特許第6474948号(P6474948)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474948
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】作業車両の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20190218BHJP
   G01C 21/28 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   G01C21/28
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-36419(P2013-36419)
(22)【出願日】2013年2月26日
(65)【公開番号】特開2014-164623(P2014-164623A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2016年1月12日
【審判番号】不服2017-14284(P2017-14284/J1)
【審判請求日】2017年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】入江 進
(72)【発明者】
【氏名】大門 俊之
【合議体】
【審判長】 渡邊 聡
【審判官】 宮久保 博幸
【審判官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−073017(JP,A)
【文献】 特開2004−046416(JP,A)
【文献】 特開2009−229204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の階層よりなるビルディング内で作業を行う1又は複数の作業車両を管理するための作業車両の管理システムであって、
作業車両に設けられ、高度に対応した外部情報を取得する外部情報取得手段と、
外部情報取得手段で取得された外部情報の伝達を行う情報伝達手段と、
各階層の高度を示す階層高度データを記憶する階層高度記憶手段と、
外部情報取得手段から情報伝達手段を介して前記外部情報を得るとともに階層高度記憶手段から階層高度データを得て、得られた階層高度データ及び外部情報に基づいて、外部情報取得手段が存在する位置の階数を判別する階数判別手段と、を備え、
前記外部情報取得手段が第1の大気圧センサを有し、前記外部情報が当該第1の大気圧センサから所定のタイミングで出力された、当該第1の大気圧センサが存在する高さ位置における大気圧データであり、
大気圧と標高との関連を示す基準気圧データを記憶する基準気圧データ記憶手段をさらに備え、
前記階数判別手段は、基準気圧データ記憶手段より得られる基準気圧データ、前記大気圧データ及び前記階層高度データに基づいて、作業車両が位置する階数を判別するものであり、
ビルディング内の1又は複数の階に設置され、前記外部情報取得手段の前記第1の大気圧センサが大気圧データを出力するタイミングに合わせて大気圧データを出力する第2の大気圧センサを有し、当該第2の大気圧センサによって当該第2の大気圧センサが存在する高さ位置における大気圧を検出して大気圧データを取得する補正情報取得手段と、
補正情報取得手段が設けられている高さ位置の高度データを記憶する高度記憶手段と、
補正情報取得手段より得られる大気圧データ及び高度記憶手段より得られる高度データに基づいて、基準気圧データ記憶手段に記憶されている基準気圧データの補正値を得る補正手段と、をさらに備えることを特徴とする作業車両の管理システム。
【請求項2】
前記作業車両が、その始動と停止とを切り換える切替キーと、当該切替キーの切り替えに応じてオン信号又はオフ信号を出力する信号出力手段と、をさらに搭載し、
時間を計時して時間データを得る計時手段と、
信号出力手段から出力されるオン信号及びオフ信号を、計時手段から得られる時間データに対応させて記憶する稼働状態記憶手段と、
稼働状態記憶手段に時間データと対応させて記憶されたオン信号及びオフ信号に基づいて、作業車両の稼働率を算出する稼働率算出手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の作業車両の管理システム。
【請求項3】
前記作業車両が、車両の位置データを取得する位置情報取得手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の作業車両の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルディング内で作業車両が位置する階数を遠隔で把握することができる作業車両の管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、建築物の内部において数多くの作業車両を用いる場合がある。例えば、ビルディング等の建設現場においては、毎日多数の物資運搬車両、小型クレーン等(以下、単に「作業車両」と記載する)が使用される。このような作業車両は、エレベータ等によってビルディング内の各階に搬送され、その階で作業に利用されるものであり、これら作業車両の日常の管理手段としては、使用号機、使用期間、使用場所等を利用者である作業員が自己申告し、それを台帳に記録して管理者が管理する方法が一般的に行われている。しかしながらこの方法は誤った情報が記録されるおそれがあるものであり、作業車両の位置する階数や使用状態を正確に把握できるものではない。また、管理者が、工事工程の出来高進捗率に応じてリアルタイムで効率的な配車計画の立案を行えるようにするためには、作業車両の位置する階数等を正確に把握することが必要であり、これを実現する方法として、作業が行われている間中、管理者が現場を巡回することが考えられるが、これは非常に手間が掛かる。
【0003】
そこで、現場を巡回することなく作業車両の位置する階数及び使用状態を遠隔で把握するシステムとして、特許文献1には、作業車両を個別に特定する識別データが記憶されたICタグを各作業車両に設けるとともに、各階に設けられた分電盤にそれを個別に特定する識別データが記憶されたICタグを設け、各階にある分電盤を繋ぐ電力線を介して、パーソナルコンピュータに、作業車両及び分電盤の各識別データと、作業車両の稼働率を示すデータとを関連付けて送信する管理システムが開示されている。特許文献1に開示の管理システムでは、充電のために、作業車両の電源ケーブルのプラグを分電盤に接続された電工ドラムのコンセントに差し込むことで、上記の識別データ等をパーソナルコンピュータに送信することが可能であり、また、分電盤のICタグに当該分電盤が設置されている階数データも記憶しておくことで、各作業車両の位置する階数及び稼働率を遠隔で把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−19639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の管理システムは、データの伝達に分電盤や電力線等を利用するものであり、電源ケーブルから充電を行うバッテリー駆動式の作業車両には利用することができるが、電力を充電する必要のないエンジン駆動式の作業車両の管理には使用することができない。また、作業車両の位置する階を把握するためには、全ての階にある分電盤にICタグを設けるとともに作業車両にもICタグを設ける必要があり、さらに前記電工ドラムにこれらのICタグに記憶されているデータを読み取るためのタグリーダを設けることが必要であることから、システムを構成する装置が多く必要でコストが高くなる問題がある。
【0006】
また近年では、高層ビルを解体する方法として上層の階からではなく下層の階から解体していく方法があるが、このような解体現場で特許文献1に開示の管理システムを使用した場合、現時点で作業車両の位置する実質的な階数と、分電盤のICタグに記憶されている階数データの階数値とにずれが生じることから、下層が解体されるたびに分電盤のICタグに記憶されている階数データを変更する必要があり、手間が掛かる。
【0007】
さらに、特許文献1に開示の管理システムでは、作業車両の電源ケーブルのプラグを電工ドラムのコンセントに差し込んでいる間でしか階数を把握することができず、充電期間以外には階数を把握することができないという問題がある。この問題を解決する方法として、作業車両からそのICタグデータを分電盤に無線通信で送信し、受信したICタグデータを分電盤が自身のICタグデータとともにパーソナルコンピュータに送信する方法が考えられるが、この方法では、作業車両のICタグデータが、当該作業車両と異なる階に設置されている分電盤に受信されてしまうおそれがあり、その場合には、作業車両の階数が誤って認識されることになる。
【0008】
本発明は、このような課題を有効に解決することを目的としており、具体的には、対象となる作業車両の駆動形式を選ばず、ビルディング内で当該作業車両の位置する階数を容易且つ正確に把握することができる作業車両の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、かかる目的を達成するために次のような手段を講じたものである。
【0010】
すなわち、本発明の作業車両の管理システムは、複数の階層よりなるビルディング内で作業を行う1又は複数の作業車両を管理するための作業車両の管理システムであって、作業車両に設けられ、高度に対応した外部情報を取得する外部情報取得手段と、外部情報取得手段で取得された外部情報の伝達を行う情報伝達手段と、各階層の高度を示す階層高度データを記憶する階層高度記憶手段と、外部情報取得手段から情報伝達手段を介して前記外部情報を得るとともに階層高度記憶手段から階層高度データを得て、得られた階層高度データ及び外部情報に基づいて、外部情報取得手段が存在する位置の階数を判別する階数判別手段と、を備える。
【0011】
このような構成であることによって、どのような駆動形式の作業車両であっても、階数判別手段が、情報伝達手段を介して外部情報を取得することができるとともに、各階に設けられた他の装置に記憶されている階数データに基づいて階数を判別するのではなく、階数判別手段が外部情報及び階層高度データに基づいて階数を判別するので、外部情報取得手段を搭載した作業車両の位置する階数を正確に判別することができる。また、全ての階にその階数データが記憶されている装置及び当該データを読み取るための装置等を設ける必要がないので、使用する装置が少なくシンプルな構成となってコストを抑えることができる。さらに、例えば下層から解体していくようなビルディングの解体現場で使用した場合には、下層が解体されるたびに、解体された階数に応じて、階層高度データのみを補正するだけで、作業車両の位置する階数を正確に判別することが可能となる。従って、ビルディング内を巡回することなく、各作業車両の位置する階数を遠隔で正確に把握することができるので、作業車両を容易に管理することができる。
【0012】
屋内でも作業車両の位置する階数を正確に判別するためには、前記外部情報取得手段が第1の大気圧センサを有し、前記外部情報が所定のタイミングで当該第1の大気圧センサから出力された、当該第1の大気圧センサが存在する高さ位置における大気圧データであり、大気圧と標高との関連を示す基準気圧データを記憶する基準気圧データ記憶手段をさらに備え、前記階数判別手段は、基準気圧データ記憶手段より得られる基準気圧データ、前記大気圧データ及び前記階層高度データに基づいて、作業車両が位置する階数を判別することが望ましい。
【0013】
季節や天候、気温等による大気圧の変化に伴う誤差を少なくするために本発明は、ビルディング内の1又は複数の階に設置され、前記外部情報取得手段の前記第1の大気圧センサが大気圧データを出力するタイミングに合わせて大気圧データを出力する第2の大気圧センサを有し、当該第2の大気圧センサによって当該第2の大気圧センサが存在する高さ位置における大気圧を検出して大気圧データを取得する補正情報取得手段と、補正情報取得手段が設けられている高さ位置の高度データを記憶する高度記憶手段と、補正情報取得手段より得られる大気圧データ及び高度記憶手段より得られる高度データに基づいて、基準気圧データ記憶手段に記憶されている基準気圧データの補正値を得る補正手段と、をさらに備えることを特徴とする。
【0014】
作業車両の効率的な管理を行うためには、前記作業車両が、その始動と停止とを切り換える切替キーと、当該切替キーの切り替えに応じてオン信号又はオフ信号を出力する信号出力手段と、をさらに搭載し、時間を計時して時間データを得る計時手段と、信号出力手段から出力されるオン信号及びオフ信号を、計時手段から得られる時間データに対応させて記憶する稼働状態記憶手段と、稼働状態記憶手段に時間データと対応させて記憶されたオン信号及びオフ信号に基づいて、作業車両の稼働率を算出する稼働率算出手段と、をさらに備えることが望ましい。
【0015】
作業車両のビルディング内での平面位置も併せて把握するためには、前記作業車両が、車両の位置データを取得する位置情報取得手段をさらに備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明した本発明によれば、どのような駆動形式の作業車両を用いた場合でも、その位置する階数を正確且つ容易に判別することができ、作業車両を効率良く管理することができる作業車両の管理システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係る作業車両の管理システムの概要を示す説明図。
図2】同管理システムを示すブロック図。
図3】大気圧と高度との関係を示すグラフ。
図4】1日における大気圧の変化を示すグラフ。
図5】異なる階に設けられた大気圧センサを介してそれぞれ得られる大気圧データを示すグラフ。
図6図5に示すグラフに基づいて得られ、1Fにおける大気圧と6,7Fにおける大気圧との差を示すグラフ。
図7】基準気圧データの補正量決定処理を示すフローチャート。
図8】階数判別処理を示すフローチャート。
図9】センサ補正値決定処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態である作業車両の管理システム100では、複数の階層からなるビルディング101の各階に搬送されて作業を行う作業車両1a〜1hにそれぞれ搭載されるモニタリングモジュール2a〜2hで大気圧データを取得し、取得した大気圧データを、ネットワーク5を介してパーソナルコンピュータ(以下「PC」と記載する)4に送信し、PC4において、受信した大気圧データとビルディング101の各階の高度を示す階層高度データとに基づいて作業車両1a〜1hの位置する階数を判別する。以下、個別に特定する必要がない場合には、作業車両1a〜1hを作業車両1と記載し、モニタリングモジュール2a〜2hをモニタリングモジュール2と記載する。
【0020】
外部情報取得手段としてのモニタリングモジュール2は、工事現場の作業員等が容易に持ち運んで作業車両1の側面等に固定することが可能な大きさ及び重量を有し、外観が箱体状のものである。作業車両1としてはエンジン駆動式のものであってもバッテリー駆動式のものであっても用いることができる。図2に示すように、モニタリングモジュール2は、制御手段20と、大気圧センサ21と、加速度センサ22と、角速度センサ23と、GPS(Global Positioning System)受信機24と、記憶手段25と、送受信部26と、出力データ取得手段27と、を含む。
【0021】
制御手段20は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を主体として装置全体を制御するものであり、記憶手段25からプログラムやデータを取得して所定の処理を行う。制御手段20は、センサ補正部200を含む。
【0022】
大気圧センサ21は、作業車両1の周囲の大気圧を検出し、大気圧データを出力データ取得手段27へ出力する。加速度検出手段としての加速度センサ22は、作業車両1の加速度を検出し、加速度データを出力データ取得手段27へ出力する。角速度検出手段としての角速度センサ23は、作業車両1の方向変換時において作業車両1が単位時間に回転する角度である角速度を検出し、角速度データを出力データ取得手段27へ出力する。
【0023】
位置情報取得手段としてのGPS(Global Positioning System)受信機24は、図示しない複数の衛星からそれぞれ発信される電波に基づいてモニタリングモジュール2の位置データ(緯度、経度、高度)を取得し、取得した位置データを出力データ取得手段27へ出力する。
【0024】
記憶手段25は、モニタリングモジュール2で実行されるプログラムや作業車両1を個別に特定するための識別データ、センサ補正用データ等が予め記憶されている。例えば、識別データとして、図1に示すモニタリングモジュール2aの記憶手段25は作業車両1aを特定可能なデータを記憶し、モニタリングモジュール2hの記憶手段25は作業車両1hを特定可能なデータを記憶している。センサ補正用データは、出力データ取得手段27が取得した大気圧データを補正するためのデータである。
【0025】
作業車両1は、さらに運転スペースに設けられて作業車両1の始動と停止とを切り替える切替キー10と、切替キー10の切り替わりに応じてオン信号又はオフ信号を出力する信号出力手段11と、表示手段13と、入力部14とを含む。
【0026】
表示手段13は、作業車両1の運転スペース等に配置された表示画面13aを制御するものである。入力部14は、作業員等によって入力される、後述する訂正データを受け付けるものであり、例えば表示画面13aの近傍に配置された、数字等を入力可能な入力ボタンである。
【0027】
出力データ取得手段27は、大気圧センサ21から大気圧データ、加速度センサ22から加速度データ、角速度センサ23から角速度データ、GPS受信機24から位置データ、信号出力手段11から作業車両1の始動又は停止を示すデータとなるオン信号及びオフ信号をそれぞれ出力させてこれらのデータを取得し、送受信部26を介してこれらのデータをPC4へ送信する。
【0028】
制御手段20に含まれるセンサ補正部200は、必要に応じて、PC4へ送信する前に出力データ取得手段27が取得した大気圧データを補正するものである。工事期間が長い場合など大気圧センサ21を長期間にわたって使用すると、大気圧センサ21から出力される大気圧データの値が徐々に正確な値からずれていくことが考えられるが、センサ補正部200は後述するセンサ補正値決定処理で決定されたセンサ補正値に基づいて、出力データ取得手段27が取得した大気圧データを補正するものである。
【0029】
補正情報取得手段としてのリファレンスモジュール3は、ビルディング101内の全ての階に設置されており、モニタリングモジュール2と同様に作業員等が容易に持ち運んで壁や天井等に固定することが可能な大きさ及び重さであり、外観が箱体状のものである。なお、リファレンスモジュール3は全ての階に設置されている必要はない。
【0030】
リファレンスモジュール3は、図示しないCPU(Central Processing Unit)を主体として装置全体を制御する制御手段30と、リファレンスモジュール3で実行されるプログラムやリファレンスモジュール3を個別に識別する識別データ等が記憶された記憶手段31と、リファレンスモジュール3の設置位置における大気圧を検出する大気圧センサ32と、大気圧センサ32から出力された大気圧データを送受信部33を介してPC4へ送信する出力データ取得手段34と、送受信部33とを含む。
【0031】
PC4は、本実施形態では、図1に示すように工事期間中ビルディング101の1階に仮設された事務所102内に設置されており、工事責任者等の管理者によって操作可能なものである。図2に示すように、PC4は、ネットワーク5を介してモニタリングモジュール2及びリファレンスモジュール3と接続されており、図示しないCPU(Central Processing Unit)を主体とし装置全体を制御する制御手段40と、PC4で実行されるプログラムやデータ等が記憶されたRAMやROM等からなる記憶手段41と、時間を測定して時間データを出力する計時手段42と、表示画面43と、ネットワーク5に接続された送受信部44とを含む。PC4は送受信部44を介してモニタリングモジュール2から大気圧データ等のデータを受信する。
【0032】
図2に示すように記憶手段41は、階数記憶部410と、ビル情報記憶部411と、高度記憶部412と、基準気圧データ記憶部413と、稼働状態記憶部414と、平面位置記憶部415とを含む。
【0033】
階数記憶部410には、階数判別部400で判別された作業車両1の位置する階数を示す階数データが、作業車両1を識別する識別データと関連付けて記憶される。
【0034】
ビル情報記憶部411は、ビルディング101に関するデータが予め記憶されており、ビル情報記憶部411の階層高度記憶部411aには、ビルディング101内の全ての階の高度h1(図1参照)を示す階層高度データが予め記憶されている。階層高度データにて示される各階の高度h1の基準位置は、天井、床、又は、天井と床との中間高さ位置等であり本実施形態では床の高さ位置である。なお、図1では、2階の高度h1を図示している。
【0035】
高度記憶部412には、リファレンスモジュール3a〜3hが設置されている位置の高度h3を示す高度データが、リファレンスモジュール3a〜3h毎に予め記憶されている。なお、図1では、リファレンスモジュール3aの高度h3を図示している。
【0036】
基準気圧データ記憶部413は、大気圧と標高との関連を示す基準気圧データ、基準気圧データの補正量、及びこの補正量に基づいて補正された基準気圧データを記憶する。大気圧は高度が高くなるにつれて低くなるものであり、基準気圧データとしては、縦軸を高度とし、横軸を大気圧とした図3に示すようなグラフが挙げられる。
【0037】
また、大気圧と高度との関係は、下記近似式(1)で表されることが知られており、この式に基づいて求められる海抜0mにおける大気圧の値を基準気圧データとしてもよい。海抜0mにおける大気圧の具体的な値は、1013.25hPaである。
【0038】
【数1】
【0039】
上記近似式(1)において、Pは測定位置での大気圧(hPa)、hは測定位置の標高(m)、Pは海抜0mでの大気圧(hPa)、tは海抜0mにおける気温(℃)を示す。
【0040】
なお、上記式(1)におけるt。は下記式(2)から求められる。
t。=t+0.0065h・・・(2)
【0041】
上記式(2)において、tは測定位置における気温(℃)、hは測定位置の標高(m)を示す。
【0042】
図2に示す稼働状態記憶部414は、オン信号又はオフ信号に基づくデータを出力データ取得手段27を介して取得し、当該データを計時手段42で取得された時間データと関連付けて順次記憶する。
【0043】
平面位置記憶部415は、平面位置把握部403で求められた作業車両1の平面位置のデータや、GPS受信機24で取得されてモニタリングモジュール2から送信された位置データを記憶する。
【0044】
制御手段40は、記憶手段41からプログラムやデータを呼び出して所定の処理を行うCPUを主体としたものであり、基準気圧データ補正部401と、階数判別部400と、稼働率算出部402と、平面位置把握部403と、を含む。
【0045】
基準気圧データ補正部401は、基準気圧データの補正量を求めるとともに、この補正量に基づいて基準気圧データを補正する。
【0046】
大気圧は高度が一定であっても季節や天候、気温によって変化し、この変化は数秒間又は数分間という短い間に起こるものである。そのため、大気圧は、一日のうちでも例えば図4に示すように頻繁に変化し、これに対応するために基準気圧データ補正部401は、高度が明らかな大気圧センサから出力された大気圧データを定期的に取得し、新たに取得した大気圧データに基づいて基準気圧データの補正量を求める。
【0047】
例えば図3に示すような大気圧と高度との関係を示すグラフのデータを基準気圧データとした場合には、リファレンスモジュール3で取得された大気圧データと、高度記憶部412に記憶されているリファレンスモジュール3の高度データとに基づいて、グラフの傾き量等の補正量を求める。このときに所定の補正式を用いてもよい。
【0048】
また、海抜0mの大気圧の値を基準気圧データとした場合には、リファレンスモジュール3から送信された大気圧データ(P)と、リファレンスモジュール3の高度データ(h)と、所定の方法で取得した海抜0mにおける気温(t)とを上記近似式(1)に当てはめることで、新たに海抜0mの大気圧を算出し、この算出結果に基づいて、基準気圧データの補正量を求める。
【0049】
基準気圧データ補正部401は、このようにして求めた補正量に基づいて、基準気圧データを補正して補正後の基準気圧データを得るものであり、図3に示すグラフの中で、実線で示すデータを基準気圧データとした場合には、例えば図3に示すグラフの中で二点鎖線で示すデータのように補正されて補正後の基準気圧データが得られる。
【0050】
図2に示す階数判別手段としての階数判別部400は、モニタリングモジュール2から送信された大気圧データと、基準気圧データ記憶部413に記憶されている補正後の基準気圧データとを用いて、モニタリングモジュール2の高度h2(図1参照)を求め、この高度データを、階層高度記憶部411aに記憶された階層高度データに照らし合わせることで、そのモニタリングモジュール2が存在する位置の階数、すなわちモニタリングモジュール2が搭載されている作業車両1の位置する階数を判別する。
【0051】
図5は、例えば1Fに設置されたリファレンスモジュール3の大気圧センサ32を介して得られる大気圧データと、6F及び7Fにそれぞれ存在するモニタリングモジュール2の大気圧センサ21を介して得られる大気圧データとを時系列で示すものである。図6は、図5のグラフに基づいて作成されたものであり、1Fに設置されたリファレンスモジュール3の大気圧センサ32を介して得られる大気圧データと、6F及び7Fにそれぞれ存在するモニタリングモジュール2の大気圧センサ21を介して得られる大気圧データとの差を示したものである。
【0052】
前述のように大気圧は高度が高くなるにつれて低くなるものであるため、図5に示されるように、ビルディング101内に存在する大気圧センサ21,32を介して得られる大気圧データは、全体的に同様の波形を有しつつ、上方の階に存在する大気圧センサ21,32を介して得られるものほど値が小さくなる。さらに、図6に示されるように、1Fと7Fとの大気圧データの差の方が、1Fと6Fとの大気圧データとの差よりも常に大きくなっており、わずか1階分だけ高さ位置の異なる各大気圧センサ21を介して得られる大気圧データであっても、明確に区別可能な程度の差異があることが分かる。そのため、階数判別部400は、モニタリングモジュール2から送信された大気圧データ等に基づいて前述のようにして作業車両1の位置を判別することができる。なお、図1では、モニタリングモジュール2bの高度h2を図示している。
【0053】
モニタリングモジュール2の高度データを取得する方法としては、大気圧と高度との関係を示すグラフのデータを基準気圧データとする場合には、補正後のグラフのデータと、モニタリングモジュール2から送信された大気圧データとを用いることでモニタリングモジュール2の高度h2(図1参照)を求める。また、海抜0mの大気圧を基準気圧データとした場合には、上記近似式(1)に、海抜0mの大気圧、モニタリングモジュール2から送信された大気圧データ、海抜0mの温度データを当てはめることでモニタリングモジュール2の高度h2を求める。このようにして求めたモニタリングモジュール2の高度h2のデータを階層高度データに照らし合わせることで、作業車両1の位置する階数を判別する。
【0054】
また階数判別部400は、判別された階数を、作業車両1の識別データと関連付けて階数記憶部410に記憶させる。
【0055】
図2に示す稼働率算出部402は、稼働状態記憶部414に順次記憶されたオン信号及びオフ信号に基づいて、作業車両1の稼働率を算出する。オン信号及びオフ信号は、PC4がそれらのデータを受信したときの時間データとともに稼働状態記憶部414に記憶されていることから、稼働率算出部402は、オン信号及びオフ信号に基づいて、所定の期間(一日や一週間等)における作業車両1の稼働率を算出することができる。
【0056】
平面位置把握手段としての平面位置把握部403は、出力データ取得手段27から送信された加速度データの加速度の値を積分することで作業車両の速度を算出し、算出した速度と、出力データ取得手段27から送信された角速度データとから作業車両1の平面位置を求め、求めた平面位置に基づいて平面位置データを取得する。前述のように、作業車両1が、車両の加速度を検出して加速度データを出力する加速度センサ22と、車両の角速度を検出して角速度データを出力する角速度センサ23と、を搭載し、平面位置把握部403が、ネットワーク5を介して加速度センサ22から加速度データを取得するとともに角速度センサ23から角速度データを取得し、取得した加速度データ及び角速度データに基づいて作業車両1の平面位置を算出するように構成しているので、作業車両1のビルディング101内での平面位置をGPS受信機24を用いることなく求めることができる。なお、平面位置把握部403で得られる作業車両1の平面位置のデータと、GPS受信機24を用いて求められた作業車両1の平面位置のデータと照らし合わせることで、作業車両1の平面位置をより正確に把握することができる。
【0057】
モニタリングモジュール2とPC4、及び、リファレンスモジュール3とPC4とを接続する情報伝達手段としてのネットワーク5は、本実施形態では無線のネットワークであり、IEEE802.15.4に準拠したZigBee(登録商標)であるが、有線又は無線のネットワークを構築することができれば、有線LAN、無線LAN、携帯端末、ワイヤレスLANメッシュ等を特に限定されない。無線LANを用いた場合には、ビルディング101内にルーターを設置する必要があるが、ZigBeeを使用することで、図1に示すように、リファレンスモジュール3a〜3hが中継局の役割を果たし、リファレンスモジュール3a〜3hと、ビルディング101内の作業車両1a〜1hとで自動的に無線ネットワークが形成されるようになる。
【0058】
以下、階数判別処理を説明するために、まず、リファレンスモジュール3を用いた基準気圧データの補正量決定処理について説明する。
【0059】
図7に示すように、リファレンスモジュール3の制御手段30は、記憶手段31からリファレンスモジュール3の識別データを取得し、取得した識別データを送受信部33を介してPC4に送信する。また、出力データ取得手段34は、大気圧センサ32に大気圧を検出させて大気圧データを取得し、取得した大気圧データを送受信部33を介してPC4に送信する(ステップSP1)。
【0060】
PC4の制御手段は、リファレンスモジュール3から送信された識別データを、送受信部44を介して受信するとともに、リファレンスモジュール3から送信された大気圧データを、送受信部44を介して受信し(ステップSP11)、受信した大気圧データを、識別データと関連付けて記憶手段41に記憶させる。
【0061】
基準気圧データ補正部401は、高度記憶部412から、前の処理で受信した識別データに対応するリファレンスモジュール3の高度データを取得する。また、前の処理で記憶手段41に記憶した大気圧データを取得するとともに、基準気圧データ記憶部413から基準気圧データを取得する(ステップSP12)。その後、基準気圧データ補正部401は、当該高度データ及び当該大気圧データに基づいて基準気圧データの補正量を決定し(ステップSP13)、決定した補正量を基準気圧データ記憶部413に記憶させ(ステップSP14)、基準気圧データの補正量決定処理の終了となる。以上のような補正量決定処理は、一定の時間間隔(本実施形態では6分間毎)で常時行われる。
【0062】
図8に示す階数判別処理は、信号検出手段11が、オン信号を出力することで開始される。
【0063】
モニタリングモジュール2の制御手段20は、記憶手段25から作業車両1の識別データを取得し、取得した識別データを送受信部26を介してPC4に送信する。また、オン信号を送受信部26を介してPC4に送信する(ステップSP21)。
【0064】
モニタリングモジュール2の出力データ取得手段27は、大気圧センサ21に大気圧データを出力させて大気圧データを取得し、取得した大気圧データを送受信部を介してPC4に送信する(ステップSP22)。
【0065】
PC4の制御手段40は、モニタリングモジュール2から送信された作業車両1の識別データを、送受信部44を介して受信するとともに、モニタリングモジュール2から送信されたオン信号を、送受信部44を介して受信し(ステップSP31)、計時手段42からオン信号受信時の時間データを取得して、受信した識別データ及びオン信号を時間データと関連付けて稼働状態記憶部414に記憶させる。さらに制御手段40は、モニタリングモジュール2から送信された大気圧データを、送受信部44を介して受信し(ステップSP32)、受信した大気圧データを作業車両の識別データと関連付けて記憶手段41に記憶させる。
【0066】
階数判別部400は、記憶手段41から大気圧データを取得するとともに基準気圧データ記憶部413から補正後の基準気圧データを取得して(ステップSP33)、取得した大気圧データ及び補正後の基準気圧データに基づいて、モニタリングモジュール2が設けられている位置の高度h2を求める(ステップSP34)。また、階数判別部400は、階層高度記憶部411aから階層高度データを取得し、取得した階層高度データ及びモニタリングモジュール2の高度h2のデータに基づいて、モニタリングモジュール2が設置されている位置の階数、すなわち作業車両1の位置する階数を判別する(ステップSP35)。さらに階数判別部400は、取得した階数データをモニタリングモジュール2の識別データと関連付けて階数記憶部410に記憶させるとともにPC4の表示画面43に表示させて(ステップSP36)、階数判別処理の終了となる。以上のような作業車両1の位置する階数の判別は、作業車両1が稼働している間のみ、一定の時間間隔(本実施形態では6分間毎)で行われる。上記のように、モニタリングモジュール2及びリファレンスモジュール3がそれぞれ有する大気圧センサ21,32が、作業車両1が稼働している間、一定の時間間隔で大気圧データをそれぞれ出力するように構成されているので、作業車両1が別の階へ移動した場合でも作業車両1のその時点で位置する階を正確に把握することができる。
【0067】
なお、前述のように大気圧は短い期間で変化することから、モニタリングモジュール2の大気圧センサ21が大気圧を検出するタイミングと、リファレンスモジュール2の大気圧センサ32が大気圧を検出するタイミングとを合わせるような処理を行うことで、作業車両1の位置する階数をより正確に判別できる。
【0068】
また、PC4の制御手段40は、オフ信号を受信した場合にもオン信号を受信した場合と同様に、そのオフ信号を、受信時の時間データと関連付けて稼働状態記憶部414に記憶し、稼働率算出部402は、このようにして稼働状態記憶部414に記憶されたオン信号、オフ信号及び時間データに基づいて作業車両1の稼働率を算出する。
【0069】
次に、以上のようにして取得された階数データを用いて行われる、センサ補正値決定処理について説明する。
【0070】
図9に示すように、PC4の制御手段40は、階数記憶部410から階数データを取得し、取得した階数データをそれに関連付けられている識別データに対応するモニタリングモジュール2へ送信する(ステップSP41)。
【0071】
モニタリングモジュール2の制御手段20は、送受信部26を介して階数データを受信し(ステップSP51)、表示手段13は、受信された階数データを表示画面13aに表示させる(ステップSP52)。制御手段20は、入力部14を介して所定の時間内に訂正データが入力されたかどうか判断し(ステップSP53)、訂正データの入力がないと判断した場合(ステップSP53:NO)、センサ補正値を決定しないままセンサ補正値決定処理を終了する。訂正データの入力があると判断した場合(ステップSP53:YES)、制御手段20は、記憶手段25からセンサ補正用データ、入力部14から訂正データを取得するとともに、PC4から送信された階数データを取得し、階数データと訂正データとセンサ補正用データとに基づいてセンサ補正値を決定し(ステップSP54)、センサ補正値決定処理の終了となる。決定されたセンサ補正値は記憶手段25に記憶される。センサ補正部200は、次回以降、大気圧センサ21が大気圧データを出力する毎に、このセンサ補正値に基づいて、出力データ取得手段27が取得した大気圧データを補正する。センサ補正値が決定されなかった場合には、出力データ取得手段27が取得した大気圧データの補正を行わない、又は、これ以前にセンサ補正値決定処理を行っている場合には、そのときに決定したセンサ補正値に基づいて大気圧データの補正を行う。
【0072】
なお、センサ補正用データは、例えば階数データに示される階数と、訂正データに示される階数との誤差に応じて大気圧データの値をどの程度小さく又は大きく補正するか規定したものである。
【0073】
このように階数判別部410より入力された階数データを表示画面13aに表示させるように構成しているので、階数判別部400で判別された階数が正確かどうか、作業車両1を使用して作業している作業員等が確認できるようになり、大気圧センサ21から出力される大気圧データの値が徐々に正確な値からずれていくこと等から生じる装置の不備を容易に確認することができる。また、センサ補正値に基づいて出力データ取得手段27が取得した大気圧データを補正することで、前述のような装置の不備による影響を抑制することができる。
【0074】
以上のように本実施形態の作業車両の管理システム100は、複数の階層よりなるビルディング101内で作業を行う複数の作業車両1を管理するための作業車両の管理システムであって、作業車両1に設けられ、高度に対応した外部情報としての大気圧データを取得する外部情報取得手段としてのモニタリングモジュール2と、モニタリングモジュール2で取得された大気圧データの伝達を行う情報伝達手段としてのネットワーク5と、各階層の高度h1を示す階層高度データを記憶する階層高度記憶手段としての階層高度記憶部411aと、モニタリングモジュール2からネットワーク5を介して大気圧データを得るとともに階層高度記憶部411aから階層高度データを得て、得られた階層高度データ及び大気圧データに基づいて、モニタリングモジュール2が存在する位置する階数を判別する階数判別手段としての階数判別部400と、を備えるように構成したものである。
【0075】
このように構成しているため、どのような駆動形式の作業車両1であっても、階数判別部400が、ネットワーク5を介してモニタリングモジュール2から大気圧データを取得することができる。また、各階に設けられた他の装置に記憶されている階数データに基づいて階数を判別するのではなく、階数判別部400が大気圧データ及び階層高度データに基づいて階数を判別するので、モニタリングモジュール2から送信された大気圧データが他の階にあるリファレンスモジュール3のみに受信されてPC4まで伝達された場合にも、モニタリングモジュール2を搭載した作業車両1の位置する階数を正確に判別することができる。また、全ての階にその階数データが記憶されている装置及び当該データを読み取るための装置等を設ける必要がないので、使用する装置が少なくシンプルな構成となってコストを抑えることができる。さらに例えば下層から解体していくようなビルディング101の解体現場で使用した場合には、下層が解体されるたびに、解体された階数に応じて、階層高度データのみを補正するだけで、作業車両1の位置する階数を正確に判別することが可能となる。従って、ビルディング101内を巡回することなく、各作業車両1の位置する階数を遠隔で正確に把握することができるので、作業車両1を容易に管理することができる。
【0076】
また、大気圧と標高との関連を示す基準気圧データを記憶する基準気圧データ記憶手段としての基準気圧データ記憶部413をさらに備え、階数判別部400は、基準気圧データ記憶部413より得られる基準気圧データ、前記大気圧データ及び前記階層高度データに基づいて、作業車両1が位置する階数を判別するように構成しているので、作業車両1の位置する階数をより正確に判定することができる。例えば作業車両1の高度を検出する方法としてGPSを利用する方法も考えられるが、この方法では、衛星から発信された電波がビルディング101の壁面で遮られる又は反射する等で正確に階数を把握することができないことがある。高度と相関関係のある大気圧データを用いることで、屋内等、GPSによって作業車両1の高さ位置を正確に検出することができない場合であっても作業車両1の位置する階数を正確に把握することができる。
【0077】
また、ビルディング101内の複数の階に設置され、大気圧センサ32を有し、当該大気圧センサ32によって当該大気圧センサ32が存在する高さ位置における大気圧を検出して大気圧データを取得する補正情報取得手段としてのリファレンスモジュール3と、リファレンスモジュール3が設けられている高さ位置の高度データを記憶する高度記憶手段としての高度記憶部412と、リファレンスモジュール3より得られる大気圧データ及び高度記憶部412より得られる高度データに基づいて、基準気圧データ記憶部413に記憶されている基準気圧データの補正量を得る基準気圧データ補正部401と、をさらに備えるように構成しているので、作業車両1の位置する階数を判別する際に、判定時の季節や天候、気温等を考慮した基準気圧データを用いることができ、大気圧の変化に伴う誤差を少なくして階数判定の精度を向上させることができる。
【0078】
また、前記作業車両1が、その始動と停止とを切り換える切替キー10と、当該切替キー10の切り替えに応じてオン信号又はオフ信号を出力する信号出力手段11と、をさらに搭載し、時間を計時して時間データを得る計時手段42と、信号出力手段11から出力されるオン信号及びオフ信号を、計時手段42から得られる時間データに対応させて記憶する稼働状態記憶手段としての稼働状態記憶部414と、稼働状態記憶部414に時間データと対応させて記憶されたオン信号及びオフ信号に基づいて、作業車両1の稼働率を算出する稼働率算出手段としての稼働率算出部402と、をさらに備えるように構成しているので、作業車両1を効率的に管理することができる。例えば、この稼働率に基づいて、作業量の相対的に多い階で作業を行う作業車両1と、作業量の相対的に少ない階で作業を行う作業車両1とを入れ替える等の処置を行うことで、特定の作業車両1の使用量が増えて故障するという事態を避け、複数の作業車両1を効率良く使用することができる。さらに上記のような構成であると稼働率を容易に算出することができ、汎用性が高いものである。
【0079】
また、前記作業車両1が、車両の位置データを取得する位置情報取得手段としてのGPS受信機24をさらに備えるように構成しているので、作業車両1のビルディング101内での平面位置をも把握することができ、作業車両1をより綿密に管理することができる。
【0080】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0081】
本実施形態では、基準気圧データを補正するためにリファレンスモジュール3から送信された大気圧データとリファレンスモジュール3に関する高度データとを用いたが、リファレンスモジュール3がさらに温度計を有する構成とし、前記大気圧データ及び前記高度データと併せてその温度計で得られた温度データを用いてもよい。そうすることで、より正確に基準気圧データを補正することができる。
【0082】
また、本実施形態では、作業車両1の位置する階数の判別を、作業車両1が稼働している間のみ6分間隔で行ったが、これよりも短い時間間隔で行ってもよく、長い時間間隔で行ってもよい。また切替キー10が切り替わったタイミングでのみ行うようにしてもよく、管理者が指示したタイミングで行うようにしてもよい。時間間隔を短くすることで、作業車両1の移動等をリアルタイムで把握することが可能となる。
【0083】
また、モニタリングモジュール2及びリファレンスモジュール3がそれぞれ有する大気圧センサ21,32は、作業車両1の稼働が停止している間にも、大気圧データをそれぞれ出力するように構成してもよく、これによって他の作業車等により作業車両1がその稼働の停止中に他の階へ搬送された場合にも、搬送された作業車両1の配置されている階数を判別でき、作業車両1のその時点で位置する階数を正確に把握することができる。
【0084】
また、本実施形態では、リファレンスモジュール3を全ての階に設置したが、少なくともいずれかの階に1つ設置されていればよい。
【0085】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0086】
1・・・作業車両
2・・・外部情報取得手段(モニタリングモジュール)
3・・・補正情報取得手段(リファレンスモジュール)
5・・・情報伝達手段(ネットワーク)
10・・・切替キー
11・・・信号検出手段
21・・・第1の大気圧センサ(大気圧センサ
24・・・位置情報取得手段(GPS受信機)
32・・・第2の大気圧センサ(大気圧センサ
42・・・計時手段
100・・・管理システム
101・・・ビルディング
400・・・階数判別手段(階数判別部)
401・・・基準気圧データ補正手段(基準気圧データ補正部)
402・・・稼働率算出手段(稼働率算出部)
411a・・・階層高度記憶手段(階層高度記憶部)
412・・・高度記憶手段(高度記憶部)
413・・・基準気圧データ記憶手段(基準気圧データ記憶部)
414・・・稼働状態記憶手段(稼働状態記憶部)
h1・・・高度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9