(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
図12から
図14は、第1の従来技術に係るフリーアクセスフロア用のフロアパネル2を示す図である。このフロアパネル2は、不図示の支持脚により所定の高さで水平に支持された状態を保持し、オフィス等の部屋の床面を形成するように並べて敷設されることにより、このフロアパネル2と、その下方の下地床面との間の空間に配管や配線を通すことができる、フリーアクセスフロアを形成するようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
フロアパネル2は、
図12に示すように、パネル本体部3と、その上面に貼り付けられた一枚のタイル7を備えて構成されていた。
【0004】
パネル本体部3は、その材質にアルミニウム合金を用いたダイカスト製品であって、その上面を形成する平板部4と、この平板部4の裏面側に一体的に形成された複数のリブ6を備えて構成されていた(
図14参照)。
【0005】
パネル本体部3の複数のリブ6のそれぞれは、平板部4の裏面側から床下方向(
図14中下側方向)に突出すると共に、平板部4の水平面に沿って縦横両方向(
図13中上下方向及び左右方向)に長さが伸びるように格子状に形成されていた。パネル本体部3は、このような複数のリブ6が形成されていることにより、その強度が向上するようになっていた。
【0006】
また、パネル本体部3の平板部4の上面側には、塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイル等の1枚のタイル7が貼り付けられ、パネル本体部3の平板部4にタイル7が貼り付けられ状態で、フロアパネル2の各辺を形成するそれぞれの外周部分が共に機械切削加工されていた。このため、フロアパネル2の各辺の外周部分は、その寸法精度が高く(例えば、±0、1mm以下)形成されていた。
【0007】
図15から
図17は、第2の従来技術に係るフリーアクセスフロア用のフロアパネル20を示す図である。フロアパネル20は、
図15に示すように、パネル本体部23と、そのトップシート26の上面に貼り付けられた一枚のタイル27と、パネル本体部23の周縁部に固定された縁部材25(リム)を備えて構成されていた。
【0008】
パネル本体部23は、
図15に示すように、平板状のトップシート26と、略箱状に下方に凹んで形成されたボトムシート24を上下に組み合わせることにより構成されていた。ボトムシート24とトップシート26は共に鋼板材を用いて形成されていた(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
また、
図16及び
図17に示すように、ボトムシート24の各辺を形成する外周より水平方向内側には、その底面24aからトップシート26側(
図17中上側)に所定の高さ凹んだ段差面24bが形成されていた。そして、その段差面24bには、その強度を向上させるために、トップシート26側に向かって突出する略半球状の補強形状部24cが複数形成されていた(
図16,17参照)。
【0010】
ボトムシート24は、その周縁部に形成されたフランジ部24dと、補強形状部24cの突出側先端部に形成された平坦部24eが、それぞれトップシート26に当接し、これらの当接部分にスポット溶接などの溶接をすることにより、トップシート26がボトムシート24に一体的に固定されるようになっていた(
図17参照)。
【0011】
また、
図17に示すように、ボトムシート24のフランジ部24dがトップシート26に当接して、スポット溶接されたフロアパネル20の周縁部分には、垂直断面形状が略コの字状の縁部材25(リム)が、トップシート26と、ボトムシート24のフランジ部24dのそれぞれの板厚を共に挟むように取り付けられていた。
【0012】
そして、トップシート26の上面における、その上面から上方に突出した縁部材25の上部より水平方向内側の部分には、塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイル等のタイル27が1枚貼り付けられていた。
【0013】
また、ボトムシート24のフランジ部24dが、トップシート26に当接して、スポット溶接されたフロアパネル20の周縁部分は、縁部材25を取り付ける前に、2枚重ね合わされた状態で、プレス機による剪断加工(シアリング)により縁取り成形されていた。
【0014】
このように、トップシート26とボトムシート24の外周部分は、プレス機による剪断加工により成形されていたため、フロアパネル20の外周部分の寸法精度は、前記第1の従来技術のフロアパネル2の外周部分の寸法精度よりも低く(例えば、±0.5mm以下)なっていた。
【0015】
そのため、フロアパネル20が、オフィス等の部屋の床面を形成するように複数並べて敷設された際には、フロアパネル20の寸法精度のバラツキにより、互いに隣り合うフロアパネル20との間に若干の隙間が空いてしまう場合があった。
【0016】
このため、フロアパネル20の外周部分に取り付けられた縁部材25を、黒色に着色することにより、縁部材25の黒色と、互いに隣り合うフロアパネル20間の隙間の暗色を人が判別しにくくなり、フロアパネル20間に空いた隙間を目立たなくしていた。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係るフロアパネルを実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から
図5は、本発明の第1の実施の形態に係るフロアパネル40について説明するために参照する図である。
【0032】
本実施の形態に係るフロアパネル40は、
図1から
図5に示すように、主に上面44cが略正方形に形成された天板44(上側部材)と、上面44cに対応する底面46cが略正方形に形成された底板46(下側部材)が上下に組み合わされて、上面44cにタイル受板47(表面材受板)を介してタイル51(表面材)が設けられた構成となっている。
【0033】
すなわち、フロアパネル40は、天板44、底板46、及び、後述する補強部材50から構成された、略箱状(
図3参照)のパネル本体部41と、天板44の上面44cに固定されたタイル受板47と、タイル受板47の平板部47aの上面に貼り付けて設けられたタイル51とを備えている。
【0034】
パネル本体部41の天板44と底板46は、例えば、SGCC等の鋼板材を用いてプレスで絞り加工することにより、それぞれ箱状に形成されている。そして、天板44と底板46は、
図4に示すように、上下に組み合わされて、パネル本体部41の側面の高さ中央部の結合部45において側板部44b,46bの先端部が結合されている。
【0035】
詳しくは、パネル本体部41の天板44には、その天板部44aがその周縁部から同図中下方に向かって略垂直に折り曲げられた側板部44bが形成され、側板部44bの下端部からパネル本体部41の内側方向(図中左方向)に向かって所定の角度で傾斜する傾斜面を有する接続部44mが形成されている。
【0036】
そして、天板44には、その接続部44mの下端部から、
図4中下方に向かって側板部44bに対して略平行になるように伸びる凹部44kが形成され、この凹部44kの下方の先端部から複数回U字状に折り曲げ加工された周縁部44jが形成されている。
【0037】
また、パネル本体部41の底板46には、その底板部46aがその周縁部から、同図中上方に向かって略垂直に折り曲げられた側板部46bが形成され、側板部46bがその上端部からパネル本体部41の内側方向(図中左方向)に向かって所定の角度で傾斜する傾斜面を有する接続部46mが形成されている。
【0038】
また、底板46には、その接続部46mの上端部から、図中上方に向かって側板部46bに対して略平行になるように伸びる凹部46kが形成され、この凹部46kの上方の先端部からU字状に折り曲げ加工された周縁部46jが形成されている。
【0039】
このため、天板44は、側板部44b,接続部44m,凹部44kの水平方向内側、かつ高さ方向に渡って形成された凹部空間44dを有する箱状に形成されている。また、底板46も同様に、側板部46b,接続部46m,凹部46kの水平方向内側、かつ高さ方向に渡って形成された凹部空間46dを有する箱状に形成されている。
【0040】
そして、天板44と底板46は、
図4に示すように、天板44と底板46の凹部空間44d,46d同士を連通させるように配置されている。
【0041】
また、天板44の周縁部44jと、底板46の周縁部46jが、互いを包み込むように、かつ側板部44b,46bに対して略平行になるように、U字状に折り曲げ加工されていることにより、天板44と底板46は、パネル本体部41の
図4中上下方向略中央部の結合部45において結合されている。
【0042】
このように、天板44と底板46は、パネル本体部41の
図4中上下方向略中央部の結合部45において結合されているため、パネル本体部41の
図4中上下方向のいずれか一方の端部において結合される場合に比べて、側板部44b,46bが深絞り加工により伸ばされる高さの寸法を小さくすることができる。
【0043】
したがって、天板44と底板46の深絞り加工の際に加えられる引張力を低減させることができるため、天板44と底板46の板厚を薄くしても、それらの成形加工時に亀裂や破壊が容易に生じるのを防止することができる。
【0044】
また、天板44の周縁部44jと、底板46の周縁部46jを折り曲げ加工することにより形成された結合部45は、天板44の凹部44k(
図4参照)に当接するように、パネル本体部41の内側(
図4中左側)に向けて押圧される。
【0045】
天板44の凹部44kは、側板部44bよりもパネル本体部41の内側に引っ込んだ位置に形成され、底板46の凹部46kも、側板部46bよりもパネル本体部41の内側に引っ込んだ位置に形成されている。
【0046】
そのため、パネル本体部41の内側に向けて押圧された結合部45は、側板部44bと側板部46bの外周面(パネル本体部41の
図4中右側端面)よりも
図4中左側に引っ込んだ位置に収納される。
【0047】
すなわち、結合部45は、パネル本体部41の側面の高さ中央部に配置されると共に、パネル本体部41の高さ両端側の側面(側板部44b,46bの外周面)よりパネル本体部41の内側に引っ込んだ位置に配置されている。
【0048】
このため、結合部45が、その後の周縁部44j,46jの弾性変形により、パネル本体部41の水平方向外側(
図4中右側)に向けて戻るように変形した場合でも、側板部44b,46bの外周面(パネル本体部41の
図4中右側端面)よりも水平方向外側(
図4中右側)に突出しないようにすることができる。
【0049】
したがって、天板44と底板46を結合する結合部45が、側板部44b,46bの外周面より水平方向外側に突出しないため、パネル本体部41の側面部の寸法精度を向上させることができ、隣接して配置される他のパネル本体部41等と結合部45が干渉することを防止することができる。
【0050】
また、結合部45が側板部44b,46bの外周面より水平方向外側に突出しないため、結合部45が、フロアパネル40の設置作業時や、その後のメンテナンス作業時に他部材や作業者等に引っ掛かることを防止することができ、その作業性を向上させることができる。
【0051】
天板44及び底板46が、結合部45において一体的に結合される(
図4及び
図5参照)ことにより、パネル本体部41は、内部空間48を有する中空状に形成され、この内部空間48内には、パネル本体部41の強度を向上させるために、厚さを有する板状の補強部材50が収納されて設けられている。
【0052】
補強部材50は、天板44の天板部44aと、底板46の底板部46aの間に挟まれて、その側面が側板部44b,46b、及び凹部44k,46kに沿うように設けられている。そして、この補強部材50には、木材を小さな木片に砕いて乾燥させ、接着剤を加えて高温高圧の下で成形したパーティクルボードが用いられている。
【0053】
パネル本体部41の天板44は、
図1に示すように、その四隅部には、その平面形状が円形を4分割したような円弧状の接続部44fと、その半径内側に、やはりその平面形状が円形を4分割したような円弧状の段差受面44eが形成されている。
【0054】
すなわち、天板44の四隅部それぞれには、
図5に示すように、その垂直断面が所定の角度で傾斜するテーパ状となっている接続部44fが形成されていると共に、この接続部44fの下端部から、天板44の上面44cと平行(水平)で、かつその半径方向に伸びて、上面44cとの間に高さが低い段差を有する段差受面44eが形成されている。
【0055】
そして、フロアパネル40を支持する不図示の支持脚の支持面上に、複数のフロアパネル40の底面46cの四隅部が、1箇所に寄せ集めて突き合わせるように載置され、段差受面44eを不図示の皿ボルトにより下方に押え付けることにより、フロアパネル40が支持脚の支持面上に固定されている。
【0056】
また、
図1,
図4に示すように、その平面形状が略正方形に形成されると共に、平坦な板面を有する平板部47aと、平板部47aの周縁部から上方(
図4中上側方向)に立上がるように形成された立上り部47bとから構成されたタイル受板47が、接着剤やビス等により天板44の上面44cに固定されている。
【0057】
したがって、タイル受板47は、
図4及び
図5に示すように、底が浅い箱状に形成されると共に、平板部47aの周縁部全体に渡って形成された立上り部47bの外周面(
図4中右側の面)が、パネル本体部41の側板部44b,46bの外周面(
図4中右側の面)と略同一平面を形成するように配置されている。
【0058】
また、フロアパネル40の他の3つの辺部においても同様であり、例えば、
図1中上下方向に伸びる左側の辺部においても、立上り部47bの外周面は、パネル本体部41の側板部44b,46bの外周面と略同一平面を形成するように配置されている(
図4参照)。
【0059】
また、タイル受板47は、例えば、SGCC等の鋼板材を用いて形成されると共に、その表面全体が黒色(暗色)に着色されている。
【0060】
そして、
図4及び
図5に示すように、タイル受板47の平板部47aの上面における、立上り部47bより内側(
図4中左側)には、塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイル等の、平面形状が略正方形状のタイル51が1枚貼り付けられている。
【0061】
すなわち、1枚のタイル51は、その外周側面を、立上り部47bの内側の垂直面(
図4中左側の面)に接触させて、その下面をタイル受板47の平板部47aの上面に貼り付けられている。
【0062】
また、タイル受板47の立上り部47bの上面高さは、例えば、人が立上り部47bにつまずいたりすることがないように、タイル51の上面と略同じか、又は若干低く形成されている。
【0063】
このように、フロアパネル40において、タイル51は、天板44の上面44cに直接貼り付けられるのではなく、天板44の上面44cに固定されたタイル受板47を介して、その平板部47aの上面に貼り付けられている。
【0064】
このため、例えば、パネル本体部41の上面44cに図示しない凸部や、
図1,3に示すような凹部44hが形成されていたり、パネル本体部41の側面に
図1,2に示すような配線取り出し用の切欠き44gが形成されていて、タイル51における、パネル本体部41の凸部、凹部44h、切欠き44gに対応する部分に、タイル51の上面から力が作用した場合でも、タイル51はタイル受板47の平坦な平板部47aに支持されているため、タイル51に亀裂や破壊が生じたり、凹部44hや切欠き44gの周りの形状がタイル51の上面に浮き出てきて外観が損なわれることを防止することができる。
【0065】
また、フロアパネル40が、オフィス等の部屋の床面を形成するように複数並べて敷設された際には、フロアパネル40の外周部分の寸法精度のバラツキにより、互いに隣り合うフロアパネル40との間に若干の隙間が空いてしまう場合がある。
【0066】
しかしながら、タイル受板47の周縁部に形成された立上り部47bの表面47c(
図4中、立上り部47bの上向きの面)が黒色に着色されているため、立上り部47bの表面47cの黒色と、互いに隣り合うフロアパネル40間の隙間の暗色を人が判別しにくくなり、フロアパネル40間の隙間が目立たなくなっている。
【0067】
また、フロアパネル40は、天板44の上面44cにタイル受板47を固定するだけでタイル貼りに容易に対応できるように構成されているため、前記第1の従来技術のフロアパネル2のように、その上面にタイル7を貼り付けた後に、それぞれの外周部分を共に機械切削加工する工程が必要なくなっている。そのため、フロアパネル40は、前記第1の従来技術のフロアパネル2を形成する場合に比べて、製造コストが高額化することを防止することができる。
【0068】
また、フロアパネル40は、天板44の上面44cにタイル受板47を固定するだけでタイル貼りに容易に対応できるように構成されているため、前記第2の従来技術のフロアパネル20のように、ボトムシート24のフランジ部24dと、トップシート26のそれぞれの外周部分を共に挟むように、縁部材25を取り付ける工程が必要なくなっている。そのため、フロアパネル40は、前記第2の従来技術のフロアパネル20を形成する場合に比べて、製造コストが高額化することを防止することができる。
【0069】
したがって、以上に説明したように、本実施の形態に係るフロアパネル40によれば、製造コストが高額化することを防止し、フロアパネルの上面側に貼り付けられたタイルに亀裂や破壊が生じたり、外観が損なわれることを防止することができる。
【0070】
また、フロアパネル40のパネル本体部41は、天板44と底板46を組み合わせて、結合部45において折り曲げ加工により互いに結合する構成となっており、機械切削加工やスポット溶接する必要がないため、前記第1、第2の従来技術のフロアパネル2,20を形成する場合に比べて製造コストを安価にすることができる。
【0071】
図6及び
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るフロアパネル60について説明するために参照する図である。
【0072】
本実施の形態に係るフロアパネル60は、
図6及び
図7に示すように、フロアパネル60の段差受面44e、接続部44fが形成された四隅と、平板部47aとの間の隙間を埋めるスペーサ部68aを有するスペーサ部材68が設けられている点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と異なるものである。
【0073】
すなわち、フロアパネル60には、
図7に示すように、スペーサ部68aが、タイル受板47の平板部47aの下面と、パネル本体部41の段差受面44e、接続部44fの上面との間の空間(
図5参照)を埋めると共に、スペーサ部68aと一体で上下方向に伸びる柱状の部分が、平板部47aにおける、パネル本体部41の側板部44b,46bの外周面より外側に突出した部分(
図5参照)を支持するようなスペーサ部材68が設けられている。
【0074】
このように、フロアパネル60は、タイル受板47の平板部47aが、天板44の上面44cに支持されていない部分を、スペーサ部材68により支持するような構成となっている。その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と同様である。
【0075】
また、スペーサ部材68及びパネル本体部41の側板部44b,46bを貫通し、補強部材50にネジ締結されるように、
図7中右側からネジ込まれる不図示のビス等により、スペーサ部材68はフロアパネル60に固定されている。
【0076】
このような本実施の形態に係るフロアパネル60によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と同様の効果を得ることができる。
【0077】
また、本実施の形態に係るフロアパネル60は、上記のように、タイル受板47の平板部47aが、天板44の上面44cに支持されていない部分を、スペーサ部材68により支持するような構成となっているため、例えば、人が歩いた場合等にタイル47の上側から作用する力により、タイル受板47の四隅部が下方に凹んで変形することを防止すると共に、タイル51の四隅部に亀裂や破壊が生じることを防止することができる。
【0078】
図8から
図11は、本発明の第3の実施の形態に係るフロアパネル80について説明するために参照する図である。
【0079】
本実施の形態に係るフロアパネル80は、
図8から
図10に示すように、カーペット受板87(表面材受板)の平板部87aの上面に、平面形状が略正方形状のタイルカーペット91(表面材)が1枚貼り付けられている点において、同じ場所にタイル51が貼り付けられていた前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と異なるものである。
【0080】
すなわち、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40においては、タイル受板47の平板部47aの上面に、塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイル等の、平面形状が略正方形状のタイル51が1枚貼り付けられていたのに対し、本実施の形態に係るフロアパネル80においては、前記第1の実施の形態におけるタイル受板47と同様に、底が浅い箱状に形成されると共に、その底面が天板44の上面44cに固定された、カーペット受板87の平板部87aの上面にタイルカーペット91が1枚貼り付けられている。
【0081】
タイルカーペット91は、
図10に示すように、多数本の繊維状のループパイル91cにより構成されたパイル層91aと、そのループパイル91cの基部を保持するバッキング層91bとで構成される2層構造になっている。このようなタイルカーペット91のバッキング層91bのパイル層91aと反対側の面が、カーペット受板87の平板部87aの上面に貼り付けられている。
【0082】
また、本実施の形態に係るフロアパネル80において、カーペット受板87の立上り部87bの上面高さは、例えば、人が立上り部87bにつまずいたりすることがないように、タイルカーペット91のバッキング層91bの上面よりも高く、バッキング層91bの上側に配置されるパイル層91aのループパイル91cの上端部91d(
図10参照)よりも低くなるように形成されている。
【0083】
また、タイルカーペット91の厚さ寸法(例えば、略6.5ミリメートル)は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40のタイル51の厚さ寸法(例えば、略1.5〜2.0ミリメートル)よりも厚く形成されている。
【0084】
そのため、本実施の形態に係るフロアパネル80においては、カーペット受板87の立上り部87bの上端面(表面87c)の高さ位置が、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40のタイル受板47の立上り部47bの上端面(表面47c)の高さ位置よりも高く形成されている点において、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と異なるものである(
図4、
図9参照)。
【0085】
その他の構成は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と同様であり、カーペット受板87は、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40のタイル受板47と同様に、鋼板材を用いて形成されると共に、その表面全体が黒色(暗色)に着色されている。
【0086】
図18に示す第3の従来技術に係るフリーアクセス構造22においては、前記第1の従来技術に係るフロアパネル2を構成するパネル本体部3が、部屋の床面を形成するように複数並べて敷設され、パネル本体部3の平板部4の上面には、タイル7(
図12参照)の代わりに、その上面と同じ大きさのタイルカーペット28が、パネル本体部3の略四辺形の平面形状に対して、縦横両方向にずらして配置されていた。
【0087】
すなわち、1つのパネル本体部3の上面に対して、1枚のタイルカーペット28を貼り付けて一体化するのではなく、1つのパネル本体部3の上面に対して、互いに隣り合うパネル本体部3,3間の隙間(目地)が隠れて見えないように、4枚のタイルカーペット28を縦横両方向にずらして配置していた。
【0088】
そのため、パネル本体部3とタイルカーペット28を一体的に取り扱うことができず、パネル本体部3を取り扱う際の作業性が良くないという問題があった。例えば、
図18のように複数並べて敷設されたパネル本体部3の内の1つを取り外す場合には、少なくとも4枚のタイルカーペット28を取り外してから、1つのパネル本体部3を取り外さなくてはならなかった。
【0089】
一方、本実施の形態に係るフロアパネル80においては、
図10に示すように、カーペット受板87の平板部87aの上面における、立上り部87bより水平方向内側(同図中左側)に、タイルカーペット91が接着剤等により1枚貼り付けられている。
【0090】
また、カーペット受板87は、その表面全体が黒色(暗色)に着色されているため、カーペット受板87の立上り部87bの上端面(表面87c)の黒色と、互いに隣り合うフロアパネル80,80間の隙間の暗色を人が判別しにくくなり、フロアパネル80,80間の隙間を目立たなくすることができる。
【0091】
このように、フロアパネル80においては、黒色に着色されているカーペット受板87を設けることにより、フロアパネル80間の隙間を目立たなくしているため、フロアパネル80間の隙間を隠すために、1つのパネル本体部41の上面44cに対して、複数のタイルカーペット91をずらして配置する必要はなく、1つのパネル本体部41の上面44cに対して、カーペット受板87を介して、1枚のタイルカーペット91を貼り付けて一体化している。
【0092】
このため、フロアパネル80においては、パネル本体部41、カーペット受板87、及びタイルカーペット91を一体的に取り扱うことが可能となり、フロアパネル80を取り扱う際の作業性を向上させることができる。
【0093】
例えば、部屋の床面を形成するようにフロアパネル80が複数並べて敷設された、
図11のフリーアクセスフロア構造82において、1枚のフロアパネル80を取り外す場合には、パネル本体部41、カーペット受板87、及びタイルカーペット91を一体的に取り外すことができる。
【0094】
このような本実施の形態に係るフロアパネル80によっても、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40と同様の効果を得ることができる。
【0095】
また、本実施の形態に係るフロアパネル80においては、パネル本体部41、カーペット受板87、及びタイルカーペット91を一体的に取り扱うことが可能となるため、フロアパネル80を取り扱う際の作業性を向上させることができる。
【0096】
なお、本発明は、前記実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の目的を達成することができる範囲内であれば、フロアパネルの種々の変更が可能である。
【0097】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40は、上記のように天板44と底板46が結合部45において折り曲げ加工されることにより、天板44と底板46が結合され、パネル本体部41の内部空間48内に補強部材50が設置され、天板44の上面44cにタイル受板47を介してタイル51が貼り付けられるように構成されていたが、このような構成に限定される必要はない。
【0098】
例えば、前記第1の従来技術のフロアパネル2のパネル本体部3の平板部4の上面に、タイル受板47を介してタイル51が貼り付けられるように構成されていてもよいし、前記第2の従来技術のフロアパネル20のパネル本体部23のトップシート26の上面に、タイル受板47を介してタイル51が貼り付けられるように構成されていてもよい。
【0099】
また、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル80は、上記のように天板44と底板46が結合部45において折り曲げ加工されることにより、天板44と底板46が結合され、パネル本体部41の内部空間48内に補強部材50が設置され、天板44の上面44cにカーペット受板87を介してタイルカーペット91が貼り付けられるように構成されていたが、このような構成に限定される必要はない。
【0100】
例えば、前記第1の従来技術のフロアパネル2のパネル本体部3の平板部4の上面に、カーペット受板87を介してタイルカーペット91が貼り付けられるように構成されていてもよいし、前記第2の従来技術のフロアパネル20のパネル本体部23のトップシート26の上面に、カーペット受板87を介してタイルカーペット91が貼り付けられるように構成されていてもよい。
【0101】
また、前記第1、第3の実施の形態に係るフロアパネル40,80においては、それぞれタイル受板47(
図4、
図5参照)、カーペット受板87(
図9,
図10参照)が黒色に着色されていたが、黒色に限定される必要はなく、互いに隣り合うフロアパネル40間の隙間を目立たなくすることができる暗色であれば、濃紺等の他の色で着色されていてもよい。
【0102】
また、前記第1、第3の実施の形態に係るフロアパネル40,80においては、それぞれタイル受板47、カーペット受板87の表面全体が黒色に着色されていたが、立上り部47b、87bの表面47c(
図4、
図5参照)、表面87c(
図9、
図10参照)のみがそれぞれ黒色に着色されていてもよい。
【0103】
また、前記第1の実施の形態に係るフロアパネル40は、天板44の上面44cにタイル受板47を接着固定した後に、タイル受板47にタイル51を貼り付ける手順で形成されていてもよいし、タイル受板47にタイル51を貼り付けた後に、タイル受板47を天板44の上面44cに接着固定する手順で形成されていてもよい。
【0104】
また、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル80は、天板44の上面44cにカーペット受板87を接着固定した後に、カーペット受板87にタイルカーペット91を貼り付ける手順で形成されていてもよいし、カーペット受板87にタイルカーペット91を貼り付けた後に、カーペット受板87を天板44の上面44cに接着固定する手順で形成されていてもよい。
【0105】
また、前記第1及び第2の実施の形態に係るフロアパネル40,60において、タイル51に塩化ビニル系のPタイルや、HPL(ハイプレッシャーラミネート)タイルが用いられていたが、これらの硬質系のタイルに限定される必要はなく、例えば、塩化ビニルシート等の軟質系のシートを用いてもよい。
【0106】
また、前記第3の実施の形態に係るフロアパネル80において、カーペット受板87の平板部87aの上面には、表面にループパイル91cが形成されたタイルカーペット91が1枚貼り付けられていたが、このようなタイルカーペット91に限定されることはなく、他の種類のタイルカーペットが貼り付けられていてもよい。
【0107】
また、前記第1〜第3の実施の形態に係るフロアパネル40,60,80において、補強部材50にパーティクルボードが用いられていたが、補強部材50のような形状に成形することができる板材であれば、パーティクルボードに限定される必要はなく、例えば、ケイ酸カルシウム板、硫酸カルシウム板、セメント板等の窯業系の板材等が用いられていてもよい。