(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475274
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】移動通信システムにおける端末の速度を用いて基地局と通信する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 36/32 20090101AFI20190218BHJP
H04W 36/04 20090101ALI20190218BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20190218BHJP
【FI】
H04W36/32
H04W36/04
H04W16/32
【請求項の数】16
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-40765(P2017-40765)
(22)【出願日】2017年3月3日
(62)【分割の表示】特願2013-538664(P2013-538664)の分割
【原出願日】2011年11月15日
(65)【公開番号】特開2017-127011(P2017-127011A)
(43)【公開日】2017年7月20日
【審査請求日】2017年3月3日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0113600
(32)【優先日】2010年11月15日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】ジン−キュ・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−スン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュ−ホ・イ
【審査官】
松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/126105(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/126106(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/126107(WO,A1)
【文献】
国際公開第2010/106763(WO,A1)
【文献】
特開2007−166000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおいて、端末(user equipment)が制御情報を送信する方法であって、
次にアクセスするべき基地局にアクセスする前に前記端末の移動性に対する情報を決定するステップと、
前記移動性に対する情報を用いて次にアクセスするべき基地局を選択するステップと、
前記選択された基地局にアクセスして、前記選択された基地局から速度報告を要請するメッセージをトラフィックチャンネルを通して受信するステップと、
前記速度報告を要請するメッセージの受信に応答して、前記移動性に対する情報が含まれた制御情報を前記基地局に送信するステップと、
前記移動性に対する情報に基づいて、前記基地局と初期交渉を遂行するステップと、
前記移動性に対する情報に基づいてハンドオーバ遂行のためのターゲット基地局を決定し、前記決定されたターゲット基地局に対する情報を前記トラフィックチャンネルを通して送信するステップと、を含むことを特徴とする制御情報の送信方法。
【請求項2】
前記移動性に対する情報は、前記端末が測定した移動速度に対する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の制御情報の送信方法。
【請求項3】
前記ネットワークは、少なくとも一つのマクロセルと前記少なくとも一つのマクロセルに含まれる少なくとも一つのマイクロセルとを含み、
前記測定した移動速度が閾値未満である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマイクロセルの内部に存在し、
前記測定した移動速度が前記閾値以上である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマクロセルの内部に存在することを特徴とする請求項2に記載の制御情報の送信方法。
【請求項4】
前記移動性に対する情報は、前記制御情報に含まれた前記端末の能力報告のための情報に含まれることを特徴とする請求項1に記載の制御情報の送信方法。
【請求項5】
ネットワークにおける端末(user equipment)であって、
次にアクセスするべき基地局にアクセスする前に前記端末の移動性に対する情報を決定し、前記移動性に対する情報を用いて次にアクセスするべき基地局を選択する制御部と、
前記選択された基地局にアクセスして前記選択された基地局から速度報告を要請するメッセージをトラフィックチャンネルを通して受信し、前記速度報告を要請するメッセージの受信に応答して前記移動性に対する情報が含まれた制御情報を前記基地局に送信し、前記移動性に対する情報に基づいて、前記基地局と初期交渉を遂行し、前記移動性に対する情報に基づいてハンドオーバ遂行のためのターゲット基地局を決定し、前記決定されたターゲット基地局に対する情報を前記トラフィックチャンネルを通して送信する送受信部と、を含むことを特徴とする端末。
【請求項6】
前記端末の移動速度を測定する速度測定部をさらに含み、
前記移動性に対する情報は、前記移動速度に対する情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記ネットワークは、少なくとも一つのマクロセルと前記少なくとも一つのマクロセルに含まれる少なくとも一つのマイクロセルとを含み、
前記測定した移動速度が閾値未満である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマイクロセルの内部に存在し、
前記測定した移動速度が前記閾値以上である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマクロセルの内部に存在することを特徴とする請求項6に記載の端末。
【請求項8】
前記移動性に対する情報は、前記制御情報に含まれた前記端末の能力報告のための情報に含まれることを特徴とする請求項6に記載の端末。
【請求項9】
ネットワークにおける基地局が制御情報を受信する方法であって、
端末が前記基地局にアクセスする際に、前記基地局にアクセスした前記端末(user equipment)に速度報告を要請するメッセージをトラフィックチャンネルを通して送信するステップと、
前記速度報告を要請するメッセージの送信に応答して前記端末の移動性に対する情報が含まれた制御情報を受信するステップと、
前記制御情報に含まれる前記端末の移動性に対する情報に基づいて、前記端末と初期交渉を遂行するステップと、
前記移動性に対する情報に基づいて決定されたハンドオーバ遂行のためのターゲット基地局に対する情報を前記トラフィックチャンネルを通して前記端末から受信するステップと、を含むことを特徴とする制御情報の受信方法。
【請求項10】
前記移動性に対する情報は、前記端末が測定した移動速度に対する情報を含むことを特徴とする請求項9に記載の制御情報の受信方法。
【請求項11】
前記ネットワークは、少なくとも一つのマクロセルと前記少なくとも一つのマクロセルに含まれる少なくとも一つのマイクロセルとを含み、
前記測定した移動速度が閾値未満である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマイクロセルの内部に存在し、
前記測定した移動速度が前記閾値以上である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマクロセルの内部に存在することを特徴とする請求項10に記載の制御情報の受信方法。
【請求項12】
前記移動性に対する情報は、前記制御情報に含まれた前記端末の能力報告のための情報に含まれることを特徴とする請求項9に記載の制御情報の受信方法。
【請求項13】
ネットワークにおける基地局であって、
端末が前記基地局にアクセスする際に、前記基地局にアクセスした前記端末(user equipment)に速度報告を要請するメッセージをトラフィックチャンネルを通して送信し、前記速度報告を要請するメッセージの送信に応答して、前記端末の移動性に対する情報が含まれた制御情報を受信し、前記制御情報に含まれる前記端末の移動性に対する情報に基づいて、前記基地局と初期交渉を遂行し、前記移動性に対する情報に基づいて決定されたハンドオーバ遂行のためのターゲット基地局に対する情報を前記トラフィックチャンネルを通して前記端末から受信する送受信部を含む
ことを特徴とする基地局。
【請求項14】
前記移動性に対する情報は、前記端末が測定した移動速度に対する情報を含むことを特徴とする請求項13に記載の基地局。
【請求項15】
前記ネットワークは、少なくとも一つのマクロセルと前記少なくとも一つのマクロセルに含まれる少なくとも一つのマイクロセルとを含み、
前記測定した移動速度が閾値未満である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマイクロセルの内部に存在し、
前記測定した移動速度が前記閾値以上である場合、前記基地局は、前記少なくとも一つのマクロセルの内部に存在することを特徴とする請求項14に記載の基地局。
【請求項16】
前記移動性に対する情報は、前記制御情報に含まれた前記端末の能力報告のための情報に含まれることを特徴とする請求項13に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける通信手順に関する方法及び装置に関し、特に、無線通信システムにおいて端末で測定された速度を、セルを選択する等の通信手順に利用するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、無線通信システムは、高い移動性を有する端末に高いデータ伝送率をサポートするためにセル(cell)をより小型化する方向に進化している。これによってマイクロセルとマクロ(macro)セルが共存するようになり、端末がどんなセルと接続するかは、全体的なシステムの性能に大きい影響を及ぼすようになる。
【0003】
図1は、マイクロセルとマクロセルが共存する移動通信システムを示す図である。以下の説明で、セルまたは基地局(又はノードB)は、同じ意味で使用される。
【0004】
図1を参照すれば、マクロセル100内部に複数のマイクロセル110、120、130、140、150、160が存在する。ただし、無線通信システムで、マイクロセル110、120、130、140、150、160は、必ずマクロセル100内部に位置することではなく、マクロセル100の外部にも存在することができる。
【0005】
一方、端末の移動速度は、サービスカバレッジ領域内で高速でも、低速でもある。符号170は、端末が低速で移動する場合を示し、符号180は端末が高速で移動する場合を示す。
【0006】
低速で移動する端末170は、符号130のマイクロセル領域内に相当の時間にわたって位置する可能性が高いために、端末170に対したサービング(serving)セルは、マクロセル100よりは該当マイクロセル130で決定されることが望ましい。一方、高速で移動する端末180の場合、上記端末が現在位置するマイクロセル120領域内に位置する時間は短いだろう。したがって、該当マイクロセル120が端末180に対したサービングセルとして決定される場合、該当端末180が他のマイクロセル領域に高速で移動するために、ハンドオーバ手続が非常に頻繁に進行されなければならない負担がある。したがって、高速で移動する端末180の場合、マイクロセル120よりはマクロセル100がサービングセルとして決定されることがより効率的である。すなわち、端末の移動速度に基づいて該当端末にサービスを提供するセルを決定することによって、システムの効率性を高めることができる。
既存の移動通信システムでは、端末または基地局がチャンネルを推定し、推定されたチャンネルによって端末の速度を推定して端末がハンドオーバするターゲットセルまたはサービングセルを決定する方式を使用した。しかしながら、このようにチャンネル推定によって端末の速度を推定する方式はその正確性が落ちる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−200858号公報
【特許文献2】特開2006−5597号公報
【特許文献3】特開2009−182413号公報
【特許文献4】特開平9−51571号公報
【特許文献5】特開2007−227996号公報
【特許文献6】国際公開第2010/016222号
【特許文献7】国際公開第2010/068634号
【特許文献8】特表2012−512563号公報
【特許文献9】国際公開第2003/088691号
【特許文献10】国際公開第2005/041609号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は上記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明は、端末が測定した速度を用いて通信手順を遂行する方法及び装置を提供する。
【0009】
本発明は、端末が測定した速度を用いて基地局主導のハンドオーバ手続を遂行する方法及び装置を提供する。
【0010】
本発明は、端末が測定した速度を用いて端末主導のハンドオーバ手続を遂行する方法及び装置を提供する。
【0011】
本発明は、端末が測定した速度を用いてランダムアクセス手続を遂行する方法及び装置を提供する。
【0012】
本発明は、端末が測定した速度を用いて基地局との初期交渉手続を遂行する方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような目的を達成するために、本発明の実施形態の一態様によれば、少なくとも一つのマクロセルと重なる少なくとも一つのマイクロセルを含む無線ネットワークにおいて、端末(User Equipment;UE)が自身の速度情報を用いて上記ネットワークと通信を行うための方法を提供する。上記方法は、端末が自身の移動速度を測定するステップと、上記測定速度に基づいて測定結果を生成するステップと、上記測定結果に基づいて上記ネットワークへのフィードバック、測定報告、ランダムアクセス及び端末能力報告のうち少なくともいずれか一つの動作を行うステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の実施形態の他の態様によれば、少なくとも一部分が少なくとも一つのマクロセルと重なる少なくとも一つのマイクロセルを含む無線ネットワークにおいて、端末(User Equipment;UE)自身の速度情報を用いて上記ネットワークと通信を行うための端末を提供する。上記端末は、端末自身の移動速度を測定する速度測定部と、上記測定速度に基づいて測定結果を生成し、上記特定結果に基づいて上記ネットワークへのフィードバック、測定報告、ランダムアクセス及び端末能力報告のうち少なくともいずれか一つの動作を行う制御部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、端末により測定された速度に基づいて多様な通信手順を行うために、端末の正確な速度に基づいて、ハンドオーバ遂行中にターゲット基地局を選択するか、ランダムアクセス中にサービング基地局を選択するか、基地局との初期交渉を行うことができる。したがって、端末の正確な状態に基づいて通信手順を行うためにシステムの効率性を高めることができる。
【0016】
本発明による実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面と共に述べる以下の詳細な説明から、一層明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】従来技術による、マイクロセルとマクロセルが共存する移動通信システムを示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態によるハンドオーバ手続を示す図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態によるハンドオーバ手続を示す図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態によるランダムアクセス手続を示す図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態による初期交渉手続を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態による端末装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。下記の説明において、同一の構成要素に対してはできるだけ同一の参照符号及び符号を付して説明する。以下の説明において、具体的な構成及び構成要素のような特定詳細は、ただ本発明の実施形態の全般的な理解を助けるだけのために提供される。したがって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、以下に説明される本発明の様々な変形及び変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。なお、公知の機能又は構成に関する具体的な説明は、明瞭性と簡潔性のために省略する。
【0019】
本発明で、端末は自身の速度を測定し、測定された速度を用いて所定の通信手順を遂行する。上記所定の通信手順は、例えば、基地局主導のハンドオーバ手続(Node B-led handover procedure)、端末主導のハンドオーバ手続(UE-led handover procedure)、ランダムアクセス手続(random access procedure)、基地局との初期交渉手続(initial negotiation procedure with a Node B)などであり得る。
【0020】
一方、上記二つのハンドオーバ手続のうち、どちらの方式が使われるかは、基地局の通信終了または端末の通信終了などに対応する事前設定によって決定されるか、基地局が決定してその決定された方式を端末に指示する方式で選択されることができる。
【0021】
図2は、本発明の基本概念を示す図である。
【0022】
本発明の端末210は、自身の速度を測定できる端末であることを仮定する。ここで、速度は加速度を含み得る。すなわち、端末210は自身の速度を測定できる手段、例えば、加速センサ(acceleration sensor)などを具備していると、上記加速センサを利用して自身の速度を測定することができる。このように加速センサを用いて端末210は自身の速度を測定する(1)。以後、端末210は測定された自身の速度を用いて基地局220と所定の通信手順を遂行する(2)。
【0023】
以下で本発明の多様な実施形態を説明する。以下の各実施形態は、別途に実施されるべきであることではなく、各実施形態の全体または一部の構成が相互結合され得る。
【0024】
本発明の第1の実施形態である基地局主導のハンドオーバ手続の場合、端末は自身の速度を測定し、上記測定された速度情報をサービング基地局にフィードバックすると、上記サービング基地局が上記端末の速度を考慮してターゲット基地局を決定してハンドオーバ手続を遂行する。
【0025】
本発明の第2の実施形態である端末主導のハンドオーバ手続の場合、端末は自身の速度を測定し、上記測定された速度を考慮してターゲットセルを決定し、決定されたターゲットセルを測定報告を通じて現在のサービング基地局に報告してハンドオーバ手続を遂行する。
【0026】
本発明の第3の実施形態であるランダムアクセス手続の場合、端末が自身の速度を測定し、上記測定された速度を考慮してサービングセルを決定して該当サービングセルに対するランダムアクセス(Radom Access)手順を遂行する。
【0027】
本発明の第4の実施形態である基地局との初期交渉手続の場合、端末が自身の速度を測定し、測定された速度情報を端末の能力情報(UE Capability)に挿入して、サービングセルに上記端末の能力情報を報告し、該当サービングセルとの初期交渉(initial negotiation)を遂行する。
【0028】
図3は、本発明の第1の実施形態によるハンドオーバ手続を示す図である。
【0029】
図3は基地局主導のハンドオーバ手続として、端末が自身の速度を測定し、測定された速度をサービング基地局に報告すれば、上記サービング基地局が上記測定された速度を用いてハンドオーバ手続を遂行する。
【0030】
ステップ310で、端末210は、加速センサなどを用いて自身の速度を測定する。
【0031】
ステップ320で、端末210は、上記測定された速度をサービング基地局220に送信して上記測定された速度を報告する。ステップ310の速度測定とステップ320の速度報告は、周期的又は非周期的に遂行され得る。
【0032】
周期的速度測定及び報告の場合、上記速度測定及び報告の周期は、端末210とサービング基地局220間で事前決定することができる。また、サービング基地局220が端末210に上記速度測定及び報告の周期に対する情報を提供することもできる。
【0033】
非周期的速度測定及び報告の場合、上記速度測定及び報告の時期を端末210が決定することができる。例えば、端末が自身の速度をモニターリングしながら所定基準に従う速度変化を検出すると、サービング基地局220に自身の速度を報告することができる。一方、上記速度測定及び報告の時期をサービング基地局220が決定することもできる。この場合、サービング基地局220が端末210に速度報告を要請するメッセージを送信するはずである。上記速度報告を要請するメッセージは、トラヒックチャンネルと共に送信されるか、別途の制御チャンネルを通じて送信されることができる。
【0034】
ステップ330で、基地局220は端末210の速度を考慮してターゲットセルを決定する。このステップで、サービング基地局220は所定閾値を設定する方式を使用することができる。例えば、端末210の速度が所定閾値以下であると、マイクロセルをターゲットセルとして決定し、端末210の速度が所定閾値を超過すると、マクロセルをターゲットセルとして決定する。
【0035】
ステップ340で、基地局220は端末210を上記決定されたターゲットセルにハンドオーバするために端末210とハンドオーバ手続を遂行する。ハンドオーバ手続は当業界でよく知られた手順であり、多様な方式で遂行され得る。しかしながら、これは、本発明の主な関心でないので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0036】
図4は、本発明の第2の実施形態によるハンドオーバ手続を示す図である。
【0037】
図4は端末主導のハンドオーバ手続として、端末が自身の速度を測定し、上記測定された速度を考慮してターゲットセルを決定して、上記決定されたターゲットセルを現在のサービング基地局に報告すれば、上記基地局が上記測定された速度を用いてハンドオーバ手続を遂行する。
【0038】
ステップ410で、端末210は加速センサなどを用いて自身の速度を測定する。
【0039】
ステップ420で、端末210は上記測定された速度を考慮してターゲットセルを決定する。このステップで、端末210は所定閾値を設定する方式を使用することができる。例えば、端末の速度が所定閾値以下であると、マイクロセルをターゲットセルとして決定し、端末の速度が所定閾値を超過すると、マクロセルをターゲットセルとして決定する。
【0040】
ステップ430で、端末210は上記決定されたターゲットセルに対する情報を現在のサービング基地局220に報告する。上記決定されたターゲットセルに対する情報はトラヒックチャンネルと共に送信されるか、別途の制御チャンネルを通じて送信されることができる。
【0041】
ステップ440で、サービング基地局220は端末210を該当ターゲットセルにハンドオーバするために、端末210とハンドオーバ手続を遂行する。ハンドオーバ手続は、当業界でよく知られた手順であり、多様な方式で遂行され得る。しかしながら、これは、本発明の主な関心でないので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0042】
図5は、本発明の第3の実施形態によるランダムアクセス手続を示す図である。
【0043】
図5で、端末は自身の速度を測定し、上記測定された速度を考慮してサービングセルを決定して該当サービングセルに対するランダムアクセス(Radom Access)手順を遂行する。
【0044】
ステップ510で、端末210は加速センサなどを用いて自身の速度を測定する。
【0045】
ステップ520で、端末210は上記測定された速度を考慮してサービングセルを決定する。このステップで、端末210は所定閾値を設定する方式を使用することができる。例えば、端末210の速度が所定閾値以下であると、マイクロセルをサービングセルとして決定し、端末の速度が所定閾値を超過すると、マクロセルをサービングセルとして決定する。
【0046】
ステップ530で、端末210は、上記決定されたサービング基地局220とランダムアクセス手続を遂行する。ランダムアクセス手続は当業界でよく知られた手順であり、多様な方式で遂行され得る。しかしながら、これは、本発明の主な関心でないので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0047】
図6は、本発明の第4の実施形態による初期交渉手続を示す図である。
【0048】
図6で、端末は自身の速度を測定し、測定された速度を端末の能力情報(UECapability)に挿入して、サービングセルに上記端末の能力情報を送信して該当サービングセルとの初期交渉(initial negotiation)を遂行する。
【0049】
ステップ610で、端末210は加速センサなどを用いて自身の速度を測定する。
【0050】
ステップ620で、端末210は測定された速度に対する情報を上記端末の能力情報に挿入する。上記端末の能力情報は、端末210のデータ率(rate)のような情報を含む情報としてサービング基地局220との初期交渉時に使用される情報である。
【0051】
ステップ630で、端末210は上記測定された速度に対する情報を含む端末の能力情報をサービング基地局220に送信する。
【0052】
ステップ640で、端末210と基地局220は、上記測定された速度に対する情報を考慮して初期交渉手続を遂行する。上記初期交渉手続は当業界でよく知られた手順であり、多様な方式で遂行され得る。しかしながら、これは、本発明の主な関心でないので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0053】
図7は、本発明の実施形態による端末装置を示す図である。
【0054】
図7で、端末装置700は、速度測定部710、制御部720、送受信部730を含む。
【0055】
速度測定部710は、端末装置700の速度を測定し、端末700の測定速度を制御部720に伝達する。速度測定部710は、加速センサを用いて端末700の速度を測定する方式を使用するが、速度測定の方式が加速センサによる速度測定方式にだけ限定されるものではない。
【0056】
制御部720は、端末700の測定された速度に対する情報を送受信部730を通じて基地局に送信する。以後、基地局と端末700の速度に対する情報を用いて通信手順を遂行する。
【0057】
ただし、制御部720の動作は、本発明の実施形態によって変わることができる。
【0058】
本発明の第1の実施形態である基地局主導ハンドオーバ手続の場合、制御部720の動作を説明する。
【0059】
端末が自身の速度を測定し、測定された速度をサービング基地局に報告すれば、上記サービング基地局が上記測定された速度を用いてハンドオーバ手続を遂行する。
【0060】
制御部720は、上記測定された速度を送受信部730を通じてサービング基地局に送信する。この時、速度測定と速度報告は周期的又は非周期的に遂行され得る。
【0061】
周期的速度測定及び報告の場合、上記速度測定及び報告の周期は、端末装置700と基地局間で事前決定することができる。また、基地局が端末700に上記速度測定及び報告の周期に対する情報を提供することもできる。
【0062】
非周期的速度測定及び報告の場合、上記速度測定及び報告の時期を制御部720が決定することができる。例えば、制御部720が速度測定部710により測定された端末700の速度をモニターリングしながら所定基準に従う速度変化を検出すると、サービング基地局に自身の速度を報告することができる。一方、上記速度測定及び報告の時期をサービング基地局が決定することもできる。この場合、制御部720はサービング基地局から速度報告を要請するメッセージを受信し、それに基づいて速度測定部710を制御してその結果を報告する動作を行う。上記速度報告を要請するメッセージは、トラヒックチャンネルと共に受信されるか、別途の制御チャンネルを通じて受信されることができる。以後、制御部720はサービング基地局が端末700の速度を考慮して決定したターゲットセルに対するハンドオーバ手続を上記基地局と遂行する。
【0063】
本発明の第2の実施形態である端末主導ハンドオーバ手続の場合、制御部720の動作を説明する。
【0064】
端末が自身の速度を測定し、上記測定された速度を考慮してターゲットセルを決定して、上記決定されたターゲットセルを現在のサービング基地局に報告すれば、上記サービング基地局が上記測定された速度に基づいてハンドオーバ手続を遂行する。
【0065】
制御部720は、上記測定された速度を考慮してターゲットセルを決定する。上記端末の速度を考慮してターゲットセルを決定するとき、制御部720は所定閾値を設定する方式を使用することができる。例えば、端末700の速度が所定閾値以下であると、マイクロセルをターゲットセルとして決定し、端末700の速度が所定閾値を超過すると、マクロセルをターゲットセルとして決定する等の方式が使われることができる。また、制御部720は上記決定されたターゲットセルに対する情報を送受信部730を通じて現在のサービング基地局に報告する。上記決定されたターゲットセルに対する情報はトラヒックチャンネルと共に送信されるか、別途の制御チャンネルを通じて送信されることができる。以後、制御部720は、該当ターゲットセルにハンドオーバするためにサービング基地局とハンドオーバ手続を遂行する。
【0066】
本発明の第3の実施形態であるランダムアクセス手続の場合、制御部720の動作を説明する。
【0067】
第3の実施形態で、端末は自身の速度を測定し、上記測定された速度を考慮してサービングセルを決定して該当サービングセルに対するランダムアクセス(Radom Access)手順を遂行する。
【0068】
制御部720は、測定された速度を考慮してサービングセルを決定する。端末700の速度を考慮してサービングセルを決定するとき、制御部720は所定閾値を設定する方式を使用することができる。例えば、端末700の速度が所定閾値以下であると、マイクロセルをサービングセルとして決定し、端末700の速度が所定閾値を超過すると、マクロセルをサービングセルとして決定する等の方式が使われることができる。以後、制御部720は、上記決定されたサービング基地局とランダムアクセス手続を遂行する。
【0069】
本発明の第4の実施形態である端末と基地局間の初期交渉手続の場合、制御部720の動作を説明する。
【0070】
第4の実施形態で、端末は自身の速度を測定し、測定された速度を端末の能力情報(UECapability)に挿入し、サービングセルに上記端末の能力情報を送信して該当サービングセルとの初期交渉(initial negotiation)を行う。
【0071】
制御部720は、測定された速度に対する情報を上記端末の能力情報に挿入する。上記端末の能力情報は、端末700のデータ率(data rate)などのような情報を含む情報として基地局との初期交渉ときに使用される情報である。以後、制御部720は、上記測定された速度に対する情報を含む端末の能力情報を送受信部730を通じて基地局に送信する。以後、制御部720は上記測定された速度に対する情報を考慮して基地局と初期交渉手続を遂行する。
【0072】
本発明の構成にともなう代表的な効果は次の通りである。
【0073】
本発明は、端末により測定された速度に基づいて多様な通信手順を遂行するために、端末の正確な速度に基づいて、ハンドオーバ遂行中にターゲット基地局を選択するか、ランダムアクセス中にサービング基地局を選択するか、基地局との初期交渉を遂行することができる。したがって、端末の正確な状態に基づいて通信手順を遂行するためにシステムの効率性を高めることができる。
【0074】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0075】
100 マクロセル
110、120、130、140、150、160 マイクロセル
170 低速で移動する端末
180 高速で移動する端末
210 端末
220 サービング基地局
700 端末、端末装置
710 速度測定部
720 制御部
730 送受信部