特許第6475106号(P6475106)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475106
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】床下換気口止水装置
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/70 20060101AFI20190218BHJP
   E04B 1/66 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   E04B1/70 C
   E04B1/66 A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-127441(P2015-127441)
(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公開番号】特開2017-8655(P2017-8655A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年3月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】599139062
【氏名又は名称】グローバルアーク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】南原 嘉人
(72)【発明者】
【氏名】南原 進吾
(72)【発明者】
【氏名】南原 雅明
【審査官】 小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3124597(JP,U)
【文献】 特開2010−90683(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3099179(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62−1/99
F24F 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の床下換気口に設置して水の浸入を防止する床下換気口止水装置であって、
該装置は枠部と蓋部とで構成し、
前記枠部は、略中央部に換気口連通孔を穿設すると共に、一方の側面に前記換気口連通孔の開口縁を囲繞して床下換気口周縁と水密に当接する建物間シール部を形成し、他方の側面に蓋部の外端縁部を挿入可能で挿入により可及的に前記外端縁部が前記他方の側面を押圧する蓋部挿入溝を形成し、
蓋部は、前記換気口連通孔を被覆する外形とし、一方の側面に前記枠部の前記他方の側面と水密に当接する枠部間シール部を形成し、
前記枠部又は/及び前記枠部に装着した前記蓋部には前記蓋部挿入溝と対向する位置に前記蓋部を前記枠部に押圧して略固定する付勢固定部を形成したことを特徴とする床下換気口止水装置。
【請求項2】
前記蓋部挿入溝は、断面視L字状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の床下換気口止水装置。
【請求項3】
前記蓋部挿入溝は、挿入される前記蓋部の幅員よりも長く形成したことを特徴とする請求項2に記載の床下換気口止水装置。
【請求項4】
前記蓋部挿入溝は、前方に拡開して形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の床下換気口止水装置。
【請求項5】
前記付勢固定部はパッチン錠であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床下換気口止水装置。
【請求項6】
前記付勢固定部は前記枠部に形成したクサビ挿入部と別途のクサビとで構成し、前記クサビ挿入部に前記クサビを打ち込むことで前記蓋部を前記枠部に押し付けて略固定するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床下換気口止水装置。
【請求項7】
前記付勢固定部は、前記蓋部挿入溝と前記付勢固定部との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠である別途の付勢固定部を形成したことを特徴とする請求項5または6に記載の床下換気口止水装置。
【請求項8】
前記枠部の前記換気口連通孔の周縁には、前記枠部を床下換気口周縁と固定するためのボルトを挿通するための複数のボルト挿通孔を穿設し、前記蓋部の前記他方の側面には把持部を形成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の床下換気口止水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の床下換気口に設置して水の浸入を防止する床下換気口止水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、洪水や大雨で増水した際に建物の基礎部分に形成された床下換気口から水が浸入して床下浸水となる事例が多数発生している。そのため、床下換気口からの水の浸入を防止する手段が考案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の技術では、既存の建物に形成された床下換気口を形成するコンクリートに、後付により設置可能な止水機能付き床下換気口装置がある。
【0004】
該装置は、換気口を閉蓋する止水板が引戸式に可動するものであり、洪水等のない平常時には換気口が開蓋する位置に止水板を移動させ、洪水時には止水板を移動させ換気口を閉蓋することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−239181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、特許文献1に係る止水機能付き床下換気口装置は床下換気口の開閉蓋操作を比較的容易に行うことができる点で一定の効果を奏していた。
【0007】
しかしながら、該装置は引戸式であり、しかも止水板を枠本体に水密に押し付ける構造が複雑であることから、錆や経年劣化等により洪水時に想定した止水能力を発揮できない虞があった。
【0008】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、シンプルな構成でありながら床下換気口を確実に止水可能であり、しかも、床下換気口の開閉蓋操作を容易に行うことができる床下換気口止水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成するために、本発明は以下のようなものを提供する。
【0010】
請求項1に係る発明では、建物の床下換気口に設置して水の浸入を防止する床下換気口止水装置であって、該装置は枠部と蓋部とで構成し、前記枠部は、略中央部に換気口連通孔を穿設すると共に、一方の側面に前記換気口連通孔の開口縁を囲繞して床下換気口周縁と水密に当接する建物間シール部を形成し、他方の側面に蓋部の外端縁部を挿入可能で挿入により可及的に前記外端縁部が前記他方の側面を押圧する蓋部挿入溝を形成し、蓋部は、前記換気口連通孔を被覆する外形とし、一方の側面に前記枠部の前記他方の側面と水密に当接する枠部間シール部を形成し、前記枠部又は/及び前記枠部に装着した前記蓋部には前記蓋部挿入溝と対向する位置に前記蓋部を前記枠部に押圧して略固定する付勢固定部を形成したことを特徴とする床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0011】
請求項2に係る発明では、前記蓋部挿入溝は、断面視L字状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0012】
請求項3に係る発明では、前記蓋部挿入溝は、挿入される前記蓋部の幅員よりも長く形成したことを特徴とする請求項2に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0013】
請求項4に係る発明では、前記蓋部挿入溝は、前方に拡開して形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0014】
請求項5に係る発明では、前記付勢固定部はパッチン錠であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0015】
請求項6に係る発明では、前記付勢固定部は前記枠部に形成したクサビ挿入部と別途のクサビとで構成し、前記クサビ挿入部に前記クサビを打ち込むことで前記蓋部を前記枠部に押し付けて略固定するように構成したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0016】
請求項7に係る発明では、前記付勢固定部は、前記蓋部挿入溝と前記付勢固定部との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠である別途の付勢固定部を形成したことを特徴とする請求項5または6に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【0017】
請求項8に係る発明では、前記枠部の前記換気口連通孔の周縁には、前記枠部を床下換気口周縁と固定するためのボルトを挿通するための複数のボルト挿通孔を穿設し、前記蓋部の前記他方の側面には把持部を形成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の床下換気口止水装置を提供せんとする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の発明によれば、床下換気口止水装置は枠部と蓋部とで構成され、枠部は、略中央部に換気口連通孔を穿設すると共に、一方の側面に換気口連通孔の開口縁を囲繞して床下換気口周縁と水密に当接する建物間シール部を形成し、他方の側面に蓋部の外端縁部を挿入可能で挿入により可及的に外端縁部が他方の側面を押圧する蓋部挿入溝を形成し、蓋部は、換気口連通孔を被覆する外形とし、一方の側面に枠部の他方の側面と水密に当接する枠部間シール部を形成し、枠部又は/及び枠部に装着した蓋部には蓋部挿入溝と対向する位置に蓋部を枠部に押圧して略固定する付勢固定部を形成したことにより、蓋部の外端縁部を蓋部挿入溝に挿入し、付勢固定部で蓋部を略固定するだけで床下換気口を水密に止水することができる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、蓋部挿入溝は、断面視L字状に形成したことにより、蓋部の外端縁部を蓋部挿入溝に容易に挿入でき、しかも、シンプルな構成で蓋部挿入溝周縁の蓋部と枠部とを水密に止水することができる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、蓋部挿入溝は、挿入される蓋部の幅員よりも長く形成したことにより、蓋部挿入溝周縁の蓋部と枠部とを確実に水密に止水することができる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、蓋部挿入溝は、前方に拡開して形成したことにより、蓋部挿入溝への蓋部の外端縁部の挿入及び抜去を極めて容易に行うことができる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、付勢固定部はパッチン錠であることにより、付勢固定部周縁の蓋部と枠部とを水密に止水することができ、しかも、枠部に対する蓋部の固定を極めて容易に行うことができる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、付勢固定部は枠部に形成したクサビ挿入部と別途のクサビとで構成し、クサビ挿入部にクサビを打ち込むことで蓋部を枠部に押し付けて略固定するように構成したことにより、構造がシンプルになるため故障や不具合の発生を防止することができる。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、付勢固定部は、蓋部挿入溝と付勢固定部との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠である別途の付勢固定部を形成したことにより、蓋部挿入溝と複数の付勢固定部により蓋部と枠部との固定を強固なものとでき、床下換気口をより確実に水密に止水することができる。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、枠部の換気口連通孔の周縁には、枠部を床下換気口周縁と固定するためのボルトを挿通するための複数のボルト挿通孔を穿設し、蓋部の他方の側面には把持部を形成したことにより、床下換気口止水装置を床下換気口周縁に容易に設置でき、しかも、把持部により蓋部の取り扱いを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る床下換気口止水装置を換気口に装着した説明図である。
図2】実施形態に係る床下換気口止水装置を換気口に装着した断面図である。
図3】(a)は建物の基礎部分に形成された換気口を示す説明図で、(b)は換気口に枠部を装着した説明図である。
図4】(a)は枠部に蓋部を係合して止水状態とした断面図で、(b)は(a)における蓋部挿入溝を拡開した状態を示す断面図で、(c)は(b)における蓋部の挿抜を示す断面図である。
図5】実施形態に係る床下換気口止水装置を示す説明図である。
図6】(a)は図5の床下換気口止水装置における蓋部の挿抜を示す断面図で、(b)は枠部に蓋部を係合して止水状態とした断面図である。
図7】実施形態に係る床下換気口止水装置を示す説明図である。
図8】(a)は図7の床下換気口止水装置における蓋部の閉蓋直前を示す断面図で、(b)は枠部に蓋部を係合して止水状態とした断面図である。
図9】実施形態に係る床下換気口止水装置を示す説明図である。
図10】(a)は図9の床下換気口止水装置における蓋部の閉蓋直前を示す断面図で、(b)は枠部に蓋部を係合して止水状態とした断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る床下換気口止水装置は、建物の床下換気口に設置して水の浸入を防止する床下換気口止水装置であって、該装置は枠部と蓋部とで構成し、枠部は、略中央部に換気口連通孔を穿設すると共に、一方の側面に換気口連通孔の開口縁を囲繞して床下換気口周縁と水密に当接する建物間シール部を形成し、他方の側面に蓋部の外端縁部を挿入可能で挿入により可及的に外端縁部が他方の側面を押圧する蓋部挿入溝を形成し、蓋部は、換気口連通孔を被覆する外形とし、一方の側面に枠部の他方の側面と水密に当接する枠部間シール部を形成し、枠部又は/及び枠部に装着した蓋部には蓋部挿入溝と対向する位置に蓋部を枠部に押圧して略固定する付勢固定部を形成したことを特徴とする。すなわち、シンプルな構成でありながら床下換気口を確実に止水可能であり、しかも、床下換気口の開閉蓋操作を容易に行うことができる床下換気口止水装置の提供を図ろうとするものである。
【0028】
以下、本発明に係る床下換気口止水装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。また、本説明中において左右同一又は左右対称の構造等については、原則として同一の符号を付し、左右何れか一方のみを説明して、他方については説明を適宜省略する。
【0029】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aは図1〜4に示すように、枠部1と蓋部2とで構成し、枠部1は、略中央部に換気口連通孔3を穿設すると共に、一方の側面4に換気口連通孔3の開口縁を囲繞して床下換気口K周縁と水密に当接する建物間シール部5を形成し、他方の側面6に蓋部2の外端縁部7を挿入可能で挿入により可及的に外端縁部7が他方の側面6を押圧する蓋部挿入溝8を形成し、蓋部2は、換気口連通孔3を被覆する外形とし、一方の側面9に枠部1の他方の側面6と水密に当接する枠部間シール部10を形成し、枠部1又は/及び枠部1に装着した蓋部2には蓋部挿入溝8と対向する位置に蓋部2を枠部1に押圧して略固定する付勢固定部11を形成している。
【0030】
また、蓋部挿入溝8は、挿入される蓋部2の幅員よりも長く断面視L字状に形成し、付勢固定部11はパッチン錠12で構成している。
【0031】
また、該付勢固定部11は、蓋部挿入溝8と付勢固定部11との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠12である別途の付勢固定部11´を形成している。
【0032】
なお、付勢固定部11,11´を構成するパッチン錠12は、操作レバー14やフック15を備えた本体機構部13と、フック15と係合する係止爪16とで構成しており、係合により本体機構部13側が係止爪16側に付勢する一般的なパッチン錠である。
【0033】
更に、枠部1の換気口連通孔3の周縁には、枠部1を床下換気口K周縁と固定するためのボルト挿通用の複数のボルト挿通孔17を穿設し、蓋部2の他方の側面18には把持部19を形成している。
【0034】
このように構成することで、蓋部2の外端縁部7を蓋部挿入溝8に挿入し、付勢固定部11,11´で蓋部2を略固定するだけで床下換気口Kを水密に止水することができる。すなわち、シンプルな構成でありながら床下換気口Kを確実に止水可能であり、しかも、床下換気口Kの開閉蓋操作を容易に行うことができる床下換気口止水装置Aを提供することができる。
【0035】
具体的には、枠部1は、ステンレス等の金属材料で形成された枠本体部20とウレタンゴム等の弾性と水密性を備えた建物間シール部5と付勢固定部11を構成するパッチン錠12,12の係止爪16,16とで構成している。枠本体部20は矩形板状に形成し、略中央部に矩形状の換気口連通孔3を穿設すると共に下端縁を前方にL字状に折曲して蓋部挿入溝8を形成している。また、枠本体部20の後面4には枠本体部20の背面視と略同形の建物間シール部5を貼着している。
【0036】
蓋部挿入溝8の前後方向の溝幅Wは蓋部2の厚みFよりも狭く形成しており、図4(a)に示すように、蓋部挿入溝8に蓋部2の下側の外端縁部7を挿入した際、可及的に外端縁部7が枠本体部20の前面6を押圧するように構成している。なお、蓋部挿入溝8への蓋部2の挿入においては、蓋部2に貼着された枠部間シール部10の弾性を利用し、枠本体部20の前面6に対し蓋部2の外端縁部7を蓋部2の前面18から押圧することで蓋部2の厚みFを狭くしながら容易に挿入することができる。
【0037】
また、蓋部挿入溝8は、図4(b)に示すように前方に拡開して形成してもよい。具体的には、蓋部挿入溝8の前壁21に前方への傾斜角αを付与することで拡開し、本実施形態では傾斜角αを略5°としている。このように傾斜させることで図4(c)に示すように、蓋部挿入溝8への蓋部2の挿抜を容易とすることができる。この場合であっても、蓋部挿入溝8の底部側の溝幅Wは蓋部2の厚みFよりも狭く形成することで、蓋部2の外端縁部7が枠本体部20の前面6を押圧することができる。
【0038】
また、蓋部挿入溝8の前方への傾斜角αは略5°に限定されるものではなく、止水機能を保ちながら蓋部2の挿抜を容易に行うために傾斜角αは略5°±2°の範囲内であることが望ましい。
【0039】
また、図1図3(b)に示すように、蓋部挿入溝8の前壁21の表面には、挿入される蓋部2の位置を明示するためのマーカー22を形成してもよい。マーカー22は三角形状に形成し、三角形の頂点に蓋部2の左右端が位置するように蓋部2を蓋部挿入溝8に挿入すれば付勢固定部11の位置を正確な位置に合わせることができる。
【0040】
なお、本実施形態では蓋部挿入溝8を枠本体部20の下側に形成したものとして説明しているが、蓋部挿入溝8を上側に形成し、本説明中における床下換気口止水装置Aの上下を逆とした構成としてもよい。
【0041】
また、枠本体部20には換気口連通孔3の周縁にボルト挿通孔17を6箇所穿設し、ボルト挿通孔17に図示しない皿ネジを挿貫し建物Tの基礎部分Gに螺入することで枠部1を基礎部分Gに装着することができる。
【0042】
従って、図3(a)に示すような建物Tの基礎部分Gに形成された床下換気口Kに対し、図3(b)に示すように床下換気口Kの開口と枠部1の換気口連通孔3が連通するように基礎部分Gの壁面に枠部1を装着することができる。
【0043】
また、枠本体部20の前面6には換気口連通孔3に臨む蓋部挿入溝8と対向する位置に付勢固定部11である上パッチン錠12aの上係止爪16aを左右に離間して配設している。すなわち、換気口連通孔3の上部側を水密に止水する蓋部2の上部側は2つの上パッチン錠12a,12aにより枠本体部20と固定される。なお、上係止爪16a,16aと係合する上パッチン錠12a,12aの上本体機構部13a,13aは後述する蓋部2に配設している。
【0044】
更に、本実施形態では付勢固定部11は、蓋部挿入溝8と上述した付勢固定部11である2つの上パッチン錠12a,12aとの対向方向と直交する左右位置にも付勢固定部11´として左右パッチン錠12b,12bを備えており、該位置の枠本体部20の前面6に左右係止爪16b,16bを配設している。すなわち、換気口連通孔3の左右側を水密に止水する蓋部2の左右側は左右各1個のパッチン錠12b,12bにより枠本体部20と固定される。なお、左右係止爪16b,16bと係合する左右パッチン錠12b,12bの左右本体機構部13b,13bは後述する蓋部2に配設している。
【0045】
蓋部2は、ステンレス等の金属材料で形成された蓋本体部23とウレタンゴム等の弾性と水密性を備えた枠部間シール部10と付勢固定部11を構成するパッチン錠12の本体機構部13,13と把持部19とで構成している。
【0046】
蓋本体部23は矩形板状で枠部1の換気口連通孔3の開口よりも大きく形成し、換気口連通孔3を開閉蓋可能としている。また、蓋本体部23の後面9には、当接する換気口連通孔3の開口縁を囲繞可能な略ロ字状に形成された枠部間シール部10を貼着している。
【0047】
また、蓋部2の上部で上述した枠部1に形成された上係止爪16a,16aと係合可能な位置に上パッチン錠12a,12aの上本体機構部13a,13aを配設している。更に、蓋部2の左右端縁部で上述した枠部1に形成された左右係止爪16b,16bと係合可能な位置に左右パッチン錠12b,12bの左右本体機構部13b,13bを配設している。すなわち、蓋部2は上側に2個、左右側に各1個、合計4個のパッチン錠(本体機構部)12a,12a,12b,12bにより枠部1と固定される。
【0048】
従って、蓋部挿入溝8に蓋部2の下側の外端縁部7を挿入し、パッチン錠12a,12a,12b,12bにより蓋部2を固定すれば、洪水や大雨による増水時に床下換気口Kを容易に止水することができる。
【0049】
また、蓋本体部23の前面18で略中央部には、丸棒をコ字状に折曲し、両端部を水平方向として接続した把持部19を形成している。
【0050】
以上、説明したように第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aは構成している。このように、床下換気口止水装置Aは枠部1と蓋部2とで構成され、枠部1は、略中央部に換気口連通孔3を穿設すると共に、一方の側面4に換気口連通孔3の開口縁を囲繞して床下換気口K周縁と水密に当接する建物間シール部5を形成し、他方の側面6に蓋部2の外端縁部7を挿入可能で挿入により可及的に外端縁部7が他方の側面6を押圧する蓋部挿入溝8を形成し、蓋部2は、換気口連通孔3を被覆する外形とし、一方の側面9に枠部1の他方の側面6と水密に当接する枠部間シール部10を形成し、枠部1又は/及び枠部1に装着した蓋部2には蓋部挿入溝8と対向する位置に蓋部2を枠部1に押圧して略固定する付勢固定部11を形成したことにより、蓋部2の外端縁部7を蓋部挿入溝8に挿入し、付勢固定部11で蓋部2を略固定するだけで床下換気口Kを水密に止水することができる。
【0051】
また、蓋部挿入溝8は、断面視L字状に形成したことにより、蓋部2の外端縁部7を蓋部挿入溝8に容易に挿入でき、しかも、シンプルな構成で蓋部挿入溝8周縁の蓋部2と枠部1とを水密に止水することができる。
【0052】
また、蓋部挿入溝8は、挿入される蓋部2の幅員よりも長く形成したことにより、蓋部挿入溝8周縁の蓋部2と枠部1とを確実に水密に止水することができる。
【0053】
また、蓋部挿入溝8は、前方に拡開して形成することにより、蓋部挿入溝8への蓋部2の外端縁部7の挿入及び抜去を極めて容易に行うことができる。
【0054】
また、付勢固定部11はパッチン錠12であることにより、付勢固定部11周縁の蓋部2と枠部1とを水密に止水することができ、しかも、枠部1に対する蓋部2の固定を極めて容易に行うことができる。
【0055】
また、付勢固定部11は、蓋部挿入溝8と付勢固定部11との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠12である別途の付勢固定部11´を形成したことにより、蓋部挿入溝8と複数の付勢固定部11,11´により蓋部2と枠部1との固定を強固なものとでき、床下換気口Kをより確実に水密に止水することができる。
【0056】
枠部1の換気口連通孔3の周縁には、枠部1を床下換気口K周縁と固定するためのボルトを挿通するための複数のボルト挿通孔17を穿設し、蓋部2の他方の側面18には把持部19を形成したことにより、床下換気口止水装置Aを床下換気口K周縁に容易に設置でき、しかも、把持部19により蓋部2の取り扱いを容易に行うことができる。
【0057】
次に、本発明の第二実施形態に係る床下換気口止水装置Bについて詳述する。なお、第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aと同一の構成については共通の符合を付し、説明を適宜省略する。
【0058】
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態に係る床下換気口止水装置Bは図5図6に示すように、上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aとは逆に、蓋部挿入溝8は枠本体部20の上端縁を前方にL字状に折曲して形成している。また、蓋部挿入溝8と対向する位置に形成された付勢固定部11は、枠部1に形成したクサビ挿入部30と別途のクサビ31とで構成し、クサビ挿入部30にクサビ31を打ち込むことで蓋部2を枠部1に押し付けて略固定するように構成している。
【0059】
また、蓋部挿入溝8とクサビ挿入部30との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠12である別途の付勢固定部11´を形成している。
【0060】
このように構成することで、蓋部2の上側の外端縁部7を蓋部挿入溝8に挿入し、付勢固定部11,11´で蓋部2を略固定するだけで床下換気口Kを水密に止水することができる。すなわち、シンプルな構成でありながら床下換気口Kを確実に止水可能であり、しかも、床下換気口Kの開閉蓋操作を容易に行うことができる床下換気口止水装置Bを提供することができる。
【0061】
具体的には、付勢固定部11を構成するクサビ挿入部30は矩形長方形状に形成し、長手方向を左右として上下に矩形状に貫通する上方拡開のテーパを有するクサビ挿入孔32を形成している。クサビ挿入部30は枠本体部20前面6の下端縁部に配設され、図6(b)に示すように、蓋部2が蓋部挿入溝8に挿入された状態で蓋部2の下端がクサビ挿入部30の上面に載置されるような位置関係としている。
【0062】
また、クサビ挿入部30の上面に載置された蓋部2は、図6(a)に示すように、そのままではクサビ挿入孔32の一部または全部を被覆している。従って、人手により蓋部2を枠本体部20に対して押圧することで枠部間シール部10の弾性によりクサビ挿入孔32が露出することになる。
【0063】
クサビ31は、ステンレス等の金属材料で形成された矩形板状の材料を側面視逆L字状に折曲して形成しており、略垂直な片をクサビ片33とし、クサビ片33の上端部から略水平に伸延した片を打込み片34としている。
【0064】
クサビ片33は、先端先鋭のテーパ状に形成され、クサビ挿入部30のクサビ挿入孔32に上方から挿入可能に形成されている。すなわち、上方拡開のクサビ挿入孔32のテーパとクサビ片33のテーパとがクサビ片33の挿入時に中途部で嵌合するように構成されている。
【0065】
従って、蓋部2を蓋部挿入溝8に挿入した後、クサビ挿入部30の上面に載置された蓋部2を枠本体部20に対して押圧し、露出したクサビ挿入孔32にクサビ31を打込むことで、可及的に蓋部2を枠本体部20に付勢させることができる。
【0066】
そして、蓋部2の左右端側に配設された左右パッチン錠12b,12bにより蓋部2を枠部1に固定することで、蓋部2の後面9に形成された枠部間シール部10が枠本体部20の前面6を押圧して換気口連通孔3を水密に止水する。
【0067】
なお、クサビ挿入部30には、挿入するクサビ31の左右端の位置を明示するために上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aで説明したような三角形状等のマーカー22を形成してもよい。
【0068】
以上、説明したように第二実施形態に係る床下換気口止水装置Bは構成している。このように構成することで、上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aと同様の効果を得ることができるばかりでなく、付勢固定部11は枠部1に形成したクサビ挿入部30と別途のクサビ31とで構成し、クサビ挿入部30にクサビ31を打ち込むことで蓋部2を枠部1に押し付けて略固定するように構成したことにより、付勢固定部11の構造がシンプルになるため故障や不具合の発生を防止することができる。
【0069】
次に、本発明の第三実施形態に係る床下換気口止水装置Cについて詳述する。なお、第一・第二実施形態に係る床下換気口止水装置A,Bと同一の構成については共通の符合を付し、説明を適宜省略する。
【0070】
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態に係る床下換気口止水装置Cは図7図8に示すように、上述した第二実施形態に係る床下換気口止水装置Bのクサビ挿入部30が配設された箇所に付勢固定部11として枠部1に形成した回転係止付勢部40と別途の係止棒41を有し、係止棒41の回動により蓋部2を枠部1に押し付けて略固定するように構成している。
【0071】
また、蓋部挿入溝8と回転係止付勢部40との対向方向と直交する左右位置にパッチン錠12である別途の付勢固定部11´を形成している。
【0072】
このように構成することで、蓋部2の上側の外端縁部7を蓋部挿入溝8に挿入し、付勢固定部11,11´で蓋部2を略固定するだけで床下換気口Kを水密に止水することができる。すなわち、シンプルな構成でありながら床下換気口Kを確実に止水可能であり、しかも、床下換気口Kの開閉蓋操作を容易に行うことができる床下換気口止水装置Cを提供することができる。
【0073】
具体的には、付勢固定部11を構成する回転係止付勢部40は、蓋部2の幅員と略同長さの矩形長方形状で長手方向を左右として上方開口の断面視コ字状に形成し、開口を形成する溝を係止棒挿入溝42としている。回転係止付勢部40は枠本体部20前面6の下端縁部に配設され、図8(a)、(b)に示すように、蓋部2が蓋部挿入溝8に挿入された状態で蓋部2の下端が回転係止付勢部40の上面に載置されるような位置関係としている。
【0074】
また、回転係止付勢部40の上面に載置された蓋部2は、図8(a)に示すように、そのままでは係止棒挿入溝42の開口の一部または全部を被覆している。従って、人手により蓋部2を枠本体部20に対して押圧することで枠部間シール部10の弾性により係止棒挿入溝42の開口が露出することになる。また、係止棒挿入溝42には係止棒41が挿入され、係止棒41はその幅員Yと係止棒挿入溝42の溝幅Rとが略同幅となるように形成している。
【0075】
係止棒41は、ステンレス等の金属材料で形成され、矩形板状の材料をL字状に折曲して幅員Yが板厚Xの略2倍となるように形成している。また、一方の片を把持片43、他方の片を回転係止片44とし、把持片43の長さを回転係止片44の長さの略3倍として形成している。
【0076】
このように形成された係止棒41は、図7に示すように、床下換気口止水装置Cの前面に回転係止片44が臨むようにして、把持片43が略水平で回転係止片44の軸線が鉛直下向きとなるようにして回転係止片44を係止棒挿入溝42に上方から挿入する。そして、回転係止片44の軸線の鉛直下向き状態を維持したまま把持片43を左右何れかに回動すれば、図8(a)の状態から図8(b)へと変化するように、係止棒挿入溝42の溝幅Rと略同幅の幅員Yである係止棒41の横側面により回転係止付勢部40の上面に載置された蓋部2を枠本体部20に対して押圧し、可及的に蓋部2を枠本体部20に付勢させることができる。
【0077】
そして、蓋部2の左右端側に配設された左右パッチン錠12b,12bにより蓋部2を枠部1に固定することで、蓋部2の後面9に形成された枠部間シール部10が枠本体部20の前面6を押圧して換気口連通孔3を水密に止水する。
【0078】
なお、本実施形態に係る床下換気口止水装置Cでは、2つの係止棒41を係止棒挿入溝42の左右に離間して装着しているが、係止棒41の数や位置は本実施形態に限定されるものではない。
【0079】
また、本実施形態に係る床下換気口止水装置Cでは、回転係止付勢部40の左右方向の長さを蓋部2の幅員と略同長さに形成しているため、蓋部2の左右端を回転係止付勢部の左右端に合わせれば止水に最適な位置に蓋部2を容易に装着できる。
【0080】
しかし、回転係止付勢部40の左右方向の長さを蓋部2の幅員よりも長く形成した場合には、回転係止付勢部40に挿入する係止棒41の位置を明示するために上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aで説明したような三角形状等のマーカー22を形成してもよい。
【0081】
以上、説明したように第三実施形態に係る床下換気口止水装置Cは構成している。このように構成することで、上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aと同様の効果を得ることができるばかりでなく、付勢固定部11として枠部1に形成した回転係止付勢部40と別途の係止棒41を有し、係止棒41の回動により蓋部2を枠部1に押し付けて略固定するように構成したことにより、付勢固定部11の構造をシンプルにできるため故障や不具合の発生を防止することができる。
【0082】
次に、本発明の第四実施形態に係る床下換気口止水装置Dについて詳述する。なお、第一・第二・第三実施形態に係る床下換気口止水装置A,B,Cと同一の構成については共通の符合を付し、説明を適宜省略する。
【0083】
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態に係る床下換気口止水装置Dは図9図10に示すように、上述した第三実施形態に係る床下換気口止水装置Cの蓋部挿入溝8が配設された箇所に付勢固定部11として枠部1に形成した回転係止付勢部40と別途の連結係止棒50を有し、連結係止棒50の回動により蓋部2を枠部1に押し付けて略固定するように構成している。すなわち、枠本体部20の上下位置に対向して回転係止付勢部40を配設している。
【0084】
また、対向する2つの回転係止付勢部40,40と直交する左右位置にパッチン錠12である別途の付勢固定部11´を形成している。
【0085】
なお、本実施形態に係る床下換気口止水装置Dの枠本体部20´は、上部を前方に略直角に折曲して庇部51を形成しており、該装置Dの前面が雨や埃により劣化等することを防止しているが、庇部51の形成は任意である。また、枠本体部20´の後面4に貼着される建物間シール部5は庇部51にも貼着してよい。このような庇部51は、上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aに形成してもよい。
【0086】
このように構成することで、付勢固定部11,11´で蓋部2を略固定するだけで床下換気口Kを水密に止水することができる。すなわち、シンプルな構成でありながら床下換気口Kを確実に止水可能であり、しかも、床下換気口Kの開閉蓋操作を容易に行うことができる床下換気口止水装置Dを提供することができる。
【0087】
具体的には、付勢固定部11を構成する装置上部の回転係止付勢部40は、蓋部2の幅員と略同長さの矩形長方形状で長手方向を左右とし、係止棒挿入溝42が下方開口となるように配設している。また、上下の係止棒挿入溝42,42には連結係止棒50が挿入され、連結係止棒50の幅員Yと係止棒挿入溝42の溝幅Rとが略同幅となるように形成している。
【0088】
連結係止棒50は、ステンレス等の金属材料で形成され、矩形板状の材料をT字状として幅員Yが板厚Xの略2倍となるように形成している。また、一方の片を連結把持片52、他方の片を連結回転係止片53とし、連結回転係止片53の長さを連結把持片52の長さの略4倍として形成している。連結回転係止片53を長く形成することで、連結回転係止片53の両端部を各々係止棒挿入溝42,42に挿入することができる。
【0089】
このように形成された連結係止棒50は、図9に示すように、床下換気口止水装置Dの前面に連結回転係止片53が臨むようにして、連結把持片52が略水平で連結回転係止片53が回転係止付勢部40の外側壁54と干渉しないように傾斜させつつ蓋部2を押圧しながら連結回転係止片53の軸線が鉛直方向となるように回動して係止棒挿入溝42に挿入する。そして、連結回転係止片53の軸線方向の鉛直状態を維持したまま連結把持片52を左右何れかに回動すれば、図10(a)の状態から図10(b)の状態へと変化するように、係止棒挿入溝42の溝幅Rと略同幅の幅員Yである連結係止棒50の横側面により回転係止付勢部40の上面に載置された蓋部2を枠本体部20に押圧し、可及的に蓋部2を枠本体部20に付勢させることができる。
【0090】
そして、蓋部2の左右端側に配設された左右パッチン錠12b,12bにより蓋部2を枠部1に固定することで、蓋部2の後面9に形成された枠部間シール部10が枠本体部20の前面6を押圧して換気口連通孔3を水密に止水する。
【0091】
なお、本実施形態に係る床下換気口止水装置Dでは、2つの連結係止棒50を係止棒挿入溝42の左右に離間して装着しているが、連結係止棒50の数や位置は本実施形態に限定されるものではない。
【0092】
また、本実施形態に係る床下換気口止水装置Dでは、上下2つの回転係止付勢部40,40の左右方向の長さを蓋部2の幅員と略同長さに形成しているため、蓋部2の左右端を回転係止付勢部の左右端に合わせれば止水に最適な位置に蓋部2を容易に装着できる。
【0093】
しかし、回転係止付勢部40の左右方向の長さを蓋部2の幅員よりも長く形成した場合には、回転係止付勢部40に挿入する係止棒41の位置を明示するために上述した第一実施形態に係る床下換気口止水装置Aで説明したような三角形状等のマーカー22を形成してもよい。
【0094】
以上、説明したように第四実施形態に係る床下換気口止水装置Dは構成している。このように構成することで、上述した第一・第三実施形態に係る床下換気口止水装置A,Cと同様の効果を得ることができるばかりでなく、付勢固定部11として回転係止付勢部40を蓋部2の上下に対向して配設し、係止棒挿入溝42,42に挿入された連結係止棒50の回動により蓋部2の上下を枠部1に押し付けて略固定するように構成したことにより、付勢固定部11の構造をシンプルにできるため故障や不具合の発生を防止することができる。
【0095】
以上のように、第一実施形態〜第四実施形態に係る床下換気口止水装置A,B,C,Dは、建物Tの基礎部分Gに形成された床下換気口K対し、床下換気口Kの開口と枠部1の換気口連通孔3が連通するように基礎部分Gの壁面に枠部1を装着しておけば、蓋部2による床下換気口Kの閉蓋操作により洪水や大雨による増水時に床下換気口Kを容易に止水することができる。
【0096】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0097】
A 床下換気口止水装置(第一実施形態)
B 床下換気口止水装置(第二実施形態)
C 床下換気口止水装置(第三実施形態)
D 床下換気口止水装置(第四実施形態)
K 床下換気口
T 建物
1 枠部
2 蓋部
3 換気口連通孔
4 一方の側面(枠部の後面)
5 建物間シール部
6 他方の側面(枠部の前面)
7 外端縁部
8 蓋部挿入溝
9 一方の側面(蓋部の後面)
10 枠部間シール部
11 付勢固定部
11´ 別途の付勢固定部
12 パッチン錠
17 ボルト挿通孔
18 他方の側面(蓋部の前面)
19 把持部
30 クサビ挿入部
31 クサビ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10