(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475218
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】水中航走体検出装置および水中航走体無力化装置
(51)【国際特許分類】
B63C 11/00 20060101AFI20190218BHJP
F41H 11/02 20060101ALI20190218BHJP
F41H 11/05 20060101ALI20190218BHJP
B63G 9/04 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
B63C11/00 A
F41H11/02
F41H11/05
B63G9/04
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-223268(P2016-223268)
(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公開番号】特開2018-79791(P2018-79791A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2018年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】599161890
【氏名又は名称】NECネットワーク・センサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 哲也
(72)【発明者】
【氏名】島津 定生
【審査官】
福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04262595(US,A)
【文献】
特開2003−185746(JP,A)
【文献】
米国特許第05069109(US,A)
【文献】
米国特許第04231311(US,A)
【文献】
特開昭60−198479(JP,A)
【文献】
特開昭61−235700(JP,A)
【文献】
特開2000−298171(JP,A)
【文献】
特開2008−180593(JP,A)
【文献】
特開平11−063890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/00
B63G 9/04
F41H 11/02 − 11/05
B63C 11/48 − 11/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕獲網と、
前記捕獲網を船舶が曳航するための曳航ロープと、
前記曳航ロープを前記船舶に取付けるための曳航ロープ取付け部と、
前記船舶が前記捕獲網を曳航している場合に、前記捕獲網の前記曳航ロープ取付け部への接近量を計測する捕獲網接近量計測部と、
前記接近量に基づいて水中航走体が接近しているか否かを判定する水中航走体接近判定部と
を有することを特徴とする水中航走体検出装置。
【請求項2】
前記捕獲網接近量計測部が、
前記曳航ロープ取付け部と前記捕獲網との距離を計測する
ことを特徴とする請求項1に記載の水中航走体検出装置。
【請求項3】
前記捕獲網が浮力を得るためのフロートと沈降力を得るための錘とを有し、
前記捕獲網接近量計測部が、
前記曳航ロープ取付け部と前記フロートとの距離を計測する距離センサを有している
ことを特徴とする請求項2に記載の水中航走体検出装置。
【請求項4】
前記捕獲網接近量計測部が、
前記曳航ロープ取付け部が前記曳航ロープから受ける張力に基づいて前記接近量を計測する
ことを特徴とする請求項1に記載の水中航走体検出装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4に記載の水中航走体検出装置と、
前記水中航走体接近判定部が前記水中航走体の接近と判定した場合に前記曳航ロープ取付け部を前記捕獲網の上方に向けて飛翔させる飛翔手段と、
を有することを特徴とする水中航走体無効化装置。
【請求項6】
前記飛翔手段が、前記捕獲網の移動を阻害する錘を有している
ことを特徴とする請求項5に記載の水中航走体無効化装置。
【請求項7】
前記飛翔手段が、前記捕獲網の移動を阻害するパラシュートを有している
ことを特徴とする請求項5に記載の水中航走体無効化装置。
【請求項8】
前記飛翔手段が、
空中では前記パラシュートを閉傘状態とし、着水時に前記パラシュートを開傘するように制御するパラシュート開閉制御部を有する
ことを特徴とする請求項7に記載の水中航走体無効化装置。
【請求項9】
捕獲網に船舶が前記捕獲網を曳航するための曳航ロープを取り付け、
前記船舶が前記曳航ロープを牽引し、
前記捕獲網の前記船舶への接近量を計測し、
前記接近量に基づいて水中航走体が前記船舶に接近しているか否かを判定する
ことを特徴とする水中航走体検出方法。
【請求項10】
請求項9に記載の水中航走体検出方法によって前記水中航走体を検出し、
前記水中航走体を検出した場合に前記曳航ロープの前記船舶への取付け部を前記捕獲網に向けて飛翔させる
ことを特徴とする水中航走体無効化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中航走体検出装置および水中航走体無力化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶にとって、電波を使用したレーダーや光学センサで検出することができない軍事目的の水中航走体は大きな脅威である。このような水中航走体の脅威を取り除くためには、まず、いち早く水中航走体を検出することが必要である。水中航走体の検出は、水中音波を使用したソナーで行うのが一般的である。ところが、近年、静音処理や防音処理などの工夫が水中航走体に施されてきている。このため、推進機械の動作音が静粛化する傾向にあり、ソナーによる検出が困難になってきている。このため、ソナーの検出確率を高める方法が、種々検討されている。
【0003】
例えば特許文献1には、動作音小さくても水中航走体を検出することを可能とする方法が開示されている。この技術では、所定の周波数成分毎に指向性比率を算出する。そして、周波数成分毎の指向性比率の分布を表す指向性比率分布を算出することで、摩擦音等の広帯域放射音を抽出できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−160564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、水中航走体の1種であるウェーキホーミング式の水中航走体の場合は、水中航走体がウェーキ(船舶が航走した後に出現する航跡)の中に入ってしまうと、ソナーでは検出することが困難であるという問題がある。これは、ウェーキが水中音波を反射するためである。すなわちウェーキ内部の水中航走体をソナーで検出することは原理的に困難である。そして、水中航走体はウェーキに沿って航走していれば、いずれ船舶に到達することとなる。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ウェーキホーミング式の水中航走体を確実に検出する水中航走体検出装置を提供することを目的としている。また、検出した水中航走体を無力化する水中航走体無力化装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、水中航走体検出装置は、捕獲網と、曳航ロープと、曳航ロープ取付け部と、捕獲網接近検出部と、水中航走体接近判定部とを有している。捕獲網は、曳航ロープ取付け部によって船舶取付けた曳航ロープによって曳航され、捕獲網は、船舶の後方から接近する水中航走体を捕獲するための網である。船舶が航走していると、曳航ロープは張られた状態になるため、曳航ロープ取付け部と捕獲網との距離は概ね一定である。ここで、水中航走体が後方から船舶に接近すると、捕獲網が船舶の航走方向に押され、捕獲網が曳航ロープ取付け部に接近する。捕獲網接近量計測部は、この接近量を計測する。水中航走体接近判定部は、この接近量を監視し、所定の閾値を越えた場合に、水中航走体が接近したと判定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の効果は、ウェーキホーミング式の水中航走体を確実に検出する水中航走体検出装置を提供できることである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施形態の水中航走体検出装置を示すブロック図である。
【
図2】第2の実施形態の水中航走体検出装置を示すブロック図である。
【
図3】第2の実施形態の水中航走体検出装置を船舶に装備した状態を示す模式図である。
【
図4】第2の実施形態の水中航走体検出装置の捕獲網を水中航走体が押している状態を示す模式図である。
【
図5】第2の実施形態の捕獲網接近量計測方法の一例を示す側面図である。
【
図6】第2の実施形態の捕獲網接近量計測方法の別の一例を示す側面図である。
【
図7】第3の実施形態の水中航走体無力化装置を示すブロック図である。
【
図8】第3の実施形態の曳航ロープ取付け部と飛翔手段の具体例を示す斜視図である。
【
図9】第3の実施形態の飛翔体が飛翔する様子を示す模式図である。
【
図10】第3の実施形態の水中航走体無力化装置の動作の一例を示す模式図である。
【
図11】第3の実施形態の水中航走体無力化装置の動作の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお各図面の同様の構成要素には同じ番号を付し、説明を省略する場合がある。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の水中航走体検出装置を示すブロック図である。水中航走体検出装置は、捕獲網1と、曳航ロープ2と、曳航ロープ取付け部3と、捕獲網接近量計測部4と、水中航走体接近判定部5とを有している。
【0012】
捕獲網1は船舶8に曳航されて、船舶の後方から接近する水中航走体を捕獲するための網である。捕獲網1は、曳航ロープ取付け部3によって船舶6取付けた曳航ロープ2によって曳航される。
【0013】
捕獲網接近量計測部4は、捕獲網1の曳航ロープ取付け部3に対する接近量を計測する。船舶6が航走していると、捕獲網1は水の抵抗を受けて走行方向と逆側に引かれる。このため、曳航ロープ2は張られた状態になり、曳航ロープ取付け部3と捕獲網1との距離は概ね一定である。ここで、水中航走体が船舶6に接近すると、捕獲網1が船舶6の航走方向に押され、捕獲網1が曳航ロープ取付け部3に接近する。捕獲網接近量計測部4は、この接近量を計測する。
【0014】
水中航走体接近判定部5は、捕獲網接近量計測部4が計測した捕獲網1の接近量を監視し、接近量が所定の閾値を越えた場合に、水中航走体が接近したと判定する。
【0015】
以上説明したように、本実施形態によれば、ウェーキから接近する水中航走体を確実に検出することができる。
【0016】
(第2の実施形態)
図2は第2の実施形態の水中航走体検出装置100を示すブロック図である。水中航走体検出装置100は、捕獲網10と、曳航ロープ20と、曳航ロープ取付け部30と、水中航走体検出部40とを有している。捕獲網10は、捕獲網10に浮力を与えるフロート11と、捕獲網10に沈降力を与える錘12を保持している。また、水中航走体検出部40は、捕獲網接近量計測部41と、水中航走体接近判定部42とを有している。
【0017】
曳航ロープ取付け部30は、船舶200に捕獲網10を曳航する曳航ロープを取り付けるユニットである。曳航ロープ20の長さは、水中航走体が後方から船舶に接近して危険となる距離よりも長くする必要がある。具体的には、例えば300m程度とすることができる。
【0018】
船舶200が捕獲網10を曳航すると、捕獲網10が水の抵抗を受けるため、曳航ロープ20は張られた状態になる。このため、通常航走時は、曳航ロープ取付け部30と捕獲網10との距離は概ね一定である。しかし、水中航走体が捕獲網10を押しながら後方から接近すると、捕獲網10は曳航ロープ取付け部30に接近する。捕獲網接近量計測部41は、この接近量を計測する。水中航走体接近判定部42は、捕獲網接近量計測部41がこの接近量を監視し、接近量が所定の閾値を超えると水中航走体が接近したと判定する。水中航走体検出部40は、当該判定結果をもって、水中航走体を検出する。
【0019】
図3は、船舶200が水中航走体検出装置100を装備し、捕獲網10を曳航している状態を示す模式図である。
図3には、船舶200の航走時に船尾方向に発生するウェーキ300と、ウェーキ内を航走するウェーキホーミング式の水中航走体400も描いている。
【0020】
捕獲網10は、水中航走体400から船舶を保護するのに十分な横幅と、深さ方向の幅を持っている。捕獲網10の大きさは、船舶が発生するウェーキの幅に合わせて決めればよい。ウェーキは、船舶200の推進器(スクリュー)の深さである水深10mよりも浅い水中に発生し、その幅は推進器から10〜30m程度である。捕獲網10の横幅は、船舶が左右に舵を切った際に捕獲網からウェーキがはみ出さないようにすることも考慮して、例えば、50m程度とすることができる。
【0021】
捕獲網10は、フロート11と、錘12の作用により、水深方向に展開され、水面に対しほぼ垂直に水中に吊下される。
図3の例では、捕獲網10に、フロート11と錘12の組を、両端と中央部の3カ所に配置し、それぞれの近傍を曳航ロープ20で牽引している。また捕獲網10が海面にあると、海面上を漂流している流木等のゴミや、浮遊機雷等の危険物が捕獲網10に引っ掛かり、水中での抵抗が増加して船舶の速力が低下する恐れがある。このため、捕獲網10は、例えば海面から1m程度の深さに位置するようフロートからの距離を調整すると良い。なお
図3では、曳航ロープ取付け部30と水中航走体検出部40とを物理的に近い位置に配置しているが、離れていても良い。
【0022】
次に、捕獲網の接近量計測方法について説明する。
図4は、まず水中航走体400がウェーキ300内を航走し、捕獲網10を船舶200に向かって押している状態を示す模式図である。このような場合、捕獲網10の少なくとも一部は船舶200に接近するので、この接近量を計測し、それに基づいて、水中航走体400の接近を検出することができる。
【0023】
図5は、接近量計測に距離センサ41aを用いる例を示す側面図である。この例では、図示しない捕獲網10に取付けられ、水面310に浮かんだフロート11の上部に反射板13を設けている。距離センサ41aは、例えば、電波を用いたレーダーや、レーザー光を用いた距離センサとすることができる。反射板13には、例えば、入射した光の方向に光を反射するコーナーキューブ、ガラスビーズ、プリズムを用いたものなどを用いることができる。
【0024】
船舶200が航走を行っているときは、
図5(a)に示すように、曳航ロープ20は張られた状態になる。このため、距離センサ41aと反射板13との距離は、ほぼ一定である。この距離をL0とする。一方、水中航走体400(図示せず)が船舶200に接近すると、捕獲網10が航走方向に押されて
図5(b)のように、反射板13が距離センサ41aに接近する。この時、距離センサ41aが計測した距離をL1とすると、差分から接近距離ΔL=L0−L1を計算することができる。接近距離には予め閾値ΔLthを設けておき、ΔL≧ΔLthとなった場合に、水中航走体接近判定部42(図示せず)は、水中航走体400の接近を検出する。なお、ΔLの時間変化(=速度)に関する閾値を定めておき、水中航走体接近判定部42の判定を、この時間変化を用いて行っても良い。フロート11と反射板13が複数ある場合は、上記のような接近量の計測と水中航走体接近判定をそれぞれの反射板13に対して行う。なお
図5では、曳航ロープ取付け部30と距離センサ41aとを物理的に近い位置に配置しているが、離れていても良い。例えば、距離センサ41aが反射板13を捉えやすいように、船舶200のマスト等の高い位置に取り付けてもよい。
【0025】
図5は、別の捕獲網の接近量計測方法について説明するための側面図である。この例では曳航ロープ取付け部30が曳航ロープ20から受ける張力を、張力計41bで計測することにより、接近量を計測する。船舶が通常の航走を行っている場合、
図6(a)のように曳航ロープ20は張られた状態になっており、張力は、航走速度に応じたほぼ一定の値F0となる。一方、
図6(b)に示すように、水中航走体400が捕獲網10を押すと曳航ロープ20がたるみ、張力はF0より小さな値F1となる。この張力Fと接近量との相関を予め求めておけば、張力の差ΔF=F0−F1から、捕獲網10の接近量をおおまかに推定することが可能である。そして、ΔFが予め定めた閾値以上になった時に、水中航走体接近判定部42(図示せず)は、水中航走体が接近したと判定する。このような、張力による接近量計測では、光学式の距離センサのように、距離を定量的に計測することはできないが、視界不良など環境が悪い状況においても水中航走体を検出できるという利点がある。このため、主としてレーダーやレーザーを用いて、接近量を計測し、張力を補助的に用いるようにしても良い。
【0026】
以上説明したように、本実施形態によれば、ソナーでは検出することができないウェーキに沿って接近する水中航走体を確実に検出することができる。
【0027】
(第3の実施形態)
本実施形態では、第1または第2の実施形態の水中航走体検出装置を備えた水中航走体無力化装置について説明する。
図7は水中航走体無力化装置500を示すブロック図である。水中航走体検出装置の構成と動作については、第2の実施形態と同様である。このため説明を省略する。
【0028】
水中航走体無力化装置500は、第2の実施形態、
図2の構成に加えて、曳航ロープ取付け部30が飛翔手段31を有し、水中航走体検出部40が飛翔手段制御部43を有する点が異なっている。本実施形態の曳航ロープ取付け部30は、飛翔手段31によって、船舶から切り離されて捕獲網10の上方に向かって飛翔することができる。そして、飛翔手段制御部43は、飛翔手段31の起動を制御する。以下、具体例を用いて説明する。
【0029】
図8は、曳航ロープ取付け部30と飛翔手段31の具体例を示す斜視図である。
図8(a)に示すように、飛翔手段31は、飛翔体31aとランチャー31bとからなる。飛翔体31aには曳航ロープ20が取り付けられている。飛翔体31aは、本体31a1とロケットモーター31a2とを有し、ロケットモーター31a2の働きにより飛翔することができる。ランチャー31bは、飛翔体31aの発射筒である。ロケットモーターは、固体燃料により飛翔体を船舶の後方に飛翔させ、その飛翔距離は、例えば曳航ロープの長さ程度とすることができる。
【0030】
水中航走体接近判定部42が、水中航走体が接近したと判定すると、飛翔手段制御部43は、飛翔手段31を制御して、飛翔体31aを捕獲網10の上方に向かって飛翔させる。具体的には、
図8(b)に示すように、ロケットモーター31a2を起動して、ロケット噴射31a3を発生させ、飛翔体31aを飛翔させる。なお、飛翔体31aを飛翔させるために、ロケットモーター31a2に代えて、圧縮空気によりランチャーから撃ち出す方法を用いることも可能である。
【0031】
図9は、飛翔体31aが発射され飛翔している様子を示す模式図である。飛翔体31aは曳航ロープ20をフックしたまま捕獲網10の近傍に飛翔する。この作用により、水中航走体400を絡めた捕獲網10を船舶200から離れた位置に分離することができる。
【0032】
図示はしていないが、飛翔体31aには、積極的に水中航走体400を制動する仕掛けを組み込むことができる。
図10は飛翔体31aが、水中航走体400の後方に着水した様子を示す模式図である。この時、飛翔体31aに錘を仕込んでおけば、捕獲網10の移動が阻害されるので、水中航走体400を制動する作用を強めることができる。
【0033】
図11は、飛翔体31aに制動パラシュート33を仕込んだ例を示す模式図である。制動パラシュート33は水の抵抗を大きく受けるため、水中航走体400の進行をより強く阻害することができる。なお、図示はしていないが、飛翔体31aには、飛翔体31aが空中にあるときには制動パラシュート33を閉傘状態で収納し、着水によって制動パラシュート33を開傘させるパラシュート開閉制御部を設けておくとよい。
【0034】
上述した第1乃至第3の実施形態の処理をコンピュータに実行させるプログラムおよび該プログラムを格納した記録媒体も本発明の範囲に含む。記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、などを用いることができる。
【0035】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1、10 捕獲網
2、20 曳航ロープ
3、30 曳航ロープ取付け部
4、41 捕獲網接近量計測部
5、42 水中航走体接近判定部
6、200 船舶
11 フロート
12 錘
13 反射板
31 飛翔手段
40 水中航走体検出部
100 水中航走体検出装置
300 ウェーキ
310 水面
400 水中航走体
500 水中航走体無力化装置