(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1バイアス電圧が前記偏向電極に印加されている際に、前記一対のプラズマ・メニスカスが第1形状を有し、前記第2バイアス電圧が前記偏向電極に印加されている際に、前記一対のプラズマ・メニスカスが前記第1形状と異なる第2形状を有する、請求項1に記載の処理装置。
前記偏向電極が、前記抽出プレートの面によって規定される平面に垂直な方向に移動するように構成され、前記平面から第1距離にある第1偏向電極位置において、前記プラズマから抽出されたイオンビームが前第1入射角を有し、前記平面から第2距離にある第2偏向電極位置において、前記プラズマから抽出されたイオンビームが前記第1入射角と異なる第2入射角を有し、前記第2距離は前記第1距離よりも大きい、請求項1に記載の処理装置。
前記抽出プレートに抽出プレート電圧を、前記偏向電極に印加される前記バイアス電圧と独立して印加するように構成された抽出プレート電源をさらに具えている、請求項1に記載の処理装置。
前記抽出プレートが第1部分及び第2部分を含み、平面を規定し、前記処理装置が、前記第1部分に第1バイアス電圧を印加するように構成された第1抽出プレート電源、及び前記第2部分に第2バイアス電圧を印加するように構成された第2抽出プレート電源をさらに具えている、請求項1に記載の処理装置。
前記偏向電極電源が前記偏向電極と相互動作して、前記偏向電極に印加される前記バイアス電圧が変化した際に、前記一対のプラズマ・メニスカスの少なくとも一方から抽出されたイオンビームの入射角を10度以上変化させる、請求項1に記載の処理装置。
前記開口が第1開口を構成し、前記偏向電極が第1偏向電極を構成し、前記抽出プレートが、前記第2部分に隣接して配置された第3部分を具え、該第3部分が前記第2部分との間に第2開口を規定するように構成された、請求項5に記載の処理装置。
前記一対のプラズマ・メニスカスが第1の対のプラズマ・メニスカスを構成し、前記処理装置が、前記第2開口に隣接して配置された第2偏向電極をさらに具え、該第2偏向電極が、第2の対のプラズマ・メニスカスを前記第2開口に近接して発生するように構成された、請求項7に記載の処理装置。
前記プラズマ源からのパワーがプラズマパワー範囲にわたって変化する際に、前記偏向電極が前記一対のプラズマ・メニスカスのメニスカス形状を変化させるように構成され、前記一対のプラズマ・メニスカスを通して抽出されるイオンビームの入射角が、少なくとも10度だけ変化する、請求項1に記載の処理装置。
前記偏向電極が、互いに電気絶縁された導電性の第1偏向電極部分及び第2偏向電極部分を具え、前記偏向電極電源が第1偏向電極電源であり、前記第1偏向電極部分が前記第1偏向電極電源に結合され、前記処理装置が、前記第2偏向電極部分に結合された第2偏向電極電源をさらに具え、前記第1偏向電極部分及び前記第2偏向電極部分が、互いに独立して、それぞれ第1偏向電極電源及び第2偏向電極電源から前記バイアス電圧を受けるように動作する、請求項11に記載の処理装置。
前記偏向電極を、前記抽出プレートの平面に垂直な方向に、前記抽出プレートにより近い第1偏向電極位置から、前記基板からより遠い第2偏向電極位置まで移動させるステップをさらに含み、前記第1偏向電極位置において、前記プラズマから抽出されたイオンビームが第1入射角を有し、前記第2偏向電極位置において、前記プラズマから抽出されたイオンビームが前記第1入射角と異なる第2入射角を有する、請求項13に記載の方法。
前記抽出プレートが、第1平面を規定する第1部分及び第2部分を含み、前記方法が、前記第1部分を前記第1平面内で前記第2部分に対して移動させて、前記開口の幅を変化させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に記載する実施形態は、基板に指向されるイオンの角度分布を制御するための装置及び方法を提供する。特に、本実施形態は、イオンビームをプラズマから抽出して、これらのイオンビームのイオン角度分布(IAD)を制御するための新規な抽出システムを提供する。「イオン角度分布」とは、イオンビーム中のイオンの、基板に垂直な方向のような基準方向に対する平均入射角、並びに平均入射角を中心とした入射角の分布または範囲の幅を称し、この幅を略して「角度広がり」と称する。本明細書に開示する実施形態では、新規な抽出システムが、プラズマに隣接して配置され、少なくとも1つの開口を含む抽出プレートを含んで、イオンをプラズマから抽出して、プラズマと基板との電位差に基づいてこれらのイオンを基板に向けて加速することができる。この抽出システムは、抽出プレートの開口に近接して配置され、2本のイオンブームを発生する働きをする偏向電極も含むことができる。以下に詳述するように、イオンビームの入射角は、抽出システムに印加する電圧を調整することによって、または抽出システムの種々の構成要素の配置を調整することによって、あるいはその両方によって制御される。
【0007】
図1Aに、本発明の実施形態による処理装置100を示す。処理装置100は、プラズマチャンバ114内にプラズマ112を発生するためのプラズマ源102を含む。プラズマ源102は、RFプラズマ源(誘導結合プラズマ(ICP:inductively-coupled plasma)源)、容量結合プラズマ(CCP:capacitively-coupled plasma)源、ヘリコン(helicon)源、電子サイクロトロン共鳴(ECR:electron cyclotron resonance)源)、傍熱陰極(IHC:indirectly heated cathode)源、グロー放電源、または当業者に知られた他のプラズマ源とすることができる。本実施形態では、プラズマ源102がICP源であり、RF発生器105、RF整合回路網110を有する。RF発生器からガス原子及び/または分子へのRF電力の伝達は、アンテナ及び誘電体窓(図示せず)を通して行われる。ガス・マニホールド(多岐管)106が、適切なガスラインまたはガス注入口を通してプラズマ源102に接続される。処理装置100のプラズマ源102または他の構成要素は、回転ポンプまたは膜ポンプによって補強されるターボ分子ポンプのような真空システム(図示せず)に接続することもできる。プラズマ源102は筐体126によって包囲され、断熱材140が、基板ホルダ120を含むプロセスチャンバ142から筐体126を分離する。プラズマ源102及び基板ホルダ120は、その電位を上昇させることができ、あるいは電気接地することができるのに対し、プロセスチャンバ142は電気接地することができる。
【0008】
図1Aに示すように、抽出プレート114は、プラズマチャンバ104の側面に沿って配置することができる。
図1Aでは、抽出プレート114がプラズマチャンバ104の底部に配置されている。特に抽出プレート114は、プラズマチャンバ104とプロセスチャンバ142との間に配置されている。一部の例では、抽出プレート114が、プラズマチャンバまたはプロセスチャンバ、あるいはその両方のチャンバ壁の一部分を規定することができる。抽出プレート114は開口116を含み、この開口を通して、イオンをイオンビームとして抽出して、基板ホルダ120に向けて指向させることができる。
【0009】
処理装置100は複数の電圧源をさらに含み、これらの電圧源を用いて、抽出光学系を駆動して基板122に供給されるイオンビーム・エネルギーを制御する。これらを集合的に抽出電圧系130として図示する。抽出電圧系130は、チャンバ電源132、偏向電極電源134、抽出プレート電源136、及び基板電源138を含むことができる。イオン118で表現するように、基板122において所望のエネルギーを有する正のイオンビームを発生するために、基板電源128が、接地に対して負のバイアスを基板ホルダ120にかけることができ、その間にプラズマチャンバ104は接地する。その代わりに、接地に対して正のバイアスをプラズマチャンバ104にかけることができ、基板ホルダ120は接地するか接地に対して負のバイアスをかけることができる。一部の実施形態では、抽出プレート電源136を用いて抽出プレート114にプラズマチャンバとは独立したバイアスをかけることができ、あるいは、抽出プレート114をフローティング(浮動)状態にすることができる。同様に、偏向電源134に、チャンバ電源132に対するバイアスをかけることができる。実施形態はこの関係に限定されない。
【0010】
以下に詳述するように、処理装置100は、(RF電力及びプラズマチャンバ内部のガス圧を制御することによって)プラズマ密度を制御し、並びにイオンエネルギー及びイオン角度分布(IAD)を制御するための制御システム150も含むことができる。制御システム150は、RF発生器105、質量流量コントローラ(図示せず)、及び抽出電圧系130の動作を指示するためのハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組合せを含むことができる。
【0011】
種々の実施形態では、基板ホルダ120を駆動装置(図示せず)に接続することができ、この駆動装置は、基板ホルダ120を、図に示すデカルト座標系のY軸に平行な方向に沿って移動させるように構成されている。他の実施形態では、基板ホルダ120を、X軸、Z軸、あるいはその両方に平行な方向に沿って移動可能にすることができる。このことは処理装置100に2つの自由度を与え、即ち、抽出開口に対する基板の相対位置を変更することを可能にして、基板122を開口116に対して走査することを可能にし、これにより、一部の例ではイオン118を基板122の全面にわたって供給することができる。
【0012】
種々の追加的実施形態では、そして以下に詳述するように、抽出プレート114は開口116を規定する分離された部分を有する。これらの分離された部分(
図1には図示せず)は、X軸、Z軸、またはその両方に平行な方向に沿って互いに対して移動可能にすることができる。
【0013】
図1Aにさらに例示するように、処理装置100は、開口116に近接して配置された偏向電極1
44を含む。偏向電極144及び抽出プレート114は、以下で説明するようにイオンビーム抽出を制御するために使用する抽出システムの一部分を形成することができる。種々の実施形態では、偏向電極144を、偏向電極電源134に結合される導電性の構成要素とすることができ、偏向電極電源134の動作は以下に詳述する。手短に言えば、偏向電極144は、開口116を通るイオンの抽出の光学系を調整するように機能することができる。例えば、
図1Aに例示するように、偏向電極144が開口116に近接して配置されている際に、イオン118を、開口116を通して2本の異なるイオンビームとして抽出することができる。特定の実施形態では、偏向電極電源134によって供給されて偏向電極144に印加されるバイアス電圧と独立して、抽出プレート電圧を抽出プレート114に印加するように、抽出プレート電源136を構成することができる。
【0014】
図1Bに、抽出プレート114及び偏向電極144の平面図を示す。この実施形態では、開口116及び偏向電極144がX軸に平行な方向に細長く延びて、イオン118をリボンビームとして抽出する。種々の実施形態では、図示するように、イオン118のX軸に沿ったイオンビーム幅を、基板122のx軸に沿った寸法よりも大きくすることができる。例えば、X軸に沿った基板寸法30cmについては、イオンビームの幅をそれより2、3cm広く、例えば33cmにして、基板122の全幅を1回の通過で処理することができる。本明細書で以下に開示する実施形態では、アンテナに送り届けられるRF電力、あるいは処理装置100の構成要素によってシステムの異なる要素に印加される電圧、並びに偏向電極144及び抽出プレート114の位置決めのようなシステムパラメータを調整して、イオンの抽出光学系を調整し、イオン・ビームレット(小ビーム)を基板122のような基板に供給することができる。
【0015】
図2A及び2Bに、処理装置200の抽出ジオメトリ(幾何学的配置)の詳細を示す。一部の実施形態では、処理装置200は処理装置100と同じ構成要素を含むことができる。
図2Aに示す実施形態では、偏向電極202が、抽出プレート205によって規定される開口204に近接して配置されている。抽出プレート205が大きなイオン電流をプラズマ208から流出させることを防止するために、抽出プレート205は次の2つの部分:抽出プレートの周囲にある大型の不導体部分206、及び小型の導体部分である内側部分207で作製され、内側部分207は開口204に隣接して配置され、開口204を包囲する。
図2Aに示す構成については、偏向電極202がプラズマ源の内部に配置されている。
図2Bに示す構成では、偏向電極202が、プラズマ208を含むプラズマチャンバ209の外側に配置されている。この構成の自然幾何学的な角度に起因して、大きな平均角度によって特徴付けられる角度分布を得ることができる。プラズマ208をプラズマチャンバ209内に発生させる際に、2つのプラズマ・メニスカス210が、偏向電極202と、開口204を規定する内側部分207のエッジとの間に形成される。内側部分207は抽出プレート電源214によってバイアスをかけることができ、偏向電極202は、別個の偏向電極バイアス電源215によってバイアスをかけることができる。基板222と電気接続された基板ホルダ221とプラズマ208を収容するプラズマチャンバ209との間に高電圧を印加すると、2つのイオン・ビームレット212が斜め入射で基板222に指向され、即ち、図に示すようにZ軸に対して0度でない角度を成す軌跡に沿って指向される。この高電圧は高電圧電源223によって供給され、
図2A及び2Bに示す構成については、この高電圧は基板ホルダ上に負の極性を有し、これにより正イオンがプラズマ208から抽出される。これらの種類の特徴は3D(三次元)半導体構造に共通する。種々の実施形態では、偏向電極202の位置並びに抽出電圧系(
図1の抽出電圧系130を参照)の異なる構成要素に印加される電圧のようなパラメータを調整して、基板222のような基板に指向されるイオンビームの入射角及び角度広がりを調整することができる。他の実施形態では、プラズマチャンバ209と基板ホルダ221/基板222との間に高い電圧差を高電圧電源223によって印加し、ここで正の極性はプラズマチャンバ209に与えられ、基板ホルダ221上は電気接地にされる。こうした構成では、抽出プレート電源214及び偏向電極バイアス電源215は高電圧電源223を基準とし、即ち、プラズマチャンバ電位でフローティング状態にある。
【0016】
図3A及び3Bに、処理装置200用の1つの動作シナリオを示し、ここでは第1組の条件下で一対のイオンビームをプラズマ208から抽出する。簡単のため、各イオンビーム302中のイオンは基板222に垂直な方向に対して同じ平均角度を成し、かつ同じ入射角の角度範囲を成すものと仮定することができ、特に断りのない限り、平均角度は垂直方向に対する角度の絶対値によって定義する。従って、垂直方向(Z軸方向)に対する角度(+)θ及び垂直方向に対する角度−θは同じ平均角度を構成するものと考えることができる。
図3Bに、好適な、対称なイオン角度分布310、312を示し、これらは一対のイオンビーム302の角度分布を表すことができる。図示するように、イオンビーム302の平均角度は、基板平面に垂直な方向(Z軸)に対して+/−20度である。
図3Bに示す角度分布は例示目的に過ぎず、ガウス分布形状のように示す。この種の分布については、角度広がりは単に半値全幅(FWHM:full width half maximum)として定義することができ、この場合およそ10度である。後に示すように、実際には、イオン角度分布はずっと複雑な形状を有することができ、抽出光学系のジオメトリ次第で、より小さい角度またはより大きい角度に向けて偏らせることができる。ガウス分布とは異なるすべての分布については、角度広がりは特定ビームレットの最大角と最小角との差の半分として定義することができる。
【0017】
図3C及び3Dに、処理装置200用の他の動作シナリオを示し、ここでは第2組の条件下で一対のイオンビーム308をプラズマ208から抽出する。簡単のため、各イオンビーム308中のイオンが、基板222に垂直な方向に対して同じ平均角度を成し、かつ入射角の同じ角度範囲を成すものと仮定することができる。
図3Dに、好適な、対称なイオン角度分布314、316を示し、これらは一対のイオンビーム308の角度分布を表すことができる。図示するように、イオンビーム308の平均角度は、基板平面に垂直な方向(Z軸)に対して+/−30度である。同様に、
図3に示す分布については、この分布の角度広がりは半値全幅(FWHM)であり、この場合およそ2度である。
【0018】
種々の実施形態によれば、イオンビーム302とイオンビーム308との間に現れるビームIAD特性(平均角度及び角度広がり)の変化は、種々のパラメータの変更の任意の組合せの変化によって生成することができる。ビーム形状の変化は、処理装置の真空を中断することなしに実現することができる。この理由で、本実施形態は、イオン平均入射角、角度広がり、換言すれば基板に供給されるイオンのイオン角度分布(IAD)のその場(in-situ)制御と称されるものを促進する。種々の実施形態によれば、イオン角度分布の「その場の」変化を、偏向電極202の位置の変更、開口サイズの変化、プラズマ208に送り届けられるRF電力の変更、ガス圧の変更、あるいは処理装置200の構成要素に印加する電圧の変更によって生成することができ、これらの電圧は、偏向電極202、基板ホルダ221/基板222、抽出プレート205、またはプラズマチャンバ209に印加する電圧を含む。実施形態はこの関係に限定されない。
【0019】
図4A及び4Bに、処理システム内のオブジェクト指向セル内粒子(OOPIC:object oriented particle in cell)シミュレーションの結果を、抽出プレート406に対する偏向電極402の位置の関数として示す。図に示す例では、サンプルイオンはAr
+である。プラズマと
基板との間の抽出電圧は3kVであるものと仮定し、偏向電極402には−100Vのバイアスを印加する。
図4Aでは、偏向電極402が抽出電極406の3.5mm上方に配置されているのに対し、
図4Bでは、偏向電極が抽出プレート406の4.5mm上方に配置されている。図示するように、偏向電極402が抽出プレート406からより遠くに移動するに連れて、イオン軌跡はより窄まる。また、偏向電極が抽出プレートからより遠くに移動するに連れて、Oy方向のビームレットの広がりは、より狭くなる。
【0020】
図5A〜Dに、OPERA(登録商標)ソフトウェアを用いた、抽出されたイオン・ビームレットのモデル化の結果を示す。
図5Aは、基板表面の位置におけるOy方向のイオン密度分布を、2kVの抽出電圧、偏向電極に印加される0Vのバイアス電圧、及び非バイアスの抽出プレートについて示す。完全に分離された対称な2つのビームレットが存在し、それぞれがOy方向に、5.2mmから9mmまで、及び−5.2mmから−9mmまでに及ぶ。これらのビームレットは、より大きいyの値に向けて強度に偏り、大部分のビームは±8.8mmの付近で基板表面に当たる。
図5Bに、ビームレット放出率、即ちOy方向のビーム位置に対する角度ビーム特性を示す。図からわかるように、大部分のイオンは13〜17度の角度で基板表面に当たりこれらのイオンは〜15度の平均角度及び〜4度の角度広がりを生じさせる。放出率曲線の方向性は、ビームレットが収束性であることを示している。
図5Cに、
図5Aと同一の条件であるが−300Vの偏向電極バイアス電圧についての、基板表面上のイオン密度分布を示す。この場合にも、2つの対称なビームレットが得られるが、これらは部分的に重なっている。これらのビームレットも基板の先端に向けて偏っているが、この場合、大部分のイオンは、それぞれ2.5〜3mm及び−2.5〜−3mmの間で基板に当たる。
図5Dに示すビーム放射率は、この場合、イオンが25〜30度の角度で基板に当たることを示している。これらのビームレットもわずかに収束性であるが、大部分のイオンは30度で表面に当たる。
【0021】
他の実施形態では、偏向電極または抽出プレートに印加するバイアス電圧を調整して、処理装置の開口を通して抽出されたイオンについて、イオンビーム軌跡、即ちイオン角度分布を制御することができる。特に、偏向電極電源が発生する第1バイアス電圧は、プラズマから抽出されたイオンの第1入射角を生成するように設定することができるのに対し、偏向電極電源が発生する第2の異なるバイアス電圧は、開口を通して抽出されたイオンの第1入射角とは異なる第2入射角を生成するように設定する。一部の実施形態では、偏向電極を単一電極とすることができ、この電極に単一のバイアス電極を印加するのに対し、他の実施形態では、偏向電極が複数の電極を構成することができ、これらの電極は互いに電気絶縁されて異なるバイアス電圧を受けることができる。
【0022】
図6Aに、種々の実施形態による処理装置600の一部分を形成する抽出システムの細部を示す。図示するように、この抽出システム(単独で図示せず)は、抽出プレート605及び偏向電極602を含み、偏向電極602は電気絶縁体603によって次の2つの偏向電極部分:偏向電極部分602a及び偏向電極部分602bに分離される。偏向電極602の各部分は、偏向電源615a、615bによって独立してバイアスをかけることができる。偏向電極電源615a、615bと偏向電極602との間の接続配線は、貫通電線616a及び616bを通してプラズマチャンバ609の内部に通すことができる。これらの貫通電線は、セラミックスリーブ(図示せず)によってプラズマ608から絶縁することもできる。抽出プレート605は、偏向電極602に近接して配置され、2つの絶縁体部分である外側部分606aと606b、及び2つの導電部分である内側部分607aと607bから成る。各内側部分607a、607bは、それぞれの抽出プレート電源614a及び614bによって独立してバイアスをかけることができる。プラズマ608を点孤すると、一対のプラズマ・メニスカス610が、一方では偏向電極部分602aと内側部分607aとの間に形成され、他方では偏向電極部分602bと内側部分607bとの間に形成される。
【0023】
簡単に、
図6B及び6Cに、単一の偏向電極−抽出プレート内側部分の対について、他のパラメータを一定に保ちつつ偏向電極バイアス電圧を変化させた際の、プラズマ・メニスカスの形状
の変化を例示する。図示するように、内側部分607bと偏向電極部分602bとの間に形成されるメニスカス610は、バイアス電圧を変化させると大幅に変化することができる。こうした形状の変化は、曲率半径の変化を含むことができ、あるいは、偏向電極602と交差する垂直プレートに対するメニスカスの傾斜の変化を含むことができる。この変化は、プラズマ608から抽出されたイオンのイオン軌跡の角度の変化をもたらす。同様に、
図6D及び6Eに、他のパラメータを一定に保ちつつ抽出プレート・バイアス電圧を変化させた際の、プラズマ・メニスカスの形状の変化を例示する。こうした形状の変化は、曲率半径の変化を含むことができ、あるいは、抽出プレートの先端を含む水平プレートに対するメニスカスの傾斜を含むことができる。このことは、プラズマ608から抽出されるイオンのイオン軌跡の角度の変化をもたらす。
【0024】
特定の実施形態では、偏向電極602のような偏向電極に印加する電圧を0v〜−500Vに変化させることができる。負の電位により、プラズマシースが偏向電極表面の前方に展開する。このプラズマシースの厚さは次式:
【数1】
によって与えられ、ここに、Vは負のバイアス電位の絶対値であり、T
eは電子温度であり、λ
Dは次式:
【数2】
によって与えられるデバイ(Debye)長であり、ここに、ε
0は自由空間の誘電率であり、k
Bはボルツマン定数であり、eは素電荷であり、n
eは電子密度である。
【0025】
図6B〜Eに戻れば、図面を明瞭にするために、
図6Aに示す点線によって長方形領域を定める。
図6Bでは、偏向電極部分602bに印加する電圧V
Bが第1の値を有し、この値は、
図6Cにおいて偏向電極に印加する電圧V
Cよりも小さい。
図6Bでは、プラズマシース650が比較的薄く、結果的なプラズマ・メニスカスは、その相手方の、
図6C中に形成されるプラズマ・メニスカス632と比べれば、相対的に(水平X−Y平面を基準として)より水平に傾斜している。このことは、平面Oxyに垂直な方向660に対する平均角度βを生じさせ、このことを、プラズマ608から抽出されるイオンビーム640のイオンについて示す。
図6Cを参照すれば、電圧V
Cがより小さい負の値であるので、プラズマシース652が相対的により厚い。プラズマ608は、偏向電極部分602bに隣接した所で、相応に、プラズマチャンバ内のさらに遠くに押しやられる。その結果、プラズマ・メニスカス632の位置及び形状が変化して、より垂直に向いたプラズマ・メニスカス632が生じる。このことは、イオンビーム642のイオンについて、
図6Bの平均角度βに比べてより大きなイオン平均角度χをもたらす。
【0026】
図6Dでは、内側部分607bに印加する電圧V
Dが、
図6Eにおいて抽出プレートに印加する電圧V
Eよりも小さい第1の値を有する。
図6Dでは、プラズマシース654が比較的薄く、結果的なプラズマ・メニスカス634が、その相手方の、
図6E中に形成されるプラズマ・メニスカス636と比べれば、相対的に(水平X−Y平面を基準として)より垂直に傾斜している。このことは、平面Oxyに垂直な方向660に対する平均角度δを生じさせ、このことを、プラズマ608から抽出されるイオンビーム644のイオンについて示す。
図6Eを参照すれば、電圧V
Eがより小さい負の値であるので、プラズマシース656が相対的により厚い。プラズマ608は、内側部分607bに隣接した所で、相応に、プラズマチャンバ609(
図6A参照)内のさらに遠くに押しやられる。その結果、プラズマ・メニスカス636の位置及び形状が変化して、より水平に向いたプラズマ・メニスカス636が生じる。このことは、イオンビーム642のイオンについて、
図6Dの平均角度δに比べてより小さなイオン平均角度εをもたらす。
【0027】
なお、一部の実現では、偏向電極602を次の2つの対称な偏向電極部分:偏向電極部分602a及び偏向電極部分602bで構成することができ、同様に、抽出プレート605は、次の2つの対称な部分:
図6Aに示す内側部分607a、内側部分607bを有することができる。このことは、
図6Aに示唆するように偏向電極602の互いに反対側の側面上に形成される対称なメニスカスの形成を生じさせることができる。従って、
図6B、6C、6D、及び6Eのシナリオでは、イオンビーム640、642、644、及び646に加えて、上記垂直な方向660に対して−β、−χ、−δ、及び−εの平均角度を有する第2のイオンビーム(図示せず)を発生することができる。他の実施形態では、バイアス電源614aと614b及び615aと615bによって駆動されるそれぞれのバイアス電圧を独立して制御することができる。このようにして、偏向電極部分602aと内側部分607aとの間に形成される第1メニスカスの形状及び配向を、偏向電極部分602b及び内側部分607bによって決定される第2メニスカスと異ならせることができる。この場合、第1及び第2メニスカスから発生するビームレット毎に異なるイオン角度分布を得ることができる。偏向電極部分602a及び602b上のバイアス電圧が同一であり、抽出プレート605の内側部分607a及び内側部分607bのバイアス電圧が同一であるが、これらは偏向電極のバイアス電圧とは必ずしも等しくない場合、処理装置600は、平均角度θと−θ、及び同じ角度広がりΔθによって特徴付けられる2つの対称なビームレットを送り届けるように構成される。異なるイオン角度分布を得るために、バイアス電圧を次の異なる方法で設定することができる:偏向電極部分602a及び602bのみに(異なる電圧または等しい電圧の)バイアスをかけるか、抽出プレート605の内側部分607a及び内側部分607bのみに(異なる電圧または等しい電圧の)バイアスをかけるか、偏向電極部分602aと偏向電極部分602b、及び内側部分607aと内側部分607bに共にバイアスをかけるか、あるいは抽出プレート・バイアスと偏向電極バイアスとの任意の組合せを適用するか、のいずれかを行う。
【0028】
なお、本実施形態では、偏向電極の(Y−Z平面内の)断面形状を、長方形、三角形、円形、楕円形、等のような、プラズマ・メニスカスの制御を行うのに適したあらゆる好都合な形状にすることができる。これに加えて、偏向電極はプラズマ源の内部またはプラズマ源の外側に配置することができる。
【0029】
図7A〜Cは、平均角度、角度広がり、及びイオンビーム電流の測定値の実験結果を、
図6A〜
6Eに関して上述したように抽出プレート開口と共に配置した偏向電極に印加したバイアス電圧の関数として示す。次の2つの特定条件:1keV及び3keVのイオンエネルギーを示す。偏向電極に印加したバイアス電圧は0〜−330Vの範囲である。抽出プレートにはバイアス電圧を印加していない。
図7Aから明らかなように、偏向電極に印加した減少する負のバイアス電圧の関数として、平均角度の直線的増加が生じている。このバイアス電圧範囲全体にわたって、1keVのイオンビーム・エネルギーについては平均ビーム角度が15度から36度まで変化し、3keVのイオンビーム・エネルギーについては18度から25度まで変化し、より大きな角度は(Z軸に沿った)垂直入射からのより大きな角度偏差を表す。この変化は、それぞれ、1keVのビームエネルギーについてはバイアス電圧の1ボルト当たり0.06度の平均角度の変化を表し、3keVのビームエネルギーについては、印加したバイアス電圧の1ボルト当たり0.02度の平均角度の変化を表す。平均角度対バイアス電圧のこうした傾きの差は、抽出光学系の異なる静電設定の差に起因して現れ、3keVの抽出電圧(ビームエネルギー)では、電気力線が1keVの抽出電圧よりも深くプラズマ中に突出し、その結果、より高い抽出電圧では、バイアス電圧がプラズマ・メニスカスを形作ることが、より低い抽出電圧におけるよりも困難になる。従って、
図6A〜6Eの実施形態により構成された処理装置は、偏向電極に印加されるバイアスを容易に到達可能な電圧範囲全体にわたって変化させることによって、基板に指向されるイオンのイオンビーム入射角を調整するための好都合な方法を提供する。
【0030】
図6A〜6Eによって示唆するように、プラズマ・メニスカスの配向の変化を生じさせ、これによりビーム角度の変化を生じさせることに加えて、偏向電極に印加する電圧の変化は、プラズマ・メニスカスの曲率を変化させることができる。こうした変化は、プラズマから抽出されるイオンの異なるイオン角度広がりを生じさせることができる。
図7Bに示すように、バイアス電圧の絶対値が増加するに連れて、イオン角度分布はより狭まり、0のバイアス電圧における8度から−330ボルトにおける4〜5度に下がる。
【0031】
偏向電極バイアス電圧を変化させることによる角度分布特性の変化は、抽出されるイオンビーム電流の変化によって実現される。
図7Cに示すように、バイアス電圧の絶対値が増加するに連れて、抽出されるイオンビーム電流は、それぞれ、3keVのイオンビーム・エネルギーの場合9mAから6mAまで単調減少し、1keVのイオンビーム・エネルギーの場合6mAから3mAまで単調減少する。この効果は、次の2つの物理現象:メニスカス面積の減少、及び偏向電極付近のイオン密度の減少の結果である。
【0032】
種々の追加的な実施形態では、偏向電極または抽出プレートに印加する電圧を、抽出ジオメトリのその場(in situ)調整と共に調整することができ、抽出ジオメトリは、とりわけ、偏向電極と開口との相対位置、開口の相対的サイズ、及び異なる偏向電極構成要素どうしの相対位置、及び異なる開口プレート構成要素どうしの相対位置を含む。
【0033】
特定実施形態では、偏向電極と抽出プレートとが相互動作して、偏向電極または開口プレートの移動のように、少なくとも1つの抽出構成要素を他の構成要素に対して移動させることによって、抽出されたイオンビームの入射角を調整することができる。一部の例では、偏向電極の移動が、偏向電極の第2部分に対する偏向電極の第1部分の移動を含むことができる。同様に、他の例では、開口プレートの移動が、開口プレートの第2部分に対する開口プレートの第1部分の移動を含むことができる。こうした移動の任意の組合せによって、イオン・ビームレットを抽出するために用いるメニスカスの形状またはサイズ、あるいはその両方を変更することができ、これにより入射角及び角度広がりを変更することができる。
【0034】
図8A〜8Dに、異なる実施形態による処理装置内の異なる抽出構成要素の動作の例示を示す。これらの抽出構成要素は、これらの例示中の偏向電極及び開口プレートを含む。
図8Aには、処理装置800の一部分を例示し、非導電性部分806aと806b、及び導電性の内側部分807aと807bで構成される抽出プレート805を示す。抽出プレート805はプラズマ808に隣接して配置されている。偏向電極802は、内側部分807a及び807bによって規定される開口(単独で図示せず)に隣接して配置されている。本実施形態では、偏向電極802が、図示するデカルト座標系のZ軸に平行な軸809に沿って移動可能である。この軸809は、抽出プレート805の平面を規定するX−Y平面に直交する。従って、偏向電極802は抽出プレート805から離れるように移動するか、抽出プレート805に向かって移動することができる。一部の例では、偏向電極802を、抽出プレート805のさらに下方に移動するように構成することができる。
図6A〜6Dを参照して上述したように、偏向電極802、及び抽出プレート805の内側部分807aと807bを電圧源(図示せず)に結合して、偏向電極802の電圧も抽出電極805の電圧も変化させることができる。
【0035】
図4A及び4Bに関して上述したように、偏向電極の動きが、プラズマ808のようなプラズマから抽出されるイオンのイオン軌跡の変化を生じさせることができる。
図8Aの処理装置では、偏向電極802及び内側部分807a、807bに印加する電圧を一定のままにしつつ、偏向電極802を抽出電極805に対して移動させることができる。この動き自体が、プラズマ・メニスカス810及び811の形状を変化させることができる。しかし、他の実施形態では、偏向電極802または内側部分807a及び807bに印加する電圧を、軸809に沿った偏向電極802の移動と共に変化させることができる。このような偏向電極802の移動に伴う抽出構成要素に印加する電圧の結合変化は、プラズマ808から抽出されたイオンの平均イオン角度及びイオン角度分布に対する追加的制御を提供する。
【0036】
他の実施形態によれば、偏向電極を次の2つの部分:
図8Bに示す偏向電極部分822a及び822bで構成することができる。
図8Bには、処理装置820の一部分を例示し、非導電性部分826aと826b、及び導電性の内側部分827aと827bで構成される抽出プレート825を示す。これらの部分は軸829に沿って独立して移動することができ、軸829はデカルト座標系のOz軸に平行である。抽出プレート825の内側部分827a及び827bに対する偏向電極部分822a及び822bの相対位置を変化させることによって、プラズマ・メニスカス830及び831の形状を変化させて、抽出されるイオン・ビームレットの異なるイオン平均角度及び角度分布を生じさせることができる。これに加えて、偏向電極部分822a及び822bに印加するバイアス電圧、または内側部分8
27a及び8
27bに印加するバイアス電圧を、偏向電極部分822a及び822bの軸8
29に沿った移動と共に変化させることができる。このような偏向電極部分822a及び822bの移動に伴う抽出構成要素に印加するバイアス電圧の結合変化は、プラズマ808から抽出されるイオンの平均イオン角度及びイオン角度分布に対する追加的制御を提供する。
【0037】
図8Cに、抽出プレート845を含む処理装置840の例を提供し、抽出プレート845は、非導電性部分である外側部分846aと846b、及び導電性部分である内側部分847aと847bで構成される。抽出プレートは独立して移動可能な部分を有し、外側部分846aと内側部分847aで構成される部分852、及び外側部分846bと内側部分847bで構成される部分854として示す。部分852及び部分854の各々は、Y軸に平行に位置する軸849に沿って移動可能である。部分852及び854は、軸849に沿って互いに逆向きに移動させると、抽出プレート開口の幅を増加または減少させることができる。こうした幅の変化は、偏向電極842と抽出プレート845の内側部分847a及び847bのそれぞれとの間に形成されるプラズマ・メニスカス850及び851の形状及び位置を変化させる働きをする。
【0038】
図8Dに、処理装置860の他の実施形態を示し、ここでは抽出プレート866が独立して移動可能な部分を含み、部分863及び865として示す。部分863及び部分865の各々は、Z軸に平行に位置する軸869に沿って移動可能である。
図8Dに例示するように、この動きは、抽出プレート866が段違い構造を有することを可能にし、部分863及び865の互いに対する移動によって、これらの部分が異なる平面P1、P2内に配置され、各平面はX−Y平面に平行にすることができる。
抽出プレート866は、非導電性部分である外側部分867a及び867bを含む。抽出プレート866は、導電性部分である内側部分866a及び866bも含む。抽出プレート866は、さらに偏向電極862を含む。図示する例では、このことが、プラズマ・メニスカス870、871として示す2つの異なるプラズマ・メニスカスを生じさせ、これらは互いに形状が異なる。こうした形状の相違は、抽出電圧を印加した際にプラズマ808からプラズマ・メニスカス870、871を通して抽出されるイオンビーム(図示せず)の異なる平均角度を生成するために有効である。プラズマ・メニスカス871のように低い方の部分に隣接するプラズマ・メニスカスを、より垂直に配向させて、平面P2に垂直な方向からより大きな角度偏差を有する平均角度を生成することができることも特徴的である。種々の実施形態では、単一の処理システムが、
図8A〜8Dに示す種々の抽出構成要素の移動能力を含むことができる。従って、抽出システムは、抽出プレートに対する偏向電極の別個の部分の動き、並びに抽出プレートの別個の部分の互いに対する相対運動を、互いに直交する方向に提供することができる。
【0039】
種々の追加的実施形態では、抽出プレートが複数の開口を含むことができ、少なくとも1つの開口は偏向電極を含む。
図9に、処理装置900の一部分を示し、処理装置900は、3つの開口904、914、及び924を設けた抽出プレート910を含む。偏向電極902、912、及び922は、それぞれ開口904、914、及び924に近接して配置される。種々の実施形態では、偏向電極902、912、及び922の各々に別個の電圧源を設けることができ、これらの電圧源は、簡単のため電圧V
1、V
2、及びV
3として示す電圧の独立制御を可能にする。抽出電圧をプラズマと基板930との間に印加すると、このことは、抽出プレート910がプラズマ908から3つの異なるイオンビーム集合906、916、及び926を同時に抽出することを可能にすることができ、図示するように、異なるイオンビーム集合間で平均角度が異なる。このことは、基板を軸940に沿って1回の通過ですべての開口904、914、924の下を走査する際に、異なる入射角を有するイオンを基板930に供給するために有用であり得る。なお、種々の追加的な実施形態では、複数開口の抽出プレートにおいて、それぞれの開口に対する偏向電極の位置、並びに開口の幅、及び異なる抽出プレート部分どうしのZ軸に沿った相対位置を、
図8A〜8Dに強調表示するように調整可能にすることができる。
【0040】
図10に、他の実施形態による処理装置1000の一部分を示し、この部分は、3つの開口904、1014、及び1024を設けた抽出プレート910を含む。偏向電極902及び1012は、それぞれ開口904、1014に近接して配置され、偏向電極1012がプラズマチャンバ(図示せず)の外側に配置されること以外は
図9の実施形態と同様である。偏向電極1012を開口1014の付近であるがプラズマチャンバの外側に配置することは、
図2Bに示すように非常に大きな平均角度を有するイオンビーム1016の抽出を可能にする。さらに、本実施形態では、開口1024に近接して配置される偏向電極はない。この場合、単一のイオンビーム
(イオンビーム1026
)が開口1024から抽出される。開口1024のY方向に沿った幅に応じて、
メニスカスの形状を変化させることができる。
図10に示す例では、プラズマ1008から開口1024を通して抽出されるイオンビーム1026の結果的なイオン軌跡を、Z軸に接近するように合わせて、イオンビーム1026がほぼ垂直な入射で基板930に当たるようにする。抽出プレート910によって提供されるイオン軌跡の組合せは、レリーフ(浮き彫り)の特徴1010のような基板の特定の特徴を処理するために有用である。
図10に示すように、処理装置1000はイオンビーム906、1016、1026を発生し、基板930を軸940に沿って往復の通過で走査する際に、これらのイオンビームは、各レリーフの特徴1010の両側面1030、1050及び水平面1040に当たる。
【0041】
本発明は、本明細書に記載する特定実施形態によって範囲を限定されない。実際に、本発明の他の種々の実施形態、及び本発明の変形例は、本明細書に記載したものに加えて、以上の説明及び添付した図面より通常の当業者にとって明らかである。従って、こうした他の実施形態及び変形例は本発明の範囲内に入ることを意図している。さらに、本明細書では、本発明を特定環境における特定目的での特定の実現に関連して説明してきたが、その有用性はそれらに限定されず、本発明はいくつもの環境においていくつもの目的で有益に実現することができることは、通常の当業者の認める所である。従って、以下に記載する特許請求の範囲は、本明細書に記載した本発明の全幅及び全精神を考慮して解釈するべきである。