【課題を解決するための手段】
【0018】
我々は驚くべきことに、本発明により、先行文献に記載の方法により示された欠点を克服することを可能にする触媒的ニトロアルドール反応による置換アミノテトラヒドロピラン類DPP−4阻害剤、とりわけ、オマリグリプチンの製造における鍵中間体であるテトラヒドロピラン誘導体を合成するための改良法を見出した。
【0019】
従って本発明の対象は、式
【化8】
〔式中、Arは場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、場合によりハロゲンで置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンで置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;そしてPは一級アミン保護基である〕
の化合物の製造方法であって、
a.式
【化9】
〔式中、R
1およびR
2は、それぞれ独立して、水素および(C1−C4)−アルキルであるかまたは一体となって(C3−C7)−シクロアルキル基である〕
の化合物と式
【化10】
〔式中、Arは上で定義される〕
の化合物を塩基種または触媒存在下で反応させ、式
【化11】
〔式中、Ar、R
1およびR
2は上で定義される〕
の化合物を得て;
b)式IVの化合物を式Iの化合物へ変換すること
を含む、方法である。
【0020】
本発明のある実施態様において、Rはそれぞれ、独立して、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択され;好ましくは、Arは2,5−ジフルオロフェニルまたは2,4,5−トリフルオロフェニルである。
【0021】
本発明の好ましい実施態様において、Arは2,5−ジフルオロフェニルである。
【0022】
本発明のある実施態様において、R
1およびR
2はそれぞれ、独立して、メチルおよび一体となるときはシクロへキシルから選択される。
【0023】
本発明の好ましい実施態様において、R
1およびR
2は、一体となるときはシクロへキシルである。
【0024】
アミン基の保護は既知の技術により行われ;Pはt−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、アセチル、9−フルオレニルメチル−オキシカルボニル(FMOC)、ホルミル、フタロイル、ベンゾイルおよびピバロイルのような一級アミン保護基である。
【0025】
本発明の好ましいに実施態様おいて;PはBoc、Cbzおよびアセチルから選択され、アセチル基が選りすぐりの選択肢である。
【0026】
本発明において、「ハロゲン」はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
【0027】
式IIおよびIIIの化合物は、市販の基質から、一般的な合成技術により製造できる。
【0028】
文献には、式IIの化合物をラセミおよび光学活性な形態の両方で得るための、可能性のあるいくつかの合成アプローチが記載されている。
【0029】
式IIのキラル化合物の使用によりテトラヒドロピラン環の、そして次に活性な医薬異性体のC5の立体配置の固定が可能となることは当業者に明らかである。
【0030】
従って、R
1およびR
2が上で定義される式IIの化合物は、本明細書で次に記載するスキームに従って、3工程を含む方法により製造され得る。
【化12】
工程(i):ニトロアルドール付加体を得るための、塩基、例えばフッ化物イオン源存在下でのアルデヒド基質とニトロメタンのニトロアルドール反応;
工程(ii):ニトロアルケンを得るための脱離(脱水);
工程(iii):式IIのニトロアルカンを得るための、共役二重結合の還元。
【0031】
このように、本発明のある実施態様において、工程(i)において、エタノール中、アルデヒドをニトロアルドールで反応させる。0℃で、10% NaOH水溶液を滴下添加する。約0.5時間後、反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌する。得られた混合物を、酢酸の添加によりクエンチし、ジエチルエーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、粗製のニトロアルドール生成物を得て、これをシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋な生成物を約75%の収率で得る。工程(ii)において、DCM中、0℃でニトロアルドール生成物をトリエチルアミン、続いてメタンスルホニルクロリドで処理する。20℃で2時間後、反応混合物を飽和Na
2CO
3水溶液でクエンチする。有機相を分離し、水相をDCMで2回抽出する。合わせた有機相を飽和NaClで洗浄し、乾燥させ、濃縮して脱水ニトロアルケン生成物を定量的収率で得る。最終工程(iii)において、ニトロアルケンは、DCM中、還流温度でN,N’−ジフェニルチオウレアおよびHantzschエステルを用いて順次処理することにより還元される。24時間後、反応混合物を冷却し、真空下で濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して最終生成物である式IIのニトロアルカンを約80%の収率で得る。
【0032】
本発明の好ましい実施態様において、式IIの前記ニトロアルカンは3S異性体、すなわち(S)−2−(2−ニトロエチル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカンまたは(S)−2,2−ジメチル−4−(2−ニトロエチル)−1,3−ジオキソランとして得られる。
【0033】
式IVの化合物を得るための式IIの化合物と式IIIの化合物の反応は、一般的に、適切な式IIのニトロアルカンから生じる求核剤および適切なカルボニル化合物IIIから成る求電子剤とのニトロアルドール反応またはHenry反応であると判別され得る。本反応の生成物は、式IVのニトロアルドール化合物である。
【0034】
Henry反応は、新しいC−C結合を形成するニトロネートアニオンとアルデヒドおよびケトンのカルボニル基との反応に関し;ニトロアルドール生成物(β−ヒドロキシニトロ化合物)はこのようにして得られる。
【0035】
式IVの化合物を得るための式IIの化合物と式IIIの化合物の反応は、一般的に、塩基種および/または有機金属触媒または、その代替として、二官能性有機触媒の存在下で実施される。
【0036】
一般的に、本発明の対象である反応は、有機溶媒中で実施される。
【0037】
式IIの化合物と式IIIの化合物のカップリング反応に適切な溶媒は、メタノールおよびエタノールなどのアルコール類のような極性溶媒もしくはトルエンなどの炭化水素のような非極性溶媒、またはエーテル類、特にジエトキシエタン、2,2−ジメトキシプロパン、1,2−ジメトキシエタン、THFおよびジオキサンのような極性非プロトン性溶媒であり、後者が好ましい。
【0038】
本発明の対象である反応は、一般的に、−20℃〜20℃の間、好ましくは、0℃〜20℃の範囲の温度で実施される。
【0039】
本発明の対象である反応は、一般的に、アルデヒド基質と比較して1〜10の間のモル比で式IIのニトロアルカンを使用して実施され;好ましくは、式IIの化合物は基質に対して過剰に、より好ましくは4〜6の間、およびさらに好ましくは5のモル比で使用される。
【0040】
反応はニトロアルカンを活性化するために適切な塩基の存在下で実施される。本発明の対象である反応に適切な塩基は、ヒドロキシルイオン源の強塩基(アルカリ性水酸化物、例えばNaOH)、アルコキシドイオン源の強塩基(アルカリ性アルコキシド、例えばナトリウムアルコキシド)のようなイオン性塩基、炭酸塩(例えば炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウム)、またはトリエチルアミン(TEA)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)のような三級アミンの非求核性強塩基である。
【0041】
好ましくは、該塩基は基質と比較して0.1〜1の間のモル比で使用される。より好ましくは、該塩基は0.1のモル比で使用される。
【0042】
本発明の代替的な好ましい態様において、式Iの化合物を得るための式IIの化合物と式IIIの化合物の反応は、触媒存在下で実施される。
【0043】
本発明の対象である触媒は有機金属触媒であり、その中で好ましいのはCu(II)またはCu(I)と、立体的に嵩高いキナ・アルカロイドに由来するリガンドならびに光学活性なジアミン、例えばキラル1,2−ジアミノシクロヘキサンの既知誘導体由来のリガンドまたは1,2−ジフェニルエチレンジアミン、2,2’−ビナフチルジアミンおよびアミノピリジンリガンドのような他のキラルジアミンの誘導体のようなキラルリガンド(C2−対称またはC1−対称)との有機金属錯体である。
【0044】
本発明のリガンドは以下から選択される:
2,4−ジ−tert−ブチル−6−((E)−((R)−(6−メトキシキノリン−4−イル)((2R,4S,8R)−8−ビニルキヌクリジン−2−イル)メチルイミノ)メチル)フェノール(代替的に、2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−[(E)−[[(9R)−6’−メトキシシンコナン−9−イル]イミノ]メチル]−フェノールと称される)(リガンドG);
2,4−ジ−tert−ブチル−6−(((R)−(6−メトキシキノリン−4−イル)((2R,4S,8R)−8−ビニルキヌクリジン−2−イル)メチルアミノ)メチル)フェノール;
6,6’−(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(アザネジル)ビス(メチレン)ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール);
6,6’−(1E,1’E)−(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジイルビス(アザン−1−イル−1−イリデン)ビス(メタン−1−イル−1−イリデン)ビス(2−tert−ブチルフェノール);
(1R,2R,N1E,N2E)−N1,N2−ビス(ピリジン−2−イルメチレン)シクロヘキサン−1,2−ジアミン;
(1R,2R)−N1,N2−ビス(ピリジン−2−イルメチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン;
(1R,2R,N1E,N2E)−1,2−ジフェニル−N1,N2−ビス(ピリジン−2−イルメチレン)エタン−1,2−ジアミン;
(1R,2R)−1,2−ジフェニル−N1,N2−ビス(ピリジン−2−イルメチル)エタン−1,2−ジアミン。
【0045】
好ましくは、本発明のリガンドは、以下から選択される:
(1R,2R)−N1,N2−ビス(4−ピリジニルメチル)−1,2−シクロヘキサンジアミン(リガンドA);
2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[[[(1R,2R)−2−[(4−ピリジニルメチル)アミノ]シクロへキシル]アミノ]メチル]−フェノール(リガンドB);
2,2’−[(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス(イミノメチレン)]ビス[6−(1,1−ジメチルエチル)−フェノール(リガンドC);
2−(1,1−ジメチルエチル)−6−[[[(1S,2S)−2−[(4−ピリジニルメチル)アミノ]シクロへキシル]アミノ]メチル]−フェノール(リガンドD);および
2,4−ジ−tert−ブチル−6−((E)−((R)−(6−メトキシキノリン−4−イル)((2R,4S,8R)−8−ビニルキヌクリジン−2−イル)メチルイミノ)メチル)フェノール(リガンドG)。
【0046】
より好ましくは、キラルリガンドはそれぞれ、D−(+)−カンファー(天然)またはL−(−)−カンファー(非天然)に由来するカンファー由来C
1−対称キラルアミノピリジンリガンドおよび2−ピリジンメタンアミン(ピコリルアミン)、N−[(1R,2R,4R)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−2−ピリジンメタンアミン(リガンドE)ならびにN−[(1S,2S,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−2−ピリジンメタンアミン(リガンドF)である。
【0047】
さらにより好ましくは、キラルリガンドは、非天然L−(−)−カンファー((1S,4S)−(−)−カンファーとも称される)に由来するC
1−対称キラルアミノピリジンリガンドおよび還元的アミノ化反応から得られる2−ピリジンメタンアミンである。
【0048】
非天然カンファーに由来する所望のキラルリガンドFを合成するための2工程法は、Org. Biomol. Chem. 2004, 2, 1887-1893およびChem. Eur. J. 2008, 14, 4725-4730に記載される、天然のカンファーに由来するそのエナンチオマーの文献での合成と同一である。
【化13】
【0049】
つまり、2工程法に従って:還流トルエン中BF
3・Et
2Oの存在下、(1S,4S)−(−)−カンファー)を2−ピリジンメタンアミンと反応させて対応するイミノピリジンを形成させ;その後−30℃でイミンC=N二重結合をNaBH
4/NiCl
2のメタノール溶液で処理して還元し、リガンドFに相当する(1S,2S,4S)−アミノピリジンを主生成物として得る。少量の(1S,2R,4S)−アミノピリジンジアステレオ異性体は、クロマトグラフィーにより分離される。
【0050】
代替的に、本発明の好ましい実施態様において、キラルリガンドは、2,4−ジ−tert−ブチル−6−((E)−((R)−(6−メトキシキノリン−4−イル)((2R,4S,8R)−8−ビニルキヌクリジン−2−イル)メチルイミノ)メチル)フェノール(リガンドG)のような、キナ・アルカロイドに由来する立体的に嵩高いリガンドである。
【0051】
上の所望のキラルリガンドの合成法は、Tetrahedron (2012), 68, 9119-9124に記載される、そのエナンチオマーの文献での合成と同一である。
【化14】
【0052】
つまり、文献の方法に従って:(8R,9R)−9−アミノ−(9−デオキシ)−エピキニジンおよび3,5−ジ−tert−ブチルサリチルアルデヒドの無水エタノール(20mL)溶液を加熱還流した。
【0053】
その後、乾燥MgSO4を溶液に添加し;5〜8時間後、混合物をゆっくりと室温まで冷却し、ろ過した。溶媒を減圧下で蒸発させた。
【0054】
粗生成物をシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Schiff塩基リガンドGを黄色固体として得た。
【0055】
本発明のニトロアルドール反応における触媒の使用は、前記の反応を、2つの新しく構築されるキラル中心(C1,C2)、特に、連続的R,S(C1,C2)立体化学的配置の望む立体的anti配置を有する式IVの生成物へ導くことができるため、変換/収率および、主に、立体選択性の点で極めて有効であることが示された。
【0056】
ジアステレオ異性体混合物の富化は、医薬有効成分の製造において有用な光学異性体を分離する工程の単純化を促進することは、当業者に明らかである。
【0057】
本発明のある実施態様において、式IVの化合物を得るための式IIの化合物と式IIIの化合物の反応は、例えば酢酸銅Cu(OAc)
2または銅ビス(トリフルオロメタンスルホネート)Cu(OTf)
2とキナ・アルカロイドに由来する立体的に嵩高いリガンドおよび光学活性なジアミン、例えばキラル1,2−ジアミノシクロヘキサン誘導体または1,2−ジフェニルエチレンジアミン、2,2’−ビナフチルジアミンおよび好ましくはアミノピリジンリガンドのような他のキラルジアミンのようなキラルリガンドと混合することで、インサイチュで生じるCu(II)の有機金属キラル錯体の存在下で実施される。
【0058】
より好ましくは、キラルリガンドはL−(−)−カンファー由来アミノピリジンリガンド:N−[(1S,2S,4S)−1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル]−2−ピリジンメタンアミン(リガンドF)である。
【0059】
さらに好ましくは、キラルリガンドは、2,4−ジ−tert−ブチル−6−((E)−((R)−(6−メトキシキノリン−4−イル)((2R,4S,8R)−8−ビニルキヌクリジン−2−イル)メチルイミノ)メチル)フェノール(リガンドG)である。
【0060】
好ましくは、触媒は基質に対して1〜10mol%の間、より好ましくは5mol%の量で使用される。
【0061】
本発明の好ましい態様において、触媒はCu(II)塩、例えばCu(OTf)
2およびL−(−)−カンファー由来アミノピリジンリガンド(リガンドF)を0〜4℃で、ジオキサン中で混合することにより、インサイチュで形成される。
【0062】
適切な非求核性三級アミン塩基、例えばTEAの添加後、式IIのニトロアルカンのジオキサン溶液を種々の過剰量(例えば5moleq.)で添加し、続いて2,5−ジフルオロベンズアルデヒドを滴下添加する。得られた混合物を室温まで昇温させ、48時間撹拌する。
【0063】
混合物を濃縮し、EtOAcで希釈し、水で洗浄する。得られた有機相を真空下で濃縮乾固して粗生成物を得て、これを短シリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、主生成物が2つの新たに形成されたキラル中心(C1,C2)で、anti−(1R,2S)−配置を有する所望の異性体であるジアステレオ異性体の混合物として、一般式IVのニトロアルドール生成物を収率55〜75%で得る。
【0064】
本発明の代替的な好ましい態様において、触媒はCu(II)塩、例えばCu(OTf)
2およびキナ・アルカロイド由来リガンドGをTHF中で混合することにより、インサイチュで形成される。
【0065】
式IIのニトロアルカンのTHF溶液を種々の過剰量(例えば5moleq.)で添加し、続いて2,5−ジフルオロベンズアルデヒドを滴下添加する。
【0066】
適切な非求核性三級アミン塩基、例えばTEAを約−20℃で添加後、得られた混合物を24時間撹拌する。
【0067】
混合物をクエンチし、その後EtOAcで希釈し、そして水で洗浄する。得られた有機相を真空下で濃縮乾固し、粗生成物を短シリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、主生成物が2つの新たに形成されたキラル中心(C1,C2)でanti−(1R,2S)−配置を有する異性体である、ジアステレオ異性体の混合物として、一般式IVのニトロアルドール生成物を収率55〜75%で得る。
【0068】
従って、本発明のさらなる対象は、式
【化15】
〔式中、Ar、R
1およびR
2は上で定義される〕
の化合物の製造方法であって、
a.式
【化16】
〔式中、R
1およびR
2は上で定義される〕
と式
【化17】
〔式中、Arは上で定義される〕
を塩基種または触媒の存在下で反応させること
を含む、方法である。
【0069】
式IVのニトロアルドール生成物は、ニトロ基の化学選択的還元により対応する式Vのアミノアルコールに変換される。
【化18】
【0070】
好ましくは、脂肪族ニトロ基のアミンへの化学選択的還元は、接触水素化または代替として無水溶媒(例えばジクロロメタンまたはアセトニトリル)中0℃で、三級アミン(例えばDIPEAまたはTEA、5eq.)の存在下、過剰のトリクロロシラン(HSiCl
3、3.5eq.)で処理するような、非金属プロトコールにより達成される。
【0071】
より好ましくは、本発明によるニトロ基のアミンへの還元は、接触水素化ニトロアルドール生成物を水素分子で、好ましくは24〜25atmで、適切な触媒(例えばPd/C)存在下、プロトン性溶媒(例えばMeOH)中で、室温付近、好ましくは18〜20℃で18〜24時間処理する接触水素化工程から構成され得る。
【0072】
本発明の好ましい態様において、ニトロアルドール反応により得られたジアステレオ異性体混合物はニトロ官能基が還元され、本発明の式Vのアミノアルコール異性体の分離は、クロマトグラフィー、分別結晶、蒸留およびジアステレオ異性体化合物の種々の物理化学的性質を利用する当業者に周知の他の技術のような慣用技術の使用により実施される。
【0073】
本発明のある態様において、一般式Vの化合物は、シリカゲル(フラッシュ)を固定相として、DCM/メタノール(95/5)+0.5%トリフルオロ酢酸(TFA)混合物を移動相として使用し、クロマトグラフィーカラムにより分離させ、本発明の考えられる4つの異性体のうち2つのジアステレオ異性体を得る。
【0074】
本発明のある実施態様において、一般式Vの4つの生成物のうち1以上を下記スキームに従うその後の工程で別々に使用して、ArおよびPが上で定義される式Iの化合物を得る。
【化19】
【0075】
特に、式Vのアミン化合物は、次に、一般的合成技術により保護され、Pが上で定義される式VIの化合物を得る。
【0076】
その後、単一ジアステレオ異性体またはジアステレオ異性体混合物としての化合物VIは、アセトニドから脱保護されてジオール化合物VIIを得て、これは次に、末端一級ヒドロキシ残基を良好な脱離基に変換するために前記ヒドロキシ基で化学選択的に官能基化され、化合物VIIIを得る。
【0077】
本発明の好ましい実施態様において、前記末端一級ヒドロキシ基はアルキルスルホニルまたはアリールスルホニル基のような有機スルホニル基との反応により活性化される。
【0078】
より好ましくは、前記末端一級ヒドロキシ基はメタンスルホニル(メシル)、ベンゼンスルホニル(ベシル)、4−ニトロベンゼン−1−スルホニル(ノシル)および4−メチルベンゼン−1−スルホニル(トシル)の中から選択される有機スルホニル基との反応により活性化され;後者が好ましい。
【0079】
化合物VIIIは、ベンジル位ヒドロキシ基の予想外に乏しい反応性も利用して、末端二級ヒドロキシ基で化学選択的に保護されて化合物IXを得る。
【0080】
本発明のZ’保護基は一般的なヒドロキシ保護基であり、好ましくはテトラヒドロピラニル(THP)、アセチル(Ac)、トリアルキルシリル(トリメチルシリル TMS、tert−ブチルジメチルシリル TBDMS)から選択され、テトラヒドロピラニル(THP)が好ましい。
【0081】
最後に、式IXの化合物は、塩基触媒環化工程により本発明の式Xの化合物に変換され;化合物Xは、次に、酸触媒脱保護工程により式Iの化合物に変換される。
【0082】
本発明のある態様において、化合物VIIIを室温でDCM中、3,4−ジヒドロピランおよびp−TsOHと反応させ、溶媒除去後に得られる粗生成物IXを乾燥THFに再溶解させる。
【0083】
化合物IXのTHF溶液を、0℃で、THF中のNaHのスラリーに滴下添加する。得られた混合物を室温で撹拌し、その後HCl水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈する。さらに水相を逆抽出した後、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮し、所望の生成物Iをヒドロキシル基がTHPで保護されたままの式Xの化合物と混合して含む粗生成物を得て、後者を次に、酸触媒脱保護工程により式Iの化合物に変換する。
【0084】
代替として、式Vのアミンアルコール化合物は、次に、一般的な合成技術によりビス保護され、式VIbis
【化20】
〔式中、Ar、R
1、R
2およびPは上で定義され、Wは上記Z’と同義である〕
の化合物を得る。
【0085】
前記化合物VIbisはアセトニド脱保護、末端一級ヒドロキシ基の位置選択的官能基化および遠位二級ヒドロキシ基の化学選択的保護を受け、ベンジル位OH残基が保護された(−W)、対応する化合物VIIbis、VIIIbisおよびIXbisを得て、後者は続いて本発明の式Xの化合物へ変換される。
【0086】
代替として、式VIIIの化合物は塩基存在下、式
【化21】
〔式中、ArおよびPは上で定義される〕
の化合物へ変換され;次に、化合物XIは慣用の技術によって式Iの化合物へ変換される。
【0087】
本発明のある態様において、化合物VIIIのTHF溶液を、0℃で、THF中のNaHスラリーに滴下添加する。
【0088】
得られた混合物を室温で撹拌し、その後塩化アンモニウム水溶液でクエンチし、EtOAcで希釈する。
【0089】
さらに水相を逆抽出した後、合わせた有機相を乾燥させ、真空下で濃縮し、所望の式XIを含む粗生成物を得る。
【0090】
オキシラン化合物XIは一般的なエポキシド6−エンド型環化技術、例えば以下の上記国際特許出願国際公開第2015/139859号(Fabbrica Italiana Sintetici S.p.A.)の19頁、段落[0070]の工程lの記載に教示される技術により、式Iの化合物へ変換される。
【0091】
従って、本発明の対象である方法はさらに、式I
【化22】
〔式中、ArおよびPは上で定義される〕
の化合物の製造方法であって、該方法は上記の式IVの化合物の製造を含み、そしてさらに、
c.式
【化23】
〔式中、Ar、R
1およびR
2は上で定義される〕
のアミノアルコールを得るための脂肪族ニトロ誘導体の化学選択的還元;
d.式
【化24】
〔式中、Pは上で定義される〕
の化合物を得るためのアミノ基の保護;
e.式
【化25】
の化合物を得るためのジオール残基の脱保護;
f.式
【化26】
〔式中、Zは有機スルホニル基である〕
の化合物を得るための一級ヒドロキシ基の位置選択的活性化;
g.式
【化27】
〔式中、Z’はヒドロキシ保護基である〕
の化合物を得るための二級ヒドロキシ基の化学選択的保護;
h.式
【化28】
の化合物を得るための塩基触媒環化
i.式Iの化合物を得るための二級ヒドロキシ基の脱保護
を含む。
【0092】
従って、本発明の対象である方法はさらに、式I
【化29】
〔式中、ArおよびPは上で定義される〕
の化合物の製造方法であって、該方法は上記の式IVの化合物の製造を含み;そしてさらに以下を含む:
c.式
【化30】
〔式中、Ar、R
1およびR
2は上で定義される〕
のアミノアルコールを得るための脂肪族ニトロ誘導体の化学選択的還元;
d.式
【化31】
〔式中、Pは上で定義され、Wはヒドロキシ保護基である〕
式の化合物を得るためのアミノおよびヒドロキシ基のビス保護;
e.式
【化32】
の化合物を得るためのジオール残基の脱保護;
f.式
【化33】
〔式中、Zは有機スルホニル基である〕
の化合物を得るための一級ヒドロキシ基の位置選択的活性化;
g.式
【化34】
〔式中、Z’はヒドロキシ保護基である〕
の化合物を得るための二級ヒドロキシ基の化学選択的保護;
h.式
【化35】
の化合物を得るための塩基触媒環化
i.式Iの化合物を得るための二級ヒドロキシ基の脱保護。
【0093】
望ましい配置を有する2,3,5−置換テトラヒドロピラン類縁体は、医薬活性成分を得る目的で、継続する反応に使用される。
【0094】
つまり、こうして得た一般式Iの2,3,5−置換テトラヒドロピランは、当業者に周知の技術によって、対応する置換アミノテトラヒドロピランジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素阻害剤、特にオマリグリプチンへ変換される。
【0095】
最初に、式Iの化合物は、例えば米国特許番号第7,902,376号の教示に従って、適切な溶媒中酸化剤と反応させることによって、式Ibis
【化36】
の5−オキソテトラヒドロピラン類縁体へ変換できる。
【0096】
上記米国特許第7,902,376号にはさらに、以下のスキームに示すように、化合物Ibisを国際公開第2007/126745号に記載の最終DPP−4阻害剤へ変換する方法が記載されている。
【化37】
〔式中、Vは当該文献において定義される〕
【0097】
特に、別個の異性体C2,C3(2R,3S)として特定される式Ibisの化合物に適用される上記合成手順は、所望の配置2R,3S,5Rを有する最終生成物をもたらす。
【0098】
Arが2,5−ジフルオロフェニルおよびVが2−(メチルスルホニル)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールのとき、前記生成物はオマリグリプチンとして知られる医薬活性成分を構成し、これを分子構造および全ての立体化学と共に、本明細書に下記する。
【化38】
【0099】
本発明のある実施態様において、オマリグリプチンは適切な溶媒、好ましくはジメチルアセタール中で、水素化トリアセトキシホウ素の存在下、メチルスルホニル−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾールとテトラヒドロピラノンIbの還元的アミノ化反応により、保護された誘導体を得て、次に脱保護され、中和され、結晶化されてオマリグリプチンを得ることにより製造される。
【0100】
その結果、上記の式IまたはIbisの化合物の合成を含む、オマリグリプチンの製造方法は本発明のさらなる対象である。
【0101】
代替として、式Iの化合物はDPP−4阻害剤の製造に直接使用される。
【0102】
上記のように、式IIのキラル化合物の使用は、ピロロ[3,4−c]ピラゾール部位が挿入されるテトラヒドロピラン環のC5立体配置の固定を可能にする。
【0103】
つまり、所望の2R,3S,5S配置を有する式Iの化合物は、場合により適切な脱離基を導入するための誘導体化後、C5のヒドロキシ基で、求核置換反応(テトラヒドロピラン環のC5立体配置の反転を伴うSN2反応)を経て適切なアジドまたはアミノ試薬と反応し、下のスキームに記載の所望の2R,3S,5R配置を有する中間体生成物を得て;
【化39】
〔式中、ArおよびVは上で定義される〕
前記中間体は、次に、当業者に周知の技術によって、所望の置換アミノテトラヒドロピランジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素阻害剤、特にオマリグリプチンへ変換される。
【0104】
本発明の対象はさらに、式
【化40】
〔式中、
Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;そして
R
1およびR
2はそれぞれ、独立して、水素および(C1−C4)−アルキルまたは一体となって(C3−C7)−シクロアルキル基である〕
の化合物である。
【0105】
本発明の対象はさらに、式
【化41】
〔式中、
Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;そして
R
1およびR
2はそれぞれ、独立して、水素および(C1−C4)−アルキルまたは一体となって(C3−C7)−シクロアルキル基である〕
の化合物である。
【0106】
本発明の対象はさらに、式
【化42】
〔式中、Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;R
1およびR
2はそれぞれ、独立して、水素および(C1−C4)−アルキルまたは一体となって(C3−C7)−シクロアルキル基であり;そしてPは一級アミン保護基である〕
の化合物である。
【0107】
本発明の対象はさらに、式
【化43】
〔式中、Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;そしてPは一級アミン保護基である〕
の化合物である。
【0108】
本発明の対象はさらに、式
【化44】
〔式中、Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;Tsはp−トルエンスルホニル(トシル)基であり;そしてPは一級アミン保護基である〕
の化合物である。
【0109】
本発明の対象はさらに、式
【化45】
〔式中、Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;Tsはp−トルエンスルホニル(トシル)基であり;Pは一級アミン保護基であり;P’はヒドロキシル保護基である〕
の化合物である。
【0110】
本発明の対象はさらに、式
【化46】
〔式中、Arは、場合により1〜5個のR置換基で置換されていてよいフェニルであり、各Rは独立して、ハロゲン、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルキル、場合によりハロゲンにより置換されていてよい(C1−C4)−アルコキシから選択され;Pは一級アミン保護基であり;そしてP’はヒドロキシル保護基である〕
の化合物である。
【0111】
式IV、V、VI、VII、VIII、IXおよびXの前記化合物はさらに、2R,3S,5R配置を有する2,3,5−テトラヒドロピラン誘導体、特にオマリグリプチンの製造における鍵中間体として、本発明のさらなる対象を構成する。
【0112】
特に好ましいのは式:
1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−2−ニトロ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(IV);
2−アミノ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(V);
2−アミノ−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(V);
ベンジル−(1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメート(VI);
N−((1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−2−イル)アセトアミド(VI);
N−((1R,2S,4S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,4,5−トリヒドロキシペンタン−2−イル)アセトアミド(VII);
ベンジル(1R,2S,4S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,4,5−トリヒドロキシ−ペンタン−2−イル−カルバメート(VII);
(2S,4S,5R)−4−アセトアミド−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロキシペンチル−4−メチル−ベンゼン−スルホネート(VIII);
(2S,4S,5R)−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロキシ−ペンチル 4−メチルベンゼンスルホネート(VIII);
N−((2R,3S,5S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)アセトアミド(I);
N−((2R,3S,5S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)アセトアミド(X);および
ベンジル (1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−3−((S)−オキシラン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメート(XI)の化合物である。
【0113】
本発明の方法はDPP−4阻害剤として知られ、2型糖尿病の処置に有用である2,3,5−置換テトラヒドロピラン類縁体製造の簡略化のために提案される。
【0114】
特に、本発明は、式IIの対応するニトロ誘導体を経由して、活性医薬成分の製造に使用される中間体である式Iの二置換テトラヒドロピラン誘導体を合成するための改良法に関する。
【0115】
本発明は、ニトロアルドール生成物である式IVの化合物を得るための、式IIの化合物と式IIIの化合物の反応により特徴付けられる。
【0116】
本発明者らの知る限りでは、本発明の適切な式IIのニトロアルカンから生じる求核剤と適切なカルボニル化合物IIIから成る求電子剤との前記ニトロアルドール反応またはHenry反応は、先行文献には全く記載または示唆されていない。
【0117】
特に、先行文献には本発明の対象である基質に対する前記反応の利用およびここに記載し、請求する特定のキラルな式IIの化合物の製造方法のいずれも、記載または示唆されていない。
【0118】
上記のとおり、2,3,5−置換テトラヒドロピラン類縁体DPP−4阻害剤の製造における主な挑戦は、3つのキラル中心;テトラヒドロピラン環中の隣接するR,S(C2,C3)立体化学的配列とR(C5)官能化アミノ基の正しい立体配置の効率的かつ実用的な構築であることが知られている。
【0119】
初めに、本発明は、簡便かつ効率的な方法で、窒素原子(ニトロ基)を含むキラルシントン(化合物II)を提供することができ;さらに、前記キラルシントンは、上記のニトロアルドール反応を経由して、テトラヒドロピラン環部分の5位に、場合により保護されていてよいヒドロキシ基を直接導入することを可能にする。
【0120】
さらに、隣接する立体中心を有する2つのOおよびNの所望の配置は、上記の触媒存在下、本発明の非対称anti選択的ニトロアルドール反応を実施することにより確立される。
【0121】
既知の技術による富化された式IVまたはVの化合物の(2R;3S)ジアステレオ異性体混合物の分割は、所望の光学異性体を導く。
【0122】
この概念は高収率、製造コストの大幅な削減、およびその後の製造工程に直接使用できる程度の光学的および化学的純度を有する生成物により完成される。
【0123】
その結果、本発明の対象である製造方法は、医薬活性成分の製造における鍵中間体製造の効率的かつ経済的な代替合成法であることは明白であり;さらに、使用される出発物質の容易な利用可能性と合成工程数の削減および良好な記録収率の組み合わせは、生産コストおよび生産効率の点で、明確に相当の利点を伴う。
【0124】
本発明の対象である方法の実用的実施態様は、式IIのニトロ誘導体の任意の製造;式IVの化合物を得るための、Henry条件下での前記ニトロ誘導体と適切な式IIIの化合物との反応を含み;式IVの変換は、DPP−4阻害剤として知られる2,3,5−置換テトラヒドロピラン類縁体の製造における式Iの鍵中間体を導く。
【0125】
本発明の対象である方法の好ましい実用的実施態様は、対応するアルデヒド誘導体を経由する式IIのニトロ誘導体の任意の製造;式IVの化合物を得るための、Henry条件下での前記ニトロ誘導体と適切な式IIIの化合物との反応;IVの化合物のニトロ基の化学選択的還元および後に得られるアミノ基の保護;ジオール脱保護;位置選択的活性化および/または化学選択的ヒドロキシ保護を含み;そして塩基触媒環化は式Iの鍵中間体を導き;任意の酸化は式Ibisの化合物を導き、これは既知の技術によりオマリグリプチンへ変換される。
【0126】
下記のように、チオホスゲンを用いた化合物(V)ジアステレオマーの誘導化後、相対的syn/anti配置を
1H−NMR NOESY実験により決定した。
【化47】
【0127】
より詳細に本発明を説明するために、以下の実施例を示す。
【0128】
実施例1
(R)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルバルデヒドの合成
マグネティックスターラーを備えた100mL一口丸底フラスコで、1,2:5,6−ジ−O−シクロヘキシリデン−D−マンニトール(5g;14.60mmol)をCH
3CN/H
2O(6:4,25ml)に溶解した。
混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、NaIO
4(6.246g;29.20mmol)を30分間かけて少しずつ添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、2時間撹拌した。
反応時間経過後、沈殿をろ過し、CH
3CN/H
2Oで洗浄した。溶媒を真空下で除去し、さらに精製することなく、
表題化合物を透明油状物質(26mmol;収率89%)として得た。
【0129】
実施例2
(S)−2−(2−ニトロエチル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン(II)の合成
工程(i):2−ニトロ−1−((R)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)エタノール
メカニカルスターラーを備えた100mL二口丸底フラスコで、CH
3NO
2(1.65g;27mmol)を、実施例1の化合物(4.435g;26mmol)の(12ml)溶液に添加した。
混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、10% NaOH水溶液(2.6ml;1.04g NaOH、26mmol)を滴下添加した。得られた混合物を30分間撹拌し、その後室温まで昇温させ、一晩撹拌した。続いて、CH
3COOH(1.56g;26mmol)を添加した。
生成物をEt
2Oで抽出し、有機層を蒸留水で2回洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。
シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/AcOEt=7/3)により精製し、透明油状物質(19.5mmol;収率75%)を得た。
TLC:Rf=0.37(ヘキサン/AcOEt=7/3)。
【0130】
工程(ii):(S)−2−(2−ニトロビニル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた100mLの二口丸底フラスコで、乾燥トリエチルアミン(2.543g;25.18mmol)を、工程(i)の生成物(4.5g;19.46mmol)の乾燥DCM(19ml)溶液に添加した。
混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、MsCl(2.441g;21.31mmol)を滴下添加した。
得られた混合物を室温まで昇温させ、不活性雰囲気下で2時間撹拌した。反応を飽和Na
2CO
3でクエンチした。
有機相を分離し、水相をDCMで2回抽出した。
合わせた有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ;溶媒を真空下で除去し、生成物を定量的収率(19.37mmol)で得た。
TLC:Rf=0.55(ヘキサン/AcOEt=9/1)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 7.24(s,2H);4.82(dd,1H);4.29(dd,1H);3.79(dd,1H);1.75−1.65(m,8H);1.48(m,2H)。
【0131】
工程(iii):表題化合物(II)
マグネティックスターラー、還流コンデンサおよび窒素注入チューブを備えた25mLの二口丸底フラスコで、N,N’−ジフェニルチオウレア(164mg;0.72mmol)およびHantzschエステル(1.996g;7.88mmol)を、工程(ii)の生成物(1.535g;7.2mmol)の乾燥DCM(7ml)溶液に続けて添加した。
不活性雰囲気下、溶液を還流しながら24時間撹拌した。溶媒を制御真空下(200ミリバール)で蒸発させ、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=99/1)により精製した。
表題化合物は、褐色油状物質(5.54mmol;収率79%)として単離された。
TLC:Rf=0.54(CH
2Cl
2)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 4.61(dd,2H);4.21(m,1H);4.13(dd,1H);3.63(dd,1H);2.34(m,1H);2.17(m,1H);1.65−1.55(m,8H);1.40(m,2H)。
【0132】
実施例2−2
(S)−2,2−ジメチル−4−(2−ニトロエチル)−1,3−ジオキソランの合成
1,2:5,5−ジ−O−イソプロピリデン−D−マンニトールから出発し、実施例1および2に記載の方法に従って、表題化合物(S)−2,2−ジメチル−4−(2−ニトロエチル)−1,3−ジオキソランは、中間体(R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−カルバルデヒド、1−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−2−ニトロエタノールおよび(S,E)−2,2−ジメチル−4−(2−ニトロビニル)−1,3−ジオキソランを経由して、80〜90%の収率で製造された。
【0133】
実施例3
1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ニトロ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(IV):主生成物としてC1、C2がanti−ジアステレオマー(1R,2S)であるジアステレオ混合物の合成
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた250mLの二口丸底フラスコで、L−(−)−カンファー由来アミノピリジンリガンド(リガンドF)(16mg;0.067mmol)の乾燥ジオキサン(4mL)溶液にCu(OTf)
2(20mg;0.056mmol)を添加することにより、Cu(II)のキラル錯体をインサイチュで調製した。
30分後、混合物を外部氷浴で4℃に冷却し、トリエチルアミン(11mg,0.11mmol)を添加した。
窒素雰囲気下で調製した実施例2の化合物[化合物(II)](1.198g;5.56mmol)の乾燥ジオキサン(1.5mL)溶液を添加し;続いて2,5−ジフルオロベンズアルデヒド化合物(III)(157mg;1.05mmol)を滴下添加した。
得られた混合物を室温まで昇温させ、不活性雰囲気下で48時間撹拌した。
混合物を濃縮し、その後3mLのEtOAcで希釈した。有機層を3mLの蒸留水で3回洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。
粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2 200mL、CH
2Cl
2/MeOH=99/1 400mL、CH
2Cl
2/MeOH=98/2 400mL)により精製した。
以下のフラクションが得られた:
清浄な生成物として回収された出発原料化合物(II)=635mg
表題化合物(IV)(全ての4つのジアステレオマー混合物)=472mg(転化率>95%)
TLC:Rf=0.23(CH
2Cl
2)
ジアステレオマー過剰率は、キラル固定相(キラルパックIB、流速1mL/分、圧力39バール、ヘキサン/2−プロパノール=98/2)上のHPLCにより決定された。
ジアステレオマー比:45/10/14/31
化合物(IV)、主ジアステレオマー:
anti−ジアステレオマー−(1R,2S)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 7.26(m,1H);7.04(m,2H);5.71(bs,1H);5.05(ddd,1H);4.21(dd,1H);3.60(dd,1H);3.55(m,1h);2.35(m,1H);1.76(m,1H);1.65−1.55(m,8H);1.40(m,2H)。
【0134】
実施例3−2
1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ニトロ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(IV)の合成
実施例3に記載の方法に従うことにより、式IVの表題化合物を得るための、式IIの化合物、実施例2の化合物と式IIIの化合物、2,5−ジフルオロベンズアルデヒドのニトロアルドール反応を、リガンドFの存在下、種々の実験条件、化学量論、溶媒、温度、銅塩などを検討しながら実施し、55〜75%収率を得て;データを以下の表1に記載する:
【表1】
触媒としてのリガンドB(0.06eq)存在下、Cu(OAc)
2(0.05eq.)を用いてエントリー9を繰り返し、式IVの化合物を収率80%(ジアステレオ異性体比28:15:7:50)で得た。
一般式IVのニトロアルドールジアステレオマー比は、キラル固定相上のHPLCにより決定した。
【0135】
実施例3−3
1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−2−ニトロ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(IV)の合成
実施例3に記載の方法に従うことにより、式IVの表題化合物を得るための、式IIの化合物、実施例2の化合物と式IIIの2,5−ジフルオロベンズアルデヒドのニトロアルドール反応を、キラルリガンド(0.06eq)と酢酸銅Cu(OAc)
2(0.05eq.)の存在下で実施し;種々のリガンド、溶媒、温度(反応時間24h)を検討することにより得られた結果を以下の表2に記載する。
【表2】
【0136】
実施例3−4
1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−ニトロ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(IV):C1、C2に主生成物としてanti−ジアステレオマー(1R,2S)を有するジアステレオ混合物の合成
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた250mLの二口丸底フラスコで、キニジン誘導体リガンドG(60mg;0.099mmol)の乾燥THF(3mL)溶液を、Cu(OTf)
2(36mg;0.099mmol)に添加した。1時間後、窒素雰囲気下で調製した実施例2の化合物[化合物(II)](2.133g;9.86mmol)の乾燥THF(1.0mL)を添加し;続いて、2,5−ジフルオロベンズアルデヒド化合物(III)(280mg;1.97mmol)を滴下添加した。混合物を外部氷水浴で−20℃まで冷却し、トリエチルアミン(11mg,0.99mmol)を添加した。得られた混合物を不活性雰囲気下、−20℃で撹拌した。反応を250μLのHCl溶液(水に10%)でクエンチし、5分間撹拌し;その後、10mLのEtOAcおよび10mlの水で希釈した。有機相を分離し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去して2.5gの粗生成物を得た。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=99/1)により精製した。
以下のフラクションが得られた:
清浄な生成物として回収された出発原料化合物(II)=1.750g
表題化合物(IV)(全ての4つのジアステレオマー混合物)=694mg(転化率98%)
TLC:Rf=0.23(CH
2Cl
2)
ジアステレオマー過剰率は、キラル固定相(キラルパックIB、流速1mL/分、圧力39バール、ヘキサン/2−プロパノール=98/2)上のHPLCにより決定された。
ジアステレオマー比:55/23/12/10
化合物(IV)、主ジアステレオマー:
anti−ジアステレオマー−(1R,2S)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 7.26(m,1H);7.04(m,2H);5.71(bs,1H);5.05(ddd,1H);4.21(dd,1H);3.60(dd,1H);3.55(m,1H);2.35(m,1H);1.76(m,1H);1.65−1.55(m,8H);1.40(m,2H)。
マイナー異性体の含有量(10)が低いため、(水素化後アミノアルコールとしての)主要異性体の精製がより容易となることに注目するべきである。
【0137】
実施例4
2−アミノ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(V),主生成物として単離されるanti−ジアステレオマー:(1R,2S)−2−アミノ−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オールの合成
マグネティックスターラーを備えた反応器に、実施例3の化合物[全4ジアステレオマーの化合物(IV)混合物](458mg、1.28mmol)、5%Pd/C(50%水溶液;273mg、6.8mg Pd、0.064mmol)のMeOH(6ml)を仕込んだ。反応器をオートクレーブに入れ、H
2圧力(25atm)に付した。混合物を室温で一晩撹拌した。ろ過により触媒を除去し、溶媒を減圧下で除去して化合物(V)を全ての4つのジアステレオマー混合物として得た。ジアステレオ異性体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=95/5+0.5% TFA)により分離し;考えられる4つのジアステレオ異性体のうち2つを得た:
化合物(V)syn−ジアステレオマー:40mg、および
化合物(V)anti−ジアステレオマー−(1R,2S):97mg。
TLC:Rf=0.38および0.39(CH
2Cl
2/MeOH=1/1)
化合物(V)、anti−ジアステレオマー−(1R,2S)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 7.24(m,1H);6.96(m,2H);4.97(d,1H);4.24(m,1H);4.00(dd,1H);3.48(dd,1H);3,36(m,1H);2.66(bs,2H);1.65−1.50(m,10H);1.37(m,2H)。
【0138】
実施例4−2
2−アミノ−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(V)の合成
実施例3−3で得られた式IVの化合物から出発して、実施例4に記載の方法に従うことにより、表題化合物2−アミノ−1−(2,4,5−トリフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−1−オール(V)を収率90%で製造した。
【0139】
実施例5
ベンジル (1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメート(VI):P=Cbzの合成
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた5mLの二口丸底フラスコ中で、乾燥トリエチルアミン(60.6mg;0.60mmol)を実施例4の化合物[化合物(V)anti−ジアステレオマー−(1R,2S)](97mg;0.30mmol)の乾燥THF(1ml)に添加した。混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、クロロギ酸ベンジル(75mg;0.44mmol)を滴下添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、不活性雰囲気下で18時間撹拌した。EtOAcおよびH
2Oを添加し;有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、その後Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒を制御真空下で除去して130mgの粗生成物を得て、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/AcOEt=8/2)により精製した。
表題化合物を、透明油状物質(0.18mmol;収率60%)として単離した。
TLC:Rf=0.21(ヘキサン/AcOEt=8/2)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):δ 7.40−7.26(m,5H);7.24(m,1H);6.96(m,2H);5.41(bd,1H);5.20(bs,1H);5.15(s,2H);4.249(dd,1H);4.19(m,1H);4.01(dd,1H);3.52(dd,1H);1.76(m,1H);1.68−1.48(m,9H);1.35(m,2H)。
【0140】
実施例6
N−((1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロパン−2−イル)アセトアミド(VI):P=アセチルの合成
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた25mLの二口丸底フラスコ中で、乾燥トリエチルアミン(297mg;2.94mmol)を化合物(V)[anti−ジアステレオマー−(1R,2S)](162mg;0.49mmol)の乾燥THF(5ml)溶液に添加した。混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、塩化アセチル(154mg;1.97mmol)を滴下添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、不活性雰囲気下で18時間撹拌した。EtOAcおよびH
2Oを添加し;有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ;溶媒を真空下で除去し、200mgの粗生成物を得て、これをシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc=7/3)により精製した。
表題化合物を透明油状物質(0.34mmol;収率70%)として単離した。
TLC:Rf=0.16(ヘキサン/AcOEt=7/3)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.30(m,1H);6.96(m,2H);5.20(d,1H);4.30−4.10(m,2H);4.02(dd,1H);3.52(ddd,1H);2(s,3H);1.72(m,1H)、1.65−1.50(m,9H);1.37(m,2H)。
【0141】
実施例7
N−((1R,2S,4S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,4,5−トリヒドロキシペンタン−2−イル)アセトアミド(VII):P=アセチルの合成
マグネティックスターラーを備えた10mL一口丸底フラスコで、実施例6の化合物(91mg;0.25mmol)をTHF(1ml)に溶解した。混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、HCl水溶液(2.7M;1ml)を滴下添加した。
得られた混合物を室温まで昇温させ、8時間撹拌した。その後反応をNaHCO
3水溶液でクエンチし;有機相を分離し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮し、73mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=95/5)により精製した。
表題化合物は、透明油状物質(0.16mmol;収率64%)として単離された。
TLC:Rf=0.13(CH
2Cl
2/MeOH=95/5)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.27(m,1H);7.04(m,2H);5.06(d,1H);4.38(m,1H);3.62(m,1H);3.44(dd,1H);3.36(m,2H);1.91(s,3H);1.62(ddd,2H)。
【0142】
実施例8
(2S,4S,5R)−4−アセトアミド−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロキシペンチル 4−メチルベンゼンスルホネート(VIII):P=アセチルの合成
マグネティックスターラーを備えたバイアル中で、実施例7の化合物(47mg;0.16mmol)およびBu
2SnO(2mg;0.008mmol)をCH
2Cl
2(1ml)に懸濁し、TEA(18mg;18mmol)を添加した。混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、p−トルエンスルホニルクロリド(TsCl)(34mg;0.18mmol)を少しずつ加えた。
得られた混合物を室温まで昇温させ、18時間撹拌した。その後触媒をろ過により除去し、溶媒を真空下で蒸発させて75mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=99/1)により精製した。
表題化合物を透明油状物質(0.07mmol;収率43%)として単離した。
TLC:Rf=0.28(CH
2Cl
2/MeOH=98/2)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.76(d,2H);7.35(d,2H);7.20(m,1H);6.98(m,2H);6.37(d,2H);5.18(d,1H);4.34(m,1H);3.92−3.80(m,3H);2.46(s,3H);2.06(s,3H);1.65(ddd,1H);1.31(ddd,1H)。
【0143】
実施例9
N−((2R,3S,5S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)アセトアミド(I):P=アセチルおよびN−((2R,3S,5S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)アセトアミド(X):P=アセチル、Z’=THPの混合物の合成
マグネティックスターラーを備えたバイアル中で、N
2雰囲気下、実施例8の化合物(20mg;0.045mmol)、3,4−ジヒドロピラン(15mg;0.18mmol)およびp−TsOH.H
2O(2mg;0.011mmol)の乾燥CH
2Cl
2(0.5ml)溶液を調製した。混合物を4時間撹拌し、その後溶媒を真空下で除去した。粗生成物は直接次工程に使用した。
【0144】
マグネティックスターラーおよび窒素注入を備えた10mLの二口丸底フラスコ中で、NaH(ミネラルオイル中50%、15mg;0.31mmol)をペンタンで3回洗浄した。乾燥THF(1mL)を添加し、その後混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、先で得られた粗製化合物のTHF(1mL)溶液を滴下添加した。得られた混合物を室温まで昇温させ、48時間撹拌した。その後、1M HCl溶液(2mL)を添加し、混合物を18時間撹拌した。反応をEtOAcで希釈し、有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、溶媒真空下で溶媒を除去して10mgの粗生成物を得た。
粗製の混合物をシリカゲル(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=98/2)のプラグに通し、純粋な生成物の単離フラクションを得た。
単離フラクションのLC−MS分析は、以下のピークを示した:
質量(ESI+)m/z=272[M+H]
+ 所望の生成化合物(I)に対応;P=Ac
質量(ESI+)m/z=356[M+H]
+ ヒドロキシル基が保護されたままの環化生成化合物に対応(X);P=Ac、P’=THP
【0145】
実施例10
ベンジル (1R,2S,4S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1,4,5−トリヒドロキシ−ペンタン−2−イル−カルバメート(VII):P=Cbzの合成
マグネティックスターラーを備えた10mL一口丸底フラスコ中で、実施例5の化合物(97mg;0.26mmol)をTHF(1ml)に溶解した。混合物を外部氷浴0℃に冷却し、HCl(2.7M;1ml)を滴下添加した。
得られた混合物を室温まで昇温させ、8時間撹拌した。反応をNaHCO3水溶液でクエンチした。有機相を分離し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、100mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH2Cl2/MeOH=95/5)により精製した。表題化合物(0.20mmol;収率77%)を透明油状物質として得た。
TLC:Rf=0.20(CH2Cl2/MeOH=95/5)
1H−NMR(300MHz,CDCl3):
δ 7.40−7.26(m,5H);7.23(m,1H);6.98(m,2H);5.35(bd,1H);5.13(bs,3H);5.15(s,2H);4.13(m,1H);3.77(m,1H);3.63(ddd,1H);3.48(ddd,1H);1.86(m,1H);1.5(m,1H)。
【0146】
実施例11
(2S,4S,5R)−4−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−5−(2,5−ジフルオロフェニル)−2,5−ジヒドロキシ−ペンチル 4−メチルベンゼンスルホネート(VIII):P=Cbzの合成
マグネティックスターラーを備えたバイアル中で、実施例10の化合物(70mg;0.18mmol)およびBu2SnO(1mg;0.004mmol)をCH2Cl2(1ml)に懸濁し、TEA(18mg;0.18mmol)を添加した。
混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、TsCl(34mg;0.18mmol)を少しずつ添加した。
混合物を室温まで昇温させ、18時間撹拌した。ろ過により触媒を除去し、溶媒を真空下で除去し、118mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH2Cl2/MeOH=95/5)により精製した。表題化合物(0.09mmol;収率50%)を透明油状物質として単離した。
Rf=0.84(CH2Cl2/MeOH=95/5)
1H−NMR(300MHz,CDCl3):
δ 7.80(dd,2H);7.40−7.21(m,7H);6.96(m,2H);5.41(bd,0,4H);5.30(bd,0,6H);5.18(bs,0,4H);5.11(s,0,8H);5.08(bs,0,60);5.00(s,1,2H);4.16(m,1H);3.93(m,1H);3.65(m,1H);3.21(bs,0,6H);3.07(bs,0,4);2.45(s,3H);1.86−1.54(m,2H)。
【0147】
実施例12
ベンジル (1R,2S)−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−1−ヒドロキシ−3−((S)−オキシラン−2−イル)プロパン−2−イルカルバメート(XI):P=Cbzの合成
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた25mLの二口丸底フラスコで、NaH(ミネラルオイル中50%;6mg;0.129mmol)をペンタンで3回洗浄した。乾燥THF(1mL)を添加し、その後混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、実施例11の化合物(46mg;0.086mmol)のTHF(1mL)溶液を滴下添加した。
得られた混合物を室温に昇温させ、18時間撹拌した。その後反応を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし;有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、真空下で濃縮し、36mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc=7:3)により精製した。表題化合物を透明油状物質(0.026mmol;収率31%)として単離し、22mgの実施例11の化合物を回収した。
Rf=0.17(ヘキサン/EtOAc=6:4)
1H−NMR(300MHz,DMSO,330K):
δ 7.35−7.09(m,8H);4.95(d,2H);4.90(m,1H);3.92(m,1H);2.89(m,1H);2.65(m,1H);2.47(m,1H);1.70(m,2H)。
【0148】
実施例13
(1R,2S)−2−アセトアミド−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−3−((S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)プロピルアセテート(VIbis):P=アセチル;W=アセチルの合成。
マグネティックスターラーを備えた5mL一口丸底フラスコ中で、窒素雰囲気下、0℃で冷却しながら1:1 ピリジン/Ac2O(0.5ml)混合物を、化合物(V)[anti−ジアステレオマー−(1R,2S)](120mg;0.37mmol)に添加した。
得られた混合物を室温まで昇温させ、18時間撹拌した。EtOAcおよびH2Oを添加し;有機相を分離し、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機相を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ;溶媒を真空下で除去し、157mgの粗生成物を得た。生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:ヘキサン/EtOAc=7/3)により精製した。表題化合物を透明油状物質(0.29mmol;収率77%)として得た。
TLC:Rf=0.18(ヘキサン/AcOEt=1/1)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.08(m,1H);6.99(m,2H);6.17(d,1H);6.10(d,1H);4.63(m,1H);4.28(m,2H);4.05(dd,1H);3.51(dd,1H);2.15(s,3H);1.87(s,3H);1.85−1.80(m,2H),1.65−1.50(m,8H);1.44−1.40(m,2H)。
【0149】
実施例14
(1R,2S,4S)−2−アセトアミド−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロキシペンチルアセテート(VIIbis):P=アセチル;W=アセチルの合成
マグネティックスターラーを備えた10mL一口丸底フラスコに、化合物VIbis(140mg;0,34mmol)を添加し、THF(1ml)に溶解した。混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、HCl溶液(1ml;2.7M)を添加した。
得られた混合物を室温まで昇温させ、8時間撹拌した。反応をNaHCO
3水溶液でクエンチし;有機相を分離し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、144mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=95/5)により精製した。表題化合物を透明油状物質(0.24mmol;収率71%)として単離した。
TLC:Rf=0.32(CH
2Cl
2/MeOH=9/1)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.03(m,3H);6.20(d,1H);6.06(d,1H);4.55(m,1H);3.65(m,1H);3.49(m,2H);2.18(s,3H);1.91(s,3H);1.63(m,1H);1.40(m,1H)。
【0150】
実施例15
(1R,2S,4S)−2−アセトアミド−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−5−(トシルオキシ)ペンチルアセテート(VIIIbis):P=アセチル;W=アセチルの合成
マグネティックスターラーを備えたバイアル中で、化合物VIIbis(78mg;0.24mmol)およびBu
2SnO(3mg;0.012mmol)をCH
2Cl
2(1ml)に懸濁し、TEA(24mg;0.24mmol)を添加した。混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、TSCl(45mg;0.24mmol)を少しずつ添加した。
得られた混合物を室温まで昇温し、18時間撹拌した。ろ過により触媒を除去し、溶媒を減圧下で蒸発させ、108mg(0.22mmol;収率92%)の生成物を得て、これをさらに精製することなく、次工程に使用した。
TLC:Rf=0.22(CH
2Cl
2/MeOH=98/2)
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.78(d,2H);7.42(d,2H);6.99(m,3H);6.37(d,2H);5.18(d,1H);4.34(m,1H);3.92−3,80(m,3H);2.46(s,3H);2.06(s,3H);1.65(ddd,1H);1.31(ddd,1H)。
【0151】
実施例16
(1R,2S,4S)−2−アセトアミド−1−(2,5−ジフルオロフェニル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)−5−(トシルオキシ)ペンチル アセテート(IXbis):P=アセチル;Z’=THP W=アセチルの合成。
マグネティックスターラーを備えた5mL一口丸底フラスコ中で、N
2雰囲気下、化合物VIIIbis(108mg;0.22mmol)、3,4−ジヒドロピラン(112mg;1.36mmol)およびp−TsOH(4.2mg;0.022mmol)乾燥CH
2Cl
2(2ml)溶液を調製した。混合物を室温で5時間撹拌し、その後溶媒を真空下で除去した。粗製の反応混合物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=99/1)により精製した。
2つのフラクション(比 50/50)が得られ、
1H−NMRにより分析し;それらは保護基により形成された2つのジアステレオマーであると考えられ、従って再度合わせた(IXbisA)。
20当量のDHPおよび
僅か5時間の反応時間を使用したとき、
主生成物のみ(収率65%、r.d.比 87/13)(IXbisB)が得られた。
【0152】
実施例17
N−((2R,3S,5S)−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)アセトアミド(I):P=アセチルの合成。
化合物IXbis(119mg;0.21mmol)を丸底フラスコに仕込み、MeOH(1mL)に溶解し、飽和K2CO3水溶液(1mL)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。濃縮およびAcOEtでの抽出後、粗生成物をさらに精製することなく、後の工程で使用した。
マグネティックスターラーおよび窒素注入チューブを備えた10mLの二口丸底フラスコ中で、NaH(25mg;0.63mmol)をペンタンで3回洗浄した。乾燥THF(0.5mL)を添加し、その後混合物を外部氷浴で0℃に冷却し、先で得られた粗生成物のTHF(0.5mL)溶液を滴下添加した。
得られた混合物を室温まで昇温し、24時間撹拌した。反応をH
2Oでクエンチし、EtOAcで希釈し;相を分離し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮し、21mgの粗生成物を得て、これをさらに精製することなく、次工程に使用した。
【0153】
マグネティックスターラーを備えた5mLの一口丸底フラスコ中で、先で得られた粗生成物のTHF溶液を調製し、その後1M HCl溶液(1mL)を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。反応をEtOAcで希釈し、有機相を分離し、水相をEtOAcで3回抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、15mgの粗生成物を得た。
生成物をシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶出:CH
2Cl
2/MeOH=98/2により精製した)。表題化合物を透明油状物質として単離した。生成物はNMRおよび質量スペクトルにより全て特徴付けられた。
IXbisAから出発して、2つのジアステレオ異性体の50/50混合物を収率43%で得た。
IXbisBから出発して、1つのジアステレオ異性体のみを収率53%で得た。
所望の生成物:XbisBから得られた化合物(I)単一ジアステレオマー(trans−ジアステレオマー)I;P=Ac
質量(ESI+)m/z=294[M+Na]
+
1H−NMR(300MHz,CDCl
3):
δ 7.30(m,1H);6.95(m,2H);5.30(bd,1H);4.46(d,1H);4.38−4.31(m,1H);4.07(d,2H);3.70(d,1H);2.39.2.33(m,2H);1.81(s,3H)。
【0154】
このように、本発明の方法が、極めて高収率を有することに加え、どのようにして分子構造中に存在する3つ全てのキラル中心で正しい立体配置を有する医薬活性成分、特にオマリグリプチンの製造における鍵シントンを簡単かつ効率的に得ることを可能にするのか、当業者には明白である。