特許第6474974号(P6474974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6474974-誘導方法及び誘導システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474974
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】誘導方法及び誘導システム
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/00 20160101AFI20190218BHJP
   E01F 9/50 20160101ALI20190218BHJP
   E01F 9/608 20160101ALI20190218BHJP
【FI】
   E01F9/00
   E01F9/50
   E01F9/608
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-159177(P2014-159177)
(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公開番号】特開2016-35181(P2016-35181A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年3月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】出来 信久
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−198652(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3114496(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3120788(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3143361(JP,U)
【文献】 特開2008−129785(JP,A)
【文献】 特開2008−225691(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0073912(US,A1)
【文献】 特開2013−164695(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00
E01F 9/50
E01F 9/608
G08B 25/10
G08B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に沿って設置された第1誘導標識及び第2誘導標識を用いて避難者を誘導する誘導方法であって、
前記第1誘導標識を、所定の道路区間の開始地点を示す表示を設けて所定の海抜地点に設置し、
前記第2誘導標識を、前記所定の道路区間の終了地点を示す表示を設けて、前記所定の海抜地点以上の海抜地点に設置し、
前記第1誘導標識及び前記第2誘導標識を、前記道路における車の進行方向に順次並ぶように設置して、前記所定の海抜地点未満の海抜地点を含む前記所定の道路区間を浸水が想定される区間とし、
前記第1誘導標識を終了地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外、及び前記第2誘導標識を開始地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外を避難区間として、避難者を誘導する
誘導方法。
【請求項2】
前記所定の道路区間は、津波発生時に浸水が想定される区間であり、
前記誘導方法は、前記津波発生時に避難者を誘導する
請求項1に記載の誘導方法。
【請求項3】
前記所定の道路区間において、前記所定の道路区間であることを示す標示を路面に設ける
請求項1又は2に記載の誘導方法。
【請求項4】
所定の道路区間外を避難区間として避難者を誘導する誘導システムであって、
道路に沿って設置された第1誘導標識及び第2誘導標識を備え、
前記第1誘導標識は、前記所定の道路区間の開始地点を示す表示が設けられ、所定の海抜地点に設置され、
前記第2誘導標識は、前記所定の道路区間の終了地点を示す表示が設けられ、前記所定の海抜地点以上の海抜地点に設置され、
前記第1誘導標識及び前記第2誘導標識は、前記道路における車の進行方向に順次並ぶように設置されて、前記所定の海抜地点未満の海抜地点を含む前記所定の道路区間を浸水が想定される区間とし、
前記第1誘導標識を終了地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外、及び前記第2誘導標識を開始地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外を避難区間とする誘導システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導方法及び誘導システムに関し、特に津波発生時に避難場所に車で避難者を誘導する誘導方法及び誘導システムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時に、歩行者又は避難者を安全な避難場所に誘導するため、従来から図形や文字等が描かれた誘導標識が設置されている。特に、海沿いの地域においては、津波の発生時の浸水範囲を想定し、浸水する可能性の低い高台に避難者を誘導するための矢印等が描かれた誘導標識や、現在地の海抜が表された誘導標識が設置されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、支柱と、この支柱の上部正面に設けられ、海抜表示、現在地表示、避難場所表示及び距離表示が描かれた標識部と、この標識部の各表示を夜間において照らすLEDとを備える避難誘導標が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3120788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、津波発生時に特許文献1の避難誘導標を用いて避難誘導を行う場合、高台の公園等の各種施設に避難者が誘導される。従って、避難場所には自動二輪車及び自動四輪車等の車を簡易に乗り入れることができず、車での避難を行うことは困難である。その結果、避難場所への移動に時間を要することなり、迅速な避難を可能にする誘導方法が求められている。
【0006】
また、現在最も危惧される災害である南海トラフ地震の政府予測によると数十分で数十メートルの津波が襲来するとされており、津波襲来までの限られた時間の中で、少しでも迅速に安全な場所に避難誘導することが人々の命を救うことに繋がる。従って、迅速な避難を可能にする誘導方法が求められている。
【0007】
また、従来の避難誘導方策は歩行者向けであり、東日本大震災では車による津波避難が滞ったことによって多くの方が被災したことからも、迅速な車での避難を可能にする誘導方法が求められている。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、津波発生時に車での避難を可能にする誘導方法及び誘導システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る誘導方法は、道路に沿って設置された第1誘導標識及び第2誘導標識を用いて避難者を誘導する誘導方法であって、前記第1誘導標識を、所定の道路区間の開始地点を示す表示を設けて所定の海抜地点に設置し、前記第2誘導標識を、前記所定の道路区間の終了地点を示す表示を設けて、前記所定の海抜地点以上の海抜地点に設置し、前記第1誘導標識及び前記第2誘導標識を、前記道路における車の進行方向に順次並ぶように設置して、前記所定の海抜地点未満の海抜地点を含む前記所定の道路区間を浸水が想定される区間とし、前記第1誘導標識を終了地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外、及び前記第2誘導標識を開始地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外を避難区間として、避難者を誘導することを特徴とする。
ここで、前記所定の道路区間は、津波発生時に浸水が想定される区間であり、前記誘導方法は、前記津波発生時に避難者を誘導してもよい。
また、前記所定の道路区間において、前記所定の道路区間であることを示す標示を路面に設けてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様に係る誘導システムは、所定の道路区間外を避難区間として避難者を誘導する誘導システムであって、道路に沿って設置された第1誘導標識及び第2誘導標識を備え、前記第1誘導標識は、前記所定の道路区間の開始地点を示す表示が設けられ、所定の海抜地点に設置され、前記第2誘導標識は、前記所定の道路区間の終了地点を示す表示が設けられ、前記所定の海抜地点以上の海抜地点に設置され、前記第1誘導標識及び前記第2誘導標識は、前記道路における車の進行方向に順次並ぶように設置されて、前記所定の海抜地点未満の海抜地点を含む前記所定の道路区間を浸水が想定される区間とし、前記第1誘導標識を終了地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外、及び前記第2誘導標識を開始地点とする前記所定の海抜地点以上の海抜地点である前記所定の道路区間外を避難区間とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、津波発生時に車での避難を可能にする誘導方法及び誘導システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る誘導システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る誘導システムの全体構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る第1誘導標識及び第2誘導標識の詳細な構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本発明の実施形態に係る誘導方法を実現する誘導システムの全体構成について、図1〜2を用いて説明する。
【0013】
図1及び図2は、本実施形態に係る誘導システムの全体構成を示す図である。なお、図1(a)は津波発生前の状態を示し、図1(b)は津波発生後の状態を示している。
【0014】
本実施形態に係る誘導方法は、津波発生時に、浸水が想定される道路区間(津波浸水想定区間)Bに居る者に対し、津波浸水想定区間B外の道路区間である避難区間Dに向けて、車40での避難誘導を促す方法である。この誘導方法を実現する誘導システムは、津波浸水想定区間Bの道路30に沿って配置された2種類の誘導標識である第1誘導標識10及び第2誘導標識20と、津波浸水想定区間Bの路面に形成された区域表示51及び54、開始標示52並びに終了標示53とから構成されている。
【0015】
第1誘導標識10及び第2誘導標識20は、車40の進行方向Aに順次並んで設置されており、第1誘導標識10及び第2誘導標識20で挟まれる道路区間が津波浸水想定区間Bであることを示している。車の進行方向Aにおいて、第1誘導標識10は津波浸水想定区間Bの開始地点に設置されて津波浸水想定区間Bの始まりを避難者に示し、第2誘導標識20は津波浸水想定区間Bの終了地点に設置されて津波浸水想定区間Bの終わりを避難者に示している。なお、車40の進行方向Aとは、車40が走行する道路30において法律で定められた車40の進行方向をいい、異なる進行方向の複数のレーンから構成される道路30においては、第1誘導標識10及び第2誘導標識20に最も近い位置に設けられたレーンの進行方向をいう。
【0016】
第2誘導標識20は、例えば津波浸水想定区間Bの全ての区間が第2誘導標識20の海抜地点以下となるように、第1誘導標識10の設置地点に対して等しい海抜地点、より好ましくは第1誘導標識10の設置地点より高い海抜地点に設置されている。例えば、第1誘導標識10の設置位置としては、海抜0mの地点とすることもできるし、国又は市町村が発表している津波浸水予想図が示す浸水予想地域の外縁と道路が交差する地点とすることもできる。
【0017】
区域表示51は、津波浸水想定区間Bであることを示す路面標示であり、進行方向Aに連続する複数の黒塗り「□」の図形により構成されている。一方、区域表示54も、津波浸水想定区間Bであることを示す路面標示であるが、「津波浸水想定箇所」の文字により構成されている。このように、区域表示51は、津波浸水想定区間Bの開始地点及び終了地点だけでなく、津波浸水想定区間B内の中間地点でも津波浸水想定区間Bであることを表示することができるので、迅速な避難を実現することができる。
【0018】
なお、区域表示51の図形は、第1誘導標識10及び第2誘導標識20からの距離に応じて変更されてもよいし、その間隔が変更されてもよい。例えば、第1誘導標識10及び第2誘導標識20からの距離が離れるにしたがって、区域表示51の図形の間隔が近づけられてもよい。これにより、津波浸水想定区間Bを走行する車40の運転者は、あとどれくらいで津波浸水想定区間Bを抜け出し、避難区間Dに到達できるかを走行しながら容易に認識することができる。
【0019】
開始標示52は、津波浸水想定区間Bの開始地点であることを示す路面標示であり、進行方向Aと交差する方向に連続する黒塗り「□」の図形と、「ここから」の文字とにより構成されている。一方、終了標示53は、津波浸水想定区間Bの終了地点であることを示す路面標示であり、進行方向Aと交差する方向に連続する黒塗り「□」の図形と、「ここまで」の文字とにより構成されている。
【0020】
以上の構成を持つ誘導システムでは、津波浸水想定区間Bを走行する、又は津波浸水想定区間Bに停車する車40が存在する場面において、津波が発生して津波浸水想定区間Bが浸水すると仮定する。この場合、図1(a)及び図1(b)に示すように、津波浸水想定区間Bの車40は、第1誘導標識10及び第2誘導標識20に基づいて進行方向Aに運転し、第2誘導標識20を境目として始まる避難区間Dへの避難を行うことができる。
なお、避難区間Dへの避難後は、場所や自治体の方針に応じて、車を避難区間Dに駐車し別の場所に徒歩避難してもよい。
【0021】
また、津波避難における安全な場所とは、津波が襲来した際に浸水しない場所であり、そこが道路上のある区間であればそこに留まることも避難であり、津波発生時に津波浸水想定区間に侵入させないことが重要である。従って、津波発生時に、避難区間Dを走行する、又は避難区間Dに停車する車40については、第1誘導標識10及び第2誘導標識20に基づいて避難区間Dであることを認識し、その場に留まることで避難を行うことができる。
次に、第1誘導標識10及び第2誘導標識20の詳細な構成について説明する。
【0022】
図3は、第1誘導標識10及び第2誘導標識20の詳細な構成を示す図である。なお、図3(a)は第1誘導標識10の正面図を示し、図3(b)は第2誘導標識20の正面図を示し、図3(c)は第1誘導標識10及び第2誘導標識20の側面図を示している。
【0023】
第1誘導標識10は、道路30に設置された支柱11と、支柱11の側面に取り付けられた表示板12及び13とから構成されている。表示板12及び13は、その表面に文字、図形及び記号等が描かれた看板である。第1誘導標識10は、津波浸水想定区間Bを進行方向Aに進行する車40の運転者が表示板12及び13の表面を視認可能であるように、その正面を進行方向Aに向けて配置されている。このとき、車40の運転者が表示板12の表面を視認容易であるように、表示板12の高さ、例えば表示板12の中心位置の高さは、車40の運転者の視点高さと略同じ高さ、例えば1200mmであることが好ましい。
【0024】
同様に、第2誘導標識20は、道路30に設置された支柱21と、支柱21の側面に取り付けられた表示板22及び23とから構成されている。表示板22及び23は、その表面に文字、図形及び記号等が描かれた看板である。第2誘導標識20は、津波浸水想定区間Bを進行方向Aに進行する車40の運転者が表示板22及び23の表面を視認可能であるように、正面を進行方向Aに向けて配置されている。このとき、車40の運転者が表示板12の表面を視認容易であるように、表示板22の高さ、例えば表示板22の中心位置の高さは、車40の運転者の視点高さと略同じ高さであることが好ましい。
【0025】
表示板12及び22は、同じ内容を示しており、共に「津波浸水想定区間」の文字及びそれを示す「△」の図形により第1誘導標識10及び第2誘導標識20で挟まれる区間が津波浸水想定区間Bであることを示している。一方、表示板13及び23は異なる内容を示している。具体的に、表示板13は「ここから▽」の文字及び図形により第1誘導標識10の設置された地点が津波浸水想定区間Bの開始地点であることを示している。そして、表示板23は「ここまで▽」の文字及び図形により第2誘導標識20の設置された地点が津波浸水想定区間Bの終了地点であることを示している。表示板12及び22を同じ内容のものとすることにより、第1誘導標識10及び第2誘導標識20で表示板を共用することができ、コストを低減することができる。
【0026】
ここで、第1誘導標識10及び第2誘導標識20は、車40の運転者の目線高さ(例えば1200cm)に、表示板12、13、22及び23を有することが好ましい。これにより、例えば車道の建築限界によって4500cmの高所に設置されたF型標識を表示板とする場合に比較して、車40の運転者による第1誘導標識10及び第2誘導標識20の情報入手を容易にすることができる。津波襲来地域の多くが平坦かつ直線の道路線形ではないため、水平に視程距離をもって標識を見ることができず、高所の情報は見づらい状況にある。さらには、基本的に人間の目線は下を見るようにできており、例えば車40の運転者の標準視線は−15度であり、高所の情報は注意しないと入手し難い状況にある。従って、このような構成を採用することにより、命に関わる情報を、車40の運転者に高確率で提供することが可能になる。
【0027】
なお、第1誘導標識10及び第2誘導標識20のそれぞれには、津波浸水想定区間Bであることを示す表示板と、津波浸水想定区間Bの開始地点又は終了地点であることを示す表示版とを別々に設けたが、これらを一体化して1つの表示板を設けてもよい。
【0028】
以上のように本実施形態に係る誘導方法は、道路30に沿って設置された第1誘導標識10及び第2誘導標識20を用いて避難者を誘導する誘導方法である。そして、この誘導方法では、第1誘導標識10を、所定の道路区間としての津波浸水想定区間Bの開始地点を示す表示を設けて所定の海抜地点に設置する。そして、第2誘導標識20を、津波浸水想定区間Bの終了地点を示す表示を設けて所定の海抜地点以上の海抜地点に設置する。そして、第1誘導標識10及び第2誘導標識20を、道路30における車40の進行方向Aに順次並ぶように設置し、津波浸水想定区間B外を避難区間Dとして、避難者を誘導する。
ここで、本実施形態に係る誘導方法では、津波浸水想定区間Bは、津波発生時に浸水が想定される区間であり、誘導方法は、津波発生時に避難者を誘導する。
【0029】
このような構成により、第2誘導標識20側で津波浸水想定区間Bと連続する道路区間(避難区間D)を津波発生時の避難場所として避難誘導を行うことができる。従って、津波浸水想定区間Bに居る者は、車40で道路30を走行して避難場所に車40を乗り入れる形で避難を行うことができる。その結果、迅速な避難を実現することができる。
【0030】
また、津波発生時に津波浸水想定区間Bの道路30を走行していた車40は、向きを変えることなくそのままの状態で走行して海抜地点の高い避難場所に避難することができ、安全な避難場所への迅速な避難を実現することができる。
【0031】
また、本実施形態に係る誘導方法では、津波浸水想定区間Bにおいて、津波浸水想定区間Bであることを示す区域表示51及び54、開始標示52並びに終了標示53を路面に設ける。
【0032】
このような構成により、津波発生時に避津波浸水想定区間Bに居る者は、区域表示51及び54、開始標示52並びに終了標示53により、自身の居る区間が浸水の想定される区間であることを早期に認識し、より迅速な避難を実現することができる。
【0033】
また、本実施形態に係る誘導システムは、所定の道路区間である津波浸水想定区間B外の道路区間を避難区間Dとして避難者を誘導する誘導システムである。そして、この誘導システムは、道路30に沿って設置された第1誘導標識10及び第2誘導標識20を備える。そして、第1誘導標識10は、津波浸水想定区間Bの開始地点を示す表示が設けられ、所定の海抜地点に設置される。そして、第2誘導標識20は、津波浸水想定区間Bの終了地点を示す表示が設けられ、所定の海抜地点以上の海抜地点に設置される。そして、第1誘導標識10及び第2誘導標識20は、道路30における車40の進行方向Aに順次並ぶように設置される。
【0034】
このような構成により、車40で道路30を走行して避難場所に車40を乗り入れる形で避難を行うことができ、迅速な避難を実現することができる。また、安全な避難場所への迅速な避難を実現することができる。
【0035】
以上、本発明の誘導方法及び誘導システムについて、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【0036】
例えば、上記実施形態において、津波浸水想定区間B内の道路30に沿って津波浸水想定区間Bであることを示す標識が設けられてもよい。この標識としては、例えば、第1誘導標識10及び第2誘導標識20の表示板12及び22の内容を変更したもの、例えば表示板12及び22の色を変更し、表示板13及び23の内容を第1誘導標識10及び第2誘導標識20から当該標識までの距離としたものを用いることができる。また、津波浸水想定区間B内の道路30に沿って既に設置されているデリネータ等の表面に津波浸水想定区間Bであることを示す表示が設けられたものを用いることもできる。この場合には、標識の設置コストを低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、津波発生時に避難場所に車で避難者を誘導する誘導方法及び誘導システム等において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
10 第1誘導標識
11、21 支柱
12、13、22、23 表示板
20 第2誘導標識
30 道路
40 車
51、54 区域表示
52 開始標示
53 終了標示
図1
図2
図3