【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は1種の超低収縮ポリエステル工業糸及びその製造方法、具体的にエチレングリコールマグネシウムとエチレングリコールアンチモンの混合物を触媒とするポリエステルと超低収縮ポリエステル工業糸、及びそれらの製造方法を提供することである。述べた超低収縮ポリエステル工業糸によって、177℃×10min×0.05 cN/dtexの条件下で測定する乾熱収縮率は1.8±0.25%である。本発明は、エチレングリコールマグネシウムとエチレングリコールアンチモンの混合物を重縮合触媒として、熱分解を最低限にならせる一方、さらに得られたポリエステルペレットを水と洗剤で130℃と0.3MPaの条件下で煮溶かし洗浄して、エンドカルボキシル、オリゴマー及びジエチレングリコールがポリエステルの紡糸加工に対する影響を減らせる。
【0007】
本発明における超低収縮ポリエステル工業糸は、テレフタル酸とエチレングリコールから、エチレングリコールマグネシウムとエチレングリコールアンチモンの混合物が触媒する重縮合、チップ、煮て洗浄、固相重縮合、さらに紡糸を経て得られたものである。
【0008】
前記のポリエステルペレットの中には、エンドカルボキシルの割合が15mol/t未満、オリゴマーの割合が0.5wt%未満、ジエチレングリコールの割合が0.5wt%未満である。
【0009】
前記のエチレングリコールマグネシウムの分子式はMg(OCH
2CH
2OH)
2である。
【0010】
前記の煮て洗浄というのは、チップ化したペレットを水と洗剤で120〜130℃と0.2〜0.3MPaの条件下で煮溶かし、さらに洗浄することである。
【0011】
産業用ポリエステル繊維の発展方向は主に高強度、高弾性率、低収縮、寸法安定性、機能化である。ポリエステル繊維の品質に影響を与えるのは高分子の集態構造、具体的に、ポリエステル分子間の作用する力、結晶の形と構造、配向状態などであってが、結晶の形と構造はその中の重点である。
【0012】
低収縮、寸法安定性は高品質なポリエステルに影響を与える主な要因である。ポリエステル繊維のマクロ熱収縮は、外部から熱エネルギーを十分に提供する時、エントロピー増大のため大分子鎖の局所伸び状態がカール状態に発展することが誘発する内部応力、及び紡糸加工中繊維の内で凍結する軸方向の内部応力を分子網構造によって材料の全体へ転送する現象である。
【0013】
ポリエステル繊維は配向の半結晶の高分子材料として、以下の配向安定性違う構造ユニットを含む:(1)高安定の高完全性結晶化部分、(2)比較的に低安定の不完全性結晶化部分、(3)低安定性の結晶化と非晶化の間の過渡層、(4)不安定の配向アモルファス相。ポリエステル繊維に熱を与えると次の現象の発生する可能性がある:配向の非晶相のリバウンドと結晶すること、不完全性結晶化部分の結晶粒の融解または結晶粒の更に厚くなること。結晶の寸法と完全性は繊維の高温寸法安定性を保証する重要な要因である。177℃に熱収縮率が低いのは熱の寸法安定性に優れた繊維であって、2つの構成特徴を持つ:結晶粒のサイズが大きいと結晶完全性が良い。そして、低収縮繊維の品質を保証するのは、繊維の大きい結晶粒サイズ及び良い結晶完全性である。
【0014】
ポリエステルの結晶化に影響を与える要素は主に下記のとおりである:(1)分子鎖自分の構造、(2)結晶温度の選択、(3)分子量の影響、(4)結晶核剤の応用、最後は(5)紡糸条件の影響。その中に結晶核の成形は結晶過程中のとても重要な一環である。結晶核剤はある程度で結晶を加速し、同時に低縮ポリエステル工業糸の結晶のサイズと完全性に影響を与える。
【0015】
ポリエステル中のエンドカルボキシル含有量が高いとポリエステル樹脂の熱安定性が低い。また、ポリエステルとカルボン酸から反応するポリエステル大分子鎖のカルボン酸塩は結晶核剤としてポリエステルの不均一核結晶化を加速する。ポリエステルの中に含む3〜4%のオリゴマーは主に環状のトリマー及びジエチレングリコールで存在する低分子のエーテルとエステルである。そのオリゴマーは結晶核剤としてポリエステルの結晶核成形、結晶化度、結晶の形態と完全性など、特にポリエステル工業糸の熱収縮率に大きい影響を与える。ジエチレングリコールがない純正なポリエステルには、どんな条件が変わっても異常球晶の形態が出ないが、ジエチレングリコールを含むのに晶区内で通常球晶と異常球晶の共存の形態が現れる。さらにジエチレングリコールの含有量の増加に伴って、異常球晶の形態全体での割合が向上するので、ポリエステルの結晶完全性が低下になる。環状トリマーは大体結晶核剤としてポリエステル中に存在し、結晶核を多くにならせ、結晶速度を速くにならせ、結晶粒数を大きくにならせ、しかし結晶粒のサイズを小さくにならせて、結晶完全性に不良な影響を与える。不均一核の向上によって、高安定の高完全性結晶化部分が減らし、比較的に低安定の不完全性結晶化部分及び低安定性の結晶化と非晶化の間の過渡層が増加する。それはポリエステル繊維の熱収縮に悪影響を与える。
【0016】
本発明は一種の超低収縮ポリエステル工業糸を提供する。述べた超低収縮ポリエステル工業糸は、線密度偏差率が1.5%以下、破断強度が7.0cN/dtex以上、破断強度CV値が2.5%以下、破断伸度が20.0±1.5%、破断伸度CV値が7.0%以下である。
【0017】
本発明は一種の超低収縮ポリエステル工業糸を提供する。述べたポリエステルにおける触媒混合物の中にエチレングリコールマグネシウム/エチレングリコールアンチモン質量比は2〜3:1である。
【0018】
本発明は、一種の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法も提供する。述べた超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法は、テレフタル酸とエチレングリコールがエチレングリコールマグネシウムとエチレングリコールアンチモンの混合物を触媒として重縮合させ、チップ化してポリエステルペレットになって;得られたポリエステルを煮て洗浄し、固相重縮合させ;さらに計量、押出し、冷却、オイリング、引き伸ばし、熱定型、巻取りなどのステップを経て繊維に成形させることである。
【0019】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法は、具体的に下記のステップを含む:
(1)エチレングリコールマグネシウム触媒の調製
陽極はマグネシウム、陰極は黒鉛である1室電解槽にエチレングリコールと塩化マグネシウム電解質を添加し、直流電気(始動電圧6〜10V、陰極電流密度150〜200mA)で50〜60℃の下で10〜12時間かけて電解する。電解終了後、電極を取り出した槽内に残る白い懸濁液は減圧濾過で白色の固体になって来る。それを順次に無水アルコールで洗浄し、乾燥する後、エチレングリコールマグネシウムを得る。
(2)エステル化反応と重縮合反応を含むポリエステルの制備
エステル化反応
エステル化産物はテレフタル酸とエチレングリコールから調製するスラリーを窒素雰囲気の中に常圧〜0.3MPaの圧力及び250〜260℃の温度の下で反応させるものである。エステル化反応終点は蒸留水が理論値の90%以上を超える時に判定する。
重縮合反応
重縮合反応は低真空段階と高真空段階を含む。
重縮合反応の低真空段階は、エステル化産物に触媒と安定剤を添加して、常圧から絶対圧力500Pa以下まで徐々に下がる負圧を与えて、温度を260〜270℃に制御して、30〜50分間かけて行うことである。前記の触媒はエチレングリコールマグネシウムとエチレングリコールアンチモンの混合物である。
重縮合反応の高真空段階は、前記の低真空段階の終点から、負圧を100Pa以下まで持続的に与えて、温度を275〜280℃に保持して、50〜90分間かけて行うことである。
得られたポリエステルはチップ化してペレットになる。
(3)煮て洗浄
煮て洗浄というのは前記のポリエステルペレットを水と洗剤で120〜130℃と0.2〜0.3MPaの下で煮溶かして3〜5時間かけて、さらに洗浄することである。
(4)固相重縮合
洗浄したポリエステルペレットは、固相重縮合によりその固有粘度を1.0〜1.2dL/gに向上させて、高固有粘度のポリエステルペレットになる。
(5)主な紡糸工芸パラメータ
前記ステップを経てくるポリエステルペレットは、
押出しの温度が290〜320℃で;
冷却の風温度が20〜30℃で;
引き伸ばしと熱定型における
GR-1の速度が450〜600m/min、温度が常温で、
GR-2の速度が480〜1000m/min、温度が80〜100℃で、
GR-3の速度が1800〜2500m/min、温度が100〜150℃で、
GR-4の速度が2800〜3500m/min、温度が200〜250℃で、
GR-5の速度が2800〜3500m/min、温度が200〜250℃で、
GR-6の速度が2600〜3400m/min、温度が150〜220℃で;
巻取りの速度が2600〜3400m/minで繊維に成形する。
【0020】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法によって、述べたエチレングリコールがテレフタル酸に対してモル比は1.2〜2.0:1である。
【0021】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法によって、述べたエチレングリコールマグネシウムがエチレングリコールアンチモンに対する質量比は2〜3:1であって、この触媒混合物がテレフタル酸に対する質量比は0.01%〜0.05%である。
【0022】
本発明における重縮合触媒はエチレングリコールマグネシウムとエチレングリコールアンチモンの混合物を使う。エチレングリコールマグネシウムは緩やかな重合触媒だけでなく、同時に熱分解係数低い熱分解触媒である。よって、副反応が減らし、エンドカルボキシルとオリゴマーも低下になる。熱分解の主な要因は高温と触媒である。高温の下の反応強度が高すぎるため、分解を加速させ、エンドカルボキシルを生成させ、同時に環状オリゴマーの量を増加させる。触媒は分解反応定数にも関連するため、重縮合反応を加速して反応速度と生産量に影響を与える一方、熱分解とエーテルキーの生成を加速してジエチレングリコール及びエンドカルボキシルの含有量を増加する。
【0023】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法によって、述べた安定剤はリン酸トリフェニルとリン酸トリメチルと亜リン酸トリメチルのいずれか一種類であって、安定剤がテレフタル酸に対する質量比は0.01%〜0.05%である。主にホスファイトを使う安定剤の主要な作用は重合過程の中の自由基を捉えて、副反応を減少する。
【0024】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法によって、述べた煮て洗浄用の水が洗剤に対する質量比は100:3〜4であって、ポリエステルペレットが水と洗剤に対する質量比すなわち固液比は1:5〜10であって、洗剤はグリコールモノエチルエーテルとグリコールモノプロピルエーテルとグリコールモノブチルエーテルのいずれか一種類である。少量の洗剤は水に溶けると多数の低分子のエーテル及びエステルを溶解できるため、洗浄効果の高めるとオリゴマーの減少することに利点がある。
【0025】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法によって、述べた煮て洗浄はポリエステルペレットを煮溶かした後、70〜80℃のお湯で10〜15分間かけて洗い、冷たい水できれいに洗い、乾燥しさらに冷却することである。
【0026】
前記の超低収縮ポリエステル工業糸の製造方法によって、述べたエステル化反応にあたりアンチエーテル剤を添加することもあって、アンチエーテル剤が酢酸ナトリウムと酢酸カルシウムのいずれか一種類であって、アンチエーテル剤の使用量がテレフタル酸に対する質量比は0.01%〜0.05%である。少量のアンチエーテル剤のNaAcを添加するとエーテルの生成が下げるため、エチレングリコールがジエチレングリコールに転換する活性が減らす。
【0027】
本発明の目的は1種の超低収縮ポリエステル工業糸及びその製造方法を提供することである。具体的に、緩やかな触媒のエチレングリコールマグネシウムを使って、重合過程中の副反応と加工過程中の熱分解を減らさせ、紡糸中のオリゴマーの生成量を減らさせる。なお、得られたポリエステルペレットを水と洗剤で120〜130℃と0.2〜0.3MPaの下で煮溶かす。したがって、洗浄効果が向上し、オリゴマーが減らす。重縮合中にオリゴマーが減らし、加工過程中に熱分解が低下することによって、得られたポリエステル中の不純物及び結晶核剤の含有量が急激に減らすため、ポリエステルの不均一核結晶化が低下しながら均一核結晶化の確率が増加する。それは前記のポリエステルから製造する工業用糸の微結晶サイズの成長と結晶完全性の最適化を促進する。