(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筒状収容部は、前記下側開口端において、前記筒状収容部における内周壁面から前記筒状収容部の内側に向かって延設された鍔部を備える請求項1又は2に記載の容器保持部材。
前記筒状収容部は、前記筒状収容部の内部が前記上側開口端から前記下側開口端に向かって漸次窄まる形状で形成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器保持部材。
前記筒状収容部は、前記筒状収容部の内周壁面の一部に、前記筒状収容部の内側に向かって凸設された凸状部を備える請求項1〜6のいずれか1項に記載の容器保持部材。
前記複数の筒状収容部において、一の筒状収容部と、その一の筒状収容部に隣接する他の筒状収容部とが、それら筒状収容部の外周壁面で互いに連結されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の容器保持部材。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0012】
<容器保持部材>
本発明の実施形態に係る容器保持部材は、有底筒状の医療用容器を複数個保持することが可能なものである。この容器保持部材は、一方の面と他方の面を貫通する貫通孔を複数有する平板状の基板部と、基板部の一方の面側を上側開口端とし、他方の面側を下側開口端として、各貫通孔の孔縁から上方又は下方に突出した複数の筒状収容部と、を備える。そして、筒状収容部は、医療用容器が筒状収容部に収容された際に医療用容器の外底面が下側開口端よりも下方に出る状態で医療用容器を保持可能に構成されている。
【0013】
本実施形態の容器保持部材は、複数の筒状収容部を備えるため、各筒状収容部に医療用容器を収容することで、簡便に複数個の医療用容器を確実かつ安定的に保持することができる。これにより、複数個の医療用容器を容器保持部材に保持させた状態で、一時に高圧蒸気滅菌等の滅菌処理を行うことができ、また、そのまま搬送することもできる。
【0014】
複数の医療用容器を容器保持部材に保持させた状態で搬送する際には、各医療用容器が容器保持部材の各筒状収容部で確実かつ安定的に保持されているため、複数の医療用容器が互いに擦り合うことを回避できる。そのため、容器保持部材の利用により、医療用容器の表面が傷ついたり、医療用容器が破損したりすることを抑制することができる。
【0015】
また、容器保持部材における筒状収容部の下側は、下側開口端として開口しているため、例えば、高圧蒸気滅菌を行うときに、水蒸気の凝縮した水滴が筒状収容部内に溜まり難い。
【0016】
上述した様々な利点から、本実施形態の容器保持部材は、医療用容器を保持、搬送、滅菌処理することなどに、より効率的に用いることができるものである。
【0017】
さらに、本実施形態の容器保持部材は、前記筒状収容部により、医療用容器が筒状収容部に収容されると、医療用容器の外底面が筒状収容部の下側開口端よりも下方に出る状態で、医療用容器を保持することができる。これにより、複数個の医療用容器を容器保持部材に保持させた状態で凍結乾燥の処理を行うと、筒状収容部の下側開口端よりも下方に出た医療用容器の外底面が、凍結乾燥機内の台に触れ、医療用容器へ熱が伝わり易くなり、冷却効率を高めることが可能となる。よって、本実施形態の容器保持部材の使用により、複数の医療用容器の各内容物(例えば、薬液及び注射剤等の薬剤、並びに血液及び細胞等の生体試料等)に対して、効率よく凍結乾燥の処理を行うことができる。したがって、本実施形態の容器保持部材は、医療用容器(容器の内容物)を凍結乾燥することに、さらに効率的に用いることができるものである。
【0018】
まず、本実施形態の容器保持部材が保持する対象となる医療用容器について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施形態の容器保持部材が保持する対象となる医療用容器の一例(医療用容器1)を表す断面図であり、
図2は、その医療用容器の別の一例(医療用容器2)を表す断面図である。
【0019】
本実施形態の容器保持部材が保持する対象となる医療用容器は、底を有する筒状(有底筒状)の形状であれば特に限定されない。「筒状」とは、一方の端部から他方の端部に向かう内部空間が形成された形状を意味する。筒状としては、例えば、円筒状、及び四角筒状等の角筒状、並びにこれらに準ずる形状(略円筒状等)等を挙げることができる。
【0020】
また、「筒状」には、医療用容器における一方の端部から他方の端部に至るまで外径(外幅)及び内径(内幅)が一定の形状のみならず、外径(外幅)及び内径(内幅)が異なる部分を有する筒状も含まれる。例えば、バイアルは、
図1に示す医療用容器1のように、底部1a(一方の端部1a)側に位置する大径の胴部1bと、開口部1c(他方の端部1c)側に位置する小径の首部1dと、胴部1bと首部1dを繋ぎ、胴部1bから首部1dに向かって径が窄まる肩部1eと、を有する。このような形状も「筒状」に含まれる。なお、バイアル(医療用容器1)には、開口部1cを形成するリップ1fが肩部1eに直結され、実質的に首部1dがないか、或いは首部1dが極端に短い形態のものも存在する。このような形状も「筒状」に含まれる。
【0021】
有底筒状の医療用容器における「有底」とは、筒状構造の一方の端部を完全に又は部分的に閉塞する底部を有する形状を意味する。したがって、医療用容器の底部は、完全に閉じた形状でもよいが、これに限らず、一部開いた形状であってもよい。
【0022】
また、医療用容器の底部は、使用時に医療用容器の下側に位置している必要はない。例えば、シリンジバレルは、
図2に示す医療用容器2のように、胴部2bの一方の端部2a側が部分的に閉塞され、他方の端部2c側が開口した筒状であり、一方の端部2a側に「底部」を有している。そして、シリンジバレル(医療用容器2)は、その底部2aの先端部2dに孔2eが形成され、完全に閉じた形状ではなく、一部開いた形状となっている。このような形状も「有底」に含まれる。
【0023】
医療用容器1、2の外底面1g、2gは、医療用容器1、2が本実施形態の容器保持部材における筒状収容部に収容された際に、筒状収容部の下側開口端よりも下方に出る状態(以下、この状態を「露出状態」と称することがある。)となる。この医療用容器1、2の外底面1g、2gは、前述の底部1a、2aの外側の面を意味する。また、後述する角丸部1iを有する医療用容器1のような場合、その外底面1gは、角丸部1iによる丸み付けされている部分を含まない底部1aの外側の面を意味する。
【0024】
バイアル及びアンプルのように、
図1に示す医療用容器1は、外底面1gと外周面1h(筒状をなす部分の外側の側面)との間が所定の曲率半径を有する角丸部1iで形成されたものであることが好ましい。なお、
図2に示す医療用容器2においても、外底面2gと外周面2hとの間が所定の曲率半径を有する角丸部で形成されていてもよい。
【0025】
医療用容器の具体例として、バイアル、アンプル、及びシリンジバレル等を挙げることができる。本実施形態の容器保持部材は、医療用容器のうちバイアルを保持することに、より好適に用いられる。
図1に示す医療用容器1のように、バイアルは、一般的に、外底面1gと外周面1hとの間が所定の曲率半径を有する角丸部1iで形成されている。バイアル(医療用容器1)の材質は、プラスチック製及びガラス製のいずれでもよい。本実施形態の容器保持部材は、上述の通り、凍結乾燥処理時の冷却効率を高め易いという利点を有することから、ガラス製のバイアルを保持することに、さらに好適に用いられる。
【0026】
次に、本実施形態の一例の容器保持部材を挙げて、本実施形態の容器保持部材を詳細に説明する。
図3〜13は、本実施形態の一例の容器保持部材10を示す図である。
図14は、その容器保持部材10における筒状収容部40に前述の医療用容器1(
図1参照)を収容した状態を表す断面図である。以下では主に、医療用容器1を容器保持部材10における筒状収容部40に収容する場合を例に挙げて説明する。
【0027】
図3〜13に示す容器保持部材10は、複数の貫通孔30を有する平板状の基板部20と、複数個の医療用容器をそれぞれ収容し、保持することが可能な複数の筒状収容部40とを備える(例えば
図3〜7等参照)。この容器保持部材10において、基板部20は、一方の面20aと他方の面20bを貫通する貫通孔30を複数有する。また、筒状収容部40は、基板部20の一方の面(上面)20a側を上側開口端41とし、他方の面(下面)20b側を下側開口端42として、基板部20の各貫通孔30の孔縁から下方に突出している(例えば
図8〜13等参照)。
【0028】
容器保持部材10は、後述するように、医療用容器1、2が筒状収容部40に収容された際に医療用容器1、2の外底面1g、2gが露出状態で医療用容器を保持可能に構成されている。このことから、容器保持部材10は、医療用容器1、2の底部1a、2aが下側に向いた状態で医療用容器1、2を保持するものである(
図14参照)。また、筒状収容部40の上側開口端41が、医療用容器1、2の挿入口となる。
【0029】
基板部20と筒状収容部40とは、別の材料で形成されていてもよいが、同じ樹脂や同じ金属等の同じ材料で一体に形成されていることが好ましい。樹脂材料、中でも熱可塑性樹脂を成形することにより容器保持部材10を製造すれば、簡易かつ低コストで、基板部20と筒状収容部40とを同じ樹脂材料で一体に形成することができる。容器保持部材10(基板部20及び筒状収容部40)を形成する樹脂材料は、特に限定されず、好適な樹脂材料として、例えば、ポリエチレン、及びポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂を挙げることができる。容器保持部材10の成形方法も特に限定されず、例えば、射出成形、真空成形、及び圧空成形等の公知の成形方法を用いることができる。
【0030】
容器保持部材10における基板部20の形状、大きさ及び厚さ等は、特に限定されず、基板部20の材質、貫通孔30及び筒状収容部40の配置数、貫通孔30の大きさ、並びに筒状収容部40の深さ等によって適宜設定し得る。基板部20の好適な形状は、例えば、基板部20の上方からの平面視形状として、
図3、
図4及び
図7等に示すように、略長方形状の他、略正方形状、略円形状等が挙げられる。基板部20の平面視形状が略長方形状又は略正方形状である場合、基板部20の大きさとして、例えば、長辺が200〜500mm、短辺が100〜400mm程度のものが挙げられる。また、基板部20の厚さは、軽量で使用に耐え得る強度を備えた容器保持部材10を構成する観点から、0.5〜5mm程度であることが好ましい。
【0031】
容器保持部材10における複数の貫通孔30及び複数の筒状収容部40は、基板部20に対して、千鳥配列又は格子配列されていることが好ましい。これにより、容器保持部材10で複数の医療用容器1、2を同一水準の平面上に規則的に整列させた状態で保持することができる。
図3、
図4及び
図7等では、複数の貫通孔30及び複数の筒状収容部40が基板部20に対して千鳥配列されている構成が例示されている。基板部20に対して複数の貫通孔30及び複数の筒状収容部40を千鳥配列する方が、格子配列するよりも、貫通孔30及び筒状収容部40を多数設け易いことから好ましい。
【0032】
容器保持部材10における貫通孔30及び筒状収容部40の数は、容器保持部材10が保持する医療用容器1、2の数に対応し、これらの数は、特に限定されない。一括して多数の医療用容器1、2に対して滅菌処理や搬送等を行える方が効率的であるという観点から、貫通孔30及び筒状収容部40を、例えば、好ましくは9個(例えば縦3個×横3個)以上、より好ましくは25個(例えば縦5個×横5個)以上、さらに好ましくは49個(例えば縦7個×横7個)以上設けることができる。
図3、
図4及び
図7等では、貫通孔30及び筒状収容部40が、基板部20に対して、縦10個×横10個で千鳥配列されて、100個設けられている容器保持部材10が例示されている。
【0033】
図14に示すように、筒状収容部40は、医療用容器1が筒状収容部40に収容された際に、医療用容器1の外底面1gが下側開口端42よりも下方に出る状態(露出状態)で医療用容器1を保持可能に構成されている。
【0034】
医療用容器1が筒状収容部40の下側開口端42から下方に出る度合いとしては、医療用容器1の高さの下側25%以下であることが好ましく、より好ましくは下側15%以下、さらに好ましくは下側10%以下である。また、筒状収容部40は、角丸部1iを有する医療用容器1を保持する場合、医療用容器1の角丸部1iから下側の部分が筒状収容部40の下側開口端42よりも下方に出る状態で、医療用容器1を保持可能に構成されていることがさらに好ましい。より好適な具体例としては、筒状収容部40に高さ20〜40mm程度のバイアルが収容される場合を例に挙げると、筒状収容部40は、収容された医療用容器1が筒状収容部40の下側開口端42から0.1〜5mm(より好適には0.2〜2mm)下方に出る状態で、医療用容器1を保持可能に構成されていることが好ましい。
【0035】
上述した構成のように、筒状収容部40は、医療用容器1の大部分でなく、外底面1gを含む底部1a側の小部分又は僅かな部分が下側開口端42から下方に出る状態で医療用容器1を保持可能に構成されていることが好ましい。こうした構成によって、容器保持部材10は、複数個の医療用容器1をさらに確実かつ安定的に保持することができ、この容器保持部材10に保持された複数個の医療用容器1の搬送や滅菌処理もより効率的に行うことができる。また、医療用容器1を保持した容器保持部材10が凍結乾燥機内の台に置かれた際には、医療用容器1の外底面1gが凍結乾燥機内の台に触れるため、冷却効率が良く、凍結乾燥の処理を効率的に行うことが可能となる。さらに、医療用容器1を保持した容器保持部材10が台等に置かれる際には、医療用容器1の外底面1gが台に接触してから容器保持部材10も下側開口端42の端面が台に接触するが、このときの容器保持部材10と医療用容器1との相対的な移動量が小さい。そのため、容器保持部材10の筒状収容部40と医療用容器1とが互いに擦り合うことを抑制でき、医療用容器1の表面が傷つくことを抑制することができる。
【0036】
筒状収容部40は、医療用容器1の筒形状に対応した筒形状であることが好ましく、かつ、下側開口端42の開口形状が医療用容器1の外底面1gの外形形状よりも大きく、医療用容器1の外幅よりも小さい形状で形成されていることが好ましい。
【0037】
ここで、筒状収容部40が、医療用容器1、2の筒形状に対応した筒形状であるとは、筒状収容部40の筒形状と医療用容器の筒形状とが対応関係にあることを意味する。例えば、医療用容器1、2が円筒状であれば筒状収容部40も円筒状である関係、医療用容器1、2が楕円筒状であれば筒状収容部40も楕円筒状である関係、医療用容器1、2が角筒状であれば筒状収容部40も角筒状である関係等を挙げることができる。
【0038】
また、筒状収容部40の下側開口端42の開口形状は、容器保持部材10を下側からみた底面図(
図4及び
図9参照)に現れるように、下側開口端42の下側からの平面視の開口形状を意味する。
【0039】
さらに、医療用容器1、2の外幅は、医療用容器1、2における、例えば胴部1b、2b等に存在する最大の外幅を意味する。そして、筒状収容部40の下側開口端42の開口形状が、医療用容器1、2の外幅よりも小さい形状で形成されているとは、医療用容器1、2が筒状収容部40に収容された際に、筒状収容部40の下方へ抜け落ちないことを意味する。
【0040】
筒状収容部40に外底面の直径が10〜20mm程度のバイアルが収容される場合を例に挙げると、筒状収容部40の下側開口端42の開口形状(開口径)は、そのバイアル(医療用容器)の外幅(外径)よりも、0.1〜1mm小さいことが好ましく、0.2〜0.5mm小さいことがより好ましい。また、この例の場合、筒状収容部40の下側開口端42の開口形状(開口径)は、そのバイアル(医療用容器)の外底面の外形形状(外径)よりも、0.1〜1mm大きいことが好ましく、0.2〜0.5mm大きいことがより好ましい。
【0041】
容器保持部材10に、シリンジバレルのような
図2に示す医療用容器2が保持される場合、医療用容器2の底部2aにおける先端部2dのみの外底面(外底面2gの一部)が露出状態となればよい。そのため、この場合、筒状収容部40は、下側開口端42の開口形状が医療用容器2の底部2a(底部全体)の外底面2gの外形形状よりも大きく形成されていることを要しない。筒状収容部40の下側開口端42を、医療用容器2における先端部2d以外の底部2aの外底面2gを支持するように構成すれば、底部2aにおける先端部2dのみの外底面を容易に露出状態とすることができる。
【0042】
外底面1gと外周面1hとの間に角丸部1iを有する医療用容器1(
図1参照)が筒状収容部40に収容される場合には、筒状収容部40の下側開口端42の開口形状は医療用容器1の外底面1gの外形形状よりも大きく、医療用容器1の外幅よりも小さい形状で形成されていることが好ましい。これにより、医療用容器1の外底面1gを容易に露出状態とさせることができる。バイアルのような医療用容器1が筒状収容部40に収容される場合、筒状収容部40は、上側開口端41側が医療用容器1の胴部1bよりも大きく形成されるとともに、下側開口端42側が医療用容器1の胴部1bよりも小さく形成されていることが好ましい。
【0043】
医療用容器1は、一般的なバイアルのように、外底面1gと外周面1hとの間が所定の曲率半径を有する角丸部1iで形成されていれば、通常、その医療用容器1の外底面1gの直径(又は幅)は、医療用容器1の最大の外径(又は外幅)よりも小さい。このような医療用容器1が、容器保持部材10における筒状収容部40に収容されると、医療用容器1における角丸部1iから下側の部分のみが筒状収容部40の下側開口端42よりも下方に出る状態となる。よって、この場合、容器保持部材10は複数の医療用容器1を露出状態で保持しつつ、より確実かつ安定的に保持することができる。
【0044】
例えば
図10〜12に示すように、容器保持部材10では、筒状収容部40が、下側開口端42において、筒状収容部40における内周壁面40aから筒状収容部40の内側に向かって延設された鍔部43を備えることが好ましい。この場合、その鍔部43が、下側開口端42を形成する。筒状収容部40が下側開口端42を形成する鍔部43を備えることにより、医療用容器1の外底面1gを露出状態としつつ、医療用容器1をより確実かつ安定的に保持しやすい。
【0045】
例えば
図8に示すように、鍔部43は、筒状収容部40の下端の全周に渡って環状に設けられていることがより好ましい。筒状収容部40が、下端の全周から筒状収容部40の内側に向かって環状に延設された鍔部43を備えることで、医療用容器1をより安定的に保持し易い。鍔部43の環状の形状は、筒状収容部40の筒形状に対応した形状とすることが好ましい。
図3〜14では、筒状収容部40が円筒状に形成されているため、鍔部43は、筒状収容部40の下端の全周に渡って円環状に形成されている構成が例示されている。なお、鍔部43は、筒状収容部40の下端の周方向における一部に設けられていてもよく、この場合、複数設けられていてもよい。
【0046】
容器保持部材10における筒状収容部40が鍔部43を備える場合、その容器保持部材10は、前述の角丸部1iを有する医療用容器1を保持することに、より好適に用いられる。この場合、鍔部43は、医療用容器1が筒状収容部40に収容された際に医療用容器1の角丸部1iに当接するように設けられていることが、医療用容器1を露出状態で保持し易い構成となる点でより好ましい。医療用容器1が筒状収容部40に収容されて容器保持部材10に保持された際、鍔部43が医療用容器1の角丸部1iに当接するように設けられていることで、医療用容器1はその角丸部1iで筒状収容部40に留まって抜け落ちることなく、医療用容器1の外底面1gは、筒状収容部40の下側開口端42よりも下方に出た状態とすることができる(
図14参照)。この際、医療用容器1は、角丸部1iから下側の部分(外底面1gを含む部分)が筒状収容部40の下側開口端42よりも下方に出た状態で、容器保持部材10に保持される。
【0047】
鍔部43は、筒状収容部40の内周壁面40aから筒状収容部40の内側に向かって、内周壁面40aに対して垂直方向に延設されていてもよいが、筒状収容部40の内側下方に傾斜して設けられていることがさらに好ましい(
図10〜14参照)。これにより、医療用容器1が筒状収容部40に収容された際に、医療用容器1の外底面1gを、筒状収容部40の下側開口端42よりも下方に出し易い。この場合の鍔部43の傾斜角度は、筒状収容部40の内周壁面40aから10度以上90度未満で立ち上がる角度であることが好ましく、より好ましくは10〜60度、さらに好ましくは45〜60度である。
【0048】
鍔部43は、筒状収容部40の内周壁面40aから内側への延設距離(鍔部43の幅)が、医療用容器1における角丸部1iの曲率半径に対応するように設けられていることが好ましい。鍔部43の幅は、筒状収容部40に収容される医療用容器の種類及び大きさ等により、適宜決定し得る。筒状収容部40に外底面の直径が10〜20mm程度のバイアルが収容される場合を例に挙げると、鍔部43の幅は、例えば、0.5〜5.0mmが好ましく、1.0〜2.5mm程度がより好ましく、さらに好ましくは1.5〜2.0mmである。
【0049】
鍔部43は、医療用容器1が筒状収容部40内に収容されて容器保持部材10に保持された際に、鍔部43の下端面(筒状収容部の下端面)が、医療用容器1の外底面1gよりも、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.2〜2mmだけ上方に位置するように構成されていることが好ましい。この構成を有する鍔部43により、医療用容器1を露出状態とさせつつ、さらに確実かつ安定的に保持することが可能となる。
【0050】
医療用容器1を露出状態で保持し易いように、筒状収容部40は、筒状収容部40の内部(内部空間)が上側開口端41から下側開口端42に向かって漸次窄まる形状で形成されていることが好ましい(
図10及び
図11参照)。筒状収容部40の内部が上から下へ漸次窄まる形状で形成されていると、筒状収容部40の内部空間は、上側開口端41の開口面積が広く、上側開口端41から下側開口端42に向かって開口面積が漸次小さくなり、下側開口端42の開口面積が狭い空間となる。このような構成では、筒状収容部40の上側開口端41を広めに形成することが可能であり、これにより、筒状収容部40に医療用容器1、2を収容し易いという利点もある。
【0051】
図8及び
図10〜13に示すように、筒状収容部40は、筒状収容部40の内周壁面40aの一部に、筒状収容部40の内側に向かって凸設された凸状部44を備えることが好ましい。筒状収容部40の内周壁面40aの一部に凸状部44が設けられていることにより、医療用容器1、2が筒状収容部40に収容された際、医療用容器1、2の外周面1h、2hと筒状収容部40の内周壁面40aとの間に空隙を形成することができる。この空隙により、蒸気やガス等を効率よく流通させることが可能となり、滅菌処理をより効果的に行うことが可能となる。
【0052】
凸状部44は、筒状収容部40の内周壁面40aの一部に複数設けられていることが好ましく、内周壁面40aにおいて、筒状収容部40内の中心を通って対向する位置に設けられていることがより好ましい。
図8等では、筒状収容部40の内周壁面40aの4か所に4つの凸状部44が設けられ、筒状収容部40内の中心を通って対向する位置に2組の凸状部44が設けられている構成が例示されている。
【0053】
筒状収容部40は、筒状収容部40の内周壁面40aと外周壁面40bとを貫通する孔部45を備えることが好ましい(
図8、
図9、
図12及び
図13参照)。筒状収容部40の内周壁面40aと外周壁面40bとを貫通する孔部45が設けられていることにより、その孔部45に、蒸気やガス等を効率よく流通させることが可能となり、滅菌処理をより効果的に行うことが可能となる。
【0054】
滅菌処理をさらに効果的に行い得るように、孔部45は、
図12に表されているように、基板部20の一方の面(上面)20aにおいて貫通孔30に連接して設けられていることがより好ましく、貫通孔30の中心を通って対向する位置に複数設けられていることがさらに好ましい。
図8及び
図12等では、基板部20の一方の面(上面)20aにおいて貫通孔30に連接し、基板部20の上面20a側からの平面視において、貫通孔30の中心を通って互いに向き合う2条の凹状溝形状の孔部45が設けられている構成が例示されている。
【0055】
複数の筒状収容部40において、一の筒状収容部40と、その一の筒状収容部40に隣接する他の筒状収容部40とが、それら筒状収容部40の外周壁面40bで互いに連結されていることが好ましい。これにより、複数の筒状収容部40が補強されるため、容器保持部材10の強度を高めることができ、容器保持部材10の耐用期間を長くすることができる。一の筒状収容部40と、他の筒状収容部40とは、それらの外周壁面40bの一部で直接連結されていてもよいし、
図9及び
図13に表されているように、筒状収容部40の外周壁面40bに設けられた連結部50を介して、連結されていてもよい。連結部50は、筒状収容部40の深さ(高さ)方向に沿って、基板部20の下面20bから筒状収容部40の下端に渡って棒状に設けられているが、連結部50は、筒状収容部40の外周壁面40bの深さ(高さ)方向における一部に点状に設けられていてもよい。
【0056】
本実施形態の容器保持部材は、以下の
図15〜17を参照しながら説明される構成をとることも可能である。
図15〜17は、それぞれ、前述の容器保持部材10とは別の構成例を説明するための本実施形態の一例の容器保持部材101、102、103を表す、
図11に対応する模式的な断面図である。なお、
図15〜17は、容器保持部材における一の筒状収容部の部分のみを模式的に表した断面図である。また、
図15〜17では、基板部及び貫通孔に、
図3〜14に示す容器保持部材10における基板部20及び貫通孔30と同一の符号を付して、以下、それらの説明を省略する。
【0057】
前述の
図3〜14に示す容器保持部材10では、上述の通り、筒状収容部40が鍔部43を備えるが、本実施形態の容器保持部材は、筒状収容部40が鍔部43を備えていなくてもよい。すなわち、本実施形態の容器保持部材は、筒状収容部40が鍔部43を備える構成以外でも、医療用容器の外底面が筒状収容部の下側開口端よりも下方に出る状態で医療用容器を保持可能な構成とすることができる。
【0058】
例えば、
図15に示す容器保持部材101のように、筒状収容部401に鍔部を設けずに、筒状収容部401を、筒状収容部401の内部(内部空間)が上側開口端411から下側開口端421に向かって漸次窄まる形状に構成することができる。この構成により、下側開口端421の開口形状を医療用容器1の外底面1gの外形形状よりも大きく、かつ医療用容器1の外幅よりも小さい形状に形成することができる。そのため、容器保持部材101は、医療用容器1の外底面1gが筒状収容部401の下側開口端421よりも下方に出る状態で医療用容器1を保持することが可能となる。
【0059】
容器保持部材101は、筒状収容部401に前述したような角丸部1iを有する医療用容器1が収容される場合、筒状収容部401の窄まった下側開口端421の内側に、医療用容器1の角丸部1iが接触するように構成されていることが好ましい。この場合、容器保持部材101は、医療用容器1における角丸部1iから下側の外底面1gを含む部分が、筒状収容部401の下側開口端421よりも下方に出る状態で、医療用容器1を保持することが可能となる。
【0060】
容器保持部材101では、
図15に示すように、筒状収容部401の肉厚が略一定で、筒状収容部401の内周壁面401a及び外周壁面401bがともに上側開口端411から下側開口端421に向かって漸次窄まるように構成することができる。また、図示しないが、容器保持部材101は、筒状収容部401の肉厚が、上側開口端411から下側開口端421に向かって漸次厚くなるように形成されていることにより、筒状収容部401の内部(内部空間)が漸次窄まるように構成されていてもよい。この場合、筒状収容部401の外周壁面401bは、上側開口端411から下側開口端421に向かって漸次窄まるように形成されている必要はなく、基板部20の下面20bに対して垂直方向に真っ直ぐに形成されていてもよい。
【0061】
前述の
図3〜14に示す容器保持部材10は、基板部20の各貫通孔30の孔縁から下方に突出した複数の筒状収容部40を備える。一方、
図16に示す容器保持部材102のように、筒状収容部402は、基板部20の貫通孔30の孔縁から上方に突出したリブ部426を有していてもよい。このリブ部426は、筒状収容部402の筒形状に対応するように、環状に形成されていることが好ましい。容器保持部材102はリブ部426を備えるため、医療用容器1をその高さ方向に対してより安定的に保持することが可能となる。さらに、
図17に示すように、容器保持部材103は、基板部20の貫通孔30の孔縁から上方に突出した複数の筒状収容部403を備える構成としてもよい。
【0062】
図16及び
図17に示す容器保持部材102、103は、
図15に示す容器保持部材101と同様に、筒状収容部402、403の内部(内部空間)が上側開口端412、413から下側開口端422、423に向かって漸次窄まる形状に構成されている。この構成により、容器保持部材102、103は、医療用容器1の外底面1gが筒状収容部402、403の下側開口端422、423よりも下方に出る状態で医療用容器1を保持することが可能となる。筒状収容部402、403も上述の
図15に示す筒状収容部401の説明と同様、外周壁面402b、403bが、基板部20の下面20bに対して垂直方向に真っ直ぐに形成されていてもよい。
【0063】
なお、
図15〜17に示す容器保持部材101、102、103は、筒状収容部401、402、403が、下側開口端421、422、423において、筒状収容部401、402、403の内周壁面401a、402a、403aから内側に向かって延設された鍔部を備えるように構成されてもよい。また、
図15〜17に示す容器保持部材101、102、103は、筒状収容部401、402、403が、貫通孔30の孔縁から、基板部20の一方の面20a及び他方の面20bに対して垂直方向の上方又は下方に突出し、かつ、その筒状収容部401、402、403の下側開口端421、422、423において、内周壁面401a、402a、403aから内側に向かって延設された鍔部を備えるように構成されてもよい。
【0064】
さらに、
図16に示すようなリブ部426を有する容器保持部材102は、
図18〜20に示すような各構成をとることも可能である。
図18は、
図16に示すような容器保持部材102の全体的な構成の一例を表す斜視図である。
図19は、
図18に示す領域R部分の拡大上面図である。
図20は、
図19のE−E線断面図である。なお、
図18〜20においても、
図3〜14に示す容器保持部材10における構成部と共通の構成部については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
図18及び
図19に示すように、容器保持部材102は、複数の筒状収容部402(貫通孔30)において、一の筒状収容部402の上部のリブ部426と、その一の筒状収容部402に隣接する他の筒状収容部402の上部のリブ部426とが連結した構成をとることが好ましい。このように、リブ部426が複数の筒状収容部402の上部において連続的に形成されていることで、筒状収容部402ごとに別個のリブ部426が設けられる場合に比べて、リブ部426が補強され、破損し難くなる。
【0066】
また、
図20に示すように、リブ部426を備える容器保持部材102は、筒状収容部402の内周壁面402aの一部に、筒状収容部402の内側に向かって凸設された凸状部442を備えることが好ましい。凸状部442は、筒状収容部402の内周壁面402aの高さ方向における一部に周方向に亘って設けられていることがより好ましく、内周壁面402aの高さ方向における一部が他の部分よりも厚肉に形成されていることで設けられていることがさらに好ましい。
図20では、内周壁面402aの高さ方向における基板部20に対応する位置が他の位置よりも厚肉に形成された凸状部442が周方向に亘って設けられている構成が例示されている。リブ部426を備える容器保持部材102が、筒状収容部402の内周壁面402aの一部に凸状部442を備えることで、医療用容器1をその高さ方向に対してさらに安定的に保持することが可能となる。
【0067】
図15〜20を参照しながら述べた構成例のように、前述の
図3〜14に示す容器保持部材10、及び
図15〜20に示す容器保持部材101、102、103における各構成は、任意に組み合わせて構成することも可能である。
【0068】
<医療用容器セット>
本発明の一実施形態の医療用容器セットは、容器保持部材と、容器保持部材における筒状収容部に収容されて保持された、複数個の有底筒状の医療用容器と、を備える。
【0069】
本実施形態の医療用容器セットに備えられる容器保持部材及び医療用容器としては、それぞれ、前述の容器保持部材10、101、102、103、及び医療用容器1、2を用いることができる。例えば、前述の
図14に示すように、本実施形態の一例の医療用容器セット11は、容器保持部材10と、容器保持部材10における筒状収容部40に収容されて保持された複数個の医療用容器1とを備えることができる。
【0070】
医療用容器セット11は、複数個の医療用容器1が収容された容器保持部材10を内部に設置可能に構成された箱型容器を備えていてもよい。この箱型容器の形態は特に限定されず、例えば、
図21に示すような箱型容器60を使用することができる。
【0071】
また、箱型容器を使用することにより、箱型容器とその箱型容器に収容された容器保持部材とを備えるパッケージ品を提供することも可能である。
図21に示すように、パッケージ品12は、医療用容器が収容されていない容器保持部材10が箱型容器60に収容された構成でもよく、好ましくは、複数個の医療用容器が保持された容器保持部材10が箱型容器60に収容されている構成(医療用容器セットの一態様)がよい。医療用容器セット11やパッケージ品12で使用可能な箱型容器60には、複数の容器保持部材10が収容されてもよい。容器保持部材10が収容された箱型容器60の上部開口61は、フィルム状又はシート状のシール部材で閉塞されていてもよい。
【0072】
箱型容器60は、その側面部に段差で形成された側方肩部62を有し、その側方肩部62に対応する内壁面に容器保持部材10を載置するための棚状部分が設けられていることが好ましい。この棚状部分は、箱型容器60の底面(内底面)の上方でその底面に対して垂直方向から容器保持部材10における基板部20の外周縁側を支持し、医療用容器の底部を箱型容器の底面から離間させるように設けられていることが好ましい。この際、容器保持部材10は、基板部20の上面20aが箱型容器60の上部開口61側に位置するように箱型容器60に収容される。また、容器保持部材10は、基板部20の上面20a(及び下面)が箱型容器60の底面に略平行となるように、箱型容器60に収容されることが好ましい。
【0073】
複数個の医療用容器を保持した容器保持部材が設置された箱型容器を、搬送や滅菌処理等に供してもよい。箱型容器60の内部には蒸気やガス等を充満させることが可能となるため、箱型容器60を用いることにより、滅菌処理をより効果的に行うことも可能となる。
【0074】
複数個の医療用容器1が保持された容器保持部材10(医療用容器セット11、パッケージ品12)は、好適には、薬液及び注射剤等の薬剤や、血液及び細胞等の生体試料等を製造又は調製等する現場に供給される。その現場において、容器保持部材10に収容された各医療用容器1内に、薬剤や生体試料等が充填される。その充填工程の後、各医療用容器1は、好適には、密封される工程(密封工程)に供される。密封工程では、例えば、医療用容器としてアンプルが用いられれば、アンプル充填溶閉機等により熔封され、医療用容器1がバイアルであれば、バイアルの開口(
図1の開口部1c参照)がゴム栓等で打栓される。また、容器保持部材10に保持された複数の医療用容器1は、前記充填工程の後、凍結乾燥処理の工程や、滅菌処理の工程に供されることがより好ましい。
【0075】
上記実施形態の容器保持部材10及び医療用容器セット11によれば、複数個の医療用容器1を、容器保持部材10における医療用容器1の収容単位ごとに、一括で搬送することができる。また、複数個の医療用容器1を容器保持部材10に保持させたまま、前述の充填工程、凍結乾燥処理の工程、及び滅菌処理の工程等を実行できる。そのため、製造ラインに、複数個の医療用容器1が保持された容器保持部材10を流すことで、複数個の医療用容器1を、容器保持部材10における医療用容器1の収容単位ごとに一括で、医療用容器1に充填された状態の薬剤及び生体試料等を製造又は調製することが可能となる。したがって、その製造又は調製を効率的に行うことが可能となる。
【0076】
以上詳述した本発明の一実施形態の容器保持部材は、次の構成をとることも可能である。
[1]有底筒状の医療用容器を複数個保持することが可能な容器保持部材であって、一方の面と他方の面を貫通する貫通孔を複数有する平板状の基板部と、前記基板部の前記一方の面側を上側開口端とし、前記他方の面側を下側開口端として、前記各貫通孔の孔縁から上方又は下方に突出した複数の筒状収容部と、を備え、前記筒状収容部は、前記医療用容器が前記筒状収容部に収容された際に前記医療用容器の外底面が前記下側開口端よりも下方に出る状態で前記医療用容器を保持可能に構成されている、容器保持部材。
[2]前記筒状収容部は、前記医療用容器の筒形状に対応した筒形状であり、かつ、前記下側開口端の開口形状が前記医療用容器の前記外底面の外形形状よりも大きく、前記医療用容器の外幅よりも小さい形状で形成されている前記[1]に記載の容器保持部材。
[3]前記筒状収容部は、前記下側開口端において、前記筒状収容部における内周壁面から前記筒状収容部の内側に向かって延設された鍔部を備える前記[1]又は[2]に記載の容器保持部材。
[4]前記医療用容器は、前記外底面と外周面との間が所定の曲率半径を有する角丸部で形成されたものであり、前記鍔部は、前記医療用容器が前記筒状収容部に収容された際に前記医療用容器の前記角丸部に当接するように設けられている前記[3]に記載の容器保持部材。
[5]前記鍔部は、前記筒状収容部の内側下方に傾斜して設けられている前記[3]又は[4]に記載の容器保持部材。
[6]前記筒状収容部は、前記筒状収容部の内部が前記上側開口端から前記下側開口端に向かって漸次窄まる形状で形成されている前記[1]〜[5]のいずれかに記載の容器保持部材。
[7]前記筒状収容部は、前記筒状収容部の内周壁面の一部に、前記筒状収容部の内側に向かって凸設された凸状部を備える前記[1]〜[6]のいずれかに記載の容器保持部材。
[8]前記筒状収容部は、前記筒状収容部の内周壁面と外周壁面とを貫通する孔部を備える前記[1]〜[7]のいずれかに記載の容器保持部材。
[9]前記複数の貫通孔及び前記複数の筒状収容部が、前記基板部に対して、千鳥配列又は格子配列されている前記[1]〜[8]のいずれかに記載の容器保持部材。
[10]前記複数の筒状収容部において、一の筒状収容部と、その一の筒状収容部に隣接する他の筒状収容部とが、それら筒状収容部の外周壁面で互いに連結されている前記[1]〜[9]のいずれかに記載の容器保持部材。
【0077】
また、本発明の一実施形態の容器保持部材は、次の医療用容器セットやパッケージ品に用いることが可能である。
[11]前記[1]〜[10]のいずれかに記載の容器保持部材と、前記容器保持部材における前記筒状収容部に収容されて保持された、複数個の有底筒状の医療用容器と、を備える医療用容器セット。
[12]前記複数個の医療用容器が保持された前記容器保持部材が箱型容器に収容されている前記[11]に記載の医療用容器セット。
[13]箱型容器と、その箱型容器に収容された前記[1]〜[10]のいずれかに記載の容器保持部材と、を備えるパッケージ品。
[14]前記容器保持部材における前記筒状収容部に、複数個の有底筒状の医療用容器が収容されている前記[13]に記載のパッケージ品。