特許第6474885号(P6474885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474885積層造形されるロータリー切削ユニット用アンビル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474885
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】積層造形されるロータリー切削ユニット用アンビル
(51)【国際特許分類】
   B22F 7/00 20060101AFI20190218BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20190218BHJP
   B22F 3/24 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   B22F7/00 F
   B22F3/105
   B22F3/24 E
【請求項の数】17
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-503547(P2017-503547)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(65)【公表番号】特表2017-529455(P2017-529455A)
(43)【公表日】2017年10月5日
(86)【国際出願番号】IB2014001697
(87)【国際公開番号】WO2016012827
(87)【国際公開日】20160128
【審査請求日】2017年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】518414476
【氏名又は名称】サンドビック ハイペリオン アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】セコンディ, ジャック ジョゼフ フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ディジョン, ピエール−リュック ポール アンドレ
【審査官】 坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−077586(JP,A)
【文献】 特開2000−118867(JP,A)
【文献】 特開2011−047031(JP,A)
【文献】 特開平10−130748(JP,A)
【文献】 特開2003−334921(JP,A)
【文献】 特開2012−193442(JP,A)
【文献】 米国特許第04289055(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 27/00−35/14
B22F 1/00− 8/00
B23K 26/00−26/70
B26D 1/25− 1/62
C23C 4/00− 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリー切削ユニット用のアンビルの製造方法であって、
外表面を有するシャフトを提供する工程、及び
前記外表面の少なくとも一部に耐摩耗粉末材料を適用する工程、
耐摩耗粉末材料を溶解させ、かつ圧密化して、前記外表面の少なくとも一部に適用される少なくとも一つの被覆層とする工程
を含み、被覆層が、前記外表面の少なくとも一部上に融合する、方法。
【請求項2】
シャフトが、低炭素鋼、中炭素鋼及び工具鋼からなる群より選択される材料から作製される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
シャフトに複数のアパーチャを機械加工してその重量を低減する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
耐摩耗粉末材料が、工具鋼粉末、高速度鋼粉末及び超硬合金粉末の群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
耐摩耗粉末材料を溶解させ、かつ圧密化する工程が、レーザービームを適用して耐摩耗粉末材料を溶解させ、かつ圧密化することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
耐摩耗粉末材料が粉末の混合物である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
耐摩耗粉末材料が、予合金化粉末材料のワイヤであり、溶解させ、かつ圧密化する工程が、アークを供給して予合金化粉末材料を溶解させ、予合金化粉末材料を圧密化して少なくとも一つの被覆とすることを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも一つの被覆層が0.5から15mmの厚みを有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも二つの被覆層を互いに連続して重ね合わせる、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも一つの被覆層が、その中に機械加工された少なくとも一つの溝を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも一つの被覆層を、シャフトの外表面全体の上に配置する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも一つの被覆層を、シャフトの複数の作業部分の上に配置する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
なくとも一つの被覆層を形成した後でシャフトを加熱する工程をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
シャフトの外表面上少なくとも一つの被覆層を機械加工する工程をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
耐摩耗粉末材料が55から70HRCの硬度を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの被覆層がシャフトの外表面と接触している、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか一項に記載の方法により作製されたアンビルを備えるロータリー切削ユニットの製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、外表面の少なくとも一部が耐摩耗材料で覆われているロータリー切削ユニットのアンビルと、その作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ロータリーカッターのアンビルは、例えばむくバイト若しくは高速度鋼(HSS)、低若しくは中炭素鋼から作製されたシャフト上に装着されたHSS若しくは工具鋼のリング、溶接若しくは他の固定法(ねじ、焼き嵌め、接着剤など)により中空シャフトに装着されたHSS若しくは工具鋼のリング、溶接、ろう付け、焼き嵌め、ねじ及び/又は接着剤により取り付けられた二つの別個のシャフト端部に装着されたHSSのリング、ボール若しくはローラーベアリング上に直接装着されたHSS若しくは工具鋼のリング、又はローラーによりロータリーカッターに押し付けられるHSS若しくは工具鋼のリングから作製することができる。
【0003】
[0003]上記アンビルの一つの問題は、必要となる貴金属及び/又は高額材料の量である。アンビルの作業領域において必要な例えば鋼の層は一つのみであるが、例えば、固体アンビルの重量は20から150kgとなり、材料費の大部分を占める場合がある。
【0004】
[0004]このような状況は、リングを形成するために、ボアを中心に有する固体の丸棒を開始材料とすることが必要な製造に関して、工具鋼又はHSSリングの場合さらに悪化する。高速度鋼の場合、丸い材料の入手可能性に関する問題も存在し、例えば250mmを上回る大きな直径のものはあまり提供されない。
【0005】
[0005]管の場合、特定の生産のための調達時間が極めて長く(6から8ヶ月)、市場が要求する高い反応性と適合しない。
【0006】
[0006]さらに、連続して使用した後にはアンビルを再研削する必要がある。しかしながら、特定回数の研削後に、アンビルは使用不能となりうる。したがって、アンビルの作業領域を再表面加工することにより、使用済みアンビルをリサイクルする必要がある。
【発明の概要】
【0007】
[0007]一実施態様では、本発明による方法は、外表面を有するシャフトを提供する工程、耐摩耗粉末材料を外表面の少なくとも一部に適用する工程、及び耐摩耗粉末材料を加熱して外表面の少なくとも一部の上の少なくとも一つの層に融合させる工程を含む。
【0008】
[0008]本発明の実施態様によれば、シャフトは、低炭素鋼、中炭素鋼及び工具鋼からなる群より選択される材料から作製することができる。
【0009】
[0009]本発明の実施態様によれば、方法は、シャフトに複数のアパーチャを機械加工してその重量を低減する工程をさらに含むことができる。
【0010】
[00010]本発明の実施態様によれば、耐摩耗粉末材料は、工具鋼粉末、高速工具粉末及び超硬合金粉末からなる群より選択することができる。
【0011】
[00011]本発明の実施態様によれば、耐摩耗粉末材料を加熱する工程は、レーザービームを適用して耐摩耗粉末材料を溶解させ、シャフトの外表面の少なくとも一部に融合させることを含むことができる。
【0012】
[00012]本発明の実施態様によれば、耐摩耗粉末材料は、粉末の混合物とすることができる。
【0013】
[00013]本発明の実施態様によれば、耐摩耗材料は、予合金化された粉末材料のワイヤとすることができ、加熱する工程は、アークを供給して予合金化粉末材料を溶解させ、少なくとも一つの層に融合させることを含むことができる。
【0014】
[00014]本発明の実施態様によれば、少なくとも一つの層は0.5から15mmの厚みを有することができる。
【0015】
[00015]本発明の実施態様によれば、少なくとも二つの層を互いに連続して重ね合わせることができる。
【0016】
[00016]本発明の実施態様によれば、少なくとも一つの層は、その中に機械加工された少なくとも一つの溝を含むことができる。
【0017】
[00017]本発明の実施態様によれば、少なくとも一つの層は、シャフトの外表面全体に配置することができる。
【0018】
[00018]本発明の実施態様によれば、少なくとも一つの層は、シャフトの複数の作業部分の上に配置することができる。
【0019】
[00019]本発明の実施態様によれば、方法は、シャフトの少なくとも一部の上に少なくとも一つの層を形成した後でシャフトを加熱する工程をさらに含むことができる。
【0020】
[00020]本発明の実施態様によれば、方法は、シャフトの外表面上に融合させる少なくとも一つの層を機械加工する工程をさらに含むことができる。
【0021】
[00021]本発明の実施態様によれば、耐摩耗材料は55から70HRCの硬度を有することができる。
【0022】
[00022]別の実施態様では、ロータリー切削ユニットのアンビルは、外表面を有するシャフト、及びシャフトの外表面の少なくとも一部に適用された少なくとも一つの被覆層を含む。
【0023】
[00023]また別の実施態様では、ロータリー切削ユニットは、フレーム上に回転可能に配置されたロータリーカッター、及びフレーム上に装着されたアンビルを含む。アンビルは、外表面を有するシャフト、及びシャフトの外表面の少なくとも一部に適用された少なくとも一つの被覆層を含む。
【0024】
[00024]前述の要約と以下の実施態様の詳細な説明とは、添付図面と関連付けて読むことによってより良く理解されるであろう。説明される実施態様は、示されるとおりの正確な配置や道具に限定されるものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[00025]ロータリー切削ユニットの斜視図である。
図2】[00026]本発明によるアンビルの斜視図である。
図3】[00027]アンビルの別の実施態様の断面図である。
図4】[00028]アンビルのまた別の実施態様の斜視図である。
図5】[00029]アンビルのまた別の実施態様の斜視図である。
図6】[00030]本発明によるアンビルの別の実施態様の断面図である。
図7】[00031]本発明の方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[00032]典型的に、ロータリー切削装置はロータリーカッターとアンビルを含む。図1に示すように、切削ユニット10は、フレーム16に回転可能に配置されたロータリーカッター14の切削ゾーンと協働するアンビル12を有する。アンビル12が回転式でも固定式でもよいことを理解されたい。さらに、アンビル12はフレーム内においてロータリーカッター14の上方に配置されてもよい。
【0027】
[00033]図2は、本発明によるアンビル12の第1の実施態様を示す。アンビル12は、表面を硬化させたか、浸炭させたか、又はカルボニトロ化された鋼、例えば低炭素鋼(典型的には15CrMo5又は20MnCr5)、焼き入れ及び焼き戻しされた中炭素鋼(例として30CrNiMo8又は45NiCrMol6)、場合によっては熱処理されたステンレス鋼(例として17−4PH)から作製されたシャフト20を含む。別の構成では、シャフト20は、40CrMnMo8、55NiCrMoV7、90MnCrV8、100Cr6又は場合によってはD2鋼といった工具鋼から作製することができる。これら鋼のいくつかは、必要に応じて、予め硬化されたものであっても、又は焼き入れ及び焼き戻しされたものであってもよい。
【0028】
[00034]シャフト20は、切削ユニット内にシャフトを回転可能に支持するためのローラーベアリング又はボールベアリング(図示しない)を支持するために十分に硬い二つの端部22を有する。低炭素鋼又は中炭素鋼から作製されたシリンダー24をシャフト20に焼き嵌めすることができる。
【0029】
[00035]図3に示すように、別の構成では、シャフトは、ねじ、焼き嵌め、圧入、溶接、ろう付け又は方法の組み合わせといった固定方式を介して取り付けられたシャフト端28を有する中空シャフト26とすることができる。シャフト端28は、焼き入れされた鋼又は切削ユニットにアンビルを装着するためにローラーベアリング若しくはボールベアリング(図示しない)を支持するのに十分に硬い他のいずれかの材料から作製することができる。
【0030】
[00036]図2及び3に示すように、シリンダー24又はシャフト26は、55〜70HRCの硬度を有する耐摩耗材料から作製された少なくとも一つの被覆層 30の基部となることができる。本明細書にさらに詳細に記載するように、耐摩耗粉末材料の層又は予合金化材料のワイヤが、シリンダー24又はシャフト26の外表面18を被覆する。本明細書において使用する場合、予合金化材料は、粉末状材料として噴霧される前、又はワイヤ形状に押出成形されるか若しくは引き出される前に、調製及び合金化された材料である。したがって、材料の段階の大部分がアンビル上に被覆される前に存在するが、いくつかの拡散現象及び冶金学的変態は方法の間に発生し続けると思われる。
【0031】
[00037]被覆層の材料の組み合わせは、主にニッケルベースとすることができる。クロム、バナジウム及びチタンを0から20重量%で加えることができる。例えば、重量%でCr15%、Fe4%、Si4.25%、B3%、Co7%及び残りのNiからなる組成を有するNiベースの合金は60HRCに達し、完全に緻密である。別の例として、Ni、Cr17%、Si4%、Fe4%、B3.5%及びC1%も可能である。上記はどちらも市販されている。
【0032】
[00038]構成成分は、金属形態で存在しても、合金化されていてもいなくても、炭化物相で炭素と結合していてもよい。鉄、シリコン、ホウ素、マンガン、銅、アルミニウム、モリブデン、タングステン、タンタル及びニオブを0から8重量%の範囲で加えることができ、それらは金属形態で存在しても、合金化されていてもいなくても、炭化物相で炭素と結合していてもよい。炭素は、固溶体又は炭化物相で0.1から2%の範囲で存在する。
【0033】
[00039]本明細書において使用される用語「被覆」又は「被覆加工」は、粉末又はワイヤの原材料を溶解させ、レーザー、アーク、プラズマアーク、誘導プラズマ、高速酸素燃料(HVOF)又は場合によっては単純に熱源としての火炎の使用により圧密化することにより表面を適用材でコーティングする、材料堆積法を指す。
【0034】
[00040]任意選択的なフィーチャを、被覆層30上に研削又は機械加工することができ、例えば、アンビルがロータリーカッターによって駆動されるときの後面の油汚染を防止するための溝34を設けることができる。
【0035】
[00041]図2及び3に示すように、被覆層30を、シリンダー24又はシャフト28の外表面18全体に適用することができる。別の構成では、図4に示すように、被覆層30は、シャフト又はシリンダーの事前に選択された作業領域32に適用することができる。このように、耐摩耗材料の使用は、被覆を有さない非切削領域を含むアンビルの特定領域に限定することができる。
【0036】
[00042]図5の実施態様を参照すると、中央領域及び二つの側方領域32は耐摩耗材料で被覆することができ、シリンダー24の残りの部分は耐摩耗材料を含まない。さらに、図6に示すように、シャフト28は、被覆に先立ち複数のアパーチャ36をその中に設けるなどの機械加工作業により軽量化することができる。
【0037】
[00043]上述のように、本発明の方法を使用して、必要な部分にのみ耐摩耗材料が使用され、かつ基部のシャフトが再利用可能な、ロータリー切削ユニット用のアンビルを製造することができる。図7に示すように、方法40は、例えば、シリンダー24を含むシャフト20又は中空シャフト26を提供するステップ42を含む。シャフトは円筒形の外表面を有する。シャフトは、好ましくは、中炭素鋼又は低炭素鋼であるが、工具鋼が使用されてもよい。
【0038】
[00044]ステップ44では、耐摩耗粉末材料を、外表面の少なくとも一部に適用することができる。上述のように、耐摩耗材料は粉末又はワイヤとすることができる。これは耐摩耗性の強靭な材料、例えば上述のようなNiベースの合金又は予合金化材料から作製される。或いは、耐摩耗材料は、鋼の場合には予合金化ワイヤの形状で供給されてもよい。
【0039】
[00045]耐摩耗材料は、例えば積層造形(ALM)法を用いて、外表面の少なくとも一部の上の少なくとも一つの層に融合させるため、ステップ46において、シャフトの外表面に噴霧すると同時に加熱する。
【0040】
[00046]ALMは、金属材料を溶解させて基部構造に融合させるレーザービームを用いることによって材料を堆積させるために使用される。その後の層を互いに重ね合わせることにより、構造コンポーネントをつくることができる。レーザーのパルスにより、層の厚みと幅を制御することができる。
【0041】
[00047]上述のように、耐摩耗材料と熱源、例えばレーザーを、アンビルのシャフト上において所望の位置に向けて方向付けることにより、耐摩耗材料をシャフトの外表面上の所定の位置に適用することができる。
【0042】
[00048]表面硬化及びその他の技術を使用して層を形成することができることを理解されたい。レーザー、プラズマ、HVOF若しくはアーク、又は単純な火炎を熱源として使用することができる。
【0043】
[00049]微細構造を改善するために、開始粉末及び被覆加工パラメーターを制御することができる。加熱力、材料の流速、表面までの距離、衝突速度及び堆積速度といったパラメーターが、品質(ひび割れ、孔、酸化物含有量)を管理するために重要である。保護ガスのような追加的フィーチャ、及びシャフトの予熱を用いて、層の品質を制御することができる。保護ガスは、気体の形態で直接供給することができるか、又は粉末又はコアとなるワイヤ中に存在する前駆体から得ることができる。他のフィーチャが使用可能であり、本発明はこれらに特に限定されることはないこと、そうではなく、当業者に既知のものを含むことを理解されたい。
【0044】
[00050]開始粉末に関し、粒度分布の制御を、堆積法に適合させることができる。ワイヤに関し、その直径は方法に適切なものである必要がある。さらに、マクロ孔又はミクロ孔などが研削により現れる場合、これは切削に影響すると考えられる。例えば、異なる種類の不織布を切断するために、いくつかの種類のアンビルが使用される。これらのうちのいくつかは、10μの薄い繊維から作製され、孔の存在が、切断圧力が繊維にかかることを防止する。
【0045】
[00051]被覆層の厚みは0.5から15mmまで変動しうる。最も厚い部分では通常、そのような厚みに到達するまで複数層の耐摩耗材料を被覆することが必要である。
【0046】
[00052]被覆材によっては、冶金的品質及び寸法的安定性(例えば焼き戻し作業のため)を保証するために、相補的かつ適切な熱処理を有することも重要でありうる。
【0047】
[00053]仕上げ作業、典型的には研削を、被覆層に対して実施し、その幾何学的寸法を完全にすることができる。上述のように、溝又は他のフィーチャをその上に形成することができる。
【0048】
[00054]管を形成し、次いで管を焼き嵌め又は他の方法によりシャフト又はシリンダー上に装着するために、本発明の方法を層の被覆に使用できることを理解されたい。
【0049】
[00055]上述のようにALM法によりアンビルを形成することは、大きな利点を提供する。例えば、貴金属の耐摩耗材料が必要な部分にのみ使用され、基部シャフトを再利用することができる。即ち、アンビルが使用済みでそれ以上切削できないとき、シャフト/シリンダーを再研削して表面を再生し、さらに使用することが可能である。このように、貴金属の耐摩耗材料の層が完全に除去されるまで、アンビルを複数回にわたって再研削することができる。その後、シャフトを再被覆し、研削して、シャフトに新たな耐用年数を与えることが可能である。
【0050】
[00056]本発明の実施態様について、特定の態様に関連して説明したが、他の多くの変形例及び修正例、並びに他の使用が当業者には明白であろう。したがって、好ましくは、本発明の実施態様は、本明細書の特定の開示内容によってではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7