(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】本発明に係る弾球遊技機の透明板保持枠の一側縁下部の斜視図。
【
図5】本発明に係る弾球遊技機の機枠と本体枠との取着状態を示す斜視図。
【
図6】本発明に係る弾球遊技機の遊技板の裏面の斜視図。
【
図7】本発明に係る弾球遊技機の遊技板の前面の斜視図。
【
図8】本発明に係る弾球遊技機の本体枠に遊技板が組み付けられる過程を示す斜視図。
【
図9】
図8の本体枠と遊技板との軸支部の水平断面拡大図。
【
図12】本発明に係る弾球遊技機の本体枠に遊技板を組み付けたときの斜視図。
【
図13】本発明に係る弾球遊技機の本体枠に遊技板を組み付けたときの水平断面図。
【
図15】本発明に係る弾球遊技機の本体枠に遊技板および透明板保持枠を取付ける過程の斜視図。
【
図16】本発明に係る弾球遊技機の透明板保持枠の軸支部の縦断面図。
【
図17】本発明に係る弾球遊技機の透明板保持枠に設けられる係脱機構の分解斜視図。
【
図18】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置の分解斜視図。
【
図19】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置の分解斜視図。
【
図20】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置と遊技板の係合片とを示す斜視図。
【
図22】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置と透明板保持枠の係脱機構とを示す斜視図。
【
図24】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置の第1係合機構が係合解除作動したときの下半部の拡大左側面図。
【
図26】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置の第2係合機構が係合解除作動したときの下半部の拡大左側面図。
【
図28】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置の遊技板押出機構が作動したときの下半部の拡大左側面図。
【
図30】本発明に係る弾球遊技機の施錠装置が本体枠と機枠との係合解除作動をしたときの下半部の拡大左側面図。
【
図32】本発明に係る弾球遊技機の遊技板軸支機構の他の実施形態を示す斜視図。
【
図33】本発明に係る弾球遊技機の遊技板ホルダと遊技板の斜視図。
【
図34】
図33に示した遊技板ホルダを弾球遊技機の本体枠に設けたときの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に本発明に係る弾球遊技機の実施形態をパチンコ遊技機について図面に従い説明する。
図1はこのパチンコ遊技機の正面を示す。また、
図5にはその機枠(外枠とも称される)1に本体枠6(前面枠または遊技機本体とも称される)を取着したパチンコ遊技機の組立途中の状態を示す。
図5に示したように、機枠1は遊技場の島台に固設される縦長方形状のもので、その一側縁の上下部に受片2,3が前方に向けて突設され、上部の受片2の上面に支軸2aが突設され、下部の受片3の上面に支軸3aが突設されている。なお、機枠1の他側縁の内面には上下間隔を離して一対の係合部材4a,4b(
図5では破断線で示す)が固設されている。
【0011】
本体枠6は枠状に形成され、その前面下部に球受皿7,操作盤8,発射ハンドル9等が設けられ、裏側に景品球払出装置,景品球タンク,遊技制御回路基板ボックス(いずれも図示せず)等が設けられ、該本体枠6の一側縁の下部に受片10が突設されている。そして、該受片10に形成された軸受孔に前記支軸3aを遊嵌することにより、該受片10が前記受片3上に支持される。また、該本体枠6の一側縁の上部に受片11が突設され、該受片11に形成された軸受孔に前記支軸2aを遊嵌することにより、該受片11を前記受片2上に支持している。これにより該本体枠6は、該機枠1に前記支軸2a,3aを支点として回転自在、即ち、前方へ開閉自在なるように枢着される。
【0012】
なお、本体枠6は内側に遊技板20が合致し得る大きさの枠状に形成され、
図5に示したように該本体枠6の内周縁に該遊技板20の一側縁が係合し得る鉤状部5aが形成された係着部材5を固設している。また、後述する施錠装置を作動させるために、該本体枠6の他側縁(軸支部の反対側側縁、即ち、自由側縁)であって該本体枠6の前面に鍵孔が露呈するようにシリンダ錠12が設けられる。
【0013】
また、
図2に示したように、前記受片11に前記受片2の下方にL字状に折れ曲がって伸びるように軸受片11aが一体に形成され、該軸受片11aの下面に軸受体11bが固設されている。そして、該軸受体11bに後述する透明板保持枠14に設けられた上部第1支軸17の上端部が遊嵌し得る。また、該軸受片11aと相対するように該本体枠6の一側縁の下部寄りであって前記球受皿7よりも高位置に、
図1,
図5に示したように、軸受片13が突設され、該軸受片13の上面に下部第1支軸13aが上部第1支軸17と相対するように一鉛直線上に形成される。
【0014】
遊技板20は、
図6,
図7に組立途中の状態のものを示したように、大きな開口20aが形成された略正方形の合成樹脂製の板体であって、該板体の裏側にケース20bが突出状に固設され、該ケース20bの背面部に開口20aと対面するように液晶図柄表示装置20cが設けられる。なお、
図6〜
図15に示した遊技板20は組立途中であるので図示していないが、
図1に示したように、該遊技板20の前面に球誘導レール20dに包囲されていて多数の障害釘が固植され遊技球が自由に転動可能な遊技領域20eが形成され、該遊技領域20eに入賞装置20f等が設けられるほか、ギミックと称される可動装飾装置20gが設けられる。該可動装飾装置20gは、ケース20b内に設けたモータ等の駆動機構を作動させることにより液晶図柄表示装置20cの前面に出現したり、該ケース20b内に収容されて遊技者の視界から隠れたりすることで遊技者を楽しませる。
【0015】
また、
図7,
図9に示したように、該遊技板20の一側縁の下部に水平板状の取着片21aが前方に突出するように固設され、該取着片21aに下部第2支軸22aを固植する。そして、該下部第2支軸22aを連結片22bの一端部に貫挿することにより該連結片22bを該取着片21aの水平な下面にて回転自在なるように摺接させるとともに、該連結片22bの上面に固植したピン状の回転規制部材22cを該取着片21aに形成した円弧状孔21bに遊嵌する。このため、該連結片22bは該下部第2支軸22aを支点として水平面内で回転自在なるように設けられるとともに、この枢着部の回転可能範囲は該円弧状孔21bによって20度程度に制限される。なお、該連結片22bの他端部(先端部)に中空筒状体22eを固設し、該中空筒状体22eに形成された透孔22dが該連結片22bの他端部を貫通する。
【0016】
また、該遊技板20の一側縁の上部にも前記取着片21aと同様の水平板状の取着片23aが前方に突出するように固設され、該取着片23aに上部第2支軸24aを固植し、該上部第2支軸24aを連結片24bの一端部に貫挿している。これにより該取着片23aの水平な上面にて連結片24bが回転自在なるように軸支される。そして、図示を省略するが、上記と同様の円弧状孔および回転規制部材を設けることにより、該連結片24bの回転可能範囲が20度程度に制限されるようにしている。また、該連結片24bの他端部(先端部)に透孔24eを開設している。
なお、25は遊技板20の他側縁(自由側縁)に固設した止金具で、該止金具に鉤状の係合部25a,25bを形成している。
【0017】
透明板保持枠14は、
図15に示したように、裏面下辺部にレール状の縁材16aが突設され、裏面上辺部には回転可能なるように一対の係合爪15が設けられ、該縁材16a上に二重の板ガラスからなる透明板16が支持されるとともに、該透明板16の上縁部に該係合爪15を係合することで該透明板16が着脱可能に取り付けられてなる。そして該透明板保持枠14の一側縁の下部に
図4に示したように軸受片14aを前方に突出するように固設し、該軸受片14aに透孔14bが開設され、該透孔14bに前記中空筒状体22eが遊嵌される。該透明板保持枠14の一側縁の上部にはツマミ19を上下することにより上下動し得るように前記上部第1支軸17が設けられる。
図16はこの部分の詳細を示し、該上部第1支軸17は透明板保持枠14の一側縁上部に設けられた軸受部19aにより上下動自在に支持され、コイルバネ18が該第1支軸17を上向きに付勢することで該第1支軸17の上端部が突出し、該上端部が前記連結片24bの透孔24eを貫通し前記軸受片11aの軸受体11bに遊嵌される。このように該透明板保持枠14は、透孔14bと中空筒状体22eとからなる下方枢着部、および上部第1支軸17と透孔24eとからなる上方枢着部により、遊技板20に対し開閉自在に枢着し得る。
【0018】
なお、透明板保持枠14の他側縁(自由側縁)に
図17に示した係脱機構30が設けられる。該係脱機構30は、透明板保持枠14の裏面に水平断面L字状の基板31が固設され、該基板31の上下位置に係合部32a,32bを起立状に形成する一方、該基板31に同L字状の取付板33を固設している。一方、上下に長い板状の係脱部材34の上下部に形成された長孔35a,35bにリベット36a,36bを遊嵌して該係脱部材34を取付板33の内面に上下に進退動自在なるように設け、該係脱部材34に起立部35を起立形成するとともに、長孔35a,35b付近に下向き鉤状の係合片37a,37bを形成し、コイル状のスプリング38を取付板33と該係脱部材34との間に張設することにより該係脱部材34を下向きに付勢してなる。33aは取付板33の上部内面に突設されたストッパで、該ストッパ33aに係脱部材34の上端縁が当たることで該係脱部材34の上動可能範囲が制限されるようにしている。
【0019】
また、遊技板20は、
図9(同図では前記透明板保持枠14は示していない。)に示したように、前記軸受片13に設けられた下部第1支軸13aに前記連結片22bの中空筒状体22eの透孔22dを合致させるとともに、
図16に示したように前記軸受片11aの軸受体11bに前記連結片24bの透孔24eを合致させ、該透孔24eに前記上部第1支軸17を貫挿することで、該連結片22bおよび連結片24bを該下部第1支軸13aおよび上部第1支軸17にそれぞれ回転自在に軸支することにより本体枠6に枢着される。こうすることで、該遊技盤20と前記透明板保持枠14とはともに本体枠6に開閉可能に枢着される。
そして、該遊技板20を本体枠6内に収める(閉じる)に際しては、該連結片22bおよび連結片24bを
図9に矢印で示したように回転させることにより、
図10,
図11に示したように下部第2支軸22aおよび上部第2支軸24aを本体枠6の内周縁に位置させた後、該第2支軸22a,24aを支点としてさらに取着片21a,23aを回転させることで
図12〜
図14に示したように該遊技板20を本体枠6内に収め、前記鉤状部5aの内側に該遊技板20の一側縁を合致させる。このように、該遊技板20は第1支軸13a,17を支点として回転し得る他、第2支軸22a,24aを支点としても回転し得る。このため先ず第1支軸13a,17を支点として回転させて第2支軸22a,24aを本体枠6の内周縁に位置させ、その後に該第2支軸22a,24aを支点として回転させることで、該遊技板20は
図13に矢印で示したような軌跡で移動するので、遊技板20の裏側に出っ張ったケース20bが該本体枠6の他側縁に衝突することなく該本体枠6の内周縁を通過させて該本体枠6の裏側に通すことができ、常に支障なく該遊技板20を本体枠6内に組み付けることができる。
なお、回転規制部材22cを設け、連結片22b,24bと取着片21a,23aとの枢着部はその相対的回転可能範囲が制限されるようにしたことから、この組み付け時に該連結片22b,24bの無用な回転が抑えられ、この組み付け作業が簡易に行えるようにしている。
【0020】
次に、本体枠6の他側縁(自由側縁)に固設される施錠装置40の構成を
図18,
図19の分解斜視図に従い説明すると、該施錠装置40は、上下方向に長い水平断面略コ字状の基板41が本体枠6に固設され、上下方向に長い板状の作動杆42の4箇所に長孔43a〜43dが開設され、該各長孔にリベット44a〜44dを遊嵌して該各リベットを基板41に固植することにより、上下に摺動自在なるように設けられる。該基板41の下端部寄りに起立形成された取付部45にシリンダ錠12が固設され、該シリンダ錠12の後端部から突出した回転軸に二股状のカム片12bが固設され、該カム片に作動杆42の下端部寄りに形成された起立片46が係合し得るように組み立てられる。
【0021】
48a,48bは、前記係合部材4a,4bに係脱する上向き鉤状の係合片で、該係合片48a,48bは基板41に形成された細長孔49a,49bに貫挿させて先端を裏方向に突出させるとともに、前記リベット44b、44dを該係合片48a,48bの基部に形成された小長孔50a,50bに遊嵌することにより該小長孔50a,50bの形成範囲内にて上下に摺動可能に支持され、コイル状のスプリング51a,51bを該係合片48a,48bに張設することにより該係合片48a,48bを上向きに付勢している。そして、前記作動杆42に形成された張出部52a,52bが該係合片48a,48bの基部に形成された起立部53a,53bと対峙し、前記作動杆42が下方に摺動したとき該張出部52a,52bが起立部53a,53bに当たり該係合片48a,48bが下降する。
【0022】
55a,55bは、前記係合部32a,32bに係脱する下向き鉤状の係合片で、該係合片55a,55bは基板41に形成された切欠56a,56bから前方向に突出させるとともに、前記リベット44a、44cを該係合片55a,55bの基部に形成された小長孔57a,57bに遊嵌することにより該小長孔57a,57bの形成範囲内にて上下に摺動可能に支持され、コイル状のスプリング51a,58bを該係合片55a,55bに張設することにより該係合片55a,55bを下向きに付勢している。そして、前記作動杆42に形成された張出部59a,59bが該係合片55a,55bの基部に形成された起立部60a,60bと対峙し、前記作動杆42が上方に摺動したとき該張出部が該起立部60a,60bに当たり該係合片55a,55bを上昇させる。
【0023】
また、65a,65bは、前記係合部20a,20bに係脱させるために設けられた上向き鉤状の係合片で、該係合片65a,65bは基板41に形成された切欠66a,66bから前方向に突出するようにリベット67a,67bを透孔68a,68bに貫挿することにより回転自在に設けられ、コイル状のスプリング69a,69bを張設することにより該係合片65a,65bを上向きに付勢している。そして、前記作動杆42に形成された張出部70a,70bが該係合片65a,65bの基部に形成された起立部71a,71bと対峙し、前記作動杆42が上方に摺動したとき該張出部が起立部71a,71bに当たり該係合片65a,65bを下向きに回転させる。
なお、72は作動杆42の略中間部にて前向きに張り出すように形成された連動片で、該連動片72は後述するように前記起立部35と対峙し係脱機構30を作動させる。
【0024】
75a,75bは基板41の後方拡張部76a,76bに設けた遊技板押出機構で、該各遊技板押出機構は、押出金具に押圧部77a,77bが遊技板20の裏面と相対するように折り曲げ形成され、該押出金具の基部78a,78bに透孔79a,79bおよび該透孔を曲率中心とする円弧状孔80a,80bが形成され、該透孔79a,79bにリベット81a,81bを貫挿し、円弧状孔80a,80bにリベット82a,82bを貫挿することにより、後方拡張部76a,76bに該押出金具が該円弧状孔80a,80bの形成範囲内にて回転自在に支持され、コイル状のスプリング83a,83bを該押圧金具に張設することにより常態では該押圧部77a,77bが後退するように付勢している。そして、前記作動杆42に形成された張出部84a,84bが基部78a,78bに形成された突部88a,88bと対峙する。このため作動杆42が上方に摺動したとき該張出部が該突部88a,88bに当たり該押圧金具をスプリング83a,83bの張力に抗して回転させ押圧部77a,77bを前方に突出させる。なお、該押圧部77a,77bは遊技板20の他側縁の裏面の上下部に相対する。
【0025】
図20〜
図23は該施錠装置40の組立状態の斜視図であるが、
図20,
図21はこの斜視図に遊技板20に固設された前記係合部20a,20bを併記したことで、該係合部20a,20bと前記係合片65a,65bとの係合位置関係が表示される。また、
図22,
図23はさらにこれに前記係脱機構30を併記した図面であり、これによって前記係合部32a,32bと前記係合片55a,55bとの係合位置関係が表示される。
【0026】
このように構成したパチンコ遊技機では、
図5に示したように、前記機枠1内に本体枠6を収容した状態では、前記係合片48a,48bが前記係合部材4a,4bに係合し、スプリング51a,51bの弾性によりその係合状態が保持される。また、
図12,
図13に示したように、遊技板20を本体枠6内に収容したとき該遊技板20の他側縁に設けられた係合部25a,25bに前記係合片65a,65bを係合させることで、該遊技板20が閉状態に固定され、スプリング69a,69bの弾性により該係合部25a,25bと該係合片65a,65bとの係合状態が保持される。以下、この係合機構のことを第2係合機構という。またこの係合状態では該遊技板20の裏面に前記遊技板押出機構75a,75bの押圧部77a,77bが相対する。
【0027】
また、
図1に示したように、透明板保持枠14を閉じたとき、係合部32a,32bに係合片55a,55bが係合し、スプリング51a,58bの弾性によりその係合状態が保持される。以下、この係合機構のことを第1係合機構という。またこの第1係合機構が作動すると同時に、係合片37a,37bが係合部25a,25bに係合し、スプリング38の弾性によってその係合状態が保持される。このため、この構造では、該透明板保持枠14が本体枠6に設けられた施錠装置40に係合されるだけでなく、遊技板20に対しても係合され、二重のロック状態となり、透明板保持枠14を本体枠6に隙間なく堅固に密着させ、隙間、ガタツキを生じさせないので、不正の目的でピアノ線を挿入したり透明板保持枠14がこじ開けられるのを防止することができる。
【0028】
また、係合部20a,20bに対し下方から上向き鉤状の係合片65a,65bが係合し、上方から下向き鉤状の係合片37a,37bを係合させているとともに、係合片55a,55bを係合部32a,32bに係合させているので、本体枠6と遊技板20と透明板保持枠14とが強固に連結され、頑強なロック状態が実現され、セキュリティーが向上する。さらには、一つの係合部25a,25bに対して上下方向から係合片37a,37b、係合片65a,65bを係合させるようにしたことにより、幅狭に構成することができ、嵩張らないので、その分、遊技板20の遊技領域を大きく確保することができる。
【0029】
一方、シリンダ錠12の鍵孔に特定のキーを挿入し、該シリンダ錠を左方向に回転操作し、
図24に示したように、カム片12bを起立片46に係合させて作動杆42を上動させると、張出部59a,59bが起立部60a,60bを介して係合片55a,55bを押し上げることで、前記第1係合機構が係合解除作動し、該係合部32a,32bと該係合片55a,55bとの係合が解除されると同時に、該作動杆42に形成された連動片72が起立部35を介して係脱部材34を押し上げることから、係合片37a,37bと係合部25a,25bとの係合が解除される。このため
図15に示したように透明板保持枠14が開かれ、遊技板20面に遊技球が詰まったときのようなトラブルに対処される。
【0030】
そして、透明板保持枠14を開くことにより連動片72が起立部35から離れるので、その状態では
図26に示したように該シリンダ錠12をさらに同方向に回転操作し
図26に示したように作動杆42をさらに上動できるようになる。即ち、
図17に示したように、長孔35a,35bの長さによって規制される係脱部材34の上下動可能範囲は、作動杆42の上下動可能範囲よりも狭く設定されていることから、透明板保持枠14を開かなければシリンダ錠12をさらに同方向に回転操作することできないようになっている。このため、透明板保持枠14を開いた後にシリンダ錠12をさらに同方向に回転操作すると、はじめて張出部70a,70bが起立部71a,71bに当接し、そのまま押し上げることで、前記第2係合機構が作動し、係合片65a,65bが下動することで係合部20a,20bとの係合、即ち、遊技板20との係合が解除される。このように本発明では、透明板保持枠を開くことによりにより初めてシリンダ錠をさらに回転操作することを可能とする操作制限手段を設け、第2係合機構は第1係合機構を係合解除作動させて透明板保持枠14を開かないと係合解除作動できないようにしたことにより、透明板保持枠14だけを開けようとして一気に誤って遊技板20をも係合解除してしまうのを防ぐことができる。なお、係脱部材34の上下動可能範囲は長孔35a,35bの長さによって規制されるほか、前記取付板33に突設されたストッパ33aが該係脱部材34に当たることによっても規制される。
【0031】
また、第2係合機構を係合解除作動させた後、
図29に示したように該シリンダ錠12をさらに同方向に回転操作し、
図28に示したように作動杆42をさらに上動させると、遊技板押出機構が作動して遊技板20が前方に押し出される。即ち、作動杆42がさらに上動するのに伴い張出部84a,84bが押圧金具75a,75bを回転させ押圧部77a,77bを前方に突出させ、遊技板20の他側縁の裏面の上下部を前方に押圧し、該遊技板20を本体枠6から遊離させる。そこで、前記ツマミ19を操作し上部第1支軸17を下動させ該上部第1支軸17を軸受部11aから抜くことにより該遊技板20を本体枠6から取り外すことができる。
【0032】
また、透明板保持枠14を開いた後、該透明板保持枠14の係脱部材34を本体枠6から離脱させた遊技板20の係合部25a,25bに係合させ、この状態で前記ツマミ19を操作し上部第1支軸17を下動させ該上部第1支軸17を軸受片11aから抜くことにより、透明板保持枠14および遊技板20をワンセットとして本体枠6から取り外すことができる。また、透明板保持枠14と遊技板20とをワンセットにて取り付けることもできる。このため、透明板保持枠14と遊技板20とをワンセットとして交換できるが、透明板保持枠14だけ、或いは、遊技板20だけを交換することも可能である。
【0033】
なお、シリンダ錠12の鍵孔に挿入した特定のキーによってシリンダ錠12を右方向に回転操作し、
図30,
図31に示したように作動杆42を下動させると、係合片48a,48bが下動し、係合部材4a,4bとの係合が解かれるので、図示しないが、本体枠6を支軸2a,3aを中心として前方に回転させることで、機枠1内に収容されていた本体枠6を前方に開くことができる。
【0034】
この弾球遊技機では、本体枠6の前面に遊技板20を固定するための機構が施錠装置40に組み込まれ、遊技板20を施錠装置40の係合片65a,65bと係合させることによって本体枠6に固定される。このため、省スペース化がなされ遊技板の遊技領域を十分に確保することができ、狭い遊技板面を有効活用できるようになる。また、透明板保持枠14を開閉するために従来から設けられている施錠装置のシリンダ錠12を回転操作するだけで遊技板20を前面から簡単に離脱させることができる。また、透明板保持枠14が二重にロックされることで、隙間のない堅固な閉状態が保持され、不正行為に対するセキュリティー対策が万全となる。
【0035】
なお、
図32に示した実施形態は、第2支軸22aにつる巻バネ22fを巻着し、該つる巻バネ22fの一端を回転規制部材22cに係止することで連結片22bを矢印で示した一方向に付勢したもので、こうすることにより遊技板の組み付け途中における該連結片22bの無用な回転が防止されるので、その組み付けがさらに容易になる。
【0036】
以上の実施形態では、遊技板20に直接取着片21a,23aを固設した例を示したが、
図33,
図34に示したように遊技板ホルダ20fの上端部および下端部にそれぞれ取着片21a,23aを形成し、該遊技板ホルダ20fに遊技板20を着脱自在に保持し得るようにしてもよい。図示した遊技板ホルダ20fは、横断面コ字形に形成された部分に係合軸21i,21jが横架され、一方、遊技板20の一側縁上下部に鉤状片20k,20lが固設され、矢印で示したように該遊技板20の一側縁を該遊技板ホルダ20f内に差し込んだ際に該係合軸21i,21jに該鉤状片20k,20lが係合し得るようにしている。また、22g,22hは遊技板20を該遊技板ホルダ20fに差し込んだ際に該遊技板20の一側縁に弾性的に当接することで該遊技板20をガタ付きなく保持し得るようにするために該遊技板ホルダ20fの内側面に設けた板バネである。このように遊技板ホルダ20fを設けることによっては、遊技板20を交換する際の作業性が一層向上する。
また、この実施形態では回転規制部材22cを円弧状孔21bに遊嵌することで連結片22b,24bと取着片21a,23aとの枢着部の相対的回転可能範囲が制限されるようにしたが、このような円弧状孔でなくても突起等の回転規制部材を何らかの障害物に当接させることで、この回転可能範囲が制限されるようにしてもよい。
【0037】
なお、この実施形態では中空筒状体22eに透孔14bを遊嵌することで遊技板20と透明板保持枠14とを枢着したが、透明板保持枠14に支軸を形成し、遊技板20側に軸受孔となる透孔を形成してもよい。このように本発明では、透明板保持枠14や遊技板20の枢着部は、この実施形態に示したものに限らず、支軸と軸受孔との関係を反対に構成してもよい。
また、以上の実施形態では遊技板20と透明板保持枠14とをともに本体枠6に枢着したが、遊技板20と透明板保持枠14とは本体枠6に枢着することなく、遊技板20と透明板保持枠14とを枢着しワンセットとしたものを本体枠6に対し前方から真直に嵌め込むように構成してもよい。