【文献】
Guang−ming Shi et al.,High resolution image reconstruction: A new imager via movable random exposure,16th IEEE International Conference on Image Processing(ICIP),米国,IEEE,2009年11月 7日,1177−1180
【文献】
笹尾 朋貴 他,画素形状のランダム符号化に基づく超解像,電子情報通信学会論文誌(J96−D) 第8号 THE IEICE TRANSACTIONS ON INFORMATION AND SYSTEMS (JAPANESE EDITION),一般社団法人電子情報通信学会 THE INSTITUTE OF ELECTRONICS,INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS,2013年 8月 1日,第J96−D巻,1778−1789
【文献】
三池 秀敏 他,パソコンによる動画像処理 第1版,森北出版株式会社,1993年 7月14日,第1版,8−10
【文献】
Yair Rivenson and Adrian Stern,Compressed Imaging With a Separable Sensing Operator,IEEE Signal Processing Letters,米国,IEEE,2009年 3月16日,Vol.16,No.6,449−452
【文献】
平林 晃 他,L1最小化と部分射影フィルタによる圧縮センシングからのノンスパース信号高精度再構成,SSII2014 第20回画像センシングシンポジウム 講演論文集 [CD−ROM] The 20th Symposium on Sensing via Image Information,日本,画像センシング技術研究会,2014年 6月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理デバイスが、前記再構成基底行列を使用して、前記複数の圧縮測定値から前記物体の復元画像を生成するようにさらに構成される、請求項1に記載の圧縮センシング撮像システム。
前記処理デバイスが、スパース化演算子を適用して、前記再構成基底行列を使用して前記複数の圧縮測定値から前記物体の復元画像を生成するようにさらに構成される、請求項2に記載の圧縮センシング撮像システム。
開口素子からなる開口配列と前記開口配列の前記開口素子を通過する光を検出するためのセンサとを含むレンズレスカメラユニットをさらに備える、請求項1に記載の圧縮センシング撮像システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の様々な態様について、添付図面を参照しながら以下に記述する。図面内の同様の番号は図面の記述の中の同様の要素を指す。記述および図面は本開示の原理を単に説明する。様々な構造、システム、およびデバイスは、説明のみを目的とし、また、当業者にはよく知られている詳細によって本発明を曖昧にしないように記述および図面の中で図示されており、当業者は、本明細書に明確に記述または図示されていないが本開示の原理を具現し、その趣旨および範囲に含まれる様々な構成を考案することができる。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「または(or)」は、特に断りのない限り(例えば、またはそれ以外に(or else)」もしくは「または代替的に(or in the alternative)」)、非排他的な「または」を表す。さらに、要素間の関係を記述するために使用される語は、特に断りのない限り、直接の関係、または要素間に介在する要素の存在を含めて広義に解釈されるべきである。例えば、ある要素が他の要素に「接続されている」または「結合されている」と表されたとき、その要素は他方の要素に直接接続もしくは結合されていてもよいし、または、介在する要素が存在してもよい。対照的に、ある要素が他の要素に「直接接続されている」または「直接結合されている」と表されたとき、介在する要素は存在しない。同様に、「の間(between)」、「に隣接する(adjacent)」などの用語は、同様に解釈されるべきである。
【0018】
文脈によって明確に示されない限り、単数形は複数形もまた含む。また、用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」および「含んでいる(including)」は、本明細書で使用するとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を明確に示すが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素および/またはそれらのグループの存在を除外しないことがさらに理解される。
【0019】
図1は、圧縮撮像取得および再構成のシステム100(システム100)の概略例を示す。物体110から反射する入射光105がカメラユニット115によって受け取られ、カメラユニット115が、決定された数の圧縮用の
シーケンス行
列120を使用して複数の中間圧縮測定値を生成する。さらに中間圧縮測定値が処理されて、物体110の圧縮画像を表す圧縮測定値125が生成される。物体110の圧縮画像を表す圧縮測定値125は、記憶/伝送ユニット130によって記憶(または伝送)されてもよい。再構成ユニット135が、決定された再構成行列150を使用して圧縮測定値125から物体110の復元画像140を生成する(例えば、ディスプレイユニットでの表示のため)。
【0020】
図1には、ユニットは別々に示されているが、これは単に、本開示を理解しやすくするためである。他の態様では、前述したユニットのいずれかまたはすべての機能が、これより少ないか、これより多くのユニットを使用して実装されてもよい。さらに、様々なユニットに属する機能が、単一の処理デバイスによって実装されてもよいし、複数の処理デバイス間に分散されてもよい。適切な処理デバイスのいくつかの例は、カメラ、カメラシステム、携帯電話、パーソナルコンピュータシステム、タブレット、セットトップボックス、スマートフォン、またはデータを取得、処理、もしくは出力するように構成された、あらゆるタイプのコンピューティングデバイスを含む。
【0021】
一実施形態では、単一の処理デバイスがシステム100の各ユニットの機能を提供するように構成されてもよい。単一の処理デバイスは、例えば、1つまたは複数の命令を記憶するメモリ、および、その1つまたは複数の命令を実行するためのプロセッサを含んでもよく、その命令は実行されたときに、ユニットに帰する機能を提供するようにプロセッサを構成してもよい。単一の処理デバイスは、処理デバイスとの間で情報の入力または出力を行うための1つまたは複数の入出力構成要素などの、コンピューティングデバイスに通常備わる他の構成要素を含んでもよく、それらは、カメラ、ディスプレイ、キーボード、マウス、ネットワークアダプタなどを含む。
【0022】
別の実施形態では、ネットワークを介して遠隔地のリモート処理デバイスと通信可能に相互接続されている第1の場所に、ローカル処理デバイスが備えられてもよい。ローカル処理デバイスは、ローカル物体110の圧縮測定値125を生成し、ネットワークを介してリモート処理デバイスに提供する機能を有して構成されてもよい。そして、リモート処理デバイスは、下記に説明する態様によって、ローカル処理デバイスから圧縮測定値を受け取り、再構成基底行列150を使用して圧縮測定値125から再構成画像140を生成し、リモートユーザに対して再構成画像を表示するように構成されてもよい。ローカル処理デバイスおよびリモート処理デバイスはそれぞれ、単一の処理デバイスに類似する装置を使用して実装されてもよく、単一の処理デバイスの場合と同様に、1つまたは複数の命令を記憶するメモリ、その1つまたは複数の命令を実行するためのプロセッサ、および、様々な入出力構成要素を含んでもよい。ネットワークは、イントラネット、インターネット、または、1つもしくは複数の有線もしくは無線ネットワークのあらゆるタイプもしくは組み合わせであってもよい。
【0023】
図2は、物体110の圧縮画像を表す圧縮測定値125を圧縮センシング撮像を使用して取得するための、レンズレスカメラユニット115の例を示す。レンズレスカメラユニット115の特定の実施形態について説明するが、これは制限として解釈されてはならず、本開示の原理は、圧縮センシング撮像システムの他の実施形態に適用されてもよい。
【0024】
物体110から反射された入射光105はカメラユニット115で受け取られ、ここで光105は、N個の個々の開口素子からなる開口配列220を通過することを選択的に許可され、センサ230に当たる。カメラユニット115は、開口配列220およびセンサ230の1つまたは複数の属性に基づいて決定される複数の
シーケンス行
列を使用してセンサ230からの出力を処理し、中間圧縮測定値を生成する。圧縮測定値125は物体110の圧縮画像を集合的に表しており、中間圧縮測定値を使用して決定される。
【0025】
圧縮を実現するために、物体110の圧縮画像として取得される圧縮測定値125の数Mは、Nピクセル画像を生成するためにN個のピクセルセンサを有する従来のカメラシステムで取得されるN個の生データ値よりも、通常、著しく少ない。よって、従来の、生データ値を取得した後の圧縮の必要が少なくなるか、またはなくなる。実際には、圧縮測定値の数Mは、M個の圧縮測定値を使用して再構成されるNピクセル画像140の画質と圧縮の程度との間の所望のバランスに基づいて、配列220のN個の開口素子に関連して予め選択されていてもよい。
【0026】
図2に示される配列の例220は、64個(N=64)の別個の開口素子からなる2次元の8×8配列であり、配列220の個々の素子が表形式の「[行,列]」表記を使用して一意に識別され得るように、2次元の行と列の形式で配置されている。よって、例示的に、配列220の最初の行内の最初の素子は220[1,1]として参照され、配列220の最後の行の最後の素子は220[8,8]として参照される。
【0027】
実際には、配列220のサイズおよび形式は、画像140の所望の解像度に応じて、これよりもずっと多くの(または少ない)素子数を有する場合もある。単に例として、配列220は、画像140の所望の画像解像度640×480ピクセルに対する640×480(N=307200)の素子の配列であってもよいし、または、画像140のさらに高い所望の解像度に対する1920×1080(N=2073600)の素子の配列であってもよい。
【0028】
配列220を通過してセンサ230に到達する光105の所与の時における全体的透過率は、配列の1つまたは複数の個別開口素子の透過率を設定することによって変化させられ得る。例えば、開口素子220[1,1]から220[8,8]までの1つまたは複数の素子の透過率を選択的かつ個別に変更して、所与の時に配列220を通過してセンサ230に到達する光105の量を増減させることによって、配列220の全体的透過率を調節することができる。
【0029】
完全に開いている(例えば、完全に有効化またはアクティブ化されている)開口素子は、その開いている素子を光105が通過してセンサ230に到達できるようにするが、完全に閉じている(例えば、完全に無効化または非アクティブ化されている)開口素子は、その配列220の閉じた素子を光105が通過して光子検出器230に到達しないように妨害または阻止する。開口素子は部分的に開き(または部分的に閉じ)、光105の全部ではなく一部のみを通過させて、その部分的に開いた(または部分的に閉じた)素子を介してセンサ230に到達するようにしてもよい。よって、個々の開口素子の集合的な状態(例えば、開いている、閉じている、または部分的に開いているか閉じている)は開口配列220の全体的透過率を決定し、したがって、所与の時にセンサ230に到達する光105の量を決定する。
【0030】
一実施形態では、開口配列220は、個別に選択可能なN個のマイクロミラーからなるマイクロミラー配列である。別の実施形態では、開口配列120は、NエレメントのLCD配列であってもよい。別の実施形態では、開口配列220は、透過率が選択的に制御可能な、任意の電子的または光学的構成素子の適切な配列であってもよい。
【0031】
カメラユニット115は、複数の
シーケンス行
列内の圧縮基底情報に従って開口配列220の全体的透過率を選択的に調節することによって中間圧縮測定値を生成するように構成される。中間圧縮測定値のそれぞれは、配列220のN個の開口素子のうち特定のいくつかが、ある
シーケンス行
列120の特定の圧縮基底の示すパターンに従って選択的に(完全かまたは部分的に)開かれているか閉じているときに、特定の時間の間に配列220を通ってセンサ230に到達する光105の、決定された合計(または総計)として理解されてもよい。
【0032】
本開示の1つの特徴は、下記に詳細に説明するように決定されるS個の
シーケンス行
列のそれぞれを使用して、M個の中間圧縮測定値が取得されることである。S≧2であるので、少なくとも2M個の中間圧縮測定値が決定され、それが処理されて、下記に詳細に説明するように、物体110の圧縮画像を表すM個の圧縮測定値125が生成される。M個の圧縮測定値125を再構成行列150と共に使用して、物体110の復元画像140が再構成または生成される。本開示の別の特徴は、あるカーネル関数に基づいて
シーケンス行
列が決定され、そのカーネル関数が配列220およびセンサ230の属性に基づいて決定されることである。本開示の、これらおよび他の態様について、下記に詳細に説明する。
【0033】
一般に、決定された
シーケンス行
列120はM個の圧縮基底b
1,b
2,…b
Mのセットであり、次にそのそれぞれが配列220に適用されて、M個の中間圧縮測定値のそれぞれ1つが生成される。
シーケンス行
列120内の各測定基底b
1,b
2,…b
Mは、それ自体が、配列220の開口素子の数Nに対応するN個の値の配列であり、数学的には次式のとおりに示される。
【数1】
【0034】
例えば、
図2に示す実施形態では、所与の
シーケンス行
列120の圧縮基底b
k(k∈[1…M])のそれぞれは、後に説明するように、値b
k[1]からb
k[64]のセットであり、その各値は集合[0,1]に正規化される。したがって、所与の圧縮基底のそれぞれの値は、“0”、“1”、または、“0”と“1”の間の実数であってもよく、そのそれぞれが、8×8の開口配列220内のそれぞれの開口素子の、対応する状態(例えば、全閉、全開、または中間状態)を決定する。
【0035】
所与の圧縮基底b
kを配列220に適用して、ある時間t
kの対応する中間圧縮測定値が次のように生成される。b
k[1]からb
k[64]までのそれぞれの値を使用して、配列220の対応する素子の状態(全開、全閉、または部分的に開もしくは閉)が設定され、センサ230に到達する光105の検出された合計または総計が、対応する中間圧縮測定値の値として決定される。このようにして、合計M×S個の中間圧縮測定値が生成される。ここでMは各
シーケンス行
列120の圧縮基底の数であり、Sは
シーケンス行
列の数である(ここで、S≧2)。
【0036】
システム100の動作例について、
図3のプロセス300と関連させて説明する。読者を助けるための概要として、ステップ302から308は、
シーケンス行
列120の決定について説明する。ステップ310は、
シーケンス行
列120を使用して取得された中間圧縮測定値から、物体110の圧縮画像を表す圧縮測定値125を決定することについて説明する。ステップ312は、再構成行列150を使用して圧縮測定値125から物体110の復元画像を生成することについて説明する。
【0037】
下記に記載されるステップが単に説明を目的とし、ここに存在するステップが修正または省略されてもよく、別のステップが追加されてもよく、一定のステップの順序が変更されてもよいことが理解されるべきである。
【0038】
図3のプロセス300を参照すると、
シーケンス行
列120の決定は、ステップ302で、N×Nカーネル行列Kの計算で開始する。カーネル行列Kは、配列220およびセンサ230の幾何学的形状および属性に基づいて決定される。カーネル行列は、下記のように決定されてもよい。
【0039】
一実施形態では、カーネル行列はセンサ230の感度関数および配列220の特性関数に基づいて計算される。まず、センサ230の感度関数F(x,y)が決定される。ここでF(x,y)は、光がセンサ上の直交座標の点x,yに当たったときのセンサ230の応答である。好ましくは、センサ230は、センサのどこに光が当たるかによってセンサ応答(言い換えれば、センサ感度)が変動しない(または、あまり変動しない)ように、広い検知領域および一様な(または、ほぼ一様な)感度関数F(x,y)を有するように選択されるが、これは必須ではない。
【0040】
次に、所与の開口素子Eの特性関数E(x,y)が、直交座標の点x,yが開口素子の領域内にある場合はE(x,y)=1、点x,yが開口素子の領域外にある場合はE(x,y)=0となるように、配列の各開口素子について特性関数が定められる。
【0041】
次に、センサ230の感度関数および配列220の開口素子の特性関数を使用して、カーネル関数k(x,y)が、k(x,y)=E*Fとして定められる。ここで、演算子*は2次元(2D)畳み込み演算を示す。離散カーネル関数k(row,column)が、
【数2】
として定められる。ここで、E
row,columnは、行列表記を使用して配列220の特定の開口素子Eを識別する。
【0042】
あるいは、別の実施形態では、離散カーネル関数は、カメラユニット115を点光源(例えば、レーザー光源またはカメラユニット115に対して実質的に点光源である別の光源)を使用して較正することによって取得されてもよいことに留意されたい。
【0043】
最後に、N×Nカーネル行列Kが、離散カーネル関数から、K・I
1D=(k(row,column)*I
2D)
1Dとして計算される。ここで、1Dは2D配列の1次元(1D)ベクトル形式を示し、Iは任意のNピクセル画像である。
【0044】
ステップ304で、再構成行列150を指定することにより
シーケンス行
列120の決定が続行する。再構成行列は、例えば制限等長性などの、圧縮センシング撮像で使用するために適した属性をもつ任意のM×N行列でもよい。一実施形態では、したがって、再構成行列150は、そのような再構成行列の項または値が+1または−1のどちらかであって、行が相互に直交しているという知られている属性をもつ、ランダムまたは擬似ランダムに並べ替えられたN×Nアダマール行列から行が選択されるM×N行列であってもよい。
【0045】
ステップ306で、M×Nのセンシング行列Aを計算することにより
シーケンス行
列120の決定が続行する。ここで、センシング行列は、A=[a
ij]=RK
−1として計算され、Rはステップ304で計算されたM×Nの再構成行列であり、K
−1はステップ302でセンサ230および配列220の属性に基づいて決定されたN×Nカーネル行列KのM×N逆行列であり、[a
ij]はi=1,…,Mおよびj=1,…,Nについてのセンシング行列Aの値である。
【0046】
センシング行列Aは配列220およびセンサ230の属性に基づいて決定されるM×N行列であるが、
シーケンス行
列120として直接使用するには適さないということが示唆される。その理由は、少なくとも再構成行列Rの負の値から明らかになるように、センシング行列Aの1つまたは複数の値[a
ij]が0≦a
i,j≦1を満たさないためである。実際、センシング行列Aは負および正の大きな値を含むことがあり、それらは配列220の開口素子の条件を設定するためのパターンとして使用するには実用的ではない(または、おそらく使用することが不可能である)。
【0047】
その結果、ステップ308で、センシング行列Aがさらに分解されて、下記のように、集合[0,1]の中にある値をもつ
シーケンス行
列120になる。下記の説明は、
シーケンス行
列に集合[0,1]の中の値をもたせる場合に対応するが、下記の開示はセンシング行列Aを他のセットの中の値をもつように分解する場合にも適用可能であることに留意されたい。
【0048】
所与のセンシング行列Aについて、次のように定義する。
【数3】
【0049】
次に、下記の擬似コードアルゴリズムを使用して、A
+がP
+個のM×N
シーケンス行
列
【数4】
に分解される。ここで、i=1,…,M、j=1,…,N、k=1,…,P
+である。
【数5】
【0050】
次に、上記のアルゴリズムに基づいて、行列A
−が同様に分解されて、P
−個のM×N
シーケンス行
列
【数6】
となることができる。ここで、i=1,…,M、j=1,…,N、k=1,…,P
−である。
【0051】
結果のP
+個のM×N
シーケンス行
列
【数7】
の値がすべて
【数8】
を満たし、同様に、結果のP
−個のM×N
シーケンス行
列
【数9】
のそれぞれの全ての値もまた
【数10】
を満たすことに留意されたい。
【0052】
センシング行列を上記の
シーケンス行
列に分解すると、次の式が得られる。
【数11】
【0053】
ステップ310で、決定された
シーケンス行
列
【数12】
および
【数13】
がそれぞれ配列220に提供されて、前述したように、中間圧縮測定値が得られる。例えば、一実施形態では、M×N
シーケンス行
列
【数14】
がそれぞれ配列220に適用され、対応するM個の中間圧縮測定値のセットの測定値ベクトル
【数15】
が生成される。同様に、M×N
シーケンス行
列
【数16】
のそれぞれもまた配列220に適用され、対応するM個の中間圧縮測定値の測定値ベクトル
【数17】
が生成される。
【0054】
ステップ312で、プロセスは、ステップ310で決定された中間圧縮測定値から物体110の圧縮画像を表す圧縮測定値125を決定し、その圧縮測定値125から物体110の復元画像を再構成することを含む。
【0055】
具体的には、M個の圧縮測定値125が、中間圧縮測定値
【数18】
および
【数19】
を使用して、次のとおり決定される。
【数20】
【0056】
物体110の復元画像Iは、圧縮測定値125および再構成行列150を使用して、次のとおり決定されてもよい。
【数21】
【0057】
ここで、Wはスパース化演算子、IはN個の値をもつ画像140の1次元行列表現、Rはステップ304で決定された再構成基底行列、y=Y
1,Y
2,Y
3,…Y
Mは、
シーケンス行
列を使用して得られた中間圧縮測定値に基づき取得された圧縮測定値125の列ベクトルである。スパース化演算子Wは、例えば、ウェーブレットを使用して、または、全変動を使用して生成されてもよい。
【0058】
前述した、プロセスのステップ304から312は、1つの画像または動画フレームについて繰り返されてもよいし、1回行われてもよい。ステップ302は、例えば、配列220またはセンサ230に変更がある場合に別のカーネル行列Kが所望されるのでない限り、繰り返す必要はない。
【0059】
本開示により、多数の利点が得られると考えられる。まず、本開示には圧縮センシング撮像に適した改良型のレンズレスカメラユニットが記載されており、このカメラユニットは、M個の圧縮測定値を生成するために配列220を使用して多数の測定値(少なくとも2×M個)が取得されることによる高い信号対雑音比をもつ、より高品質の画像を弱光下で提供する。さらに、測定値は、開口配列およびセンサの特定の属性を考慮して取得される。続いて、本開示は、可視スペクトルおよび不可視スペクトルを含む光の全スペクトルの画像に適する。加えて、本開示は、センサの所与の幾何学的形状およびサイズについて、特に、他の方法ではソフトな(比較的不鮮明な)画像を生成することが知られている、比較的大きなセンサおよび開口配列について、より鮮明な(例えば、大量のディテールを有する)画像をキャプチャする方法もまた提供する。
【0060】
本開示の1つまたは複数の態様がハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせを使用して実装されてもよいことが理解される。
図4は、本開示の1つまたは複数の態様を実装するために適した処理デバイスまたは装置400の例の上位レベルブロック図を示す。装置400は様々な入出力デバイス404およびメモリ406に通信可能に相互接続されたプロセッサ402を備える。
【0061】
プロセッサ402は、汎用中央処理ユニット(CPU)または、組み込みマイクロコントローラもしくはデジタル信号プロセッサ(DSP)などの専用マイクロプロセッサなどの、任意のタイプのプロセッサであってもよい。入出力デバイス404は、プロセッサ402の制御下で動作し、本開示によって装置400との間でデータの入出力を行うように構成される、例えば、レンズカメラもしくはレンズレスカメラ、またはビデオキャプチャデバイスなどの、任意の周辺デバイスであってもよく、開口配列およびセンサを含んでもよい。入出力デバイス404は、従来技術のネットワークアダプタ、データポート、ならびに、キーボード、キーパッド、マウス、またはディスプレイなどの様々なユーザインタフェースもまた含んでもよい。
【0062】
メモリ406は、データおよびプロセッサ402によって実行可能な命令を含む電子情報を記憶するために適した任意のタイプのメモリであってもよい。メモリ406は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブメモリ、コンパクトディスクメモリ、光メモリなどのうち1つまたは組み合わせとして実装されてもよい。さらに、装置400は、オペレーティングシステム、キューマネージャ、デバイスドライバ、または、1つまたは複数のネットワークプロトコルもまた含んでもよく、一実施形態では、それらはメモリ406に記憶され、プロセッサ402によって実行されてもよい。
【0063】
メモリ406は、実行可能命令およびデータを記憶する非一時的メモリを含んでもよく、その命令はプロセッサ402によって実行されると、前述した様々な態様およびステップによる機能を装置400に行わせるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ402は、命令が実行されると、圧縮測定値の取得または再構成に関する前述した機能のすべてもしくは一部と通信、それらを制御、またはそれらを実施するように構成されてもよい。プロセッサは、
シーケンス行
列、中間圧縮測定値、圧縮測定値を決定し、前述したとおりに決定された再構成行列を使用して、復元画像または動画を生成するように構成されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、プロセッサ402は、例えばネットワークを介して相互接続している別の装置400と通信し、かつ/またはその装置400を制御するようにもまた構成されてもよい。そのような場合、本明細書で開示される機能は、スタンドアロンの装置400のそれぞれに統合されてもよいし、1つまたは複数の装置400の間に分散されてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ402はまた、別々の場所に置かれ、それぞれと通信可能に相互接続された(例えば、クラウドコンピューティング環境内で)、複数の相互接続プロセッサとして構成されてもよい。
【0065】
図4には特定の装置構成が示されているが、本開示が任意の特定の実装にも制限されないことが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で開示される機能のすべてまたは一部が、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを使用して実装されてもよい。
【0066】
本明細書の態様について特定の実施形態を参照しながら説明してきたが、これらの実施形態は本開示の原理および適用例を単に説明するものであることが理解されるべきである。したがって、これらの説明的実施形態に多数の修正を加えることができること、および、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく他の構成を考案できることが理解されるべきである。