(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のろう付け構造では、一方の内側鋼管又は外側鋼管の接合面の内端にろう材をはじく物質が塗布されているため、ろう材の管内面(管内)へのはみ出しを抑制することができる。しかし、特許文献1には、内側鋼管と外側鋼管との間からろう剤が外部に流れ出ることを抑制するための構造については提案されておらず、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、雌体の嵌合孔に嵌合された雄体と雌体とをろう付けにより接合する際に、ろう材が雌体の外部に流れ出ることを抑制することができるろう付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、
第1の態様に係るろう付け構造は、嵌合部に続いて前記嵌合部の外面より窪んだ窪み部が外面に沿って形成された雄体と、前記雄体の前記窪み部の少なくとも一部を含む前記嵌合部が嵌合される嵌合孔を備えた雌体と、前記窪み部と前記嵌合孔との間の隙間に充填されたろう材により前記雄体と前記雌体とを接合するろう付け部と、を有する。
【0007】
第1の態様に記載の
ろう付け構造によれば、雄体には、嵌合部に続いて嵌合部の外面より窪んだ窪み部が外面に沿って形成されており、雄体の窪み部の少なくとも一部を含む嵌合部が雌体の嵌合孔に嵌合されている。さらに、雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間の隙間にろう材が充填されており、このろう付け部により雄体と雌体とが接合されている。このろう付け構造では、雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間の隙間にろう材が充填されているため、加熱により溶融したろう材が雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間から雌体の外部に流れ出ることを抑制することができる。
【0008】
第2の態様に記載の
ろう付け構造は、
第1の態様に記載のろう付け構造において、前記雌体における前記嵌合孔が形成された面の少なくとも一部に曲面又は傾斜面が設けられている。
【0009】
第2の態様に記載の
ろう付け構造によれば、雌体における嵌合孔が形成された面の少なくとも一部に曲面又は傾斜面が設けられている。一般的に、嵌合孔が形成された面に曲面又は傾斜面が設けられている場合は、雌体の嵌合孔の縁部に面取り加工を施すことは難しい。このため、雌体の嵌合孔の縁部にほぼ均一に面取り部を設けることができず、雌体の嵌合孔の縁部と雄体との間に隙間を安定して設けることは難しい。これに対し、本発明では、雄体には、嵌合部に続いて嵌合部の外面より窪んだ窪み部が外面に沿って形成されているため、窪み部の形成が容易であると共に、雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間に安定して隙間を形成することができる。このため、加熱により溶融したろう材が雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間から雌体の外部に流れ出ることを効果的に抑制することができる。
【0010】
第3の態様に記載の
ろう付け構造は、
第1の態様又は
第2の態様に記載のろう付け構造において、前記雄体は筒状であり、前記雄体の周方向に沿って前記窪み部が形成されている。
【0011】
第3の態様に記載の
ろう付け構造によれば、雄体は筒状であり、雄体の周方向に沿って窪み部が形成されており、雄体の外面に窪み部を形成する際の加工が容易である。このため、雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間により確実に隙間を形成することができる。
【0012】
第4の態様に記載の
ろう付け構造は、
第1の態様から
第3の態様までのいずれか1
つの態様に記載のろう付け構造において、前記嵌合部が前記嵌合孔に嵌合された状態で、前記窪み部は前記嵌合孔の内部と前記嵌合孔の外部とに跨って配置されている。
【0013】
第4の態様に記載の
ろう付け構造によれば、雄体の嵌合部が雌体の嵌合孔に嵌合された状態で、窪み部は嵌合孔の内部と嵌合孔の外部とに跨って配置されており、窪み部における嵌合孔の外部にろう材が逃げるための余裕がある。このため、余剰のろう材がある場合は、ろう材が窪み部における嵌合孔の外部側に逃げ、雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間から雌体の面を伝ってろう材が流れ出ることをより確実に抑制することができる。
【0014】
第5の態様に記載の
ろう付け構造は、
第1の態様から
第4の態様までのいずれか1
つの態様に記載のろう付け構造において、前記雄体と前記雌体とを前記ろう付け部により接合することで管継手の本体部が構成されている。
【0015】
第5の態様に記載の
ろう付け構造によれば、雄体と雌体とをろう付け部により接合することで管継手の本体部が構成されている。このため、管継手の本体部を製造する際に、加熱により溶融したろう材が雄体の窪み部と雌体の嵌合孔との間から雌体の外部に流れ出ることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本願発明のろう付け構造によれば、雌体の嵌合孔に嵌合された雄体と雌体とをろう付けにより接合する際に、ろう材が雌体の外部に流れ出ることを抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
〔第1実施形態〕
図1には、本発明の第1実施形態であるろう付け構造の基本構成を説明するための接合部材10の接合前の状態が斜視図にて示されている。
図2(A)には、接合部材10の接合後の状態が斜視図にて示されており、
図2(B)には、接合部材10の接合後の状態が断面図にて示されている。
【0020】
図1、
図2(A)及び
図2(B)に示されるように、ろう付け構造S2が適用される接合部材10は、雌型部材からなる雌体12と、雄型部材からなる雄体14と、を備えている。本実施形態では、ろう付けを行う際に、
図1及び
図2の上方側が雌体12及び雄体14の上方側となるように配置している。雌体12は、
図1中の上方側に配置された略平面状の横壁部12Aと、横壁部12Aの幅方向(長手方向と直交する方向)の両端部から斜め下方側に傾斜した傾斜面としての傾斜部12Bと、傾斜部12Bの端部から縦方向に配置された縦壁部12Cと、を備えている。
【0021】
雌体12には、横壁部12Aとその両側の傾斜部12Bに、雄体14が嵌合される嵌合孔16を備えている。嵌合孔16は、平面視にて略円形状に形成されており、横壁部12Aの幅方向の全幅と横壁部12Aの両側の傾斜部12Bの一部に跨って設けられている。
【0022】
雄体14は、略円柱状の部材からなり、外面が湾曲面状に構成されている。雄体14は、軸方向の一端部に設けられた嵌合部14Aが嵌合孔16に嵌合されるようになっている。雄体14の外周面には、嵌合部14Aに続いて嵌合部14Aの外面(外周面)15より窪んだ窪み部18が周方向に沿って形成されている。雄体14の嵌合部14Aの外径は、雌体12の嵌合孔16の内径よりも僅かに小さく形成されており、雄体14の嵌合部14Aが雌体12の嵌合孔16に嵌合される構成とされている。本実施形態では、雄体14の窪み部18の少なくとも一部を含む嵌合部14Aが嵌合孔16に嵌合されている。
【0023】
窪み部18は、嵌合部14Aの外面15よりも僅かに窪んだ形状とされており、雄体14の周方向の全体に連続して形成されている。例えば、汎用の旋盤等により、雄体14の外面15を周方向に沿って面取り加工することで、窪み部18を容易に形成することができる。雄体14の嵌合部14Aが雌体12の嵌合孔16に嵌合された状態で、窪み部18は、嵌合孔16の内部と嵌合孔16の外部とに跨って配置されている。本実施形態では、例えば、窪み部18の外径(直径)は、嵌合部14Aの外面15の外径(直径)よりも0.2〜0.8mm程度小さく設定されている。これにより、嵌合孔16の内周面と窪み部18との半径方向の隙間(間隔)は、例えば、0.1〜0.4mm程度に設定されている。なお、窪み部18の外径は、上記範囲に限定するものではなく、変更が可能である。なお、
図2(B)では、本実施形態のろう付け構造S2を分かりやすくするため、実際の寸法よりも誇張して図示している。
【0024】
図2(A)、(B)に示されるように、雄体14の嵌合部14Aが雌体12の嵌合孔16に嵌合された状態で、窪み部18と嵌合孔16の内周面との間に隙間が形成されている。窪み部18と嵌合孔16の内周面との間の隙間にろう材20Aが充填されることで、このろう付け部20により雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16とが接合されている。
【0025】
窪み部18の軸方向の長さは、例えば、5mm程度に設定されている。雄体14の窪み部18の軸方向の長さ(
図2中の上下方向の深さ)は、ろう材20Aのろう付け面の強度となるので、必要な強度によって窪み部18の軸方向の長さは変わってくる。本実施形態では、約5mmに設定されているが、さらに強度が必要な場合は、窪み部18の軸方向の長さ(上下方向の深さ)を長くしてもよい。
【0026】
また、嵌合孔16の外部に露出する窪み部18の軸方向の寸法は、例えば、2〜3mm程度に設定されている。ろう材20Aによる接合時には、ろう材20Aが窪み部18における嵌合孔16の外部側に若干上がってくる可能性がある。その際、嵌合孔16の外部に露出する窪み部18の軸方向の寸法が2〜3mm程度に設定されていることで、加熱により溶融したろう材20Aの余剰分が窪み部18における嵌合孔16の外部側に逃げ、ろう材20Aが雌体12の横壁部12A及び傾斜部12Bを伝って流れ出るのを抑制することができる。
【0027】
本実施形態では、雌体12及び雄体14は、例えば、ステンレス鋼、鉄鋼、黄銅などの金属製とされている。ろう材20Aは、雌体12及び雄体14よりも融点が低い材料(例えば、銀ろうなど)を用いることができる。
【0028】
ここで、雄体14と雌体12とを接合する工程について説明する。
雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16のろう付けをする部分に酸化被膜の除去等の表面処理を行ない、雄体14の嵌合部14Aを雌体12の嵌合孔16に嵌合させる。本実施形態では、雄体14の嵌合部14Aの外径よりも窪み部18の外径が小さいため、窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間に隙間が形成されている。
【0029】
次いで、例えば線状部材からなるろう材20Aと、雄体14及び雌体12のろう付けする部分付近をガストーチ等により加熱し、ろう材20Aを溶融させる。さらに、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間の隙間にろう材20Aを流し込む(ろう材20Aを充填する)。その後、ろう材20Aを冷却してろう材20Aが固まることで、このろう付け部20により雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16とが接合される。これにより、雄体14と雌体12とが接合された接合部材10が形成される。このろう付け構造S2では、窪み部18の一部が嵌合孔16の外部に露出しているので、窪み部18と嵌合孔16との間の隙間にろう材20Aを流し込みやすくなる。
【0030】
なお、雄体14と雌体12とを接合する工程は、上記の例に限定されるものでなく、他の工程により接合してもよい。例えば、真空中などで雰囲気ろう付けを行うことにより雄体14と雌体12とを接合してもよい。
【0031】
次に、本実施形態のろう付け構造S2が適用された接合部材10の作用について説明する。
【0032】
図2に示されるように、雄体14の外周面には、嵌合部14Aに続いて嵌合部14Aの外面15より窪んだ窪み部18が周方向に沿って形成されており、雄体14の窪み部18の一部を含む嵌合部14Aが雌体12の嵌合孔16に嵌合されている。これにより、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間に隙間が形成されている。さらに、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間の隙間にろう材20Aが充填されることで、このろう付け部20により雄体14と雌体12の嵌合孔16とが接合されている。このようなろう付け構造S2では、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との隙間にろう材20Aが充填されているため、加熱により溶融したろう材20Aが雄体14と雌体12の嵌合孔16との間から雌体12の外部の横壁部12Aや傾斜部12Bに流れ出ることを抑制することができる。
【0033】
雌体12には、嵌合孔16が形成された面の少なくとも一部に傾斜部(傾斜面)12Bが設けられている。一般的に、嵌合孔が形成された面に曲面又は傾斜面が設けられている場合は、雌体の嵌合孔の縁部に面取り加工を施すことは難しい。このため、雌体の嵌合孔の縁部にほぼ均一に面取り部を設けることが難しく、雌体の嵌合孔の縁部と雄体の外周面との間に隙間を安定して設けることは難しい。
【0034】
これに対し、本実施形態のろう付け構造S2では、雄体14に嵌合部14Aの外面15より窪んだ窪み部18を周方向に沿って設けているため、窪み部18の形成が容易である。例えば、汎用の旋盤等を用いて、雄体14の外面15に周方向に沿って面取り加工することで、窪み部18を容易に形成することができる。このため、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間により確実に隙間を形成することができる。したがって、加熱により溶融したろう材20Aが雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間から雌体12の外部の横壁部12Aや傾斜部12Bに流れ出ることを効果的に抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、雄体14の嵌合部14Aが雌体12の嵌合孔16に嵌合された状態で、窪み部18は嵌合孔16の内部と嵌合孔16の外部とに跨って配置されており、窪み部18における嵌合孔16の外部側にろう材20Aが逃げるための余裕がある。このため、余剰のろう材20Aがある場合は、ろう材20Aが窪み部18における嵌合孔16の外部側に逃げ、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間からろう材20Aが横壁部12Aや傾斜部12Bを伝って流れ出ることをより確実に抑制することができる。
【0036】
図5(A)には、第1比較例のろう付け構造S112に用いられる雌体102が斜視図にて示されており、
図5(B)には、第1比較例のろう付け構造S112が適用された接合部材100が斜視図にて示されている。
図5(A)、(B)に示されるように、接合部材100は、雌体102と、略円柱状の雄体104とを備えている。雌体102は、略平面状の横壁部102Aと、横壁部102Aの幅方向の両端部から横壁部102Aと直交する方向に配置された縦壁部102Bと、を備えている。雌体102の横壁部102Aには、縦壁部102Bの方向に沿って雄体104が嵌合される嵌合孔106が形成されている。嵌合孔106と横壁部102Aとの縁部には、横壁部102Aから斜め方向にカットされた面取り部106Aが形成されている。面取り部106Aは、嵌合孔106の周方向に連続して形成されている。
【0037】
このろう付け構造S112では、雄体104が雌体102の嵌合孔106に嵌合された状態で、面取り部106Aと雄体104の外周面105との間にろう材20Aを充填することで、ろう付け部20により雄体104と雌体102とが接合されている。この雄体104では、横壁部102Aに嵌合孔106が設けられているため、嵌合孔106と横壁部102Aとの縁部に容易に面取り加工をすることができ、嵌合孔106の周方向に沿って面取り部106Aをほぼ均一に形成することができる。このため、雌体102の面取り部106Aと雄体104の外周面105との間にろう材20Aを充填する際に、加熱により溶融したろう材20Aが雌体102の面取り部106Aと雄体104との間から外部の横壁部102Aに流れ出ることを抑制することができる。
【0038】
しかし、雌体の嵌合孔が形成された面の少なくとも一部に曲面や傾斜面が設けられている場合は、嵌合孔の縁部に面取り加工することが難しい。以下、このような場合について、第2比較例、第3比較例のろう付け構造により説明する。
【0039】
図6(A)には、第2比較例のろう付け構造S114に用いられる雌体122が斜視図にて示されており、
図5(B)には、第2比較例のろう付け構造S114が適用された接合部材120が斜視図にて示されている。
図6(A)、(B)に示されるように、接合部材10は、雌体122と、略円柱状の雄体104とを備えている。
図6(A)に示されるように、雌体12は、略平面状の横壁部12Aと、横壁部12Aの幅方向(長手方向と直交する方向)の両端部から斜め下方側に傾斜した傾斜部12Bと、傾斜部12Bの端部から縦方向に配置された縦壁部12Cと、を備えている。
【0040】
雌体122には、横壁部12Aとその両側の傾斜部12Bの一部に跨った位置に、雄体104が嵌合される嵌合孔124が設けられている。嵌合孔124と横壁部12Aとの縁部には、斜め方向にカットされた面取り部124Aが形成されている。しかし、雌体122に傾斜部(傾斜面)12Bがある場合には、嵌合孔124の傾斜部12Bとの縁部に面取り加工を施すことが難しい。このため、一般の工作機械では、嵌合孔124と傾斜部12Bとの縁部に面取り部をほぼ均一に形成することができない。
【0041】
このため、
図6(B)に示されるように、雄体104が雌体122の嵌合孔124に嵌合された状態で、雄体104の外周面05と面取り部124Aとの間にろう材20Aを充填することにより、雄体104と雌体122とを接合しようとしても、加熱により溶融したろう材20Aが雄体104と雌体122の嵌合孔124との間から傾斜部12Bに流れ出す場合がある。このため、雌体122の外部にろう材20Aがはみ出し、外観や寸法などの不良の原因となる。また、ろう材20Aが冷却されて塊になった場合は、機械加工によりろう材20Aの除去が必要となる場合がある。また、嵌合孔124と傾斜部12Bとの縁部に面取り部をほぼ均一に形成するためには、非常に高価な設備や技術が必要であり、コストアップに繋がる。
【0042】
また、
図7には、第3比較例のろう付け構造に用いられる雌体132が斜視図にて示されている。
図7に示されるように、雌体132は、略円柱状に形成されている。雌体132の曲面としての外周面132Aには、径方向に沿って雄体(図示省略)が嵌合される嵌合孔134が設けられている。この雌体132では、外周面132Aに嵌合孔134が設けられているため、嵌合孔134と外周面132Aとの縁部に面取り加工を施すことが難しい。このため、一般の工作機械では、嵌合孔134と外周面132Aとの縁部に面取り部をほぼ均一に形成することが困難である。
【0043】
これに対して、本実施形態のろう付け構造S2では、雄体14の外周面に嵌合部14Aの外面15より窪んだ窪み部18が周方向に沿って設けられている。これにより、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間に隙間が形成され、この隙間にろう材20Aが充填されることで、雄体14と雌体12の嵌合孔16とが接合されている。このようなろう付け構造S2では、雄体14の外面15への窪み部18の加工が容易であり、雄体14の外面15にほぼ均一に窪み部18を形成することができる。また、雄体14の窪み部18と雌体12の嵌合孔16との間に隙間が安定して形成されるため、加熱により溶融したろう材20Aが雄体14と雌体12の嵌合孔16との間から雌体12の外部の横壁部12Aや傾斜部12Bに流れ出ることを抑制することができる。
【0044】
なお、第1実施形態では、雄体14は、略円柱状に形成されているが、これに限定するものではない。雄体は、例えば、外形が長円、楕円状などでよく、また、円筒状等の筒状体により構成されていてもよい。また、雄体14の窪み部18は、雄体14の周方向に沿って形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、窪み部は、雄体14の軸方向と交差する方向に沿って形成してもよい。
【0045】
〔第2実施形態〕
次に、
図3及び
図4を用いて、本発明に係るろう付け構造の第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0046】
図3(A)には、ろう付け構造S4が適用された管継手の本体部30が断面図にて示されており、
図3(B)には、管継手の本体部30が
図3(A)中の3B−3B線に沿った断面図にて示されている。
図3(A)及び
図3(B)に示されるように、管継手の本体部30は、雌体32と雄体34とを備えている。本実施形態では、ろう付けを行う際に、
図3及び
図4の上方側が雌体32及び雄体34の上方側となるように配置している。雌体32は、軸方向視にて略六角形状に形成されている。より具体的には、雌体32は、
図3中の上方側に配置された略平面状の横壁部32Aと、
図3中の下方側に横壁部32Aと対向するように配置された横壁部32Dと、横壁部32Aの幅方向(軸方向と直交する方向)の両端部から斜め下方側に傾斜した傾斜面としての傾斜部32Bと、傾斜部32Bの端部と横壁部32Dの端部とを繋ぐように配置された傾斜部32Cと、を備えている(
図4参照)。
【0047】
雌体32の中心部には、流体が流れる流路36が設けられている。雌体32の軸方向の一端部32Eには、流路36が拡大された拡大流路部36Aが設けられている。雌体32は、横壁部32Aとその両側の傾斜部32Bの一部に跨った位置に、雄体34が嵌合される嵌合孔38を備えている。嵌合孔38は平面視にて略円形状に形成されている。雌体32は、嵌合孔38の底部が拡大流路部36Aに連通する構成とされている。雄体34の軸方向の他端部32Fには、他の配管を接続するための雌ねじ部40が設けられている。
【0048】
雄体34は、略円筒状の筒状体からなり、中心部に流体が流れる流路44が設けられている。雄体34は、軸方向の一端部に設けられた嵌合部34Aが嵌合孔38に嵌合されるようになっている。雄体34の外周面には、嵌合部34Aに続いて嵌合部34Aの外面(外周面)35より窪んだ窪み部46が周方向に沿って設けられている。
【0049】
窪み部46は、雄体34の周方向の全体に連続して形成されており、例えば、汎用の旋盤等により、雄体34の外面35を周方向に沿って面取り加工することで窪み部46を容易に形成することができる。窪み部46は、雄体34の嵌合部34Aが雌体32の嵌合孔38に嵌合された状態で、嵌合孔38の内部と嵌合孔38の外部とに跨って配置されている。
【0050】
図4に示されるように、雄体34の嵌合部34Aが雌体32の嵌合孔38に嵌合された状態で、窪み部46と嵌合孔38の内周面との隙間にろう材20Aが充填されることで、雄体34の窪み部46と雌体32の嵌合孔38とがろう付け部20により接合されている。これにより、雌体32と雄体34とが接合された管継手の本体部30が形成されている。この管継手の本体部30では、雌体32の流路36と雄体34の流路44が連通されており、本体部30の内部に流体を流すことが可能である。なお、
図4中の符号52は、雄体34の窪み部46の縁部に係止される止め輪52である。
【0051】
次に、本実施形態のろう付け構造S4が適用された管継手の本体部30の作用について説明する。
【0052】
図4等に示されるように、雄体34には、嵌合部34Aに続いて嵌合部34Aの外面35より窪んだ窪み部46が周方向に沿って形成されており、雄体34の窪み部46の一部を含む嵌合部34Aが雌体32の嵌合孔38に嵌合されている。さらに、雄体34の窪み部46と雌体32の嵌合孔38との間に形成された隙間にろう材20Aが充填されることで、このろう付け部20により雄体34と雌体32の嵌合孔38とが接合されている。このろう付け構造S4では、雄体34と雌体32とをろう付け部20により接合することで管継手の本体部30が構成されている。このため、管継手の本体部30を製造する際に、ろう材20Aが雄体34の窪み部46と雌体32の嵌合孔38との間から雌体32の外部の横壁部32Aや傾斜部32Bに流れ出ることを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態のろう付け構造S4では、雄体34の外面35に周方向に沿って窪み部46を設けているため、窪み部46の加工が容易であり、例えば、汎用の旋盤等で容易に窪み部46を形成することができる。このため、雄体34の窪み部46と雌体32の嵌合孔38との間により確実に隙間を形成することができる。
【0054】
また、雄体34の嵌合部34Aが雌体32の嵌合孔38に嵌合された状態で、窪み部46は嵌合孔38の内部と嵌合孔38の外部とに跨って配置されており、窪み部46における嵌合孔38の外部側に余剰のろう材20Aが逃げるための余裕がある。このため、加熱により溶融したろう材20Aが雄体34と雌体32の嵌合孔38との間から雌体32の外部の横壁部32Aや傾斜部32Bを伝って流れ出ることをより確実に抑制することができる。
【0055】
なお、第1及び第2実施形態では、雌体の傾斜部の一部に跨って嵌合孔が設けられているが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、雌体の曲面の少なくとも一部に跨って嵌合孔が形成されている場合、略円筒状又は略円柱状の雌体の周面に嵌合孔が形成されている場合にも、本発明を適用することができる。
【0056】
また、管継手の本体部は、第2実施形態の構成に限定されるものではなく、変更が可能である。例えば、雌体の流路の形状や、雌ねじ部などの接続部の構成は適宜に変更することができる。