特許第6474937号(P6474937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474937角形鋼材連結プレート及び軽量鉄骨構造の建築物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6474937
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】角形鋼材連結プレート及び軽量鉄骨構造の建築物
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20190218BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   E04B1/24 C
   E04B1/58 504F
   E04B1/58 509A
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-210776(P2018-210776)
(22)【出願日】2018年11月8日
【審査請求日】2018年12月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518398280
【氏名又は名称】NOIZ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】細井 聡子
【審査官】 土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭62−031534(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/24
E04B 1/38 − 1/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄鋼板から断面矩形状に形成された角形鋼材同士を連結する連結プレートであって、
長方形状のプレート本体と、
このプレート本体の四周の外縁から前記角形鋼材の幅に応じた内側に前記角形鋼材を当接させて位置決めする外側位置決めリブが前記プレート本体の四周それぞれに1か所以上形成されているとともに、
前記プレート本体には、前記外側位置決めリブの内側に、前記角形鋼材の幅に応じた所定間隔を置いて一対又は複数対の内側位置決めリブが形成されていることにより、
前記角形鋼材同士を直交及び所定間隔を置いて平行のいずれにも自在に連結可能に構成されていること
を特徴とする角形鋼材連結プレート。
【請求項2】
前記プレート本体には、矩形状の角孔が一対形成され、これらの一対の角孔の内縁に沿って前記外側位置決めリブ及び前記内側位置決めリブが形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の角形鋼材連結プレート。
【請求項3】
前記外側位置決めリブ及び前記内側位置決めリブは、前記プレート本体と同材から前記角孔の内縁に沿って折曲加工されて形成されていること
を特徴とする請求項2に記載の角形鋼材連結プレート。
【請求項4】
前記プレート本体、前記外側位置決めリブ、前記内側位置決めリブは、ステンレス鋼板から形成されていること
を特徴とする請求項3に記載の角形鋼材連結プレート。
【請求項5】
前記プレート本体には、前記角形鋼材を止付けるリベット、ボルト、ビスなどの連結具を挿通するための連結具用の孔が複数穿設されていること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の角形鋼材連結プレート。
【請求項6】
前記連結具用の孔は、1か所につき3個以上の孔が穿設されていること
特徴とする請求項5に記載の角形鋼材連結プレート。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の角形鋼材連結プレートを用いて前記角形鋼材同士が連結されていることを特徴とする軽量鉄骨構造の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄鋼板から断面矩形状に形成された角形鋼材同士を連結する角形鋼材連結プレート及びそれを用いた軽量鉄骨構造の建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、厚さ4mm以下の薄鋼板から構造上有利な断面形状に冷間成型されたH形鋼、溝形鋼、I形鋼、山形鋼などの軽量形鋼からなる軽量鉄骨構造の建築物が知られている。また、軽量形鋼は、一般に、断面の一辺の長さが100mm以上となったものが大形形鋼、一辺の長さが50mm以上100mm以下となったものが中形形鋼、一辺の長さが50mm以下となったものが小形形鋼と呼ばれている。
【0003】
軽量鉄骨構造の建築物において軽量形鋼が構造材として使用されているのは、大形形鋼か中形形鋼であり、小形形鋼は、家具、調度や、木造建築物やRC造、SRC造の建築物の間仕切り壁、天井材として使用されるに留まっていた。その理由は、小形形鋼では、構造上、強度不足であったからである。
【0004】
しかし、大形形鋼や中形形鋼は、同じ断面寸法の鋼材が常に一定の需要があるものではないので、軽量鉄骨構造の建築物の構造材に用いる軽量形鋼は、受注生産されるものであった。このため、建築物を設計してから施工開始するまでの時間が遅延する要因となっているだけでなく、コストアップの要因となっていた。
【0005】
また、小形形鋼は、軽量化しつつ断面性能を向上させるため、2mm以下の特に薄い薄鋼板から断面矩形状に形成されたスタッド、角形鋼管、C形チャンネルなどと呼ばれる角形鋼材が知られている。
【0006】
そのため、本願の発明者は、家具、調度や、間仕切り壁、天井材などとして同一寸法の鋼材に常に一定の需要があり、安価な汎用品である小形形鋼を用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築できないかと考えるに至った。しかし、従来は、断面性能を向上させた角形鋼材であっても、戸建住宅などの小規模な建築物でも明らかに強度不足であるため、構造材として使用するという着想自体ないものであった。
【0007】
しかし、本願の発明者は、軽量化しつつ断面性能を向上させた小形形鋼の角形鋼材を、長手方向と直交する方向に一定間隔離間して組合せることにより、強度不足を解消し、構造材として使用することができるのではないかと考えた。
【0008】
従来の角形鋼材の連結金具としては、例えば、特許文献1〜3に記載の連結金具が開示されている。
【0009】
特許文献1には、形鋼同士の連結部3の両側面を挟持する1対の板部材6の対向面の少なくとも一方に、連結部3の両側端に接して各形鋼の横移動を規制する係止部8を有するとともに、各係止部8の各内端面に接する直線同士が交差する交差部の互いの外側位置には両板部材6に直交するボルト孔をそれぞれ有してなる1対の連結部材を形成し、係止部8が連結部3と係合するようにして連結部を両側から連結部材で挟持し互いをボルトで締め付ける構成とする連結金具1が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0012]〜[0020]、図面の図1図3等参照)。
【0010】
しかし、特許文献1に記載の連結金具1は、長手方向に直交する断面の幅または高さが等しい形鋼同士を互いに同じ寸法の側同士を向かい合わせて、互いに直交方向にまたは直線状に突き合わせた形鋼同士の連結部を固定する連結金具である。このため、特許文献1に記載の発明には、前述の安価な汎用品である小形形鋼を構造材として用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築するという着想自体ないものであった。さらに、特許文献1に記載の連結金具1は、自動車製造ラインの搬送トロリー用走行レールの支持架構形鋼により解体可能に構築する構築物に用いる連結金具であり、戸建住宅などの常設の長期的な建築物に耐え得る連結金具ではなかった。
【0011】
また、特許文献2には、角材用連結金具12の一方を構成する平形連結部材12aは大棟4の上面に沿い付ける角面部30と角面部30からやや下方に曲がって左右に張出し左右の小屋梁6a、6bの上面に沿い付ける横張出部31a、31bを有し、それぞれネジ部材挿通孔22を有する。角材用連結金具12の他方を構成する立形連結部材12bは大棟4の下面と管柱10の端面とに挟持される角面部34を有し、角面部34からやや下方に曲がって左右に張出し小屋梁6a、6bの下面に沿い付ける横張出部35a、35bと、角面部34の対向辺から下方に直角に張出し管柱10の上端部両側面に沿いつける立形張出部36a、36bを有しそれぞれネジ部材挿通孔22を有する角材用連結金具が開示されている(特許文献2の明細書の段落[0022]〜[0053]、図面の図1図3等参照)。
【0012】
しかし、特許文献2に記載の角材用連結金具11,12は、簡易建造物を構築する骨材としての角材による軸組みにおける組手部分となる連結部において三本の角材を連結する連結金具であった。このため、特許文献2に記載の発明には、前述の安価な汎用品である小形形鋼を構造材として用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築するという着想自体ないものであった。また、特許文献2に記載の連結金具は、形鋼の長手方向の端部同士を連結する金具であり、小形形鋼を構造材として用いた場合、強度不足を解消できる連結金具ではなかった。
【0013】
そして、特許文献3には、挿入姿勢で各リップ7d、7e間を通して各フランジ7b、7c間に挿入可能な帯状部14及び背板11と、帯状部14及び背板11が各フランジ7b、7c間に挿入された状態で、梁5Eを接続可能な接続部15とを備え、帯状部14は、挿入姿勢から所定角度だけ回転した取付姿勢において、C型鋼7の両フランジ7b、7cの内側面にそれぞれ当接可能な一対の当接部14b、14cを有する連結金具6が開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0039]〜[0049]、図面の図1図3等参照)。
【0014】
しかし、特許文献3に記載の連結金具6は、C型鋼の両リップ間を通して、当該C型鋼を補強可能となるように両フランジ間に取り付け可能な連結金具である。このため、特許文献3に記載の発明には、前述の安価な汎用品である小形形鋼を構造材として用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築するという着想自体ないものであった。また、特許文献3に記載の連結金具6は、C型鋼同士の直交部分にしか使用できず、小形形鋼に適用した場合に、強度不足の問題を解消できるものではなかった。
【0015】
要するに、特許文献1〜3に記載の連結金具は、いずれも前述の安価な汎用品である小形形鋼を構造材として用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築するという着想自体ないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2004−340235号公報
【特許文献2】特開2011−52425号公報
【特許文献3】特開2013−2045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、角形鋼材同士を直交して連結する場合、及び所定間隔を置いて平行に連結する場合いずれにも同型の1種類のプレートで自在に連結可能な角形鋼材連結プレート及びそれを用いた軽量鉄骨構造の建築物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
第1発明に係る角形鋼材連結プレートは、薄鋼板から断面矩形状に形成された角形鋼材同士を連結する連結プレートであって、長方形状のプレート本体と、このプレート本体の四周の外縁から前記角形鋼材の幅に応じた内側に前記角形鋼材を当接させて位置決めする外側位置決めリブが前記プレート本体の四周それぞれに1か所以上形成されているとともに、前記プレート本体には、前記外側位置決めリブの内側に、前記角形鋼材の幅に応じた所定間隔を置いて一対又は複数対の内側位置決めリブが形成されていることにより、前記角形鋼材同士を直交及び所定間隔を置いて平行のいずれにも自在に連結可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
第2発明に係る角形鋼材連結プレートは、第1発明において、前記プレート本体には、矩形状の角孔が一対形成され、これらの一対の角孔の内縁に沿って前記外側位置決めリブ及び前記内側位置決めリブが形成されていることを特徴とする。
【0020】
第3発明に係る角形鋼材連結プレートは、第2発明において、前記外側位置決めリブ及び前記内側位置決めリブは、前記プレート本体と同材から前記角孔の内縁に沿って折曲加工されて形成されていることを特徴とする。
【0021】
第4発明に係る角形鋼材連結プレートは、第3発明において、前記プレート本体、前記外側位置決めリブ、前記内側位置決めリブは、ステンレス鋼板から形成されていることを特徴とする。
【0022】
第5発明に係る角形鋼材連結プレートは、第1発明ないし第4発明のいずれかの発明において、前記プレート本体には、前記角形鋼材を止付けるリベット、ボルト、ビスなどの連結具を挿通するための連結具用の孔が複数穿設されていることを特徴とする。
【0023】
第6発明に係る角形鋼材連結プレートは、第5発明において、前記連結具用の孔は、1か所につき3個以上の孔が穿設されていること特徴とする。
【0024】
第7発明に係る軽量鉄骨構造の建築物は、請求項1ないし6のいずれかに記載の角形鋼材連結プレートを用いて前記角形鋼材同士が連結されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
第1発明〜第7発明によれば、角形鋼材同士を直交して連結する場合、及び所定間隔を置いて平行に連結する場合いずれにも同型の1種類のプレートで自在に連結可能となる。このため、軽量化しつつ断面性能を向上させた小形形鋼の角形鋼材を、長手方向と直交する方向に一定間隔離間して組合せることにより、安価な汎用品である小形形鋼を用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築することができる。さらに、複数枚のプレートを重ね合わせて用いることで、より多くの角形鋼材同士を連結させることができ、小形形鋼の角形鋼材だけで、大きな力が作用するスパンにも対応することができる。
【0026】
特に、第2発明によれば、前記作用効果に加え、矩形状の一対の角孔が形成されているので、前記作用効果に加え、連結時の強度を維持したまま、さらにプレートの軽量化を達成することができる。このため、建築物全体の軽量化を達成することができ、耐震性能等の諸性能が向上する。
【0027】
特に、第3発明によれば、前記作用効果に加え、一枚の鋼製プレートから打抜き、折曲加工等の短時間の一度のプレス加工だけで角形鋼材連結プレートを形成することができ、製造コストを低減することができる。
【0028】
第4発明によれば、前記作用効果に加え、メンテナンスフリーで長期に亘って防錆効果発揮することができ、建築物自体の耐久性が向上する。
【0029】
特に、第5発明によれば、前記作用効果に加え、孔あけ加工やビス止めのための下孔等をあける作業を無くすことができ、角形鋼材の組立作業を短縮して建築物の建設コストを低減することができる。
【0030】
特に、第6発明によれば、最小の孔あけ加工で角形鋼材同士の連結部分に捩じれや回転モーメントが作用した場合でも対抗することができる。
【0031】
特に、第7発明によれば、軽量鉄骨構造の建築物において、安価な汎用品である小形形鋼の角形鋼材を用いて軽量鉄骨構造の建築物を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の実施形態に係る角形鋼材連結プレートを示す斜視図である。
図2】同上の角形鋼材連結プレートを示す正面図である。
図3】同上の角形鋼材連結プレートを示す図2のA−A線断面図である。
図4】同上の角形鋼材連結プレートを示す図2のB−B線断面図である。
図5】同上の角形鋼材連結プレートの第1の使用形態を示す模式正面図である。
図6】同上の角形鋼材連結プレートの第2の使用形態を示す模式正面図である。
図7】同上の角形鋼材連結プレートの第3の使用形態を示す模式正面図である。
図8】同上の角形鋼材連結プレートの第3の使用形態を示す模式正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る角形鋼材連結プレートを実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
<角形鋼材連結プレート>
図1図4を用いて、本発明の実施形態に係る角形鋼材連結プレート1について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る角形鋼材連結プレート1を示す斜視図であり、図2は、角形鋼材連結プレート1を示す正面図である。また、図3は、図2のA−A線断面図であり、図4は、図2のB−B線断面図である。
【0035】
図1図4に示すように、本発明の実施形態に係る角形鋼材連結プレート1は、金属製のプレート本体2と、このプレート本体2に形成された外側位置決めリブ3及び内側位置決めリブ4など、から構成されている。
【0036】
この角形鋼材連結プレート1は、ステンレス鋼板から一体成型され、後述の角形鋼材SP(図示せず)同士を連結する機能を有した角形鋼材連結用の連結金具である。角形鋼材連結プレート1は、ステンレス鋼板に限られず、角形鋼材SP同士を連結する上で必要な強度を有した鋼板などの金属製の板材から構成されていればよい。但し、本実施形態のように、ステンレス鋼板から一体成型すれば、メンテナンスフリーで長期に亘って防錆効果発揮することができるため好ましい。
【0037】
(プレート本体)
プレート本体2は、図1図4に示すように、長辺の幅が280mm×短辺の幅が144mmの平面視で横長な長方形状となっており、鋭利な部分がなくなるように、R=2mmの曲率で外周の四つ角にR加工が施されている。
【0038】
また、プレート本体2には、左右の縁から一定の離間距離W1だけオフセットした内側に角形鋼材SP(図示せず)の縁を当接させて位置決めする左右一対の外側位置決めリブ31(3),32(3)が形成されている。そして、プレート本体2には、上下の縁から一定の離間距離W2だけオフセット(離間)した内側に4枚の外側位置決めリブ33(3)〜36(3)が形成されている。
【0039】
そして、これらの6枚の外側位置決めリブ31(3)〜36(3)の内側には、角形鋼材SPの幅に応じた所定間隔W2を置いて一対の内側位置決めリブ41(4),42(4)が形成されている。
【0040】
また、プレート本体2には、長手方向に沿って並設された一対の矩形状の角孔21,22が形成されている。勿論、これらの角孔も、2つ並んで設けられたものに限られず、所定間隔を置いて平行に連結する角形鋼材SPの本数に応じて適宜設ければよく、複数対としてもよい。なお、角孔21,22は、長辺の幅W3が92mm×短辺の幅W4が86mmとなっている。
【0041】
本実施形態では、角形鋼材SPを厚さ1.2mmで断面形状が32mm×32mmの正方形状の角形鋼管を想定しているため、左右の離間距離W1は、30mmであり、上下の離間距離W2は、29mmに設定されている。勿論、これらの離間距離W1,W2は、連結又は接合する角形鋼材SPの断面寸法に応じて適宜、設置すればよいことは云うまでもない。
【0042】
さらに、プレート本体2には、角形鋼材SPを止付けて固定するリベットなどの連結具を挿通するための連結具用の孔が複数穿設されている。本実施形態では、直径5mmの円形の孔であるリベット用の孔23〜27が四隅と中央の計5か所形成されている。本実施形態に係るリベット用の孔23〜27は、1か所につき直径5mmの円形の孔が3つずつ形成されている。また、リベット用の孔23〜27は、それぞれ二等辺三角形の各角に直径5mmの円形の孔の中心が位置するように形成されており、配置も対称ではなく全て同一となっている。後述のように、角形鋼材連結プレート1同士をリベット用の孔でリベット接合可能とするためである。
【0043】
勿論、リベット用の孔23〜27は、角形鋼材SPが回転しないように、1か所につき2つ以上設けられていればよい。但し、1か所につき3つずつ形成されていることにより、角形鋼材SPに直交する部材から接合部部に捩じりモーメントや回転モーメントが伝達された場合でも、最小個数で対抗できるため好ましい。
【0044】
また、プレート本体2に角形鋼材SPを連結する連結具として、リベットを例示したが、ボルト、ビスなど他の連結具でもよいことは云うまでもない。但し、リベット接合の方が、ボルト接合やビス等で止付ける場合と比べて、強固に短時間で固定できるため好ましい。
【0045】
(外側位置決めリブ)
外側位置決めリブ3は、プレート本体2と同材の1枚のステンレス鋼板から角孔21,22の内縁に沿って折曲加工されて形成されている。外側位置決めリブ3は、プレート本体2の板面と、外側位置決めリブ3の板面とが直交するように折り曲げられている。このため、角形鋼材SPの矩形断面の一面をプレート本体2の板面に当接させると、必然的に、外側位置決めリブ3に角形鋼材SPの矩形断面の直交する面が当接して、位置決めされる構成となっている。このため、前述のリベット用の孔23〜27を用いて角形鋼材SPを容易に接合することができる。
【0046】
なお、本実施形態に係る外側位置決めリブ3は、図1図4に示すように、左右一対の外側位置決めリブ31,32と、上下2対の外側位置決めリブ33,34、35,36の計6枚のものとなっている。しかし、外側位置決めリブ3の枚数等は、所定間隔を置いて平行に連結する角形鋼材SPの本数に応じて適宜、複数対となるように増加させてもよい。但し、これらの外側位置決めリブ3は、プレート本体2の四周の各辺それぞれに1か所以上形成されていることを要する。各辺それぞれに1か所以上形成されていない場合、プレート本体2の四周の各縁に沿って角形鋼材SPを固定できなくなるからである。
【0047】
(内側位置決めリブ)
内側位置決めリブ4も、外側位置決めリブ3と同様に、プレート本体2と同材の1枚のステンレス鋼板から角孔21,22の内縁に沿って折曲加工されて形成されている。また、内側位置決めリブ4も、プレート本体2の板面と、内側位置決めリブ4の板面とが直交するように折り曲げられている。
【0048】
図2に示すように、左の内側位置決めリブ41と、右の内側位置決めリブ42との間隔W3は、前述のように、断面形状が32mm×32mmの角形鋼材SPが丁度挿置できるように、多少の遊びをとって36mmに設定されている。
【0049】
また、左の内側位置決めリブ41と、右の内側位置決めリブ42との間の中央付近に、3孔一組のリベット用の孔27が形成されている。このため、後述のように、角形鋼材連結プレート1は、左右の縁沿いに角形鋼材SPを固定できるだけでなく、左の内側位置決めリブ41と、右の内側位置決めリブ42との間に、角形鋼材SPを固定することができる。
【0050】
<角形鋼材連結プレートの使用形態>
次に、図5図8を用いて、前述の角形鋼材連結プレート1の使用形態について説明する。図5は、角形鋼材連結プレート1の第1の使用形態を示す模式正面図であり、図6は、角形鋼材連結プレート1の第2の使用形態を示す模式正面図である。また、図7は、角形鋼材連結プレート1の第3の使用形態を示す模式正面図であり、図8は、角形鋼材連結プレート1の第4の使用形態を示す模式正面図である。
【0051】
図5は、厚さ1.2mm又は1.6mmの32mm×32mmの正方形状断面を有する構造用角形鋼管からなる角形鋼材SPが組み合わせれて構成された軽量鉄骨構造の建築物を想定している。勿論、本発明が適用可能な角形鋼材SPは、構造用角形鋼管に限られず、ステンレス製の角形鋼管や、溝形鋼やC型チャンネルなどの他の鋼材からなるものであっても構わない。また、本発明が適用可能な角形鋼材SPは、厚さ0.45mmの薄鋼板から断面性能が高いリブ付き矩形状に折り曲げられたスタッドなどにも適用することができる。要するに、本発明が適用可能な角形鋼材SPは、溝形鋼やC型チャンネルなどの断面が少なくとも直交する3面以上の平面を有する断面矩形状の鋼材であれば適用可能である。
【0052】
図5に示すように、角形鋼材連結プレート1の長辺を水平に設置し、プレート本体2の上下の縁に沿って、上下に所定間隔をあけて角形鋼材SPを2段に連結したものである。これは、軽量鉄骨構造の建築物において、上階の床を支える構造材としての鋼材を、小形形鋼である角形鋼材SPから構成し、強度的に支持可能なように、所定間隔をあけて2段に設置したものである。
【0053】
図5に示すように、前述の角形鋼材連結プレート1によれば、外側位置決めリブ33,34の上に、角形鋼材SPを載置し、リベット用の孔23,24を用いてリベットで固定する。そして、外側位置決めリブ35,36に当接するように、角形鋼材SPを押し上げ、リベット用の孔25,26を用いてリベットで固定するだけで簡単に短時間で断面性能の高い、角形鋼材SPの2段組みの床梁を設置することができる。
【0054】
図6は、図5で示した場合でも強度的に不足する場合に、上階の床を支える鋼材を3段にした場合の軽量鉄骨構造の建築物を想定している。図6に示すように、前述の角形鋼材連結プレート1によれば、外側位置決めリブ31の上に、上段の角形鋼材SPを載置し、リベット用の孔23,26を用いてリベットで固定する。そして、内側位置決めリブ41,42の間に中段の角形鋼材SPを挿置し、リベット用の孔27を用いてリベットで固定する。その上、外側位置決めリブ32に当接するように、下段の角形鋼材SPを押し上げ、リベット用の孔24,25を用いてリベットで固定する。これだけのステップで簡単に短時間で断面性能の高い、角形鋼材SPの3段組みの床梁を設置することができる。
【0055】
なお、図6の中断の角形鋼材SPを抜き、図5より間隔の広がった上下2段の角形鋼材SPとしてもよい。上階の床梁と、下階の天井下地を角形鋼材SPで構成することができるからである。照明器具やエアコンなどを設置するために、天井スペースを広くとりたいときに有効である。
【0056】
図7は、角形鋼材SPを壁のスタッドとして使用し、前述の角形鋼材連結プレート1をそのランナーとして使用して壁を構築した軽量鉄骨構造の建築物を想定している。図7に示すように、前述の角形鋼材連結プレート1によれば、外側位置決めリブ31に角形鋼材SPを当接し、リベット用の孔23,26を用いてリベットで固定する。そして、内側位置決めリブ41,42の間に角形鋼材SPを挿置し、リベット用の孔27を用いてリベットで固定する。その上、外側位置決めリブ32に角形鋼材SPを当接し、リベット用の孔24,25を用いてリベットで固定する。これだけのステップで簡単に壁の鉄骨下地となる角形鋼材SPを所定間隔で設置していくことが可能となる。
【0057】
図8は、図6で示した場合でも強度的に不足する場合に、角形鋼材連結プレート1同士を組み合わせて、上階の床を支える鋼材を5段にした場合の軽量鉄骨構造の建築物を想定している。図8に示すように、先ず、角形鋼材連結プレート1同士をリベット用の孔でリベット固定し、組み合わせた角形鋼材連結プレート1を用いて、前述と同様に、角形鋼材SPを5段に組み合わせていくものである。
【0058】
以上説明した本発明の実施形態に係る角形鋼材連結プレート1によれば、角形鋼材SP同士を直交して連結する場合、及び所定間隔を置いて平行に連結する場合いずれにも同型の1種類のプレートで自在に連結可能となる。このため、軽量化しつつ断面性能を向上させた小形形鋼の角形鋼材SPを、長手方向と直交する方向に一定間隔離間して組合せることにより、安価な汎用品である小形形鋼を用いて様々な軽量鉄骨構造の建築物を構築することができる。さらに、複数枚のプレートを重ね合わせて用いることで、より多くの角形鋼材SP同士を連結させることができ、小形形鋼の角形鋼材SPだけで、大きな力が作用するスパンにも対応することができる。
【0059】
また、角形鋼材連結プレート1によれば、矩形状の一対の角孔21,22が形成されているので、連結時の強度を維持したまま、さらにプレートの軽量化を達成することができる。このため、建築物全体の軽量化を達成することができ、耐震性能等の諸性能が向上する。
【0060】
その上、角形鋼材連結プレート1は、一枚の鋼製プレートから打抜き、折曲加工等の短時間の一度のプレス加工だけで形成することができ、製造コストを低減することができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態に係るについて詳細に説明したが、前述した又は図示した実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたって具体化した一実施の形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【符号の説明】
【0062】
1:角形鋼材連結プレート
2:プレート本体
21,22:角孔
23〜27:リベット用の孔
3:外側位置決めリブ
31〜36:外側位置決めリブ
4:内側位置決めリブ
41,42:内側位置決めリブ
SP:角形鋼材
【要約】
【課題】角形鋼材同士を直交して連結する場合、及び所定間隔を置いて平行に連結する場合いずれにも同型の1枚のプレートで自在に連結可能な角形鋼材連結プレート及びそれを用いた軽量鉄骨構造の建築物を提供する。
【解決手段】薄鋼板から断面矩形状に形成された角形鋼材同士を連結する連結プレートに1おいて、長方形状のプレート本体2と、このプレート本体2の四周の外縁から前記角形鋼材の幅に応じた内側に前記角形鋼材の縁を当接させて位置決めする外側位置決めリブ3をプレート本体2の四周それぞれに1か所以上形成するとともに、プレート本体2には、外側位置決めリブ3の内側に、前記前記角形鋼材の幅に応じた所定間隔を置いて一対又は複数対の内側位置決めリブ4を形成することにより、前記角形鋼材同士を直交及び所定間隔を置いて平行のいずれにも自在に連結可能に構成する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8