特許第6475201号(P6475201)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6475201コリメートレンズモジュール及びそれを適用した光源モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475201
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】コリメートレンズモジュール及びそれを適用した光源モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20190218BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20190218BHJP
   G02B 27/30 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   G02B13/00
   G02B13/18
   G02B27/30
【請求項の数】16
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-137131(P2016-137131)
(22)【出願日】2016年7月11日
(65)【公開番号】特開2017-97327(P2017-97327A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2016年7月11日
(31)【優先権主張番号】14/952,869
(32)【優先日】2015年11月25日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502016219
【氏名又は名称】ハイマックス テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】林 瀚青
(72)【発明者】
【氏名】呂 引棟
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−101516(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/209471(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/101971(WO,A1)
【文献】 特開2015−169826(JP,A)
【文献】 特開2013−29974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 − 17/08
G02B 21/02 − 21/04
G02B 25/00 − 25/04
G02B 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光をコリメートしてコリメート光を出力することに適用されるコリメートレンズモジュールであって、
第1の表面と、前記第1の表面の反対側に第2の表面とを有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の表面に配置され、前記光を受ける非球面負レンズである第1のレンズであって、光源側に向かって窪んだ凹部を有する第1のレンズと、
前記第1の基板の前記第2の表面上に配置され前記第1のレンズの光出現側に配置される正レンズである第2のレンズであって、凸部を有する第2のレンズと、
第3の表面と、前記第3の表面の反対側に第4の表面とを有する第2の基板と、
前記第2の基板の前記第3の表面上に配置され前記第2のレンズの光出現側に配置される負レンズである第3のレンズであって、凹部を有する第3のレンズと
前記第2の基板の前記第4の表面に配置され前記第3のレンズの光出現側に配置される正レンズである第4のレンズであって、凸部を有する第4のレンズと
第5の表面と、前記第5の表面の反対側に第6の表面とを有する第3の基板と、
前記第3の基板の前記第5表面上に配置され前記前記第4のレンズの光出現側配置され、前記コリメート光を出力する非球面正レンズである第5のレンズであって、前記第4レンズの前記凸部に向かって突出している凸部を有する第5のレンズと、
を含み、
前記第2のレンズの前記凸部は前記第3のレンズの前記凹部に向かって突出しており、前記光源側から順に、前記第1のレンズ、前記第1の基板、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第2の基板、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ及び前記第3の基板が配置されているコリメートレンズモジュール。
【請求項2】
コリメート光を提供することに適用される光源モジュールであって、
光を出射する発光ダイオードと、
光をコリメートしてコリメート光を出力することに適用されるコリメートレンズモジュールと、
を備え、前記コリメートモジュールは、
第1の表面と、前記第1の表面の反対側に第2の表面とを有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の表面に配置され、前記光を受ける非球面負レンズである第1のレンズであって、光源側に向かって窪んだ凹部を有する第1のレンズと、
前記第1の基板の前記第2の表面上に配置され前記第1のレンズの光出現側に配置される正レンズである第2のレンズであって、凸部を有する第2のレンズと、
第3の表面と、前記第3の表面の反対側に第4の表面とを有する第2の基板と、
前記第2の基板の前記第3の表面上に配置され前記第2のレンズの光出現側に配置される負レンズである第3のレンズであって、凹部を有する第3のレンズと、
前記第2の基板の前記第4の表面に配置され前記第3のレンズの光出現側に配置される正レンズである第4のレンズであって、凸部を有する第4のレンズと、
第5の表面と、前記第5の表面の反対側に第6の表面とを有する第3の基板と、
前記第3の基板の前記第5表面上に配置され前記前記第4のレンズの光出現側に配置され、前記コリメート光を出力する非球面正レンズである第5のレンズであって、前記第4レンズの前記凸部に向かって突出している凸部を有する第5のレンズと、
を含み、
前記第2のレンズの前記凸部は前記第3のレンズの前記凹部に向かって突出しており、前記光源側から順に、前記第1のレンズ、前記第1の基板、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第2の基板、前記第4のレンズ、前記第5のレンズ及び前記第3の基板が配置されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項3】
前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズは、非球面レンズである請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項4】
前記第2のレンズ、前記第4のレンズ及び前記第5のレンズは、平凸レンズである請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項5】
前記第1のレンズ及び前記第3のレンズは、平凹レンズである請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項6】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ及び前記第5のレンズは、ウェハレベルのレンズである請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項7】
前記第1の基板、前記第2の基板及び前記第3の基板は、ガラス基板である請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項8】
前記第1の基板の屈折率、前記第2の基板の屈折率及び前記第3の基板の屈折率は、1.6未満且つ1.5を超える請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項9】
前記第1の基板のアッベ数、前記第2の基板のアッベ数及び前記第3の基板のアッベ数は、65未満且つ45を超える請求項1に記載のコリメートレンズモジュール。
【請求項10】
前記第2のレンズ、前記第3のレンズ及び前記第4のレンズは、非球面レンズである請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項11】
前記第2のレンズ、前記第4のレンズ及び前記第5のレンズは、平凸レンズである請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項12】
前記第1のレンズ及び前記第3のレンズは、平凹レンズである請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項13】
前記第1のレンズ、前記第2のレンズ、前記第3のレンズ、前記第4のレンズ及び前記第5のレンズは、ウェハレベルのレンズである請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項14】
前記第1の基板、前記第2の基板及び前記第3の基板は、ガラス基板である請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項15】
前記第1の基板の屈折率、前記第2の基板の屈折率及び前記第3の基板の屈折率は、1.6未満且つ1.5を超える請求項2に記載の光源モジュール。
【請求項16】
前記第1の基板のアッベ数、前記第2の基板のアッベ数及び前記第3の基板のアッベ数は、65未満且つ45を超える請求項2に記載の光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コリメートレンズモジュール及びそれを適用した光源モジュールに関し、特に、ウェハレベル(wafer−level)のコリメートレンズモジュール及びそれを適用した光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
コリメート光源は、例えば、プロジェクター、液晶ディスプレイ及びレーザーペンのような各種の異なる電子装置に広く適用される。従来のコリメート光源は、発光ダイオードとコリメートレンズモジュールを含む。コリメートレンズモジュールは、コリメート光を提供するように、発光ダイオードから出射する光をコリメートすることに用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、コリメートレンズの製造コストが高く、且つコリメートレンズモジュールのコリメートレンズの組み合わせ操作がかなり難しい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例によれば、前記コリメートレンズモジュールは、光を受光する非球面負レンズである第1のレンズと、第1のレンズの一方側に配置される正レンズである第2のレンズと、第2のレンズの一方側に配置される負レンズである第3のレンズと、第3のレンズの一方側に配置される正レンズである第4のレンズと、第4のレンズの一方側に配置され、コリメート光を出力する非球面正レンズである第5のレンズと、を含む。
【0005】
本発明の別の実施例によれば、前記光源モジュールは、光を出射する発光ダイオードと、光を受光する非球面負レンズである第1のレンズと、第1のレンズの一方側に配置される正レンズである第2のレンズと、第2のレンズの一方側に配置される負レンズである第3のレンズと、第3のレンズの一方側に配置される正レンズである第4のレンズと、第4のレンズの一方側に配置され、コリメート光を出力する非球面正レンズである第5のレンズと、を含み、光をコリメートし、コリメート光を出力するコリメートレンズモジュールと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、コリメートレンズモジュール及びそれを適用した光源モジュールを提供する。このコリメートレンズモジュールは、平坦な表面を有するウェハレベルレンズを含む。これにより、アセンブリの簡素化及び量産化が達成される。
下記の図面の説明は、本発明の実施例及びその利点をより分りやすくするためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施例に係るコリメートレンズモジュールを示す断面模式図である。
図2】(a)から(d)は、本発明の一実施例に係る第1のレンズと第2のレンズの製造方法における中間段階を示す断面模式図である。
図3】本発明の一実施例に係るコリメートレンズモジュールを示す断面模式図である。
図4】本発明の一実施例に係る光源モジュールを示す断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施例によって本発明の概要を解釈する。本発明の実施例は、本発明を、実施例に記載の何れの特定の環境、適用又は特殊の実施形態に限定するためのものではない。従って、実施例についての説明は、本発明を説明するためのものだけであり、本発明を限定するためのものではない。下記実施例及び図面において、本発明に直接的に関係がない素子が図示されずに省略されることがある。また、図面における各素子同士の寸法関係は理解しやすくするためのものであるが、実際の比率を限定するものではない。
【0009】
理解されるべきは、本明細書において「第1の」、「第2の」及び「第3の」等の用語を用いて、各種の素子、組合成分、領域、層及び/又は部分に対して記述したが、これらの用語はこれらの素子、組成部品、領域、層及び/又は部分を限定するものではなく、素子、組成部品、領域、層及び/又は部分と別の素子、部品、領域、層及び/又は部分を単に区別するためのものである。従って、以下で検討される第1の素子、組成部品、領域、層及び/又は部分は、本発明の教示から逸脱しない限り、第2の素子、組成部品、領域、層及び/又は部分と称されてもよい。
【0010】
図1を参照する。図1は、本発明の一実施例に係るコリメートレンズモジュール100を示す断面模式図である。コリメートレンズモジュール100は、第1の基板110と、第2の基板120と、第3の基板130と、それらに設けられる第1のレンズS1、第2のレンズS2、第3のレンズS3、第4のレンズS4、第5のレンズS5と、を含む。第1のレンズS1は、コリメートする光を受光し、第5のレンズS5は、コリメートされた光を出力する。本実施例において、第1のレンズS1、第2のレンズS2、第3のレンズS3、第4のレンズS4及び第5のレンズS5は、ウェハレベル(wafer−level)レンズであるが、本発明の実施例はこれらに限定されない。
【0011】
第1の基板110、第2の基板120、及び第3の基板130は、実際に1.6未満且つ1.5を超えた屈折率及び実際に65未満且つ45を超えたアッベ数(Abbe number)を有する。本実施例において、第1の基板110、第2の基板120、第3の基板130は、ガラスから製造されたが、本発明の実施例はこれに限定されない。別の実施例において、第1の基板110、第2の基板120、及び第3の基板130は、例えば、アクリル樹脂(acrylic resin)及びポリカーボネート樹脂(polycarbonate resin)のような、プラスチック材料で製造されてもよい。
【0012】
第1のレンズS1及び第2のレンズS2は、第1の基板110にそれぞれ対向する表面に設けられる。第1のレンズS1は、コリメートする光を受光することに用いられる。第1のレンズS1は、曲面部S1C及び平坦部S1Fを有する非球面負レンズである。第2のレンズS2は、曲面部S2C及び平坦部S2Fを有する正レンズである。具体的には、第1のレンズS1は平凹レンズであり、第2のレンズS2は平凸レンズであり、曲面部S1Cの占める表面面積が曲面部S2Cの占める表面面積よりも小さい。
【0013】
第3のレンズS3及び第4のレンズS4は、第2の基板120にそれぞれ対向する表面に設けられ、且つ第3のレンズS3が第2のレンズS2に対向する。第3のレンズS3は、曲面部S3C及び平坦部S3Fを有する非球面負レンズである。第4のレンズS4は、曲面部S4C及び平坦部S4Fを有する正レンズである。具体的には、第3のレンズS3は平凹レンズであり、第4のレンズS4は平凸レンズであり、曲面部S2Cの占める表面面積が曲面部S3Cの占める表面面積よりも小さく、曲面部S3Cの占める表面面積が曲面部S4Cの占める表面面積よりも小さい。
【0014】
第5のレンズS5は、第4のレンズS4に対向するように、第3の基板130に設けられる。第5のレンズS5は、曲面部S5C及び平坦部S5Fを有する正レンズである。具体的には、第5のレンズS5は平凸レンズであり、且つ曲面部S4Cの占める表面面積が曲面部S5Cの占める表面面積よりも小さい。
【0015】
本実施例において、少なくとも第1のレンズS1及び第2のレンズS5は、非球面鏡である。しかし、本発明の実施例はこれに限定されない。本発明の別の実施例において、第1のレンズS1、第2のレンズS2、第3のレンズS3、第4のレンズS4及び第5のレンズS5の何れも、非球面鏡でもよい。
【0016】
図2(a)から図2(d)を参照する。図2(a)から図2(d)は、本発明の一実施例に係る第1のレンズS1及び第2のレンズS2の製造方法における中間段階を示す断面模式図である。第1のレンズS1及び第2のレンズは、ウェハレベルで製造される。まず、図2(a)に示すように、プラスチック材Gがコーティングされた第1の基板110を提供する。そして、図2(b)に示すように、圧縮成形プロセスを行って、第2のレンズS2を形成する。次に、図2(c)に示すように、プラスチック材Gを第1の基板110の第2のレンズS2に対向する表面にコーティングする。そして、図2(d)に示すように、別の圧縮成形プロセスを行って、第1のレンズS1を形成する。
【0017】
第3のレンズS3、第4のレンズS4及び第5のレンズS5の製造方法は、第1のレンズS1及び第2のレンズS2と類似しているため、第3のレンズS3、第4のレンズS4及び第5のレンズS5の製造方法については、ここで説明しない。
【0018】
コリメートレンズモジュール100は、ウェハレベルで製造されてもよいため、そのサイズも低減され、且つその組立についても従来のコリメートレンズモジュールより簡単である。
【0019】
図3を参照する。図3は、本発明の一実施例に係るコリメートレンズモジュール300を示す断面模式図である。コリメートレンズモジュール300は、窓板340及びカバー板350を更に含む以外、コリメートレンズモジュール100と大体同じである。窓板340は、第1のレンズS1を保護するように、受光窓として第1のレンズS1に設けられる。カバー板350は、第3の基板130を保護するように、第3の基板130に設けられる。
【0020】
図4を参照する。図4は、本発明の一実施例に係る光源モジュール400を示す断面模式図である。光源モジュール400は、コリメートレンズモジュール300及び発光ダイオード(LED)LSを含む。発光ダイオードLSは、光ILをコリメートレンズモジュール300の窓板340に出射することに用いられる。光ILは、第1のレンズS1、第2のレンズS2、第3のレンズS3、第4のレンズS4及び第5のレンズS5によりコリメートされてから、カバー板350によりコリメート光OLが出力される。
【0021】
本発明の実施形態を前述の通りに開示したが、これは、本発明を限定するものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、多様の変更や修正を加えることができる。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0022】
100、300 コリメートレンズモジュール
110 第1の基板
120 第2の基板
130 第3の基板
340 窓板
350 カバー板
400 光源モジュール
G プラスチック材
IL 光
LS 発光ダイオード
OL コリメート光
S1 第1のレンズ
S1C、S2C、S3C、S4C、S5C 曲面部
S1F、S2F、S3F、S4F、S5F 平坦部
S2 第2のレンズ
S3 第3のレンズ
S4 第4のレンズ
S5 第5のレンズ
図1
図2
図3
図4