(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上板が、前記複数の冷却バッフルを実質的に超えて延びて、前記クライオポンプの放射シールドの前面開口面積の73%から95%を覆っている請求項1に記載のクライオポンプ。
前記上板が、前記複数の冷却バッフルを実質的に超えて延びて、前記クライオポンプの放射シールドの前面開口面積の73%から90%を覆っている請求項1に記載のクライオポンプ。
【背景技術】
【0002】
現在入手可能なクライオポンプは、極低温開サイクルによって冷却されるものも、極低温閉サイクルによって冷却されるものも、一般的に言って同じ設計概念に従っている。低温第二段クライオパネルアレイは、通常4Kから25Kの範囲で作動するが、第一ポンプ動作面(primary pumping surface )である。この面は、通常40Kから130Kの温度範囲で作動する高温放射シールドで取り囲まれているが、それは、温度がより低いアレイに対して放射シールドを施す。放射シールドは、一般に、筐体を備えるが、第一ポンプ動作面と真空にすべきチャンバーとの間に位置する前面クライオパネルアレイのところだけが閉じられていない。この、温度がより高い、第一段、前面アレイは、水蒸気のような、タイプIガスとして知られる高沸点ガスのためのポンプ動作部として働く。
【0003】
作動状態では、水蒸気のような高沸点ガスは、前面アレイで凝縮(凝結)する(are condensed )。低沸点ガスは、前面アレイを通り過ぎて放射シールド内の空間に入る。窒素のようなタイプIIガスは、第二段アレイで凝縮する。水素、ヘリウムおよびネオンのようなタイプIII ガスは、4Kでかなり大きな蒸気圧を有する。タイプIII ガスを捕獲するために、第二段アレイの内面は、活性炭、ゼオライトまたは分子篩のような吸着剤で被覆される。吸着という処理によると、ガスが、極低温に保たれる物質によって物理的に捕獲され、それによって環境から取り除かれる。このようにポンプ動作面にガスが凝縮または吸着されると、作業チャンバー内は真空となる。
【0004】
閉サイクル冷却器によって冷却されるクライオポンプシステムにおいては、その冷却器は、典型的には二段冷凍器であって、放射シールドを通って延びるコールドフィンガーを有する。その冷凍器の、第二の、最も冷たい段の冷端がコールドフィンガーの先である。第一ポンプ動作面またはクライオパネルは、コールドフィンガーの第二段の最も冷たい端でヒートシンクに接続される。このクライオパネルは、単純な金属板、カップまたは、第二段ヒートシンクの周りに配置されてそれに接続される金属バッフルのアレイであり、例えば、米国特許第4,555,907号および米国特許第4,494,381号のようなものであって、これらの文献は、援用することによってここに組み入れられる。この第二段クライオパネルもまた、前述したとおり、活性炭やゼオライトのような、低温凝縮によるガス吸着剤を支持してよい。
【0005】
冷凍器のコールドフィンガーは、カップ状の放射シールドの基部を通って延び、そのシールドと同心である。他のシステムにおいては、コールドフィンガーは、放射シールドの側面を通って延びる。時に、そのような構成の方が、クライオポンプ配置のために利用可能な空間に、より良く適合する。
【0006】
放射シールドは、冷凍器の第一段の最も冷たい端で、ヒートシンクまたはヒートステーションに接続される。このシールドは、第二段クライオパネルを放射熱から保護するようにそれを取り囲む。放射シールドを閉じる前面アレイは、シールドを通して、または、援用することによってここに組み込まれる米国特許第4,356,701号に開示されているような熱支柱(thermal struts)を通して、第一段ヒートシンクによって冷却される。
【0007】
大量のガスが収集された後、時々、クライオポンプを再生する必要がある。再生というのは、クライオポンプによって先に捕獲されていたガスを放出する処置である。通常、再生は、クライオポンプを環境の温度に戻すことによって成し遂げられるが、そうすると、ガスが第二ポンプ(secondary pump)によってクライオポンプから取り除かれる。この、ガスの放出および除去に続いて、クライオポンプが再度起動され、再冷却の後、再度作業チャンバーから大量のガスを取り除くことができるものとなる。
【0008】
クライオポンプの性能指数は、水素の捕獲確率であり、それは、ポンプの外からクライオポンプの開口に到達する水素分子が、アレイの第二段で捕獲される確率である。その捕獲確率は、水素のポンプ排気速度、すなわちポンプによって捕獲される一秒当たりのリッター数に、直接関係している。従来の設計のポンプは、速い方で20%以上の水素の捕獲確率を有する。
【0009】
タイプIII ガスのポンプ排気速度を増すために、様々なポンプの設計が提案されている。例えば、援用することによってここに組み入れられる米国特許第4,718,241号は、第二段アレイを提示しているが、それは、凝縮され得ないガスをポンプで排出する速度を増し、それと同時に、システムを再生する頻度が制限されるように設計されている。このようなことが達成されたのは、第二段クライオパネルを開放して、水素、ネオンまたはヘリウムのような凝縮しないガスが、クライオパネルの円板の内面に配置されている吸着剤に、より容易に接近できるようにしたからである。これによって、凝縮しないガスはより迅速に吸着され、それによって、凝縮しないガスのポンプ排気速度を増している。同時に、第二段アレイは、すべてのガス分子が、吸着剤で被覆されていないクライオパネルの表面に、確実に最初に衝突するように設計されている。
【0010】
援用することによりここに組み入れられる米国特許第5,211,022号に記述されているポンプのような、他のポンプの設計では、第一段のシェブロン(矢羽根、chevrons)またはルーバー(羽根板)が、多数のオリフィスを有する板と置き換えられている。シェブロンやルーバーと比べると、オリフィスは、第二段へのガスの流れを制限する。内部の第二段ポンプ動作領域(inner second stage pumping area )への流れを制限することによって、ある割合の不活性ガスを作業空間に留め、スパッタリングを最適にするように不活性ガスの圧力を適切なもの(典型的には、10
−3トル以上)とすることが可能となる。しかしながら、水蒸気のような、凝縮温度がより高いガスは、前面オリフィス板での凝縮によって、環境から直ちに除去される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を以下に記述する。
処理チャンバー13に取り付けられている従来技術の円形クライオポンプ6Aおよび6Bの断面側面図を、
図1Aおよび
図1Bにそれぞれ示す。クライオポンプ6Aおよび6Bには、フランジ14に添って処理チャンバーに直接搭載されるか、それと、処理チャンバー13に接続される処理導管15との間の中間ゲートバルブ17に搭載されるかするクライオポンプ筐体12が含まれている。導管15には、クライオポンプ6を処理チャンバー13から切り離すのに用いられるゲートバルブ17が含まれている。クライオポンプ6Aおよび6Bは、処理チャンバー13に対して、ポンプ動作(排気)を行うことができる。クライオポンプ6Aおよび6Bには、導管15にボルトで止められたクライオポンプ筐体12が含まれているが、それは、処理チャンバー13に結合されている。クライオポンプ筐体12の前面開口16は、処理チャンバー13の円形開口に通じている。冷凍器の二段コールドフィンガー(cold finger )18は、容器の円筒部分20を通ってクライオポンプ筐体12中に突出している。その冷凍器は、チェリス等による米国特許第3,218,815号に開示されるようなギフォード・マクマホン冷凍器であってよい。コールドフィンガー18の二段ディスプレーサー(displacer )は、モーター22によって駆動される。各サイクルにおいて、加圧下でコールドフィンガーに導入されるヘリウムガスが膨張され、そうして冷却されて、ラインを通して排出される。第一段ヒートシンクまたはヒートステーション28が、冷凍器の第一段29の冷端(cold end)に載置されている。同様に、ヒートシンク30が第二段32の冷端に載置されている。
【0022】
第一ポンプ動作面は、第二段ヒートステーション30に載置されたバッフルのアレイ34である。このアレイは、好ましくは、20Kよりも低い温度に保たれて、低凝縮点ガスを凝縮させる。カップの形をした放射シールド36が、第一段ヒートステーション28に結合されている。コールドフィンガーの第二段32は、放射シールドの開口を通って延びている。このシールドは、第二段アレイ34の後方および側方までそれを取り囲んで、放射によるアレイの加熱を最小限にしている。この放射シールドの温度は、好ましくは、約130K未満である。
【0023】
図1Aには、バッフルのアレイ34に対し放射シールドとして働き、また水蒸気のような、沸点がより高いガスに対し、クライオポンプ動作面としても働く前面クライオパネルアレイ38が示されている。このアレイは、放射状の支持棒41によって結合されるルーバー39を備える。支持棒41は、放射シールド36に載置される。放射シールド36は、前面クライオパネルアレイ38を支持し、また、ヒートシンク28から前面クライオパネルアレイ38への熱の経路としても働く。
【0024】
図1Bには、別の前面クライオパネルの設計が示されており、それには、放射シールド36と熱的に接触して、第二段ポンプ動作領域に対する放射シールドとしても、水蒸気のような、沸点がより高いガスのクライオポンプ動作面としても働く前面バッフル33が含まれている。前面バッフル33は、ブラケット37によって放射シールド36に取り付けられている。前面バッフル33は、複数のオリフィス35を有しているが、それによって、沸点がより低いガスの、第二段アレイへの流れが制限される。
【0025】
前面バッフルは、選択的に動作するが、それは、前面バッフルが、第一段ヒートシンクの温度(50Kと130Kの間)に近い温度に維持されるからである。凝縮点がより高いガスが、バッフル上で凍結する一方で、オリフィス35によって、凝縮点がより低いガスの、第二段への移動が制限される。前述のとおり、内部の第二段ポンプ動作領域への流れを制限することによって、ある割合の不活性ガスを作業空間に留め、スパッタリングを最適にするよう不活性ガスの圧力を適切な(moderate)もの(典型的には、10
−3トル以上)とすることが可能となる。要するに、クライオポンプポート16に到達するガスのうち、沸点がより高いガスが、前面バッフル上で凝縮することによって、環境から取り除かれ、その一方、温度のより低いガスの、第二段ポンプ動作面への流れが制限される。そのように流れを制限する結果、作業チャンバーの圧力が高くなる。
【0026】
図2には、ある実施形態による前面バッフル40を有する円形クライオポンプ7が示されており、
図3Aおよび
図3Bには、クライオポンプから隔離された前面バッフル40が示されている。前面バッフル40は、複数のオリフィス42を有しており、各オリフィス42は、それと連なるフラップ44を有する。
図3Aには、前面バッフル40の上面図が示されている。前面バッフル40は、複数のオリフィス35を有する。前面バッフル40にはまた、複数の穴46が開けられていて、前面バッフル40をブラケット37に取り付けるためのリベット、ねじその他の締め具(図示されていない)を受けることができる。図示される実施形態において、複数のオリフィス35が、あるパターンで前面バッフル40上に配置されるが、そこには、オリフィス35を有さない領域48が備わる。これらの領域48によって、前面バッフル40の中心50と、前面バッフル40の穴46および外周(周囲)47との間の熱伝導を高めることができる。一般に、前面バッフル40は、穴46を介して、ブラケット37で、放射シールドに熱的に結合され、かつまた、前面バッフル40が放射シールド36と接触する外周47でも結合されている。
図2には、放射シールド36内に収まった前面バッフル40が示されている。それに代えて、前面バッフル40は、放射シールド36の頂部にも配置できる。
図3Bには、
図3Aの断面3B−3Bに沿った前面バッフル40の断面側面図が示されている。前面バッフル40における各オリフィス35は、フラップ44を有する。各フラップ44は、それぞれのオリフィス35の縁48で前面バッフル40に取り付けられている。
【0027】
図3Cには、別の実施形態による、長方形のオリフィス51を有する円形クライオポンプ用の前面バッフル49の斜視図が示されている。
図3Cでは、処理チャンバー13に面する側から、前面バッフル49が示されている。各長方形のオリフィス51には、それに連なるフラップ53が折線55で取り付けられている。各オリフィス51の折線55は、前面バッフル49の中心に最も近いオリフィスの縁にあって、処理チャンバー13からバッフルのアレイ34への、遮断されていない経路が、オリフィス51を通って前面バッフルの中心から放射状に外を向いている。この放射状の外向きの経路は、処理チャンバーから流れてくる比較的熱いガスを、最初にバッフルのアレイ34に衝突しないように遠ざけ、バッフルのアレイへの熱負荷を低減する。その放射状の外向きの経路はまた、バッフルの第二段アレイ34への放射負荷を低減するが、それは、放射もまた、バッフルのアレイ34から遠ざけられているからである。
【0028】
一般に、前面バッフル40のオリフィス35の数を増やして、前面バッフル40のオリフィス35を均等に配置すると、その結果、オリフィス35を通過したタイプIIガスが、クライオポンプのバッフルのアレイ34に、より均等に衝突することになる。しかしながら、所定のサイズのオリフィス35の数を増やし、そのオリフィス35を均等な間隔で置くと、オリフィス35のない領域48のサイズが低減し、前面バッフル40の熱伝導が低下してしまって、動作するクライオポンプにおける前面バッフル40の温度を上昇させかねなくなる。また、オリフィス35の数を増やすには、オリフィス35を小さくする必要があるが、オリフィス35が小さくなると、凝縮するガスでより詰まりやすくなる。
【0029】
図4は、前面バッフル40の円形オリフィス35の拡大斜視図である。オリフィス35は、前面バッフル40によって囲まれている。フラップ44は、折線52で前面バッフル40に取り付けられており、前面バッフル40に対し、角度αを成す方向に向けられている。角度αは、好ましくは、10°と60°の間の角度であり、より好ましくは、20°と40°の間の角度であり、最も好ましくは、25°と35°の間の角度である。角度αの選択は、放射の遮断(角度αを小さく)と、第二段へのガスの流れの向上(角度αを大きく)との折衷であり、理想的な角度αは、特定の応用例とポンプ動作(排気)の必要性(pumping needs )とに依存している。
【0030】
図5には、フラップ44を折り曲げる前の前面バッフル40の円形のオリフィス35の拡大上面図が示されている。典型的には、オリフィス35は、前面バッフル40に切れ目(gap )54を入れることによって形成される。その切れ目を形成するのに、どのような除去手段を用いてもよく、レーザー切断、水噴射切断、エッチングおよび機械的な切断が含まれるが、それらに限定されるものではない。オリフィス35の縁は、切れ目54によって定められるが、切れ目54が、オリフィス35の縁の周りで完全に連続してはいない。フラップ44に付けられた折線52は、長さLを有し、この折線52で、オリフィス35の縁が完全に連なる。切れ目54は、幅Gを有する。作業チャンバー13からの放射は、オリフィス35を通るが、フラップ44によって遮断され、ただし、放射は、幾分かは、切れ目54を通過してバッフルのアレイ34に到達する。そうすると、切れ目54の幅Gを最小とするのが望ましい。例えば、打抜きでオリフィス35を作ることによって、切れ目54の幅Gをゼロとすることが可能であるが、その場合は、フラップ44を作るのに、前面バッフル40を剪断することになる。しかしながら、一般に、打抜きには成形型(成形用具、tooling )が必要であるが、それを作る費用が高く付き、また、例えば、オリフィスのサイズや形や配列(pattern )を変えるには、新しい打抜きの成形型を注文しなければならない。レーザー切断法によると、0.020インチもの小さな切れ目を作ることができる。
【0031】
一つの実施形態において、円形のオリフィスは、直径が半インチである。一般に、前面バッフルの穴の面積の合計が大きければ大きいほど、板を通してのガスの伝導性(conductance of gas through the plate)がより大きくなる。より小さな穴を多数開けることによって、第二段でのガスの分布がより均一になる。しかしながら、凝縮したガスで詰まってしまうほど穴が小さくてはならない。例えば、円形のオリフィスは、直径が0.25インチから1インチの範囲である。
【0032】
図6には、前面バッフル60の長方形のオリフィス62の拡大上面図が示されている。長方形のオリフィス62には切れ目66があって、それによってオリフィス62の縁が定められるが、切れ目66が、オリフィス62の縁の周りで完全に連続してはいない。フラップ68に付けられた折線64は、長さLを有し、この折線64で、オリフィス62の縁が完全に連なる。折線64が、長方形のオリフィス62の最も寸法が長いところに配置されるのが好ましい。例えば、一つの実施形態において、長方形のオリフィス62は、長さ半インチ×長さ1インチの寸法を有していて、折線64は、好ましくは、長さが1インチの辺に配置される。長方形のオリフィスの寸法は、長さ対幅の比が、1:1から5:1の範囲にあってよい。長方形のオリフィスの利点としては、製造の容易さや、オリフィス62の所定のサイズに対するフラップ68と前面バッフル60との間の熱伝導の向上(円形のオリフィスとの比較で)が挙げられる。熱伝導が向上するのは、折線64の長さLが、長方形のオリフィスの方が、相当するサイズの円形オリフィスよりも長いからである。
【0033】
図7には、前面バッフル70の三角形のオリフィス72の拡大上面図が示されている。三角形のオリフィス72は、正三角形かまたは二等辺三角形のような形をしている。三角形のオリフィス72は、切れ目76を有し、それによって三角形のオリフィス72の縁が定められるが、切れ目76が、三角形のオリフィス72の縁の周りで完全に連続してはいない。フラップ78に付けられた折線74は、長さLを有し、この折線74で、オリフィス72の縁が完全に連なる。やはり、折線74は、三角形のオリフィス74の寸法が最も長い所に配置されるのが好ましい。三角形のオリフィス72が正三角形のような形であるのなら、折線74は、オリフィス72のどの縁に位置していてもよい。しかしながら、三角形のオリフィス72が二等辺三角形のような形であるのなら、折線74を、オリフィス72の、より短く等辺でない縁に配置して、折れを残りの縁に対して、対称に保つのが好ましい。
図5〜
図7には、単に前面バッフルのオリフィスの形について、例が示されている。それ以外の形を用いてもよい。
図2のオリフィス42には、これらのいずれの形のオリフィスが含まれていてもよく、またオリフィス42には、異なる形が混ざって含まれていてもよい。
【0034】
図8Aには、別の実施形態による、複数のオリフィス82が備わる前面バッフル80を有するクライオポンプ8が示されている。この実施形態において、フラップ84は、処理チャンバー13の方を向き、第二段アレイ34から遠ざかるように配置されている。
図2と同様、オリフィス82には、いかなる形のオリフィスが含まれていてもよく、また異なる形が混ざり合って含まれていてもよい。第二段アレイ34の側よりも作業チャンバー13の側により大きな空間があるときは、フラップが処理チャンバー13に対向するように前面バッフル80を向かわせてもよい。ここでも、フラップは、ガスの流れを第二段から遠ざけるように向けられている。
【0035】
図8Bには、別の実施形態による、複数のオリフィス91が備わる前面バッフル85が示されている。前面バッフル85には、積み重ねられて互いに結合された複数の層87、89が含まれている。層87には、
図3〜
図7に関して前述されたようなオリフィス91およびフラップ93が含まれている。層89には、オリフィス91が含まれているが、フラップ93は含まれていない。
図8Bには、2つの層87、89しか示されていない。しかしながら、前面バッフルは、2層よりも多くの層で形成されていてもよい。その複数の層は、いかなる手段で互いに結合されてもよく、それには、溶接、半田付け、リベット、ねじ、ボルトおよび接着剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
図9には、バッフルの第二段アレイ34の頂部(最上の、top-most)バッフルの上に配置されるか、または、図示のように、それを置き換えて配置される大面積上板90を有する、実施形態によるクライオポンプ9が示されている。大面積上板90においては、それと放射シールド36との間の切れ目92が、バッフルのアレイ34の残りのバッフルと放射シールド36との間の切れ目94よりも小さなものとなっている。大面積上板90によって、所定量のタイプIIガスがポンプ注入されるときに凝縮するガスの厚さが低減し、その結果、ポンプ動作の間に凝縮する物質の厚さ方向に生じる温度差が小さくなり、また、以下に記述するように、基準温度に戻るために作業サイクル間で必要な時間が低減する。また、大面積上板90によると、より多くのタイプIIガスをポンプ注入できるが、それは、凝縮するガスの厚さが同じでも、面積がより大きいと、凝縮するガスの全体積が増大するからである。大面積上板90によって、バッフルのアレイ34の、残りのバッフルに到達するタイプIIガスの量、およびその残りのバッフルの下側の吸着剤(図示されていない)が低減される。
【0037】
図10には、第二段アレイの円形大面積上板90および、その上にガス102が凝縮して積もった層の断面側面図が示されている。凝縮したガスは、凝縮したタイプIIガスからなる。前述のとおり、処理チャンバー13からのガスには、前面バッフルを通過して、第二段アレイの上板90上で凝縮するものがある。これらのガスは、凝縮して厚さtを有する層102となり、そうしたガスは、熱伝導率Kを有する。前述のとおり、大面積上板90は、非常に低い温度T
1に保持される。凝縮したガス102の表面の温度は、異なる温度T
2となり、それはT
1よりも温かい。作業チャンバーが使われていなくて、追加のガスがクライオポンプに加えられていないときは、T
2は、最後には低下してT
1に等しく(または非常に近く)なる。しかしながら、作業チャンバーからクライオポンプに新しいガスが導入されて、既に凝縮しているガス102の上に凝縮すると、T
2はT
1よりも高くなる。T
2とT
1の差は、凝縮したガス102の厚さt、凝縮したガス102の熱伝導率Kならびに、板90上で凝縮する流入ガスの温度および到達率(流量、rate of arrival )の関数である。凝縮したガス102の層が厚ければ厚いほど、処理チャンバー13における作業サイクルの後、T
2がT
1に戻るのにかかる時間が長くなる。T
2が閾値温度を超えていると、クライオポンプは、作業チャンバーから効果的にガスをポンプで排出することができず、T
2が閾値温度を超えている期間が長ければ長いほど、作業チャンバー13を使うことのできない期間が長くなる。そうすると、ガスを作業チャンバーから受け取った後、T
2が閾値レベルよりも下がるのに必要な時間は、いつクライオポンプを再生すべきかを決定するのに用いられる要因となる。したがって、凝縮したガス102の厚さを最小にすることは、再生サイクルの間の時間を最大とするのに有益である。
【0038】
図11Aおよび
図11Bには、大面積上板90が、どのように凝縮したガス102の厚さを最小にするのかが例示されている。まず、
図11Aおよび
図11Bに示されるような円柱形の板(円板)に対して、凝縮したガス102は、おおよそ円柱形の体積を形成する(側面がわずかに丸くなることと、大面積上板90の反対の側を凝縮したガスが取り巻くことを無視する)ことに注意する。
図11Aには、小さな直径D
1を有する円形の上板110の断面側面図が示されている。板110は、バッフルのアレイ34の頂部バッフルとなっている。簡素化のため、バッフルのアレイ34に角度が付いた縁が示されていることは無視する。上板110は、その上に凝縮したガス112の層を有する。凝縮したガス112は体積Vを有しており、形は円柱形である。
図11Bには、大きな直径D
2を有する円形の大面積上板114の断面側面図が示されており、ここでD
2はD
1よりも大きい。大面積上板114は、その上に凝縮したガス116の層を有している。凝縮したガス116は、板110上の凝縮したガス112と同じ体積Vを有する。しかしながら、凝縮したガス116の厚さt
2は、
図11Aの板110上の凝縮したガス112の厚さt
1よりも小さい。円柱形の体積は、πD
2/4に厚さtを掛けたものである。そうすると、板の直径がD
1からD
2に増大することは、凝縮したガス112および116の等しい体積Vの厚さがt
1からt
2に低減することを意味する。したがって、大面積上板114は、霜の体積が等しいと、板110よりも早くT
2からT
1に戻すことができる。また、大面積上板114は、板110ができるよりも多くのガスをその上に凝縮して積もらせて、許容される時間でT
2からT
1に低減できる。また、凝縮したガス116が所定の体積であると、T
1とT
2の差は小さいので、大面積上板114の温度T
1を小さな上板110の温度T
1よりも高くでき、なおも凝縮したガス116の温度T
2を許容されるように保持できる。
【0039】
図9に戻ると、大面積上板90は、タイプIIガスをより多く捕獲し、これらのタイプIIガスが、バッフルのアレイ34における残りのバッフルおよび、それら残りのバッフルのいくつかまたはすべての上にある吸着剤(図示されていない)に到達するのを防ぐことによっても、クライオポンプを向上させている。タイプIIガスは、吸着剤上で凝縮するが、そのような凝縮があると、吸着剤がタイプIII ガスを吸着する能力が低下する。タイプIIガスは、大面積上板90上で凝縮して、タイプIII ガスのために吸着剤を使わずにおくことが好ましい。大面積上板90によって、大面積上板90の縁と放射シールド36の間の切れ目92が、バッフルのアレイ34の残りのバッフルと放射シールド36の間の切れ目94よりも小さくなる。切れ目92が小さくなることによって、大面積上板90と放射シールド36の間を通るタイプIIガスの量が低減する。しかしながら、切れ目が小さくなることで、バッフルのアレイ34の残りのバッフル上にある吸着剤に到達するタイプIII ガスの動きも緩慢になり、それによって、これらのガスに対してのポンプの排気速度(pumping speed )が低下する。また、大面積上板90の表面積が大きくなることで、大面積上板90は、作業チャンバーからの放射に対してより敏感なものになる。大面積上板90での放射の被曝が増大すると、大面積上板90への熱負荷そしてひいては、第二ステージへの熱負荷が増大する。
【0040】
本発明の一実施形態による円形のクライオポンプにおいて、円形の大面積上板90の直径D
2 は6.5インチであり、バッフルのアレイ34における残りのバッフルの直径D
1 は5.28インチである。そのような構造のテストにおいては、タイプIII ガスのポンプ排気速度が約12%低減されることが分かった。しかしながら、これらとは直径が異なってもよい。円形の大面積上板90は、バッフルのアレイ34よりも大きな、いかなる直径を有していてもよいが、板と放射シールド36との間に切れ目は残しておいて、タイプIII ガスのポンプ排気速度を適切なものにする。バッフルのアレイ34は、典型的には放射シールド36の約70%の直径を有する。大面積上板90は、放射シールド36の約70%から98%までの直径を有する。円形でないクライオポンプについては、大上板は、放射シールドの50%から95%までの断面積を有する。好ましくは、上板投影面積は、放射シールドの前面開口面積の73%〜90%である。上板は、その底面上に吸着剤を支持する。
【0041】
図12は、特定の円形クライオポンプのための、様々なサイズの大面積上板についての、テストの結果を示すグラフである。そのグラフでは、凝縮したガス(「霜」)の体積が増大するときの、凝縮したガスの表面温度が示されている。テストで用いられる特定のクライオポンプについて、凝縮したガスの表面温度に対する閾値温度120は27Kであり、これよりも高い温度は、許容されず、クライオポンプを再生することが必要とされる。より面積の大きな上板は、温度を閾値温度120未満に保持したまま、凝縮したガスをより大きな体積で保持できるということがグラフに示されている。例えば、直径5.0インチの円形大面積上板1は、凝縮したガスの表面温度が閾値温度120を超える前に、約2.3in
3 (立方インチ)の凝縮したガスを積もらせることができる。別の例において、直径5.5インチの円形の大面積上板2は、凝縮したガスの表面温度が閾値温度120を超える前に、約2.7in
3 の凝縮したガスを積もらせることができる。さらに別の例において、直径6.0インチの円形の大面積上板3は、凝縮したガスの表面温度が閾値温度120を超える前に、約3.1in
3 の凝縮したガスを積もらせることができる。4番目の例において、直径6.5インチの円形の大面積上板4は、凝縮したガスの表面温度が閾値温度120を超える前に、約2.6in
3 の凝縮したガスを積もらせることができる。
【0042】
図13には、
図3〜
図8において前述されたような前面バッフル40と、
図9〜
図11において記述された板のような大面積上板90との双方が組み込まれているクライオポンプ10の断面側面図が示されている。前面バッフル40と大面積上板90とを組み合わせるのは有益である。前面バッフル40によると、スパッター板を用いる通常の前面アレイによるほど、処理チャンバー13からの放射が、バッフルの第二段アレイ34および上板90に到達できない。放射が低減すると、バッフルのアレイ34の温度も低下し、特に、前面バッフル40に最も近いバッフル/上板90の温度が下がる。前記のとおり、大面積上板90は、凝縮したガスをより大きな体積で捕獲し、許容される温度を保持することができる。
【0043】
図14は、前面バッフル40と大面積上板90の双方が組み込まれたクライオポンプ10の利点を示すチャートである。
図14は、クライオポンプが既にポンプ除去した体積の合計の関数として、様々な流量で保持することのできる真空のテスト結果を示している。テストで用いられるクライオポンプについては、1×10
−6トルという閾値圧122を超えてはならない。クライオポンプが閾値圧122未満の圧力を保持できないなら、そのクライオポンプは再生する必要がある。
図1に示されるクライオポンプのような、毎分100標準立方センチメーター(「sccm」)という流量でガスをポンプ除去する標準クライオポンプは、閾値圧122未満の圧力を保持できなくなる前に、約1750リットルをポンプ除去(124)できるということが、チャートに示されている。対照的に、230sccmという流量でガスをポンプ除去する標準クライオポンプは、閾値圧122未満の圧力を保持できなくなる前に、約420リットルのガスしかポンプ除去(126)できない。前面バッフル40と大面積上板90の双方が組み込まれたクライオポンプ10は、230sccmでポンプ除去するが、閾値圧122未満の圧力を保持できなくなる前に、1,100リットルを超えるポンプ除去(128)が可能である。前面バッフル40と大面積上板90の一方のみを有するクライオポンプは、230sccmで例示される2つのポンプ除去126と128の間の結果を提示することになる。
【0044】
図15Aおよび
図15Bには、大面積上板90を用いる、本発明のさらに別の実施形態が例示されている。この実施形態において、前面アレイは、放射シールドの壁に結合されている棒132および134で支えられる同心環(concentric rings)130を備えている。速度(流量)を増すために、同心環には、
図1に例示されるようなシェブロンが含まれているが、各環は、一方向にのみ角度を有する円錐台形環(frustoconical ring)である。好ましい角度は、10°〜60°の範囲内であるが、より好ましくは、35°〜45°の範囲にある。角度の選択は、第二段における速度と放射熱負荷の兼ね合いで決まる。好ましくは、各環の外径は、その次に大きな環の内径とほぼ同じか、それよりも少し大きい。環は、放射シールドの側壁によって、支えられていることが示されているが、それらは、放射シールドの基部まで縦に延びる支柱によって支えられてもよい。
【0045】
他の実施形態において、前述のような、前面バッフルアレイおよび/または大上板を有するクライオポンプは、形が丸くない。そのような丸くはないクライオポンプの例が、米国特許第6,155,059号に記述されており、その内容は、援用することによって、その全体がここに組み入れられる。長方形のクライオポンプについては、大上板が、好ましくは、放射シールドの断面の50%から98%を覆う。他の実施形態において、前述のような、前面バッフルアレイおよび/または大上板を有するクライオポンプは、据え付けのクライオポンプ(in situ cryopump)であるか、付属のポンプ(appendage pump)である。そのような、据え付けのクライオポンプおよび付属のクライオポンプの例が、PCT出願PCT/US2009/065168に記載されており、その内容は、援用することによって、その全体がここに組み入れられる。
【0046】
ここで引用されるすべての特許、公開公報および参考文献の教示は、援用することによって、その全体がここに組み入れられる。
【0047】
本発明は、その実施形態を参照して、詳細に示され記述されるが、添付の特許請求の範囲に包含される発明の範囲から逸脱することなく、形状および細部に様々な変更を加えてもよいことが当業者には理解される。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
第一段前面バッフルを備えるクライオポンプであって、
前記前面バッフルは、前記クライオポンプの開口を実質的に覆うように配置され、複数のオリフィスを有し、各オリフィスは、そのオリフィスの縁で曲げられて前記前面バッフルに取り付けられているフラップを有し、各フラップは、前記前面バッフルを通る経路に配置されているクライオポンプ。
[態様2]
前記複数のオリフィスの各々は、形が長方形である態様1に記載のクライオポンプ。
[態様3]
前記複数のオリフィスの各々は、形が円形である態様1に記載のクライオポンプ。
[態様4]
前記フラップのサイズおよび形が、実質的に前記オリフィスと同じである態様1に記載のクライオポンプ。
[態様5]
前記フラップが、前記前面バッフルに対して10°と60°の間の角度で曲げられている態様1に記載のクライオポンプ。
[態様6]
前記フラップが、前記前面バッフルに対して25°と35°の間の角度で曲げられている態様1に記載のクライオポンプ。
[態様7]
前記フラップが、前記前面バッフルに対して35°と45°の間の角度で曲げられている態様1に記載のクライオポンプ。
[態様8]
前記フラップが取り付けられている各オリフィスの縁が、前記前面バッフルの中心に最も近い縁である態様1に記載のクライオポンプ。
[態様9]
さらに第二段アレイを備え、その第二段アレイは、
冷凍器の第二段に熱的に結合され、少なくとも一つの冷却面の少なくとも一部が吸着剤で覆われている複数の冷却バッフルと、
前記冷凍器の第二段に熱的に結合され、前記前面バッフルと前記複数の冷却バッフルとの間に配置されて、前記前面バッフルから見て前記複数の冷却バッフルを超えて延びている上板とを有する態様1に記載のクライオポンプ。
[態様10]
前記上板が、前記複数の冷却バッフルを超えて延びて、前記クライオポンプの放射シールドの断面の50%から98%を覆っている態様9に記載のクライオポンプ。
[態様11]
第二段を備えるクライオポンプであって、前記第二段は、
冷凍器の第二段に熱的に結合され、少なくとも一つの冷却面の少なくとも一部が吸着剤で覆われている複数の冷却バッフルと、
前記冷凍器の第二段に熱的に結合され、第一段アレイと前記複数の冷却バッフルとの間に配置されて、前面バッフルから見て前記複数の冷却バッフルを超えて延びている上板とを有するクライオポンプ。
[態様12]
前記上板が、前記複数の冷却バッフルを超えて延びて、前記クライオポンプの放射シールドの断面の50%から98%を覆っている態様11に記載のクライオポンプ。
[態様13]
前記複数の冷却バッフルが、冷却バッフルのアレイとして配置されている態様11に記載のクライオポンプ。
[態様14]
前記第二段を放射からシールドする放射シールドの開口を横切って配置される第一段前面シールドをさらに備え、その前面シールドが角度の付いたバッフルを有する態様11に記載のクライオポンプ。
[態様15]
前記バッフルが、前面バッフルから曲げられ、そこに取り付けられているフラップを有する態様14に記載のクライオポンプ。
[態様16]
前記バッフルが、前記放射シールドに支持される環を有する態様14に記載のクライオポンプ。
[態様17]
前記環が、前記シールドの前面から放射状に外を向くように角度が付けられている態様16に記載のクライオポンプ。
[態様18]
前記環が、前記前面シールドの前面から約10°〜60°の範囲の角度が付けられている態様17に記載のクライオポンプ。
[態様19]
前記環が、前記前面シールドの前面から約25°〜35°の範囲の角度が付けられている態様17に記載のクライオポンプ。
[態様20]
前記環が、前記前面シールドの前面から約35°〜45°の範囲の角度が付けられている態様17に記載のクライオポンプ。
[態様21]
クライオポンプ用の前面バッフルであって、
前記クライオポンプの開口を実質的に覆うように設置される金属板と、
その金属板上に分布する複数のオリフィスであって、各オリフィスが、そのオリフィスの縁で曲げられて前記前面バッフルに取り付けられているフラップを有し、各フラップが、前記前面バッフルを通る経路に配置されている複数のオリフィスとを備える前面バッフル。
[態様22]
前記金属板が、その金属板の中心近くから外側の縁までの、前記複数のオリフィスがまったく分布していない少なくとも一つの経路を有する態様21に記載の前面バッフル。
[態様23]
前記複数のオリフィスの各々は、形が長方形である態様21に記載の前面バッフル。
[態様24]
前記複数のオリフィスの各々は、形が円形である態様21に記載の前面バッフル。
[態様25]
前記フラップのサイズおよび形が、実質的に前記オリフィスと同じである態様21に記載の前面バッフル。
[態様26]
前記フラップが、前記金属板に対して10°と60°の間の角度で曲げられている態様21に記載の前面バッフル。
[態様27]
前記フラップが、前記金属板に対して25°と35°の間の角度で曲げられている態様21に記載の前面バッフル。
[態様28]
前記フラップが、前記金属板に対して35°と45°の間の角度で曲げられている態様21に記載の前面バッフル。
[態様29]
前記フラップが取り付けられている各オリフィスの縁が、前記前面バッフルの中心に最も近い縁である態様21に記載の前面バッフル。
[態様30]
クライオポンプ用の前面バッフルを作る方法であって、
金属板を準備し、
前記金属板に複数のオリフィスを作り、各オリフィスにおいて、前記金属板の金属の少なくとも一部が、前記オリフィスの縁で円形の前記金属板に取り付けられたままになるようにし、
前記金属の一部を、前記金属板の表面に対してある角度をなすように前記縁で曲げる方法。
[態様31]
前記金属板に少なくとも一つのオリフィスを作るのに、円形のオリフィスを作る態様30に記載の方法。
[態様32]
前記金属板に少なくとも一つのオリフィスを作るのに、長方形のオリフィスを作る態様30に記載の方法。
[態様33]
前記金属の一部が、前記オリフィスの、前記金属板の中心に最も近い縁に取り付けられている態様30に記載の方法。
[態様34]
前記複数のオリフィスを作るのに、前記金属板の中心から縁までの少なくとも一つの経路がオリフィスを有さないように、前記金属板上に前記複数のオリフィスを配置する態様30に記載の方法。
[態様35]
前記複数のオリフィスを作るのに、レーザー切断、水噴射切断、機械的切断、エッチングおよび打抜きの少なくとも一つを行う態様30に記載の方法。
[態様36]
クライオポンプ用の第二段アレイであって、
冷凍器の第二段に結合されるように配置され、少なくとも一つの冷却面の少なくとも一部が吸着剤で覆われている複数の冷却バッフルと、
前記冷凍器の第二段に熱的に結合され、前面バッフルと前記複数の冷却バッフルとの間に配置されて、前記前面バッフルから見て前記複数の冷却バッフルを超えて延びている上板とを備える第二段アレイ。
[態様37]
前記上板が、前記冷却バッフルを超えて延びて、前記クライオポンプの放射シールドの断面の50%から98%を覆っている態様36に記載のクライオポンプ用の第二段。
[態様38]
前記複数の冷却バッフルが、冷却バッフルのアレイとして配置されている態様36に記載のクライオポンプ用の第二段。