界146と線形磁場測定エリア境界148との間に位置している。
【0047】
図52,
図53及び
図54は、それぞれ、外部磁気丸型スピーカの測定面9上の線形磁気抵抗センサ10によって検出された磁場コンポーネントがX方向,Y方向及びZ方向のそれぞれに沿っている場合の測定エリアの分布プロットである。X軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界150,151とAC磁場測定エリア境界152との間に位置している領域であり、符号153はAC磁場測定エリア境界152の外側に位置している信号雑音比測定エリア境界である。Y軸の作業エリアは、線形磁場測定エリア境界154,155とAC磁場測定エリア境界156との間に位置している領域であり、符号157はAC磁場測定エリア境界156の外側に位置している信号雑音比測定エリア境界である。Z軸の作業エリアは、3つの領域を含む。第1の領域は線形磁場測定エリア境界158と測定領域の外側にあるAC磁場測定エリア境界163との間に位置し、第2の領域は線形磁場測定エリア境界160と測定領域の外側にあるAC磁場エリア領域161との間に位置し、第3の領域は線形磁場測定エリア境界162内に位置している。
【0048】
実施形態8
図55,
図56及び
図57は、線形磁気抵抗センサ10の構造ビューである。
図55は、4つの磁気抵抗センサユニットR1,R2,R4,R5を含むフルブリッジ構造1101を示している。ここで、R2及びR4は基準ユニットであるのに対し、R1及びR5は感磁ユニットであって感磁軸の方向は同じである。
図56は、2つの磁気抵抗ユニットR1,R2を含むハーフブリッジ構造1102を示している。ここで、R2は基準ユニットであり、R1は感磁ユニットであり、信号はハーフブリッジの中間から出力される。
図57は、プッシュプルフルブリッジ構造1103を示す。同一のブリッジアームにおける2つの隣接する磁気抵抗センサユニットR6,R7及びR8,R9は、磁場感磁軸が反対方向であり、2つのブリッジアームにおける2つの対向する磁気抵抗センサR6,R8は磁場感磁軸の方向が反対であり、2つのブリッジアームにおける2つの対向する磁気抵抗センサR7,R9も磁場感磁軸の方向が反対である。磁気抵抗センサユニットは、ホールセンサ、AMRセンサ、GMRセンサ又はTMRセンサのいずれかとすることができる。加えて、線形磁気抵抗センサ10のフルブリッジ構造1101、ハーフブリッジ構造1102及びプッシュプルフルブリッジ構造1103は、磁場感磁方向がX方向,Y方向又はZ方向に沿う線形磁気抵抗センサ構造とすることができる。
【0049】
実施形態9
本発明の実施形態は、さらに、磁気抵抗オーディオピックアップを提供し、特に、単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々が測定面上の線形磁場エリアに位置しているか否かを検出し、そして、単軸線形磁気抵抗センサユニットが線形磁場作動エリアにあることが検出された場合に、例えば、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニットをDC電源供給にスイッチするように制御したり、AC増幅器の電源をターンオンしたり、増幅器の電源をターンオンしたり、信号処理回路の電源をターンオンしたり、磁気的標識信号をターンオンしたりする動作の幾つか又は全ての実行する複数の制御信号を出力し、単軸線形磁気抵抗センサユニットが線形磁場作動エリアにないことが検出された場合に、例えば、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニットをパルス電源供給に切り替えたり、AC増幅器の電源をターンオフしたり、増幅器の電源ターンをオフしたり、信号処理回路の電源をターンオフしたり、磁気的標識信号をオフしたりする動作の幾つか又は全ての実行する複数の制御信号を出力するために、制御回路がオーディオピックアップ内に置かれている磁気オーディオピックアップを提供する。
【0050】
図58及び
図59は、それぞれ、2つの異なる制御回路型、すなわち、DC出力型及び磁気スイッチ型の単軸オーディオピックアップの回路システムの概略ビューである。これらは、単軸線形磁気抵抗センサのスマートオーディオピックアップシステムの回路ダイヤグラムとしてもよいし、2軸又は3軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムにおける各々の単軸線形磁気抵抗センサの回路ダイヤグラムとしてもよい。ここで、2軸又は3軸線形磁気抵抗センサは、複数の単軸線形磁気抵抗センサユニットの別々の素子の組み合わせ、又は、複数の単軸線形磁気抵抗センサユニットを統合した単一チップ素子である。単軸、2軸又は3軸線形磁気抵抗センサの場合、それらに対応する軸方向の各々は、同軸方向の少なくとも1つの線形磁気抵抗センサユニットを含んでもよいことに留意すべきである。
【0051】
図58及び
図59は、双方ともに、オーディオピックアップ回路及び制御回路という2つの部分を含む。ここで、オーディオピックアップ回路は、単軸線形磁気抵抗センサユニット1206と、カップリングキャパシタ1207と、前置/差動AC増幅器1208と、前置/加算増幅器1209と、信号処理回路1210と含む。単軸線形磁気抵抗センサ1206の信号出力端は、カップリングコンデンサ1207を通じてDC出力信号を除去して。AC出力信号を取得する。単軸線形磁気抵抗センサ1206がハーフブリッジ構造1102である場合には、その一端の信号出力端は、前置増幅器1209で増幅される。単軸線形磁気抵抗センサ1206がフルブリッジ構造1101又はプッシュプル構造1103である場合には、2つの信号出力端は、それぞれ、カップリングキャパシタ1207を通じて差動増幅器1208の2つの入力端に接続され、前置/差動AC増幅器1208の出力信号端は、前置/加算増幅器1209の入力端に接続される。単軸線形磁気抵抗センサ1206が単軸線形磁気抵抗センサオーディオピックアップシステムである場合、差動増幅器1208は前置加算増幅器1209の入力端に直接接続され、単軸線形磁気抵抗センサ1206が2軸又は3軸線形磁気抵抗センサの単軸線形磁気抵抗センサのいずれかである場合には、差動増幅器1208は、加算増幅器1209の一方の入力端に接続され、前置/加算増幅器1209の信号出力端は、その後にオーディオ信号を出力する信号処理回路1210に接続される。
【0052】
制御回路は、2つのタイプに分けられ、一方は
図58に示されるDC出力型であり、他方は
図59に示される磁気スイッチ型である。
図58は、フィルタ1212と、差動/前置増幅器1213と、比較器1214と、制御器1204とを含む。単軸線形磁気抵抗センサユニット1206がハーフブリッジ構造1102である場合には、その一端である信号出力端は、フィルタ1212を通じてDC出力信号が取得されてから前置増幅器1213に接続され、その後に、比較器1214の基準電圧信号と比較される。基準電圧は、単軸線形磁気抵抗センサユニット1206の線形磁場特性エリアの境界に対応しており、比較器は、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニット1206が線形磁場特性エリアにあるか否かに対応して判断する論理信号1/0を出力し、論理信号は制御器1204に入力され、制御器は単軸線形磁気抵抗センサユニット1206のDC電源/パルス電源のスイッチングを制御する信号と、AC前置/差動増幅器1208の電源をターンオン及びターンオフする信号と、前置/加算増幅器1209及び信号処理回路1210の電源をターンオン及びターンオフする信号と、磁気的標識信号をターンオン及びターンオフする信号とを出力する。
【0053】
図59は、単軸磁気スイッチセンサ1304を含む。この感磁方向は、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニット1206と同一であり、単軸磁気スイッチセンサは両極スイッチセンサであり、対応する磁場出力特性曲線は
図60に示すように、動作磁場及びそれに対応する復元磁場が単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の線形磁場と飽和磁場との境界値となる。比較器1305を通る基準電圧は、磁気スイッチセンサの出力特性電圧に対応しており、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニット1206が単一のコンポーネントの作業エリアにあるか否かを判別するために、基準電圧は制御器1204に入力される論理信号1/0へ変換される。制御器は、単軸線形磁気抵抗センサユニット1206のDC電源/パルス電源のスイッチングを制御する信号を出力し、AC前置/差動増幅器1208の電源をターンオン及びターンオフする信号を出力し、前置/加算増幅器1209及び信号処理回路1210の電源をターンオン及びターンオフする信号を出力し、磁気標識信号をターンオン及びターンオフする信号を出力する。磁気スイッチセンサは、単軸、2軸又は3軸磁気スイッチセンサであってもよく、2軸又は3軸磁気スイッチセンサは、複数の単軸磁気スイッチセンサユニットの別々の素子の組み合わせ、又は、複数の単軸磁気スイッチセンサユニットを統合した単一チップ素子である。単軸磁気スイッチセンサユニットの各々は、X軸、Y軸又はZ軸磁気スイッチセンサである。
【0054】
単軸線形磁気抵抗センサは、対応する単軸線形磁気抵抗センサに対応する単一コンポーネントの作業エリアに位置している。2軸又は3軸線形磁気抵抗センサは、単軸線形磁気抵抗センサユニットのそれぞれに対応する単軸作業エリアの共通部分に位置しているが、単軸作業エリアの融合部分に位置してもよい。2軸又は3軸線形磁気抵抗センサが共通部分に位置している場合には、複数の単軸線形磁気抵抗センサは同時にオーディオ信号を送信し、したがって、出力オーディオ信号は、線形磁気抵抗センサの各々のオーディオ信号の和となる。2軸又は3軸線形磁気抵抗センサが単軸作業領域との融合部分に位置している場合には、制御回路は、単軸線形磁気抵抗センサの各々が単軸作業エリア内にあるか否かを判別し、単軸作業エリア内の線形磁気抵抗センサをターンオンし、測定面の動作範囲を拡大することができる。
【0055】
2軸又は3軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムの回路構造についての説明を簡単にするために、
図58及び
図59では、オーディオピックアップ回路と制御回路とが2つのブロック構造に分けられている。
図58に対応する2つのブロックダイヤグラムは、符号1300と符号1350であり、
図59に対応する2つのブロックダイヤグラムは、符号1400と符号1350である。ここで、符号1350は、2つの構造の共通部分であり、さらに、対応する制御器、単軸線形磁気抵抗センサのパルス電源/DC電源、AC前置/差動信号増幅器の電源、及び、前置/加算増幅器の電源も共通部分である。
【0056】
図63は、
図58又は
図59に対応する単軸線形磁気抵抗センサオーディオピックアップの制御器の論理信号の入出力を示すビューである。制御器の入力端は符号1218であり、その出力端は符号1219,1220,1221,1222,1223である。入力端1218が0である場合、すなわち、単軸線形磁気抵抗センサが線形作業エリアにないことを制御回路がモニタする場合には、この時点で出力端1220は1であり、すなわち、それはまだパルス化された電源が供給されており、この時点で、出力端1221,1222,1223、1219は、すべて0であり、AC前置/差動増幅器の電源回路、前置/差動増幅器の電源及び信号処理回路の電源は全てターンオフされる。これとは逆に、入力端1218が1の場合、すなわち、単軸線形磁気抵抗センサが線形作動エリアにあることを制御回路がモニタする場合、この時点で出力端1220は0であり、すなわち、それはこの時点でDC電源供給にスイッチされ、この時点で、出力端1221,1222,1223,1219は全て1となり、かつ、この時点で、AC前置/差動増幅器の電源回路、前置/差動増幅器の電源及び信号処理回路1708,1710の電源は、全てターンオンされ、オーディオ信号が出力される。単軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムの制御器の入力端は2つの組合せを有し、その出力端は2つのビットを有していて2つの組み合わせも有している。
【0057】
実施形態10
図61は、
図58及び
図59に示されているブロック構造を用いた、対応する2軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムのビューである。例えば、パルス電源回路1200、DC電源回路1201、AC前置/差動増幅器電源回路1202、前置/加算増幅器電源回路1203及び制御器1204という周辺回路に加えて、ブロックダイヤグラム1350とブロックダイヤグラム1500及びブロックダイヤグラム1600という3つの部分がさらに含まれている。ここで、ブロックダイヤグラム1500及びブロックダイヤグラム1600は、それぞれ2軸線形磁気抵抗センサに対応する2つの単軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップ回路及び制御回路を表す。
図58及び
図59におけるブロック構造によれば、ブロックダイヤグラム1500及びブロックダイヤグラム1600は、ブロックダイヤグラム1300又はブロックダイヤグラム1400の構造を有することができ、ブロックダイヤグラム1500及びブロックダイヤグラム1600に対応するAC前置/差動増幅器の出力信号端1520及び1521は、ブロックダイヤグラム1350における加算増幅器1209に接続される。2軸線形磁気抵抗センサの場合、単軸線形磁気抵抗センサ1500及び1600のそれぞれの出力信号の和を算出するために、加算増幅器1209を用いることが必要である。加えて、単軸線形磁気抵抗センサ1500及び1600の制御回路によって生成される2つの論理信号は、それぞれ制御器の入力端に入力され、単軸線形磁気抵抗センサ1500及び1600に対応する単軸線形磁気抵抗センサのDC電源/パルス電源のスイッチングと、AC前置/差動増幅器の電源及び加算増幅器の電源のターンオン及びターンオフと、信号処理回路とをそれぞれ制御する制御器による信号出力を制御する。
【0058】
図64は、
図61に対応する2軸線形磁気抵抗センサオーディオピックアップの制御器の入出力論理信号を示すビューである。制御回路の入力端は符号1518及び1519である。制御回路の出力端は符号1501,1502,1503,1504,1505,1506,1507,1509である。入力端1518及び1519が2ビットの4つの組み合わせを有する場合には、出力端は5ビットの4つの組み合わせを有する。
実施形態11
【0059】
図62は、対応する3軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップシステムのビューである。これも
図58及び
図59に対応するブロック構造を表している。符号1700,1800及び1900は、それぞれ、単軸線形磁気抵抗センサの各々に対応するオーディオピックアップ回路及び制御回路のブロックダイヤグラムを表している。符号1700,1800及び1900は、ブロックダイヤグラム1300及び1400の1つを採用することができる。これらは、DC出力制御方法を採用してもよいし、磁気スイッチ制御方式を採用してもよい。符号1700,1800及び1900の各々の単軸線形磁気抵抗センサのオーディオピックアップ回路内のAC前置/差動増幅器の入力端は、加算増幅器1350に接続されており、信号処理回路を通じて出力オーディオ信号を出力し、符号1700,1800及び1900における各々の単軸線形磁気抵抗センサが線形エリアで動作するか否かをモニタする3つの論理信号は、それぞれ制御器1209の入力端に入力され、それぞれ符号1700,1800及び1900における単軸線形磁気抵抗センサのDC電源/パルス電源のスイッチングと、対応するAC前置/差動増幅器の電源及び加算増幅器の電源をターンオン及びターンオフと、信号処理回路とを制御する制御器1209の制御信号を出力させる。
【0060】
図65は、
図62に対応する3軸線形磁気抵抗センサオーディオピックアップの制御器の論理信号の入出力を示すビューである。制御器の入力端は1811,1812,1813である。制御器の出力端は1701,1702,1703,1704,1705,1706,1707,1708,1709,1710,1713である。入力端はトータル8つの組み合わせを有しており、出力端は7ビットで8つの組み合わせを有している。
【0061】
要約すると、本発明は、単一のコンポーネント作業エリアを有する測定面であって、ボイスコイル表面上の測定面を有するスピーカの電磁信号をオーディオ信号に変換する磁気抵抗オーディオピックアップを提供する。単一コンポーネント作業エリアは、測定面上の線形磁場測定エリア、AC磁場測定エリア及び信号雑音比測定エリアによって形成される共通部分であり、磁気抵抗オーディオピックアップは、少なくとも1つの線形磁気抵抗センサ、カップリングコンデンサ、AC増幅器、増幅器及び信号処理回路を含んでいるオーディオピックアップ回路を含む。線形磁気抵抗センサは、線形磁場測定エリアからの信号をセンシングする少なくとも1つの単軸線形磁気抵抗センサユニットを含む。
【0062】
単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々が測定面の線形磁場測定エリア上のAC磁場非測定エリアに位置している場合、関連する信号は測定されず、したがって、この時点で、信号は出力されないことに留意すべきである。
【0063】
好ましくは、単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々は、電源入力端と信号出力端とを別々に有し、単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の信号出力端は、それぞれ、AC信号を出力するカップリングキャパシタを通じてAC増幅器に接続され、それから、これらの信号を1つの信号に組み合わせる増幅器に接続され、それから、信号処理回路を通じてオーディオ信号として出力される。
【0064】
好ましくは、単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々が測定面上に位置しているか否かを検出する線形磁場計測エリア制御回路は、更に、磁気スイッチ型制御回路若しくはDC出力型制御回路又はこれらの両方の制御回路を含む。
【0065】
好ましくは、磁気スイッチ型制御回路は、少なくとも一つの単軸磁気スイッチセンサユニット、比較器及びコントローラを有する磁気スイッチセンサを含む。単軸磁気スイッチセンサユニット及び検出された単軸線形磁気抵抗センサユニットは、感知軸が同方向であり、DC出力型制御回路は、フィルタ、前置/差動増幅器、比較器及び制御器を含み、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニットの各々の信号出力端は、DC出力信号を取得するフィルタを通じて増幅器に接続され、DC出力信号は、比較信号を取得する比較器の基準電圧と比較され、比較器は、比較信号に応じてオーディオピックアップ回路を制御する制御器に比較信号を入力する。
【0066】
好ましくは、制御回路は、さらに、検出された単軸線形磁気抵抗センサユニットをDC電源又はパルス電源にスイッチすることをそれぞれ制御し、かつ、AC増幅器の電源、増幅器の電源、信号処理ユニットの電源及び磁気標識信号のいずれか1つ以上をターンオン又はターンオフする複数の制御信号を出力するために用いられる。