(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475003
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】液体収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/06 20060101AFI20190218BHJP
B65D 51/18 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
B65D47/06
B65D51/18BRG
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-236400(P2014-236400)
(22)【出願日】2014年11月21日
(65)【公開番号】特開2016-98011(P2016-98011A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年8月18日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 公開者:株式会社コーセー 販売した場所:コーセーコスメポート株式会社(東京都中央区日本橋1丁目16−11 日本橋Dスクエア) 販売日:平成26年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(73)【特許権者】
【識別番号】000168665
【氏名又は名称】高圧化工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080115
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 和壽
(72)【発明者】
【氏名】原 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正美
(72)【発明者】
【氏名】吉川 賢朗
【審査官】
植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−158456(JP,A)
【文献】
実開昭59−143946(JP,U)
【文献】
実開昭52−004353(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00−55/16
B65D 35/44−35/54
B65D 25/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、該容器本体の口部に装着される中栓と、該中栓を覆って容器本体の口部に被着される外キャップとを具え、前記容器本体の口部の下部外面におねじが形成され、前記外キャップの内面に前記おねじと螺合するめねじが形成されている液体収納容器において、
前記容器本体の口部が、前記おねじが形成された大径の下半部と、小径の上半部からなり、該下半部と上半部間が上向き傾斜の環状テーパ面に形成され、かつ上半部の外面に係止突起が設けられているとともに、下半部との境界位置となる下部外面に上向き係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔で設けられており、
前記中栓は、容器本体の口部の上半部に外側から嵌合可能な径で設けられた内筒と、この内筒のさらに外側に内筒との間に隙間をおいて同心状に設けられた外筒とを有し、
前記内筒は、下端に容器本体の係合突部と中栓の装着時に係合する係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔で設けられているとともに、該係合突部より上の内面に容器本体の係止突起と中栓の装着時に係止する係止突起が設けられ、中栓の取外時に中栓を円周方向に回動し中栓の係合突部を容器本体の係合突部に乗り上げさせて中栓を持ち上げることにより前記両係止突起の係止が解放可能になっており、
さらに前記内筒の係止突起が設けられた部位であって、円周方向に隣接する係合突部と係合突部の間にスリットが上下に所定長さで形成されており、
前記外筒は、下端が中栓の装着時に容器本体のテーパ面に接し、外側からの押圧により該テーパ面に沿って上動し、前記両係止突起の係止が解放可能になっていることを特徴とする液体収納容器。
【請求項2】
外キャップの頂壁の下面中央部には筒状キャップボス部が一体に設けられ、前記中栓の頂壁の中心部には抽出口が設けられ、該抽出口の周りには外キャップの装着時に前記筒状キャップボス部と嵌合する筒状漏れ防止部が設けられ、この漏れ防止部は先端側が外向きアール状に湾曲した形状に形成されているとともに、基部側の内周面がボス部の垂直外周面と点接触するように接触する点から基端に向けて徐々に内径が大きくなるように傾斜したテーパ面に形成されている請求項1に記載の液体収納容器。
【請求項3】
外筒の外面にローレットが形成されている請求項2に記載の液体収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体収納容器に関し、さらに詳しくは中栓の該容器口部への着脱が容易に行えるとともに、嵌合強度も好適に保ち得る技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
前記のような液体収納容器として、出願人は先に特開2001−158456号公報(特許文献1)を提案した。これは液体収納容器及び該容器用リフィル容器に係るものであるが、液体収納容器に関しては、次のような内容からなるものである。
【0003】
すなわち、特許文献1の液体収納容器は、容器本体と、該容器本体の口部に装着される中栓と、該中栓を覆って容器本体の口部に被着される外キャップとを具え、前記容器本体の口部の下部外面におねじが形成され、上部外面に係止突起が設けられているとともに、口部の上下部の境界位置に上向き係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔をおいて設けられ、前記中栓の内面に前記係止突起と中栓の装着時に係止する係止突起が設けられているとともに、中栓の下端に前記係合突部と中栓の装着時に係合し、中栓の取外時に中栓を円周方向に回動し前記係合突部に乗り上げさせて中栓を持ち上げることにより前記両係止突起の係止を解放する係合突部が設けられ、前記外キャップの内面に前記おねじと螺合するめねじが形成されているものである。そして、この液体収納容器によれば、中栓を円周方向に回動することにより簡単に取り外すことができ、従来に比し、効率よく収納液体の抽出や詰め替えができるという作用効果がある(段落0012)。
【0004】
ところで、前記液体収納容器では、中栓を円周方向に回動することにより取り外せるとはいえ、両係止突起の係止を解放するために中栓の係合突部を容器本体の係合突部を乗り上げさせるには回動にそれ相当の力を要し、着脱がなかなか容易でなかった。また、中栓の着脱に際して両係合突部の係合により嵌合する中栓と容器本体の口部との嵌合強度が常に一定で、嵌合強度の自由度か効かないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−158456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、この発明は、前記のような従来の問題点に鑑み、中栓の着脱が容易に行えるとともに、中栓の嵌合強度の自由度も効いて、着脱に際しての中栓と容器本体の口部との嵌合を好適に保ち得る液体収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、容器本体と、該容器本体の口部に装着される中栓と、該中栓を覆って容器本体の口部に被着される外キャップとを具え、前記容器本体の口部の下部外面におねじが形成され、前記外キャップの内面に前記おねじと螺合するめねじが形成されている液体収納容器において、前記容器本体の口部が、前記おねじが形成された大径の下半部と、小径の上半部からなり、該下半部と上半部間が上向き傾斜の環状テーパ面に形成され、かつ上半部の外面に係止突起が設けられているとともに、下半部との境界位置となる下部外面に上向き係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔で設けられており、前記中栓は、容器本体の口部の上半部に外側から嵌合可能な径で設けられた内筒と、この内筒のさらに外側に内筒との間に隙間をおいて同心状に設けられた外筒とを有し、前記内筒は、下端に容器本体の係合突部と中栓の装着時に係合する係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔で設けられて
いるとともに、該係合突部より上の内面に容器本体の係止突起と中栓の装着時に係止する係止突起が設けられ、中栓の取外時に中栓を円周方向に回動し
中栓の係合突部を容器本体の係合突部に乗り上げさせて中栓を持ち上げることにより前記両係止突起の係止が解放可能になって
おり、さらに
前記内筒の係止突起が設けられた部位であって、円周方向に隣接する係合突部と係合突部の間にスリットが上下に所定長さで形成されており、前記外筒は、下端が中栓の装着時に容器本体のテーパ面に接し、外側からの押圧により該テーパ面に沿って上動し、前記両係止突起の係止が解放可能になっていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、外キャップの頂壁の下面中央部には筒状キャップボス部が一体に設けられ、前記中栓の頂壁の中心部には抽出口が設けられ、該抽出口の周りには外キャップの装着時に
前記筒状キャップボス部と嵌合する筒状漏れ防止部が設けられ、この漏れ防止部は先端側が外向きアール状に湾曲した形状に形成されているとともに、基部側の内周面がボス部の垂直外周面と点接触するように接触する点から基端に向けて徐々に内径が大きくなるように傾斜したテーパ面に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2において、外筒の外面にローレットが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、前記容器本体の口部が、前記おねじが形成された大径の下半部と、小径の上半部からなり、該下半部と上半部間が上向き傾斜の環状テーパ面に形成され、かつ上半部の外面に係止突起が設けられているとともに、下半部との境界位置となる下部外面に上向き係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔で設けられており、前記中栓は、容器本体の口部の上半部に外側から嵌合可能な径で設けられた内筒と、この内筒のさらに外側に内筒との間に隙間をおいて同心状に設けられた外筒とを有し、前記内筒は、下端に容器本体の係合突部と中栓の装着時に係合する係合突部が円周方向に複数個、所定の間隔で設けられて
いるとともに、該係合突部より上の内面に容器本体の係止突起と中栓の装着時に係止する係止突起が設けられ、中栓の取外時に中栓を円周方向に回動し
中栓の係合突部を容器本体の係合突部に乗り上げさせて中栓を持ち上げることにより前記両係止突起の係止が解放可能になって
おり、さらに
前記内筒の係止突起が設けられた部位であって、円周方向に隣接する係合突部と係合突部の間にスリットが上下に所定長さで形成されており、前記外筒は、下端が中栓の装着時に容器本体のテーパ面に接し、外側からの押圧により該テーパ面に沿って上動し、前記両係止突起の係止が解放可能になっているので、中栓を取り外すとき、中栓を円周方向に回動して中栓の係合突部を容器本体の口部の係合突部を乗り越えさせることにより、中栓の係止突起と容器本体の係止突起の係止を解放することができる。この中栓を円周方向に回動して中栓の係合突部を容器本体の係合突部を乗り上げさせるに際し、スリットによって係合突部が径方向外方へ変位するので、乗り上げが軽い力でもスムーズにいき、従来ほどの力を要することなく、より簡単に両係止突起の係止を解放することができ、中栓の着脱が容易となる。しかも、前記のように中栓を回動しなくとも、中栓の外側から押圧力を与えることにより、中栓の下端をテーパ面に沿って上動させ、引き抜くように持ち上げることにより両係止突起の係止を解放することもできるという効果がある。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、外キャップの頂壁の下面中央部には筒状キャップボス部が一体に設けられ、前記中栓の頂壁の中心部には抽出口が設けられ、該抽出口の周りには外キャップの装着時に
前記筒状キャップボス部と嵌合する筒状漏れ防止部が設けられ、この漏れ防止部は先端側が外向きアール状に湾曲した形状に形成されているとともに、基部側の内周面がボス部の垂直外周面と点接触するように接触する点から基端に向けて徐々に内径が大きくなるように傾斜したテーパ面に形成されているので、ボス部の垂直外周面と漏れ防止部の内周面との接触抵抗を軽減することができ、外キャップを外す際に中栓との離脱が容易となり、従前のように基部側がボス部の垂直外周面と同じ垂直内周面となって面接触し、その接触抵抗により中栓が外キャップへ抱き付いて外れてしまうということがないという効果がある。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、外筒の外面にローレットが形成されているので、中栓を取り外すときに中栓を掴み易く、滑りを止めてより回動し易いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】この発明の一実施の形態で示す液体収納容器の、中栓を取り外した状態の正面図である。
【
図4】同上の液体収納容器の口部に中栓を取付けた状態の、
図2のIV−IV線に沿う拡大部分正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、この発明の一実施の形態に係る液体収納容器について説明する。
【0015】
図1ないし3において、1は合成樹脂製からなる液体収納容器で、この液体収納容器1は、内部に化粧液などの液体を収納する容器本体2を具えている。容器本体2の口部3は上半部の厚みが下半部の厚みより薄く形成され、該下半部の外面にはおねじ4が形成されている。上半部中程の外面には係止突起5が環状に形成されている。また、小径の上半部と大径の下半部の境界位置となる上半部の下部外面には係合突部6が複数個、円周方向に所定の間隔をおいて設けられている。これら係合突部6は
図1に示すように上向きに略三角形状を呈し、その尖端側の上端が係止突起5の近傍位置となるようになっているとともに、その外面が下半部の外面より外側に突出しない範囲の厚みになっている。また、おねじ4が形成された下半部と係合突部6が形成された上半部との間の外面は上向き傾斜の環状テーパ面7に形成されている。口部3の上半部には中栓11が装着されている。
【0016】
中栓11は、
図4,5に示すように下端がやや内向きに窄まるように湾曲して容器本体2の口部3に外側から嵌合可能な径の内筒12と、この内筒より下端が若干長くなっており、内筒12との間に隙間をおいてその外側に同心状に設けられた外筒13を頂壁14の下面に一体に有している。内筒12の中程の内面には係止突起5と装着時に係止する係止突起15が環状に連なるように設けられ、かつ該係止突起の下方の内筒12の下端には係合突部6と中栓11の装着時に嵌り合って係合する係合突部16が設けられている。係合突部16は
図5に示すように下向きに略三角形を呈し、円周方向に複数個、所定の間隔をおいて設けられ、取り外し時に中栓11を円周方向に回動し係合突部6に乗り上げさせて中栓11を持ち上げることにより両係止突起5,15の係止を解放することが可能になっている。
【0017】
内筒12の係止突起15が設けられた部位であって、円周方向に隣接する係合突部16と係合突部16の尖端側の下端と反対側の基端間には円周方向に所定幅を有する略方形状のスリット18が上下に所定長さで形成され、容器本体2側の係合突部6と係合する係合突部16を径方向に弾力性が富むものにしている。すなわち、スリット18を設けることによって係合突部16を径方向に弾性変位可能とし、係合突部6との係合において軽い力でも容易に係合できるようになっているとともに、容器本体2の口部3に対する内筒12の嵌合強度を適度に保持することができるようになっている。そのため、製品設計において内筒12の嵌合強度を強めにしたいときは、例えばスリット18の上下方向の長さを短めにし、逆に弱めにしたいときは、長めにすればよく、このようにスリット18の切り込み長さをうまく調整することにより内筒12を適度の嵌合強度に設定することが可能である。
【0018】
外筒13は、内筒12のように下端が内向きに湾曲することなく、ストレートな形状になっているが、中栓11の装着時にその下端は
図4に示すように容器本体2のテーパ面7の下部にその角部が接した状態となっている。そして、外側から押圧されると、中栓11の下端は内側に撓みながらテーパ面7に沿って上動し、両係止突起5,15の係止を解放可能になっている。すなわち、テーパ面7は外側からの押圧力を上方への力に変え、中栓11の係止突起15を容器本体2の係止突起5から外れ易くする機能をもっている。
【0019】
頂壁14の中心部には収納した液体が勢いよく出ないように小さな抽出口20が設けられている。外筒13の下半部外面には縦向きで平目状のローレット21が形成されている。このローレット21を設けたのは中栓11を取り外すときに掴み易く、回動方向の滑り止めのためである。25は外キャップで、内筒26と、この内筒より下端が若干長くなっており、外側に内筒26との間に隙間をおいて設けられた外筒27を頂壁28の下面に一体に有し、不使用時に中栓11を覆って口部3に嵌合され、内筒26の内面に設けためねじ29が容器本体2の口部3に設けたおねじ4と螺合することにより装着される。頂壁28の下面中央部には筒状キャップボス部30が一体に設けられ、該ボス部には中栓11の抽出口20の周りにこれと対応して設けた筒状漏れ防止部17が外キャップ25の装着時に嵌合するようになっている。漏れ防止部17は、先端側が外向きにアール状に湾曲した形状に形成されているとともに、基部側の内周面がボス部30の垂直外周面と点接触するように接触する点から基端に向けて徐々に内径が大きくなるように傾斜したテーパ面17aに形成されている。これによってボス部30の垂直外周面と漏れ防止部17の内周面との接触抵抗を軽減することができ、外キャップ25を外す際に中栓11との離脱が容易となり、従前のように基部側がボス部30の垂直外周面と同じ垂直内周面となって面接触し、その接触抵抗により中栓11が外キャップ25へ抱き付いて外れてしまうということがない。
【0020】
外キャップ25の内筒26の下端には
図4に示すように係合凸部31が円周方向の相対向する位置で設けられており、容器本体2の口部3に装着して、めねじ29とおねじ4の螺合が終わる段階で該口部のおねじ4より下に設けた係合凹部32に係合するようになっている。係合凹部32は、
図2,3に詳示するようにめねじ29とおねじ4の螺合が終わる段階で係合凸部31が乗り越えて係合可能な小凸部32aと、これと円周方向に隣接して配置されて乗り越え不可の大凸部32bとによって形成されている。
【0021】
前記のような構成の液体収納容器1において、収納した液体を使用するには、外キャップ25を持って円周方向に回動し、係合凸部31と係合凹部32の係合を外したうえ、めねじ29とおねじ4の螺合を解いて取り外す。そうすると、中栓11が装着された容器本体2の口部3が現れるので、該中栓の抽出口20から液体を抽出することができる。使用後、外キャップ25を容器本体2の口部3に被せ、内筒26のめねじ29をおねじ4に螺合し、係合凸部31を係合凹部32に係合させる。係合凸部31と係合凹部32の係合時、カチッと係合音が発するのでこれにより螺合が終了したことがわかり、外キャップ25が再び元のように中栓11を覆って容器本体2の口部3に被着された状態になる。
【0022】
また、収納した液体がなくなり、詰め替え等のために中栓11を取り外したいときは、外キャップ25を外した状態で、中栓11をローレット21のある部分に指を当てて円周方向に回動する。この回動により、中栓11の内筒12の下端に設けられている係合突部16が口部3に設けられこれと係合している係合突部6の傾斜面に沿って徐々にこれに乗り上げ、この乗り上げにより中栓11は持ち上げられ、係止突起15が係止突起5から外れる。これにより中栓11は口部3との嵌合が解かれるので、以後は詰め替え用の液体を口部3の上端開口部からいつでも収納できる状態になる。
【0023】
係合突部6に対する係合突部16の乗り上げの際、中栓11の内筒12にはスリット18が形成されていることにより係合突部16が径方向外方へ変位するので、乗り上げが軽い力でもスムーズに行く。そして、詰め替えが終了した後には再び中栓11を容器本体2の口部3に向けて嵌合すればよく、これにより中栓11の係合突部16が口部3の係合突部6と係合突部6の間に嵌まって係合し、この係合により係止突起15が係止突起5に係止するに至り、装着が終了する。あとは前記のように外キャップ25を被着すればよい。
【0024】
また、中栓11の取り外しに際しては、中栓11を円周方向に回動する方法だけでなく、別の方法でも可能である。それは中栓11の下部外面を外側から押圧することである。すなわち、前記と同様にローレット21のある部分に指、例えば親指と中指で両側から当て、外側から押圧する。この押圧によって、内筒12との間に隙間をおいて配置された外筒13の下端が該隙間のある内側に撓みながらテーパ面7に沿って押し上げられ、この押し上げにより係止突起5が係止突起15から外れて係止解放となる。このように中栓11を回動ではなく、押圧することでも取り外すこともできる。
【0025】
なお、この実施の形態で示した液体収納容器1や中栓11は好ましい一例を示したにすぎず、スリット18の形状や個数など細部の構成は実施に際して適宜にその設計を変更できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0026】
1 液体収納容器
2 容器本体
3 口部
4 おねじ
5,15 係止突起
6,16 係合突部
11 中栓
12 内筒
13 外筒
14 頂壁
20 抽出口
25 外キャップ
29 めねじ
31 係合凸部
32 係合凹部