(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ボトムレールが上下動することで開閉される横型ブラインドの高さ調整装置であってラダーテープの引き出し長さの把握が容易なもの、及びこの高さ調整装置を備える横型ブラインドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ボトムレールが上下動することで開閉される横型ブラインドの高さ調整装置であって、ボトムレールに固定されるホルダと、ホルダ内に設けられ、ボトムレールを支持するラダーテープをホルダ内に引き込み可能に挟圧する挟圧部材と、ラダーテープの引き込み長さを調整する調整部材と、を備える高さ調整装置である。
【0009】
これによれば、ラダーテープをホルダ内に引き込み、その引き込み長さを調整部材により調整し、挟圧部材により挟圧して固定することで、ラダーテープの長さを調整することができる。
なお、ここで「調整部材」とは、使用時にラダーテープの長さを把握して調整するために用いられる部材全般を言う。例えばラダーテープの引き込み長さに所定の長さの変動がある毎に、音を発生したり引き込みに要する力量を変化させたりする部材は、調整部材に含まれる。
【0010】
本発明の高さ調整装置は、調整部材は、ラダーテープの所定の引き込み長さ毎に嵌合する部材を備えることを特徴とする。
【0011】
これによれば、音や振動の感触(クリック感)が、所定の引き込み長さ毎に発生する。その音やクリック感を数えることで、容易に引き込み長さを把握することができる。
【0012】
本発明の高さ調整装置は、狭圧部材は、ラダーテープを挟んで互いに逆方向に回転する一対のローラであり、調整部材は、一対のローラのうちの少なくとも一方のローラの外面及びこの外面に対向する一面の一方に設けられた凸部と、この凸部が嵌合する外面及び一面の他方に設けられた少なくとも1つの凹部を有することを特徴とする。
【0013】
これによれば、一対のローラの回転角度の少なくとも1角度において一方のローラの外面及びこの外面に対向する一面の一方に設けられた凸部が他方に設けられた凹部に嵌合することで、ラダーテープの引き込み量に対応するローラの回転角を調整することができる。
【0014】
本発明の高さ調整装置は、凹部は、一方のローラの回転角度に対して等間隔に2以上設けられることを特徴とする。
【0015】
これによれば、一対のローラの回転角度の複数角度においてローラの回転角を調整することができるとともに、ローラの回転角を細かく調整することでラダーテープの引き込み長さを調整することができる。
【0016】
本発明の高さ調整装置は、狭圧部材は、ホルダの一部との間でラダーテープを挟んで回転するローラであり、調整部材と、ローラの外面及びこの外面に対向する一面の一方に設けられた凸部と、この凸部とが嵌合する外面及び一面の他方に設けられた凹部を有することを特徴とする。
【0017】
これによれば、ローラの回転角度の少なくとも1角度においてローラの外面及びこの外面に対向する一面の一方に設けられた凸部が他方に設けられた凹部に嵌合することで、ラダーテープの引き込み量に対応するローラの回転角を調整することができる。
【0018】
本発明の高さ調整装置は、凹部は、ローラの回転角度に対して等間隔に2以上設けられることを特徴とする。
【0019】
これによれば、一対のローラの回転角度の複数角度においてローラの回転角を調整することができるとともに、ローラの回転角を細かく調整することでラダーテープの引き込み長さを調整することができる。
【0020】
本発明の高さ調整装置は、ローラに係合してこのローラの回転を固定する固定部材をさらに備えることを特徴とする。
【0021】
これによれば、固定部材によりローラの回転を固定することでラダーテープを留めることができる。
【0022】
本発明の高さ調整装置は、ホルダは、このホルダ内に引き込まれたラダーテープをホルダ外に繰り出す開口を有し、開口及びこの開口から繰り出されるラダーテープを覆うカバーをさらに備えることを特徴とする。
【0023】
これによれば、ホルダ内に引き込まれたラダーテープを開口を介してホルダ内に繰り出し、カバーを用いて繰り出したラダーテープとともに開口を覆うことができる。
【0024】
本発明は、ボトムレールが上下動することで開閉される横型ブラインドであって、ボトムレールと、ボトムレールを支持する複数のラダーテープと、複数のラダーテープのそれぞれに設けられる本発明の高さ調整装置と、を備える横型ブラインドである。
【0025】
これによれば、複数のラダーテープのそれぞれに設けられる高さ調整装置において、調整部材を用いてラダーテープの長さを統一することで、ボトムレールを水平に維持してその高さを調整することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の高さ調整装置によれば、ボトムレールを支持するラダーテープの長さを精密に調整することが可能となる。
【0027】
また、本発明の横型ブラインドによれば、高さ調整装置によりラダーテープの長さを調整することでボトムレールの高さを調整することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態に係る横型ブラインド2について説明する。
【0030】
図1の正面図及び
図2の側面図に、横型ブラインド2の構成を示す。横型ブラインド2は、ヘッドボックス7、複数のスラット13、ラダーテープ10(テープ片10a,10b)、操作棒16、ボトムレール12、昇降コード31、及び高さ調節装置(テープホルダ)20から構成される。
【0031】
ヘッドボックス7は、幅方向に延びる金属製の筺体であり、その内部に、所定の間隔で配置された支持部材5により幅方向に延びる角度調節軸8が支持されている。支持部材5には、ドラム6が回転可能に支持されている。ドラム6に、後述する帯状のラダーテープ10が固定されている。
【0032】
複数のスラット13は、幅方向に延びる金属製の遮光板であり、
図2よりわかるように、そりを設けることで一定の強度が確保されている。
図3よりわかるように、各スラット13にはその短手方向に延びるコード孔13hが形成されている。
【0033】
ラダーテープ10は、例えば布製のテープ片であり、
図2より分かるように、複数のスラット13の前側及び後側にそれぞれ垂下するテープ片10a,10bを有する。テープ片10a,10bの下端が、後述する高さ調節装置20により、ボトムレール12の下側で連結される。ラダーテープ10は、複数のスラット13及びボトムレール12を支持する。
【0034】
図3に示すように、テープ片10a,10bは複数のスラット13を挟んで一面(対向面)を対向している。テープ片10a,10bのそれぞれの対向面の間に、上下方向に一定の間隔で幅方向に離間して各2つの挟持糸15が架けられている。挟持糸15は、2つの糸が束ねられて成形されている。各2つの挟持糸15上にスラット13が配置され、それにより複数のスラット13がラダーテープ10に支持される。
【0035】
操作棒16は、ヘッドボックス7の右端から吊り下げられている。操作棒16を操作して回転することにより、ヘッドボックス7内に配設されるギア機構(不図示)を介して角度調節軸8が回転し、それによりドラム6が回転して、ラダーテープ10を構成するテープ片10a,10bの一方(他方)がヘッドボックス7内に巻き取られる(ヘッドボックス7外に巻き出される)。それにより、テープ片10a,10bの間に架けられた挟持糸15が傾斜することで、複数のスラット13の角度が調節される。
【0036】
ボトムレール12は、幅方向に延びる金属製の板状部材であり、ラダーテープ10により、複数のスラット13の最下段のスラットのさらに下段に吊り下げ支持される。ボトムレール12の重量は、複数のスラット13のそれより大きく、錘の役割を果たす。それにより、横型ブラインド2が鉛直方向に垂下される。
【0037】
昇降コード31は、その一端がヘッドボックス7から降り、複数のスラット13のそれぞれに形成されたコード孔13hに挿通され、ボトムレール12に固定される。他端は、支持部材5を介してヘッドボックス7内を案内され、その右側の開口から垂下される。ここで、昇降コード31(の他端)を下方へ引くことで、ボトムレール12が複数のスラット13を積み重ねつつ上昇する。昇降コード31の引きを止めることで、自重降下防止装置(不図示)が作動して、複数のスラット13が任意の位置に吊下支持される(横型ブラインド2が任意の高さに開けられる)。再び昇降コード31を下方へ引くことで、自重降下防止装置が解除され、ボトムレール12及び複数のスラット13はその自重により下降する(横型ブラインド2が閉められる)。
【0038】
図4に、高さ調節装置(テープホルダと呼ぶ)20の外観構成を示す。テープホルダ20は、樹脂性の筺体を有し、その長手を前後方向に向けてボトムレール12の下面にねじ等の固定具(不図示)を用いて固定されている。
【0039】
テープホルダ20の筺体には、その前側及び後側の側面並びに底面に幅方向を長手とする矩形状のスリット20a,20b,20cがそれぞれ設けられている(
図7(A)参照)。ラダーテープ10(テープ片10a,10b)は、スリット20a,20bからテープホルダ20に引き込まれ、スリット20cから繰り出される。なお、
図4に示す状態では、スリット20c及びテープ片10a,10bの端部は、カバー29によりカバーされている。
【0040】
図5(A)の平面図及び
図5(B)の側面図に、テープホルダ20の構成を示す。なお、
図5(A)における基準線A及びCは、それぞれ
図7(A)及び(C)の断面を示すものである。テープホルダ20は、筺体、一対の送りローラ25a,25b、及びカバー29から構成される。
【0041】
筺体は、上面が開いた箱体であり、その長手方向の幅はボトムレール12の短手方向の幅にほぼ等しく、短手方向の幅はラダーテープ10の幅より大きく、厚さ(高さ)は数mmである。先述の通り、筺体の前側及び後側の側面に、それぞれ、矩形状のスリット20a,20bが形成されている(
図7(A)参照)。また、筺体の底面中央に、幅方向(
図5(A)における上下方向)を長手とする矩形状のスリット20cが形成されている(
図7(A)参照)。
【0042】
図5(A)(又は
図7(B))より分かるように、筺体の一側面(図面上側の側面)の内側には、小径の円形断面を有する2つの凹部20e1が形成されている。筺体の一側面(図面下側の側面)の内側には、大径の円形断面を有する2つの穴部20e2が形成されている。穴部20e2の内面には、等間隔に複数(ここでは4つ)の凹部が形成されている(
図7(C)参照)。同側面の外側には、2つの穴部20e2と連なる穴部20e3が形成されている。
【0043】
一対の送りローラ25a,25bは、円筒形状の回転体であり、その長さ(
図5(A)における上下方向の長さ)はテープホルダ20の幅(内幅)にほぼ等しく(又は若干小さく)、ラダーテープ10(テープ片10a,10b)の幅より若干大きい。
【0044】
図6に、送りローラ25aの構成を示す。
図6(A)は(上)側面図、
図6(B)は平面図、
図6(C)は(下)側面図である。なお、送りローラ25bは、送りローラ25aと同様に構成されている。送りローラ25aは、回転体をなす円筒形状の本体25a1を有する。その一端の中心に小径の軸部25a2が形成され、その他端に回転体の外周に沿って等間隔に複数(ここでは4つ)の凸部25a3が形成されている。他端には、さらに、正方形状の上面を有する突出部25a5が形成されたギア25a4が固定されている。
【0045】
カバー29は、
図4より分かるように、幅方向を長手とする平板とその両端に接続する2つの側板とから構成される。2つの側板間にテープホルダ20(筺体)の中央を嵌入することで、カバー29が筺体に固定される。なお、一方の側板の内側には、送りローラ25a,25bの突出部25a5が嵌入する2つの正方形状の凹部(不図示)が形成されている。なお、送りローラ25a,25bの回転を固定することができれば、他の形状であってもよい。
【0046】
カバー29をテープホルダ20に取り付けると、スリット20cがカバーされる。このとき、筺体の側面から突出する送りローラ25a,25bの突出部25a5に、カバー29に形成された2つの正方形状の凹部(不図示)を係合(嵌合)する。それにより、送りローラ25a,25bの回転が固定され、それらに挟圧されるラダーテープ10(テープ片10a,10b)を留めることができる。
【0047】
図7に、テープホルダ20の内部構成を示す。
図7(A)は
図5(A)における基準線Aに関する断面図、
図7(B)は
図7(A)における基準線Bに関する断面図、
図7(C)は
図5(A)における基準線Cに関する断面図である。
図7(D)は、
図7(C)におけるスナップ部分の拡大図である。
【0048】
図7(A)より分かるように、ラダーテープ10を構成するテープ片10aの端部がボトムレール12及び筺体の前側からスリット20aを通って、テープ片10bの端部がボトムレール12及び筺体の後側からスリット20bを通って、テープホルダ20内に引き込まれている。なお、テープ片10a,10bはテープホルダ20内で後述する一対の送りローラ25a,25bに挟圧され、それらの端部はスリット20cを通ってテープホルダ20外に繰り出され、固定具27により固定されている。テープ片10a,10bが送りローラ25から外れてテープホルダ20から引き抜かれることはない。
【0049】
図7(B)より分かるように、送りローラ25a(25b)の本体25a1が、軸部25a2が形成された一端から、筺体の穴部20e3及び穴部20e2の一方(他方)を介してテープホルダ20内に挿入される。続いて、送りローラ25a(25b)の軸部25a2が、筺体の側面に形成された2つの凹部20e1の一方(他方)に回転可能に嵌入される。ギア25a4が穴部20e3内の一面に当接することで、複数の凸部25a3が形成された本体25a1の端部が穴部20e2内に、ギア25a4が穴部20e3内に位置決めされる。
【0050】
送りローラ25a,25b(本体25a1)は、テープホルダ20内に、僅かな間隙を挟んで並設される。それらの離間距離は、ラダーテープ10(束ねられたテープ片10a,10b)の厚みより若干小さい。それにより、スリット20a,20bを介してテープホルダ20内に引き込まれたテープ片10a,10bは、束ねられて送りローラ25a,25bに挟圧される。送りローラ25a,25bを、例えば、それぞれ反時計回り及び時計回りに回転することでラダーテープ10(テープ片10a,10b)をスリット20a,20bを介してテープホルダ20内に引き込み、送りローラ25a,25bを時計回り及び反時計回りに回転することでテープホルダ20外に繰り出すことができる。
【0051】
穴部20e3内では、送りローラ25a,25bのギア25a4が互いに係合し、一方が一方向に回転すると、それに連動して他方が逆方向に回転する。それにより、送りローラ25a,25bにより挟圧されるラダーテープ10(テープ片10a,10b)は、スリット20a,20bを介してテープホルダ20内に引き込まれ、そしてスリット20cを介してテープホルダ20の下に繰り出される、又はスリット20a,20bを介してテープホルダ20外に繰り出される。
【0052】
本体25a1の端部に形成された複数の凸部25a3と穴部20e2に形成された複数の凹部とより、スナップ28が構成される(
図7(C)及び(D)参照)。ここで、穴部20e2の内径は、送りローラ25a,25bの本体25a1の外径より若干大きい。そのため、送りローラ25a,25bは穴部20e2内で回転することができる。ただし、穴部20e2の内径は、複数の凸部25a3の先端に接する外円の径より若干小さい。そのために、送りローラ25a,25bが所定角度回転する毎に、複数の凸部25a3が対向する凹部にそれぞれ嵌合する。
【0053】
テープホルダ20にスナップ28を設けることで、送りローラ25a,25bが回転すると、複数の凸部25a3が対向する凹部にそれぞれ嵌合して、送りローラ25a,25bが回転方向について位置決めされる。ここで、複数の凸部25a3及び複数の凹部ともに等間隔に同数(n)設けられていることから、所定角度は360/n度になる。送りローラ25a,25bの回転角度を所定角度単位で、すなわちラダーテープ10の引き込み長さを所定角度に対応する長さ単位(所定角度と本体25a1の直径との積)で容易に調整することができる。また、複数の凸部25a3が凹部に嵌合する際に発生する音、或いは振動等の感触(クリック感)を通して、送りローラ25a,25bの回転角(又は位置決め角度)を検知することができる。すなわち、ラダーテープ10の引き込み長さを検知することができる。
【0054】
なお、スナップ28は、送りローラ25a,25bの両方に限らず、一方にのみ形成することとしてもよい。また、穴部20e2に複数の凸部を形成し、これらが嵌合する複数の凹部を本体25a1の端部に形成することで、スナップ28を構成してもよい。
【0055】
また、スナップ28は、各1つの凸部25a3と穴部20e2の凹部とから構成してもよい。上述のように、送りローラ25a,25bの回転角度に対して等間隔に配設された同数(2以上)の凸部25a3と穴部20e2の凹部とから構成してもよい。それにより、送りローラ25a,25bの回転量を複数の回転角度で調整することができるとともに、送りローラ25a,25bの回転角度を細かく調整することでラダーテープ10(テープ片10a,10b)の引き込み長さを調整することができる。
【0056】
上述の構成のテープホルダ20を用いてボトムレール12の高さを調節する場合、まず、カバー29をテープホルダ20の筺体から取り外す。これにより、スリット20cから繰り出されるテープ片10a,10bの端部が現れる。それとともに、送りローラ25a,25bの突出部25a5に係合(嵌合)されたカバー29が外れることで、送りローラ25a,25bが回転可能となる。
【0057】
次に、テープ片10a,10bの端部(またはこれを固定する固定具27)を引く。それにより、テープ片10a,10bがスリット20a,20bを介してテープホルダ20内に引き込まれ、ラダーテープ10(テープ片10a,10b)を挟圧する送りローラ25a,25bが回転する。ボトムレール12が上方に移動する。その際に、スナップ28が機能して発生するクリック感を検知して、ラダーテープ10の引き込み長さ(ボトムレール12の移動距離)を調整する。
【0058】
逆に、テープホルダ20からラダーテープ10(テープ片10a,10b)を上方に引くことで、テープ片10a,10bがスリット20a,20bを介してテープホルダ20外に繰り出され、ラダーテープ10(テープ片10a,10b)を挟圧する送りローラ25a,25bが(逆向きに)回転する。ボトムレール12が下方に移動する。その際に、スナップ28が機能して発生するクリック感を検知して、ラダーテープ10の繰り出し長さ(ボトムレール12の移動距離)を調整する。
【0059】
最後に、カバー29をテープホルダ20に取り付け、送りローラ25a,25bの突出部25a5にカバー29に形成された凹部(不図示)を係合(嵌合)する。それにより、テープホルダ20のスリット20cとこれから繰り出されるテープ片10a,10bの端部とがカバーされる。それと同時に、送りローラ25a,25bの回転が固定され、ラダーテープ10(テープ片10a,10b)がテープホルダ20により留められる。
【0060】
以上詳細に説明したように、第1の実施形態に係る横型ブラインド2によれば、ボトムレール12に固定されるテープホルダ20と、テープホルダ20内に設けられ、ボトムレール12を支持するラダーテープ10をテープホルダ20内に引き込み可能に挟圧する一対の回転ローラ25a,25bと、ラダーテープ10の引き込み長さを調整するスナップ28と、から高さ調整装置(テープホルダ)20が構成される。それにより、ラダーテープ10をテープホルダ20内に引き込み、スナップ28を利用してその引き込み長さを調整し、回転ローラ25a,25bにより挟圧して固定することで、ラダーテープ10の長さを調整することができる。すなわち、ラダーテープ10が吊り下げ支持するボトムレール12の高さが調整される。
【0061】
なお、カバー29をテープホルダ20に取り付け、カバー29に形成された凹部(不図示)を送りローラ25a,25bの突出部25a5に係合(嵌合)することで送りローラ25a,25bの回転を固定することとしたが、これに代えて、スナップ28(穴部20e2に形成された複数の凹部とこれらに嵌合する本体25a1の端部に形成された複数の凸部25a3)の保持力により送りローラ25a,25bの回転を固定してもよい。また、テープホルダ20に抜止め当てることで、送りローラ25a,25bの回転を固定してもよい。
【0062】
《第2の実施形態》
以下、第2の実施形態に係る横型ブラインド2について説明する。ここで、先述の第1の実施形態と同一の構成部分には同一の符号を用いるとともに、詳細説明を省略する。
【0063】
図8(A)の平面図及び
図8(B)の側面図に、第2の実施形態に係る高さ調節装置(テープホルダと呼ぶ)20の構成を示す。なお、
図8(A)における基準線A及びCは、それぞれ
図10(A)及び(C)の断面を示すものである。テープホルダ20は、筺体、送りローラ25、及びカバー29から構成される。
【0064】
筺体は、上面が開いた箱体である。筺体の前側及び後側の側面に、それぞれテープ片10a,10bが通る矩形状のスリット20a,20bが形成されている(
図10(A)参照)。また、筺体の底面中央に、幅方向(
図8(A)における上下方向)を長手とする矩形状のスリット20cが形成されている(
図10(A)参照)。
【0065】
図8(A)(又は
図10(B))より分かるように、筺体の一側面(図面上側の側面)の内側には、小径の円形断面を有する凹部20e1が形成されている。筺体の一側面(図面下側の側面)の内側には、大径の円形断面を有する穴部20e2が形成されている。穴部20e2の内面には、等間隔に複数(ここでは4つ)の凹部が形成されている(
図10(C)及び(D)参照)。
【0066】
図9に、送りローラ25の構成を示す。
図9(A)は(上)側面図、
図9(B)は平面図、
図9(C)は(下)側面図である。送りローラ25は、円筒形状の回転体である。送りローラ25は、回転体をなす円筒形状の本体25a1を有する。その一端の中心に小径の軸部25a2が形成され、その他端に大径の軸部25a6が形成されている。軸部25a6には、その外周に沿って等間隔に複数(ここでは4つ)の凸部25a3が形成されている。また、本体25a1には、多数の小突起25a7が設けられている。
【0067】
カバー29は、幅方向を長手とする平板とその両端に接続する2つの側板とから構成される。2つの側板間にテープホルダ20(筺体)の中央を嵌入することで、カバー29が筺体に固定されるとともに、平板により筺体のスリット20cがカバーされる。
【0068】
図10に、テープホルダ20の内部構成を示す。
図10(A)は
図8(A)における基準線Aに関する断面図、
図10(B)は
図10(A)における基準線Bに関する断面図、
図10(C)は
図8(A)における基準線Cに関する断面図である。
図10(D)は、
図10(C)におけるスナップ部分の拡大図である。筺体内には、中央上部にテープホルダ20の短手方向に延びる幅細の板状部材20fと、前側中部に幅太の板状部材20gと、が設けられている。
【0069】
図10(A)より分かるように、ラダーテープ10を構成するテープ片10aの端部がボトムレール12及び筺体の前側からスリット20aを通ってテープホルダ20内に引き込まれ、送りローラ25と筺体の底面との間を通り、固定具27aにより固定されている。また、テープ片10bの端部がボトムレール12及び筺体の後側からスリット20bを通って、テープホルダ20内に引き込まれ、送りローラ25と板状部材20fとの間を通り、固定具27bにより固定されている。
【0070】
図10(B)より分かるように、送りローラ25の本体25a1が、軸部25a2が形成された一端から、筺体の穴部20e2を介してテープホルダ20内に挿入される。続いて、送りローラ25の軸部25a2が、筺体の側面に形成された凹部20e1に回転可能に嵌入される。それとともに、送りローラ25の軸部25a6が穴部20e2内に位置決めされる。
【0071】
送りローラ25は、板状部材20fと筺体の底面とのそれぞれと僅かな間隙を挟んで配置されている。送りローラ25と筺体の底面との間の間隙はテープ片10aの厚みより若干小さい。それにより、スリット20aを介してテープホルダ20内に引き込まれたテープ片10aは、送りローラ25と筺体の底面との間に挟圧される。また、送りローラ25と板状部材20fとの間の間隙はテープ片10bの厚みより若干小さい。それにより、スリット20bを介してテープホルダ20内に引き込まれたテープ片10bは、送りローラ25と板状部材20fとの間に挟圧される。挟圧されたテープ片10a及び10bは、送りローラ25の回転によって移動する。
【0072】
挟圧箇所で、小突起25a7がテープ片10a及び10bに食い込むことで、テープ片10a及び10bは、小突起25a7に合わせて移動する。すなわち、送りローラ25の回転は、滑ることなくテープ片10a及び10bに伝達される。
【0073】
テープ片10a,10bの端部には、それぞれ、固定具27a,27bが固定されている。ここで、固定具27aの幅は、送りローラ25と筺体の底面との間の間隙のサイズより大きい。また、固定具27bの幅は、送りローラ25と板状部材20fとの間の間隙のサイズより大きい。それにより、テープ片10a,10bがテープホルダ20から引き出されても、固定具27a,27bが送りローラ25に係止されるため、テープ片10a,10bが送りローラ25から外れてテープホルダ20から引き抜かれることはない。
【0074】
軸部25a6に形成された複数の凸部25a3と穴部20e2に形成された複数の凹部とより、スナップ28が構成される(
図10(C)及び(D)参照)。ここで、穴部20e2の内径は、送りローラ25の軸部25a6の外径より若干大きい。そのため、送りローラ25(軸部25a6)は穴部20e2内で回転することができる。ただし、穴部20e2の内径は、複数の凸部25a3の先端に接する外円の径より若干小さい。そのため、送りローラ25(軸部25a6)が所定角度回転する毎に、複数の凸部25a3が対向する凹部にそれぞれ嵌合する。なお、複数の凸部25a3が対向する凹部に嵌合することで発生する保持力により、送りローラ25の回転が固定される。
【0075】
テープホルダ20にスナップ28を設けることで、先述のとおり、ラダーテープ10の引き込み長さを容易に調整することができる。また、複数の凸部25a3が凹部に嵌合する際に発生する音、或いは振動等の感触(クリック感)を通して、送りローラ25の回転角(又は位置決め角度)を検知することができる。すなわち、ラダーテープ10の引き込み長さを検知することができる。すなわち、ラダーテープ10の引き込み長さを検知することができる。
【0076】
なお、穴部20e2に複数の凸部を形成し、これらが嵌合する複数の凹部を軸部25a6に形成することで、スナップ28を構成してもよい。
【0077】
また、スナップ28は、各1つの凸部25a3と穴部20e2の凹部とから構成してもよい。上述のように、送りローラ25の回転角度に対して等間隔に配設された同数(2以上)の凸部25a3と穴部20e2の凹部とから構成してもよい。それにより、送りローラ25の回転量を複数の回転角度で調整することができるとともに、送りローラ25の回転角度を細かく調整することでラダーテープ10(テープ片10a,10b)の引き込み長さを調整することができる。
【0078】
上述の構成のテープホルダ20を用いてボトムレール12の高さを調節する場合、まず、カバー29をテープホルダ20の筺体から取り外す。これにより、スリット20cから繰り出されるテープ片10bの端部が現れる。
【0079】
次に、テープ片10aの端部(またはこれを固定する固定具27a)を引く。それにより、テープ片10aがスリット20aを介してテープホルダ20内に引き込まれ、テープ片10aを筺体の底面との間で挟圧する送りローラ25が時計回りに回転する。送りローラ25が回転することで、テープ片10bがスリット20bを介してテープホルダ20内に引き込まれる。この結果、テープ片10aとテープ片10bとが等長だけテープホルダ20内に引き込まれる。ボトムレール12が上方に移動する。テープ片10bの端部に固定された固定具27bは、板状部材20gの上に保持される。テープ片10aの端部を引く際に、スナップ28が機能して発生するクリック感を検知して、ラダーテープ10(テープ片10a,10b)の引き込み長さ(ボトムレール12の移動距離)を調整する。
【0080】
逆に、テープホルダ20からラダーテープ10(テープ片10a,10b)を上方に引く(この場合には必ずしもカバー29を取り外さなくてもよい)ことで、テープ片10a,10bがスリット20a,20bを介してテープホルダ20外に繰り出される。このとき、テープ片10a,10bを挟圧する送りローラ25は反統計周りに回転する。ボトムレール12が下方に移動する。その際に、スナップ28が機能して発生するクリック感を検知して、ラダーテープ10の繰り出し長さ(ボトムレール12の移動距離)を調整する。
【0081】
最後に、カバー29をテープホルダ20に取り付ける。それにより、スリット20cとこれから繰り出されるテープ片10aの端部とがカバーされる。
【0082】
以上詳細に説明したように、第2の実施形態に係る横型ブラインド2によれば、ボトムレール12に固定されるテープホルダ20と、テープホルダ20内に設けられ、ボトムレール12を支持するラダーテープ10をテープホルダ20内に引き込み可能に挟圧する回転ローラ25と、ラダーテープ10の引き込み長さを調整するスナップ28と、から高さ調整装置(テープホルダ)20が構成される。回転ローラ25は、テープホルダ20の底面と板状部材20fとのそれぞれとの間でラダーテープ10を構成するテープ片10a,10bを狭圧する。それにより、ラダーテープ10をテープホルダ20内に引き込み、スナップ28を利用してその引き込み長さを調整し、回転ローラ25により挟圧して固定することで、ラダーテープ10の長さを調整することができる。すなわち、ラダーテープ10が吊り下げ支持するボトムレール12の高さが調整される。
【0083】
《複数のラダーテープ》
横型ブラインド2では、複数のラダーテープ10を用いてボトムレール12を吊り下げ支持している。そこで、上記第1及び第2の実施形態のいずれの横型ブラインドにおいても、複数のラダーテープ10のそれぞれを留めるテープホルダ20(高さ調整装置)のそれぞれについて同様の操作をして、すべてのラダーテープ10の長さを等しく調整する。このようにラダーテープ10の長さを統一することで、ボトムレール12を水平に維持してその高さを調整することができる。なお、1の横型ブラインドには、全て同形式のテープホルダ20(高さ調整装置)を設ける。操作が統一され、容易になる。