特許第6475359号(P6475359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475359
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】太陽エネルギー車載エアコンシステム
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/32 20060101AFI20190218BHJP
   B60H 1/00 20060101ALI20190218BHJP
   B60R 16/04 20060101ALI20190218BHJP
   H02S 10/40 20140101ALI20190218BHJP
【FI】
   B60H1/32 623Z
   B60H1/00 103Z
   B60R16/04 U
   H02S10/40
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-545991(P2017-545991)
(86)(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公表番号】特表2017-537849(P2017-537849A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】CN2014093073
(87)【国際公開番号】WO2016082238
(87)【国際公開日】20160602
【審査請求日】2017年10月13日
(31)【優先権主張番号】201410692267.1
(32)【優先日】2014年11月25日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515191464
【氏名又は名称】上海盈達空調設備股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】郭 進財
【審査官】 町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/078109(WO,A1)
【文献】 特開2006−315461(JP,A)
【文献】 特開2006−007921(JP,A)
【文献】 特開2004−268797(JP,A)
【文献】 特開平11−170855(JP,A)
【文献】 特開2007−307957(JP,A)
【文献】 特開2013−256197(JP,A)
【文献】 特開2007−320352(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0078194(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0103562(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/32
B60H 1/00
B60R 16/04
H02S 10/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽エネルギー電池ユニット、自動車電源、交流電源、電源管理制御装置、蓄電池ユニット、制御器、及びエアコンシステムを含み、
前記電源管理制御装置は、
前記太陽エネルギー電池ユニットから前記蓄電池ユニットへの充電及び放電を管理する太陽エネルギー電源管理モジュールと、
前記自動車電源から前記蓄電池ユニットへの充電及び放電を管理する自動車発電電源管理モジュールと、
前記交流電源から前記蓄電池ユニットへの充電及び放電を管理する予備電力モジュールと、
システムの動作モードを設定し、前記太陽エネルギー電源管理モジュール、前記自動車発電電源管理モジュール及び前記予備電力モジュールが設定されたシステムの動作モードで動作することを制御するメインコントロールモジュールと、を含み、
前記制御器は、
モバイル端末から送信される制御命令を受付け、当該制御命令を制御モジュールに送信するワイヤレスモジュールと、
前記制御命令に基づいてエアコンシステムの電気設備の動作を制御する制御モジュールと、
エアコンシステムのブラシレス直流モーターの動作を制御するブラシレスモーター駆動モジュールと、
エアコンシステムの稼働状態を表示する表示モジュールと、を含み、
前記動作モードは、動作モードBを有し、
前記動作モードBにおいては、
自動車の駐車中にエアコンシステムの電気設備が動作する場合において、前記メインコントロールモジュールの制御により、前記自動車発電電源管理モジュールは、前記自動車電源からの給電を停止させ、
前記太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力がエアコンシステムの電気設備の使用に充分供給できる場合、前記太陽エネルギー電源管理モジュールは、前記太陽エネルギー電池ユニットによりエアコンシステムの電気設備に給電し、余分の電量がある場合には、前記太陽エネルギー電源管理モジュールは、前記蓄電池ユニットを充電し、
前記太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力が不足する場合、前記メインコントロールモジュールの制御により、前記蓄電池ユニットは、放電することによりエアコンシステムの電気設備へ電気エネルギーの供給し、前記太陽エネルギー電池ユニットは、前記太陽エネルギー電池ユニットの出力電圧が前記蓄電池ユニットの最低充電電圧より低くなるまで、継続的に前記蓄電池ユニットを充電し、
前記太陽エネルギー電池ユニット及び前記蓄電池ユニットとの電量もともに不足する場合、前記メインコントロールモジュールの制御により、前記交流電源から前記予備電力モジュールを経由してエアコンシステムへ給電し、エアコンシステムが稼働する状態で前記蓄電池への充電を保証することを特徴とする、太陽エネルギー車載エアコンシステム。
【請求項2】
前記動作モードは、動作モードAをさらに有し、
前記動作モードAにおいては、
自動車の走行中にエアコンシステムの電気設備が動作する場合において、前記メインコントロールモジュールは、前記太陽エネルギー電池ユニットおよび前記自動車電源との二つの電源の電力を測定し、
前記太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力がエアコンシステムの電気設備の使用に充分供給できる場合、前記自動車発電電源管理モジュールは前記自動車電源からの給電を停止させ、前記太陽エネルギー電源管理モジュールは太陽エネルギーを利用してエアコンシステムの電気設備を駆動させ、余分の電量がある場合には、前記太陽エネルギー電源管理モジュールは蓄電池ユニットを充電し、
前記太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力が不足する場合、前記メインコントロールモジュールの制御により、前記太陽エネルギー電源管理モジュールは前記太陽エネルギー電池ユニットからエアコンシステムの電気設備への給電を停止させ、前記自動車発電電源管理モジュールは前記自動車電源によりエアコンシステムの電気設備に給電し、前記太陽エネルギー電池ユニットは、前記太陽エネルギー電池ユニットの出力電圧が前記蓄電池ユニットの最低充電電圧より低くなるまで、継続的に前記蓄電池ユニットを充電することを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー車載エアコンシステム。
【請求項3】
エアコンシステムの送風口の風量は、温度に基づいて自動調節され、風量の変化により前記温度を管理し、
エアコンシステムが稼働する場合、前記制御器は、測定した車内温度とユーザにより設定された必要温度と比較して得られた温度差に基づいて、温度差の大きさによりエアコンシステムの送風量の大きさを制御し、
車内温度が設定された必要温度より高い場合、送風口の開口率は大きくなり、風速を増加し、車内温度が設定された必要温度に達する場合、送風口の開口率を小さくなるように調整して風速を低減させることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー車載エアコンシステム。
【請求項4】
前記自動車電源から給電しない場合において、ワイヤレスモジュールはモバイル設備のAPPからの遠隔操作によるエアコン起動命令を受けつけ、前記制御モジュールは遠隔操作によるエアコン起動命令に基づいてエアコンシステムの起動を制御し、前記交流電源または前記蓄電池ユニットからエアコンシステムへ給電することを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー車載エアコンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコン制御技術に関し、具体的には、太陽エネルギー車載エアコンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車載エアコンシステムは、自動車の重要な構成部分の一つであるとともに、自動車においてエネルギーを消費する主な部分の一つでもある。従来の車載エアコンシステムでは、自動車の燃料を消費することによりエアコンシステムへ電力及び動力を供給しており、その基本原理は図1に示されるとおりである。
【0003】
自動車エンジンの稼働中に、動力伝送装置(ベルト、ギヤなど)により発電機及びコンプレッサーを動作させる。発電機の始動後に生成される電気エネルギーは、自動車の蓄電池ユニットを介した後、電気設備に伝送される。また、コンプレッサーが始動すると、その内部配管を流れる冷媒は、充分に圧縮処理されてから再度配管を通して循環を行う。端末の蒸発器送風機は、エアをエアコンのエア配管内に送り、最終的には自動車の各送風口まで送達する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の方式では、エンジンを稼働させて大量の燃料を消費することによりエアコンシステムへ動力を供給するため、以下のような欠点を有する。
【0005】
1、燃料の燃焼中には環境に対して有害なガスが大量に生成されるおそれがあり、より環境を汚染させる。
【0006】
2、燃料自体は再生不可能な資源であって、使えば使うほど少なくなる。
【0007】
3、エアコンシステムとエンジンとは条件関係を有し、必ず先にエンジンを始動させてから、エアコンを起動させる。エンジンが稼働しないと、エアコンを起動することができない。このため、一時駐車中に通常のようにエアコンを使用したいならば、自動車のエンジンを停止させることができない。
【0008】
4、直接的に交流電源に外接して自動車のエアコンに給電することができない。
【0009】
5、エアコンシステムを遠隔操作で起動することができない(エンジンを遠隔操作で起動できる場合を除く。)。
【0010】
6、エアコンシステムの送風口の大きさをマニュアルで調節しなければならず、自動調節することができない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記従来の技術における欠点に鑑みてなされたものであり、太陽エネルギー車載エアコンシステムを提供することを目的とする。
【0012】
本発明に係る太陽エネルギー車載エアコンシステムは、太陽エネルギー電池ユニット、自動車電源、交流電源、電源管理制御装置、蓄電池ユニット、制御器、及びエアコンシステムを含む。エアコンシステムは、ブラシレス直流モーター、コンプレッサー、コンデンサー、蒸発器などを含む。
【0013】
電源管理制御装置は、太陽エネルギー電源管理モジュール、自動車発電電源管理モジュール、予備電力モジュール、及びメインコントロールモジュールを含む。
【0014】
太陽エネルギー電源管理モジュールは、太陽エネルギー電池ユニットから蓄電池ユニットへの充電及び放電を管理する。
【0015】
自動車発電電源管理モジュールは、自動車電源から蓄電池ユニットへの充電及び放電を管理する。
【0016】
予備電力モジュールは、交流電源から蓄電池ユニットへの充電及び放電を管理する。
【0017】
メインコントロールモジュールは、システムの動作モードを設定し、太陽エネルギー電源管理モジュール、自動車発電電源管理モジュール及び予備電力モジュールが設定されたシステムの動作モードで動作することを制御する。
【0018】
制御器は、ワイヤレスモジュール、制御モジュール、ブラシレスモーター駆動モジュール、及び表示モジュールを含む。
【0019】
ワイヤレスモジュールは、モバイル端末から送信される制御命令を受付け、当該制御命令を制御モジュールに送信する。
【0020】
制御モジュールは、制御命令に基づいてエアコンシステムの電気設備の動作を制御する。
【0021】
ブラシレスモーター駆動モジュールは、エアコンシステムのブラシレス直流モーターの動作を制御する。
【0022】
表示モジュールは、エアコンシステムの稼働状態を表示する。
【0023】
好ましくは、次のような動作モードAを有する。自動車の走行中にエアコンシステムの電気設備が動作する場合において、メインコントロールモジュールは、太陽エネルギー電池ユニットと自動車電源との二つの電源の電力を測定する。
【0024】
太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力がエアコンシステムの電気設備の使用に充分供給できる場合、自動車発電電源管理モジュールは自動車電源からの給電を停止させ、太陽エネルギー電源管理モジュールは太陽エネルギーを利用してエアコンシステムの電気設備を駆動させる。余分の電量がある場合には、太陽エネルギー電源管理モジュールは、蓄電池ユニットを充電する。
【0025】
太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力が不足する場合、メインコントロールモジュールの制御により、太陽エネルギー電源管理モジュールは太陽エネルギー電池ユニットからエアコンシステムの電気設備への給電を停止させ、自動車発電電源管理モジュールは自動車電源によりエアコンシステムの電気設備に給電する。また、太陽エネルギー電池ユニットは、太陽エネルギー電池ユニットの出力電圧が蓄電池ユニットの最低充電電圧より低くなるまで、継続的に蓄電池ユニットを充電する。
【0026】
好ましくは、次のような動作モードBを有する。自動車の駐車中にエアコンシステムの電気設備が動作する場合において、メインコントロールモジュールの制御により、自動車発電電源管理モジュールは、自動車電源からの給電を停止させる。
【0027】
太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力がエアコンシステムの電気設備の使用に充分供給できる場合、太陽エネルギー電源管理モジュールは、太陽エネルギー電池ユニットによりエアコンシステムの電気設備へ給電する。余分の電量がある場合には、太陽エネルギー電源管理モジュールは、蓄電池ユニットを充電する。
【0028】
太陽エネルギー電池ユニットにより生成される電力が不足する場合、メインコントロールモジュールの制御により、蓄電池ユニットは、放電することによりエアコンシステムの電気設備へ電気エネルギーを供給する。また、太陽エネルギー電池ユニットは、太陽エネルギー電池ユニットの出力電圧が蓄電池ユニットの最低充電電圧より低くなるまで、継続的に蓄電池ユニットを充電する。
【0029】
太陽エネルギー電池ユニットと蓄電池ユニットとの電量がともに不足する場合、メインコントロールモジュールの制御により、交流電源から予備電力モジュールを経由してエアコンシステムへ給電し、エアコンシステムが稼働する状態で蓄電池への充電を保証する。
【0030】
好ましくは、エアコンシステムの送風口の風量は、温度に基づいて自動調節され、風量の変化により温度を制御する。具体的には、以下のとおりである。
【0031】
エアコンシステムが稼働する場合、制御器は、測定した車内温度とユーザにより設定された必要温度とを比較して得られた温度差に基づいて、温度差の大きさによりエアコンシステムの送風量の大きさを制御する。
【0032】
車内温度が設定された必要温度より高い場合、送風口の開口率は大きくなり、風速が増加する。車内温度が設定された必要温度に達する場合、送風口の開口率を小さくなるように調整し、風速を低減させる。
【0033】
好ましくは、自動車電源から給電しない場合において、ワイヤレスモジュールはモバイル設備のAPPからの遠隔操作によるエアコン起動命令を受付け、制御モジュールは遠隔操作によるエアコン起動命令に基づいてエアコンシステムの起動を制御し、交流電源または蓄電池ユニットからエアコンシステムへ給電する。
【0034】
好ましくは、エアコンシステムを起動する場合、制御器の制御モジュールはシステムの動作モードに基づいて、ブラシレスモーター駆動モジュールに制御に係る起動命令及び回転速度命令を送信し、ブラシレスモーター駆動モジュールは命令を受付けてからブラシレスモーターを起動させてコンプレッサーを運転させる。また、受付けた回転速度命令によりコンプレッサーが必要とされる回転速度で運転できるように調整する。同時に、制御モジュールは制御命令をエアコンシステムの蒸発器及びコンデンサーに送信し、両者は制御命令を受つけた後、要求に基づいて運転する。制御モジュールは、測定した車内温度を設定された温度と比較運算し、各送風口の大きさ及び風速を制御する。同時に、温度情報及びシステム状態データを表示モジュールに送信する。制御モジュールは、モバイル端末からの命令を受つけた後、要求に基づいて制御する。
【発明の効果】
【0035】
従来の技術と比較すれば、本発明に係る太陽エネルギー車載エアコンシステムは、以下のような効果を奏する。
【0036】
1、本発明に係る太陽エネルギー車載エアコンシステムによれば、従来の車載エアコンシステムに太陽エネルギー資源を融合しているため、有害ガスの排出及びエネルギーの消費を効果的に低減できる。
【0037】
2、本発明に係る太陽エネルギー車載エアコンシステムによれば、電源管理制御装置により太陽エネルギー資源、自動車電源及び交流電源を総合的に管理し、合理的にエアコシステムに配分しているため、システムが常に最も省エネで最も便利なモードで稼働することを確保する。
【0038】
3、本発明に係る太陽エネルギー車載エアコンシステムによれば、温度差を利用して各送風口の風量を自動調節しているため、車内温度の安定を保証し、システムの快適性を向上させる。
【0039】
4、本発明に係る太陽エネルギー車載エアコンシステムによれば、ワイヤレス技術を利用して、モバイル設備によりエアコンシステムの起動及び停止を遠隔操作することができ、エンジンを稼働させる必要がない。このため、夏場と冬場には、乗車前に予めエアコンを起動させることができ、車内を予め温めたり冷やしたりすることができ、システムの快適性を増加する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
以下に添付した図面を参照しながら限定性のない実施例に対する詳細な説明を通して、本発明のその他の特徴、目的及び長所はより明らかになる。
図1図1は従来技術の技術手段を説明するための図である。
図2図2は本発明の構造を示す図である。
図3図3は電源制御管理装置のインターフェースを示す図である。
図4図4は太陽エネルギー車載エアコンシステムの外観を示す図であり、車体全体の平面と側面との対応関係を示している。
図5図5は電源管理制御装置の構造を示す図である。
図6図6は制御器の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、具体的な実施例を示しながら、本発明について詳細に説明する。以下の実施例は、本分野の技術者が本発明をより理解しやすくするためのものだけであって、本発明の実施形態を限定するものではない。本分野の通常の技術者であれば、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内において、一部の変更及び改善を行うことができるが、これらは全て本発明の保護範囲に属する。
【0042】
太陽エネルギー資源は、無限に尽きることのないエネルギー源であり、水資源を除き、最もエネルギー危機を解決可能な自然資源のひとつである。特に夏場においては、太陽エネルギー資源がより豊富である。これに鑑みて、本発明では、新型の太陽エネルギー車載エアコンシステムを提供する。当該エアコンシステムでは、従来の車載エアコンシステムに太陽エネルギー資源及び交流電源を融合することにより有害ガスの排出及びエネルギーの消費を効果的に低減するとともに、システムに風量を制御する原理及び遠隔操作による起動及び停止技術を追加応用することによりシステムの快適性と利便性を増加している。
【0043】
図2は、新型の太陽エネルギー車載エアコンシステムの原理を説明するための図である。エアコンシステムのコンプレッサーは、ブラシレス直流モーターにより駆動され、電源管理装置は、システムへのマルチ給電を一括管理する。電源管理装置は、太陽エネルギーを利用して発電する端末における電量が充分であると検出する場合には、自動車エンジン側からの給電を自動的に停止する。一方、電源管理装置は、太陽エネルギーによる電力供給が不足であると検出する場合には、自動車システムからの給電に再び切替する。駐車状態においては、さらに交流電源に直接接続して給電および充電を行うことができる。
【0044】
具体的には、車両の頂部に太陽エネルギー電池ユニット(図3を参照)を敷設し、電池ユニットを並列に接続してから電源管理制御装置に接続させる。電源管理制御装置は、太陽エネルギーから蓄電池への充電を管理する(蓄電池に対する浮動充電、過充電などを防止)。同時に、自動車発電システムからの電力も電源管理制御装置に接続され、電源管理制御装置により一括管理された後に直流モーター(コンプレッサー駆動用)およびエアコンシステムの蒸発器、コンデンサー及び制御器に輸送される。
【0045】
ここで、蓄電池ユニット、電源管理制御装置、直流モーター、コンプレッサー、蒸発器、コンデンサーは、図4に示すように、いずれも車載エアコンシステムの室外機の中に集積される。制御器は、自動車の内部(中央コントロールシステムの任意の位置に固定するかぶら下げることができる)に位置し、車内の実際の温度及びシステムの各部分の稼働状態を表示できる。ユーザは、制御器を通してパラメータの設定及びマニュアル操作を行うことができる。同時に、制御器の内部にはワイヤレスインターネット(3G、4G、wifi)が組み込まれ、ユーザはモバイル設備により遠隔操作でエアコンシステムを起動及び停止できる。温度センサーは、エアコンシステムの回収風口に位置し、車内のリアタイムの温度を測定する。
【0046】
より具体的には、電源管理制御装置は、システム全体の電源管理を行い、図6のブロック図に示すように、主には太陽エネルギー電源管理モジュール、自動車電源管理モジュール及び交流管理モジュールを管理する。ここで、エアコンシステムの電気設備は、ブラシレス直流モーター、コンデンサー、蒸発器、コンプレッサーなどを含む。
【0047】
太陽エネルギー管理モジュールは、太陽エネルギーから蓄電池への充電及び放電を管理し、過充電、過放電、過負荷、過高温、過電流の防止などの保護機能を備えている。自動車発電電源管理モジュールは、自動車電源から蓄電池への充電及び放電を管理し、同様に、過充電、過放電、過負荷、過高温、過電流等の保護機能を備えている。予備電力モジュールは、交流電源から蓄電池への充電及び放電を管理し、同様に、過充電、過放電、過負荷、過高温、過電流等の保護機能を備えている。
【0048】
自動車の走行中にエアコンシステムが稼働する場合において、メインコントロールモジュールは、二つの電源(太陽エネルギー電池ユニット及び自動車電源)の電力を測定し、太陽エネルギー電池ユニットの電力により端末の電気設備の使用に充分供給できる場合には、自動車電源からの給電を停止し、太陽エネルギー電源管理モジュールにより太陽エネルギーを利用して車載エアコンシステムを駆動させる。また、余分の電量がある場合には、太陽エネルギー電源管理モジュールにより蓄電池ユニットに対して充電する。一方、太陽エネルギーによる電力が不足する場合には、メインコントロールモジュールは、太陽エネルギー電池ユニットからシステムへの給電を停止し、自動車発電電源により管理された後の自動車電源に切替えてシステムに給電する。この場合、太陽エネルギー電池ユニットは、太陽エネルギーが最低充電電圧より低くなるまで、継続的に蓄電池を充電する。
【0049】
自動車の駐車中(自動車のエンジンが停止し、発電機が動作しない)において、メインコントロールモジュールは、直接的にシステム電源を太陽エネルギー電池ユニットによる給電に切替え、太陽エネルギー電池ユニットの電力により電気設備の使用に充分供給できる場合には、太陽エネルギー電源管理モジュールにより太陽エネルギーを利用して車載エアコンシステムを駆動させる。また、余分の電量がある場合には、太陽エネルギー電源管理モジュールにより蓄電池ユニットに対して充電する。一方、太陽エネルギーによる電力が不足する場合には、システムは、直接的に蓄電池ユニットの放電により動作する。この場合、太陽エネルギー電池ユニットは、太陽エネルギーが最低充電電圧より低くなるまで、継続的に蓄電池を充電する。さらに、蓄電池の電量が不足する場合には、交流電源に直接接続することができ、予備電力モジュールにより管理され後、エアコンシステムの使用に供給する。
【0050】
電源管理制御装置は、太陽エネルギー電池電源、自動車電源及び交流電源を総合的に管理して、合理的にエアコンシステムに配分し、システムが常に最も省エネで最も便利のモードで稼働することを確保する。
【0051】
自動車の駐車中に、予めエアコンを起動したい場合には、モバイル設備のAPPソフトウェアを利用して、ワイヤレスインターネットを通して自動車制御装置に命令を送信する。自動車の制御器は、制御命令を受つけた後にエアコンを起動し、車内を予め温めたり冷やしたりする。
【0052】
エアコンシステムの稼働中において、システムは、測定した車内の温度情報と設定値とを比較し、温度差が大きい場合には、送風口の開口率及び風速を増加し、車内温度を一番短い時間で必要な温度まで下降させる。一方、温度差が小さい場合には、送風口の開口率及び風速を低減し、車内温度の安定及び快適を保証する。
【0053】
以上、本発明の具体的な実施例を説明したが、本発明は、上述した特定の実施形態に限らず、本分野の技術者は、特許請求の範囲内において各種の変形または修正を行うことができるが、本発明の実質内容に影響しないことを理解できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6