特許第6474969号(P6474969)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6474969ネットワーク装置、ネットワーク設定情報取得システム、ネットワーク設定情報取得方法およびネットワーク設定情報取得プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474969
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】ネットワーク装置、ネットワーク設定情報取得システム、ネットワーク設定情報取得方法およびネットワーク設定情報取得プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 29/06 20060101AFI20190218BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20190218BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20190218BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   H04L13/00 305C
   G06K7/10 100
   G06K17/00 022
   G06K19/07 230
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-113875(P2014-113875)
(22)【出願日】2014年6月2日
(65)【公開番号】特開2015-228603(P2015-228603A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 和雄
【審査官】 鈴木 肇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−312069(JP,A)
【文献】 特開2006−211039(JP,A)
【文献】 特開2009−239920(JP,A)
【文献】 特開2013−214806(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/120363(WO,A1)
【文献】 特開2004−007351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−12/955
H04L 13/00−13/18
H04L 29/00−29/14
G06K 7/00− 7/14
G06K 17/00−19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部ネットワークから取得するネットワークの通信設定情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部から前記通信設定情報を読み出し、読み出した前記通信設定情報に従って通信設定の制御を行う制御部と、
前記制御に従い、前記通信設定情報を基に前記ネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに更新された前記通信設定情報を外部装置から読み取り可能なように記憶させる通信設定部と
を備えるネットワーク装置。
【請求項2】
前記インターフェースの通信設定時および前記ICタグが前記通信設定情報を記憶する時のタイミング、又はこれらに前記記憶部が前記通信設定情報を記憶する時のタイミングを含めたタイミングは、ほぼ同時であることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク装置。
【請求項3】
前記ネットワークを介して、前記通信設定情報を取得する通信設定情報取得部と、
前記通信設定情報の書き換え指示を受け取った場合、取得した前記通信設定情報を前記記憶部に書き込む通信設定情報書込部と
を備え請求項1又は2に記載のネットワーク装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のネットワーク装置と、
前記ICタグの前記通信設定情報を読み取り可能なICリーダ装置
とを備えるネットワーク設定情報取得システム。
【請求項5】
外部ネットワークから取得するネットワークの通信設定情報を記憶する記憶部から前記通信設定情報を読み出し、読み出した前記通信設定情報に従って通信設定の制御を行い、
前記制御に従い、前記通信設定情報を基に前記ネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに更新された前記通信設定情報を外部装置から読み取り可能なように記憶させる
ネットワーク設定情報取得方法。
【請求項6】
前記インターフェースの通信設定時および前記ICタグが前記通信設定情報を記憶する時のタイミング、又はこれらに前記記憶部が前記通信設定情報を記憶する時のタイミングを含めたタイミングは、ほぼ同時であることを特徴とする請求項5に記載のネットワーク設定情報取得方法。
【請求項7】
前記ネットワークを介して、前記通信設定情報を取得し、
前記通信設定情報の書き換え指示を受け取った場合、取得した前記通信設定情報を前記記憶部に書き込む、請求項5又は6に記載のネットワーク設定情報取得方法。
【請求項8】
外部ネットワークから取得するネットワークの通信設定情報を記憶する記憶部から前記通信設定情報を読み出し、読み出した前記通信設定情報に従って通信設定の制御を行う機能と、
前記制御に従い、前記通信設定情報を基に前記ネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに更新された前記通信設定情報を外部装置から読み取り可能なように記憶させる機能
をコンピュータに実行させるネットワーク設定情報取得プログラム。
【請求項9】
前記インターフェースの通信設定時および前記ICタグが前記通信設定情報を記憶する時のタイミング、又はこれらに前記記憶部が前記通信設定情報を記憶する時のタイミングを含めたタイミングは、ほぼ同時であることを特徴とする請求項8に記載のネットワーク設定情報取得プログラム。
【請求項10】
前記ネットワークを介して、前記通信設定情報を取得する機能と、
前記通信設定情報の書き換え指示を受け取った場合、取得した前記通信設定情報を前記記憶部に書き込む機能
を更にコンピュータに実行させる請求項8又は9に記載のネットワーク設定情報取得プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークの通信設定を必要とするネットワーク装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットやイントラネット等のネットワークに、パーソナルコンピュータ等の通信機器を接続する場合、IP(Internet Protocol)アドレス等のネットワーク情報を初期設定する必要がある。
【0003】
今日のネットワーク通信機器の多くがIP通信機能を有しており、代表的なものにサーバ・クライアント構成システムがある。サーバ・クライアント構成システムにおいては、クライアント側がサーバのIPアドレスを取得することでIP通信が可能となる。クライアント側がサーバのIPアドレスを知る手段として、RFC(Requests for Comments)1034に規定されたDNS(Domain Name System)がよく知られている。
【0004】
しかし、DNSサーバを設置しない、あるいは設置する必要のないネットワークにおいては、ネットワーク上のIPアドレス設定を必要とする機器(以下、「ホスト端末」と記載)は、通信前に固有のIPアドレスの設定が必要となる。
【0005】
ホスト端末を開発するメーカーの開発現場においては、ホスト端末のIPアドレスを変更する機会が頻繁にあり、設定したIPアドレスが分からなくなるという事故が少なからず発生している。
【0006】
この事故を回避する為、ホスト端末のIPアドレスの設定を変更したときには、変更後の設定内容を利用者が知ることができるようにする必要がある。この為、当該ホスト端末外側の利用者が目視可能な位置にIPアドレスを記載したシールを貼ったり、ネットワーク構成管理台帳等に正しく設定内容を記録して管理したりする。しかし、これらはあくまで運用上のルールであり、人為的ミスによって記載内容とホスト端末の設定内容が異なってしまうことがあった。
【0007】
この人為的ミスを回避するため、あるホスト端末のIPアドレスを変更する必要がある場合、当該ホスト端末に画面とキーボード等の入出力装置があれば、これらを利用してIPアドレスを変更したり、設定したIPアドレスを後から確認したりすることができる。しかし、ルータ装置等のように入出力装置を自身が備えていない通信装置の場合には、別の方法を用いてIPアドレスを確認する必要があった。この別の方法としては、例えば、1)ホスト端末に備え付けのポートを介してパーソナルコンピュータと接続し、パーソナルコンピュータからのコマンドによって確認する方法、2)ユーザがホスト端末に備え付けのディップスイッチを目視して確認する方法、3)ホスト端末に備え付けのオン・オフスイッチによって、例えばオフのときに決められたIPアドレスで通信可能にする方法、4)ホスト端末に備え付けのリセットボタンによってIPアドレスを工場出荷の状態に戻して通信可能にする方法、5)パーソナルコンピュータとホスト端末をネットワーク接続して、ICMP(Internet Control Message Protocol)の一種であるPING(Packet INternet Groper)コマンドを使用してネットワーク内のIPアドレスをスキャンし、IPアドレスを特定する方法がある。
【0008】
この他、特許文献1は、あらかじめIC(Integrated Circuit)カードやICタグ媒体に書き込んであるIPアドレスをホスト端末のIPアドレスに設定することでネットワーク通信を可能とする技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−168868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
1)の方法では、RS(Recommended Standard)232Cインターフェース利用時の通信方式、例えば通信レートやコマンドの入力方法を当該ホスト端末のマニュアル等で把握する手間が必要である。さらに、インターフェースに応じたケーブルを別途用意する必要がある。パーソナルコンピュータ等の操作側では、シリアルポート(一般的に9ピンを備えるD-SUB:D-subminiature)を具備している必要がある。あるいはD-SUBの9ピンをUSB(Universal Serial Bus)インターフェースに変換してパーソナルコンピュータ側のUSBインターフェースに接続して通信できるようにする必要がある。この為には専用ケーブルを別途用意し、その専用ドライバをインストールしたうえで、通信するためのアプリケーション(ターミナルソフト)を操作する。
【0011】
2)の方法では、ディップスイッチ自体が基板に直接装着されている場合が多いため、当該ホスト端末のカバーを取り外す等の手間が必要である。基板装着の場合、多くの機器では電源を切る必要があり、運用中の機器をいったん停止する必要がある。
【0012】
3)の方法では、IPアドレスが初期値に設定される場合、ネットワーク上の他のホスト端末のIPアドレスと重複しないことを事前に確認しておく必要がある。他のホスト端末と重複することが分かった場合、重複する他のホスト端末のIPアドレスを書き換える必要が生じる。これによりネットワークの運用に支障をきたすことがある。またIPアドレスの重複を回避するために、重複するいずれかのホスト端末をネットワークから物理的に切り離す必要があるが、これにより運用中のホスト端末を一旦停止する必要がある。
【0013】
4)の方法では、リセットによって他のパラメータも初期化される仕様の場合、リセットすること自体が他の機能に影響することがある。また、リセット前のパラメータ値に復元(再設定)する作業に時間を要するため、事前にネットワークから切り離す等、運用中の機器を一旦停止するのと同等の制限が生じる。
【0014】
5)の方法では、ICMPサービスを無効化している、あるいはもともとICMP機能そのものを持たせていないホスト端末には対応できない。この他、PINGコマンドを送信するためのパーソナルコンピュータをネットワークに接続する必要があるが、接続するためのレイヤ2スイッチに空きポートがないことがある。あるいは、パーソナルコンピュータから他のホスト端末へのウイルス拡散を防止する目的で、パーソナルコンピュータからの接続そのものが運用上規制されることがある。
【0015】
また、特許文献1に記載の手法では、IPアドレスの重複が発生するという問題がある。重複の発生を検知または予知した場合、重複する他のホスト端末のIPアドレスを書き換えることができるが、これによりネットワークの運用に支障をきたすことがある。またIPアドレスの重複を回避するために、重複するいずれかのホスト端末をネットワークから物理的に切り離す必要があるが、これにより運用中のホスト端末を一旦停止する必要がある。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するべくなされた。本発明は、簡易な手順で、入出力装置を備えないネットワーク装置の通信設定の情報を得ることができるネットワーク装置等を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、ネットワークの通信設定情報を記憶する記憶部と、記憶部から通信設定情報を読み出し、読み出した通信設定情報に従って通信設定の制御を行う制御部と、制御に従い、通信設定情報を基にネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに通信設定情報を記憶させる通信設定部とを備えるネットワーク装置である。
【0018】
本発明の第2の観点は、上記のネットワーク装置と、ICタグの通信設定情報を読み取り可能なICリーダ装置とを備えるネットワーク設定情報取得システムである。
【0019】
本発明の第3の観点は、ネットワークの通信設定情報を記憶する記憶部から通信設定情報を読み出し、読み出した通信設定情報に従って通信設定の制御を行い、制御に従い、通信設定情報を基にネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに通信設定情報を記憶させるネットワーク設定情報取得方法である。
【0020】
本発明の第4の観点は、ネットワークの通信設定情報を記憶する記憶部から通信設定情報を読み出し、読み出した通信設定情報に従って通信設定の制御を行う機能と、制御に従い、通信設定情報を基にネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに通信設定情報を記憶させる機能をコンピュータに実行させるネットワーク設定情報取得プログラムである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ネットワーク装置自身が入出力装置を有さずとも、当該ネットワーク装置の通信設定情報を簡単に閲覧することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第一の実施形態に係るネットワーク設定情報取得システムの構成を示す図である。
図2】本発明の第一の実施形態のネットワーク装置の構成図である。
図3】本発明の第一の実施形態のネットワーク装置の実行制御部の内部構成図である。
図4】本発明の第一の実施形態に係るネットワーク装置の動作を示すフロー図である。
図5】本発明の第二の実施形態のネットワーク装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を模式的に表している。更に以下に記載される本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
<第一の実施形態>
(ネットワーク設定情報取得システム)
第一の実施形態に係るネットワーク設定情報取得システム100は、図1に示すように、ネットワーク装置1およびICリーダ装置8を備える。ネットワーク装置1はその外側面にICタグ3を備え、この他に、一般的なネットワーク通信機能とICタグ3へのリーダライタ機能を有する。ネットワーク装置1は、モニタ等の出力(表示)部、キーボード等の入力部は備えていない。ネットワーク装置1とは、具体的には、ネットワークに接続されて、所定の通信処理、例えばルーティング処理などを行うルータ装置等である。
【0024】
ICリーダ装置8は、ICタグ3に格納されるネットワークの通信設定に必要となる情報を読み取るための装置である。ICリーダ装置8は、読み取った通信設定の情報を表示する為の表示部を備えている。ICリーダ装置8としては、市場に流通しているものを使用して構わない。
(ネットワーク装置)
ネットワーク装置1は、図2に示すように、リーダライタ部2、ICタグ3、実行制御部4、通信設定部5、記憶部6およびネットワークインターフェース部7を備えている。
【0025】
記憶部6は、電源供給を行わない状態でも書き込まれたデータが消えない不揮発性メモリ、例えばSRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)から構成される。記憶部6は、通信設定情報61を記憶する。通信設定情報61とは、LANインターフェースのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ等のネットワーク通信に必要な設定情報を指す。ルータ装置のようなネットワーク機器においてはポートVLANの設定もこれに含める。この他に、シリアルポートの伝送速度設定もこれに含める。
【0026】
ICタグ3は、自身の内部にアンテナを持ち、外部より受信する弱い電波によって働く小型の非接触型タグで、RFID(Radio frequency identification)の一種である。ICタグ3は、記憶部6と同様に、通信設定情報61を記憶する。若しくは、記憶部6が記憶する通信設定情報61の一部を記憶する。ICタグ3は、リーダライタ部2からの書き込み電波を受信可能な、ネットワーク装置1の外側面に嵌め込まれ又は貼り付けされる。
【0027】
リーダライタ部2は、ICタグ3に対して電波を出力することで、通信設定情報61をビット列としてICタグ3内に書き込みする。
【0028】
通信設定部5は、通信設定情報61を基にネットワークインターフェース部7の通信設定を行う。更に通信設定部5は、リーダライタ部2にこの通信設定情報61をICタグ3に書き込ませるよう指示する。
【0029】
実行制御部4は、図3に示すように、通信設定情報取得部4a、通信設定情報書込部4bおよび通信設定制御部4cを備える。
【0030】
設定情報取得部4aは、ネットワークインターフェース部7を介して外部より記憶部6に記憶すべき通信設定情報61を取得する。
【0031】
通信設定情報書込部4bは、取得した通信設定情報61を記憶部6に格納する。
【0032】
通信設定制御部4cは、記憶部6に格納された通信設定情報61を通信設定部5に引き渡し、通信設定部5が行う通信設定を制御する。具体的には、上述したネットワークインターフェース部7の設定およびリーダライタ部2のICタグ3への設定を制御する。
【0033】
尚、上述した実行制御部4内の各部は、機能ブロック単位のプログラムを表している。これらは実際には、図示しないコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、図示しないROM(Read Only Memory)や図示しないRAM(Random Access Memory)などに格納されている。図示しないCPUがこれらのプログラムを適宜演算処理することでこれらの機能は実行される。尚、実行制御部4自身がCPUであってもよい。
(ネットワーク装置の動作)
次にネットワーク装置1の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。尚、以下の説明においては、通信設定情報61の初期値は既に記憶部6に設定してあるものとする。
【0034】
まず、ステップS101において、ネットワーク装置1の電源を投入すると、実行制御部4が起動する。
【0035】
ステップS102において、実行制御部4の通信設定制御部4cは、記憶部6から通信設定情報61を読み出し、読み出した通信設定情報61を含む設定指示を通信設定部5に出力する。
【0036】
ステップS103において、設定指示を受けた通信設定部5は、通信設定情報61を受け取ると、この通信設定情報61を基に、ネットワークインターフェース部7の通信設定を行う。また、通信設定情報61を受けた直後または通信設定の開始とほぼ同時に、通信設定部5はリーダライタ部2に対し、ICタグ3への通信設定情報61の書き込み指示を出力する。リーダライタ部2は、通信設定部5から通信設定情報61を受け取る。尚、この受け取る通信設定情報61のデータ形式は単なるビット列でもよい。リーダライタ部2は、このビット列をICタグ3に書き込むための電波を放射する。ICタグ3は、書き込み用電波を受信すると、受信したビット列(通信設定情報61)をICタグ3内のメモリに記録する。これにより記憶部6、ネットワークインターフェース部7およびICタグ3の通信設定情報61の同期が完了する。この同期はほぼ同時に行われる。これはネットワークインターフェース部7およびICタグ3の通信設定情報61の設定中に電源が切られる等が発生することで、双方に異なる通信設定情報61が記憶される、即ち非同期となることを防ぐ為である。
【0037】
尚、ネットワーク装置1は、稼働中に、ネットワークインターフェース部7を介して接続された別のネットワーク機器から、通信設定情報61の書き換え指示を受ける場合がある。この場合、ステップS104において、ネットワークインターフェース部7を介して、通信設定情報61の書き換え指示を受けたか否かを実行制御部4の通信設定情報取得部4aが判断する。書き換え指示を受け取った場合ステップS105へ進み、書き換え指示を受け取らなかった場合ステップS107へ進む。
【0038】
ステップS105において、通信設定情報取得部4aは新たな通信設定情報61を受信する。通信設定情報書込部4bは、この新たな通信設定情報61を記憶部6に書き込む。これとほぼ同時に、通信設定制御部4cは、通信設定部5に新たな通信設定情報61を含む設定指示を出力する。
【0039】
ステップS106において、設定指示を受けた通信設定部5は、通信設定情報書込部4bより新たな通信設定情報61を受け取ると、この新たな通信設定情報61を基に、ネットワークインターフェース部7の通信設定を行う。また同時に、通信設定部5はリーダライタ部2にICタグ3への新たな通信設定情報61の書き込み指示を出力する。リーダライタ部2は、通信設定部5から新たな通信設定情報61を受け取り、これをICタグ3に書き込むための電波を放射する。ICタグ3は、書き換え電波に含まれる新たな通信設定情報61をICタグ内のメモリに記録する。これにより記憶部6とICタグ3の通信設定情報61の同期が完了する。この同期はほぼ同時に行われる。これは記憶部6、ネットワークインターフェース部7およびICタグ3の通信設定情報61の設定中に電源が切られる等のことが発生して、これらの通信設定情報61が非同期となることを防ぐためである。
【0040】
ステップS107で、ネットワーク装置1の電源が切断されると、実行制御部4も終了する。尚、電源が切断されない場合はステップS104に戻る。
【0041】
以上の説明のように、本発明の第一の実施形態によると、実行制御部4は、記憶部6、ネットワークインターフェース部7およびICタグ3の通信設定情報61を一致させる。これにより、ネットワーク装置1自身に通信設定情報61を表示する画面インターフェースが無くても、図1に示すような一般的なICリーダ8を用いてICタグ3からネットワーク装置1の現在の通信設定情報61の内容を読み取ることが可能となる。この結果、ネットワーク装置1と通信させたいネットワーク機器の通信設定を、ネットワーク装置1の通信設定情報61に合わせて書き換えることが可能になる。この他、ネットワーク装置1の通信設定情報61を確認後、ネットワーク装置1と通信させたいネットワーク機器の通信設定に合わせて、ネットワーク装置1の通信設定情報61を書き換えることも可能となる。
【0042】
また、実行制御部4は、記憶部6、ネットワークインターフェース部7およびICタグ3の通信設定情報61の内容をほぼ同時に同期させる。これにより、同期中に電源が切られても、いずれかの部において異なる通信設定情報61が記憶されるのを防ぐことができる。
<第二の実施形態>
(ネットワーク装置)
本発明の第二の実施形態に係るネットワーク装置11は、図5に示すように、記憶部16、制御部14および通信設定部15を備える。
【0043】
記憶部16は、ネットワークの通信設定情報を記憶する。制御部14は、記憶部16から通信設定情報を読み出し、読み出した通信設定情報に従って通信設定の制御を行う。通信設定部15は、制御に従い、通信設定情報を基にネットワークのインターフェースの通信設定を行い、メモリを備えるICタグに通信設定情報を記憶させる。
【0044】
第二の実施形態に係るネットワーク装置11によれば、ネットワーク装置11自身が表示手段を有さずとも、市販のICリーダ装置を使用することで、当該ネットワーク装置の通信設定情報を読み取ることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 ネットワーク装置
2 リーダライタ部
3 ICタグ
4 実行制御部
4a 通信設定情報取得部
4b 通信設定情報書込部
4c 通信設定制御部
5 通信設定部
6 記憶部
61 通信設定情報
7 ネットワークインターフェース部
図1
図2
図3
図4
図5