特許第6475280号(P6475280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6475280抗ウイルス治療用の2’−フルオロ置換カルバヌクレオシド類似体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475280
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】抗ウイルス治療用の2’−フルオロ置換カルバヌクレオシド類似体
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6561 20060101AFI20190218BHJP
   C07F 9/6574 20060101ALI20190218BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20190218BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20190218BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20190218BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20190218BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190218BHJP
【FI】
   C07F9/6561 ZCSP
   C07F9/6574 Z
   A61K31/675
   A61P1/16
   A61P31/12
   A61P31/14
   A61P43/00 121
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】167
(21)【出願番号】特願2017-77366(P2017-77366)
(22)【出願日】2017年4月10日
(62)【分割の表示】特願2016-6833(P2016-6833)の分割
【原出願日】2011年3月22日
(65)【公開番号】特開2017-119726(P2017-119726A)
(43)【公開日】2017年7月6日
【審査請求日】2017年4月10日
(31)【優先権主張番号】13/050,820
(32)【優先日】2011年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/885,917
(32)【優先日】2010年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】イソップ チョー
(72)【発明者】
【氏名】チョウン キム
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン レイ
【審査官】 吉海 周
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−517912(JP,A)
【文献】 特表2006−526629(JP,A)
【文献】 特表2004−520367(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/036407(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/002877(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/132135(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/132123(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0203015(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C07F
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式V
【化201】
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の化合物またはその医薬上許容可能な塩であり;
式中:
はCHであり;
はOC(O)CHであり;

【化202】
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であり;
YはOであり;
およびWは、それぞれ独立して、式IVa基
【化203】
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であり、式中:
各Yは、Oであり;
各Yは独立して、O、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは、式IVb基
【化204】
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であり、式中:
各M1a、M1c、およびM1dは、0であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、−C(=Y)OR、−OC(=Y)R、−SC(=Y)R、(C〜C)アルキル、C〜C20アリール、もしくはC〜C20アリールアルキルであり;
式中、Rの各C〜C20アリールは、1〜3個のR20基で置換もしくは非置換であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキルもしくはC〜C20カルボシクリルであり;
式中、Rの各(C〜C)アルキルは、1つまたは複数のヒドロキシで置換もしくは非置換であり;
は、NHであり;
は、Hであり;ならびに
各R20は独立して、ハロゲンである、
化合物またはその医薬上許容可能な塩。
【請求項2】
構造
【化205】
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【化206】
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【化207】
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を有する、化合物またはその医薬上許容可能な塩。
【請求項3】
治療有効量の請求項1もしくは2に記載の化合物またはその医薬上許容可能な塩および医薬上許容可能な担体を含む、フラビウイルス感染を治療するための医薬組成物。
【請求項4】
インターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、他の抗線維剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、Toll様受容体−7(TLR−7)アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV 内部リボソーム進入部位(IRES)阻害剤、薬物動態エンハンサーおよび他のHCV治療薬;またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加治療薬をさらに含む、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記ウイルス感染がC型肝炎ウイルス感染である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記ウイルス感染がC型肝炎ウイルスのS282T突然変異体に起因する、請求項5に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、抗ウイルス活性化合物、より具体的にはフラビウイルス感染に対して活性を示すヌクレオシド、最も具体的にはC型肝炎ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
フラビウイルス族を含むウイルスには、分類可能な少なくとも3つの属(ペスチウイルス、フラビウイルス、およびヘパシウイルス)が含まれる(Calisher, et al., J. Gen. Virol., 1993, 70, 37−43)。ペスチウイルスは多くの経済的に重要な動物疾患(ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、従来型ブタ熱ウイルス(CSFV、豚コレラ)およびヒツジのボーダー病(BDV)など)を引き起こすが、ヒト疾患におけるそれらの重要性は十分に特性化されていない(Moennig, V., et al, Adv. Vir. Res. 1992, 48, 53−98)。フラビウイルスは重要なヒト疾患(デング熱および黄熱病など)に関与するのに対し、ヘパシウイルスはヒトのC型肝炎ウイルス感染を引き起こす。フラビウイルス族に起因する他の重要なウイルス感染としては、西ナイルウイルス(WNV)、日本脳炎ウイルス(JEV)、ダニ媒介性脳炎ウイルス、クンジンウイルス、マーレーバレー脳炎、セントルイス脳炎、オムスク出血熱ウイルスおよびジカウイルスが挙げられる。フラビウイルス科ウイルス族感染は、合併して、世界的に有意な死亡率、罹患率および経済損失を引き起こす。したがって、フラビウイルス感染の効果的な治療を開発する必要性がある。
【0003】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界的に慢性肝疾患の主因であるため(Boyer, N. et al. J Hepatol. 32:98−1 12, 2000)、現在の抗ウイルス研究において、ヒトにおける慢性HCV感染の改善された治療方法の開発に大きな関心が向けられている(Di Besceglie, A.M. and Bacon, B. R., Scientific American, Oct.: 80−85, (1999);Gordon, C. P., et al, J. Med. Chem. 2005, 48, 1−20;Maradpour, D.;et al., Nat. Rev. Micro. 2007, 5(6), 453−463)。いくつかのHCV治療は、Bymock et al. in Antiviral Chemistry & Chemotherapy, 11 :2;79−95 (2000)により概説されている。
【0004】
RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)は、新規HCV治療薬開発のために最も研究されている対象の1つである。NS5Bポリメラーゼは、早期ヒト臨床試験における阻害剤の対象である(Sommadossi, J.、WO01/90121A2号、米国特許第2004/0006002A1号)。これらの酵素は、選択的阻害剤の同定スクリーニングアッセイを用いて生化学的および構造的レベルで広範囲にわたって特性化されている(De Clercq, E. (2001) J. Pharmacol. Exp.Ther. 297:1−10;De Clercq, E. (2001) J. Clin. Virol. 22:73−89)。HCVは実験室で複製されず、細胞ベースのアッセイおよび前臨床動物系の開発が困難であるため、HCV療法開発においてNS5Bなどの生化学的対象が重要である。
【0005】
現在、主に2つの抗ウイルス化合物、リバビリン(ヌクレオシド類似体)およびインターフェロンアルファ(α)(IFN)があり、これらはヒトにおける慢性HCV感染治療に使用されている。リバビリン単独では、ウイルスRNAレベル低減に有効ではなく、有意な毒性を有し、貧血を誘発することが知られている。IFNとリバビリンの併用は、慢性C型肝炎の管理において有効であることが報告されているが(Scott, L. J., et al. Drugs 2002, 62, 507−556)、この治療施行時に継続的な便益を示すのは一部の遺伝子型の感染患者の半分未満である。C型肝炎ウイルス治療におけるヌクレオシド類似体の使用について開示している他の特許出願は、WO01/32153号、WO01/60315号、WO02/057425号、WO02/057287号、WO02/032920号、WO02/18404号、WO04/046331号、WO2008/089105号およびWO2008/141079号などであるが、HCV感染の追加治療は未だ患者にとって利用不能である。
【0006】
慢性感染患者における大量な1日ウイルス産生およびHCVウイルスの高い自然易変性のため、慢性HCV感染患者をウイルス学的に治癒することは困難である(Neumann, et al, Science 1998, 282, 103−7;Fukimoto, et al., Hepatology, 1996, 24, 1351−4;Domingo, et al., Gene, 1985, 40, 1 −8;Martell, et al., J. Virol. 1992, 66, 3225−9)。実験抗ウイルスのヌクレオシド類似体は、HCVウイルスをインビボおよびインビトロ共に生存できる突然変異を誘発することが示されている(Migliaccio, et al., J. Biol. Chem. 2003, 926;Carroll, et al., Antimicrobial Agents Chemotherapy 2009, 926;Brown, A. B., Expert Opin. Investig. Drugs 2009, 18, 709−725)。したがって、抗ウイルス特性が改善され、特にウイルス耐性株に対する活性が高まり、経口生物学的利用能が改善され、望ましくない副作用が少なく、効果的なインビボ半減期が延長された薬剤(De Francesco, R. et al. (2003) Antiviral Research 58:1−16)が、早急に必要とされている。
【0007】
核酸塩基ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン、イミダゾ[1,5−f][1,2,4]トリアジン、イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジン、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−f][1,2,4]トリアジンの特定のリボシドについて、Carbohydrate Research 2001, 331(1), 77−82;Nucleosides & Nucleotides (1996), 15(1 −3), 793−807;Tetrahedron Letters (1994), 35(30), 5339−42;Heterocycles (1992), 34(3), 569−74;J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1985, 3, 621 −30;J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1984, 2, 229−38;WO2000056734号;Organic Letters (2001), 3(6), 839−842;J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 1999, 20, 2929−2936;およびJ. Med. Chem. 1986, 29(1 1), 2231−5に開示されている。しかしながら、これらの化合物は、HCV治療に有用であるとは開示されていない。
【0008】
抗ウイルス、抗HCV、および抗RdRp活性を有する、ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,5−f][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジニル、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−f][1,2,4]トリアジニル核酸塩基のリボシドについて、Babu, Y. S.、WO2008/089105号およびWO2008/141079号;Cho, et al.、WO2009/132123号およびFrancom, et al.、WO2010/002877号により開示されている。Butler, et al.、WO2009/132135号には、ヌクレオシド糖類の1’位が置換されている抗ウイルスのピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,5−f][1,2,4]トリアジニル、イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジニル、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−f][1,2,4]トリアジニルヌクレオシドについて開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
フラビウイルス族ウイルスを阻害する化合物を提供する。本発明はまた、細胞核酸ポリメラーゼではなく、ウイルスの核酸ポリメラーゼ、特にHCV RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)を阻害する式Iまたは式IV〜VIの化合物を含む。式Iまたは式IV〜VIの化合物は、HCVウイルスの野生型およびS282T突然変異株の両方に対して有効であることが見出された。したがって、式Iまたは式IV〜VIの化合物は、ヒトおよび他の動物のフラビウイルス感染の治療に有用である。
【0010】
1つの実施形態では、式I:
【化1】
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式I
の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩を提供し;
式中:
は(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
はハロゲンであり;
各R、R、もしくはRは独立して、H、OR、N(R、N、CN、NO、S(O)、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
または隣接炭素原子上のR、RもしくはRの任意の2つが一緒になって−O(CO)O−であるか、またはそれらが結合している環炭素原子と一緒になって二重結合を形成しており;
はH、OR、N(R、N、CN、NO、S(O)、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
各nは独立して、0、1、もしくは2であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、もしくは−SONR1112であり;
はH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、もしくは
【化2】
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であり;
各YもしくはYは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
およびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;またはWもしくはWの1つはRもしくはRのいずれかと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり;または
各WおよびWは、独立して、式Ia基
【化3】
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式Ia
であり、式中:
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは独立して、Rもしくは式
【化4】
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であり、式中
各M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、R、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)(N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、−N(R)C(=Y)N(R)、−SONR、−CN、−N、−NO、−OR、もしくはWであり;または同一炭素原子上の2つのRは一緒になったときに、3〜7個の炭素原子の炭素環を形成し;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20置換アリール、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20置換ヘテロシクリル、アリールアルキルもしくは置換アリールアルキルであり;
は、WもしくはWであり;WはR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SO、もしくは−SOであり;ならびにWは独立して、0〜3個のR基に置換されている炭素環もしくは複素環であり;
各XもしくはXは独立して、C−R10もしくはNであり;
各Rは、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NNHR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11、−C(=O)NR1112、−C(=S)NR1112、−C(=O)OR11、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキル、OR11もしくはSR11であり;
各RもしくはR10は独立して、H、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NHNR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11、−C(=O)NR1112、−C(=S)NR1112、−C(=O)OR11、R11、OR11もしくはSR11であり;
各R11もしくはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;またはR11およびR12はそれらが共に結合している窒素と一緒になって3〜7員複素環を形成し、前記複素環の炭素原子の任意の1つは−O−、−S−もしくは−NR−に置換されていることができ;
式中、各R、R、R、R、R、R11もしくはR12の各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つもしくは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RもしくはORに置換されていてもよく;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−もしくは−NR−に置換されていてよい。
【0011】
別の実施形態では、式Iもしくは式IV〜VIの化合物ならびにそれらの医薬上許容可能な塩およびそれらのラセミ体、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体、多形体、偽多型および非晶質型のすべてを提供する。
【0012】
別の実施形態では、感染フラビウイルス科ウイルスに対して活性を有する新規の式Iまたは式IV〜VIの化合物を提供する。理論に束縛されることは望まないが、本発明の化合物は、ウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害し得るため、ウイルス複製を阻害する。それらは、ヒトウイルス(C型肝炎など)に感染したヒト患者の治療に有用である。
【0013】
別の実施形態では、有効量の式Iもしくは式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩を含む医薬組成物を、医薬上許容可能な希釈剤または担体と併用して提供する。
【0014】
別の実施形態では、本願は、
a)式Iもしくは式IV〜VIの化合物;またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、もしくはエステルを含む第1医薬組成物;ならびに
b)インターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、他の抗線維剤、エンドセリンアンタゴニスト、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーおよび他のHCV治療薬;またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加治療薬を含む第2医薬組成物
を含む医薬品の組み合わせを提供する。
【0015】
別の実施形態では、本願は、有効量の式Iもしくは式IV〜VIの化合物;またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルをHCV感染細胞と接触させることを含む、HCVポリメラーゼ阻害方法を提供する。
【0016】
別の実施形態では、本願は、有効量の式Iもしくは式IV〜VIの化合物;またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステル;ならびに少なくとも1つの追加治療薬をHCV感染細胞と接触させることを含む、HCVポリメラーゼ阻害方法を提供する。
【0017】
別の実施形態では、本願は、治療有効量の式Iもしくは式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩を、それを必要としている対象に投与することにより、ウイルス感染起因の疾患の治療および/または予防方法を提供し、前記ウイルス感染は、デングウイルス、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、クンジンウイルス、マーレーバレー脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、ウシウイルス性下痢症ウイルス、ジカウイルスおよびC型肝炎ウイルスからなる群から選択されるウイルスに起因する。
【0018】
別の実施形態では、本願は、患者におけるHCV治療方法を提供し、前記患者へ治療有効量の式Iもしくは式IV〜VIの化合物;またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを投与することを含む。
【0019】
別の実施形態では、本願は、患者におけるHCV治療方法を提供し、前記患者へ治療有効量の式Iもしくは式IV〜VIの化合物;またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステル;ならびに少なくとも1つの追加治療薬を投与することを含む。
【0020】
本発明の別の態様は、有効量の式Iの化合物もしくは式IV〜VI、ならびに抗HCV特性を有する第2化合物を含む医薬的併用組成物もしくは製剤の前記動物への投与、すなわちそれらを用いた治療を含む、感染動物におけるHCV感染の症状もしくは作用の治療もしくは予防方法を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明はまた、HCV感染哺乳類へ、前記哺乳類の感染細胞においてHCV複製阻害に有効な量の式Iまたは式IV〜VIの化合物を投与することを含む、HCV阻害方法を提供する。
【0022】
別の態様では、フラビウイルス感染治療のための製薬における式Iまたは式IV〜VIの化合物の使用を提供する。別の態様では、フラビウイルス感染治療における使用のための式Iまたは式IV〜VIの化合物を提供する。1つの実施形態では、フラビウイルス感染は、急性または慢性HCV感染である。使用および化合物の各態様の1つの実施形態では、治療により、患者における1つまたは複数のウイルス負荷またはRNAクリアランスが低下する。
【0023】
別の態様では、本発明はまた、本発明の式Iまたは式IV〜VIの化合物の調製に有用である本明細書に開示された過程および新規の中間体も提供する。
【0024】
他の態様では、本発明の化合物の合成、分析、分離、単離、精製、特性化、および検査の新規方法を提供する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
式IV
【化176】
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式IVの化合物もしくはその医薬上許容可能な塩であり;
式中:
は(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
はハロゲンであり;
各R、R、およびRは、独立して、H、ハロゲン、OR、N(R、N、CN、NO、S(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
または隣接炭素原子上のR、RもしくはRの任意の2つが一緒になって−O(CO)O−であるか、またはそれらが結合している環炭素原子と一緒になって二重結合を形成しており;
各nは独立して、0、1、もしくは2であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、もしくは−SONR1112であり;
はH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、もしくは
【化177】
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であり、
YはO、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
およびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;またはWもしくはWの1つはRもしくはRのいずれかと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり、または
各WおよびWは、独立して、式IVa基
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
式IVa
であり、式中:
各Yは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは、式IVb基
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
式IVb
であり、式中
各M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、−C(=Y)R、−C(=Y)R13、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)13、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、−N(R)C(=Y)N(R)、−S(O)NR、−CN、−N、−NO、−OR、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり;
式中、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
または同一炭素原子上の2つのRは一緒になったときに、3〜7個の炭素原子の炭素環を形成し;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、もしくはアリールアルキルであり;
各Rは、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、OR11もしくはS(O)11であり;
各Rは独立して、H、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NHNR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11、−C(=O)NR1112、−C(=S)NR1112、−C(=O)OR11、R11、OR11もしくはS(O)11であり;
各R11もしくはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;またはR11およびR12はそれらが共に結合している窒素と一緒になって3〜7員複素環を形成し、前記複素環の炭素原子の任意の1つは−O−、−S−もしくは−NR−に置換されていることができ;
各R13は独立して、1〜3個のR20基に置換されていてもよい炭素環もしくは複素環であり;
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、もしくはC(=Y)N(R)であり;
式中、各R、R、R、R、R、R11もしくはR12の各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つもしくは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RもしくはORに置換されていてもよく;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−もしくは−NRに置換されていてよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R21、−C(=O)OR21、−C(=O)NR2122、−C(=O)SR21、−S(O)R21、−S(O)21、−S(O)(OR21)、−S(O)(OR21)、もしくは−SONR2122であり;ならびに
各R21もしくはR22は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルである、
化合物もしくはその医薬上許容可能な塩。
(項目2)
前記各YおよびYはOである、項目1に記載の化合物。
(項目3)
前記Rは、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、OR11またはS(O)11である、項目2に記載の化合物。
(項目4)
前記RがH、ハロゲン、S(O)11またはNR1112である、項目3に記載の化合物。
(項目5)
前記RがORである、項目4に記載の化合物。
(項目6)
前記RがCHである、項目5に記載の化合物。
(項目7)
前記RがFである、項目6に記載の化合物。
(項目8)
前記Rが、
【化180】
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であり;
式中、Yは−O−であり;Wは式Iaであり、WはRと一緒になって−O−である、項目7に記載の化合物。
(項目9)
式V
【化181】
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式V
により表され、
式中、Rがメチルまたはエチニルであり、RがORである、項目1に記載の化合物。
(項目10)
前記RがHまたは
【化182】
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である、項目9に記載の化合物
(項目11)
下記構造
【化183】
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の、項目1に記載の化合物。
(項目12)
式VI
【化184】
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式VI
の化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩であり;
式中:
はORであり;
各nは独立して、0、1、もしくは2であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、もしくは−SONR1112であり;
はH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、もしくは
【化185】
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であり;
Yは、Ο、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
およびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;または
もしくはWの1つはRと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり;または
各WおよびWは、独立して、式VIa基
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
式VIa
であり、式中:
各Yは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは、式VIb基
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
式VIb
であり、式中
各M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、−C(=Y)R、−C(=Y)R13、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)13、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)(N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、−N(R)C(=Y)N(R)、−SONR、−CN、−N、−NO、−OR、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり;
式中、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、もしくはアリールアルキルであり;
各R11もしくはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
各R13は独立して、1〜3個のR20基に置換されていてもよい炭素環もしくは複素環であり;
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、もしくはC(=Y)N(R)であり;
式中、各R、R11もしくはR12の各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つもしくは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RもしくはORに置換されていてもよく;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−もしくは−NRに置換されていてよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R21、−C(=O)OR21、−C(=O)NR2122、−C(=O)SR21、−S(O)R21、−S(O)21、−S(O)(OR21)、−S(O)(OR21)、もしくは−SONR2122であり;ならびに
各R21もしくはR22は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルである、
式VIの化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩。
(項目13)
前記Rは、H、(C〜C)アルキル、もしくは−C(=O)(C〜C)アルキルであり;
もしくはRと一緒になったR
【化188】
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または
【化189】
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であり、式中、
aは、R結合点であり;
bは、R結合点であり;
Arは、フェニルもしくはナフチルであり、前記フェニルおよびナフチルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、(C〜C)アルキルもしくはC〜Cカルボシクリル、前記アルキルおよびカルボシクリルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、もしくはアリールアルキルであり;ならびに
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=O)R、−C(=O)OR、もしくはC(=O)N(R)である、項目12に記載の化合物。
(項目14)
構造
【化190-1】
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【化190-2】
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【化190-3】
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【化190-4】
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または
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物またはそれらの医薬上許容可能な塩。
(項目15)
治療有効量の項目1に記載の化合物および医薬上許容可能な担体を含む、医薬組成物。
(項目16)
インターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、他の抗線維剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーおよび他のHCV治療薬;またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加治療薬をさらに含む、項目15に記載の医薬組成物。
(項目17)
治療有効量の項目1の化合物を、それを必要としている哺乳類に投与することを含む、フラビウイルス感染治療方法。
(項目18)
前記ウイルス感染がC型肝炎ウイルス感染である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記ウイルス感染がC型肝炎ウイルスのS282T突然変異体に起因する、項目18に記載の方法。
(項目20)
インターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、エンドセリンアンタゴニスト、他の抗線維剤、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーおよび他のHCV治療薬;またはそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加治療薬を投与することをさらに含む、項目17に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで本発明のある実施形態、添付の詳細に例証される実施例、構造および式を詳細に参照する。本発明は、列挙した実施形態と併記されるが、本発明がそれらの実施形態に限定されることを意図しないことが理解される。反対に、本発明は、すべての代替物、修飾、および等価物を網羅し、これらは本発明の範囲内に含まれ得るものとする。
【0026】
別の態様では、式Iの化合物は、式II
【化5】
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式II
もしくはその医薬上許容可能な塩により表され;
式中:
は(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
各R、R、もしくはRは独立して、H、OR、N(R、N、CN、NO、S(O)、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
または隣接炭素原子上のR、RもしくはRの任意の2つが一緒になって−O(CO)O−であるか、またはそれらが結合している環炭素原子と一緒になって二重結合を形成しており;
はH、OR、N(R、N、CN、NO、S(O)、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
各nは独立して、0、1、もしくは2であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、もしくは−SONR1112であり;
はH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、もしくは
【化6】
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であり;
各YもしくはYは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
およびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;またはWもしくはWの1つはRもしくはRのいずれかと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり;または
各WおよびWは、独立して、式Ia基
【化7】
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式Ia
であり、式中:
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは独立して、Rもしくは式
【化8】
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であり、式中
各M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、R、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)(N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、−N(R)C(=Y)N(R)、−SONR、−CN、−N、−NO、−OR、もしくはWであり;または同一炭素原子上の2つのRは一緒になったときに、3〜7個の炭素原子の炭素環を形成し;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20置換アリール、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20置換ヘテロシクリル、アリールアルキルもしくは置換アリールアルキルであり;
は、WもしくはWであり;WはR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SO、もしくは−SOであり;ならびにWは独立して、0〜3個のR基に置換されている炭素環もしくは複素環であり;
各XもしくはXは独立して、C−R10もしくはNであり;
各Rは、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NNHR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11、−C(=O)NR1112、−C(=S)NR1112、−C(=O)OR11、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルキル、OR11もしくはSR11であり;
各RもしくはR10は独立して、H、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NHNR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11、−C(=O)NR1112、−C(=S)NR1112、−C(=O)OR11、R11、OR11もしくはSR11であり;
各R11もしくはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;またはR11およびR12はそれらが共に結合している窒素と一緒になって3〜7員複素環を形成し、前記複素環の炭素原子の任意の1つは−O−、−S−もしくは−NR−に置換されていることができ;
式中、各R、R、R、R、R、R11もしくはR12の各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つもしくは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RもしくはORに置換されていてもよく;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−もしくは−NR−に置換されていてよい。
【0027】
式IIの本発明の1つの実施形態では、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、Rは(C〜C)アルキルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。
【0028】
式IIの1つの実施形態では、RはH、OR、N(R、N、CN、SR、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の1つの態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rは、(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0029】
式IIの1つの実施形態では、RはH、OR、N(R、N、CN、SR、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0030】
式IIの1つの実施形態では、RはH、OR、N(R、N、CN、SR、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、Rは、CN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはNである。
【0031】
式IIの別の実施形態では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0032】
式IIの別の実施形態では、RはH、CN、ORまたはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0033】
式IIの別の実施形態では、Rは、CN、ORまたはCHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。
【0034】
式IIの1つの実施形態では、RはH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)SR11または
【化9】
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である。この実施形態の1つの態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、Rは、−C(=O)R11である。この実施形態の別の態様では、Rは、−C(=O)R11であり、式中、R11は、(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、R
【化10】
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である。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C2〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0035】
式IIの1つの実施形態では、XはNまたはC−R10である。この実施形態の別の態様では、XはNである。この実施形態の別の態様では、XはC−R10である。この実施形態の別の態様では、XはC−Hである。この実施形態の別の態様では、XはNであり、XはC−Hである。この実施形態の別の態様では、Xは、C−R10であり、XはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0036】
式IIの別の実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、OR11またはSR11である。この実施形態の別の態様では、Rは、メチル、CHFまたはエチニルである。この実施形態の別の態様では、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112である。この実施形態の別の態様では、Rは、H、ハロゲン、またはNR1112であり、Rは、メチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112であり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、Rは、CN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0037】
式IIの別の実施形態では、各R10は独立して、H、ハロゲン、CNまたは置換されていてもよいヘテロアリールである。この実施形態の別の態様では、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112である。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112であり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112であり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rは(C〜C)アルキルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0038】
別の実施形態では、式Iまたは式IIの化合物は、式III
【化11】
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式III
により表され、またはその医薬上許容可能な塩であり;
式中:
は、CH、CHF、またはエチニルであり、残っている変数はすべて式Iで定義したとおりである。
【0039】
式IIIの1つの実施形態では、RはH、OR、N(R、N、CN、SR、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニルまたは(C〜C)アルキニルである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rは、CH、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0040】
式IIIの別の実施形態では、RはH、CN、ORまたはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0041】
式IIIの別の実施形態では、Rは、CN、ORまたはCHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。
【0042】
式IIIの1つの実施形態では、RはH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)SR11または
【化12】
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である。この実施形態の1つの態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、Rは、−C(=O)R11である。この実施形態の別の態様では、Rは、−C(=O)R11であり、式中、R11は(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、R
【化13】
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である。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、Rは、CN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0043】
式IIIの1つの実施形態では、XはNまたはC−R10である。この実施形態の別の態様では、XはNである。この実施形態の別の態様では、XはC−R10である。この実施形態の別の態様では、XはC−Hである。この実施形態の別の態様では、XはNであり、XはC−Hである。この実施形態の別の態様では、XはC−R10であり、XはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0044】
式IIIの別の実施形態では、各Rは独立して、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、OR11またはSR11である。この実施形態の別の態様では、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112である。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112であり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112であり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンであり、Rは、メチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、RはHまたはハロゲンであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチル、CHF、またはエチニルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0045】
式IIIの別の実施形態では、各R10は独立して、H、ハロゲン、CNまたは置換されていてもよいヘテロアリールである。この実施形態の別の態様では、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112である。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、またはNR1112であり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、Rは、Hまたはハロゲンである。この実施形態の別の態様では、RはNHであり、Rは、Hまたはハロゲンであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHである。この実施形態の別の態様では、RおよびRはそれぞれNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、RはNHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはCNである。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはOHである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはHまたはORである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはORであり、Rはメチルであり、RはHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、XまたはXの少なくとも1つはNである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはCN、OH、またはCHである。この実施形態の別の態様では、RはOHであり、Rはメチルであり、RはHである。
【0046】
別の実施形態では、式IV:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
式IV
の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩を提供し;
式中:
は(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
はハロゲンであり;
各R、R、およびRは、独立して、H、ハロゲン、OR、N(R、N、CN、NO、S(O)、(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、もしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
または隣接炭素原子上のR、RもしくはRの任意の2つが一緒になって−O(CO)O−であるか、またはそれらが結合している環炭素原子と一緒になって二重結合を形成しており;
各nは独立して、0、1、もしくは2であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、もしくは−SONR1112であり;
はH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、もしくは
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
Yは、Ο、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
およびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;またはWもしくはWの1つはRもしくはRのいずれかと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり;または
各WおよびWは、独立して、式IVa基
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
式IVa
であり、式中:
各Yは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは、式IVb基
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
式IVb
であり、式中
各M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、−C(=Y)R、−C(=Y)R13、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)13、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)(N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、−N(R)C(=Y)N(R)、−SONR、−CN、−N、−NO、−OR、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり;式中、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;または同一炭素原子上の2つのRは一緒になったときに、3〜7個の炭素原子の炭素環を形成し;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、もしくはアリールアルキルであり;
各Rは、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、OR11もしくはS(O)11であり;
各Rは独立して、H、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、N、NO、NO、CHO、CN、−CH(=NR11)、−CH=NHNR11、−CH=N(OR11)、−CH(OR11、−C(=O)NR1112、−C(=S)NR1112、−C(=O)OR11、R11、OR11もしくはS(O)11であり;
各R11もしくはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;またはR11およびR12はそれらが共に結合している窒素と一緒になって3〜7員複素環を形成し、前記複素環の炭素原子の任意の1つは−O−、−S−もしくは−NR−に置換されていることができ;
各R13は独立して、1〜3個のR20基に置換されていてもよい炭素環もしくは複素環であり;
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、もしくはC(=Y)N(R)であり;
式中、各R、R、R、R、R、R11もしくはR12の各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つもしくは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RもしくはORに置換されていてもよく;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−もしくは−NRに置換されていてよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R21、−C(=O)OR21、−C(=O)NR2122、−C(=O)SR21、−S(O)R21、−S(O)21、−S(O)(OR21)、−S(O)(OR21)、もしくは−SONR2122であり;
各R21もしくはR22は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
ただし、化合物1、1d、1e、2、TP−1、A−1、8、および21は、除外されてもよい。
【0047】
この実施形態の別の態様では、YおよびYはOである。この実施形態の別の態様では、Rは、ハロゲン、NR1112、N(R11)OR11、NR11NR1112、OR11またはS(O)11である。この実施形態の別の態様では、RはH、ハロゲン、S(O)11またはNR1112である。この実施形態の別の態様では、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはCHである。この実施形態の別の態様では、RはFである。この実施形態の別の態様では、R
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
式中、Yは、−O−であり;Wは、式Iaであり、WはRと一緒になって−O−である。別の実施形態では、式IVの化合物は、式V
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
により表され、
式中、Rは、メチルまたはエチニルであり、RはORである。この実施形態の別の態様では、RはHまたは
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0048】
この実施形態の別の態様では、式Vの化合物は、以下の構造
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
で表される。
【0049】
別の実施形態では、式VI:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物もしくはその医薬上許容可能な塩を提供し;
式中:
はORであり;
各nは独立して、0、1、もしくは2であり;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、もしくは−SONR1112であり;
はH、−C(=O)R11、−C(=O)OR11、−C(=O)NR1112、−C(=O)SR11、−S(O)R11、−S(O)11、−S(O)(OR11)、−S(O)(OR11)、−SONR1112、もしくは
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
YはO、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
およびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;またはWもしくはWの1つはRと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり;または
各WおよびWは、独立して、式VIa基
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中:
各Yは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは、式VIb基
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
式VIb
であり、式中
各M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、−C(=Y)R、−C(=Y)R13、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)13、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)(N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、−N(R)C(=Y)N(R)、−SONR、−CN、−N、−NO、−OR、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルであり;
式中、各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、アリールアルキル、もしくはヘテロアリールアルキルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、もしくはアリールアルキルであり;
各R11もしくはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
各R13は独立して、1〜3個のR20基に置換されていてもよい炭素環もしくは複素環であり;
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、もしくはC(=Y)N(R)であり;
式中、各R、R11もしくはR12の各(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つもしくは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RもしくはORに置換されていてもよく;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−もしくは−NRに置換されていてよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール(C〜C)アルキル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)R21、−C(=O)OR21、−C(=O)NR2122、−C(=O)SR21、−S(O)R21、−S(O)21、−S(O)(OR21)、−S(O)(OR21)、もしくは−SONR2122であり;
各R21もしくはR22は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルもしくはアリール(C〜C)アルキルであり;
ただし、化合物1、1c、1d、1e、2、TP−1、A−1、8、および21は、除外されてもよい。
【0050】
この実施形態の別の態様では、Rは、H、(C〜C)アルキル、または−C(=O)(C〜C)アルキルであり;RもしくはRと一緒になったR
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
もしくは
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
であり、
式中、
aは、R結合点であり;
bは、R結合点であり;
Arは、フェニルもしくはナフチルであり、前記フェニルおよびナフチルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、(C〜C)アルキルまたはC〜Cカルボシクリルであり、前記アルキルおよびカルボシクリルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、もしくはアリールアルキルであり;ならびに
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=O)R、−C(=O)OR、もしくはC(=O)N(R)である。
【0051】
別の実施形態では、式IV〜VIの化合物は、構造
【化28-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化28-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化28-3】
[この文献は図面を表示できません]
【化28-4】
[この文献は図面を表示できません]
もしくは
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
を有する化合物により表され、またはそれらの医薬上許容可能な塩である。
【0052】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの1つの実施形態では、R11またはR12は独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)カルボシクリルアルキル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、−C(=O)(C〜C)アルキル、−S(O)(C〜C)アルキルまたはアリール(C〜C)アルキルである。別の実施形態では、R11およびR12はそれらが共に結合している窒素と一緒になって3〜7員複素環を形成し、前記複素環の炭素原子の任意の1つは−O−、−S−または−NR−に置換されていることができる。したがって、非限定的な例として、−NR1112部分は
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
などの複素環で表すことができる。
【0053】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの別の実施形態では、各R、R、R、R、R11またはR12は独立して、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルまたはアリール(C〜C)アルキルであり、前記(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニルまたはアリール(C〜C)アルキルは独立して、1つまたは複数のハロ、ヒドロキシ、CN、N、N(RまたはORに置換されていてもよい。したがって、非限定的な例として、R、R、R、R、R11またはR12は−CH(NH)CH、−CH(OH)CHCH、−CH(NH)CH(CH、−CHCF、−(CHCH(N)CH、−(CHNHなどの部分を表すことができる。
【0054】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの別の実施形態では、R、R、R、R、R11またはR12は(C〜C)アルキルであり、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1つまたは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−または−NR−に置換されていてよい。したがって、非限定的な例として、R、R、R、R、R11またはR12は、−CHOCH、−CHOCHCH、−CHOCH(CH、−CHSCH、−(CHOCH、−(CHN(CHなどの部分を表すことができる。
【0055】
別の実施形態では、式I〜IIIは、
【化31-1】
[この文献は図面を表示できません]
【化31-2】
[この文献は図面を表示できません]
【化31-3】
[この文献は図面を表示できません]
【化31-4】
[この文献は図面を表示できません]
【化31-5】
[この文献は図面を表示できません]
【化31-6】
[この文献は図面を表示できません]
【化31-7】
[この文献は図面を表示できません]
および
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物;
またはそれらの医薬上許容可能な塩もしくはエステルである。
【0056】
別の実施形態では、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
および
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される式Iの化合物;またはそれらの塩もしくはエステル合成に有用な化合物を提供する。
【0057】
定義
記載のない限り、本明細書で使用される以下の用語および語句は、以下の意味を有するものとする。
【0058】
本明細書に商標名が使用される場合、出願人らは、商標名の製品と商標名の製品の活性医薬成分(1つまたは複数)を独立して含むことを意図する。
【0059】
本明細書で使用される「本発明の化合物」または「式Iの化合物」とは、式Iの化合物またはその医薬上許容可能な塩を意味する。同様に、分離可能な中間体に関して、「式(番号)の化合物」という語句は、式の化合物およびその医薬上許容可能な塩を意味する。
【0060】
「アルキル」とは、直鎖、第二級、第三級または環式炭素原子を含む炭化水素である。例えば、アルキル基は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C〜C20アルキル)、1〜8個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)を有することができる。適切なアルキル基の例としては、メチル(Me、−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(−Pr、−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(−Pr、−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(−Bu、−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(−Bu、−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(−Bu、−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH、およびオクチル(−(CHCH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
「アルコキシ」とは、式−O−アルキルを有する基を意味し、上で定義されたアルキル基が酸素原子を介して親分子に結合されている。アルコキシ基のアルキル部分は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C〜C20アルコキシ)、1〜12個の炭素原子(すなわち、C〜C12アルコキシ)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルコキシ)を有することができる。適切なアルコキシ基の例としては、メトキシ(−O−CHまたは−OMe)、エトキシ(−OCHCHまたは−OEt)、t−ブトキシ(−O−C(CHまたは−OtBu)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
「ハロアルキル」とは、上に定義されたアルキル基の1つまたは複数の水素原子がハロゲン原子に置換されているアルキル基である。ハロアルキル基のアルキル部分は、1〜20個の炭素原子(すなわち、C〜C20ハロアルキル)、1〜12個の炭素原子(すなわち、C〜C12ハロアルキル)、または1〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキル)を有することができる。適切なハロアルキル基の例としては、−CF、−CHF、−CFH、−CHCF、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
「アルケニル」とは、直鎖、第二級、第三級または環式炭素原子を含み、少なくとも1個の不飽和、すなわち炭素−炭素のsp二重結合を有する炭化水素である。例えば、アルケニル基は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C〜C20アルケニル)、2〜8個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルケニル)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルケニル)を有することができる。適切なアルケニル基の例としては、エチレンまたはビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)、シクロペンテニル(−C)、および5−ヘキセニル(−CHCHCHCHCH=CH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
「アルキニル」とは、直鎖、第二級、第三級または環式炭素原子を含み、少なくとも1個の不飽和、すなわち炭素−炭素のsp三重結合を有する炭化水素である。例えば、アルキニル基は、2〜20個の炭素原子(すなわち、C〜C20アルキニル)、2〜8個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキン、)、または2〜6個の炭素原子(すなわち、C〜Cアルキニル)を有することができる。適切なアルキニル基の例としては、アセチレン(−C≡CH)、プロパギル(−CHC≡CH)、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
「アルキレン」とは、親アルカンの同一炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により得られる2個の一価ラジカル中心を有する飽和、分岐または直鎖または環式炭化水素ラジカルを指す。例えば、アルキレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルキレンラジカルとしては、メチレン(−CH−)、1,1−エチル(−CH(CH)−)、1,2−エチル(−CHCH−)、1,1−プロピル(−CH(CHCH)−)、1,2−プロピル(−CHCH(CH)−)、1,3−プロピル(−CHCHCH−)、1,4−ブチル(−CHCHCHCH−)、などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
「アルケニレン」とは、親アルケンの同一炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により得られる2個の一価ラジカル中心を有する不飽和、分岐または直鎖または環式炭化水素ラジカルを指す。例えば、アルケニレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルケニレンラジカルとしては、1,2−エチレン(−CH=CH−)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
「アルキニレン」とは、親アルキンの同一炭素原子または2個の異なる炭素原子からの2個の水素原子の除去により得られる2個の一価ラジカル中心を有する不飽和、分岐または直鎖または環式炭化水素ラジカルを指す。例えば、アルキニレン基は、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。典型的なアルキニレンラジカルとしては、アセチレン(−C≡C−)、プロパギル(−CHC≡C−)、および4−ペンチニル(−CHCHCHC≡C−)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
「アミノ」とは、一般に、式−N(X)(式中、各「X」は独立して、H、置換または非置換アルキル、置換または非置換カルボシクリル、置換または非置換ヘテロシクリルなどである)を有するアンモニア誘導体とみなすことができる窒素ラジカルを指す。窒素の混成は、ほぼspである。非限定的なアミノの例としては、−NH、−N(アルキル)、−NH(アルキル)、−N(カルボシクリル)、−NH(カルボシクリル)、−N(ヘテロシクリル)、−NH(ヘテロシクリル)、−N(アリール)、−NH(アリール)、−N(アルキル)(アリール)、−N(アルキル)(ヘテロシクリル)、−N(カルボシクリル)(ヘテロシクリル)、−N(アリール)(ヘテロアリール)、−N(アルキル)(ヘテロアリール)などが挙げられる。「アルキルアミノ」という用語は、少なくとも1つのアルキル基に置換されているアミノ基を指す。アミノ基の非限定的な例としては、−NH、−NH(CH)、−N(CH、−NH(CHCH)、−N(CHCH、−NH(フェニル)、−N(フェニル)、−NH(ベンジル)、−N(ベンジル)などが挙げられる。置換アルキルアミノは、一般に、本明細書に定義される少なくとも1つの置換アルキルがアミノ窒素原子に結合する上に定義されたアルキルアミノ基を指す。置換アルキルアミノの非限定的な例としては、−NH(アルキレン−C(O)−OH)、−NH(アルキレン−C(O)−O−アルキル)、−N(アルキレン−C(O)−OH)、−N(アルキレン−C(O)−O−アルキル)などが挙げられる。
【0069】
「アリール」とは、親芳香環系の炭素原子1個から水素原子1個を除去することによって誘導される芳香炭化水素ラジカルを意味する。例えば、アリール基は6〜20個の炭素原子、6〜14個の炭素原子、または6〜10個の炭素原子を有することができる。典型的なアリール基としては、ベンゼン(例えば、フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニルなどから誘導されるラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
「アリールアルキル」とは、炭素原子(典型的には、末端炭素原子またはsp炭素原子に結合している水素原子の1個がアリールラジカルに置換されている非環式アルキルラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基としては、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。アリールアルキル基は、7〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキル部分は、1〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。
【0071】
「アリールアルケニル」とは、炭素原子(典型的には、末端炭素原子またはsp炭素原子であるが、sp炭素原子であることもある)に結合した水素原子の1個がアリールラジカルに置換されている非環式アルケニルラジカルを指す。アリールアルケニルのアリール部分は、例えば、本明細書に開示された任意のアリール基を含むことができ、アリールアルケニルのアルケニル部分は、例えば、本明細書に開示された任意のアルケニル基を含むことができる。アリールアルケニル基は、8〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルケニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。
【0072】
「アリールアルキニル」とは、炭素原子(典型的には、末端炭素原子またはsp炭素原子であるが、sp炭素原子であることもある)に結合した水素原子の1個が、アリールラジカルに置換されている非環式アルキニルラジカルを指す。アリールアルキニルのアリール部分は、例えば、本明細書に開示された任意のアリール基を含むことができ、アリールアルキニルのアルキニル部分は、例えば、本明細書に開示された任意のアルキニル基を含むことができる。アリールアルキニル基は、8〜20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、アリール部分は、6〜14個の炭素原子である。
【0073】
アルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、カルボシクリルなどについての言及における「置換された」、例えば、「置換アルキル」、「置換アルキレン」、「置換アリール」、「置換アリールアルキル」、「置換ヘテロシクリル」、および「置換カルボシクリル」という用語は、別段の定めのない限り、1つまたは複数の水素原子がそれぞれ独立して非水素置換基に置換されているアルキル、アルキレン、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、カルボシクリルをそれぞれ意味する。典型的な置換基としては、−X、−R、−O、=O、−OR、−SR、−S、−NR、−N、=NR、−CX、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO、=N、−N、−NHC(=O)R、−OC(=O)R、−NHC(=O)NR、−S(=O)−、−S(=O)OH、−S(=O)、−OS(=O)OR、−S(=O)NR、−S(=O)R、−OP(=O)(OR、−P(=O)(OR、−P(=O)(O、−P(=O)(OH)、−P(O)(OR)(O)、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NR、−C(S)NR、−C(=NR)NR(式中、各Xは独立して、ハロゲン:F、Cl、Br、もしくはI)が挙げられるが、これらに限定されず;ならびに各Rは独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、または保護基もしくはプロドラッグ部分である。アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレン基も同様に置換されていてよい。別段の定めのない限り、置換可能な部分を2つ以上有するアリールアルキルなどの基と併用して「置換された」という用語が使用される場合、置換基は、アリール部分、アルキル部分、または両方に結合することができる。
【0074】
本明細書で使用される「プロドラッグ」という用語は、生体系に投与時に自発的化学反応(1つまたは複数)、酵素触媒化学反応(1つまたは複数)、光分解、および/または代謝化学反応(1つまたは複数)の結果として薬剤物質、すなわち、活性成分を生成する任意の化合物を指す。したがって、プロドラッグは、治療的活性化合物の共有修飾類似体または潜在型である。
【0075】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の置換基および他の部分は、許容可能に安定した医薬組成物へと製剤化できる、医薬上有用な化合物を提供する上で十分に安定した化合物を提供するために選択されるべきであることを当業者は認識するであろう。本化合物の各種属および亜属の定義および置換基は、本明細書に記載および例証される。上記の定義および置換基の組み合わせはいずれも実施不能な種または化合物に至るべきではないことが当業者によって理解されるべきである。「実施不能な種または化合物」とは、関連する科学的原理にそぐわない化合物構造(例えば、4つを超える共有結合に結合した炭素原子など)または単離および医薬上許容可能な投与形態への製剤化を可能とするには不安定すぎる化合物を意味する。
【0076】
「ヘテロアルキル」とは、1つまたは複数の炭素原子が、ヘテロ原子(O、N、またはSなど)に置換されているアルキル基を指す。例えば、親分子に結合しているアルキル基の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)に置換されている場合、結果として生じるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルコキシ基(例えば、−OCHなど)、アミン(例えば、−NHCH、−N(CHなど)、またはチオアルキル基(例えば、−SCH)である。親分子に結合していないアルキル基の非末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)に置換されている場合、結果として生じるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルキルエーテル(例えば、−CHCH−O−CHなど)、アルキルアミン(例えば、−CHNHCH、−CHN(CHなど)、またはチオアルキルエーテル(例えば、−CH−S−CH)である。アルキル基の末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)に置換されている場合、結果として生じるヘテロアルキル基は、それぞれ、ヒドロキシアルキル基(例えば、−CHCH−OH)、アミノアルキル基(例えば、−CHNH)、またはアルキルチオール基(例えば、−CHCH−SH)である。ヘテロアルキル基は、例えば、1〜20個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、または1〜6個の炭素原子を有することができる。C〜Cヘテロアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有するヘテロアルキル基を意味する。
【0077】
本明細書で使用される「複素環」または「ヘテロシクリル」としては、非限定的な例として、Paquette,Leo A.;Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin,New York,1968)の、特に1章、3章、4章、6章、7章、および9章;The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs”(John Wiley&Sons,New York,1950年から現在まで)の特に13巻、14巻、16巻、19巻、および28巻;ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載の複素環が挙げられる。本発明の1つの具体的な実施形態では、「複素環」とは、1個または複数(例えば1、2、3、または4個)の炭素原子がヘテロ原子(例えばO、N、またはS)に置換されている、本明細書で定義された「カルボシクリル」を含む。「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、飽和環、部分的不飽和環、および芳香環(すなわち、芳香族複素環)を含む。置換ヘテロシクリルは、例えば、カルボニル基を含む、本明細書で開示される置換基のいずれかで置換された複素環を含む。カルボニル置換ヘテロシクリルの非限定的な例は:
【化35】
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である。
【0078】
非限定的な複素環の例としては、、ピリジル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシインドリル、ベンズオキサゾリニル、イサチノイル、およびビス−テトラヒドロフラニル:
【化36】
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が挙げられる。
【0079】
非限定的な例として、炭素結合複素環は、ピリジンの2位、3位、4位、5位、もしくは6位、ピリダジンの3位、4位、5位、もしくは6位、ピリミジンの2位、4位、5位、もしくは6位、ピラジンの2位、3位、5位、もしくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールもしくはテトラヒドロピロールの2位、3位、4位、もしくは5位、オキサゾール、イミダゾールもしくはチアゾールの2位、4位、もしくは5位、イソオキサゾール、ピラゾール、もしくはイソチアゾールの3位、4位、もしくは5位、アジリジンの2位もしくは3位、アゼチジンの2位、3位、もしくは4位、キノリンの2位、3位、4位、5位、6位、7位、もしくは8位、またはイソキノリンの1位、3位、4位、5位、6位、7位、もしくは8位で結合されている。さらにより典型的には、炭素結合複素環としては、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、もしくは5−チアゾリルが挙げられる。
【0080】
非限定的な例として、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、もしくはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾールまたはβ−カルボリンの9位で結合されている。さらにより典型的には、窒素結合複素環としては、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、および1−ピペリジニルが挙げられる。
【0081】
「ヘテロシクリルアルキル」とは、炭素原子(典型的には、末端炭素原子またはsp炭素原子)に結合した水素原子の1個が、ヘテロシクリルラジカル(すなわち、ヘテロシクリル−アルキレン部分)に置換されている非環式アルキルラジカルを指す。典型的なヘテロシクリルアルキル基としては、ヘテロシクリル−CH−、2−(ヘテロシクリル)エタン−1−イルなど(式中「ヘテロシクリル」部分は、Principles of Modern Heterocyclic Chemistryに記載のものを含む上記の任意のヘテロシクリル基を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。当業者はまた、生成基が化学的に安定している限り、ヘテロシクリル基が炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によりヘテロシクリルアルキルのアルキル部分に結合することができることを理解するであろう。ヘテロシクリルアルキル基は、3〜20個の炭素原子を含み、例えば、アリールアルキル基のアルキル部分は、1〜6個の炭素原子であり、ヘテロシクリル部分は2〜14個の炭素原子である。非限定的なヘテロシクリルアルキルの例としては、チアゾリルメチル、2−チアゾリルエタン−1−イル、イミダゾリルメチル、オキサゾリルメチル、チアジアゾリルメチルなどの複素環を含む5員硫黄、酸素、および/または窒素、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチル、モルホリニルメチル、ピリジニルメチル、ピリジジルメチル、ピリミジルメチル、ピラジニルメチルなどの複素環を含む6員硫黄、酸素、および/または窒素が挙げられる。
【0082】
「ヘテロシクリルアルケニル」とは、炭素原子(典型的には、末端炭素原子またはsp炭素原子であるが、sp炭素原子であることもある)に結合した水素原子の1個が、ヘテロシクリルラジカル(すなわち、ヘテロシクリル−アルケニレン部分)に置換されている非環式アルケニルラジカルを指す。ヘテロシクリルアルケニル基のヘテロシクリル部分はPrinciples of Modern Heterocyclic Chemistryに記載のものを含む本明細書に記載の任意のヘテロシクリル基を含み、ヘテロシクリルアルケニル基のアルケニル部分は、本明細書に開示された任意のアルケニル基を含む。当業者はまた、生成基が化学的に安定している限り、ヘテロシクリル基が炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によりヘテロシクリルアルケニルのアルケニル部分に結合することができることを理解するであろう。ヘテロシクリルアルケニル基は、4〜20個の炭素原子を含み、例えば、ヘテロシクリルアルケニル基のアルケニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、ヘテロシクリル部分は2〜14個の炭素原子である。
【0083】
「ヘテロシクリルアルキニル」とは、炭素原子(典型的には、末端炭素原子すなわちsp炭素原子であるが、sp炭素原子でもある)に結合した水素原子の1個が、ヘテロシクリルラジカル(すなわち、ヘテロシクリル−アルキニレン部分)に置換されている非環式アルキニルラジカルを指す。ヘテロシクリルアルキニル基のヘテロシクリル部分はPrinciples of Modem Heterocyclic Chemistryに記載のものを含む本明細書に記載の任意のヘテロシクリル基を含み、ヘテロシクリルアルキニル基のアルキニル部分は、本明細書に開示された任意のアルキニル基を含む。当業者はまた、生成基が化学的に安定している限り、ヘテロシクリル基が炭素−炭素結合または炭素−ヘテロ原子結合によりヘテロシクリルアルキニルのアルキニル部分に結合することができることを理解するであろう。ヘテロシクリルアルキニル基は、4〜20個の炭素原子を含み、例えば、ヘテロシクリルアルキニル基のアルキニル部分は、2〜6個の炭素原子であり、ヘテロシクリル部分は2〜14個の炭素原子である。
【0084】
「ヘテロアリール」とは、環中に少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族ヘテロシクリルを指す。芳香環中に含まれ得る適切なヘテロ原子の非限定的な例としては、酸素、硫黄、および窒素が挙げられる。ヘテロアリール環の非限定的な例としては、ピリジニル、ピロリル、オキサゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、フラニル、チエニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジルなどを含む、「ヘテロシクリル」の定義に列挙した芳香環のすべてが挙げられる。
【0085】
「炭素環」または「カルボシクリル」とは、単環として3〜7個の炭素原子、二環として7〜12個の炭素原子、および多環として最大約20個の炭素原子を有する飽和(すなわち、シクロアルキル)、部分的な不飽和(例えば、シクロアケニル、シクロアルカジエニルなど)または芳香環を指す。単環炭素環は3〜7環原子、さらにより典型的には、5または6環原子を有する。二環炭素環は7〜12環原子、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]もしくは[6,6]系として配列されるか、またはビシクロ[5,6]もしくは[6,6]系として配列される9もしくは10環原子、またはスピロ融合環を有する。単環炭素環の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンタ−1−エニル、1−シクロペンタ−2−エニル、1−シクロペンタ−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキサ−2−エニル、l−シクロヘキサ−3−エニル、およびフェニルが挙げられる。ビシクロ炭素環の非限定的な例としては、ナフチル、テトラヒドロナフタリン、およびデカリンが挙げられる。
【0086】
「カルボシクリルアルキル」とは、炭素原子に結合している水素原子の1個が、本明細書に記載のカルボシクリルラジカルに置換されている非環式アルキルラジカルを指す。典型的であるが限定されないカルボシクリルアルキル基の例としては、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチルおよびシクロヘキシルメチルが挙げられる。
【0087】
「アリールヘテロアルキル」とは、本明細書に定義されるように(炭素原子またはヘテロ原子のいずれかと結合し得る)水素原子がアリール基に置換されている、本明細書に定義されるヘテロアルキルを指す。アリール基は、結果として生じるアリールヘテロアルキル基が化学的に安定した部分を提供する限り、ヘテロアルキル基の炭素原子、またはヘテロアルキル基のヘテロ原子に結合し得る。例えば、アリールヘテロアルキル基は、一般式−アルキレン−O−アリール、−アルキレン−O−アルキレン−アリール、−アルキレン−NH−アリール、−アルキレン−NH−アルキレン−アリール、−アルキレン−S−アリール、−アルキレン−S−アルキレン−アリールなどを有することができる。さらに、上の一般式の任意のアルキレン部分は、本明細書に定義または例示された任意の置換基とさらに置換されていることができる。
【0088】
「ヘテロアリールアルキル」とは、本明細書に定義されるように水素原子がヘテロアリール基に置換されている、本明細書に定義されるアルキル基を指す。ヘテロアリールアルキルの非限定的な例としては、−CH−ピリジニル、−CH−ピロリル、−CH−オキサゾリル、−CH−インドリル、−CH−イソインドリル、−CH−プリニル、−CH−フラニル、−CH−チエニル、−CH−ベンゾフラニル、−CH−ベンゾチオフェニル、−CH−カルバゾリル、−CH−イミダゾリル、−CH−チアゾリル、−CH−イソキサゾリル、−CH−ピラゾリル、−CH−イソチアゾリル、−CH−キノリル、−CH−イソキノリル、−CH−ピリダジル、−CH−ピリミジル、−CH−ピラジル、−CH(CH)−ピリジニル、−CH(CH)−ピロリル、−CH(CH)−オキサゾリル、−CH(CH)−インドリル、−CH(CH)−イソインドリル、−CH(CH)−プリニル、−CH(CH)−フラニル、−CH(CH)−チエニル、−CH(CH)−ベンゾフラニル、−CH(CH)−ベンゾチオフェニル、−CH(CH)−カルバゾリル、−CH(CH)−イミダゾリル、−CH(CH)−チアゾリル、−CH(CH)−イソキサゾリル、−CH(CH)−ピラゾリル、−CH(CH)−イソチアゾリル、−CH(CH)−キノリル、−CH(CH)−イソキノリル、−CH(CH)−ピリダジル、−CH(CH)−ピリミジル、−CH(CH)−ピラジルなどが挙げられる。
【0089】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の特定部分(例えば、置換されていてもよいアリール基)について言及する「置換されていてもよい」という用語は、全置換基が水素であるか、または該部分の1つもしくは複数の水素が、「置換された」定義下に列挙されたものなどの、または別に示すような置換基により置換されていてよい部分を指す。
【0090】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の特定部分(例えば、前記(C〜C)アルキルの炭素原子が−O−、−S−、または−NR−により置換されていてよい)について言及する「置換されていてもよい」という用語は、(C〜C)アルキルの1つまたは複数のメチレン基は、0、1、2、またはそれ以上の特定基(例えば、−O−、−S−、または−NR−)により置換されていてよいことを意味する。
【0091】
アルキル、アルケニル、アルキニル、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレン部分について言及する用語「非末端炭素原子(1つまたは複数)」とは、該部分の第1炭素原子と該部分内の最終炭素原子間を媒介する該部分内の炭素原子を指す。したがって、非限定的な例として、アルキル部分−CH(C)H(C)HCHまたはアルキレン部分−CH(C)H(C)HCH内のC原子は非末端炭素原子とみなされる。
【0092】
あるYおよびY代替物は、N(O)(R)またはN(O)(OR)などの窒素酸化物である。本明細書に示すように炭素原子に結合するこれらの窒素酸化物は、それぞれ、
【化37】
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などの荷電を分離した基により表すこともでき、本発明を説明する目的において上記表示と同じものであるとする。
【0093】
「リンカー」または「リンク」とは、原子の共有結合または鎖を含む化学部分を意味する。リンカーとしては、反復単位のアルキルオキシ(例えばポリエチレンオキシ、PEG、ポリメチレンオキシ)およびアルキルアミノ(例えばポリエチレンアミノ、Jeffamine(商標));ならびに二価酸エステルおよびアミド(コハク酸塩、コハク酸アミド、ジグリコール酸塩、マロン酸塩、およびカプロアミドなど)が挙げられる。
【0094】
「酸素結合」、「窒素結合」、「炭素結合」、「硫黄結合」、または「リン結合」などの用語は、部分内の複数タイプの原子を使用することにより2つの部分間の結合を形成できる場合、部分間で形成される結合は、特定原子を介することを意味する。例えば、窒素結合したアミノ酸は、アミノ酸の酸素または炭素原子を介してではなくアミノ酸の窒素原子を介して結合する。
【0095】
別段の定めのない限り、式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の炭素原子は、4価を有するものとする。炭素原子が4価となるために十分な数の結合基を有さない一部の化学構造表示においては、4価となるのに必要な残りの炭素置換基は水素とみなされる。例えば、
【化38】
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は、
【化39】
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と同じ意味である。
【0096】
「保護基」とは、官能基の特性または化合物全体の特性を隠すかまたは改変する化合物部分を指す。保護基の化学構造は広範囲に変わる。保護基の1つの機能は、親薬物質の合成において中間体としての役割を果たす。化学的保護基および保護/脱保護の戦略は、当該技術分野において周知である。”Protective Groups in Organic Chemistry”,Theodora W.Greene(John Wiley&Sons,Inc.,New York,1991を参照されたい。保護基は、ある官能基の反応性を隠して所望の化学反応の有効性を補助するため、例えば化学結合を順番に、計画された様式で形成および破壊するために使用されることが多い。化合物の官能基の保護は、極性、親油性(疎水性)、および共通の分析方法により測定できる他の特性など、保護される官能基の反応性に加え他の物理的特性を改変する。化学的に保護された中間体は、単独で生物学的に活性であっても不活性であってもよい。
【0097】
保護された化合物はまた、インビトロおよびインビボで、改変されたか、場合によっては、最適化された特性(細胞膜の通過ならびに酵素分解もしくは腐骨化耐性など)を示し得る。この役割において、意図された治療効果を有する保護された化合物は、プロドラッグと称される場合もある。保護基の別の機能は、親薬をプロドラッグに転換し、これによって、プロドラッグのインビボ変換時に親薬を放出することである。活性プロドラッグは、親薬より効果的に吸収され得るため、プロドラッグは、インビボで親薬より高い効力を有し得る。保護基は、化学中間体の例においてはインビトロで、またはプロドラッグの場合においてはインビボでの、いずれかで除去される。化学中間体の場合、脱保護後に生成した生成物、例えばアルコールが生理的許容可能であることは特に重要ではないが、一般的には、生成物が薬理学的に無害であれば、より望ましい。
【0098】
「プロドラッグ部分」とは、代謝中にか、全身でか、細胞内でか、加水分解によってか、酵素切断によってか、または他の何らかのプロセスによって、活性阻害化合物から分離される不安定な官能基を意味する(Bundgaard,Hans,”Design and Application of Prodrugs”in Textbook of Drug Design and Development(1991),P.Krogsgaard−Larsen and H.Bundgaard,Eds.Harwood Academic Publishers,pp.113−191)。本発明のホスホン酸塩プロドラッグ化合物との酵素により活性化される機序が可能な酵素としては、アミダーゼ、エステラーゼ、微生物酵素、ホスホリパーゼ、コリンエステラーゼ、およびホスファーゼが挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグ部分は、薬剤送達、生物学的利用能および有効性を最適にするために、溶解度、吸収および親油性を増強するように働くことができる。
【0099】
プロドラッグ部分は、活性代謝産物または薬剤自体を含み得る。
【0100】
例示的なプロドラッグ部分としては、加水分解感受性または不安定なアシルオキシメチルエステル−CHOC(=O)R30およびアシルオキシメチルカーボネート−CHOC(=O)OR30(式中、R30はC〜Cアルキル、C〜C置換アルキル、C〜C20アリールまたはC〜C20置換アリールである)が挙げられる。アシルオキシアルキルエステルは、最初、カルボン酸のプロドラッグ戦略として使用され、次いで、リン酸塩およびホスホン酸塩に応用された(Farquhar et al(1983)J.Pharm.Sci.72:324;さらに米国特許第4816570号、同第4968788号、同第5663159号および同第5792756号により)。本発明のある化合物では、プロドラッグ部分は、リン酸基の一部である。アシルオキシアルキルエステルは、リン酸を細胞膜を横切って送達し、経口生物学的利用能を増強するために使用し得る。アシルオキシアルキルエステルに近い改変物であるアルコキシカルボニルオキシアルキルエステル(炭酸塩)もまた、本発明の化合物の組み合わせにおけるプロドラッグ部分として経口生物学的利用能を増強し得る。例示的なアシルオキシメチルエステルは、ピバロイルオキシメトキシ(POM)−CHOC(=O)C(CHである。例示的なアシルオキシメチルカーボネートプロドラッグ部分は、ピバロイルオキシメチルカーボネート(POC)−CHOC(=O)OC(CHである。
【0101】
リン酸基は、リン酸プロドラッグ部分であり得る。プロドラッグ部分は、加水分解に感受性であり得るピバロイルオキシメチルカーボネート(POC)またはPOM基が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、プロドラッグ部分は、酵素増強切断(乳酸塩エステルまたはホスホナミデートエステル基など)に感受性であり得る。
【0102】
リン基のアリールエステル、特にフェニルエステルは、経口生物学的利用能を増強することが報告されている(DeLambert et al(1994)J.Med.Chem.37:498)。ホスフェートに対するオルト位にカルボン酸エステルを含むフェニルエステルについても記載されている(Khamnei and Torrence,(1996)J.Med.Chem.39:4109−4115)。ベンジルエステルは、親ホスホン酸を生成することが報告されている。いくつかの場合において、オルト位またはパラ位の置換基は、加水分解を加速し得る。アシル化フェノールまたはアルキル化フェノールを有するベンジル類似体は、酵素(例えばエステラーゼ、オキシダーゼなど)の作用によって、フェノール化合物を生成し得、これは続いてベンジルのC−O結合で切断されてリン酸およびキノンメチド中間体を生成する。このクラスのプロドラッグの例は、Mitchell et al(1992)J.Chem.Soc.Perkin Trans.I 2345;Brook et al WO91/19721号により記載されている。さらに、ベンジルのメチレンに結合したカルボン酸エステル含有基を含む他のベンジルプロドラッグについて記載されている(Glazier et al WO91/19721号)。チオ含有プロドラッグは、ホスホネート薬物の細胞内送達に有用であることが報告されている。これらのプロエステルはエチルチオ基を含み、このエチルチオ基において、チオール基はアシル基でエステル化されているかまたは別のチオール基と結合しているかのいずれかでジスルフィドを形成している。このジスルフィドの脱エステル化または還元は遊離チオ中間体を生成し、このチオ中間体は続いて、リン酸とエピスルフィドに分解される(Puech et al(1993)Antiviral Res.,22:155−174;Benzaria et al(1996)J.Med.Chem.39:4958)。環式ホスホン酸塩エステルはまた、リン含有化合物のプロドラッグとしても記載されている(Erion et al、米国特許第6312662号)。
【0103】
式I、式II、式III、式IV、式V、または式VIの範囲内の化合物のすべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびラセミ混合物、互変異性体、多形体、偽多型およびそれらの医薬上許容可能な塩は、本発明に含まれることに留意されたい。かかるエナンチオマーおよびジアステレオマーの混合物はすべて、本発明の範囲内である。
【0104】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物ならびにそれらの医薬上許容可能な塩は、異なる多形体または偽多型として存在し得る。本明細書で使用される結晶多型とは、異なる結晶構造で存在する結晶化合物の能力を意味する。結晶多型は、異なる結晶パッキング(パッキング多型)に起因してもよいし、同じ分子で異なる配座異性体間の異なるパッキング(配座多型)に起因してもよい。本明細書で使用される結晶偽多型とは、異なる結晶構造で存在する化合物の水和物または溶媒和物の能力を意味する。本発明の偽多型は、異なる結晶パッキング(パッキング偽多型)に起因して存在してもよいし、同じ分子で異なる配座異性体間の異なるパッキング(配座偽多型)に起因して存在してもよい。本発明は、式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物のすべての多形体および偽多型ならびにそれらの医薬上許容可能な塩を含む。
【0105】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物ならびにそれらの医薬上許容可能な塩はまた、非晶質固体としても存在し得る。本明細書で使用される非晶質固体は、固体中の原子位置順が長距離となっていない固体である。この定義は、結晶サイズが2ナノメートル以下である場合にも同様に適用される。添加物(溶媒など)は、本発明の非晶質型作製に使用し得る。本発明は、式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の全非晶質型ならびにそれらの医薬上許容可能な塩を含む。
【0106】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物を構成する選択された置換基を含むが再帰的な程度まで存在する。本文脈において、「再帰的置換基」とは、ある置換基がそれ自体の別の例として列挙され得ることを意味する。かかる置換基の再帰的性質のため、理論的には、任意の所定の実施形態において、大量の化合物が存在し得る。例えば、Rは、R置換基を含む。Rは、Rであることができる。Rは、Wであることができる。Wは、Wであることができ、Wは、RであるかまたはRを含む置換基を含むことができる。かかる置換基の総数は、意図する化合物の所望の特性により合理的に制限されることが医薬品化学の当業者により理解される。かかる特性の非限定的な例としては、物理的特性(分子量、溶解度またはログPなど)、適応特性(意図する標的に対する活性など)、および実用特性(合成の容易性など)が挙げられる。
【0107】
非限定的な例として、ある実施形態では、WおよびRは、再帰的置換基である。典型的には、所定の実施形態において、各再帰的置換は独立して、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、または0回起こることができる。より典型的には、所定の実施形態において、各再帰的置換は独立して、12回以下起こることができる。さらにより典型的には、所定の実施形態において、各再帰的置換は独立して、3回以下起こることができる。例えば、所定の実施形態において、Wは0〜8回起こり、Rは0〜6回起こる。さらにより典型的には、所定の実施形態において、Wは0〜6回起こり、Rは0〜4回起こる。
【0108】
再帰的置換基は、本発明の意図された態様である。医薬品化学の当業者は、かかる置換基の汎用性を理解する。本発明の実施形態において再帰的置換基が存在する程度まで、総数は上に説明するように決定する。
【0109】
量に関して使用される「約」という修飾語句は所定値を含み、文脈に示された意味を有する(例えば、特定量の測定に伴う誤差程度を含む)。
【0110】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物は、Rとしてリン酸基を含み得、これは、プロドラッグ部分
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
であり得、式中、各YもしくはYは独立して、O、S、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、もしくはN−NRであり;WおよびWは、一緒になったときに、−Y(C(R−であり;またはWもしくはWの1つはRもしくはRのいずれかと一緒になって−Y−であり、WもしくはWの他方は式Iaであり;または各WおよびWは、独立して、式Ia基
【化41】
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であり、式中:
各Yは独立して、単結合、O、CR、NR、N(O)(R)、N(OR)、N(O)(OR)、N−NR、S、S−S、S(O)、もしくはS(O)であり;
各Yは独立して、O、S、もしくはNRであり;
M2は、0、1もしくは2であり;
各Rは独立して、H、F、Cl、Br、I、OH、R、−C(=Y)R、−C(=Y)OR、−C(=Y)N(R)、−N(R)、−N(R)、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−OC(=Y)R、−OC(=Y)OR、−OC(=Y)(N(R))、−SC(=Y)R、−SC(=Y)OR、−SC(=Y)(N(R))、−N(R)C(=Y)R、−N(R)C(=Y)OR、もしくは−N(R)C(=Y)N(R)、−SONR、−CN、−N、−NO、−OR、保護基もしくはWであり;または同一炭素原子上の2つのRは一緒になったときに、3〜7個の炭素原子の炭素環を形成し;
各Rは独立して、R、保護基、もしくは式
【化42】
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であり、式中:
M1a、M1c、およびM1dは独立して、0もしくは1であり;
M12cは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11もしくは12であり;
各RはH、ハロゲン、(C〜C)アルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニル、(C〜C)置換アルキニル、C〜C20アリール、C〜C20置換アリール、C〜C20複素環、C〜C20置換ヘテロシクリル、アリールアルキル、置換アリールアルキルもしくは保護基であり;
は、WもしくはWであり;WはR、−C(Y)R、−C(Y)W、−SO、もしくは−SOであり;ならびにWは独立して、0〜3個のR基に置換されている炭素環もしくは複素環である。
【0111】
炭素環およびW複素環は独立して、0〜3個のR基に置換されていてよい。Wは、単環または二環の炭素環または複素環を含む飽和、不飽和または芳香環であり得る。Wは、3〜10環原子、例えば、3〜7環原子を有し得る。W環は、3環原子を含む場合に飽和、4環原子を含む場合に飽和またはモノ不飽和、5環原子を含む場合に飽和、または単環もしくは二環の不飽和、ならびに6環原子を含む場合に飽和、単環もしくは二環の不飽和もしくは芳香環である。
【0112】
複素環は、3〜7環員(2〜6個の炭素原子ならびにN、O、P、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子)を有する単環または7〜10環員(4〜9個の炭素原子ならびにN、O、P、およびSから選択される1〜3個のヘテロ原子)を有する二環であり得る。W複素単環は、3〜6環原子(2〜5個の炭素原子ならびにN、O、およびSから選択される1〜2個のヘテロ原子);または5もしくは6環原子(3〜5個の炭素原子ならびにNおよびSから選択される1〜2個のヘテロ原子)を有し得る。W複素二環は、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]もしくは[6,6]系として配列される7〜10環原子(6〜9個の炭素原子ならびにN、O、およびSから選択される1〜2個のヘテロ原子);またはビシクロ[5,6]もしくは[6,6]系として配列される9〜10環原子(8〜9個の炭素原子ならびにNおよびSから選択される1〜2個のヘテロ原子)を有する。W複素環は、安定した共有結合により炭素、窒素、硫黄または他の原子を介してYに結合し得る。
【0113】
複素環としては、例えば、ピリジル、ジヒドロピリジル異性体、ピペリジン、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、s−トリアジニル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフラニル、チエニル、およびピロリルが挙げられる。Wの例としてはまた、
【化43】
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および
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
なども挙げられるが、これらに限定されない。
【0114】
炭素環および複素環は、上に定義されるように、独立して、0〜3個のR基に置換されていてよい。例えば、置換されたW炭素環としては、
【化45】
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が挙げられる。
【0115】
置換フェニル炭素環の例としては、
【化46】
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が挙げられる。
【0116】
もしくはRと一緒のRの実施形態としては、構造
【化47】
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もしくは
【化48】
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が挙げられ、式中、
aは、R結合点であり;
bは、R結合点であり;
Arは、フェニルもしくはナフチルであり、前記フェニルおよびナフチルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、(C〜C)アルキルもしくはC〜Cカルボシクリル、前記アルキルおよびカルボシクリルは、1〜3個のR20基に置換されていてもよく;
各Rは独立して、H、(C〜C)アルキル、もしくはアリールアルキルであり;ならびに
各R20は独立して、ハロゲン、CN、N(R)、OR、−SR、−S(O)R、−S(O)R、−S(O)(OR)、−S(O)(OR)、−C(=O)R、−C(=O)OR、もしくはC(=O)N(R)である。
【0117】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の
【化49】
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の実施形態は、
【化50】
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などの部分構造を含み、式中、各Y2bは独立して、OまたはN(R)である。この実施形態の別の態様では、各Y2bはOであり、各Rは独立して、
【化51】
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であり、式中、M12cは、1、2または3であり、各Yは独立して、単結合、O、CR、またはSである。この実施形態の別の態様では、Y2b−Rの片方はNH(R)であり、Y2b−Rの他方はO−Rであり、式中Rは、
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、M12cは2である。この実施形態の別の態様では、各Y2bはOであり、各Rは独立して、
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、M12cは2である。この実施形態の別の態様では、各Y2bはOであり、各Rは独立して、
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、M12cは1であり、Yは、単結合、O、またはCRである。
【0118】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
の他の実施形態は、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
などの部分構造を含み、式中、各Yは独立して、OまたはN(R)である。この実施形態の別の態様では、各YはOである。この実施形態の別の態様では、部分構造は
【化57】
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であり、式中、Rは、本明細書に定義されるWである。
【0119】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの
【化58】
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の別の実施形態は、部分構造
【化59】
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を含み、式中、各Y2cは独立して、O、N(R)またはSである。
【0120】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の
【化60】
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の別の実施形態は、式中、WまたはWの片方はRまたはRのいずれかと一緒になって−Y−であり、WまたはWの他方は式Iaである部分構造を含む。かかる実施形態は、
【化61】
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または
【化62】
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式Ib
から選択される式Ibの化合物により表される。
【0121】
式Ibの実施形態の別の態様では、各YおよびYはOである。式Ibの実施形態の別の態様では、WまたはWはY2b−Rであり;各Y、YおよびY2bはOであり、Rは、
【化63】
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であり、式中、M12cは、1、2または3であり、各Yは独立して、単結合、O、CR、またはSである。式Ibの実施形態の別の態様では、WまたはWはY2b−Rであり;各Y、YおよびY2bはOであり、Rは、
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、M12cは2である。式Ibの実施形態の別の態様では、WまたはWはY2b−Rであり:各Y、YおよびY2bはOであり、Rは、
【化65】
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であり、式中、M12cは1であり、Yは、単結合、O、またはCRである。
【0122】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の
【化66】
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の別の実施形態は、部分構造
【化67】
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を含み、式中、Wは炭素環(フェニルまたは置換フェニルなど)である。この実施形態の別の態様では、部分構造は
【化68】
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であり、式中、Y2bはOまたはN(R)であり、フェニル炭素環は、0〜3個のR基に置換されている。この部分構造の実施形態の別の態様では、Rは、
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、M12cは、1、2または3であり、各Yは独立して、単結合、O、CR、またはSである。
【0123】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの
【化70】
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の別の実施形態は、部分構造
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0124】
アミノ酸および乳酸塩部分のキラル炭素は、R配置またはS配置のいずれかであってもラセミ混合物であってもよい。
【0125】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの
【化73】
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の別の実施形態は、部分構造
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式中、各Yは独立して、−O−または−NH−である。この実施形態の別の態様では、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニルまたは(C〜C)置換アルキニルである。この実施形態の別の態様では、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニルもしくは(C〜C)置換アルキニルであり;ならびにRはCHである。この実施形態の別の態様では、Rは、(C〜C)アルキル、(C〜C)置換アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)置換アルケニル、(C〜C)アルキニルまたは(C〜C)置換アルキニルであり;Rは、CHであり;ならびに各Yは、−NH−である。この実施形態の1つの態様では、WおよびWは独立して、窒素結合、天然アミノ酸または天然アミノ酸エステルである。この実施形態の別の態様では、WおよびWは独立して、天然2−ヒドロキシカルボン酸または天然2−ヒドロキシカルボン酸エステルであり、前記酸またはエステルは、2−ヒドロキシ基を介してPに結合されている。
【0126】
式I、式II、式III、式IV、式V、または式VIの
【化75】
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の別の実施形態は、部分構造
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0127】
この実施形態の1つの態様では、各Rは独立して、(C〜C)アルキルである。この実施形態の別の態様では、各Rは独立して、C〜C20アリールまたはC〜C20置換アリールである。
【0128】
1つの好ましい実施形態では、
【化77】
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は、
【化78】
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または
【化79】
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から選択される。
【0129】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの
【化80】
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の別の実施形態は、部分構造
【化81】
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であり、式中、WおよびWは独立して、下表20.1〜20.37および下表30.1の式の1つから選択される。表20.1〜20.37に使用される基(例えば、W23、R21など)は、別段の定めのない限り、表20.1〜20.37のみに付随する。
表20.1〜20.37に使用される基は、以下の定義を有する:
各R21は独立して、Hもしくは(C〜C)アルキルであり;
各R22は独立して、H、R21、R23もしくはR24であり、式中、各R24は独立して、0〜3個のR23に置換されており;
各R23は独立して、R23a、R23b、R23cもしくはR23dであり、R23がヘテロ原子へ結合する場合、R23は、R23cもしくはR23dであり;
各R23aは独立して、F、Cl、Br、I、−CN、Nもしくは−NOであり;
各R23bは独立して、Y21であり;
各R23cは独立して、−R2x、−N(R2x)(R2x)、−SR2x、−S(O)R2x、−S(O)2x、−S(O)(OR2x)、−S(O)(OR2x)、−OC(=Y21)R2x、−OC(=Y21)OR2x、−OC(=Y21)(N(R2x)(R2x))、−SC(=Y21)R2x、−SC(=Y21)OR2x、−SC(=Y21)(N(R2x)(R2x))、−N(R2x)C(=Y21)R2x、−N(R2x)C(=Y21)OR2x、もしくは−N(R2X)C(=Y21)(N(R2x)(R2X))であり;
各R23dは独立して、−C(=Y21)R2x、−C(=Y21)OR2xもしくは−C(=Y21)(N(R2x)(R2x))であり;
各R2xは独立して、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、(C〜C)アルキニル、アリール、ヘテロアリールであり;または2つのR2xはそれらが共に結合している窒素と一緒になって3〜7員複素環を形成し、前記複素環の炭素原子の任意の1つは−O−、−S−もしくは−NR21−に置換されていることができ;ならびに、前記(C〜C)アルキルのそれぞれの1個もしくは複数の非末端炭素原子は、−O−、−S−または−NR21−に置換されていてよく;
各R24は独立して、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルケニル、もしくは(C〜C)アルキニルであり;
各R25は独立してR24であり、各R24は、0〜3個のR23基に置換されており;
各R25aは独立して、(C〜C)アルキレン、(C〜C)アルケニレン、もしくは(C〜C)アルキニレンであり、前記(C〜C)アルキレン、(C〜C)アルケニレン、もしくは(C〜C)アルキニレンの任意の1つは、0〜3個のR23基に置換されており;
各W23は独立して、W24もしくはW25であり;
各W24は独立して、R25、−C(=Y21)R25、−C(=Y21)W25、−SO25、もしくは−SO25であり;
各Wは独立して、0〜3個のR22基に独立して置換されている炭素環もしくは複素環であり;ならびに
各Y21は独立して、OもしくはSである。
表20.1
【表1】
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表20.2
【表2】
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表20.3
【表3】
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表20.4
【表4】
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表20.5
【表5】
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表20.6
【表6】
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表20.7
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
表20.8
【表8】
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表20.9
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
表20.10
【表10】
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表20.11
【表11】
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表20.12
【表12】
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表20.13
【表13】
[この文献は図面を表示できません]
表20.14
【表14】
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表20.15
【表15】
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表20.16
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
表20.17
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
表20.18
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
表20.19
【表19】
[この文献は図面を表示できません]
表20.20
【表20】
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表20.21
【表21】
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表20.22
【表22】
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表20.23
【表23】
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表20.24
【表24】
[この文献は図面を表示できません]
表20.25
【表25】
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表20.26
【表26】
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表20.27
【表27】
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表20.28
【表28】
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表20.29
【表29】
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表20.30
【表30】
[この文献は図面を表示できません]
表20.31
【表31】
[この文献は図面を表示できません]
表20.32
【表32】
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表20.33
【表33】
[この文献は図面を表示できません]
表20.34
【表34】
[この文献は図面を表示できません]
表20.35
【表35】
[この文献は図面を表示できません]
表20.36
【表36】
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表20.37
【表37】
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表30.1
【表38】
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【0130】
の実施形態としては、エステル、カルバメート、炭酸塩、チオエステル、アミド、チオアミドおよび尿素基:
【化82】
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および
【化83】
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が挙げられる。
【0131】
本明細書に記載の本発明の化合物への言及はいずれも、それらの生理的許容可能な塩への言及も含む。本発明の化合物の生理的許容可能な塩の例としては、アルカリ金属またはアルカリ土類など適切な塩基に由来する塩(例えば、Na、Li、K、Ca+2およびMg+2)、アンモニウムおよびNR(式中、Rは、本明細書に定義される)が挙げられる。窒素原子またはアミノ基の生理的許容可能な塩としては、(a)無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などで形成された酸付加塩;(b)有機酸、例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸、タンニン酸、パルミチン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸、マロン酸、スルホサリチル酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ−3−ナフテート、パモエート、サリチル酸、ステアリン酸、フタル酸、マンデル酸、乳酸、エタンスルホン酸、リジン、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、セリン、トレオニン、アラニン、イソロイシン、ロイシンなどで形成された塩;ならびに(c)元素アニオン、例えば、塩素、臭素、およびヨウ素で形成された塩が挙げられる。ヒドロキシ基の化合物の生理的許容可能な塩としては、前記化合物のアニオンと適切なカチオン(NaおよびNRなど)との組み合わせが挙げられる。
【0132】
治療使用において、本発明の化合物の活性成分の塩は生理的許容可能である、すなわち、生理的許容可能な酸または塩基に由来する塩である。しかしながら、生理的許容可能ではない酸または塩基の塩もまた、例えば、生理的許容可能な化合物の調製または精製における用途を見出し得る。生理的許容可能な酸または塩基の由来の有無を問わず、すべての塩が本発明の範囲内である。
【0133】
最終的に、本明細書の組成物は、非イオン化、ならびに両性イオン形態、および水和物としての化学量論量の水との組み合わせにおける本発明の化合物を含むことが理解されるべきである。
【0134】
式I〜IIIおよび式IV〜VIに例示される本発明の化合物は、不斉中心、例えばキラル炭素またはリン原子を有し得る。したがって、本発明の化合物は、すべての立体異性体のラセミ混合物(エナンチオマー、ジアステレオマー、およびアトロプ異性体など)を含む。さらに、本発明の化合物は、任意のまたはすべての不斉キラル原子で富化または分割された光学異性体を含む。すなわち、描写から明らかな不斉中心は、キラル異性体またはラセミ混合物として提供する。ラセミおよびジアステレオマーの両混合物、ならびに単離もしくは合成され、実質的にそれらのエナンチオマーもしくはジアステレオマーパートナーを含まない個々の光学異性体は、すべて本発明の範囲内である。ラセミ混合物は、例えば、光学活性添加物(例えば、酸または塩基)で形成されたジアステレオマー塩の分離などの周知の技術を介して、個々の実質的に光学的に純粋な異性体に分離してから、光学活性物質へ変換し戻す。ほとんどの例において、所望の光学異性体は、所望の出発物質の適切な立体異性体で開始する立体特異反応法により合成される。
【0135】
「キラル」という用語は、鏡像パートナーの重ねることができない特性を有する分子を指し、一方「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナー上に重ねることができる分子を意味する。
【0136】
「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を指す。
【0137】
「ジアステレオマー」とは、2つ以上の不斉中心を有し、これらの分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的性質、例えば融点、沸点、分光特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順によって分離し得る。
【0138】
「エナンチオマー」とは、互いに重ねることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を指す。
【0139】
本明細書において使用される立体化学の定義および規定は、一般に、S.P.Parker,Ed.,McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company,New York;およびEliel,E.およびWilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物は、面偏光面の回転能を有する光学活性形態で存在する。光学活性化合物の説明において、接頭辞DおよびLまたはRおよびSは、その不斉中心(1つまたは複数)に関する分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞dおよびl、DおよびL、または(+)および(−)は、化合物による平面偏光の回転徴候を示すために使用され、S、(−)、またはlは化合物が左旋性であることを意味し、対してR、(+)またはdの接頭辞がついた化合物は右旋性である。所定の化学構造において、これらの立体異性体は、互いに鏡像である点を除いて同じである。特定の立体異性体はエナンチオマーと称される場合もあり、かかる異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と称されることが多い。エナンチオマーの50:50混合物はラセミ混合物またはラセミ体と称され、これは、化学反応または化学過程中に立体選択または立体特異性がない場合に起こり得る。「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性を欠く2種のエナンチオマー種の等モル混合物を指す。
【0140】
本明細書に記載の化合物が、複数の同一指定基、例えば、「R」または「R」に置換されている場合、基は同じでも異なってもよく、すなわち、各基は独立して、選択されることが理解される。波線
【数1】
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は、隣接部分構造、基、部分、または原子への共有結合部位を示す。
【0141】
ある場合では、本発明の化合物は、互変異性異性体としても存在することができる。非局在化共鳴構造の1つのみを示し得るが、かかる形態はすべて本発明の範囲内であることが企図される。例えば、エナミン互変異性体はプリン、ピリミジン、イミダゾール、グアニジン、アミジン、およびテトラゾール系において存在でき、それらの可能な互変異性型はすべて本発明の範囲内である。
【0142】
ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン、イミダゾ[1,5−f][1,2,4]トリアジン、イミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジン、および[1,2,4]トリアゾロ[4,3−f][1,2,4]トリアジンヌクレオシドは互変異性型で存在できることを当業者は認識するであろう。例えば、限定されないが、構造(a)および(b)は、
【化84】
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に示すとおり、等価の互変異性型を有することができる。
【0143】
本明細書で開示するすべての実施形態における複素環の可能な互変異性型はすべて本発明の範囲内である。
【0144】
HCVポリメラーゼの阻害方法
本発明の別の態様は、本発明の組成物を用いた、HCV含有の疑いがある試料の処理工程を含む、HCVポリメラーゼ活性阻害方法に関する。
【0145】
本発明の組成物は、かかる阻害剤の中間体としてHCVポリメラーゼ阻害剤として作用し得、または下記の他の用途を有する。阻害剤は、HCVポリメラーゼに独特な幾何学的形状を有するHCVポリメラーゼの表面上または空洞内の位置に結合する。HCVポリメラーゼに結合する組成物は、様々な可逆度で結合し得る。実質的に不可逆的に結合する化合物は、本発明のこの方法での使用における理想的な候補である。標識後、実質的に不可逆的に結合する組成物は、HCVポリメラーゼ検出プローブとして有用である。したがって、本発明は、以下の工程:標識結合した本発明の化合物を含む組成物を用いた、HCVポリメラーゼ含有の疑いがある試料の処理;ならびに標識活性に対する試料効果の観察を含む、HCVポリメラーゼ含有の疑いがある試料中のHCVポリメラーゼ検出方法に関する。適切な標識は、診断分野において周知であり、安定した遊離ラジカル、蛍光体、放射同位体、酵素、化学発光基および色原体を含む。本明細書の化合物は、官能基(ヒドロキシル、カルボキシル、スルフヒドリルまたはアミノなど)を使用した従来形式で標識される。
【0146】
本発明の文脈内で、HCVポリメラーゼ含有の疑いがある試料としては、天然または人工物質(生体;組織または細胞培養など);生体物質試料などの生体試料(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙液、喀痰、唾液、組織試料、など);実験室試料;食物、水、または大気試料;バイオ生成物試料(細胞抽出物、特に所望の糖タンパク質を合成する組換え細胞など);などが挙げられる。典型的には、試料は、病原体(HCVなど)であることが多い、HCVポリメラーゼを生成する生体含有の疑いがある。試料は、水および有機溶媒水混合物を含む任意の培地に含まれることができる。試料としては、生体(ヒトなど)、および人工物質(細胞培養など)が挙げられる。
【0147】
本発明の処理工程は、試料への本発明の組成物添加を含むかまたは、試料への組成物前駆体添加を含む。添加工程は、上記の任意の投与方法を含む。
【0148】
所望の場合、組成物適用後のHCVポリメラーゼ活性は、直接的および間接的HCVポリメラーゼ活性検出方法を含む任意の方法により観察できる。HCVポリメラーゼ活性を決定する定量、定性、および半定量方法はすべて企図される。典型的には、上記のスクリーニング方法の1つを適用するが、任意の他の方法(生体の生理的特性の観察など)も適用可能である。
【0149】
HCVポリメラーゼを含む有機体としては、HCVウイルスが挙げられる。本発明の化合物は、動物またはヒトにおけるHCV感染の治療または予防に有用である。
【0150】
しかしながら、ヒト免疫不全ウイルスの阻害可能な化合物スクリーニングにおいて、酵素アッセイ結果は細胞培養アッセイと相関しない場合があることを留意すべきである。したがって、細胞ベースのアッセイが主要スクリーニング方法であるべきである。
【0151】
HCVポリメラーゼ阻害剤スクリーニング
酵素活性評価のための任意の従来技術により、本発明の組成物のHCVポリメラーゼ阻害活性についてスクリーニングする。本発明の文脈内で、典型的には、組成物は、HCVポリメラーゼのインビトロ阻害を初めにスクリーニングしてから、阻害活性を示す組成物のインビボ活性についてスクリーニングする。インビトロKi(阻害定数)約5×10−6M未満、典型的には、約1×10−7M未満、好ましくは約5×10−8M未満の組成物が、インビボ使用に好ましい。
【0152】
有用なインビトロスクリーニングについて詳述されているが、本明細書では詳述しない。しかしながら、実施例には適切なインビトロアッセイについて記載する。
【0153】
医薬品製剤
本発明の化合物は、従来の担体および賦形剤を用いて製剤化され、これは、通常の慣例を踏まえて選択される。錠剤としては、賦形剤、流動促進剤、充填剤、結合剤などが挙げられる。水性製剤は、滅菌形態で調製され、経口投与以外の送達が意図される場合、一般には等張である。すべての製剤は、賦形剤(“Handbook of Pharmaceutical Excipients”(1986)に説明するものなど)を含んでもよい。賦形剤としては、アスコルビン酸および他の抗酸化剤、キレート化剤、例えばEDTA、炭水化物、例えばデキストラン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などが挙げられる。製剤のpH範囲は約3〜約11であるが、通常約7〜10である。
【0154】
活性成分は単独投与が可能であるが、医薬品として存在することが好ましい場合がある。動物とヒト使用の両方のための本発明の製剤は、上に定義する少なくとも1つの活性成分を1つまたは複数の許容可能な担体と共に含み、したがって他の治療成分も含んでもよい。担体(1つまたは複数)は、他の製剤成分と適合し、そのレシピエントに対して生理的に無害であるという意味で「許容可能」でなければならない。
【0155】
製剤としては、前述の投与経路に適したものが挙げられる。製剤は、好都合に単位投与形態で存在し得、製薬分野において周知である任意の方法により調製し得る。技術および製剤化は、一般には、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.,Easton,PA)に見出される。かかる方法は、1つまたは複数の副成分を構成する担体と活性成分を会合させる工程を含む。一般的に、製剤は均一に調製され、液体担体もしくは細分固体担体または両方と活性成分を密接に会合させてから、必要な場合、生成物を成形する。
【0156】
経口投与に適した本発明の製剤は、所定量の活性成分をそれぞれ含むカプセル(capsuleおよびcachet)もしくは錠剤などの不連続単位として;散剤もしくは顆粒剤として;水性もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液として;または水中油型乳濁液もしくは油中水型乳濁液として存在し得る。活性成分はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとしても投与し得る。
【0157】
錠剤は、1つまたは複数の副成分を用いてもよく、圧縮または型打ちにより作製される。圧縮錠は、フリーフロー形態(散剤または顆粒剤など)の活性成分を適切な機械内で圧縮することにより調製し得、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、表面活性または分散剤と混合してもよい。成型錠は、不活性希釈液を用いて湿らせた散剤活性成分の混合物を適切な機械内で型打ちして作製し得る。錠剤は、コーティングまたは印をつけることができ、活性成分の遅いまたは制御放出が得られるように製剤化されてもよい。
【0158】
眼部または他の外部組織、例えば口内および皮膚の感染のため、製剤は、好ましくは、活性成分(1つまたは複数)を、例えば、0.075〜20%w/w(活性成分(1つまたは複数)を、0.1%w/wずつ増える、0.1%〜20%の範囲、例えば0.6%w/w、0.7%w/wなどで含む)、好ましくは0.2〜15%w/w、最も好ましくは0.5〜10%w/wの量で含む局所軟膏またはクリームとして適用される。軟膏として製剤化する時、活性成分はパラフィンまたは水と混和する軟膏ベースのいずれかと適用し得る。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム系を用いてクリームに製剤化し得る。
【0159】
所望の場合、クリーム系の水相は、例えば、少なくとも30%w/w多価アルコール、すなわち2つ以上のヒドロキシル基(プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG400など)およびそれらの混合物を有するアルコールを含み得る。局所製剤は、望ましくは、皮膚または他の患部からの活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を含み得る。かかる真皮浸透エンハンサーの例としては、ジメチルスルホキシドおよび関連類似体が挙げられる。
【0160】
本発明の乳濁液の油相は、既知の方法で既知の成分から構成され得る。油相は乳化剤(あるいはエマルジェントとして知られている)のみを含み得るが、望ましくは、脂質もしくは油、または脂質と油の両方と少なくとも1つの乳化剤との混合物を含む。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と共に含まれる。油と脂質の両方を含むことも好ましい。総合して、安定剤(1つまたは複数)の有無を問わず、乳化剤(1つまたは複数)はいわゆる乳化ワックスを作製し、該ワックスは油および脂質と共にいわゆる乳化軟膏ベースを生成し、これはクリーム製剤の油型分散相を形成する。
【0161】
本発明の製剤における使用に適した乳剤(Emulgentおよびemulsion)安定剤としては、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、グリセリルモノステアレートおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0162】
製剤に適した油または脂質の選択は、所望の外観特性を得ることに基づく。クリームは、好ましくは試験管または他の容器からの漏出を回避する適切な粘稠度を有して、ベタつかない、非染色および洗浄可能な生成物であるべきである。直鎖または分鎖、一塩基性または二塩基性アルキルエステル、例えばアジピン酸ジイソ、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、2−エチルヘキシルパルミテートまたはCrodamol CAPとして知られている分鎖エステル混合物を使用し得、最後の3つが好ましいエステルである。これらは単独で使用してもよいし、または必要な特性に応じて組み合わせて使用してもよい。あるいは、高融点脂質(白色軟パラフィンおよび/または液体パラフィンまたは他の鉱油など)を使用する。
【0163】
本発明による医薬品は、1つまたは複数の医薬上許容可能な担体もしくは賦形剤、ならびに必要に応じて他の治療薬との本発明に従った併用を含む。活性成分を含む医薬品は、意図された投与方法に適した任意の形態であり得る。経口使用に使用する場合、例えば、錠剤、トローチ、薬用キャンデー、水性または油性懸濁液、分散剤または顆粒剤、乳濁液、硬または軟カプセル、シロップまたはエリキシル剤を調製し得る。経口使用用に意図された組成物は、医薬組成物製造分野において知られている任意の方法に従って調製し得、かかる組成物は、口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および防腐剤を含む1つまたは複数の薬剤を含み得る。錠剤の製造に適している非毒性医薬上許容可能な賦形剤との混合における活性成分を含む錠剤も許容可能である。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウムなど);造粒剤および崩壊剤(トウモロコシデンプンもしくはアルギン酸など);結合剤(デンプン、ゼラチンもしくはアカシアなど);ならびに平滑剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルクなど)であり得る。錠剤はコーティングを施していなくてもよいし、既知の技術(消化管内での崩壊および吸着を遅らせて、より長期間にわたって持続した活性を提供するためのマイクロカプセル封入など)によりコーティングしていてもよい。例えば、時間遅延化物質(グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートなど)を単独またはワックスと併用して適用し得る。
【0164】
経口使用用の製剤はまた、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして存在してもよく、または活性成分が水もしくは油培地(ピーナッツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油など)と混合される軟ゼラチンカプセルとして存在してもよい。
【0165】
本発明の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合において活性物質を含む。かかる賦形剤としては、懸濁剤(ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジオン、ガムトラガカントおよびガムアカシアなど)、ならびに分散剤もしくは湿潤剤(天然リン脂質(例えば、レシチン)など)、脂肪酸とアルキレンオキシドの凝縮生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドの凝縮生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分的エステルとエチレンオキシドの凝縮生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)が挙げられる。水性懸濁液はまた、1つもしくは複数の防腐剤(エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ−ベンゾエートなど)、1つもしくは複数の着色剤、1つもしくは複数の香味剤ならびに1つもしくは複数の甘味剤(スクロースまたはサッカリンなど)を含み得る。
【0166】
油懸濁液は、植物性油(落花生油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油など)、または鉱油(液体パラフィンなど)中で活性成分の懸濁化により製剤化し得る。経口懸濁液は、増粘剤(蜜ろう、硬パラフィンまたはセチルアルコールなど)を含み得る。口当たりの良い経口調製物を提供するために、甘味剤(上に説明するものなど)および香味剤を添加し得る。これらの組成物は、抗酸化剤(アスコルビン酸など)を添加することにより保存され得る。
【0167】
水性懸濁液の調製に適した本発明の分散剤および顆粒剤は、水を添加することにより、分散剤もしくは湿潤剤、懸濁剤、ならびに1つもしくは複数の防腐剤との混合において活性成分を提供する。適切な分散剤もしくは湿潤剤ならびに懸濁剤は、上の開示により例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味料および着色剤も存在し得る。
【0168】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型乳濁液の形態であり得る。油相は、植物性油(オリーブ油または落花生油など)、鉱油(液体パラフィンなど)、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤としては、天然ガム(ガムアカシアおよびガムトラガカントなど)、天然リン脂質(大豆レシチン、エステルまたは脂肪酸由来の部分的エステルなど)およびヘキシトール無水物(ソルビタンモノオレエートなど)、およびエチレンオキシドとこれら部分的エステルの凝縮生成物(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなど)であり得る。乳剤はまた、甘味剤および香味剤も含み得る。シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤(グリセロール、ソルビトールまたはスクロースなど)を用いて製剤化し得る。かかる製剤はまた、粘滑剤、防腐剤、香味料または着色剤も含み得る。
【0169】
本発明の医薬組成物は、滅菌注入調製物(滅菌注入水性または油性懸濁液など)の形態であり得る。この懸濁液は、上述した適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁剤を使用して既知の分野に従って製剤化し得る。滅菌注入調製物はまた、非毒性非経口で許容可能な希釈剤または溶媒(1,3−ブタン−ジオール溶液など)中の滅菌注射液または懸濁液であってもよく、凍結乾燥散剤として調製してもよい。適用し得る許容可能なビヒクルおよび溶媒はとりわけ、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌不揮発性油は、溶媒または懸濁培地として従来的に使用し得る。この目的において、合成モノもしくはジグリセリドを含む任意の無菌性不揮発性油を適用し得る。さらに、脂肪酸(オレイン酸など)を同様に注入液の調製に使用し得る。
【0170】
単回投与形態を得る担体物質と併用し得る活性成分量は、治療する宿主、特定の投与方法によって変わる。例えば、ヒトへの経口投与用に意図された時間放出剤は、総組成物の約5〜約95%(重量:重量)の範囲で変わり得る適切かつ好都合な量の担体物質と共に約1〜1000mgの活性物質化合物を含み得る。医薬組成物は調製して容易に測定可能な投与量を提供することができる。例えば、静注用に意図される水溶液は、速度約30mL/時間で適切な容量を注入できるように、溶液1ミリリットル当たり約3〜500μgの活性成分を含み得る。
【0171】
眼内局所投与に適した製剤としては、適切な担体、特に活性成分用の水性溶媒に活性成分が溶解または懸濁した点眼液も挙げられる。活性成分は、好ましくはかかる製剤に、濃度0.5〜20%、有利には0.5〜10%、および特に約1.5%w/wで存在する。
【0172】
口内局所投与に適した製剤としては、香味料ベース(通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント)の活性成分を含む薬用キャンデー;不活性ベース(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなど)中に活性成分を含むトローチ;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む口内洗浄液が挙げられる。
【0173】
直腸投与用の製剤は、例えば、カカオ脂もしくはサリチル酸塩を含む適切な基剤と共に坐剤として存在し得る。
【0174】
肺内または経鼻投与に適した製剤の粒径は、例えば、0.1〜500ミクロンの範囲(0.5、1、30、35など)であり、肺胞嚢に達するように経鼻的な急速吸入により、または経口吸入により投与される。適切な製剤としては、活性成分の水溶液または油性溶液が挙げられる。エアロゾルまたは乾燥散剤投与に適した製剤は、従来の方法に従って調製し得、他の治療薬(下記、HCV感染の治療または予防に従来使用されている化合物など)と送達し得る。
【0175】
膣投与に適した製剤は、活性成分の他に、適切であることが当該技術分野において知られている担体を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー製剤として存在し得る。
【0176】
非経口投与に適した製剤としては、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質を含み得る水性および非水性滅菌注射液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含み得る水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。
【0177】
製剤は、単位用量または複数回用量容器(例えば、密封アンプルおよびバイアル)内に存在し、使用直前に滅菌液体担体(例えば、注射水)の添加のみを必要とする凍結乾燥(freeze−dried)(凍結乾燥(lyophilized))状態で保存し得る。簡易注射液および懸濁液は、先に記載した種類の滅菌散剤、顆粒剤および錠剤から調製される。好ましい単位投与量製剤は、本明細書の上に列挙する活性成分の1日用量もしくは単位1日副用量、またはその適切な分割量を含む。
【0178】
上に特記した成分の他に、本発明の製剤は、対象の製剤タイプに関して当該技術分野において従来、用いられてきた他の薬剤を含み得、例えば、経口投与に適したものは、香味剤を含み得ることが理解されるべきである。
【0179】
本発明はさらに、動物用担体と共に上に定義した少なくとも1つの活性成分を含む動物用組成物を提供する。
【0180】
動物用担体は、組成物を投与する目的において有用な物質であり、そうでなければ獣医分野において不活性または許容可能な固体、液体または気体物質であり得、活性成分と適合する。これらの動物用組成物は、経口、非経口または任意の他の所望の経路により投与し得る。
【0181】
本発明の化合物は、活性成分として1つまたは複数の本発明の化合物を含む制御放出医薬品(「制御放出剤」)を提供するように使用され、活性成分放出は、投薬回数が少ないように、または所定の活性成分の薬力学もしくは毒性プロファイルが改善されるように制御および調節される。
【0182】
活性成分の有効量は、治療する状態の性質、毒性、化合物が予防的に使用されるか(低用量)もしくは活性ウイルス感染に対して使用されるか、送達方法、ならびに医薬品の剤形に少なくとも依存し、従来の漸量試験を使用して臨床医により決定される。約0.0001〜約100mg/kg体重/日;典型的には、約0.01〜約10mg/kg体重/日;より典型的には、約.01〜約5mg/kg体重/日;最も典型的には、約.05〜約0.5mg/kg体重/日であることが予想できる。例えば、約70kg体重の成人ヒトの1日候補用量は1mg〜1000mg、好ましくは5mg〜500mgの範囲であり、単回用量形態でも複数回用量形態でもよい。
【0183】
投与経路
1つまたは複数の本発明の化合物(本明細書において活性成分と称す)は、治療する状態に適した任意の経路により投与される。適切な経路としては、経口、経腸、経鼻、局所(口腔内および舌下など)、膣および非経口(皮下、筋肉内、静注、皮内、髄腔内および硬膜外など)、などが挙げられる。好ましい経路は、例えば、レシピエントの状態により変わり得ることが理解されるであろう。本発明の化合物の利点は、経口で生物的に利用できる点および経口投与できる点である。
【0184】
併用療法
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物の組み合わせは、典型的には、治療する状態、成分の交差反応および組み合わせの薬理学的特性に基づき選択される。例えば、感染(例えば、HCV)治療時、本発明の組成物は、他の活性治療薬(本明細書に記載のものなど)と併用される。
【0185】
本発明の組成物はまた、1つまたは複数の他の活性成分とも併用使用される。好ましくは、他の活性治療成分もしくは薬剤は、インターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、他の抗線維剤、エンドセリンアンタゴニスト、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーもしくは他のHCV治療薬;またはそれらの混合物である。
【0186】
より具体的には、1つもしくは複数の本発明の化合物は、以下からなる群から選択される1つもしくは複数の化合物と併用し得る、
1)インターフェロン、例えば、PEG化rIFN−α2b(PEG−Intron)、PEG化rIFN−α2a(Pegasys)、rIFN−α2b(IntronA)、rIFN−α2a(Roferon−A)、インターフェロンα(MOR−22、OPC−18、Alfaferone、Alfanative、Multiferon、スバリン)、インターフェロンアルファコン−1(Infergen)、インターフェロンα−nl(Wellferon)、インターフェロンα−n3(Alferon)、インターフェロン−β(アボネックス、DL−8234)、インターフェロン−オメガ(omega DUROS、Biomed510)、アルビンテルフェロンα−2b(Albuferon)、IFNαXL、BLX−883(Locteron)、DA−3021、グリコシル化インターフェロンα−2b(AVI−005)、PEG−Infergen、PEG化インターフェロンλ(PEG化IL−29)、ベレロフォン、
2)リバビリンおよびその類似体、例えば、リバビリン(Rebetol、Copegus)、およびテリバビリン(Viramidine)、
3)HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、ボセプレビル(SCH−503034、SCH−7)、テラプレビル(VX−950)、VX−813、TMC−435(TMC435350)、ABT−450、BI−201335、BI−1230、MK−7009、SCH−900518、VBY−376、VX−500、GS−9256、GS−9451、BMS−790052、BMS−605339、PHX−1766、AS−101、YH−5258、YH5530、YH5531、およびITMN−191(R−7227)、
4)α−グルコシダーゼ1阻害剤、例えば、セルゴシビル(MX−3253)、Miglitol、UT−231B、
5)肝保護剤、例えば、エメリカサン(IDN−6556)、ME−3738、GS−9450(LB−84451)、シリビリン、およびMitoQ、
6)HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、例えば、R1626、R7128(R4048)、IDX184、IDX−102、PSI−7851、BCX−4678、バロピシタビン(NM−283)、およびMK−0608、
7)HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、例えば、フィリブビル(PF−868554)、ABT−333、ABT−072、BI−207127、VCH−759、VCH−916、JTK−652、MK−3281、VBY−708、VCH−222、A848837、ANA−598、GL60667、GL59728、A−63890、A−48773、A−48547、BC−2329、VCH−796(ネスブビル)、GSK625433、BILN−1941、XTL−2125、およびGS−9190、
8)HCV NS5A阻害剤、例えば、AZD−2836(A−831)、AZD−7295(A−689)、およびBMS−790052、
9)TLR−7アゴニスト、例えば、イミキモド、852A、GS−9524、ANA−773、ANA−975、AZD−8848(DSP−3025)、PF−04878691、およびSM−360320、
10)シクロフィリン阻害剤、例えば、DEBIO−025、SCY−635、およびNIM811、
11)HCV IRES阻害剤、例えば、MCI−067、
12)薬物動態エンハンサー、例えば、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350、GS−9585、およびロキシスロマイシン、
13)他のHCV治療薬、例えば、サイモシンα1(Zadaxin)、ニタゾキサニド(Alinea,NTZ)、BIVN−401(ビロスタット)、PYN−17(アルティレクス)、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、GS−9525、KRN−7000、シバシル、GI−5005、XTL−6865、BIT225、PTX−111、ITX2865、TT−033i、ANA971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、VGX−410C、EMZ−702、AVI4065、BMS−650032、BMS−791325、Bavituximab、MDX−1106(ONO−4538)、Oglufanide、FK−788、およびVX−497(メリメポジブ)、
14)メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、例えば、スタチン、HMGCoAシンターゼ阻害剤(例えば、ヒメグルシン)、スクアレン合成阻害剤(例えば、ザラゴジン酸);
15)アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えば、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン;
16)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル;
17)他の抗線維剤、例えば、アミロリドならびに
18)エンドセリンアンタゴニスト、例えばボセンタンおよびアンブリセンタン。
【0187】
さらに別の実施形態では、本願は、少なくとも1つの追加治療薬、ならびに医薬上許容可能な担体もしくは賦形剤と併用して、本発明の化合物、またはその医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを含む医薬組成物を開示する。
【0188】
本発明に従い、本発明の化合物または組成物と併用使用される治療薬は、本発明の化合物と併用使用時に治療効果を有する任意の薬剤であることができる。例えば、本発明の化合物もしくは組成物と併用使用される治療薬は、インターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、他の抗線維剤、エンドセリンアンタゴニスト、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーもしくは他のHCV治療薬;またはそれらの混合物であることができる。
【0189】
より具体的には、1つもしくは複数の本発明の化合物の組成物は、以下からなる群から選択される1つもしくは複数の化合物と併用し得る、
1)インターフェロン、例えば、PEG化rIFN−α2b(PEG−Intron)、PEG化rIFN−α2a(Pegasys)、rIFN−α2b(IntronA)、rIFN−α2a(Roferon−A)、インターフェロンα(MOR−22、OPC−18、Alfaferone、Alfanative、Multiferon、スバリン)、インターフェロンアルファコン−1(Infergen)、インターフェロンα−nl(Wellferon)、インターフェロンα−n3(Alferon)、インターフェロン−β(アボネックス、DL−8234)、インターフェロン−オメガ(omega DUROS、Biomed510)、アルビンテルフェロンα−2b(Albuferon)、IFNαXL、BLX−883(Locteron)、DA−3021、グリコシル化インターフェロンα−2b(AVI−005)、PEG−Infergen、PEG化インターフェロンλ(PEG化IL−29)、ベレロフォン、
2)リバビリンおよびその類似体、例えば、リバビリン(Rebetol、Copegus)、およびテリバビリン(Viramidine)、
3)HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、ボセプレビル(SCH−503034、SCH−7)、テラプレビル(VX−950)、VX−813、TMC−435(TMC435350)、ABT−450、BI−201335、BI−1230、MK−7009、SCH−900518、VBY−376、VX−500、GS−9256、GS−9451、BMS−790052、BMS−605339、PHX−1766、AS−101、YH−5258、YH5530、YH5531、およびITMN−191(R−7227)、
4)α−グルコシダーゼ1阻害剤、例えば、セルゴシビル(MX−3253)、Miglitol、UT−231B、
5)肝保護剤、例えば、エメリカサン(IDN−6556)、ME−3738、GS−9450(LB−84451)、シリビリン、およびMitoQ、
6)HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、例えば、R1626、R7128(R4048)、IDX184、IDX−102、PSI−7851、BCX−4678、バロピシタビン(NM−283)、およびMK−0608、
7)HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、例えば、フィリブビル(PF−868554)、ABT−333、ABT−072、BI−207127、VCH−759、VCH−916、JTK−652、MK−3281、VBY−708、VCH−222、A848837、ANA−598、GL60667、GL59728、A−63890、A−48773、A−48547、BC−2329、VCH−796(ネスブビル)、GSK625433、BILN−1941、XTL−2125、およびGS−9190、
8)HCV NS5A阻害剤、例えば、AZD−2836(A−831)、AZD−7295(A−689)、およびBMS−790052、
9)TLR−7アゴニスト、例えば、イミキモド、852A、GS−9524、ANA−773、ANA−975、AZD−8848(DSP−3025)、PF−04878691、およびSM−360320、
10)シクロフィリン阻害剤、例えば、DEBIO−025、SCY−635、およびNIM811、
11)HCV IRES阻害剤、例えば、MCI−067、
12)薬物動態エンハンサー、例えば、BAS−100、SPI−452、PF−4194477、TMC−41629、GS−9350、GS−9585、およびロキシスロマイシン、
13)他のHCV治療薬、例えば、サイモシンα1(Zadaxin)、ニタゾキサニド(Alinea,NTZ)、BIVN−401(ビロスタット)、PYN−17(アルティレクス)、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、GS−9525、KRN−7000、シバシル、GI−5005、XTL−6865、BIT225、PTX−111、ITX2865、TT−033i、ANA971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、VGX−410C、EMZ−702、AVI4065、BMS−650032、BMS−791325、Bavituximab、MDX−1106(ONO−4538)、Oglufanide、FK−788、およびVX−497(メリメポジブ)、
14)メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、例えば、スタチン、HMGCoAシンターゼ阻害剤(例えば、ヒメグルシン)、スクアレン合成阻害剤(例えば、ザラゴジン酸);
15)アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えば、ロサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン、カンデサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン;
16)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、例えば、カプトプリル、ゾフェノプリル、エナラプリル、ラミプリル、キナプリル、ペリンドプリル、リシノプリル、ベナゼプリル、フォシノプリル;
17)他の抗線維剤、例えば、アミロリドならびに
18)エンドセリンアンタゴニスト、例えばボセンタンおよびアンブリセンタン。
【0190】
さらに別の実施形態では、本願は、
a)本発明の化合物、またはその医薬上許容可能な塩、溶媒和物、もしくはエステルを含む第1医薬組成物;ならびに
b)HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、インターフェロン、リバビリン類似体、NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、シクロフィリン阻害剤、肝保護剤、HCVの非ヌクレオシド阻害剤、および他のHCV治療薬、ならびにそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの追加治療薬を含む第2医薬組成物
を含む医薬品の組み合わせを提供する。
【0191】
式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物と追加の活性治療薬の組み合わせは、HCV感染および他の状態(HIV感染など)の患者の治療に選択し得る。したがって、式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物は、HIV治療に有用な1つまたは複数の化合物、例えば、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、インターフェロン、リバビリン類似体、NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、シクロフィリン阻害剤、肝保護剤、HCVの非ヌクレオシド阻害剤、および他のHCV治療薬と併用し得る。
【0192】
より具体的には、1つもしくは複数の本発明の化合物は、1)HIVプロテアーゼ阻害剤、例えば、アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ロピナビル+リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC−126、TMC−114、モゼナビル(DMP−450)、JE−2147(AG1776)、AG1859、DG35、L−756423、RO0334649、KNI−272、DPC−681、DPC−684、およびGW640385X、DG17、PPL−100、2)逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、例えば、カプラビリン、エミビリン、デラビルジン、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC−083、DPC−961、DPC−963、MIV−150、およびTMC−120、TMC−278(リルピビリン)、エファビレンツ、BILR 355 BS、VRX 840773、UK−453,061、RDEA806、3)逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、例えば、ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキシビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV−210、ラシビル(±−FTC)、D−d4FC、エムトリシタビン、ホスファジド、フォジブジンチドキシル、フォサルブジンチドキシル、アプリシチビン(AVX754)、アムドキシビル、KP−1461、アバカビル+ラミブジン、アバカビル+ラミブジン+ジドブジン、ジドブジン+ラミブジン、4)逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、例えば、テノホビル、フマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン、フマル酸テノホビルジソプロキシル+エムトリシタビン+エファビレンツ、およびアデホビル、5)HIVインテグラーゼ阻害剤、例えば、クルクミン、クルクミンの誘導体、チコル酸、チコル酸の誘導体、3,5−ジカフェオイルキニン酸、3,5−ジカフェオイルキニン酸の誘導体、オーリントリカルボン酸、オーリントリカルボン酸の誘導体、カフェー酸フェネチルエステル、カフェー酸フェネチルエステルの誘導体、チルホスチン、チルホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S−1360、ジンテビル(AR−177)、L−870812、およびL−870810、MK−0518(ラルテグラビル)、BMS−707035、MK−2048、BA−011、BMS−538158、GSK364735C、6)gp41阻害剤、例えば、エンフビルチド、シフビルチド、FB006M、TRI−1144、SPC3、DES6、Locus gp41、CovX、およびREP 9、7)CXCR4阻害剤、例えば、AMD−070、8)侵入阻害剤、例えば、SP01A、TNX−355、9)gp120阻害剤、例えば、BMS−488043およびBlockAide/CR、10)G6PDオキシダーゼ阻害剤およびNADHオキシダーゼ阻害剤、例えば、イムニチン、10)CCR5阻害剤、例えば、アプラビロク、ビクリビロク、INCB9471、PRO−140、INCB15050、PF−232798、CCR5mAb004、およびマラビロク、11)インターフェロン、例えば、PEG化rIFN−α2b、PEG化rIFN−α2a、rIFN−α2b、IFNα−2bXL、rIFN−α2a、コンセンサスIFNα、インフェルゲン、レビフ、ロクテロン、AVI−005、PEG−インフェルゲン、PEG化IFN−β、経口インターフェロンα、フェロン、レアフェロン、インターマックスα、r−IFN−β、インフェルゲン+アクチムン、IFN−ωとDUROS、およびアルブフェロン、12)リバビリン類似体、例えば、レベトール、コペガス、VX−497、およびビラミジン(タリバビリン)、13)NS5a阻害剤、例えば、A−831、A−689、およびBMS−790052、14)NS5bポリメラーゼ阻害剤、例えば、NM−283、バロピシタビン、R1626、PSI−6130(R1656)、IDX184、PSI−7851、HCV−796、BILB 1941、MK−0608、NM−107、R7128、VCH−759、PF−868554、GSK625433、およびXTL−2125、15)NS3プロテアーゼ阻害剤、例えば、SCH−503034(SCH−7)、VX−950(Telaprevir)、ITMN−191、およびBILN−2065、16)α−グルコシダーゼ1阻害剤、例えば、MX−3253(セルゴシビル)およびUT−231B、17)肝保護剤、例えば、IDN−6556、ME 3738、MitoQ、およびLB−84451、18)HCVの非ヌクレオシド阻害剤、例えば、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン誘導体、およびフェニルアラニン誘導体、19)他のHCV治療薬、例えば、ザダキシン、ニタゾキサニド(アリネア)、BIVN−401(ビロスタット)、DEBIO−025、VGX−410C、EMZ−702、AVI 4065、バビツキシマブ、オグルファニド、PYN−17、KPE02003002、アクチロン(CPG−10101)、KRN−7000、シバシル、GI−5005、ANA−975、XTL−6865、ANA 971、NOV−205、タルバシン、EHC−18、およびNIM811、19)薬物動態エンハンサー、例えば、BAS−100およびSPI452、20)RNAse H阻害剤、例えば、ODN−93およびODN−112、21)他の抗HIV薬、例えば、VGV−1、PA−457(ベビリマト)、アンプリゲン、HRG214、サイトリン、ポリムン、VGX−410、KD247、AMZ 0026、CYT 99007、A−221 HIV、BAY 50−4798、MDX010(イプリムマブ)、PBS119、ALG889、およびPA−1050040からなる群から選択される1つもしくは複数の化合物と併用し得る。
【0193】
患者への同時または連続投与用の単回投与形態の本発明の任意の化合物と1つまたは複数の他の活性治療薬の組みあわせも可能である。併用療法は、同時投与計画として投与しても連続投与計画として投与してもよい。連続投与の場合、2回以上で併用投与し得る。
【0194】
本発明の化合物と1つまたは複数の他の活性治療薬の併用投与とは、一般に、患者の体内で治療有効量の本発明の化合物と1つまたは複数の他の活性治療薬が共に存在する形の、本発明の化合物と1つまたは複数の他の活性治療薬の同時または連続投与を指す。
【0195】
併用投与は、1つまたは複数の他の活性治療薬の単位投与量の投与前または後の本発明の化合物の単位投与量投与、例えば、1つまたは複数の他の活性治療薬投与の数秒、数分、または数時間内に本発明の化合物を投与することを含む。例えば、単位用量の本発明の化合物を初めに投与し、数秒または数分内に単位用量の1つまたは複数の他の活性治療薬を投与できる。あるいは、単位用量の1つまたは複数の他の治療薬を初めに投与し、続いて数秒または数分内に単位用量の本発明の化合物を投与できる。場合によって、単位用量の本発明の化合物を初めに投与し、続いて、一定時間(例えば、1〜12時間)後、単位用量の1つまたは複数の他の活性治療薬を投与することが所望され得る。他の場合では、単位用量の1つまたは複数の他の活性治療薬を初めに投与し、続いて、一定時間(例えば、1〜12時間)後、単位用量の本発明の化合物を投与することが所望され得る。
【0196】
併用療法は、「相乗作用」および「相乗作用性」を提供し得る、すなわち、活性成分を併用使用時に得られる効果は、化合物を別々に使用した場合に得られる効果の総合より高い。相乗効果は、活性成分が、(1)共製剤化され、配合剤中で同時に投与もしくは送達される;(2)別々の製剤として交互にもしくは平行して送達される;または(3)一部の他の投与計画による場合に達し得る。交互療法における送達時、相乗効果は、化合物を、例えば別々の錠剤、丸剤またはカプセルとして、または別々のシリンジでの異なる注射により連続して投与もしくは送達時に達し得る。一般的に、交互療法では、有効量の各活性成分を連続的に、すなわち続けて投与するのに対し、併用療法においては、有効量の2つ以上の活性成分を共に投与する。相乗抗ウイルス効果は、併用した個々の化合物の予測された単純な相加効果より高い抗ウイルス効果を示す。
【0197】
さらに別の実施形態では、本願は、有効量の式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルをHCV感染細胞と接触させ、それによってHCVポリメラーゼを阻害することを含む、細胞内HCVポリメラーゼ阻害方法を提供する。
【0198】
さらに別の実施形態では、本願は、有効量の式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の活性治療薬をHCV感染細胞と接触させ、それによってHCVポリメラーゼを阻害することを含む、細胞内HCVポリメラーゼ阻害方法を提供する。
【0199】
さらに別の実施形態では、本願は、有効量の式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の活性治療薬(1つもしくは複数のインターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、他の抗線維剤、エンドセリンアンタゴニスト、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーおよび他のHCV治療薬;またはそれらの混合物からなる群から選択される)をHCV感染細胞と接触させることを含む、細胞内HCVポリメラーゼ阻害方法を提供する。
【0200】
さらに別の実施形態では、本願は、患者におけるHCV治療方法を提供し、治療有効量の式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルを該患者へ投与することを含む。
【0201】
さらに別の実施形態では、本願は、患者におけるHCV治療方法を提供し、治療有効量の式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の活性治療薬を該患者に投与し、それによってHCVポリメラーゼを阻害することを含む。
【0202】
さらに別の実施形態では、本願は、患者におけるHCV治療方法を提供し、治療有効量の式I〜IIIおよび式IV〜VIの化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステル、ならびに少なくとも1つの追加の活性治療薬(1つもしくは複数のインターフェロン、リバビリンもしくはその類似体、HCV NS3プロテアーゼ阻害剤、NS5a阻害剤、α−グルコシダーゼ1阻害剤、肝保護剤、メバロン酸デカルボキシラーゼアンタゴニスト、レニン−アンギオテンシン系アンタゴニスト、他の抗線維剤、エンドセリンアンタゴニスト、HCV NS5Bポリメラーゼのヌクレオシドもしくはヌクレオチド阻害剤、HCV NS5Bポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤、HCV NS5A阻害剤、TLR−7アゴニスト、シクロフィリン阻害剤、HCV IRES阻害剤、薬物動態エンハンサーおよび他のHCV治療薬;またはそれらの混合物からなる群から選択される)を該患者へ投与することを含む。
【0203】
さらに別の実施形態では、本願は、患者におけるHCV感染治療の薬品調製のための本発明の化合物、またはそれらの医薬上許容可能な塩、溶媒和物、および/もしくはエステルの使用を提供する。
【0204】
本発明の化合物の代謝物
本明細書に記載の化合物のインビボ代謝生成物も、かかる生成物が新規であり、先行技術から自明ではない範囲で本発明の範囲内である。かかる生成物は、主に酵素過程に起因する、投与した化合物の、例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化などから生じ得る。したがって、本発明は、哺乳類と本発明の化合物を、その代謝生成物を得る上で十分な時間接触させることを含むプロセスにより産生された新規かつ非自明の化合物を含む。かかる生成物は、典型的には、放射性標識化した(例えば14CまたはH)本発明の化合物の調製、代謝作用が起こる上で十分な時間(典型的には、約30秒〜30時間)における動物(ラット、マウス、モルモット、サル、またはヒトなど)への検出可能量(例えば約0.5mg/kg超)の非経口投与、ならびにその変換生成物の尿、血液もしくは他の生体試料からの単離により同定される。これらの生成物は標識されているため、容易に単離される(他は、代謝産物中で生存するエピトープに結合可能な抗体を使用して単離される)。代謝産物構造は、例えばMSまたはNMR分析により、従来の形式において決定する。一般的に、代謝物の分析は、当業者に周知の従来の薬剤代謝試験と同じ方法で行われる。変換生成物は、インビボで見出されない限り、本発明の化合物の治療投薬の診断アッセイにおいて、それら自体がHCVポリメラーゼ阻害活性を有さない場合でも有用である。
【0205】
代用胃腸分泌物中における化合物の安定性を決定する手法および方法が知られている。37℃で1時間インキュベーション時に代用腸または胃液中で保護基の約50モル%未満が脱保護される場合、化合物は消化管内で安定していると本明細書において定義する。化合物が消化管において安定しているというだけでは、インビボ加水分解できないことを意味しない。本発明のプロドラッグは典型的には消化系で安定しているが、消化内腔、肝臓もしくは他の代謝臓器、または一般的な細胞内で親薬に対して実質的に加水分解し得る。
【0206】
実施例
実験詳細の説明において一定の略語および頭文字を使用する。これらのほとんどは当業者によって理解されるであろうが、表1にこれら略語および頭文字の多くのリストを挙げる。
表1
【表39-1】
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【表39-2】
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【0207】
化合物の調製
化合物1
【化85】
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7−ブロモ−2,4−ビス−メチルスルファニル−イミダゾ[2,1−f][1,2,4]トリアジン(WO2008116064号に従って調製、500mg、1.72mmol)の無水THF懸濁液(5mL)にBuLi(1.6Mヘキサン溶液、1.61mL、2.41mmol)を−78℃で滴下した。5分後に懸濁液は赤褐色溶液になり、次いで1a(WO200631725号に従って調製、675mg、1.81mmol)および三フッ化ホウ素エーテラート(2.40mL、1.89mmol)のTHF溶液(5mL)の混合物を前記混合物に滴下した。−78℃で2時間撹拌後、飽和NHClを添加して反応物をクエンチした。混合物を酢酸エチルで希釈した;有機層をブラインで洗浄して、真空濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(EtOAc/ヘキサン)、1bを濃黄色発泡体(650mg、67%)として得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.13(d、2H)、8.03(d、2H)、7.81(d、1H)、7.59(t、1H)、7.45(m、3H)、7.36(t、2H)、6.40(brs、1H)、6.01(dd、1H)、4.78(m、2H)、4.60(dd、1H)、2.68(s、3H)、2.45(s、3H)、1.62(d、3H)。19F NMR(376MHz、CDCl):δ−167.5.MS=585.1(M+H)。
【0208】
【化86】
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1b(820mg、1.40mmol)のジクロロメタン溶液(20mL)に三フッ化ホウ素エーテラート(2mL)およびトリエチルシラン(2mL)を添加し、室温で16時間撹拌した。さらなる三フッ化ホウ素エーテラート(1mL)およびトリエチルシラン(1mL)を添加して、7日間撹拌した。混合物をジクロロメタンおよび飽和重炭酸ナトリウムで希釈した。有機層を水、飽和塩化アンモニウムおよびブラインで連続洗浄して、硫酸マグネシウム上で乾燥させて、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(EtOAc/ヘキサン)、1c(605mg、76%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ8.10(d、J=7.2Hz、2H)、8.00(d、J=7.2Hz、2H)、7.66(s、1H)、7.61(t、J=7.2Hz、1H)、7.53(t、J=7.2Hz、1H)、7.46(t、J=7.2Hz、2H)、7.38(t、J=7.2Hz、2H)、5.78(m、2H)、4.80(dd、1H)、4.68(m、1H)、4.60(dd、1H)、2.68(s、3H)、2.65(s、3H)、1.32(d、3H)。19F NMR(376MHz、CDCl):δ−149.9.MS=569.1(M+H)。
【0209】
【化87】
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化合物1c(635mg、1.12mmol)を鋼製オートクレーブに入れた。液体アンモニア(〜30mL)を帯電し、オートクレーブを堅く密封した。混合物を50℃で16時間撹拌した。室温に冷却後、アンモニアを蒸発させ、固体残渣をTHF(10mL)およびMeOH(10mL)に溶解させた。ナトリウムエトキシド(25重量%、0.63mL)を添加して、60℃で40分間撹拌した。混合物をAcOHにて中性化して、濃縮した。残渣をRP HPLCにより精製し、生成物1d(175mg、48%)を得た。H NMR(400MHz、DMSO−d):δ8.21(brs、2H)、7.60(s、1H)、5.45(brs、1H)、5.43(d、1H)、4.91(t、1H)、3.92(m、1H)、3.76(m、2H)、3.57(m、1H)、2.44(s、3H)、1.09(d、3H)。19F NMR(376MHz、DMSO−d):δ−153.5.MS=330.1(M+H)。
【0210】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
1d(175mg、0.53mmol)のジクロロメタン溶液(11mL)にMCPBA(370mg、〜1.5mmol)を添加して、室温で16時間撹拌した。混合物を濃縮して粗1eを得、これを精製せずに次の反応に使用した.MS=362.0(M+H)。
【0211】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
(先行反応から得た)化合物1eを鋼製オートクレーブに入れた。液体アンモニア(〜30mL)を帯電し、オートクレーブを堅く密封した。混合物を115℃で3日間撹拌した。室温に冷却後、アンモニアを蒸発させた。固体残渣をRP HPLCにより精製し、化合物1(105mg、2工程中66%)を得た。H NMR(400MHz、DO):δ7.31(s、1H)、5.43(d、J=25.2Hz、1H)、4.07(dd、J=9.6、23.2、1H)、3.89(m、1H)、3.83(dd、J=2.4、12.8Hz、1H)、3.67(dd、J=4.8、12.8Hz、1H)、1.05(d、J=22.8Hz、3H)。19F NMR(376MHz、DO):δ−153.5.MS=299.2(M+H)。
【0212】
化合物2
【化90】
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化合物1(82mg、0.28mmol)の水溶液(340mL)にアデノシンデアミナーゼ(Sigma−Aldrich製A5168ウシ脾臓IX型、0.125単位/mL水)を添加して、37℃で4時間撹拌した。混合物を濃縮して、RP HPLCにより精製し、化合物2(56mg、68%)を得た。H NMR(400MHz、DO):δ7.35(s、1H)、5.46(d、J=25.2Hz、1H)、4.08(dd、J=9.6、22.6、1H)、3.93(m、1H)、3.87(dd、J=2.4、12.8Hz、1H)、3.71(dd、J=4.8、12.8Hz、1H)、1.12(d、J=23.2Hz、3H)。19F NMR(376MHz、DO):δ−153.4.MS=300.2(M+H)。
【0213】
化合物3
【化91】
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7−ブロモ−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミン(WO2007056170号に従って調製、2.13g、10mmol)のTHF懸濁液(20mL)にTMSCl(2.66mL、21mmol)を添加して、アルゴン下で室温で16時間撹拌した。−78℃に冷却後、BuLi(1.6M、21mL、33mmol)のヘキサン溶液を滴下した。混合物を同温で1時間撹拌した。次いで1a(WO200631725号に従って調製、4.46g、12mmol)のTHF溶液(10mL)を添加した。−78℃で2時間撹拌後、飽和塩化アンモニウムを添加して反応物をクエンチした。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/ヘキサン)、3bを黄色固体(1.6g、32%)として得た。MS=507.1(M+H)。
【0214】
クロロトリメチルシランの代わりに1,2−ビス−[(クロロジメチル)シラニル]エタンを使用した化合物3bの代替方法
7−ブロモ−ピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミン(500mg、2.35mmol)のTHF懸濁液(6.5mL)にBuLi(1.6Mのヘキサン溶液、1.6mL)を−78℃で添加した。30分後、l,2−ビス−[(クロロジメチル)シラニル]エタン(538mg、2.4mmol)のTHF溶液(1.2mL)を添加した。45分後、BuLi(1.6mL)を添加した。さらに30分間後、BuLi(1.5mL)を添加した。次いで30分後、1a(610mg、1.64mmol)のTHF溶液(2mL)を滴下した。反応混合物をアルゴン下で−78℃で2時間撹拌した。酢酸(0.7mL)を滴下して反応物をクエンチし、続いて飽和塩化アンモニウムを添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/ヘキサン)、3b(320mg、40%)を得た。出発1aもクロマトグラフィーから回収した(350mg)。
【0215】
【化92】
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化合物3b(50mg、0.1mmol)およびTMSCN(67μl、0.5mmol)のアセトニトリル溶液(2.0mL)に0℃でTMSOTf(91μl、0.5mmol)を添加した。反応混合物を室温で1時間、次いで65℃で3日間撹拌した。反応物を飽和NaHCOで室温でクエンチし、CHCOEtで希釈した。有機相を分離して、ブラインで洗浄して、NaSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をRP−HPLCにより精製し(アセトニトリル/水)、所望の化合物3c(28mg、54%)を得た。MS=516.1(M+H)。
【0216】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
3c(56mg、0.11mmol)のメタノール溶液(1.2mL)に水酸化アンモニウム(28%水溶液、0.8mL)を添加して、室温で16時間撹拌した。混合物を濃縮して、残渣をRP HPLCにより精製し(水/アセトニトリル)、化合物3(20mg、60%)を得た。H NMR(500MHz、DO):δ7.88(s、1H)、7.07(d、1H)、6.92(d、1H)、4.17(m、2H)、4.04(dd、1H)、3.87(dd、1H)、1.15(d、3H).MS=308.1(M+H)。
【0217】
化合物4
【化94】
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化合物3b(60mg、0.12mmol)のメタノール溶液(0.5mL)に水酸化アンモニウム(28%水溶液、0.5mL)を添加して、室温で16時間撹拌した。混合物を濃縮して、残渣をRP HPLCにより精製し(水/アセトニトリル)、化合物4(25mg、70%)を得た。MS=299.1(M+H)。
【0218】
化合物5
【化95】
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1bの1cへの変換に類似した方法により化合物3bを化合物5aへ変換した。次いで、3cの3への変換に類似した方法により化合物5aを化合物5へ変換した。H NMR(300MHz、DO):δ7.68(s、1H)、6.75(d、J=4.5Hz、1H)、6.65(d、J=4.5Hz、1H)、5.65(d、J=25.2Hz、1H)、3.95(m、3H)、3.74(dd、1H)、0.98(d、J=22.8Hz、3H)。19F NMR(282MHz、DO):δ−154.2.MS=283.2(M+H)。
【0219】
三リン酸ヌクレオシドの一般的な調製法:
梨型フラスコ(5〜15mL)にヌクレオシド(〜20mg)を入れる。トリメチルホスフェート(0.5〜1.0mL)を添加する。溶液を氷水浴で冷却する。POCl(40〜45mg)を添加して、反応が完了するまで0℃で撹拌する(1〜4時間;反応進行は、イオン交換HPLCによりモニタリングする;分析試料は、〜3μL反応混合物を回収して1.0M EtNHCO(30〜50μL)を用いて希釈することにより調製する)。次いでピロリン酸塩−BuN(250mg)およびBuN(90〜105mg)のアセトニトリルまたはDMF溶液(1〜1.5mL)を添加する。混合物を0℃で0.3〜2時間半撹拌してから、反応物を1.0M EtNHCO(〜5mL)でクエンチする。反応混合物は、室温まで加温しながらさらに半時間〜1時間撹拌する。混合物を濃縮して乾燥させて、水(4mL)に再溶解させ、イオン交換HPLCにより精製する。所望の生成物を含む画分を濃縮して乾燥させて、水(〜5mL)に溶解させ、濃縮して乾燥させて、再び水(〜5mL)に溶解させる。NaHCO(30〜50mg)を添加して、濃縮して乾燥させる。残渣を水に溶解させ、再び濃縮して乾燥させる。このプロセスを2〜5回反復する。次いで残渣をC−18 HPLC精製に供して、所望の生成物をナトリウムまたは塩として得る。あるいは、粗反応混合物は、初めにC−18 HPLCに、次いでイオン交換HPLC精製に供して、所望の生成物をトリエチルアンモニウム塩として得る。
【0220】
化合物TP−1
【化96】
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化合物2を出発物質として使用して一般的方法により化合物TP−1を調製した。H NMR(300MHz、DO):δ7.44(s、1H)、5.45(d、J=25.5Hz、1H)、4.0−4.4(m、4H)、3.05(m、NCHCH)、1.10(m、NCHCHおよび2’−C−CH)。31P NMR(121.4MHz、DO):δ−9.5(d、J=22.1Hz)、−11.0(d、J=19.9Hz)、−23.2(t、J=23.0Hz)。19F NMR(282MHz、DO):δ−153.9。
【0221】
化合物TP−2
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
化合物3を出発物質として使用して一般的方法により化合物TP−2を調製した。H NMR(300MHz、DO):δ7.82(s、1H)、7.03(d、1H)、6.90(d、1H)、4.1−4.4(m、4H)、3.05(m、NCHCH)、1.10(m、NCHCHおよび2’−C−CH)。31P NMR(121.4MHz、DO):δ−10.7(d、J=19.5Hz)、−11.3(d、J=19.8Hz)、−23.1(t、J=19.8Hz)。
【0222】
化合物TP−3
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
化合物5を出発物質として使用して一般的方法により化合物TP−3を調製した。H NMR(300MHz、DO):δ7.73(s、1H)、6.87(d、1H)、6.82(d、1H)、5.71(d、J=24.6Hz、1H)、4.0−4.4(m、4H)、3.05(m、NCHCH)、1.14(m、NCHCH)、1.00(d、J=22.8Hz、3H、2’−C−CH)。31P NMR(121.4MHz、DO):δ−8.1(d、J=22.1Hz)、−11.1(d、J=19.9Hz)、−22.7(t、J=23.0Hz)。19F NMR(282MHz、DO):δ−155.6.MS=520.9(M−H)。
【0223】
化合物TP−8a
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
化合物8を出発物質として使用して一般的方法により化合物TP−8aを調製した。H NMR(300MHz、DO):δ7.95(s、1H)、7.68(s、1H)、5.63(d、J=25.5Hz、1H)、4.0−4.4(m、4H)、3.05(m、NCHCH)、1.10(m、NCHCHおよび2’−C−CH)。31P NMR(121.4MHz、DO):δ−9.20(d、J=22.1Hz)、−11.07(d、J=19.9Hz)、−23.82(t、J=23.0Hz)。19F NMR(282MHz、DO):δ−155.9.MS=521.6(M−H)。
【0224】
ヌクレオシドプロドラッグの一般的な調製法(A方法):
【化100】
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ヌクレオシド(0.1mmol)のトリメチル亜リン酸溶液(1.0mL)に1H−テトラゾール(42mg、0.6mmol)を添加してから、2,2−ジメチル−チオプロピオン酸S−(2−{ジイソプロピルアミノ−[2−(2,2−ジメチル−プロピオニルスルファニル)−エトキシ]−ホスファニルオキシ}−エチル)エステル(J.Med.Chem.,1985,38,3941に従って調製、90mg、0.2mmol)を0℃で添加した。2時間撹拌後、30%過酸化水素水溶液(140μL)を混合物に添加した。次いで混合物を室温まで加温した。30分撹拌後、1M Na水溶液(5mL)を添加して反応物をクエンチした。有機層を飽和NaCO水溶液(10mL×2)、ブラインで洗浄して、真空濃縮した。残渣をRP−HPLCにより精製し(MeCN〜HO勾配)、プロドラッグAを得た。
【0225】
化合物A−1
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
化合物1を出発物質として使用してA方法により化合物A−1を調製した。H NMR(400MHz、CDCl):δ7.42(s、1H)、5.47(d、J=26.4Hz、1H)、4.95(brs、2H)、4.59(m、2H)、4.35(m、1H、4’−H)、4.18(m、2H、5’−H)、4.10(m、4H)、3.13(m、4H)、1.24(d、3H)、1.22(s、9H)、1.19(d、9H)。31P NMR(161.9MHz、CDCl):δ−1.26.MS=667.1(M+H)。
【0226】
ヌクレオシドプロドラッグの一般的な調製法(B方法):
本発明を含むモノホスホロアミド酸プロドラッグの非限定的な例は、一般的スキーム1に従って調製し得る。
【0227】
スキーム1
【化102】
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一般的方法は、約2〜10等量の適切な塩基の存在下で、アミノ酸エステル塩19b、例えば、HCl塩とアリールジクロロホスフェート19aを反応させて、ホスホロアミド酸19cを得ることを含む。適切な塩基としては、イミダゾール、ピリジン(ルチジンおよびDMAPなど)、三級アミン(トリエチルアミンおよびDABCOなど)、および置換アミジン(DBNおよびDBUなど)が挙げられるが、これらに限定されない。三級アミンが特に好ましい。好ましくは、各工程の生成物を再結晶またはクロマトグラフィーなしで後続工程に直接使用する。19a、19b、および19cの非限定的な具体例は、WO2006/121820号に見ることができ、これは参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。ヌクレオシド塩基19dは適切な塩基の存在下でホスホロアミド酸19cと反応する。適切な塩基としては、イミダゾール、ピリジン(ルチジンおよびDMAPなど)、三級アミン(トリエチルアミンおよびDABCOなど)、および置換アミジン(DBNおよびDBUなど)が挙げられるが、これらに限定されない。生成物Bは、再結晶および/またはクロマトグラフィーにより単離し得る。
【0228】
化合物B−1
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
フェニルエトキシアラニニル塩化リン(124mg、0.42mmol;McGuigan et al,J.Med.Chem.1993,36,1048−1052に従って調製)を、化合物3(20mg、0.065mmol)およびN−メチルイミダゾール(42μL、0.52mmol)の無水トリメチルホスフェート溶液(0.8mL)の混合物に添加した。反応混合物は、3時間室温で撹拌してから、メタノールを添加して反応物をクエンチした。メタノール溶媒は減圧除去する。残渣を逆相HPLC、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100%酢酸エチル)により精製し、化合物B−1(10mg、27%)を得た。31P NMR(121.4MHz、CDCl):δ−3.42、3.77.MS=563.0(M+H)、561.0(M−H)。
【0229】
化合物B−2
【化104】
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約3.1mmolの4−クロロフェニル2−プロピロキシアラニニル塩化リン(McGuigan et al,J.Med.Chem.1993,36,1048−1052に従って調製)を約0.5mmolの化合物3および約3.8mmolのN−メチルイミダゾールの約3mL無水トリメチルホスフェート溶液の混合物に添加した。反応混合物を室温で約1時間〜24時間撹拌し、メタノールを添加して反応物をクエンチした。メタノール溶媒は減圧除去する。残渣を逆相HPLCにより精製し、化合物B−2を得る。
【0230】
化合物B−3
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
化合物B−1に使用されるものと類似の方法により化合物B−3を得た。31P NMR(121.4MHz、CDCl):δ−3.50、3.76.MS=577.2(M+H)。
【0231】
化合物B−4
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
化合物B−1に使用されるものと類似の方法により化合物B−4を得た。31P NMR(162MHz、CDOD):δ2.2.MS=633.4(M+H)。
【0232】
化合物B−5
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
化合物B−1に使用されるものと類似の方法により化合物B−5を得た。31P NMR(162MHz、CDCl):δ4.15、4.27.MS=549.3(M+H)。
【0233】
化合物B−6
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
化合物B−1に使用されるものと類似の方法により化合物B−6を得た。31P NMR(162MHz、CDCl):δ3.50、4.07.MS=613.1(M+H)。
【0234】
化合物B−7
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
化合物5を親ヌクレオシドとして使用して、化合物B−1に使用されるものと類似の方法により化合物B−7を得た。31P NMR(162MHz、CDCl):δ3.37、3.97.MS=538.1(M+H)。
【0235】
化合物B−8
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
化合物5を親ヌクレオシドとして使用して、化合物B−1に使用されるものと類似の方法により化合物B−8を得た。31P NMR(162MHz、CDCl):δ3.69、4.39.MS=588.1(M+H)。
【0236】
ヌクレオシドプロドラッグ調製の代替方法(C方法):
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
エチルL−バリン塩酸塩(2.5g、13.8mmol、1等量)を含むフラスコ内にCHCl(46mL、0.3M)およびフェニルジクロロホスフェート(2.1mL、13.8mmol、1等量)を添加後に−10℃に冷却した。10分後、TEA(3.8mL、13.8mmol、1当量)を反応混合物に5分間かけてゆっくりと添加した。反応を1時間進行させた後、p−ニトロフェノール(1.9g、13.8mmol、1等量)を反応混合物に添加してから、さらなるTEA(3.8mL、13.8mmol、1等量)を5分間かけて添加した。反応物を加温して、さらに2時間進行させた。反応物を真空濃縮して、ジエチルエーテル(200mL)中で取り上げた。不溶性塩を濾過して、ろ液を真空濃縮した。4/1Hex/EtOAcを使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーを行い、透明な油をC−1aとして得た。
H NMR(400MHz、CDCl):d8.21(s、2H)、7.41−7.20(m、7H)、4.22−4.05(m、3H)、2.46(s、2H)、1.99(dd、J=23.0、20.1Hz、2H)、1.68(s、1H)、1.20−1.05(m、8H)。
31P NMR(162MHz、CDCl):d−2.79(dd、J=28.0、4.2Hz)。
LCMS m/z422.99[M+H]。
【0237】
化合物C−1
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
化合物3(70mg、0.23mmol、1等量)を含むフラスコ内にTHF(1mL、0.2M)およびNMP(1mL、0.2M)を添加後に0℃に冷却した。t−BuMgCl(560μL、2.5等量、1M THF)をゆっくりと添加して、5分間撹拌後、上記フェノラートC−1a(207mg、0.46mmol、2等量。500μLのTHFに溶解)を添加した。反応混合物を50℃に加温した。反応物をLCMSによりモニタリングした。反応完了後、混合物を真空濃縮して、残渣をHPLCにより精製し、化合物C−1を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d7.87(s、1H)、7.24−7.10(m、4H)、7.03(t、J=7.2Hz、1H)、6.81(d、J=4.6Hz、1H)、6.52(d、J=4.7Hz、1H)、5.61(s、2H)、4.46(dd、J=24.0、11.4Hz、2H)、4.33−4.14(m、2H)、4.06(dt、J=7.2、4.2Hz、2H)、3.82−3.70(m、1H)、3.63(t、J=10.6Hz、2H)、1.98(s、1H)、1.17(dd、J=14.8、7.6Hz、3H)、0.82(dd、J=22.8、6.8Hz、6H)。
31P NMR(162MHz、CDCl):d5.11。
19F NMR(376MHz、CDCl):d−152.28。
LCMS m/z591.21[M+H]。
【0238】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1aに例示したものに類似した方法だが、メチオニンエステルを使用して化合物C−2aを得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d8.19(s、2H)、7.44−7.03(m、7H)、4.11(s、2H)、3.81(d、J=44.5Hz、1H)、2.04(s、3H)、1.61(s、2H)、1.21(d、J=6.1Hz、2H)、1.01−0.65(m、4H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d−2.00(d、J=12.9Hz)。LCMS m/z455.03[M+H]。
【0239】
化合物C−2
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1に例示したものに類似した方法により、化合物3およびC−2aを使用して化合物C−2を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d7.96(d、J=15.8Hz、1H)、7.40−7.06(m、13H)、6.93(d、J=6.7Hz、1H)、6.70(s、1H)、5.98(s、1H)、4.54(dd、J=21.6、11.7Hz、2H)、4.32(d、J=12.0Hz、2H)、4.14(dt、J=13.0、6.4Hz、4H)、2.44(d、J=7.5Hz、2H)、2.00(d、J=16.2Hz、5H)、1.89(s、2H)、1.35−1.13(m、7H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d4.12、3.58。
19F NMR(376MHz、CDCl)d−152.28(s)。
LCMS m/z623.27[M+H]。
【0240】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1aに例示したものに類似した方法だが、トリプトファンエステルを使用して化合物C−3aを得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d8.18−8.03(m、3H)、7.29−7.08(m、8H)、7.36−6.98(m、3H)、4.41−4.11(m、1H)、4.15−3.95(m 2H)、3.68−3.80(m、1H)、3.33−3.04(m、2H)、1.06−1.17(m、3H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d−2.87、−2.99。
LCMS m/z510.03[M+H]。
【0241】
化合物C−3
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1に例示したものに類似した方法により、化合物3およびC−3aを使用して化合物C−3を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d8.27(s、1H)、7.84(s、1H)、7.47(s、1H)、7.36−6.77(m、11H)、6.57(s、1H)、4.40−3.96(m、6H)、3.20(s、4H)、2.60(s、1H)、1.30−1.04(m、6H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d4.02、3.75
19F NMR(376MHz、CDCl)d−152.13。
LCMS m/z678.32[M+H]。
【0242】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1aに例示したものに類似した方法により、フェニルアラニンエステルを置換することにより化合物C−4aを得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d8.15(t、J=8.7Hz、2H)、7.43−7.11(m、10H)、7.04(ddd、J=11.4、6.7、2.9Hz、2H)、4.32(ddd、J=15.3、11.3、6.1Hz、4H)、4.15−3.99(m、7H)、3.74(td、J=11.0、5.0Hz、8H)、3.01(d、J=5.7Hz、2H)、1.17(td、J=7.1、5.2Hz、2H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d−2.97、−2.99。
LCMS m/z471.03[M+H]。
【0243】
化合物C−4
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1に例示したものに類似した方法により、化合物3およびC−4aを使用して化合物C−4を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d7.92(d、J=13.2Hz、1H)、7.46−6.97(m、17H)、6.91(s、1H)、6.75(s、1H)、4.10(dd、J=29.6、19.2Hz、8H)、2.97(s、3H)、1.32−1.05(m、7H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d5.11。
19F NMR(376MHz、CDCl)d−152.34(s)。
LCMS m/z639.24[M+H]。
【0244】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1aに例示したものに類似した方法だが、プロリンエステルを使用して化合物C−5aを得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d8.20(d、J=7.8Hz、2H)、7.45−7.08(m、7H)、4.37(td、J=8.0、3.8Hz、2H)、4.17−3.98(m、2H)、3.61−3.34(m、2H)、2.21−1.77(m、3H)、1.19(td、J=7.1、3.8Hz、3H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d−3.92、−3.96。
LCMS m/z420.98[M+H]。
【0245】
化合物C−5
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1に例示したものに類似した方法により、化合物3およびC−5aを使用して化合物C−5を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d7.95(d、J=4.5Hz、1H)、7.39−7.10(m、4H)、6.92(dd、J=16.0、4.6Hz、1H)、6.69(s、1H)、6.03(bs、2H)、4.46−4.36(m、1H)、4.36−3.96(m、4H)、3.37(d、J=58.9Hz、2H)、2.26−1.66(m、4H)、1.39−1.12(m、8H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d3.47、2.75。
19F NMR(376MHz、CDCl)d−152.36。
LCMS m/z589.14[M+H]。
【0246】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
化合物C−1に例示したものに類似した方法により、化合物3およびC−1aのスルホン類似体を使用して化合物C−6を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d7.93(s、1H)、7.89(s、1H)、7.35−7.01(m、5H)、6.93(d、J=2.8Hz、1H)、6.58(d、J=2.8Hz、1H)、5.79(bs、2H)、4.30(s、6H)、4.11(d、J=7.0Hz、6H)、3.10−2.84(m、3H)、2.75(s、3H)、2.54(s、6H)、1.31−1.15(m、6H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d3.39、3.33。
19F NMR(376MHz、CDCl)d−152.40
LCMS m/z655.24[M+H]。
【0247】
化合物PD−A−8b
【化122】
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化合物8(200mg、0.71mmol)のTHF溶液(1mL)およびNMP(1mL)にtert−ブチルマグネシウムクロライド(1.0MのTHF溶液、1.06mL、1.06mmol)をアルゴン雰囲気下で0℃で添加した。15分後、化合物30d−1(280mg、0.71mmol)をTHF溶液として添加した。5分後、反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却して、MeOHでクエンチして、濃縮した。反応物をシリカゲルクロマトグラフィー、次いでRP HPLCにより精製し、PD−A−8b(225mg、59%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):d8.09(2s、1H)、7.54(2s、1H)、7.31−7.12(m、5H)、5.66(dd、1H)、4.52−4.45(m、2H)、4.19−4.03(m、4H)、3.87−3.69(m、1H)、1.35−1.15(m、9H)。
31P NMR(161MHz、CDCl):d4.14(s)、3.55(s)。
LC/MS=539(M+H)。
保持時間:1.94分間
LC:Thermo Electron Surveyor HPLC
MS:Finnigan LCQ Advantage MAX質量分析計
カラム:Phenomenex社製Polar RP 30mm×4.6mm
溶媒:0.1%ギ酸−アセトニトリル溶液、0.1%ギ酸−水
勾配:0分間〜0.1分間5%ACN、0.1分間〜1.95分間5%〜100%ACN、1.95分間〜3.5分間100%ACN、3.5分間〜3.55分間100%〜5%ACN、3.55分間〜4分間5%ACN。
【0248】
30d−1の調製
【化123】
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30d−2に類似した形でアラニンエチルエステル塩酸塩をアラニンイソプロピルエステル塩酸塩に代えて、化合物30d−1を30aから調製した。
【0249】
化合物(S)−PD−A−8c
【化124】
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PD−A−8bに類似した形で(S)−30d−2を30d−1に代えて化合物(S)−PD−A−8cを調製した。H NMR(400MHz、CDCl):d8.14(s、1H)、7.60(s、1H)、7.1−7.3(m、5H)、5.66(dd、1H)、5.02(m、1H)、4.50(m、1H)、4.40(m、1H)、4.1−4.3(m、2H)、3.98(m、1H)、3.78(m、1H)、3.18(brs、1H)、1.15−1.4(m、12H)。31P NMR(161MHz、CDCl):d3.70(s)。
LC/MS=553(M+H)。
【0250】
(S)−30d−2の調製
【化125】
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アラニンイソプロピルエステル塩酸塩(7.95g、47.4mmol)をジクロロメタン(100mL)に懸濁した。化合物31a(10g、47.4mmol)を添加した。次いでトリエチルアミン(13.2mL、95mmol)を15分間滴下した(内部反応温度;−10℃〜−3℃)。反応が(リンNMRにより)ほぼ完了時、p−ニトロフェノール(6.29g、45.0mmol)を固体部分として添加した。生成スラリーにトリエチルアミン(6.28mL、45mmol)を15分間添加した。次いで混合物を室温まで加温した。反応完了時、MTBE(100mL)を添加した。白色沈殿物を濾過により除去した。濾過ケーキをMTBE(3×50mL)で洗浄した。ろ液および洗浄物を併合して、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(0〜50%酢酸エチル/ヘキサン)、ジアステレオマー混合物1:1比として化合物30d−2(14.1g、77%)を得た。
H NMR(300MHz、CDCl):δ8.22(2d、2H)、7.2−7.4(m、7H)、5.0(m、1H)、4.09(m、1H)、3.96(m、1H)、1.39(2d、3H)、1.22(m、6H).MS=409.0(M+H)、407.2(M−H)。
【0251】
化合物30d−2の2つのジアステレオマーの分離
【化126】
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2つのジアステレオマーを以下の条件下でキラルカラムクロマトグラフィーにより分離した;
カラム:キラルパックIC、2×25cm
溶媒系:70%ヘプタンおよび30%イソプロパノール(IPA)
流速:6mL/分。
流速負荷容量:1.0mL
負荷試料の濃度:70%ヘプタンおよび30%IPA中150mg/mL
(S)−化合物30d−2:保持時間43分間。31P NMR(162.1MHz、CDCl):δ−2.99(s)。
(R)−化合物30d−2:保持時間62分間。31P NMR(162.1MHz、CDCl):δ−3.02(s)。
【0252】
あるいは、2つのジアステレオマーを以下の方法に従った結晶化により分離した;
【0253】
化合物30d−2をジエチルエーテル(〜10mL/グラム)に溶解させた。次いで、撹拌しながら、溶液が混濁するまでヘキサンを添加した。種結晶(〜10mg/グラム化合物30d−2)を添加して結晶化を促進した。生成した懸濁液を穏やかに16時間撹拌して、〜0℃に冷却して、さらに2時間撹拌して、濾過し、結晶物質を回収した(結晶物質35%〜35%収率)。結晶物質には、〜95%の(S)−化合物30d−2および〜5%の(R)−化合物30d−2が含まれる。再結晶化により、ジアステレオマー的に純粋な(S)異性体99%を得た。
【0254】
例として、以下のPD−A化合物を一般的方法により作製する。
【化127】
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【化128】
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【化129】
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【化130】
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、および
【化131】
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【0255】
ヌクレオシドプロドラッグの一般的な調製法(D方法):
本発明を含む3’−O−非環式モノホスホロアミド酸プロドラッグの非限定的な例は、一般的スキーム2に従って調製し得る。
【0256】
スキーム2
【化132】
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一般的方法は、PD−A(R=OH)とカルボン酸または活性化したカルボキシレート(アシルクロライドまたは無水酸など)との反応を含み、これは一般に当業者に知られている(Journal of Medicinal Chemistry,2006,49,6614 and Organic Letters,2003,6,807)。R=NHの場合、アミノ基の保護が必要となり得る。簡単に述べると、化合物PD−Aのアセトニトリル溶液(2mL)にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタル(〜1.1当量)を添加して、室温で1時間撹拌する。6−アミノ基の保護完了後、混合物を濃縮して乾燥させる。残渣にDCC(〜4当量)などの脱水剤、アセトニトリルおよびカルボン酸(〜2当量)を添加する。混合物を室温で24〜48時間撹拌する。水(0.2mL)およびトリフルオロ酢酸(0.1mL)を0℃で添加して、室温で64時間撹拌する。重炭酸ナトリウムを0℃で添加する。混合物を室温で半時間撹拌して、濾過する。ろ液を濃縮して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、化合物PD−Bを得る。アシルクロライドまたは無水酸を使用する場合、適切な塩基(トリエチルアミンなど)を脱水剤の代わりに添加する。
【0257】
化合物PD−B−8i
【化133】
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PD−A−8b(100mg、0.19mmol)のDCM溶液(1.0mL)にN,N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタル(25μL、0.19mmol)をアルゴン雰囲気下で室温で添加した。30分後、反応混合物を濃縮した。反応物をDCM中で取り上げ、濃縮した。このプロセスを2回反復した。生成した残渣をTHF(1.0mL)中で取り上げ、アルゴン雰囲気下で0℃に冷却した。溶液にトリエチルアミン(79μL、0.57mmol)およびDMAP(5mg、0.04mmol)を添加した。5分後、塩化イソブチリル(60μL、0.57mmol)を添加した。10分後、反応物を室温に加温し、3時間撹拌した。混合物を0℃に冷却して、5%TFA水溶液でクエンチしてから、室温で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した(3回)。併合有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、濃縮した。残渣をRP HPLCにより精製し(アセトニトリル/水)、PD−B−8i(71mg、61%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):d8.17(2s、1H)、7.66(2s、1H)、7.34−7.14(m、5H)、5.69(dd、1H)、5.56−5.43(m、1H)、4.55−4.01(m、5H)、3.79−3.69(m、1H)、2.70−2.64(m、1H)、1.37−1.17(m、15H)。31P NMR(161MHz、CDCl):d2.99(s)、2.88(s)。
LC/MS=609(M+H)。
保持時間:2.21分間
LC:Thermo Electron Surveyor HPLC
MS:Finnigan LCQ Advantage MAX質量分析計
カラム:Phenomenex社製Polar RP 30mm×4.6mm
溶媒:0.1%ギ酸−アセトニトリル溶液、0.1%ギ酸−水
勾配:0分間〜0.1分間5%ACN、0.1分間〜1.95分間5%〜100%ACN、1.95分間〜3.5分間100%ACN、3.5分間〜3.55分間100%〜5%ACN、3.55分間〜4分間5%ACN。
【0258】
例として、以下のPD−B化合物を一般的方法により作製する。
【化134】
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【化135】
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【化136】
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【化137】
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【化138】
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、および
【化139】
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【0259】
ヌクレオシドプロドラッグの一般的な調製法(E方法):
本発明を含む3’,5’−環式モノホスホロアミド酸プロドラッグの非限定的な例は、一般的スキーム3に従って調製し得る。
【0260】
スキーム3
【化140】
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スキーム3は、化合物PD−Cの調製に有用であり得る化学プロセスを例証する。したがって、Arが電子求引基(p−ニトロまたはp−クロロ基など)に置換されている場合に、塩基の存在下でPD−A1をPD−Cに変換する(European Journal of Medicinal Chemistry,2009,44,3769)。あるいは、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2007,17,2452に従って化合物40を化合物41へ変換し、これを、次いでアミノ酸エステル塩と結合させて、PD−Cを形成する。
【0261】
化合物PD−C−8q
【化141】
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PD−A−8pのDMSO溶液を室温でカリウムt−ブトキシド(〜1当量)を用いて処理し、反応混合物を約10分間〜約2時間撹拌する。次いで混合物を0℃に冷却して、1N HClを用いて、〜pH6に中性化する。混合物をHPLCにより精製し、化合物PD−C−8qを得る。
【0262】
追加的に、例として、以下のPD−C化合物を一般的方法により作製する。
化合物PD−C−8r
【化142】
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化合物PD−C−8s
【化143】
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化合物PD−C−8t
【化144】
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【0263】
化合物PD−D−8u
【化145】
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化合物8をPO(OMe)(0.1〜0.5M溶液)に溶解させて、アルゴン下で0℃に冷却する。この撹拌溶液にPOCl(1.0〜5.0当量)を滴下して、反応混合物を室温に約2〜16時間加温する。生成した溶液をアセトニトリルおよび0.05〜0.5M KOHの急速に撹拌した水溶液に滴下する。添加完了時、溶媒を減圧除去する。生成した残渣を水に溶解させ、HPLCにより精製し、化合物41−1を得る。
【0264】
【化146】
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化合物41−1のDCMおよびPO(OMe)溶液を調製して、0℃に冷却する。この溶液に塩化オキサリル(1.0〜5.0当量)、次いで触媒量のDMFを添加する。混合物を約10分間〜約l時間撹拌する。活性化が完了時、大量の2−プロパノールを反応混合物に添加して、撹拌し、室温に加温する。溶媒を減圧除去して、生成した粗物質を前段階HPLCにより精製し、化合物PD−D−8uを得る。
【0265】
化合物PD−E−8v
【化147】
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化合物PD−D−8uに類似した形で2−アミノプロパンを2−プロパノールに代えて化合物PD−E−8vを化合物41−1から調製する。
【0266】
化合物PD−F−8w
【化148】
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化合物20に類似した形で化合物8を化合物18に代えて化合物PD−F−8wを調製する。
【0267】
化合物PD−G−8x
【化149】
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約90mM化合物8のTHF溶液を約−78℃に冷却して、約2.2〜約5等量のt−ブチルマグネシウムクロライド(約1MのTHF溶液)を添加する。混合物を約0℃に約30分間加温し、再び約−78℃に冷却する。(2S)−2−{[クロロ(l−フェノキシ)ホスホリル]アミノ}エチルイソ酪酸塩(WO2008085508号)(1MのTHF溶液、約2等量)の溶液を滴下する。冷却をやめ、反応物を約1〜約24時間撹拌する。反応物を水でクエンチして、混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を乾燥および蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにより精製し、化合物PD−G−8xを得る。
【0268】
化合物6
【化150】
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化合物4(約0.04mmol)および無水MeOH(約5mL)を酢酸(約5mL)で処理して、反応物を室温で一晩撹拌する。飽和NaHCOを添加して、反応混合物を中性化し、HPLC系(アセトニトリル−HO)を使用して粗物質を精製し、6を得る。
【0269】
化合物7
【化151】
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乾燥したアルゴンで置換した丸底フラスコ(50mL)に化合物3b(約0.39mmol)および無水ジクロロメタン(約10mL)を添加する。フラスコを乾燥氷/アセトン浴(〜−78℃)に入れ、溶液を約10分間撹拌する。BF−EtO(約0.10mL)を滴下して、反応物を約10分間撹拌する。次いで、AlMe(約1.16mmol、2.0Mのトルエン溶液)を添加する。数分後、乾燥氷/アセトン浴を除去して、反応混合物を室温〜約45℃で約4時間〜約4日間撹拌する。ピリジン(約2mL)のMeOH溶液(約10mL)を添加して、溶媒を減圧除去する。粗物質をクロマトグラフィーにより精製し、水酸化アンモニウムのメタノール溶液でほぼ室温で約16時間処理する。混合物を濃縮して、残渣をHPLCにより精製し、7を得る。
【0270】
化合物8
【化152】
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7−ブロモイミダゾ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン(ACS Medicinal Chemistry Letters,2010,1,286に従って得た;375mg、1.75mmol)のTHF懸濁液((4.0mL)に1,2−ビス−[(クロロジメチル)シラニル]エタン(452mg、2.10mmol)をアルゴン雰囲気下で添加した。60分後、反応物を−78℃に冷却して、BuLi(1.6MのTHF溶液、3.8mL、6.10mmol)を添加した。10分後、−78℃で、1a(WO200631725号に従って得た、782mg、2.10mmol)のTHF溶液(1.0mL)を滴下した。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を添加して、0℃に加温した。全固体が溶解性となるまで水を添加した。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させて、濾過し、真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/ヘキサン)、8b(606mg、59%)を黄色固体として得た。
LC/MS=508(M+H
保持時間:2.17〜2.26分間
LC:Thermo Electron Surveyor HPLC
MS:Finnigan LCQ Advantage MAX質量分析計
カラム:Phenomenex社製Polar RP 30mm×4.6mm
溶媒:0.1%ギ酸−アセトニトリル溶液、0.1%ギ酸−水
勾配:0分間〜0.1分間5%ACN、0.1分間〜1.95分間5%〜100%ACN、1.95分間〜3.5分間100%ACN、3.5分間〜3.55分間100%〜5%ACN、3.55分間〜4分間5%ACN。
【0271】
【化153】
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化合物8b(510mg、1.39mmol)のジクロロエタン溶液(10.0mL)に0℃でアルゴン雰囲気下、トリエチルシラン(1.77mL、11.09mmol)、次いでBF・EtO(1.41mL、11.09mmol)を添加した。反応混合物を55℃で16時間撹拌した。反応物を0℃に冷却して、飽和NaHCO水溶液でクエンチした。反応物をDCM、次いでEtOAcで抽出した。併合有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し(酢酸エチル/ヘキサン)、8c(453mg、64%)を得た。H NMR(400MHz、CDCl):d8.10−7.94(m、5H)、7.6−7.33(m、7H)、5.91(dd、1H)、5.78(d、J=24.6Hz、1H)、4.87(dd、1H)、4.70(m、1H)、4.58(dd、1H)、1.31(d、J=22.4Hz、3H)。
LC/MS=491(M)。
保持時間:2.36分間
LC:Thermo Electron Surveyor HPLC
MS:Finnigan LCQ Advantage MAX質量分析計
カラム:Phenomenex社製Polar RP 30mm×4.6mm
溶媒:0.1%ギ酸−アセトニトリル溶液、0.1%ギ酸−水
勾配:0分間〜0.1分間5%ACN、0.1分間〜1.95分間5%〜100%ACN、1.95分間〜3.5分間100%ACN、3.5分間〜3.55分間100%〜5%ACN、3.55分間〜4分間5%ACN。
【0272】
【化154】
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8c(500mg、01.02mmol)のTHF溶液(5.0mL)に水酸化リチウム(122mg、5.09mmol)を水溶液(5.0mL)として添加し、室温でl時間撹拌した。反応物を0℃に冷却して、1N HCl水溶液(5.1mL)で中性化した。混合物を濃縮して、残渣をRP HPLCにより精製し(水/アセトニトリル)、化合物8(185mg、64%)を得た。H NMR(400MHz、CDOD):d7.97(s、1H)、7.63(s、1H)、5.54(d、J=24.8Hz、1H)、4.03(dd、1H)、3.88(m、1H)、3.71(dd、1H)、1.80(d、J=22.1Hz、3H)。
LC/MS=284(M+H)。
保持時間:1.06分間
LC:Thermo Electron Surveyor HPLC
MS:Finnigan LCQ Advantage MAX質量分析計
カラム:Phenomenex社製Polar RP 30mm×4.6mm
溶媒:0.1%ギ酸−アセトニトリル溶液、0.1%ギ酸−水
勾配:0分間〜0.1分間5%ACN、0.1分間〜1.95分間5%〜100%ACN、1.95分間〜3.5分間100%ACN、3.5分間〜3.55分間100%〜5%ACN、3.55分間〜4分間5%ACN。
【0273】
化合物8の代替方法
【化155】
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化合物1e(先行反応工程から得た粗生物)をEtOHに溶解させた。反応がほぼ完了するまで過剰水素化ホウ素ナトリウムを部分的に添加した。混合物を酢酸にて中性化した。混合物を濃縮して、固体残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し(0〜10%MeOH/ジクロロメタン)、化合物27(210mg、2工程中50%)を得た。
【0274】
化合物8のさらなる代替方法
【化156】
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ラネーニッケル(約500mg)をHOで洗浄することにより中性化し、1d(約100mg)のエタノール溶液(約10mL)に添加した。次いで、反応が完了するまで混合物を80℃に加熱した。触媒を濾過により除去し、溶液を真空濃縮した。混合物を濃縮して、残渣をHPLCにより精製し、8を得た。
【0275】
化合物9
【化157】
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化合物3(120mg、0.39mmol、1等量)を含むフラスコ内にPO(OMe)(1.5mL、0.25M)を添加して、0℃に冷却後にPOCl(125μL、1.37mmol、3.5等量)を添加した。反応混合物を5時間撹拌後に反応物を水でクエンチした。これをHPLCにより直接精製し、一リン酸化合物9を得た。
LCMS m/z387.95[M+H]。
【0276】
化合物10
【化158】
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化合物9(30mg、0.078mmol、1等量)を含むフラスコ内にNMP(0.8mL、0.1M)を添加してから、TEA(43μL、0.31mmol、4等量)、テトラブチルアンモニウムブロミド(25mg、0.078mmol、1等量)を添加し、続いて炭酸クロロメチルイソプロピル(60μL、0.38mmol、5等量)を添加した。反応混合物を50℃に加熱して、一晩撹拌した。HPLCにより直接精製し、化合物10を得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d7.98(s、1H)、7.01(d、J=4.7Hz、1H)、6.72(d、J=4.7Hz、1H)、6.04(bs、2H)、5.74−5.61(m、4H)、4.91(ddt、J=12.6、9.4、6.3Hz、2H)、4.64−4.28(m、4H)、1.37−1.19(m、15H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d−4.06。
19F NMR(376MHz、CDCl)d−76.58、−151.95 TFA塩。
LCMS m/z620.03[M+H]。
【0277】
化合物11
【化159】
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化合物B−2のDMSO溶液を約3モル等量のカリウムt−ブトキシドで約15分間〜24時間処理する。反応物を1N HClでクエンチして、逆相HPLCにより化合物11を単離する。
【0278】
化合物12
【化160】
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化合物1b(約1mmol)を鋼製オートクレーブに入れる。反応器に液体アンモニア(約30mL)を入れ、混合物を約0℃〜50℃で約16時間撹拌する。アンモニアを蒸発させて、残渣を精製し、12aを得る。12a(約100mg)のエタノール溶液(約10mL)をラネーニッケル(約500mg)で処理し、HOで洗浄することにより中性化する。次いで、反応が完了するまで混合物を約35〜約80℃に加熱する。触媒を濾過により除去し、溶液を真空濃縮する。混合物を濃縮して、残渣をHPLCにより精製し、12bを得る。化合物12b(約50mg)およびTMSCN(約0.5mmol)のアセトニトリル溶液(約2.0mL)に約0℃でTMSOTf(約0.5mmol)を添加する。反応混合物を室温で約1時間、次いで65℃で約3日間撹拌する。反応物を飽和NaHCOで室温でクエンチし、CHCOEtで希釈する。有機相を分離して、ブラインで洗浄して、NaSO上で乾燥させて、濾過し、濃縮する。残渣をRP−HPLCにより精製してから、メタノール(約1mL)に溶解させる。水酸化アンモニウム(28%水溶液、約0.8mL)を添加して、混合物をほぼ室温で16時間撹拌する。混合物を濃縮して、残渣をRP HPLCにより精製し、12を得る。
【0279】
化合物13
【化161】
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化合物12を出発物質として使用して化合物9と同じ方法により化合物13を調製する。
【0280】
化合物14
【化162】
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約1〜約5等量のDCCのピリジン溶液を用いた化合物13処理により化合物14を調製し、反応物を約1〜約24時間加熱還流する。従来のイオン交換および逆相HPLCにより化合物14を単離する。
【0281】
化合物15
【化163】
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約0.4mmol化合物14のDMF溶液約10mLを約0.8mmolのDIPEAおよび約0.8mmolの炭酸クロロメチルイソプロピルで処理する(WO2007/027248号)。反応物を約25〜約80℃に約15分間〜約24時間加熱する。溶媒を真空除去し、残渣をHPLCにより精製し、化合物15を得る。
【0282】
化合物16
【化164】
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化合物3(約0.22mmol)を無水ピリジン(約2mL)に溶解させて、クロロトリメチルシラン(約0.17mL)を添加する。混合物を約0℃〜約25℃で約1〜約24時間撹拌する。さらなるクロロトリメチルシラン(約0.1mL)を添加して、反応物を約1〜約24時間撹拌する。4,4’−ジメトキシトリチルクロライド(約0.66mmol)およびDMAP(約0.11〜約0.22mmol)を連続添加する。混合物を約1〜約24時間撹拌する。TBAF(1.0M、約0.22mL)のTHF溶液を添加して、反応物を約1〜約24時間撹拌する。混合物を酢酸エチルと水の間で分配する。酢酸エチル層を乾燥させて、濃縮する。残渣をクロマトグラフィーにより精製し、化合物16を得る。
【0283】
化合物17
【化165】
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約1.25mmolの化合物16および約1.9mmolのトリエチルアンモニウム2−(2,2−ジメチル−3−(トリチルオキシ)プロパノイルチオ)エチルホスフィネート(WO2008082601号)の混合物を無水ピリジン(約19mL)に溶解させる。ピバロイルクロライド(約2.5mmol)を約−30〜約0℃で滴下し、溶液を約30分間〜約24時間撹拌する。反応物を塩化メチレンで希釈し、塩化アンモニウム水溶液(約0.5M)にて中性化する。塩化メチレン相を蒸発させ、残渣を乾燥させ、クロマトグラフィーにより精製し、化合物17を得る。
【0284】
化合物18
【化166】
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約0.49mmol化合物17の無水炭素四塩化物溶液(約5mL)にベンジルアミン(約2.45mmol)を滴下する。反応混合物を約1〜約24時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにより精製し、化合物18を得る。
【0285】
化合物20
【化167】
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約2mmol化合物18の塩化メチレン溶液(約10mL)をトリフルオロ酢酸水溶液(90%、約10mL)で処理する。反応混合物を約25〜約60℃で約1〜約24時間撹拌する。反応混合物をエタノールで希釈して、揮発性物質を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにより精製し、化合物20を得る。
【0286】
化合物21
【化168】
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約90mM化合物2のTHF溶液を約−78℃に冷却して、約2.2〜約5等量のt−ブチルマグネシウムクロライド(約1MのTHF溶液)を添加する。混合物を約0℃に約30分間加温し、再び約−78℃に冷却する。
(2S)−2−{[クロロ(1−フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロピルピバロエート溶液(WO2008085508号)(1MのTHF溶液、約2等量)を滴下する。冷却をやめ、反応物を約1〜約24時間撹拌する。反応物を水でクエンチして、混合物を酢酸エチルで抽出する。抽出物を乾燥させ、蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにより精製し、化合物21を得る。
【0287】
化合物22
【化169】
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C−1a調製に類似した方法により化合物22aを得た。
H NMR(400MHz、CDCl)d8.11(d、J=9.0Hz、2H)、8.02(s、1H)、7.48(t、J=7.5Hz、2H)、7.42−7.25(m、4H)、7.21(dt、J=14.9、5.5Hz、2H)、7.08(t、J=7.3Hz、2H)、5.17−5.03(m、2H)、4.99(dd、J=16.5、9.7Hz、2H)、3.44(s、1H)、3.35−3.21(m、2H)、3.19(d、J=9.2Hz、1H)、3.00−2.80(m、2H)。
31P NMR(162MHz、CDCl)d4.27。
LCMS m/z452.09[M+H]。
【0288】
【化170】
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化合物3および22aを使用してC−1調製に類似した方法により化合物22bを得た。
H NMR(400MHz、CDOD)d7.76(d、J=6.3Hz、1H)、7.38(t、J=8.2Hz、1H)、7.27−7.12(m、4H)、7.06−6.81(m、3H)、6.74(dd、J=4.6、3.5Hz、1H)、4.95−4.79(m、1H)、4.35−3.90(m、4H)、3.23(dt、J=3.2、1.6Hz、3H)、3.18−3.05(m、2H)、2.82(dt、J=14.7、7.3Hz、2H)、1.15(d、J=22.4Hz、3H)。
31P NMR(162MHz、CDOD)d10.76、10.71。
LCMS m/z620.05[M+H]。
【0289】
化合物22
【化171】
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22b(50mg、0.08mmol、1等量)を含むフラスコ内にエタノール(4mL)、続いてPd(OH)(56mg、0.08mmol、1等量)およびギ酸アンモニウム(42mg、0.64mmol、8等量)を添加した。反応物を80℃に約1時間加熱した。固体を濾過して、物質をHPLCにより精製した。
H NMR(400MHz、DMSO−d)d10.72(s、1H)、7.91(s、1H)、7.95−7.89(bs、2H)、7.41(d、J=7.7Hz、1H)、7.26(d、J=8.1Hz、1H)、7.19−6.66(m、3H)、4.20−3.75(m、3H)、2.99(dd、J=16.5、9.6Hz、2H)、2.89−2.70(m、2H)、2.48−2.58(m、8H)、1.10(d、J=22.3Hz、3H)。
31P NMR(162MHz、DMSO−d)d7.49。
19F NMR(376MHz、DMSO−d)d−154.89。
LCMS m/z530.21[M+H]。
【0290】
化合物23
【化172】
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化合物3(250mg、0.82mmol)をPO(OMe)(5mL、0.16M)に溶解させて、アルゴン下で0℃に冷却した。この撹拌溶液にPOCl(0.32mL、4.1mmol)をゆっくりと滴下して、反応混合物を室温に16時間加温した。生成した溶液をアセトニトリル(400mL)および0.08M KOH水溶液(300mL)の急速に撹拌した溶液に滴下した。添加完了時、反応進行をLCMSにより確認した。反応完了時、溶媒を減圧除去した。生成固体残渣を水に溶解させ、HPLCにより精製し、140mgの化合物23を得た(収率;47%)。
H−NMR(400MHz;CDOD):d8.15(s、1H)、7.40(d、1H;J=4.8Hz)、7.09(d、1H;J=4.8Hz)、4.64(dd、1H;J=24Hz、7.2Hz)、4.50−4.36(m、3H)、1.32(d、3H;J=22Hz)。
19F−NMR(376MHz;CDOD):d−153.11。
31P−NMR(162MHz;CDOD):d−2.20。MS[M+H]=370.2。
【0291】
化合物24
【化173】
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化合物23(7mg、0.02mmol)のDCM溶液(2mL)およびPO(OMe)(1mL)を調製して、0℃に冷却した。この溶液に塩化オキサリル(10μL)、続いてDMF(2μL)を添加した。混合物を1分間撹拌後に一部を取り出し、MeOH中でクエンチしてから、活性化をLCMSにより確認した。後続量の塩化オキサリル(10μL)およびDMF(2μL)を活性化が完了するまで添加した。この時点で、大量の2−プロパノール(5mL)を反応混合物に添加して、撹拌し、室温に加温した。反応完了後、溶媒を減圧除去し、生成した粗物質を前段階HPLCにより精製し、5.5mgの化合物24を得た(収率70%)。
H−NMR(400MHz;DMSO−d):d8.26(br、1H)、8.15(br、1H)、7.97(s、1H)、7.00(d、1H;J=4.4Hz)、6.88(d、1H;J=4.4Hz)、4.59−4.51(m、2H)、4.37−4.25(m、2H)、1.23(d、3H;J=22.8Hz)。19F−NMR(376MHz;CDOD):d−151.72。
31P−NMR(162MHz;CDOD):d−5.69。
MS[M+H]=412.0。
【0292】
化合物25
【化174】
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化合物24に類似した形でアラニンのヘプチルエステルを2−プロパノールに代えて化合物25を化合物23から調製した(収率5.3%)。
H−NMR(400MHz;CDOD):d7.91(s、1H)、6.98(d、1H;J=4.8Hz)、6.92(d、1H;J=4.8Hz)、5.29(dd、1H;J=24.4Hz、8.8Hz)、4.66−4.60(m、2H)、4.48−4.40(m、1H)、4.15−4.11(m、3H)、3.92(dd、1H;J=9.6Hz、7.2Hz)、1.67−1.64(m、3H)、1.40−1.27(m、15H)、0.91−0.87(m、6H)。
19F−NMR(376MHz;CDOD):d−151.46。31P−NMR(162MHz;CDOD):d7.36。
MS[M+H]=539.4。
【0293】
化合物26
【化175】
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化合物10の調製に類似した形で化合物26を化合物22から調製する。
【0294】
抗ウイルス活性
本発明の別の態様は、本発明の組成物を用いてかかる阻害を必要とする疑いがある試料または対象の処理工程を含むウイルス感染阻害方法に関する。
【0295】
本発明の文脈内で、ウイルス含有の疑いがある試料としては、天然または人工物質(生体;組織または細胞培養など);生体物質試料などの生体試料(血液、血清、尿、脳脊髄液、涙液、喀痰、唾液、組織試料、など);実験室試料;食物、水、または大気試料;バイオ生成物試料(細胞抽出物、特に所望の糖タンパク質を合成する組換え細胞など);などが挙げられる。典型的には、試料は、病原体(腫瘍ウイルスなど)であることが多い、ウイルス感染を誘発する生体含有の疑いがある。試料は、水および有機溶媒水混合物を含む任意の培地に含まれることができる。試料としては、生体(ヒトなど)、および人工物質(細胞培養など)が挙げられる。
【0296】
所望の場合、組成物適用後の本発明の化合物の抗ウイルス活性は、かかる活性の直接的および間接的検出方法を含む任意の方法により観察できる。かかる活性を決定する定量、定性、および半定量方法はすべて企図される。典型的には、上記のスクリーニング方法の1つを適用するが、任意の他の方法(生体の生理的特性の観察など)も適用可能である。
【0297】
本発明の化合物の抗ウイルス活性は、既知の標準的なスクリーニングプロトコルを使用して測定できる。例えば、化合物の抗ウイルス活性は、以下の一般的プロトコルを使用して測定できる。
【0298】
細胞ベースのフラビウイルス免疫検出アッセイ
BHK21またはA549細胞をトリプシン化してカウントし、2%ウシ胎仔血清(FBS)および1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したHams F−12培地(A549細胞)またはRPMI−1640培地(BHK21細胞)にて2×10細胞/mLに希釈する。2×l0細胞を透明な96ウェル組織培養プレートのウェル内に分配し、37℃、5%COで一晩置く。翌日、各種濃度の試験化合物の存在下で、37℃で1時間および5%COでさらに48時間、細胞を感染の重複感染度(MOI)0.3でウイルスに感染させる。細胞をPBSで1回洗浄して、冷メタノールで10分間固定化する。PBSで2回洗浄後、固定化細胞を1%FBSおよび0.05%Tween−20を含むPBSで室温で1時間遮断する。次いで一次抗体溶液(4G2)を濃度1:20〜1:100で、1%FBSおよび0.05%Tween−20を含むPBS中3時間添加する。次いで細胞をPBSで3回洗浄してから、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合抗マウスIgG(Sigma、1:2000希釈)を用いて1時間インキュベーションする。PBSで3回洗浄後、50マイクロリットルの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)基質溶液(Sigma)を各ウェルに2分間添加する。0.5M硫酸を添加することにより反応を停止させる。ウイルス負荷定量化のためにプレートを450nm吸光度で読み込む。測定後、細胞をPBSで3回洗浄してから、ヨウ化プロピジウムを用いて5分間インキュベーションする。細胞数定量化のためにTecan Safire(商標)リーダー(勃起537nm、放出617nm)内でプレートを読み込む。用量反応曲線を試験化合物濃度の対数に対する平均吸光度からプロットする。EC50を非線形回帰分析により算出する。陽性対照(N−ノニル−デオキシノジリマイシンなど)を使用し得る。
【0299】
細胞ベースのフラビウイルス細胞変性効果アッセイ
西ナイルウイルスまたは日本脳炎ウイルス検査のため、BHK21細胞をトリプシン化し、2%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン添加RPMI−1640培地にて濃度4×10細胞/mLに希釈する。デングウイルス検査のため、Huh7細胞をトリプシン化し、5%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシン添加DMEM培地にて濃度4×10細胞/mLに希釈する。50マイクロリットル細胞懸濁液(2×10細胞)を96ウェル光学底PITポリマーベースプレート(Nunc)中の各ウェルに分配する。細胞を培養培地で37℃、5%COで一晩増殖させてから、各種濃度の試験化合物の存在下、西ナイルウイルス(例えばB956株)または日本脳炎ウイルス(例えば中山株)にMOI=0.3で、またはデングウイルス(例えばDEN−2 NGC株)にMOI=1で感染させる。ウイルスおよび化合物を含むプレートをさらに37℃、5%COで72時間インキュベーションする。インキュベーション終了時、100マイクロリットルCellTiter−Glo(商標)試薬を各ウェルに添加する。内容物をオービタルシェーカー上で2分間混合して、細胞溶解を誘発する。プレートを室温で10分間インキュベーションして発光シグナルを安定化させる。プレートリーダーを使用して発光リーディングを記録する。陽性対照(N−ノニル−デオキシノジリマイシンなど)を使用し得る。
【0300】
デング感染マウスモデルにおける抗ウイルス活性。
デングウイルス感染マウスモデルにおいて化合物をインビボ試験する(Schul et al.J.Infectious Dis.2007;195:665−74)。6〜10週齢AG129マウス(B&K Universal Ltd,Hll,UK)を換気したケージ内に個別に収容する。マウスに0.4mL TSV01デングウイルス2懸濁液を腹腔内注射する。血液試料をイソフルラン麻酔下で後眼窩内穿刺により採取する。クエン酸ナトリウムを含む試験管内に血液試料を最終濃度0.4%で回収し、直ちに6000gで3分間遠心して血漿を得た。血漿(20マイクロリットル)を780マイクロリットルRPMI−1640培地で希釈し、プラークアッセイ分析用に液体窒素中で簡易凍結する。残っている血漿をサイトカインおよびNS1タンパク質レベル決定用に保存する。マウスはデングウイルス血症を発現し、これは数日間にわたって上昇し、感染後3日目にピークとなる。
【0301】
抗ウイルス活性検査のため、本発明の化合物をビヒクル流体、例えば10%エタノール、30%PEG300および60%D5W(5%デキストロースの水溶液;または6N HCl(1.5当量):lN NaOH(pHを3.5に調節):100mMクエン酸塩緩衝液、pH3.5(0.9%v/v:2.5%v/v:96.6%v/v)に溶解させる。36匹の6〜10週齢AG129マウスを6群各6匹に分類する。すべてのマウスを上記デングウイルスに感染させる(0日目)。1群では、本発明の化合物0.2mg/kgを200mL/マウスにて0日目に開始し(デング感染直前の初回投与)、連続3日間、1日2回(早朝1回および夕刻頃1回)経口強制投与する。2、3および4群には、同じ方法でそれぞれ1mg/kg、5mg/kgおよび25mg/kg化合物を投与する。前記の群と同じ方法で200マイクロリットル/マウス経口強制投与する(2R,3R,4R,5R)−2−(2−アミノ−6−ヒドロキシ−プリン−9−イル)−5−ヒドロキシメチルl−3−メチル−テトラヒドロ−フラン−3,4−ジオールなどの陽性対照を使用し得る。さらなる群をビヒクル流体のみで処理する。
【0302】
感染後3日目、約100マイクロリットルの(クエン酸ナトリウムにて抗凝固する)血液試料をイソフルラン麻酔下の後眼窩内穿刺によりマウスから採取する。伝染病アッセイ分析用の液体窒素中の遠心分離および簡易凍結により、各血液試料から血漿を得る。回収した血漿試料をSchul et alに記載の伝染病アッセイにより分析する。サイトカインもSchulにより記載されているように分析する。NS1タンパク質レベルを、Platelia(商標)キット(BioRad Laboratories)を使用して分析する。抗ウイルス効果は、サイトカインレベルおよび/またはNS1タンパク質レベル低下により示される。
【0303】
典型的には、本発明の化合物の5〜50mg/kg1日2回投与により、ウイルス血症は約5〜100倍、より典型的には、10〜60倍、最も典型的には、20〜30倍低下する。
【0304】
HCV IC50決定
アッセイプロトコル:野生型またはS282T(Migliaccio,et al,J.Biol.Chem.2003,49164−49170;Klumpp,et al,J.Biol.Chem.2006,3793−3799)突然変異体のいずれかのポリメラーゼ酵素をこのアッセイに使用した。28μLポリメラーゼ混合物(最終濃度:50mM Tris−HCl pH7.5、10mM KCL、5mM MgCl、1mM DTT、10mM EDTA、4ng/μLのRNAテンプレート、および75nM HCVΔ21 NS5bポリメラーゼ)をアッセイプレートに添加してから、4μLの希釈化合物を加えることにより、NS5bポリメラーゼアッセイ(40μL)とした。ポリメラーゼおよび化合物を35℃で10分間プレインキュベーション後にヌクレオチド基質の混合物(Kの33P−α標識競合ヌクレオチド、および0.5mMの残りの3つのヌクレオチド)8μLを添加した。アッセイプレートを覆い、35℃で90分間インキュベーションした。次いで、反応物を96ウェルDEAE−81フィルタープレートで真空濾過した。次いで、複数容量の0.125M NaHP0、水、およびエタノールでフィルタープレートを真空洗浄して、組み込まれない標識を除去した。次いで、バックグラウンド対照に対する生成物合成レベルを評価するためTopCount上でプレートをカウントした。IC50値をプリズム適合プログラムを使用して決定する。
【0305】
好ましくは、本明細書に記載の化合物は、IC50 1000μΜ未満、より好ましくは100μΜ未満、最も好ましくは10μΜ未満でNS5bポリメラーゼを阻害した。例えば、HCVポリメラーゼの野生型およびS282T突然変異体酵素の両方に対する化合物TP−1のIC50は0.15μΜである。下表2に、2’−メチルグアニジンの三リン酸塩および(2R,3R,4R,5R)−2−(4−アミノピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イル)−3,4−ジヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)−3−メチル−テトラヒドロフラン−2−カルボニトリルの三リン酸塩を用いて得られた活性と比較した野生型とS282T突然変異体酵素の両方に対するTP−1およびTP−2活性を示す。これは、ピロロ[1,2−f][1,2,4]トリアジン−7−イルヌクレオシドの2’OHを2’Fに置換すると、予想外に、ウイルスの耐性S282T HCV突然変異株に対する活性が付与されることを示す。
【表40-1】
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【表40-2】
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【0306】
HCV EC50決定
レプリコン細胞を、Geneticinを除いた100μL培養培地中8×10細胞/ウェル密度で96ウェルプレートに播種した。化合物を100%DMSOで連続希釈してから、1:200希釈で細胞に添加し、最終濃度0.5%DMSOおよび総容量200μLにした。プレートを37℃で3日間インキュベーション後、培養培地を除去して、細胞をPromegaのルシフェラーゼアッセイ系により提供された溶解緩衝液中で溶解させた。製造業者の説明書に従い、100μLのルシフェラーゼ基質を溶解細胞に添加して、ルシフェラーゼ活性をTopCount照度計で測定した。好ましくは、本明細書に記載の化合物のEC50は1000μΜ未満、より好ましくは100μΜ未満、最も好ましくは10μΜ未満である。式Iの化合物の代表的な活性を下表3に示す。
【表41】
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【0307】
本発明の化合物の細胞障害性は、以下の一般的プロトコルを使用して決定できる。
【0308】
代謝作用試験:
出願人らは、X位が窒素であるヌクレオシド類似体の一リン酸プロドラッグは、X位が炭素であるカウンターパートより高い活性を有する可能性があることを観察した。この活性相違は、細胞内化合物の活性三リン酸塩類似体量に相関する。これは、三リン酸塩類似体の細胞内濃度を定量化する代謝試験により定量化できる。三リン酸塩代謝産物のより高い細胞内濃度は、活性の増強されたプロドラッグに相関する。
【0309】
例えば、プロドラッグ化合物B−7とプロドラッグ化合物PD−A−8bとの比較により、X位が窒素である場合に活性が増大したことが示される。これは、表3にて、化合物のHCV EC50はX位が窒素である場合(化合物PD−A−8b)に化合物B−7の63〜73μΜと比較して0.68μΜであることから観察できる。プロドラッグ類似体PD−A−8bの活性化(その三リン酸塩類似体TP−8aに対し)は、表4に見られるように、X位が炭素であるそのプロドラッグのカウンターパートB−7(その三リン酸塩類似体TP−3に対し)に観察されるより効率が2桁超高いことが見出された。
【0310】
実験:
10%熱不活性化ウシ胎仔血清、ペニシリン−ストレプトマイシン、およびG418二硫酸塩溶液を添加したglutamaxを含むダルベッコの改変イーグル培地にて、HCV遺伝子型1b副ゲノムレプリコンを含むHuh−luc/neoレプリコン細胞を維持した。トリプシン処理により細胞を12ウェル組織培養プレートに移し、密集度(0.88×10細胞/ウェル)に増殖させた。10μΜヌクレオシド、または10μΜプロドラッグを用いて細胞を24時間処理した。24時間後、細胞を2.0mL氷冷0.9%塩化ナトリウム食塩水で2回洗浄した。次いで細胞を0.5mL 70%メタノール(MeOH)にスクレープし、一晩凍結してヌクレオチド代謝物抽出を促進した。抽出した細胞物質の70%MeOH溶液を試験管内に移して、乾燥させた。乾燥後、内部標準(100nM Cl ATP)を含む1mMアンモニウムリン酸pH8.5で試料を再懸濁した。三リン酸ヌクレオシドの細胞内レベルを、タンデム質量分析と連結した液体クロマトグラフィーにより正式な標準曲線に基づき定量化した。
【0311】
結果
【表42】
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【0312】
細胞障害性細胞培養アッセイ(CC50決定):
アッセイは、代謝基質を使用した試験化合物の細胞障害作用評価に基づく。
CC50決定アッセイプロトコル:
1.5%ウシ胎仔血清および抗生剤を添加したRPMI−1640培地内でMT−2細胞を維持する。
2.細胞を96ウェルプレート中に分配し、(100μL培地/ウェル中20,000細胞)各種濃度の試験化合物を3回添加する(100μL/ウェル)。未処理対照を含む。
3.細胞を37℃で5日間インキュベーションする。
4.暗所でリン酸緩衝食塩水pH7.4にて濃度2mg/mLのXTT溶液(6mL/アッセイプレート)を調製する。55℃の水浴で溶液を5分間加熱する。6mL XTT溶液ごとに50μLのN−メチルフェナゾニウムメトサルフェート(5μg/mL)を添加する。
5.アッセイプレート上の各ウェルから100μL培地を除去し、各ウェル100μLのXTT基質溶液を添加する。COインキュベーター内で37℃で45〜60分間インキュベーションする。
6.各ウェルに20μLの2%トリトンX−100を添加して、XTTの代謝変換を阻止する。
7.650nmにおけるバックグラウンドを差し引き、450nmにおける吸光度を読み込む。
8.未処理対照に対して吸光度割合をプロットし、細胞増殖を50%阻害する薬剤濃度としてCC50値を推定する。細胞増殖と直接比例する吸光度を検討する。
【0313】
上の本明細書に引用したすべての刊行物、特許、および特許文書は、あたかも個別に参照して組み込まれたかのように、参照することにより本明細書に組み込まれる。本発明は、様々な具体的および好ましい実施形態および技術に関して記載されている。しかしながら、多くの変更および修正を行い得、かつ本発明の真意および範囲内であり続けることを当業者は理解するであろう。