(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6474983
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】計測装置、太陽光発電システム、太陽光発電計測方法および太陽光発電計測プログラム
(51)【国際特許分類】
H02S 50/00 20140101AFI20190218BHJP
G01R 21/00 20060101ALI20190218BHJP
G01R 11/00 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
H02S50/00
G01R21/00 Q
G01R11/00 D
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-196178(P2014-196178)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-67180(P2016-67180A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大倉 宏之
【審査官】
山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−314752(JP,A)
【文献】
特開2012−204571(JP,A)
【文献】
特開2012−114108(JP,A)
【文献】
特開平10−201106(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0319077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20
H02S 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールから受信する発電現在値を、前記発電現在値の積算値を用いて補正するデータ補正手段と、
前記発電現在値の履歴または前記積算値の履歴の少なくとも片方を格納するデータ記憶手段を備え、
前記データ補正手段は、前記発電現在値または前記積算値の少なくとも片方を取得可能であり、
前記発電現在値および前記積算値を取得した場合、前記データ記憶手段に格納される前記積算値の履歴を基に前記積算値の所定期間の平均値を前記発電現在値として算出し、
前記発電現在値を取得し前記積算値を取得しない場合、前記発電現在値の補正を行う
計測装置。
【請求項2】
前記データ補正手段は、前記発電現在値の補正において、
取得する前記発電現在値が変化許容の基準の範囲内である場合、取得した前記発電現在値を用いて外部に出力する値を計算し、
取得する前記発電現在値が変化許容の基準の範囲外である場合、前記データ記憶手段に格納される前回取得した発電現在値を用いて外部に出力する値を計算する
請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記データ補正手段は、前記発電現在値を取得しないが前記積算値を取得した場合、取得した前記積算値を用いて外部に出力する値を計算する
請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記発電現在値および前記積算値を算出し、それら算出した値を前記計測装置に送信する電力変換装置と、
前記請求項1乃至3のいずれかに記載の計測装置
とを備える、太陽光発電システム。
【請求項5】
太陽電池モジュールから受信する発電現在値を、前記発電現在値の積算値を用いて補正することを備え、
当該補正することは、
前記発電現在値または前記積算値の少なくとも片方を取得し、
前記発電現在値および前記積算値を取得した場合、前記発電現在値の履歴または前記積算値の履歴の少なくとも片方を格納するデータ記憶手段に格納される前記積算値の履歴を基に前記積算値の所定期間の平均値を前記発電現在値として算出し、
前記発電現在値を取得し前記積算値を取得しない場合、前記発電現在値の補正を行う
ことを備える太陽光発電計測方法。
【請求項6】
前記補正することは、前記発電現在値の補正において、
取得する前記発電現在値が変化許容の基準の範囲内である場合、取得した前記発電現在値を用いて外部に出力する値を計算し、
取得する前記発電現在値が変化許容の基準の範囲外である場合、前記データ記憶手段に格納される前回取得した発電現在値を用いて外部に出力する値を計算する
ことを備える請求項5に記載の太陽光発電計測方法。
【請求項7】
前記補正することにおいて、前記発電現在値を取得しないが前記積算値を取得した場合、取得した前記積算値を用いて外部に出力する値を計算する
請求項5又は6に記載の太陽光発電計測方法。
【請求項8】
太陽電池モジュールから受信する発電現在値を、前記発電現在値の積算値を用いて補正することを備え、
当該補正することは、
前記発電現在値または前記積算値の少なくとも片方を取得し、
前記発電現在値および前記積算値を取得した場合、前記発電現在値の履歴または前記積算値の履歴の少なくとも片方を格納するデータ記憶手段に格納される前記積算値の履歴を基に前記積算値の所定期間の平均値を前記発電現在値として算出し、
前記発電現在値を取得し前記積算値を取得しない場合、前記発電現在値の補正を行う
ことをコンピュータに実現させる太陽光発電計測プログラム。
【請求項9】
前記補正することは、前記発電現在値の補正において、
取得する前記発電現在値が変化許容の基準の範囲内である場合、取得した前記発電現在値を用いて外部に出力する値を計算し、
取得する前記発電現在値が変化許容の基準の範囲外である場合、前記データ記憶手段に格納される前回取得した発電現在値を用いて外部に出力する値を計算する
ことを更に備える請求項8に記載の太陽光発電計測プログラム。
【請求項10】
前記補正することは、前記発電現在値を取得しないが前記積算値を取得した場合、取得した前記積算値を用いて外部に出力する値を計算する
ことを更に備える請求項8又は9に記載の太陽光発電計測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムにおいて発電量を計測する計測装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
環境・エネルギー問題で深刻化する現在、省エネルギーに対する取り組みが注目されている。これに伴い、一般家庭でのこの問題に対する具体的な取り組みとして、家庭への太陽光発電システムの導入が進められている。太陽光発電システムにおいては、一般的に、家屋の屋根の架台上に太陽電池モジュールを取り付けて、その太陽電池モジュールによって太陽光に応じた直流電力を発生させる。そして、このような太陽光発電システムでは、発生させた直流電力を集めて電力変換装置(インバータ)において交流電力に変換する。更にこのような太陽光発電システムでは、発電量の計測装置を介して、住宅用分電盤において、一般に使用されている交流の商用電源と連携して動作する。
【0003】
特許文献1では、家庭での直流発電電力や交流消費電力の瞬時値および積算値をリアルタイムに且つ視覚的にモニタリングできる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-314752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、例えば、急に雲がかかり太陽電池モジュールの発電量が急激に変化した場合、太陽電池モジュールから送られてくる発電量を表すデータが分電盤で計測している電力値と同期が取れない。これにより、計測装置は表示部に、実際には発電電力が減ったのにも関わらず、電力消費が多くなったと誤って表示する。逆に雲が晴れて太陽電池モジュールの発電量が急激に増加した場合、計測装置は、実際には発電電力が増えたのにも関わらず、電力消費が少なくなったと誤って表示部に表示する。他にも、何らかのシステム側の原因で発電量のデータを取得できない場合、実際には発電されているが、計測装置は表示部に発電量0と表示することがある。このような誤表示は、ユーザに、太陽光発電システムが故障したという勘違いを起こさせる。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するべくなされた。本発明は、発電量が急激に変化した場合や、短時間のシステムの不具合により、現在の発電量が分からない場合であっても、適切な発電量を表すデータを表示することができる計測装置等を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点は、太陽電池モジュールから受信する発電現在値を、発電現在値の積算値を用いて補正し、補正された発電現在値を出力する計測装置である。
【0008】
本発明の第2の観点は、発電現在値および前記積算値を算出し、それら算出された値を計測装置に送信する電力変換装置と、上記に記載の計測装置とを備える、太陽光発電システムである。
【0009】
本発明の第3の観点は、太陽電池モジュールから発電現在値を受信し、受信する発電現在値を、発電現在値の積算値を用いて補正し、補正された発電現在値を出力する太陽光発電計測方法である。
【0010】
本発明の第4の観点は、太陽電池モジュールから発電現在値を受信する機能と、受信する発電現在値を、発電現在値の積算値を用いて補正する機能と、補正された発電現在値を外部へ送信する機能とをコンピュータに実現させる太陽光発電計測プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、発電量が急激に変化した場合や、短時間のシステムの不具合により、現在の発電量が分からない場合であっても、適切な発電量を表すデータを表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る太陽光発電計測システムの構成を示す図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態に係る計測装置の構成を示す図である。
【
図3】本発明の第一の実施形態に係る計測装置のデータ取得のタイミングを示す図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態に係る計測装置の動作を示す図である。
【
図5】本発明の第一の実施形態に係る計測装置の変更例の構成を示す図である。
【
図6】本発明の第二の実施形態に係る計測装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は本発明の実施形態における構成を模式的に表している。更に以下に記載される本発明の実施形態は一例であり、その本質を同一とする範囲において適宜変更可能である。
<第一の実施形態>
(太陽光発電システム)
第一の実施形態に係る太陽光発電システム100は、
図1に示すように、表示装置101、計測装置102、分電盤103、太陽電池モジュール104および電力変換装置105を備える。
【0014】
太陽電池モジュール104は、太陽光エネルギーを基に直流電力を発電する。
【0015】
電力変換装置105は、太陽電池モジュール104(電力源)から流れてくる直流電力を、交流電力に変換するインバータ装置である。電力変換装置105は、太陽電池モジュール104から現在の所定期間(例えば3秒前から現在までの3秒間)において入力されている直流電力値を示すデータ(以下、この値を「発電現在値」と記載)を計測する。電力変換装置105は、発電現在値を所定期間(例えば3秒間)でサンプリングした単位時間当たりの平均電力値を表すデータ(以下これを「発電積算値(KWh:キロワット時)」と記載する)を算出する。
【0016】
分電盤103は、電力変換装置105より受信する発電電力と、電力会社から購入する買電力とを、電力消費する側(例えば家の中の各部屋)に分電する。分電は自家消費用と販売用等の目的に応じて行われる。分電盤103は、電力が不足する場合は、商用電力を購入し、電力が余剰する場合は、発電電力を販売する。
【0017】
計測装置102は、電力変換装置105から太陽電池モジュール104の発電現在値と発電積算値を受信する。計測装置102は、受信した発電現在値が適切な値か否かの判断をおこない、適切な値ではないと判断した場合、発電積算値の平均値を用いて発電現在値を補正する。
【0018】
更に計測装置102は、分電盤103から消費側(家内部屋等)ブレーカの電流値、電圧値(例えば100V)、電力会社の電流値および電力変換装置の電流値等を受信する。計測装置102は、これらの受信値および発電現在値等から消費瞬間値および売買瞬間値を算出し、算出された値を表示装置101に送信する。
【0019】
表示装置101は、計測装置102から受信する値を、発電現在値、発電積算値、消費瞬間値、売買瞬間値等の項目に分け、ユーザが判別(理解)容易な態様(数値やグラフ等)にて表示する。
(計測装置)
次に計測装置102について詳細に説明する。計測装置102は、
図2に示すように、変換データ受信部201、データ補正部202、データ計算部203、分電データ受信部204、データ変換部205、データ送信部206およびデータ記憶部207を備える。
【0020】
データ記憶部207は、電力変換装置105から取得した発電現在値および発電積算値の履歴を記憶する。
【0021】
変換データ受信部201は、電力変換装置105から発電現在値および発電積算値を受信する。
【0022】
データ補正部202は、新たに取得した発電現在値を補正する。データ補正部202は、データ記憶部207から取得する前回取得された発電現在値または発電積算値を基に、新たに取得した発電現在値を補正する。
【0023】
分電データ受信部204は、分電盤103から、消費側ブレーカの電流値、電圧値(例えば100V)、電力会社の電流値および電力変換装置の電流値等を示すデータを受信する。これらのデータは、例えば、商用電力系の電流波形データとして受信される。この場合、データ変換部205は、分電データ受信部204が受信した電流波形データを、数値データに変換する。
【0024】
データ計算部203は、データ変換部205が変換した各数値、補正された発電現在値および発電積算値を基に、消費瞬間値および売買瞬間値を算出する。
【0025】
データ送信部206は、データ計算部203で算出された消費瞬間値と売買瞬間値、更に補正された発電現在値および発電積算値を、表示装置101に送信する。
【0026】
尚、上述した計測装置102内の各部は、ハードウェア回路で実現されてもよいし、プログラムで実現されてもよい。プログラムで実現される場合、計測装置102内の各部は機能ブロック単位のプログラムを表している。これらは実際には、図示しないコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、図示しないROM(Read Only Memory)や図示しないRAM(Random Access Memory)などに格納されている。図示しないCPUがこれらのプログラムを適宜演算処理することでこれらの機能は実行される。
(電力データの計測タイミングの時間差)
次に、各電力データの計測タイミングについて説明する。一般的に、発電した電力が余り、余剰電力として売られている場合は「(発電量)=(売電量)+(消費量)」となり、電力が不足して買っている場合は「(発電量)=(消費量)-(買電量)」となる。これは発電現在値、発電積算値、消費瞬間値、売買瞬間値を同時または略同時に測定した場合に成り立つ。しかし、実際には発電現在値、発電積算値、消費瞬間値、売買瞬間値の測定には時間差がある。
【0027】
計測装置102の電力データの計測タイミングの時間差の例について、
図3のフロー図を参照して説明する。図中、左側の下向き矢印は時間経過(t)を示す。この説明において計測装置102は、一例として、3秒毎に計測処理を行うものとする。
【0028】
電力変換装置105は、3秒毎に太陽電池モジュール104より発電現在値を取得し、計測装置102に送信する。電力変換装置105が出力する、当該発電現在値を表す発電量データは、時点d
1で計測装置102に送信される。次の発電量データ取得は「d
1+3秒」後の時点d
2で行う。
【0029】
分電盤103は、商用電力データ(売買電力、消費電力等)の計測値を一定間隔毎(例えば1秒毎)に計測装置102に送信する。1秒目のデータは時点b
1、2秒目のデータは時点b
2、3秒目のデータは時点b
3において送信される。これら3秒間のデータ毎に更に平均値を算出し、時点B
1にて計測装置102に送信する。
【0030】
計測装置102は、時点k
1で発電現在値、発電積算値、消費瞬間値および売買瞬間値を表示装置101に送信して、これらの値を表示させる。次の表示は「k
1+3秒」後の時点k
2で行う。
【0031】
この例のように、電力変換装置105から計測装置102へ、分電盤103から計測装置102へのデータ送信タイミングは異なっている。電力変換装置105から計測装置102へのデータ送信は、計測装置102から表示装置101へのデータ送信の回数と同じ回数行われる。各々のデータ送信タイミングは異なるが、送信間隔は共に3秒毎で同じである。しかしながら電力変換装置105から計測装置102へのデータ送信は、3秒毎に一度しか測定されないため、データの信頼性が低い。
【0032】
これに対し、分電盤103から計測装置102へのデータ送信は図示しないマイクロコンピュータによって非常に細かい間隔で行われる。例えば、250秒毎に100回データ送信し、この処理結果の4回分の平均値を1秒の平均とする。3秒ではこれが3回繰り返される。よって、分電盤103が計測する電力は、交流電流(50Hz(ヘルツ)または60Hz)で変動する毎秒の平均値を更に3秒毎に平均した値であるため、信頼の高いデータとなる。
【0033】
計測装置102は、この電力変換装置105と分電盤103とからのデータ受信のタイミング差を考慮して、電力の計測を行う。
(計測装置の動作)
次に計測装置102の動作について
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0034】
まずステップS101において、計測装置102の変換データ受信部201は、電力変換装置105から発電現在値および発電積算値のうち少なくとも片方を受信する。
【0035】
ステップS102においてデータ補正部202は、受信したデータが発電現在値を含むか判断する。さらにステップS103において、データ補正部202は、受信したデータが発電積算値を含むかを判断する。発電現在値および発電積算値の両方を含む場合、ステップS104において、データ補正部202は、発電現在値をそのまま使用せず、発電積算値の所定時間(所定期間)の平均値を発電現在値として算出する。これは発電現在値をそのまま使用することで、短期間的に実態と異なるデータを表示することを防ぐためである。データ計算部203は、算出された発電現在値を用いて、表示装置101に表示するための消費瞬間値および売買瞬間値を計算する。
【0036】
ステップS103において受信したデータに発電現在値のみが含まれている場合は、ステップS105において、発電現在値の補正を行う。これはデータ記憶部207に格納される前回取得した発電現在値と、今回取得した発電現在値が変化許容の基準の範囲内であるか(例えば前回取得値の上下25%以内に収まるか)を判断する。係る基準から外れる場合は天候の急激な変化や何らかのデータ取得ミスがあったと判断できる。より具体的には、例えば基準として閾値を用いる場合、その閾値(例えば前回取得値の上下25%以内)の範囲を満足するか、満足しないか(超えるか)を判断すればよい。そこで、データ補正部202は、データ記憶部207から前回取得した発電現在値を取り出して、データ計算部203に送信する。データ計算部203は、送信された値を用いて表示装置101に表示する消費瞬間値および売買瞬間値を計算する。
【0037】
ステップS102において、受信したデータに発電現在値が含まれていない場合、ステップS106へ進む。ステップS106では受信したデータに発電積算値が含まれているか判断する。判断の結果、発電積算値が含まれている場合は、ステップS107へ進み、データ計算部203が、受信した発電積算値を用いてデータ計算部203が表示する消費瞬間値および売買瞬間値を計算する。
【0038】
ステップS106において受信したデータに発電積算値が含まれていない場合、すなわち適切に計測された発電現在値と発電積算値がいずれも含まれていない場合、ステップS108において、何らかの測定ミスがあったと判断できる。そこで、データ記憶部207に格納される前回取得した発電現在値および発電積算値を用いて、データ計算部203が消費瞬間値および売買瞬間値を計算する。これにより測定結果が「無し」等となることを防ぐ。
【0039】
最後にステップS109において、発電現在値、発電積算値、消費瞬間値並びに売買瞬間値の計算結果を表示装置101に送信し、結果データを表示するように促す。
【0040】
このように本発明の第1の実施の形態によると、発電現在値を補正してから電力量を計算するので、急激な発電現在値の変化の直後であっても発電現在値と発電積算値の取得タイミングと、分電盤からの取得タイミングとの違いにより発生する電力量表示誤差を補正することができる。これにより、より適切な値をユーザに表示することができる。
<変更例>
第一の実施形態における太陽光発電システム100の変更例を
図5に示す。
図5に示すように、分電盤103に対して他の発電設備モジュール106や蓄電設備モジュール107を接続可能に設置することも可能である。この場合も各々の装置からのデータ取得タイミングに差が発生し、同様に実態と異なる電力量が算出されることが考えられる。しかし、この場合においてもデータ補正部202で各々の瞬間値を平均化された値にすることで、実態に近い電力量をユーザに表示することが可能である。
<第二の実施形態>
図6に示す、太陽電池モジュールの発電を計測する計測装置12は、太陽電池モジュールから受信する発電現在値を、その発電現在値の積算値を用いて補正し、補正された発電現在値を外部へ出力する。
【0041】
本発明の第二の実施形態に係る計測装置12は、発電現在値を、その発電現在値の積算値を用いて補正する。これにより発電量を表すデータの取得タイミングの違いにより発生する表示誤差を補正する。このような計測装置12によれば、より適切な値をユーザに表示することができる。
【符号の説明】
【0042】
12 計測装置
100 太陽光発電システム
101 表示装置
102 計測装置
103 分電盤
104 太陽電池モジュール
105 電力変換装置
106 発電装備モジュール
107 蓄電設備モジュール
201 変換データ受信部
202 データ補正受信部
203 データ計算部
204 分電データ受信部
205 データ変換部
206 データ送信部