(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記吸引ノズルは、昇降移動可能に構成し、正常に吸着できない吸引ノズルの先端位置を他の吸引ノズルの先端位置よりも上方に移動するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の箱詰め装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第一実施形態について図面に基づき、詳細に説明する。なお、本発明は、これに限定されて解釈されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得るものである。
【0019】
図1は、本発明に係る箱詰め装置の好適な第一実施形態を示している。本実施形態では、第一製品1と第二製品2といった二種類の製品を組み合わせて外箱に箱詰めするための箱詰め装置である。本実施形態では、第一製品1と第二製品2は、いずれも収納する被包装物は、扁平なクッキー等の焼き菓子であり、フレーバー・味・材料等の種類が異なる。第一製品1と第二製品は、包装体としての外形寸法形状は等しく、外観のデザイン・色等を種類毎に異ならせている。
【0020】
箱詰め装置は、第一製品1を搬送する第一製品搬送コンベア11と、第二製品2を搬送する第二製品搬送コンベア12を備える。第一製品搬送コンベア11と第二製品搬送コンベア12は、所定の間隔をおいて平行に配置される。図示省略するが、これらの第一製品搬送コンベア11と第二製品搬送コンベア12の上流側には、第一製品1と第二製品2を製造する包装機がそれぞれ設置されている。この包装機により順次製造されて搬出される製品が、それぞれの製品搬送コンベアにより搬送される。第一製品搬送コンベア11と第二製品搬送コンベア12は、上流側の包装機の搬出コンベアを用いても良いし、その下流側に別途設けたものでも良い。また、包装機は、例えばピロー包装機であり、第一製品1と第二製品2はともにピロー包装体である。ピロー包装体の前後端には、トップシールされた耳部1a,2aが形成される。
【0021】
第一製品搬送コンベア11の下方には、その第一製品搬送コンベア11と上下方向で一部オーバーラップした状態で第一フリーバケット搬送コンベア13を配置する。同様に第二製品搬送コンベア12の下方には、その第二製品搬送コンベア12と上下方向で一部オーパラップした状態で第二フリーバケット搬送コンベア14を配置する。
【0022】
第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14は、それぞれ搬送面の移動に伴い当該搬送面の上に置かれたフリーバケット15を搬送する。また、第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14は、搬送経路の所定位置にストッパー(図示省略)が搬送面上に突出可能に設置される。このストッパーが搬送面上に突出した動作状態では、当該ストッパーが第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14上を移動してきたフリーバケット15に接触し、前進移動を抑止する。これにより、フリーバケット15は、ストッパーが設けられた位置において一時停止する。そして、係る一時停止をしている際に、ストッパーが搬送面上から離脱してフリーバケット15と非接触になると、フリーバケット15は再び搬送面からの搬送力を受けて前進移動を開始する。
【0023】
図2等に拡大して示すように、第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14は、搬送方向に沿って順に、上記のオーバーラップしている製品受け取り区間13a,14a、幅寄せ区間13b,14b、フリーバケット整列区間13c,14cを備える。製品受け取り区間13a,14aは、それぞれ第一製品搬送コンベア11と第二製品搬送コンベア12にオーバーラップしており、所定の間隔をおいて平行に配置される。幅寄せ区間13b,14bは、進行方向前方向に行くに従って徐々に両者間の間隔が狭くなるように、製品受け取り区間13a,14aの搬送方向に対して所定角度傾斜した方向に進むように配置される。フリーバケット整列区間13c,14cは、製品受け取り区間13a,14aと平行であって、両者の間隔が製品受け取り区間13a,14a間よりも狭くしている。フリーバケット整列区間13c,14cの間に、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17が配置される。
【0024】
第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14は、製品受け取り区間13a,14aにおいて空のフリーバケット15を搬送し、第一製品搬送コンベア11,第二製品搬送コンベア12の下流側端において当該空のフリーバケット15内に所定枚数の第一製品1,第二製品2を段積して収納されたフリーバケット15を幅寄せ区間13b,14bに搬送する。
【0025】
フリーバケット15は、
図2,
図3等に示すように、上方並びに進行方向の前後の側面が開口されており、底部15aと左右の側壁15bとを備えている。第一製品1は、第一製品搬送コンベア11上を、耳部1aを前後にした姿勢で搬送され、その姿勢のままフリーバケット15内に移し替えられる。フリーバケット15は、搬送方向の前後が開口されているので、第一製品1の耳部1aは、それぞれ前後の開口に位置する姿勢で当該フリーバケット15にセットされる。第二製品2も同様である。
【0026】
第一製品搬送コンベア11の下流側端部には、それぞれ段積装置16が設けられる。段積装置16は、第一製品搬送コンベア11上を移動してくる先頭の第一製品1を左右から挟み込んで保持し、その保持した状態で第一製品1を下降移動し、下方に待機しているフリーバケット15の上方開口から第一製品1を当該フリーバケット15内に供給する機能を備える。段積装置16における第一製品1の保持は、例えば垂直平面内で旋回する一組のエンドレスベルトを、第一製品搬送コンベア11の左右に配置し、当該エンドレスベルトで第一製品1の左右両側を把持するようにしたり、或いは、当該エンドレスベルトの側面に第一製品1の下面を支持するためのフィン等を設け左右のフィンにて第一製品1の下面の左右両端付近を支持するようにしたりするなど、各種の構成をとれる。また、本実施形態では、段積装置16は、上下に複数個分の第一製品1を保持することができるようにしているが、一つずつ移し替えるようにしても良い。
【0027】
このようにすることで、例えば
図3に示すように、第一フリーバケット搬送コンベア13は、製品受け取り区間13a上を空のフリーバケット15を搬送し、段積装置16の下方に至ると図示省略するストッパーにより空のフリーバケット15の搬送を一時停止する。段積装置16は、この一時停止している状態で、第一製品搬送コンベア11上を搬送され、順次搬出される第一製品1を順次受け取り、フリーバケット15内に第一製品1を供給する。この供給を繰り返すことで、フリーバケット15内に所定枚数分の第一製品1を段積する。そして、フリーバケット15内に所定枚数分が段積されたならば、第一フリーバケット搬送コンベア13は、複数の第一製品1が充填されたフリーバケット15の搬送を再開する。これにより、
図4等に示すうに、第一製品1が充填されたフリーバケット15は、幅寄せ区間13bを経由してフリーバケット整列区間13cまで搬送される。
【0028】
フリーバケット整列区間13cの搬出側には、図示省略するストッパーが設けられ、フリーバケット整列区間13cの最下流までフリーバケット15が移動してくると、当該フリーバケット15がストッパーに接触し、前進移動が抑止される。これにより、フリーバケット整列区間13cでは、所定枚数の第一製品1が段積された状態で収納されたフリーバケット15が、前後に整列した状態で待機する。
【0029】
なお、段積装置16の設置位置におけるフリーバケット15の一時停止は、上述したようにストッパーを設けるのではなく、第一フリーバケット搬送コンベア13が間欠駆動するようにし、空のフリーバケット15が段積装置16の設置位置に至ると一時停止し、所定枚数の製品を段積したならば搬送を再開するようにしても良い。
【0030】
また、第二製品搬送コンベア12の下流側端部にも、同様の構成の段積装置16を設ける。これにより、第二フリーバケット搬送コンベア14のフリーバケット整列区間14cでは、所定枚数の第二製品2が段積された状態で収納されたフリーバケット15が、前後に整列した状態で待機する。つまり、
図5に示すように、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17の左右の一方の側には第一製品1が収納されたフリーバケット15が配置され、他方の側には第二製品2が収納されたフリーバケット15が配置される。
【0031】
フリーバケット整列区間13c,14c並びにパターン整列フリーバケット搬送コンベア17が配置されたフリーバケット整列部20は、第一製品1を収納したフリーバケット15と、第二製品2を収納したフリーバケット15を、生産中の箱詰めする際の製品パターンに並び替える機能を備える。本実施形態では、第一フリーバケット搬送コンベア13のフリーバケット整列区間13cの外側に、プッシャー等を備えたバケット移し替え機構を設ける。このバケット移し替え機構は、フリーバケット整列区間13c上にあるフリーバケット15を、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上に移し替えるものである。例えば、シリンダーの先端にプッシャーを設けた機構では、簡単な構成で実現できるので良い。本実施形態では、フリーバケット15の側壁15bが、コンベア装置の外側に位置しているので、プッシャーは例えば当該側壁15bに接触し、押し出すことで(
図6中、矢印参照)、フリーバケット15をパターン整列フリーバケット搬送コンベア17上に移し替えることができる。
【0032】
同様に、第二フリーバケット搬送コンベア14のフリーバケット整列区間14cの外側に、プッシャー等のバケット移し替え機構を設ける。このバケット移し替え機構は、フリーバケット整列区間14c上にあるフリーバケット15を、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上に移し替えるものである(
図6中、矢印参照)。
【0033】
これらのバケット移し替え機構を適宜駆動し、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上に、第一製品1を収納したフリーバケット15と、第二製品2を収納したフリーバケット15が、適宜の順に並ぶようにする。この適宜の順は、最終的に外箱内に箱詰めする際の製品の一列ごとの並び順に合うようにする。さらに、本実施形態が箱詰め対象とする外箱の種類は、複数個の製品を段積・積層した製品群を、一列に並べて収納するものと、二列に並べて収納するものがある。そこで、一列に並べて収納するタイプの外箱に箱詰めする場合、当該一列の配列に合うようなパターンにする。
【0034】
例えば、一列に3つの製品群を、第一製品1・第二製品2・第一製品1の順に並べる場合、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上には、第一製品1・第二製品2・第一製品1・第一製品1・第二製品2・第一製品1……のように並ぶように各フリーバケット整列区間13c,14cから所定の製品を適宜移し替える。よって、この場合には第一製品1の方が2倍使用する。
【0035】
また、例えば、二列に4つの製品群ずつ合計8個(2×4)を、第一例目に第一製品1・第二製品2・第一製品1・第二製品2の順、第二列目に第二製品2・第一製品1・第二製品2・第一製品1の順に並べる場合、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上には、まず第一列目を構成するための第一製品1・第二製品2・第一製品1・第二製品2をその順で移し替え、次いで第二列目を構成するための第二製品2・第一製品1・製品2・第一製品1をその順で移し替える。よって、この場合には、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上には、第一製品1と第二製品2とが交互に並んだ状態となる(
図5等参照)。
【0036】
パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上の下流側には、製品供給部25を配置する。
図7から
図11に示すように、製品供給部25は、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17上を所望の配列パターンで搬送されてきたフリーバケット15を、外箱26に収納するパターンに配置した状態で貯留する貯留コンベア27と、その貯留コンベア27で待機している複数のフリーバケット15内の製品を、外箱26内の所定位置に移し替える移し替え装置28を備える。貯留コンベア27は、搬送経路の所定位置にストッパー(図示省略)が搬送面上に突出可能に設置される。このストッパーが搬送面上に突出した動作状態では、当該ストッパーがフリーバケット15に接触し、前進移動を抑止する。これにより、フリーバケット15は、ストッパーが設けられた位置において一時停止する。このようにフリーバケット15が一時停止することで、各フリーバケット15は、外箱26のサイドに位置決めして貯留される。
【0037】
また、本実施形態では、ストッパーは、前後の適宜の位置に複数設けており、
図8,
図10等に示すように、同一の外箱26に収納する製品のフリーバケット15は、前後に接触した一群の状態で待機し、異なる外箱に26に収納する製品のフリーバケット15の一群とは前後に隙間を隔てて待機するようにしている。これは外箱の外周壁等の関係から、仮に製品の供給位置における外箱搬送コンベア29上において外箱の隣接する外周壁同士を接触させた状態で一時停止させ、製品の供給に備える場合、同じ外箱内に配置される隣接する製品のピッチ・間隔に比べ、異なる外箱の隣接する外周壁側に収納される製品間の距離が長くなる。そして、同一の外箱26に収納される製品の配置ピッチは、フリーバケット15を接触された状態におけるフリーバケット15内の製品の配置ピッチと等しくしている。よって、フリーバケット15を接触させることで、同一の外箱に移し替える製品の配置ピッチを外箱26におけるそれと合わせることができる。また、隣接するフリーバケット15の間隔を適宜に開けることで、隣接する異なる外箱26に移し替える製品の配置間隔に合わせることができる。よって、後述するように、複数の吸引ノズルを用い、フリーバケット15内の製品を一枚ずつ一括して吸着し、そのまま外箱の上に移動し、吸引を解除することで高速かつ簡単に移し替えができる。
【0038】
また、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17の下流端には、搬出方向・位置を切り替え可能な振り分けコンベアなどを配置する。すなわち、貯留コンベア27は、少なくとも一つの外箱26に供給する複数の製品群を収納した各バケットを、一括して配置できる大きさを有している。つまり、搬送方向と直交する方向の横幅は、少なくともバケット2個分の幅を有する。
【0039】
そして、一列対応の外箱に用いる場合、振り分けコンベアは、振り分け処理を行わず、パターン整列フリーバケット搬送コンベア17で搬送されてきたフリーバケット15を、常に貯留コンベア27の外箱が待機する側に各フリーバケット15を供給する。一方、二列対応の外箱に用いる場合、振り分けコンベアは、各列に対応するフリーバケットごとに搬送先を切り替える。例えば、上述したように2列に4つの製品群ずつ合計8個(2×4)に対応する場合、第一例目の4個のフリーバケット15は、貯留コンベア27の外箱が待機する側に供給し、次の第二列目の4個のフリーバケット15は、貯留コンベア27の外箱が待機する側と反対側(待機する側から離れた位置)に供給する。これにより、
図8等に示すように、貯留コンベア27上に二列縦隊で各フリーバケット15が待機する。なお、本実施形態では、貯留コンベア27の全長を長くし、前後に12個のフリーバケット15を配置することが可能であるため、
図8等に示すように、合計8個の製品群を前後に3セット分配置可能となる。
【0040】
一方、貯留コンベア27の片側には、開放状態の外箱26を配置する。本実施形態で用いる外箱26は、紙製のカートンであって、上部開放した本体26aの開口部を開閉する蓋26bを一体に形成されたものである。当該外箱26は、外箱搬送コンベア29により、前後に並んだ状態で搬送され、貯留コンベア27のサイドに到ると一時停止する。また、外箱26は、蓋26bの開いた状態で待機する。
【0041】
さらに本実施形態では、外箱26内に直接第一製品1や第二製品2を収納するのではなく、外箱26内にセットした内トレーに第一製品1や第二製品2を収納する。そこで、
図10等に示すように、本実施形態の箱詰め装置は、内トレー搬送コンベア33を備え、その内トレー搬送コンベア33にて内トレー32を、貯留コンベア27付近に搬送する。また、内トレー32は、製品収納用の凹部32aを備える。第一製品1や第二製品2は、当該凹部32a内に収納される。
【0042】
移し替え装置28は、
図10等に示すように、複数のアーム28aを備え、先端のハンド部28bが3次元空間で移動可能なロボットを用いる。
図10では具体的な図示を省略しているが、ハンド部28bには、吸着手段である複数の吸引ノズルや、当該吸引ノズルを移動する移動機構を備える。各吸引ノズルは、それぞれ1つの製品を吸引保持可能となる。よって、この移し替え装置28は、最大で吸引ノズルの数の製品を一度に吸着保持し、その吸着保持した状態で複数の製品を一括して移動し、そこで吸着を解除することで製品を移し替えるものである。
【0043】
また、上述したように、本実施形態では、外箱26内に内トレー32をセットするが、このセットも移し替え装置28で行う。すなわち、後述する移し替え装置28による製品の移し替えに先立ち、移し替え装置28は、ハンド部28bを内トレー32の上に移動し、吸引ノズルで内トレー32を吸着保持し、その状態で内トレー32を外箱26の上に移動するとともに、当該外箱26内に収納し、吸引を停止する。これにより、各外箱26内に、それぞれ内トレー32がセットされる。移し替え装置28は、係る内トレー32のセット完了後、次工程として以下に示す製品の移し替えを行う。
【0044】
上述したように、貯留コンベア27では、外箱26に収納する配置パターンで各製品が並んで待機しているので、移し替え装置28は、ハンド部28bを貯留コンベア27の上方に移動し、ハンド部28bに備えた各吸引ノズルが、各フリーバケット15内の製品に正対する。次いで、アーム28aの動作或いはハンド部28bに設けた吸引ノズルを移動する機構により、各吸引ノズルを下降移動させ、吸引ノズルの下方先端を対向するフリーバケット15内の最上方の製品に接触させ、吸引する。これにより、各フリーバケット15内に段積された製品の内、それぞれ最上方の一枚が吸着保持される。その後、移し替え装置28は、アーム28aを動作させてハンド部28bを3次元空間内で移動させ、各吸引ノズルを外箱26にセットされた内トレー32の凹部32aの上方所定位置に位置させる。そして、当該吸引ノズルを下降移動させ、吸引を終了することで製品の保持を開放し、製品を凹部32a内に移し替える(
図11等参照:
図11では内トレーの図示を省略している)。
【0045】
本実施形態の移し替え装置28は、複数の吸引ノズルを備え、一つの外箱に供給する複数の製品を一度に移し替えるため、高速処理が可能となる。さらに、第一製品1と第二製品2は、各搬送コンベアを移動する間に所定のパターンになるように並び替えがされ、真本実施形態では、係る並び替えもシリンダーにより前後進移動するプッシャーにより行うので、高速処理に対応できる。
【0046】
図10に示すように、貯留コンベア27の下流側には第三フリーバケット搬送コンベア35を配置する。この第三フリーバケット搬送コンベア35の下流側は、図示省略するが、所定の経路を通って第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14に繋がっている。すなわち、移し替え装置28により第一製品1,第二製品2が移し替えられて、空となったフリーバケット15は、貯留コンベア27のストッパーが開くと、貯留コンベア27の流れに沿って移動し、下流側の第三フリーバケット搬送コンベア35に到る。そして、第三フリーバケット搬送コンベア35の流れに沿って移動し、第一フリーバケット搬送コンベア13或いは第二フリーバケット搬送コンベア14のいずれかに供給される。このようにして、フリーバケット15は巡回し、次の製品の移し替えのためのフリーバケット15として働く。
【0047】
上述した実施形態では、製品が収納されたフリーバケット15を、搬送コンベアで搬送し、その搬送途中のフリーバケット整列部20でその並び列を組み替え、外箱に収納する際の製品の配置パターンにし、フリーバケット15から外箱26へ製品を移し替える製品供給部25に到った際には、各フリーバケット15は、収納した製品が所望の並び列になっているようにした。これにより、製品の移し替えは、吸引手段等により一度に複数の製品をフリーバケット15から外箱26へ移し替えることができる。さらに、フリーバケット15の並び替えは、例えば、所望のフリーバケット15を水平方向に移動するだけで行うこともでき、簡単な構成で高速に対応できる。
【0048】
また、上述した実施形態では、フリーバケット15は、前後面が開口し、搬送方向の左右両側に側壁15bが位置する姿勢のまま各コンベア上を移動し、フリーバケット整列部20では、搬送方向と直交する横方向にスライドさせるようにしたため、製品供給部25に到った際も、同様の姿勢としている。そのため、搬送方向の前後に製品の耳部が位置している状態で、外箱26,内トレー32に製品を移し替えることになる。
【0049】
図15は、ハンド部28bに装着する吸着ヘッドを示している。本実施形態では、ハンド部28bには、n列×m個に配置された複数の吸引ノズル50を備える。n×mは、具体的には、例えば2×12としている。
図15は、一列分の吸引ノズル50を示している。
【0050】
本実施形態の説明で用いた外箱26への製品の配置パターンは、2列×4個のものを例示し、
図1や
図10,
図11等に示すように、貯留コンベア27には、3箱分の外箱に移し替えする製品群を配置している。図から明らかなように、貯留コンベア27上には、一列に12個のフリーバケット15が前後に並んだものが二列形成され、それぞれ対応する外箱26の前で待機する。そこで、本実施形態のハンド部28bでは、2×12の吸引の
図50を備えているので、係る3箱分の製品を一度に吸着保持し、移し替えることができる。
【0051】
さらに各吸引ノズル50は、所定の取付ブロックに取り付けられている。この取付ブロックは、吸引ノズル50を昇降させたり、左右に移動させたりする機能を有する。移動は、例えば、吸引ノズル50自体を移動させたり、取付ブロックが移動することで一体となっている吸引ノズルも追従して移動するようにしてもよい。
【0052】
取付ブロックは、具体的には、
図15において、図中左側から順に、第一取付ブロック51a,第二取付ブロック51b,第三取付ブロック51c,第四取付ブロック51d,第五取付ブロック51e,第六取付ブロック51f,第七取付ブロック51g,第八取付ブロック51hを備える。そして、第一取付ブロック51a、第四取付ブロック51d、第五取付ブロック51e、第八取付ブロック51hには、吸引ノズル50を2個設け、第二取付ブロック51b、第三取付ブロック51c、第六取付ブロック51f、第七取付ブロック51gには吸引ノズル50を1個ずつ設ける。各取付ブロックは、取付ブロック単位で昇降移動並びに左右方向(8個の取付ブロックの並び方向)に移動する機能を備える。
【0053】
隣接するフリーバケット15は、同じ外箱に供給する製品のものは接触し、別の外箱に供給するフリーバケット同士は所定の間隔を開けるようにした。そこで、本実施形態では、各取付ブロックを、適宜左右方向に移動し、複数の吸引ノズル50の相対位置関係を、待機しているフリーバケット15(製品)の配置にあうようにした。
【0054】
具体的には、例えば、一つの外箱26に2×4の製品を収納する場合、一列では、4個ずつがひとかたまりになるので、
図15(b)に示すように、第一取付ブロック51aと、第二取付ブロック51bと、第三取付ブロック51cが近接し、第三取付ブロックと51cと第四取付ブロック51dの間は、少し離す。そして、第四取付ブロック51dと第五取付ブロック51eは接近し、第五取付ブロック51eと第六取付ブロック51fの間は、少し離す。そして、第六取付ブロック51fと、第七取付ブロック51gと、第八取付ブロック51hが近接するように制御する。これにより、一列で見た場合、吸引ノズル50は、4個単位で接近するので、待機している各製品の中央等の適切な箇所を吸引することができる。
【0055】
また、例えば、一つの外箱26に2×2の製品を収納する場合、一列では、2個ずつがひとかたまりになるので、
図15(c)に示すように、1つの吸引ノズル50を備えた第二取付ブロック51bと第三取付ブロック51cを接近させ、第六取付ブロック51fと第七取付ブロック51gを接近させる。そして、その他の取付ブロック間は、所定距離離す。これにより、2×2の製品を収納する外箱26に対し、6箱分をまとめて移し替えることができる。
【0056】
同様に、例えば、一つの外箱26に2×3の製品を収納する場合、一列では、3個ずつがひとかたまりになるので、
図15(d)に示すように、1つの吸引ノズル50を備えた第二取付ブロック51b,第三取付ブロック51c,第六取付ブロック51f,第七取付ブロック51gを、それぞれ隣接する2個の吸引ノズルを備えた取付ブロックに接近させる。これにより、2×3の製品を収納する外箱26に対し、4箱分をまとめて移し替えることができる。
【0057】
さらに具体的な図示は省略するが、第一取付ブロック51a,第二取付ブロック51b,第三取付ブロック51c,第四取付ブロック51dがひとかたまりになるように接近させ、第四取付ブロック51dと第五取付ブロック51eの間を離し、第五取付ブロック51e,第六取付ブロック51f,第七取付ブロック51g,第八取付ブロック51hがひとかたまりになるように接近する。これにより、2×6の製品を収納する外箱26に対し、2箱分をまとめて移し替えることができる。
【0058】
このように、本実施形態では、横一列に並べる製品の数が、2個、3個、4個、6個と異なるバリエーションに対応できる。さらに、本実施形態では、各取付ブロックが独立して昇降できるので、たとえば外箱が一列の製品を収納する場合、一列分の取付ブロックを上昇させ、上昇させなかった吸引ノズル50を製品に接触させた状態では、上昇した吸引ノズルは製品に高さ位置に至らない。外箱が一列の製品を収納する場合、元々上昇させた吸引ノズルの位置には製品が待機していないため、仮に上昇させなくても製品を吸着する位置では製品にぶつからないが、製品を外箱に収納する際に外箱の外周壁に接触するおそれがあるため、上昇させている。そして、一列のみ収納する外箱に対する場合、上記のように吸引ノズルを上昇させるが、このとき吸引処理自体を行わないようにすると良い。
【0059】
また、フリーバケット15内に段積みする第一製品1,第二製品2の枚数は、収納する箱の種類等に応じて変えることがある。この場合、段積装置16の下方でフリーバケット15を一時停止している時間を調整し、設定された枚数の第一製品1,第二製品2をフリーバケット15内に収納する。また、当該フリーバケット15内の収納された製品は、 移し替え装置28により所定回数繰り返し吸着保持して外箱26内の所定位置に移し替える処理を実行する。
【0060】
さらに、本実施形態では、取付ブロックにより吸引ノズルを上昇させることができるので、例えば吸引力・圧力等を監視し吸着異常発生時には、対応する取付ブロックにより異常となった吸引ノズルを上方に退避させ製品との接触を防ぐ構造をとることができる。
【0061】
本発明は上述した実施形態に限ることはなく、例えば、フリーバケット15を水平平面内で90度回転する機構を備え、最終的に製品供給部25に到った際には、一部または全部のフリーバケット15の姿勢が、水平平面内で90度回転した状態にすると良い。このようにすると、外箱26へ収納した製品の向きを変えたパターンに対応できるので良い。水平面での回転であるため、例えば前後に複数の搬送コンベアを配置し、その前後の搬送コンベアの間に回転テーブルを配置する。上流側の搬送コンベアでは、前後が開口した姿勢でフリーバケットを搬送し、回転テーブルの上に移し替える。上述した実施形態のように、前後が開口した状態のままで良い場合、回転テーブル上を素通りして下流側の搬送コンベアに移行し、搬送を継続する。一方、姿勢を回転する場合、回転テーブルを90度回転させる。これにより、側壁15bは、搬送方向の前後に位置する。次いで、下流側の搬送コンベアに移行し、搬送を継続することで、製品供給部25に到った際には、フリーバケット15の姿勢が、水平平面内で90度回転した状態となる。
【0062】
図13,
図14は、本発明が適用される箱詰め装置の第二実施形態の要部構成を示している。本実施形態では、第一実施形態を基本とし、不良品再利用機能を備えている。すなわち、第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14における段積装置16の設置箇所以降に、不良品検出装置(図示省略)と、各第一フリーバケット搬送コンベア13や第二フリーバケット搬送コンベア14から分岐し、不良品を搬送する不良品搬送コンベア40を設ける。不良品検出装置は、フリーバケット15内に所望の製品が正しく収納されているかを検出するものである。例えば、ビデオカメラで撮像し、画像解析により製品の向き、段積した枚数が正しいかを判定する。不良品検出装置は、不良品が検出された場合、検出信号を出力する。
【0063】
不良品搬送コンベア40への分岐路には、当該検出信号を受け、不良品とされたフリーバケット15の進路を変更し、不良品搬送コンベア40へ排出する排出機構を備える。この排出機構は、例えばプッシャーにより押し出すようにしても良いし、搬送方向に対し斜めに交差するように配置したシャッターなどでフリーバケット搬送コンベアの進路を遮るとともに不良品搬送コンベア40へ導くようにしたりするなど各種の機構がとれる。
【0064】
さらに不良品搬送コンベア40の下流側には、積み直し部41を設ける。この積み直し部41は、不良品と判定されたフリーバケット15を一時貯留する貯留エリア42と、貯留エリア42に貯留されたフリーバケット15内の製品を正規の状態に積み直すための積み直し装置43を備える。積み直し装置43は、例えばパラレルロボットにより構成すると良い。不良品と判定されて貯留エリア42に搬送されてくるフリーバケット15の数はさほど多くないので、たとえ、箱詰め装置の本体側の処理速度を高速にしても、パラレルロボットによる積み直し作業は、さほど早くする必要が無いため、十分対応できる。また、仮に不良品として送られてくるものが多くても、本体側の処理速度に比べると、早くする必要が無い。
【0065】
また、パラレルロボットは、ビジョンセンサーを備え、フリーバケット15・製品の姿勢・向きを検出し、適正な積み直しを行えるようにしている。そして、積み直し処理を行った後、センサーやカメラを用いて製品供給状態を確認し、正しく段積されている場合、フリーバケットを良品復帰搬送コンベア45に移動する。
【0066】
良品復帰搬送コンベア45は、その下流側が、第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14の所定区間に接続され、積み直しをされたフリーバケット15は、本流(良品)に戻される。このようにすることで、製品を無駄なく使用できるので良い。
【0067】
また、
図13,
図14に示す例では、第一製品1を製造するラインと第二製品2を製造するラインを複数設け、並列は位置している。これに伴い、第一製品搬送コンベア11,第二製品搬送コンベア12や、第一フリーバケット搬送コンベア13,第二フリーバケット搬送コンベア14等を複数列配置している。このようにすることで、生産効率を高めている。なお、不良品の積み直し機能は、第一実施形態で示した構成に適用しても良い。なおまた、その他の構成並びに作用効果は、上述した第一実施形態並びに変形例と同様であるため、対応する部材に同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0068】
上述した実施形態では、フリーバケットは、コンベア上にフリー状態で置かれており、コンベアの搬送面の移動に追従して移動し、フリーバケットに対して外部からプッシャー等の付勢力が加わると、その付勢力の方向に移動し、ストッパーにより進路が遮られると、停止する。そこで、例えばフリーバケットが製品の移し替え位置に至ると、ストッパーが突出してフリーバケットの進路を遮り、一時停止し、移し替えが完了すると、ストッパーが退避して空のフリーバケットが移動するというように、メカ的にフリーバケットを一時停止するようにした。本発明はこれに限ることはなく、例えば、リニアモータを利用するとよい。
【0069】
リニアモータの適用例としては、例えばフリーバケット15に永久磁石を取り付け、貯留コンベア27の製品の移し替え位置に電磁コイルを並べて配置する。フリーバケットが当該位置に至ると、所定の電磁コイルを通電し、外箱に収納する製品の配置パターンに応じた位置でフリーバケット15停止させる。その後、移し替え装置28による移し替えを行う。このようにすると、ストッパー等でメカ的に行う場合に比べて、構造がシンプルになるのでよい。
【0070】
また、移し替え位置に専用の積み替え装置を設けるとよい。この積み替え装置は、リニアモータで独立して移動できるバケットを複数備え、フリーバケットから製品を移し替えたのちに、バケットのピッチを外箱の仕様に合せて調整する。そして、この積み替え装置の製品をロボットで外箱に供給する。このようにすると、フリーバケットの停止時間が減るのでよい。さらに、フリーバケットに永久磁石を装着するものに比べて、フリーバケット自体の構造をシンプルにできる。
【0071】
本発明の複数の吸引ノズル50を備えた移し替え装置28が適用される箱詰め装置の他の構成要素は、例えば以下に示すものとするとよいが、本発明の適用がこれに限定されるものではなく、各種の構成に適用できる。例えば、フリーバケットを用いないものでも良いし、同一の製品を収納する箱に対する箱詰めでもよい。
【0072】
(1)複数の種類の製品を箱詰めする箱詰め装置であって、製品を搬送する製品搬送コンベアを複数列設け、その複数列の製品搬送コンベアの少なくとも一つは、他と異なる製品を搬送するようにし、前記製品搬送コンベアに対し、それぞれ製品を収納するフリーバケットを搬送するフリーバケット搬送コンベアを設け、前記製品搬送コンベアにより搬送される前記製品を、前記フリーバケットに積層状態で段積供給する段積手段と、段積された製品が収納された前記フリーバケットを、その製品の種類に応じて並び替えて、外箱に収納する際の前記製品の配置パターンに合わせるフリーバケット整列手段と、前記外箱に収納する際の前記製品の配置パターンに並んだ前記フリーバケット内の前記製品を、前記外箱内に移し替える移し替え手段を備えるようにした。
【0073】
このようにすると、フリーバケットを用い、複数列のフリーバケット搬送コンベアで搬送される各フリーバケットを、外箱に収納する際の製品の配置パターンにあうように整列させる。すると、外箱への製品の移し替え位置に来たら、複数のフリーバケットにそれぞれ段積収納された製品は、外箱への配置パターンになって待機する。よって、各フリーバケット内の製品を高速に外箱へ移し替えることができる。また、外箱へ収納する製品の配置パターンが変わった場合、それに併せてフリーバケットを整列すれば良い。
【0074】
(2)前記複数列のフリーバケット搬送コンベアとそれぞれ併走する区間を有する搬送コンベアを備え、前記フリーバケット整列手段は、前記複数列のフリーバケット搬送コンベアで搬送される所定の種類の製品を、水平移動して前記搬送コンベア上に移動させ、その搬送コンベア上での搬送方向に沿った製品の並び順が、前記製品の配置パターンになるようにするとよい。このようにすると、フリーバケットの水平移動という簡単な処理で、所望の配列に並べことができ、高速に対応できる。
【0075】
(3)前記移し替え手段は、複数の吸引ノズルと、その複数の吸引ノズルを3次元空間で移動可能なロボットを備え、その複数の吸引ノズルで、複数の前記製品を一括して前記外箱に移し替えるようにするとよい。このようにすると高速に移し替えを行うことができる。
【0076】
(4)前記フリーバケットの姿勢を、水平平面内で回転させる手段を備えるとよい。このようにすると、例えば、外箱に収納する製品の向きが、段積手段で移し替えられた際の製品の向きとことなるものでも対応でき、しかも、フリーバケットを回転させるだけで良いので簡単に行えて好ましい。
【0077】
(5)前記段積手段で前記フリーバケットに収納された前記製品が、正しい積層状態か否かを判断する判断手段と、その判断手段で不良と判断されたフリーバケットを搬送する不良品搬送コンベアと、前記不良品搬送コンベアで搬送された前記フリーバケット内の製品を正しい積層状態に積み直しを行う手段と、積み直された前記フリーバケットを前記フリーバケット搬送コンベアに戻す手段を備えるとよい。このようにすると、不良品と判断されたものも、そのまま廃棄されるのでなく、一連の流れの中で良品に直し、外箱へ収納することができるので良い。