(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来から、骨折治療の現場において、髄内釘と、ラグスクリューや固定ピンを組み合わせた骨接合具が使用されている。髄内釘は、施術対象骨の長手方向に沿って挿入されるものであり、特に大腿部や脛骨の骨折などの治療のために用いられる。
【0003】
髄内釘の施術対象骨への使用時には、前処理として、骨組織の内側かつ長手方向に髄内釘を挿入するための孔が形成される。この孔は、先端にドリル状の刃先が設けられたリーマーと、リーマーに回転力を付与する電動工具(または、気道工具)(以下、「回転工具」という)によって開けられる。
【0004】
大腿骨や脛骨に使用されるリーマーは、穿孔対象となる骨が湾曲した形状を有しているため、シャフトが弾性を有するフレキシブルリーマーが一般的に使用されている。
【0005】
このフレキシブルリーマーは、回転工具の使用者が穿孔対象となる骨に正対できない場合でも、シャフトが曲がることで、骨の斜め方向や横方向に使用者が立っても、刃先を骨に当てて穿孔することが可能となる。即ち、施術時の姿勢や立ち位置に自由度を与えるものとなる。
【0006】
フレキシブルリーマーの構造としては、例えば、非特許文献1に記載された構造が存在している。
【0007】
非特許文献1に記載されたフレキシブルリーマーは、先端にドリル状の刃先を有し、回転工具に接続されている。また、シャフトの外周面に複数の切れ目が形成され、シャフトに弾性を付与するものとなっている。
【0008】
従来のフレキシブルリーマーの構造を
図6でより詳細に示す。
図6に示すフレキシブルリーマー100は、シャフト101に切れ目102が連続的に形成されている。この切れ目102により、シャフト101が外力を受けて柔軟に曲がるものとなる。
【0009】
また、シャフト101の端部には凸部103が形成され、刃先104の端部には凹部105が形成されている。この凸部103及び凹部105を一定の向きに併せ、スライドさせて嵌合することでシャフト101と刃先104が連結される。刃先104は穿孔したい孔に応じてサイズが変更可能である。
【0010】
また、シャフト101及び刃先104の内部には長手方向に貫通孔が形成され、使用時にリーマーを誘導する棒状のロッドが挿通可能となっている。また、フレキシブルリーマー100の凸部103と反対側の端部106は、図示しない回転工具と嵌合し、固定される部分となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、非特許文献1や
図6に記載されたフレキシブルリーマーは、シャフトに対する刃先の固定が凹凸部の嵌合のみでなされ、固定力が不充分である。使用時に刃先が落下するおそれがあり、その際には、滅菌済みの新たな刃先を準備する必要が生じる。
【0013】
また、シャフトや刃先は、外科手術用のステンレス等の素材で形成され、各部材が高価であるため、予備の部材を複数準備する対応は現実的なものではない。
【0014】
また、刃先の強固な固定を考慮すると、ねじ構造の採用が考えられるが、ねじ構造では強固な噛み込みが生じ、逆に刃先の取り外しが困難となる場合がある。また、ある程度、容易に着脱が可能な構造でなければ、迅速な作業の障害となってしまうものとなる。
【0015】
また、
図6に示したフレキシブルリーマーは、シャフトの連続的な切れ目により、シャフトが必要以上に柔軟に曲がるものとなっている。シャフトが外力に対して大きく曲がるため、使用時に刃先の位置が安定せず、掘削箇所がずれることがある。骨の穿孔部位がずれると、結果として髄内釘の挿入位置がずれ、骨接合具による固定が不充分となる。
【0016】
また、シャフトが大きく曲がった際に、回転工具とシャフトの端部の接続部分に外力が集中するものとなり、同部分でシャフトが破損する不具合も生じる。
【0017】
更に、使用に際して、シャフトの切れ目の部分に掘削した骨組織等が詰まり、使用後の洗浄作業が大きな負担となっている現状が存在する。
【0018】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、取扱い性に優れ、充分な強度を有する骨掘削用リーマーを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明の骨掘削用リーマーは、第1の貫通孔が形成された第1の筒状体であると共に、弾性を有するシャフトと、該シャフトの一端側に位置し、前記第1の貫通孔と連通した第2の貫通孔が形成された第2の筒状体であると共に、所定の回転工具に固定可能な第1の接続部と、前記シャフトの他端側に位置し、前記第1の貫通孔と連通した第3の貫通孔が形成された第3の筒状体であると共に、外周面に螺旋溝が形成された第2の接続部と、該第2の接続部が螺合しながら内装可能な第4の貫通孔が形成された第4の筒状体と、該第4の筒状体の前記第2の接続部とは反対側の端部に位置し、前記第3の貫通孔と連通可能な第5の貫通孔が形成された第5の筒状体であると共に、外周面に突状片を有するドリル部とを備える。
【0020】
ここで、シャフトが第1の貫通孔が形成された第1の筒状体であることによって、シャフトの内部に、第1の貫通孔の直径より小さい直径を有する部材を挿入可能となる。即ち、例えば、骨掘削用リーマー動きをガイドするための棒状のリーマー誘導ロッドを挿入可能となる。
【0021】
また、弾性を有するシャフトによって、外力に対して骨掘削用リーマーを曲げながら使用することが可能となる。
【0022】
また、第1の接続部が第1の貫通孔と連通した第2の貫通孔が形成された第2の筒状体であることによって、第1の接続部の内部に、第2の貫通孔の直径より小さい直径を有する部材を挿入可能となる。また、第1の貫通孔に挿入した部材を第2の貫通孔の側に挿入することができる。即ち、例えば、骨掘削用リーマーの動きをガイドするための棒状のリーマー誘導ロッドを挿入可能となる。
【0023】
また、シャフトの一端側に位置し、所定の回転工具に固定可能な第1の接続部によって、シャフトを回転工具に接続可能となる。なお、ここでいう所定の回転工具とは、モータの駆動力でシャフトを正逆方向に回転可能な器具を意味するものである。
【0024】
また、第2の接続部が第1の貫通孔と連通した第3の貫通孔が形成された第3の筒状体であることによって、第2の接続部の内部に、第3の貫通孔の直径より小さい直径を有する部材を挿入可能となる。また、第3の貫通孔を介して挿通された部材を第2の貫通孔に挿入することができる。即ち、例えば、骨掘削用リーマーの動きをガイドするための棒状のリーマー誘導ロッドを挿入可能となる。
【0025】
また、シャフトの他端側に位置し、外周面に螺旋溝が形成された第2の接続部と、第2の接続部が螺合しながら内装可能な第4の貫通孔が形成された第4の筒状体によって、第4の筒状体をシャフトに接続可能となる。また、螺旋溝の部分で嵌合するため、一定方向への回転に対しては接続状態を充分に保持できるものとなる。また、回転させて容易に脱着可能な構造となる。
【0026】
また、第3の貫通孔と連通可能な第5の貫通孔が形成された第5の筒状体であると共に、外周面に突状片を有するドリル部によって、骨組織の掘削が可能となる。即ち、回転工具から付与される回転力によりドリル部が回転し、突状片が骨組織を掘削するものとなる。
【0027】
また、螺旋溝が第2の接続部の短手方向側からの側面視で溝の数が3個以下である場合には、少ない回転数でシャフトから第4の筒状体を脱着させることができる。即ち、より一層、シャフトに対して、刃を取り付けまたは取り外しやすくなり、取扱い性が向上するものとなる。
【0028】
また、第4の筒状体が第4の貫通孔の内周面に螺旋溝に嵌合可能な2つの突出部を有し、螺旋溝が第2の接続部の端部に位置する2つの切欠きを始点とする場合には、2つの突出部を2つの切欠きから螺旋溝に嵌合させて、第4の筒状体をシャフトに接続可能となる。また、第4の筒状体とシャフトの接続状態をより一層安定させることができる。
【0029】
また、シャフトが第2の接続部の螺旋溝の終点に隣接する位置に第4の貫通孔の直径よりも大きな直径で形成された径大部を有し、第4の貫通孔のドリル部側の一部が第2の接続部の直径よりも小さな直径で形成された場合には、第4の筒状体をより一層シャフトに取り付けやすいものとなる。即ち、螺旋溝を介して取り付けを行った際に、第4の筒状体の先端が第2の接続部の径大部に接触して止まるものとなる。また、第2の接続部の先端が第4の貫通孔のドリル部側の一部の箇所に接触して止まるものとなる。螺旋溝に第4の筒状体を嵌める動きが所定の位置で止まるため、接続状態を確認しやすく、かつ、安定した構造にすることができる。
【0030】
また、シャフトの外周面が切れ目なく形成された場合には、骨掘削用リーマーの保守性を高めることができる。即ち、例えば、使用時にシャフトの外周面に掘削した骨組織が付着しにくくすることができる。
【0031】
また、シャフトが超弾性体で形成された場合には、骨掘削用リーマーに充分な強度と、外力に対する曲がりを付与することができる。なお、ここでいう超弾性体とは、例えば、チタンとニッケルの合金(ニチノール)や、鉄−マンガン‐ケイ素合金等を含むものを意味する。
【0032】
また、突出部が第4の貫通孔の内周面で互いに対向して位置し、切欠きが第2の接続部の外周面で互いに対向する位置に形成された場合には、第4の筒状体をより一層シャフトに取り付けやすいものとなる。また、第4の筒状体とシャフトの接続状態をより一層安定させることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明に係る骨掘削用リーマーは、取扱い性に優れ、充分な強度を有するものとなっている。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明の実施の形態に係る骨掘削用リーマーの概略図である。なお、本発明の構成は以下に示す内容に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0036】
図1に示すように、本発明を適用した骨掘削用リーマーの一例であるリーマー1は、ドリル部2と、シャフト3を備えている。
【0037】
ドリル部2は、リーマー1が取り付けられる回転工具(図示せず)により回転力が付与され、施術対象骨の骨組織を穿孔する部分である。ドリル部2は、骨の大きさに合わせて刃の直径が、例えば、1mm刻みで異なる複数のサイズが存在し、1本のシャフトに対して交換可能となっている。また、刃の直径は0.5mm刻みで異なる場合もある。
【0038】
また、ドリル部2は、骨組織を穿孔可能かつ外科手術に使用可能なステンレスで形成されている。
【0039】
シャフト3は、長手方向の中心にシャフト貫通孔9が形成された弾性を有する筒状体である。また、シャフト3は、使用時の外力に対して曲がって変形し、外力がかからなくなると元の形状に戻るものとなっている。より詳細には、シャフト3は、通称ニチノールと呼ばれるチタン‐ニッケル合金で形成され、超弾性や形状記憶効果の性質を示すものとなっている。
【0040】
また、シャフト3の本体部分19の外周面は切れ目が形成されておらず、素材の有する弾性によって外力に対して曲がるものとなっている。
【0041】
シャフト3のドリル部2と反対側の端部には、工具接続部24が設けられている。工具接続部24は、モータを駆動させ回転運動を生じる回転工具とシャフト3を接続し、回転工具が固定する部分である。また、工具接続部24の内部には、シャフト貫通孔9と連通した工具接続部貫通孔25が形成されている。
【0042】
ここで、回転工具は既知のものが使用でき、シャフト3の工具接続部24に設けられた切欠きに嵌合し、工具接続部24の部分をロック機構で固定または分離可能なものが使用されることが好ましい。
【0043】
また、回転工具は、固定したシャフト3を時計周りまたは反時計周りに高トルクで回転させる部材である。なお、通常、骨掘削用リーマーの使用時には一方向のみの回転で掘削がなされ、反対方向への回転は使用されないものとなっている。
【0044】
ここで、ドリル部2の大きさや形状は特に限定されるものではなく、穿孔対象となる骨の大きさや、使用したい骨接合具に合わせて適宜変更することができる。
【0045】
また、ドリル部2は必ずしもステンレスで形成される必要はなく、骨組織に孔が穿孔可能な強度を有し、外科手術に使用可能な材質であれば充分である。
【0046】
また、シャフト3は必ずしもニチノールで形成される必要はなく、超弾性や形状記憶効果の性質を示す素材を採用しうるものである。
【0047】
ドリル部2は、刃先部4と、刃先部4と一体的に接合された筒状の刃先側接続部5から構成される。刃先部4は筒状体の外周面に複数の刃が一定間隔で位置し、各刃はドリル部2の長手方向に沿って、やや湾曲して形成されている。
【0048】
図2(a)に示すように、刃先部4の内部には刃先部貫通孔6が長手方向に沿って形成されている。刃先部貫通孔6は、刃先側接続部5の内部に形成された貫通孔と連通し、かつ、シャフト3のシャフト貫通孔9に連通可能なものとなっている。
【0049】
また、刃先側接続部5の内部には、刃先部貫通孔6の直径と同程度の直径を有する径小貫通孔7と、径小貫通孔7より大きな直径を有する径大貫通孔8が連通して形成されている。なお、径大貫通孔8とシャフト3のシャフト貫通孔9は同一の直径を有している。また、刃先部貫通孔6及び径小貫通孔7は後述するリーマー誘導ロッドの頭部の直径よりもわずかに小さく形成されている。
【0050】
また、刃先側接続部5は、刃先部貫通孔6の開口部分近傍の内周面に突出部10が設けられている。突出部10は後述するシャフト3側に設けられた螺旋溝に嵌合する箇所である。
【0051】
ここで、必ずしも、刃先側接続部5の内部に直径の異なる径小貫通孔7及び径大貫通孔8が形成される必要はなく、内部にリーマー誘導ロッドが挿入可能な貫通孔であれば充分である。但し、後述するように、シャフト3とドリル部2を接続させた際に、直径が異なる境界の位置でシャフト側接続部の先端が止まり、接続が完了したことが分かりやすくなる点及び接続構造が安定する点から、刃先側接続部5の内部に直径の異なる径小貫通孔7及び径大貫通孔8が形成されることが好ましい。
【0052】
また、必ずしも、刃先部4の内部には刃先部貫通孔6が径小貫通孔7と同一の直径に形成される必要はなく、内部にリーマー誘導ロッドが挿入可能な貫通孔であれば充分である。
【0053】
また、必ずしも、刃先部貫通孔6及び径小貫通孔7がリーマー誘導ロッドの頭部の直径よりもわずかに小さく形成される必要はない。但し、後述するように、リーマー1の内部に挿通させるリーマー誘導ロッドの頭部をドリル部2の刃先部貫通孔6の位置で止め、ドリル部2の脱落を生じにくくできる点から、刃先部貫通孔6及び径小貫通孔7がリーマー誘導ロッドの頭部の直径よりもわずかに小さく形成されることが好ましい。
【0054】
また、
図2(b)は、ドリル2を刃先側接続部5側から見た図であるが、突出部10は、径大貫通孔8の円周上で対向する位置に設けられている。即ち、2つの突出部10は、円周上で一方から見て他方が180度の位置に設けられている。
【0055】
ここで、必ずしも、突出部10が径大貫通孔8の円周上で対向する位置に設けられる必要はなく、シャフト3の螺旋溝に嵌合可能なものであれば充分である。但し、接続や取り外しが容易になる点から、突出部10が径大貫通孔8の円周上で対向する位置に設けられることが好ましい。
【0056】
図3(a)に示すように、シャフト3の工具接続部24と反対側の端部はシャフト側接続部11となっている。シャフト側接続部11は、刃先側接続部5と嵌合する部分である。即ち、ドリル部2をシャフト3に取り付けるための箇所となる。
【0057】
シャフト側接続部11は、先端側の外周面に螺旋溝12が形成されている。螺旋溝12は、上述した刃先側接続部5の突出部10と嵌合し、その溝に沿って刃先側接続部5をシャフト3側に誘導する。また、螺旋溝12が形成された領域で、刃先側接続部5とシャフト側接続部11が重なり、接続された状態となる。
【0058】
螺旋溝12は、溝幅が2mm程度で形成されている。また、シャフト側接続部11の外周面の厚みの約1.0mmに対して、螺旋溝12は溝の深さが0.5mm程度で形成されている。また、シャフト側接続部11の螺旋溝12に挟まれた領域、即ち、溝同士の間の溝加工が施されていない領域は幅2.5mm程度と、螺旋溝12の幅よりやや大きめの幅を有するものとなっている。
【0059】
ここで、螺旋溝12の溝幅、溝の深さ及びシャフト側接続部11の外周面の厚みは限定されるものではなく、刃先側接続部5とシャフト側接続部11が重なり、接続できるものとなっていれば充分である。
【0060】
また、必ずしも、シャフト側接続部11の螺旋溝12に挟まれた領域が螺旋溝12の溝幅よりやや大きめの幅を有するものとなる必要はない。但し、刃先側接続部5の内周面と、シャフト側接続部11の外周面とで接触する領域が広くなり、接続した状態が安定化する点から、シャフト側接続部11の螺旋溝12に挟まれた領域が螺旋溝12の幅よりやや大きめの幅を有するものとなることが好ましい。
【0061】
また、シャフト3は、螺旋溝12が形成された領域に隣接して、同領域よりも直径の大きなストッパー部13を有している。ストッパー部13は、螺旋溝の終点14の近傍から設けられている。
【0062】
螺旋溝12は、シャフト側接続部11の端部を始点15として終点14まで、シャフト側接続部11の外周面に螺旋状に溝が刻まれたものとなっている。また、
図3(a)に示すように、側面から螺旋溝12を見た場合に、始点15から終点14までに、溝の数が3個以下になるような長さで形成されている。なお、ここでいう3個以下とは、おおよその見え方の数であり、見る部位によっては溝の数が2個になる位置も存在する。
【0063】
ここで、必ずしも、螺旋溝12が、シャフト3を側面から螺旋溝12を見た場合に、始点15から終点14までに、溝の数が3個以下になるような長さで形成される必要はなく、溝の数が増える形状であってもよい。但し、シャフト3に対して、ドリル部2を取り付けまたは取り外しやすくなり、取扱い性が向上する点から、螺旋溝12が、シャフト3を側面から螺旋溝12を見た場合に、始点15から終点14までに、溝の数が3個以下になるような長さで形成されることが好ましい。
【0064】
また、
図3(b)は、シャフト3をシャフト側接続部11側から見た図であるが、螺旋溝12の始点15は、シャフト側接続部11の外周面上に2つの切欠き16として見えるものとなっている。また、2つの切欠き16は、シャフト側接続部11のシャフト貫通孔9の円周上で対向する位置に設けられている。即ち、2つの切欠き16は、円周上で一方から見て他方が180度の位置に設けられている。
【0065】
また、シャフト側接続部11の螺旋溝12が設けられた領域の長さは約1.0cmであり、刃先側接続部5の長さ約1.3cmの約7〜8割程度の長さとなっている。
【0066】
ここで、必ずしも、切欠き16がシャフト側接続部11のシャフト貫通孔9の円周上で対向する位置に設けられる必要はなく、ドリル部2の突出部10に嵌合可能なものであれば充分である。但し、接続や取り外しが容易になる点から、切欠き16がシャフト側接続部11のシャフト貫通孔9の円周上で対向する位置に設けられることが好ましい。
【0067】
また、必ずしも、シャフト側接続部11の螺旋溝12が設けられた領域の長さが刃先側接続部5の長さの約7〜8割程度の長さとされる必要はない。但し、刃先側接続部5の内周面と、シャフト側接続部11の外周面とで接触する領域が長くなり、接続した状態が安定化する点から、シャフト側接続部11の螺旋溝12が設けられた領域の長さが刃先側接続部5の長さの約8割程度の長さとされることが好ましい。
【0068】
ドリル部2の刃先側接続部5をシャフト3のシャフト側接続部11に取り付ける際には、2つの突出部10が2つの切欠き16とそれぞれ嵌合し、接続がなされる構造となっている。
【0069】
また、刃先側接続部5がシャフト側接続部11に完全に嵌合した状態、即ち、突出部10が螺旋溝12の終点14の位置まで到達した状態が、接続が完了した状態となる。
図4(a)及び
図4(b)に示すように、この際、刃先側接続部5の端部17は、シャフト側接続部11のストッパー部13に接触する構造となっている。
【0070】
また、ドリル部2のシャフト3への接続が完了した状態では、シャフト側接続部11の端部18は、刃先側接続部5の内部の径小貫通孔7と径大貫通孔8の境界部分に接触する構造となっている。
【0071】
図5を用いて、リーマー誘導ロッド20をリーマー1の各貫通孔に挿入した際の構造を説明する。
【0072】
リーマー誘導ロッド20は、リーマー1による骨組織の掘削時にリーマー1の進退方向の動きをガイドするための棒状の部材である。
図5(a)に示すように、リーマー1を構成する各部材の内部の貫通孔に挿通可能なロッド本体21と、ロッド本体21の一端に設けられた球状のロッド頭部22から構成されている。
【0073】
リーマー誘導ロッド20の長手方向の全長は、リーマー1の長手方向の全長よりも長くなるように形成されている。また、リーマー誘導ロッド20のロッド頭部22と反対側の端部23が刃先部貫通孔6に挿入され、順次、径小貫通孔7、径大貫通孔8、シャフト貫通孔9及び工具接続部貫通孔25へと進み、シャフト3の外部に出るものとなる。
【0074】
図5(b)に示すように、ロッド頭部22は、刃先部貫通孔6の途中の部分で引っ掛かる構造となっている。より詳細には、ロッド頭部22の直径が、刃先部貫通孔6の直径よりやや大きめに形成されている。
【0075】
ロット頭部22の直径と刃先側貫通孔6の直径が上記のような構造となっていることで、ドリル部2がシャフト側接続部11から外れる方向に回転して、ドリル部2とシャフト3が分離した際にも、ドリル部2はロッド頭部22に引っ掛かり、リーマー誘導ロッド20に支持されるものとなる。
【0076】
即ち、ドリル部2とシャフト3の接続状態が解除されても、ドリル部2が脱落することがなくなり、骨内にドリル部2が留置されるトラブルを回避することができる。また、例えば、シャフトと刃先が吻合されることにより、直接介助(看護師)から術者に手渡しする際に刃先が落ちにくいものとなる。
【0077】
以上までで説明したリーマーの使用手順を以下説明する。
【0078】
まず、分離した状態のドリル部2とシャフト3の接続を行う。ドリル部2の刃先側接続部5の2つの突出部10を、シャフト側接続部11の螺旋溝12の2つの切欠き16の位置に併せる。
【0079】
そして、突出部10が螺旋溝12の終点14に到達するまでドリル部2を回転させる。この際、螺旋溝12に沿って突出部10は約1回転し、始点15から終点14まで到達する。ドリル部2を逆回転させることで、シャフト3からドリル部2を分離させることができる。
【0080】
ドリル部2とシャフト3の接続は、ドリル部2を約1回転させるだけの単純な動作であるため、手術中の使用者は容易にリーマー1の準備をすることができる。
【0081】
続いて、リーマー1の内部の各貫通孔にリーマー誘導ロッド20を挿入する。リーマー誘導ロッド20は、ロッドの端部23側をドリル部2の刃先部貫通孔6に挿入していく。リーマー誘導ロッド20を順次、径小貫通孔7、径大貫通孔8、シャフト貫通孔9及び工具接続部貫通孔25へと挿入する。
【0082】
また、この際、ドリル部2は刃先貫通孔6の途中でリーマー誘導ロッド20の頭部22に引っ掛かり、リーマー1が頭部22を超えてそれ以上先には進入できないものとなっている。
【0083】
そして、リーマー1の工具接続部24を回転工具の嵌合部と併せて、回転工具のロック機構によって、工具接続部24を回転工具に固定する。ここまでで、骨掘削用リーマーの準備が完了する。
【0084】
施術対象骨の骨組織を掘削する際には、回転工具を一方方向に回転させる。回転工具は高トルクで回転し、その回転力は、シャフト3を介してドリル部2に伝達され、ドリル部2の刃先部4の複数の刃が骨組織を掘削される。なお、回転工具の回転方向は、ドリル部2がシャフト3から分離するための回転方向とは逆向きの回転方向となっている。
【0085】
また、仮に使用者が誤って回転工具をドリル部2がシャフト3から分離するための回転方向に回転させ、ドリル部2がシャフト3から分離した場合にも、リーマー誘導ロッド20のロッド頭部22が刃先部貫通孔6の途中の直径が小さくなった箇所で引っ掛かり、ドリル部2の脱落を防ぐことが可能となる。
【0086】
リーマー1のシャフト3の本体部分19は、超弾性を有するチタン‐ニッケル合金で形成されているため、骨の掘削部位と回転工具との間で適度に曲がり、かつ、安定した掘削を行うことができる。即ち、従来のフレキシブルリーマーにように、シャフトは大きく曲がらず、対象骨の目的の位置にドリル部2の刃をしっかりとあてることができる。
【0087】
ドリル部2の刃で骨組織を掘削していくことで、髄内釘等の骨接合具を挿入するための孔を穿孔することができる。掘削後のシャフト3の本体部分には切れ目がないため、掘削された骨組織はシャフトに付着しにくく、使用後の洗浄作業を容易なものとすることができる。
【0088】
以上のように、本発明の骨掘削用リーマーは、取扱い性に優れ、充分な強度を有するものとなっている。