【文献】
山本育由他,キノロン系抗菌薬の抗菌作用に及ぼす非抗菌性薬剤の影響,日本化学療法学会雑誌,2001年,Vol.49, Suppl.A,p.183
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、アレルギー疾患を治療する目的で、種々の治療薬が用いられてきた。しかしながら、これらの治療薬は、未だアレルギーを充分なレベルまで抑制又は治療(緩和)できるものではなく、より強力な効果を有する薬剤が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、ケトチフェンとの組み合わせにおいて、従来はアレルギー性疾患の治療には用いられてこなかった特定の成分と、ケトチフェンフマル酸塩点眼薬とを組み合わせることにより、その効果が増強されることを見いだし、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、以下の〔1〕〜〔16〕を包含する。
〔1〕(A)ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分と、
(B)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分とを組み合わせてなる外用剤。
〔2〕前記(A)と前記(B)とを含有する前記〔1〕記載の外用剤。
〔3〕キノロン系抗菌剤がオフロキサシン、ガチフロキサシン、トスフロキサシン、及びこれらの塩からなる群より選択される1以上である前記〔1〕又は〔2〕に記載の外用剤。
〔4〕糖類がブドウ糖である前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の外用剤。
〔5〕無機塩類が、金属ハロゲン化物、炭酸又は炭酸水素塩、及び硫酸塩からなる群より選択される1以上の成分である前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の外用剤。
〔6〕無機塩類が、塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択される1以上の成分である前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の外用剤。
〔7〕眼科用剤又は点鼻剤である前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の外用剤。
〔8〕アレルギー性疾患治療用である前記〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の外用剤。
〔9〕角膜及び/又は結膜のアレルギー性疾患治療用である前記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の外用剤。
〔10〕水性外用液剤である前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の外用剤。
〔11〕(a)ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分を含有する剤、並びに
(b)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分を含有する剤、
を含有する外用剤製造用キット。
〔12〕アレルギー性疾患治療用である前記〔11〕に記載のキット。
〔13〕前記(a)及び(b)の剤が、使用動物の連続的な投与によって適用組織内で混合される前記〔11〕又は〔12〕に記載のキット。
〔14〕前記(a)及び(b)の剤が、使用動物の連続的な投与によって適用組織内で混合される旨の表示を付した前記〔11〕〜〔13〕のいずれかに記載のキット。
〔15〕(A)ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分の抗アレルギー作用増強剤であって、
(B)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分を含有する剤。
〔16〕(A)ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分の抗アレルギー作用増強剤製造のための、
(B)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分の使用。
【0009】
さらに本発明は、以下の〔17〕〜〔21〕を包含する。
〔17〕(A)ケトチフェン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分の抗アレルギー作用増強のために使用される、
(B)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分。
〔18〕(B)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分を、ヒトを含む哺乳類に投与する、
(A)ケトチフェン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分の抗アレルギー作用増強方法。
〔19〕(A)ケトチフェン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分の抗アレルギー作用増強のための、
(B)キノロン系抗菌剤、その薬学的に許容される塩、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分の使用。
〔20〕(A)ケトチフェン及びこれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分と、
(B)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分とを組み合わせて、ヒトを含む哺乳類に点眼する方法。
〔21〕アレルギー性疾患治療方法である前記〔20〕に記載の方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ケトチフェンを含む新規の外用剤、特に抗アレルギー作用に優れた外用剤を提供することができる。特に、本発明によれば、アレルギーの治療において、ケトチフェン単独よりも有効性の高い治療剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔外用剤〕
本発明の外用剤は、(A)ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分と、特定の成分(B)とを組み合わせてなる。
【0013】
成分(A)におけるケトチフェンの化合物名は、4,9−ジヒドロ−4−(1−メチル−4−ピペリジリデン)−10H−ベンゾ[4,5]シクロヘプタ[1,2−b]チオフェン−10−オンである。ケトチフェンは水和物の形態であってもよい。ケトチフェン及びその塩は、抗アレルギー剤として公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。
【0014】
本発明で使用される上記(A)の内、ケトチフェンの薬学的に許容される塩としては、医薬上、薬理学的に又は生理学的に許容されるものであれば、特に限定されないが、具体的には、酸との塩(有機酸塩、無機酸塩)、塩基との塩(有機塩基との塩、無機塩基との塩)等が挙げられ、通常、酸との塩であり、好ましくは有機酸塩である。有機酸塩としては、例えば、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、モノカルボン酸塩(トリフルオロ酢酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、酢酸塩、酪酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等が挙げられ、好ましくは多価カルボン酸塩であり、より好ましくはフマル酸塩、マレイン酸塩等であり、特に好ましくはフマル酸塩等である。無機酸塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等が挙げられる。有機塩基との塩としては、例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。無機塩基との塩としては、例えば、アンモニウム塩、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等が挙げられる。
【0015】
本発明の外用剤には、(A)として、ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩の中から、1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。本発明に使用される(A)として、好ましくはケトチフェンの薬学的に許容される塩等であり、より好ましくはケトチフェンの有機酸塩、無機酸塩等であり、より好ましくはケトチフェンの有機酸塩等であり、更に好ましくはケトチフェンの多価カルボン酸塩であり、より更に好ましくはケトチフェンのフマル酸塩、マレイン酸塩等であり、特に好ましくはケトチフェンのフマル酸塩(フマル酸ケトチフェン)等である。
【0016】
本発明の外用剤において、(A)の配合割合は、(A)の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例として、外用剤の総量に対して、(A)が0.01〜1w/v%、好ましくは0.03〜0.5w/v%、更に好ましくは0.03〜0.1w/v%、特に好ましくは0.04〜0.06w/v%等が挙げられる。(A)の配合割合は、外用剤の形態によっては、外用剤の総量に対して、(A)が0.05〜1.6質量%、好ましくは0.3〜1.5質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%、特に好ましくは1〜1.5質量%等であってもよい。なお、上記数値範囲は、ケトチフェンとして換算した場合であってもよい。
【0017】
本発明の外用剤において、成分(A)と組み合わせる成分(B)としては、キノロン系抗菌剤、糖類、無機塩類、有機酸塩、ゲンタマイシン、セフメノキシムなどが挙げられ、キノロン系抗菌剤、糖類、無機塩類などが好ましい。
本発明において、(B)におけるキノロン系抗菌剤は、ナリジクス酸を起点としピリドンカルボン酸を基本骨格とする合成抗菌薬であり、ニューキノロン系抗菌剤を包含する。キノロン系抗菌剤は特に限定されず、例えばオフロキサシン、ガチフロキサシン、トスフロキサシン、ノルフロキサシン、モキシフロシサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、スパルフロキサシン、グレパフロキサシン、ナジフロキサシン、ナリジクス酸、ピペミド酸、ピロミド酸、ロメフロキサシン、フレロキサシン、プルリフロキサシン、パズフロキサシン、リネゾリド等が挙げられ、好ましくはオフロキサシン、ガチフロキサシン、トスフロキサシン、これらの塩等が含まれる。
塩としては、前記例示の塩などが含まれ、具体的な塩としては、トシル酸塩(トシル酸トスフロキサシン等)、塩酸塩(塩酸シプロフロキサシン、塩酸ロメフロキサシン等)、メシル酸塩(メシル酸パズフロキサシン等)等が挙げられる。
なお、これらの化合物やその塩は、水和物(ガチフロキサシン水和物、トスフロキサシントシル酸塩水和物、ピペミド酸三水和物等)の形態であってもよい。
【0018】
キノロン系抗菌剤は公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。キノロン系抗菌剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0019】
(B)における糖類は特に限定されず、例えば単糖類、二糖類、多糖類等が挙げられる。単糖類の例としては、キシロース、アラビノース、リボース等の5炭糖やブドウ糖、果糖、乳糖等の6炭糖が挙げられる。二糖類の例としては、ショ糖、麦芽糖、トレハロース等が挙げられる。また、多糖類の例としては、デキストリン等が挙げられる。(B)における糖類は公知の化合物であり、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。(B)における糖類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0020】
(B)における無機塩類は特に限定されず、無機酸と無機塩基とを包含する。塩を構成する無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、臭化水素酸、炭酸、炭酸水素等が挙げられる。塩を構成する無機塩基としては、例えば、アンモニア、金属[例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)など]等が挙げられる。
なお、無機塩類は、水和物であってもよい。
無機塩類の具体例としては、例えば、金属塩[例えば、ハロゲン化物(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化カルシウム二水和物等の金属ハロゲン化物(例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属ハロゲン化物)等]、炭酸又は炭酸水素塩[例えば、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸又は炭酸水素金属塩(例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属塩)]、硫酸塩[例えば、硫酸マグネシウム、硫酸マグネシウム7水和物などの硫酸金属塩(例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属塩)]等が挙げられ、好ましくは塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等である。(B)における無機塩類は、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。(B)における無機塩類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0021】
(B)における有機酸塩の具体例としては、クエン酸塩(クエン酸ナトリウム等)、酢酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム等)、それらの水和物(クエン酸三ナトリウム二水和物、酢酸ナトリウム三水和物、酢酸マグネシウム四水和物等)等が挙げられる。
【0022】
本発明の外用剤には、(B)として、1以上の成分を選択して使用すればよく、単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。
【0023】
本発明に使用される(B)として、好ましくはオフロキサシン、ガチフロキサシン、トスフロキサシントシル酸塩、ブドウ糖、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、これらの水和物(ガチフロキサシン水和物、トスフロキサシントシル酸水和物等)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。なお、ブドウ糖、塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含有する市販の医薬品として、オペガード(登録商標)MA眼灌流液(20mL)等が挙げられる。
【0024】
本発明の外用剤において、(B)の配合割合は、(B)の種類、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、例として、外用剤の総量に対して、(B)が0.05〜1.6w/v%、好ましくは0.3〜1.5w/v%、更に好ましくは0.5〜1.5w/v%、特に好ましくは1〜1.5w/v%等が挙げられる。(B)の配合割合は、外用剤の形態によっては、外用剤の総量に対して、(B)が0.05〜1.6質量%、好ましくは0.3〜1.5質量%、更に好ましくは0.5〜1.5質量%、特に好ましくは1〜1.5質量%等であってもよい。
【0025】
本発明の外用剤において、(A)/(B)の質量比は適宜設定されるが、例として、1/0.01〜1/100であってもよい。(A)/(B)の質量比として好ましくは1/0.5〜1/15であり、より好ましくは1/1〜1/15であり、さらに好ましくは1/2〜1/15であり、さらに好ましくは1/2〜1/14であり、特に好ましくは1/3〜1/6又は1/13〜1/15等が挙げられる。なお、上記数値範囲の内(A)は、ケトチフェンとして換算した場合であってもよい。
【0026】
本発明の外用剤は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。本発明の外用剤は、医薬品や医薬部外品等の製剤として使用でき、例えば、眼科用剤、鼻腔用剤、点耳用剤、皮膚外用剤等の様々な用途で使用することができる。ここで、眼科用剤には、点眼剤、人工涙液、洗眼剤、眼軟膏、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用剤(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤等が含まれる)等が含まれる。また、鼻腔用剤には、点鼻剤、鼻洗浄液等が含まれる。点耳用組成物には、点耳薬が含まれる。本発明の外用剤の好適な例として、眼科用剤が挙げられ、特に好適な例として点眼剤等が挙げられる。
【0027】
本発明の外用剤は、目的に応じて種々のpHに調節してよい。pHとして好ましくは3〜12であり、より好ましくは4〜11であり、さらに好ましくは5〜10であり、さらに好ましくは5〜9であり、さらに好ましくは5〜8である。
【0028】
本発明の外用剤が眼科用剤又は点鼻剤の場合、その投与量及び投与回数は、投与対象の症状等に応じて適宜選択することができる。例えば、成人に対し1回につき1〜3滴程度を一日あたり1〜6回程度投与すればよい。発明の外用剤が皮膚外用剤の場合、その塗布量及び塗布回数は、投与対象の症状等に応じて適宜選択することができる。例えば、成人に対し1回につき軟膏を人差し指の先端から第1関節部までの量をチューブから押出し、一日あたり1〜6回程度塗布すればよい。
本発明の外用剤において、成人への1日当たりの(A)の投与量は、例えば、ケトチフェンとして0.02〜1.0mg/kgであってもよい。本発明において、成人への1日当たりの(B)の投与量は、例えば、0.04〜20.0mg/kgであってもよい。
【0029】
本発明の外用剤は、アレルギー性疾患の予防乃至治療(緩和)用、炎症性疾患の予防乃至治療剤等として有効である。対象となるアレルギー性疾患の例として、角膜及び/又は結膜のアレルギー性疾患等が挙げられる。アレルギー性結膜疾患の例として、季節性アレルギー性結膜炎、通年性アレルギー性結膜炎、アトピー性角結膜炎、春季カタル、巨大乳頭結膜炎等が挙げられる。対象となる炎症性疾患の例として、炎症性眼疾患(例えば、眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症等)等が挙げられる。
【0030】
例えば、本発明の外用剤の形態として、液剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。液剤は水性液剤であってもよい。
【0031】
(他の成分)
本発明の外用剤は、必要に応じて製剤担体が好適に配合される。製剤担体としては、溶剤、溶解補助剤、乳化剤、等張化剤、緩衝剤、pH調整剤等が挙げられる。さらに必要に応じて、安定化剤、保存剤、酸化防止剤等の製剤分野において通常用いられる任意の公知の添加剤や薬理学的に許容される添加剤を必要に応じて用いることもできる。
【0032】
溶剤としては、特に限定されないが、例えば、精製水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール、食用油(ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等)等が挙げられる。溶解補助剤としては、特に限定されないが、例えば、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0033】
乳化剤としては、特に限定されないが、例えば、カルメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、モノステアリン酸グリセリン、ポリビニルアルコール、レシチン(卵黄レシチン、大豆レシチン)、デオキシコール酸類、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられ、レシチンが好ましく、卵黄レシチンがより好ましい。乳化剤の含有量は、外用剤全体に対して、0.1〜3.0質量%であってもよい。
【0034】
等張化剤としては、特に限定されないが、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、D−マンニトール、グリセリン等が挙げられ、グリセリンが好ましい。グリセリンの含有量は、外用剤全体に対して等張にする量を計算により求める。
【0035】
緩衝剤としては、特に限定されないが、例えば、クエン酸塩(クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等)、リン酸塩(リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素二カリウム等)、ホウ酸塩(ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム)、酢酸塩(酢酸ナトリウム三水和物、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等)等が挙げられる。
【0036】
pH調整剤としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
【0037】
安定化剤としては、特に限定されないが、例えばEDTA、オレイン酸Na、カゼイン、カゼインナトリウム塩等が挙げられる。EDTAとしては、EDTA−2Na、EDTA−4Na等が含まれる。EDTAの含有量は、外用剤全体に対して、0.001〜0.1質量%であってもよい。
【0038】
保存剤としては、特に限定されないが、例えば、4級アンモニウム塩(ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物等)、パラオキシ安息香酸エステル(パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル)、クロロブタノール、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸等が挙げられる。抗酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0039】
酸化防止剤としては、例えばポリフェノール、アスコルビン酸、t−ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、L−システイン塩酸塩、亜硫酸水素ナトリウム、α−トコフェロール等、並びにそれらの誘導体等が挙げられる。
【0040】
本発明の外用剤は、必要に応じて他の有効成分が好適に配合される。他の有効成分としては、ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩以外の抗アレルギー剤並びにステロイド剤以外の薬剤等が挙げられる。
【0041】
本発明の外用剤は、製剤担体、添加剤、他の有効成分を、目的とする製剤形態に応じて、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらは、市販品を使用することができる。製剤担体、添加剤、他の有効成分等を含有する場合、それらの含有量は、外用剤全体に対して0.01〜97.00質量%であってもよく、10〜80質量%であってもよい。上記含有量の範囲であれば、通常、十分にこれら成分の作用を発揮できるとともに、本発明の効果を失うことはない。上記の製剤担体、添加剤、他の有効成分は本発明の(B)として使用してもよい。
【0042】
(調製方法)
本発明の外用剤は、所望量の上記(A)及び/又は(B)に、必要に応じて他の配合成分を所望の濃度となるように添加し、適宜pH範囲を満たすように調整することにより調製される。
【0043】
本発明において、「組み合わせてなる」とは、「含有する」態様及び「併用する」態様を包含する。本発明において、上記(A)と(B)とを併用する場合、(A)と(B)とがそれぞれ別個に同一又は異なる投与経路から同時投与する投与形態、及びそれぞれ別個に同一又は異なる投与経路による間隔をずらした投与のいずれの投与形態も含むものである。
【0044】
本発明の外用剤において、上記(A)と(B)とを併用する場合、(A)と(B)とを使用するタイミングは特に限定されず、(B)の前投与、同時投与又は後投与のいずれに(A)を用いてよく、またいずれかを組み合わせてもよいが、対象への前処理の負担がない点から、(A)と(B)の同時投与が好ましい。ここで、「前投与」とは、(B)を未投与状態の対象へ(A)を一定時間投与することを意味する。また、「同時投与」とは、(B)の投与開始時から投与停止時まで継続して、又は(B)の投与開始時から投与停止時までの間に一定時間、対象へ(A)を投与することを意味する。「後投与」とは、(B)の投与停止後から、対象へ(A)を一定時間投与することを意味する。なお、(A)と(B)の投与間隔は、特に限定されないが、例えば、60分以下、好ましくは30分以下、より好ましくは15分以下であってもよい。また、(A)と(B)の投与間隔は、特に限定されないが、例えば、2分以上が好ましく、5分以上がさらに好ましい。
【0045】
本発明の外用剤において、(A)及び(B)を含有する場合、本発明の外用剤は、予め(A)及び(B)を混合しておくことにより製造される。
【0046】
本発明において、成人への1日当たりの(A)の投与量は、例えば、ケトチフェンとして0.02〜1.0mg/kgであってもよい。本発明において、成人への1日当たりの(B)の投与量は、例えば、0.04〜20.0mg/kgであってもよい。
【0047】
(効果)
本発明の外用剤は、アレルギーの治療において有効性の高い治療剤を提供することができる。本発明の外用剤は、例えば成分(A)と成分(B)とを組み合わせることで、成分(A)単独よりも優れた抗アレルギー作用(アレルギー性疾患の予防、治療、緩和等)を示す。本発明の外用剤の効果は、例えば卵白アルブミン(OVA)等で感作させ、アレルギー反応を惹起させた動物の組織において血管透過性の亢進を抑制することを、エバンスブルー漏出色素量を測定し、(A)単独と比較することにより確認することができる(吸光度620nm)。
【0048】
〔キット〕
本発明は、(a)ケトチフェン及びその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1以上の成分を含有する剤、並びに
(b)キノロン系抗菌剤、糖類及び無機塩類からなる群より選択される1以上の成分を含有する剤、を含有する外用剤製造用キットを包含する。
本発明のキットにおける(a)は、本発明の外用剤における(A)と同様に説明される。本発明のキットにおける(b)は、本発明の外用剤における(B)と同様に説明される。本発明のキットにおける剤は、医薬品、医薬部外品、化粧品等を包含する。医薬品には医薬組成物が含まれる。
【0049】
(a)を含有する剤は(a)以外の成分(例えば、製剤担体、添加剤、他の有効成分)等を含有していてもよい。(a)以外の成分は、本発明の外用剤における製剤担体、添加剤及び他の有効成分と同様に説明される。(b)を含有する剤は(b)以外の成分(例えば、製剤担体、添加剤、他の有効成分)等を含有していてもよい。(b)以外の成分は、本発明の外用剤における製剤担体、添加剤及び他の有効成分と同様に説明される。
【0050】
本発明のキットは、所望により、(a)を含有する剤及び(b)を含有する剤を含有する点眼容器、点鼻容器、軟膏容器等の容器を備えたキットの形で提供され得る。
【0051】
本発明のキットは、(a)を含有する剤及び(b)を含有する剤をそれぞれ別々の点眼容器、点鼻容器、軟膏容器等の容器に入れて、組み合わせて使用することもできる。キット形は、別々の成分を異なる投与間隔で投与する場合、又は処方医師によって組み合わせた個々の成分を適用する必要がある場合に、特に有用である。
【0052】
(a)及び(b)の剤は、使用動物の連続的な投与によって適用組織内で混合されてもよい。使用動物は、ヒトを含む哺乳類等が挙げられる。「連続的な投与」とは、(a)の投与開始後から、使用動物へ(b)を一定時間投与すること、又は(b)の投与開始後から、使用動物へ(a)を一定時間投与することを意味し、(a)及び(b)の投与時間は重複する時間が存在していてもよく、存在していなくてもよい。重複していない場合は、(a)及び(b)の投与間隔が存在していてもよい。(a)及び(b)の投与間隔は、特に限定されないが、例えば、60分以下であってもよく、好ましくは30分以下であってもよく、より好ましくは15分以下であってもよい。また、(a)と(b)の投与間隔は、特に限定されないが、例えば、2分以上が好ましく、5分以上がさらに好ましい。
適用組織としては、眼粘膜、鼻腔内、皮膚等が挙げられる。本発明のキットは、(a)及び(b)の投与間隔があっても、適用組織で(a)及び(b)が混合される形態を含む。本発明のキットにおいて、(a)及び(b)が、使用動物の連続的な投与によって適用組織内で混合される旨の表示を付してもよい。
【0053】
本発明のキットは、アレルギー性疾患の予防乃至治療(緩和)用、炎症性疾患の予防乃至治療用等として有効である。
【0054】
〔合剤、増強剤〕
本発明は、(A)と組み合わせて合剤を形成するための剤であって、(B)を含有する剤を包含する。合剤は、抗アレルギー作用を有していてもよい。抗アレルギー作用は、アレルギー性疾患の予防、治療、緩和等を含む。特に、成分(B)は、成分(A)単独の場合よりも、抗アレルギー作用を増強する場合が多い。そのため、当該剤は、(A)の抗アレルギー作用を増強又は増大させるための剤(抗アレルギー作用増強剤)であってもよい。なお、合剤の抗アレルギー作用は、例えばアレルギー反応を惹起させた動物の組織においてエバンスブルー漏出色素量を測定することにより(吸光度620nm)、確認することができる。(A)の抗アレルギー作用の増強効果は、例えばアレルギー反応を惹起させた動物の組織において血管透過性の亢進を抑制することを、エバンスブルー漏出色素量を測定し、(A)単独と比較することにより確認することができる(吸光度620nm)。
【0055】
〔使用〕
本発明は、(A)と組み合わせて合剤を形成するための剤(特に(A)の抗アレルギー作用増強剤)製造のための、(B)の使用を包含する。
本発明は、(A)と組み合わせて合剤を形成するための(特に(A)の抗アレルギー作用増強のための)、(B)の成分の使用を包含する。
【0056】
〔点眼する方法〕
本発明は、(A)と(B)とを組み合わせて、ヒトを含む哺乳類に点眼する方法を包含する。本発明において、「組み合わせて点眼する」とは、「(A)及び(B)を含有する組成物を点眼する」態様及び「別個に存在する(A)及び(B)それぞれを併用して点眼する」態様を包含する。本発明の点眼する方法は、アレルギー性疾患治療方法、(アレルギー性疾患の予防乃至治療(緩和)方法)、炎症性疾患の予防乃至治療方法であってもよい。
【0057】
〔その他〕
本発明は、(A)の抗アレルギー作用増強のために使用される(B)を包含する。
本発明は、(B)を、ヒトを含む哺乳類に投与する、(A)の抗アレルギー作用増強方法を包含する。
本発明は、添付文書に(A)及び(B)の同時的または連続的な投与が推奨される旨の記載がある(A)を含有する外用剤を包含する。
本発明は、添付文書に(A)及び(B)の同時的または連続的な投与が推奨される旨の記載がある(B)を含有する外用剤を包含する。
本発明は、添付文書に(A)及び(B)の同時的または連続的な投与により効果が増強される旨の記載がある(A)を含有する外用剤を包含する。
本発明は、添付文書に(A)及び(B)の同時的または連続的な投与により効果が増強される旨の記載がある(B)を含有する外用剤を包含する。
【実施例】
【0058】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0059】
〔実施例1:(B)がキノロン系抗菌剤である場合〕
(調製)
試験液として、下記の4群を準備した。
1.対照群(生理食塩水)
2.(A)単独群(ザジテン(登録商標)点眼液0.05w/v%、日本アルコン社製)
3.(B)単独群(各種医療用点眼剤)
4.併用群(各種医療用点眼剤にケトチフェンとして0.05w/v%になるように溶解又は懸濁したもの)
【0060】
惹起溶液として、1w/v%卵白アルブミン(GradeV、シグマアルドリッチ社製)/生理食塩液(大塚製薬工場社製)及び1w/v%エバンスブルー(和光純薬工業社製)/生理食塩液の等量混合液を使用した。
抽出液として、アセトン(和光純薬工業社製)/0.5w/v%硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製)水溶液(7:3)を使用した。
【0061】
(試験)
ラット(Wistar系、雄性、搬入時5週齢、日本エスエルシー社より購入)をジエチルエーテル吸入麻酔後、予め作製した卵白アルブミン抗血清(抗体価5)を両下眼瞼結膜下に注射することにより受動感作した(20μL/眼、n=3/群)。その48時間後に、惹起溶液1mLを静脈内投与し、結膜局所にアレルギー反応を惹起した。試験液をアレルギー惹起15分前及び直前に点眼投与した(計2回)。反応惹起30分後にラットを安楽死させ、下眼瞼結膜を結膜円蓋部に沿って摘出し、組織重量を測定後、抽出液を添加して一晩抽出した。一晩経過した抽出液を遠心分離し、上清の620nmの吸光度を測定した。
【0062】
(評価方法)
アレルギー反応により、血管透過性が亢進するとエバンスブルーが漏出するため、漏出色素量が少ない程、血管透過性の亢進が抑制され、抗アレルギー効果有りと判断される。予め作成した検量線を用いて単位組織あたりの漏出色素量(μg/g)を求め、下式より色素量比を算出して抑制効果の指標とした。
【0063】
【化1】
【0064】
(結果)
結果を表1に示した。表1中、「%」は「w/v%」を示す。色素量比(併用群/対照群)が1未満であることから、併用群が抗アレルギー効果を奏することは明らかである。さらに驚くべきことに、色素量比(併用群/(A)又は(B)単独群)が1未満であることから、(A)及び、キノロン系抗菌剤であるオフロキサシン、ガチフロキサシン又はトスフロキサシントシル酸水和物を併用することにより、(A)又は(B)単独の抗アレルギー効果を増強することが確認された。なお、(A)及び、オキシブプロカイン塩酸塩、ビマトプロスト又はジクアホソルナトリウムの併用群は、色素量比(併用群/対照群)が1未満であることから、抗アレルギー効果を奏することが確認された。
【0065】
【表1】
【0066】
〔実施例2:(B)が糖類又は無機塩類である場合〕
試験液として、下記表2の6群を準備し、各群のn数を4とした以外は、実施例1と同一の惹起溶液、抽出液及び対照群を使用し、実施例1と同一の試験を行った。なお、表2においてケトチフェンフマル酸塩0.069w/v%は、ケトチフェンとして0.05w/v%である。
【表2】
【0067】
(評価方法)
漏出色素量(μg/g)をブドウ糖、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸水素ナトリウム等の有無で比較した。
【0068】
(結果)
結果を
図1に示した。群1の結果と群6〜10のそれぞれの結果との比較により、糖類(ブドウ糖)、無機塩(塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム二水和物、硫酸マグネシウム七水和物、炭酸水素ナトリウム)、有機塩(クエン酸三ナトリウム二水和物、酢酸ナトリウム三水和物)等と、ケトチフェンフマル酸塩とを組み合わせた群(群6〜10)は優れた抗アレルギー効果を示すことが確認された。また、群6の結果と群7、8及び10のそれぞれの結果との比較により、ブドウ糖、塩化ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムのそれぞれは、ケトチフェンフマル酸塩と併用することで抗アレルギー作用に寄与することが確認された。