(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面を参照して、ウェアラブル端末を用いた家電装置の制御技術に関する様々な実施形態が以下に説明される。ウェアラブル端末を用いた家電装置の制御技術は、以下の説明によって、明確に理解可能である。「上」、「下」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とする。したがって、これらの用語は、限定的に解釈されるべきものではない。
【0014】
<第1実施形態>
上述の如く、ウェアラブル端末を利用した従来の制御技術は、ユーザのジェスチャに応じて、家電機器に対する制御内容を見極める。したがって、ユーザが、家電機器に対して様々な動作要求を行うために、ユーザは、多数のジェスチャを記憶しなければならない。
【0015】
ユーザが、家電機器を操作しようとしなくとも、ウェアラブル端末が動かされることもある。ウェアラブル端末が、ユーザの上肢部に装着されるならば、ウェアラブル端末は、前後に往復移動する。上述のジェスチャのうち1つが、ウェアラブル端末に前後への往復運動であるならば、家電機器は、ユーザが意図していない動作を行うこともある。
【0016】
本発明者等は、これらの課題を従来技術から見出し、家電機器に対して、簡便且つ正確に制御指示を行うことを可能にするウェアラブル端末を開発した。第1実施形態において、本発明者等によって開発されたウェアラブル端末の設計概念が説明される。
【0017】
図1は、第1実施形態のウェアラブル端末100の概略的なブロック図である。
図1を参照して、ウェアラブル端末100が説明される。
【0018】
ウェアラブル端末100は、ユーザの上肢部に装着される。「上肢部」との用語は、肩から指先までのユーザの身体部位を意味する。ウェアラブル端末100は、ユーザの手首に装着されてもよい。代替的に、ウェアラブル端末100は、ユーザの指に装着されてもよい。本実施形態の原理は、ウェアラブル端末100の特定の装着位置に限定されない。
【0019】
ウェアラブル端末100が、ユーザの手首に装着されるならば、ウェアラブル端末100は、腕時計のように見えてもよい。ウェアラブル端末100が、ユーザの指に装着されるならば、ウェアラブル端末100は、指輪のように見えてもよい。ウェアラブル端末100を設計する設計者は、装着位置に適合するようにウェアラブル端末100の意匠を決定してもよい。したがって、本実施形態の原理は、ウェアラブル端末100の特定の意匠に限定されない。
【0020】
ウェアラブル端末100は、家電機器APLを遠隔操作するシステムに組み込まれる。ユーザが、家電機器APLの遠隔操作を試みるならば、ユーザは、ウェアラブル端末100に音声指示を与える。ウェアラブル端末100は、ユーザからの音声を電気的な信号に変換する。変換された信号は、ウェアラブル端末100からネットワークNTWへ送信される。ネットワークNTWは、変換された信号に応じて、家電機器APLを制御するための制御信号を生成する。制御信号は、ネットワークNTWから家電機器APLに送信される。家電機器APLは、制御信号に応じて、所定の動作を実行する。代替的に、家電機器APLは、制御信号に応じて、停止する。
【0021】
ウェアラブル端末100からネットワークNTWに送信される信号は、ユーザの音声をそのまま表してもよい。この場合、ネットワークNTWは、ウェアラブル端末100からの信号からユーザの音声を識別し、ユーザが家電機器APLに要求する動作内容を把握してもよい。この結果、ネットワークNTWは、要求された動作内容を表す制御信号を生成することができる。
【0022】
ウェアラブル端末100は、ユーザの音声から、特定の音声部分(例えば、制御信号に必要とされる特定の単語を表す音声)を抽出してもよい。この場合、抽出された音声を表す信号が、ウェアラブル端末100からネットワークNTWへ送信されてもよい。この結果、ネットワークNTWは、受信した信号から、ユーザが家電機器APLに要求する動作内容を把握し、要求された動作内容を表す制御信号を生成することができる。
【0023】
ウェアラブル端末100は、ユーザの音声を識別する機能を有してもよい。この場合、ウェアラブル端末100は、ユーザが家電機器APLに要求する動作内容を表す信号を生成することができる。生成された信号は、ネットワークNTWを通じて、ウェアラブル端末100から家電機器APLに伝達される。
【0024】
上述の如く、ウェアラブル端末100からネットワークNTWへ送信される信号は、様々な内容を表すことができる。したがって、本実施形態の原理は、ウェアラブル端末100からネットワークNTWへ送信される信号によって表される特定の内容に限定されない。
【0025】
ウェアラブル端末100と家電機器APLとを通信可能に接続することができる様々な通信技術が、ネットワークNTWに適用可能である。例えば、ネットワークNTWは、クラウドサーバ、ウェアラブル端末100をクラウドサーバに通信可能に接続するための通信網並びにクラウドサーバを家電機器APLに通信可能に接続するための通信を含んでもよい。これらの通信経路は、既知の様々な通信技術に基づいてもよい。本実施形態の原理は、ネットワークNTWに適用される特定の通信技術に限定されない。
【0026】
家電機器APLは、一般的な家庭で利用される様々な装置であってもよい。家電機器APLとして、テレビ装置、洗濯機、空調機器や調理機器が例示される。本実施形態の原理は、家電機器APLの特定の種類に限定されない。
【0027】
ウェアラブル端末100は、音声データ生成部200と、検知部300と、判定部400と、データ処理部500と、を備える。音声データ生成部200は、ユーザが与えた音声指示から音声データを生成する。検知部300は、ユーザがウェアラブル端末100に与えた運動を検知し、運動を表す運動データを生成する。判定部400は、運動データに基づいて、ユーザが家電機器APLを遠隔操作しようとしているか否かを判定する。データ処理部500は、音声データを処理する。
【0028】
音声を電気的な信号(すなわち、上述の音声データ)に変換することができる様々な装置は、音声データ生成部200に適用可能である。例えば、一般的な小型マイクロフォンが、音声データ生成部200として利用されてもよい。本実施形態の原理は、音声データ生成部200として利用される特定の装置に限定されない。
【0029】
ウェアラブル端末100に与えられた運動を検知し、運動を表す電気的な信号(すなわち、上述の運動データ)を生成することができる様々なセンサ装置は、検知部300に適用可能である。検知部300は、一般的な加速度センサであってもよい。代替的に、検知部300は、一般的な角速度センサであってもよい。更に代替的に、検知部300は、加速度及び角速度を検出することができるセンサ装置(たとえば、一般的な6軸センサ)であってもよい。本実施形態の原理は、検知部300として利用される特定のセンサ装置に限定されない。
【0030】
判定部400は、運動データに基づく判定処理を行う電子部品及び/又はプログラムであってもよい。検知部300が、ウェアラブル端末100の加速度を検出するならば、判定部400は、加速度が、加速度閾値(加速度に対して予め定められた閾値)を超えているか否かを判定してもよい。加速度が、加速度閾値よりも大きいならば、判定部400は、ユーザが、家電機器APLを遠隔操作しようとしていると判定してもよい。検知部300が、ウェアラブル端末100の角速度を検出するならば、判定部400は、角速度を表す運動データに対して積分演算処理を施与してもよい。この結果、判定部400は、ウェアラブル端末100の回転角に関するデータを得ることができる。判定部400は、算出された回転角を、回転角閾値(回転角に対して予め定められた閾値)と比較してもよい。回転角が、回転角閾値よりも大きいならば、判定部400は、ユーザが、家電機器APLを遠隔操作しようとしていると判定してもよい。上述の如く、判定部400は、様々な判定処理を行ってもよい。したがって、本実施形態の原理は、判定部400の特定の判定処理に限定されない。
【0031】
ユーザが、家電機器APLを遠隔操作しようとしていると判定部400が判定するならば、判定部400は、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、判定部400からデータ処理部500へ出力される。データ処理部500は、トリガ信号に応じて、音声データに対する処理を開始する。
【0032】
検知部300及び判定部400は、1つの集積回路として形成されてもよい。この場合、データ処理部500は、他のもう1つの集積回路として形成されてもよい。
【0033】
検知部300、判定部400及びデータ処理部500が、単一の集積回路として形成されてもよい。代替的に、検知部300、判定部400及びデータ処理部500それぞれが別個の回路として形成されてもよい。本実施形態の原理は、検知部300、判定部400及びデータ処理部500の特定の回路構造に限定されない。
【0034】
データ処理部500は、送信データ生成部510と、送信部520と、を含む。上述の音声データは、音声データ生成部200から送信データ生成部510へ出力される。上述のトリガ信号は、判定部400から送信データ生成部510へ出力される。送信データ生成部510は、トリガ信号に応じて、音声データの処理を開始し、音声データに対応する送信データを生成する。送信データは、送信データ生成部510から送信部520へ出力される。送信部520は、送信データを、ネットワークNTWへ送信する。
【0035】
図2は、上肢部において設定された3次元座標系の概念図である。
図1及び
図2を参照して、検知部300の運動検出技術が説明される。
【0036】
検知部300は、第1軸DVX方向の上肢部の運動を検出する。真っ直ぐに伸ばされた上肢部の鉛直下方向の肩から指先へ延びる座標軸は、以下の説明において、第2軸PDXと称される。第2軸PDXに直交する座標軸であって、ユーザの移動方向に伸びる座標軸は、以下の説明において、第3軸FBXと称される。第1軸DVXは、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に対して直交する。
【0037】
検知部300は、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に対して直交する第1軸DVXの延設方向における上肢部の運動を検出する。検知部300として利用されるセンサの検出軸は、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に直交してもよい。この場合、検知部300は、第1軸DVXに沿う方向の運動(例えば、加速度及び/又は角速度)を精度よく検知することができる。代替的に、検知部300として利用されるセンサの検出軸は、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に対して、0°より大きく且つ90°より小さな角度で傾斜してもよい。この場合、検知部300は、第1軸DVXに沿う方向の運動だけでなく、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に沿う方向の運動をも検知することができる。判定部400は、検知部300から出力された運動データに対して所定のベクトル演算を施与し、第1軸DVXに沿う方向の運動と、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に沿う方向の運動と、を個別に評価してもよい。本実施形態の原理は、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に対するセンサの検出軸の特定の交差角度に限定されない。本実施形態において、平面は、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面によって例示されてもよい。交差方向は、検知部300として利用されるセンサの検出軸の方向によって例示されてもよい。
【0038】
ユーザが歩行している間、上肢部は、第3軸FBXによって表される方向に頻繁に動かされる。ユーザが、遠くに存在する物を取ろうとしているとき、上肢部は、伸長されるので、ウェアラブル端末100は第2軸PDXによって表される方向に動かされやすい。ユーザが、上半身に近い位置に存在する物を取ろうとしているとき、上肢部は、屈曲されるので、ウェアラブル端末100は第2軸PDXによって表される方向に動かされやすい。これらのユーザの行動は、頻繁に起こる。しかしながら、第1軸DVXによって表される方向への上肢部の運動は、第3軸FBXや第2軸PDXによって表される方向における運動と比べて稀である。すなわち、ユーザが、第1軸DVXによって表される方向へ上肢部を高速に及び/又は大きく動かすことは稀である。
【0039】
検知部300が、第1軸DVXによって表される方向における上肢部(すなわち、ウェアラブル端末100)の運動を検知したとき、データ処理部500は、音声データに対する処理を開始するので、音声データの処理は、ユーザの無意識の運動によっては開始されにくい。したがって、家電機器APLは、意図せず操作されにくくなる。
【0040】
<第2実施形態>
第1実施形態に関連して説明されたウェアラブル端末は、様々な制御下で動作することができる。第2実施形態において、ウェアラブル端末の例示的な動作が説明される。
【0041】
図3は、ウェアラブル端末100の例示的なデータ処理を表す概略的なフローチャートである。
図1乃至
図3を参照して、ウェアラブル端末100内のデータ処理が説明される。
【0042】
(ステップS110)
ステップS110において、検知ステップが実行される。検知ステップにおいて、検知部300は、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に直交する第1軸DVXの延設方向の運動を検知する。検知部300は、第1軸DVXの延設方向の運動を表す運動データを生成する。運動データは、検知部300から判定部400へ出力される。その後、ステップS120が実行される。
【0043】
(ステップS120)
ステップS120において、判定ステップが実行される。判定ステップにおいて、判定部400は、運動データに基づいて、ユーザが家電機器APLに対する遠隔操作を行おうとしているか否かを判定する。ユーザが家電機器APLに対する遠隔操作を行おうとしていると、判定部400が判定するならば、ステップS130が実行される。他の場合には、ステップS110が実行される。
【0044】
(ステップS130)
ステップS130において、生成ステップが実行される。生成ステップにおいて、音声データ生成部200は、ユーザからの音声指示を表す音声データを生成する。音声データは、音声データ生成部200から送信データ生成部510へ出力される。判定部400は、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、判定部400から送信データ生成部510へ出力される。送信データ生成部510がトリガ信号を受けると、送信データ生成部510は、音声データから送信データを生成する。その後、ステップS140が実行される。
【0045】
(ステップS140)
ステップS140において、送信ステップが実行される。送信ステップにおいて、送信データは、送信データ生成部510から送信部520へ出力される。送信部520は、ネットワークNTWへ送信データを送信する。
【0046】
<第3実施形態>
第1実施形態に関連して説明されたウェアラブル端末の設計原理は、1つの検出軸を有する加速度センサ或いは角速度センサを検知部として用いることを許容する。この場合、検知部の消費電力は非常に小さくなる。しかしながら、センサ素子(加速度センサや角速度センサ)が多数の検出軸を有しても、センサ素子の消費電力は、過度に高くはならない。したがって、複数の検出軸を有するセンサ素子が、ユーザの上肢部の運動の検出に利用されてもよい。この場合、判定部は、検知部から出力される運動データから、ユーザの上肢部がどのように移動しているかを正確に判定することができる。第3実施形態において、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求しているか否かを正確に判定することができるウェアラブル端末が説明される。
【0047】
図4は、第3実施形態のウェアラブル端末100Aの概略的なブロック図である。
図2及び
図4を参照して、ウェアラブル端末100Aが説明される。第1実施形態及び第3実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0048】
第1実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Aは、ユーザの上肢部に装着される。ウェアラブル端末100Aは、家電機器APLを遠隔操作するシステムに組み込まれる。ユーザが、家電機器APLの遠隔操作を試みるならば、ユーザは、ウェアラブル端末100Aに音声指示を与える。ウェアラブル端末100Aは、ユーザからの音声を電気的な信号に変換する。変換された信号は、ウェアラブル端末100AからネットワークNTWへ送信される。ネットワークNTWは、変換された信号に応じて、家電機器APLを制御するための制御信号を生成する。制御信号は、ネットワークNTWから家電機器APLに送信される。家電機器APLは、制御信号に応じて、所定の動作を実行する。代替的に、家電機器APLは、制御信号に応じて、停止する。
【0049】
第1実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Aは、音声データ生成部200と、データ処理部500と、を備える。第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0050】
ウェアラブル端末100Aは、検知部300Aと、判定部400Aと、を更に備える。検知部300Aは、上肢部の運動を表す運動データを生成する。運動データは、検知部300Aから判定部400Aへ出力される。判定部400Aは、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求しているか否かを、運動データに基づいて判定する。ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求していると、判定部400Aが判定するならば、判定部400Aは、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、判定部400Aから送信データ生成部510へ出力される。
【0051】
検知部300Aは、6つの検出軸を有するセンサ素子であってもよい。6つの検出軸のうち3つは、加速度の検出に利用されてもよい。残りの検出軸は、角速度の検出に利用されてもよい。6つの検出軸のうち少なくとも1つは、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に交差する方向の運動の検知に利用される。したがって、判定部400Aは、第1実施形態に関連して説明された如く、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求しているか否かを、正確に判定することができる。
【0052】
検知部300Aは、2つ乃至5つの検出軸を有するセンサ素子であってもよい。代替的に、検知部300Aは、6を超える数の検出軸を有するセンサ素子であってもよい。本実施形態の原理は、検出軸の特定の数に限定されない。
【0053】
判定部400Aは、パターン記憶部410と、パターン解析部420と、を含む。パターン記憶部410は、ユーザが音声指示を行うまでの上肢部の運動に関するパターンデータを予め格納している。パターンデータは、加速度の変動パターンであってもよい。代替的に、パターンデータは、角速度の変動パターンであってもよい。運動データは、検知部300Aからパターン解析部420へ出力される。
【0054】
検知部300Aからパターン解析部420への運動データの出力の後、パターン解析部420は、パターン記憶部410からパターンデータを読み出す。パターン解析部420は、運動データを、パターンデータと比較する。
【0055】
運動データが、パターンデータに近い或いは一致しているならば、パターン解析部420は、ユーザが、家電機器APLに対する遠隔操作を要求していると判定してもよい。この場合、パターン解析部420は、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、パターン解析部420から送信データ生成部510へ出力される。
【0056】
運動データが、パターンデータから大きく離れているならば、パターン解析部420は、ユーザが、家電機器APLに対する遠隔操作を要求していないと判定してもよい。この場合、パターン解析部420から送信データ生成部510へのトリガ信号の出力は生じない。したがって、家電機器APLに対する誤った遠隔操作は生じにくくなる。
【0057】
<第4実施形態>
上肢部の運動に関して、基準となる動作が設定されるならば、運動データとパターンデータとの間の比較は容易になる。基準となる動作の後の上肢部の運動が、パターンデータに近い或いは一致するときにトリガ信号が生成されるならば、パターン記憶部に記憶されるパターンデータの量は少なくてもよい。第4実施形態において、ウェアラブル端末内の例示的なデータ処理が説明される。
【0058】
図5は、ウェアラブル端末100Aの例示的なデータ処理を表す概略的なフローチャートである。
図2乃至
図5を参照して、ウェアラブル端末100A内のデータ処理が説明される。第3実施形態及び第4実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0059】
第3実施形態に関連して説明された如く、検知部300Aは、複数の検出軸を有する。複数の検出軸のうち1つは、第2軸PDXと第3軸FBXとによって規定される座標平面に直交する第1軸DVXの延設方向の加速度の検知に利用される。したがって、検知部300Aから出力される運動データの一部は、第1軸DVXの延設方向の加速度を表すことができる。他の検出軸は、他の方向の加速度及び/又は角速度の検知に利用されてもよい。
【0060】
(ステップS210)
ステップS210において、検知部300Aは、上肢部の運動を検知する。その後、ステップS220が実行される。
【0061】
(ステップS220)
ステップS220において、検知部300Aは、上肢部の運動を表す運動データを生成する。運動データは、検知部300Aからパターン解析部420へ出力される。その後、ステップS230が実行される。ステップS210及びステップS220は、
図3を参照して説明された検知ステップに対応する。
【0062】
(ステップS230)
ステップS230において、パターン解析部420は、第1軸DVXの延設方向の加速度が、加速度閾値よりも大きいか否かを判定する。第1軸DVXの延設方向の加速度が、加速度閾値よりも大きいならば、ステップS240が実行される。他の場合には、ステップS210が実行される。
【0063】
(ステップS240)
ステップS240において、パターン解析部420は、パターン記憶部410からパターンデータを読み出す。パターン解析部420は、加速度閾値よりも大きな加速度が生じた時刻よりも後の運動データをパターンデータと比較する。運動データがパターンデータに近い或いは一致するならば、ステップS250が実行される。他の場合には、ステップS210が実行される。
【0064】
(ステップS250)
ステップS250において、パターン解析部420は、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、パターン解析部420から送信データ生成部510へ出力される。ステップS230乃至ステップS250は、
図3を参照して説明された判定ステップに対応する。
【0065】
家電機器APLを遠隔操作しようとするユーザは、第1軸DVXの延設方向へ上肢部を勢いよく動かせばよい。この結果、ステップS230及びステップS240の処理が順次実行されることになる。
【0066】
パターンデータは、第1軸DVXの延設方向へ移動された上肢部がユーザの口の近くまで移動するまでの運動を表してもよい。第1軸DVXの延設方向へ上肢部が勢いよく移動された後、ユーザが、ウェアラブル端末100Aを口の近くに移動させるならば、ステップS250が実行される。
【0067】
<第5実施形態>
検知部が、加速度を表す運動データと、角速度を表す運動データと、を出力するならば、判定部は、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求しているか否かを正確に判定することができる。第5実施形態において、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求しているか否かを、加速度を表す運動データと、角速度を表す運動データと、を用いて判定するウェアラブル端末が説明される。
【0068】
図6は、第5実施形態のウェアラブル端末100Bの概略的なブロック図である。
図2及び
図6を参照して、ウェアラブル端末100Bが説明される。第3実施形態及び第5実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0069】
第3実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Bは、ユーザの上肢部に装着される。ウェアラブル端末100Bは、家電機器APLを遠隔操作するシステムに組み込まれる。ユーザが、家電機器APLの遠隔操作を試みるならば、ユーザは、ウェアラブル端末100Bに音声指示を与える。ウェアラブル端末100Bは、ユーザからの音声を電気的な信号に変換する。変換された信号は、ウェアラブル端末100BからネットワークNTWへ送信される。ネットワークNTWは、変換された信号に応じて、家電機器APLを制御するための制御信号を生成する。制御信号は、ネットワークNTWから家電機器APLに送信される。家電機器APLは、制御信号に応じて、所定の動作を実行する。代替的に、家電機器APLは、制御信号に応じて、停止する。
【0070】
第3実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Bは、音声データ生成部200と、データ処理部500と、を備える。第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0071】
ウェアラブル端末100Bは、検知部300Bと、判定部400Bと、を更に備える。検知部300Bは、加速度検知部310と、角速度検知部320と、を含む。判定部400Bは、加速度判定部430と、積分部440と、回転角判定部450と、トリガ信号生成部460と、を含む。
【0072】
加速度検知部310は、第1軸DVXの延設方向の加速度を検知する検出軸を有する。追加的に、加速度検知部310は、他の方向の加速度を検知する検出軸を有してもよい。
【0073】
加速度検知部310は、第1軸DVXの延設方向の加速度を表す加速度データを運動データとして生成する。加速度データは、加速度検知部310から加速度判定部430に出力される。加速度判定部430は、加速度データによって表される加速度が、予め定められた加速度閾値より大きいか否かを判定する。加速度データによって表される加速度が、予め定められた加速度閾値より大きいならば、第1トリガ信号を生成する。第1トリガ信号は、加速度判定部430からトリガ信号生成部460へ出力される。
【0074】
角速度検知部320は、第2軸PDX周りの上肢部の回転運動の角速度を検知する検出軸を有する。追加的に、角速度検知部320は、他の方向の角速度を検知する検出軸を有してもよい。
【0075】
角速度検知部320は、第2軸PDX周りの上肢部の回転運動の角速度を表す角速度データを運動データとして生成する。角速度データは、角速度検知部320から積分部440へ出力される。積分部440は、角速度データに積分処理を施与し、第2軸PDX周りの上肢部の回転角を表す回転角データを生成する。回転角データは、積分部440から回転角判定部450へ出力される。回転角判定部450は、回転角データによって表される回転角が、予め定められた回転角閾値より大きいならば、第2トリガ信号を生成する。第2トリガ信号は、回転角判定部450からトリガ信号生成部460へ出力される。
【0076】
トリガ信号生成部460は、第1トリガ信号及び第2トリガ信号をともに受け取ると、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、トリガ信号生成部460から送信データ生成部510へ出力される。
【0077】
ウェアラブル端末100Bを設計者は、音声データ生成部200として、マイクロフォンを利用してもよい。設計者が、ウェアラブル端末100Bを手首に装着されるように設計するならば、設計者は、マイクロフォンの集音部を、腕時計の文字盤に対応する位置(すなわち、手の甲に隣接する位置)に配置してもよい。設計者が、ウェアラブル端末100Bを指に装着されるように設計するならば、設計者は、マイクロフォンの集音部を、指輪の宝石に対応する位置(すなわち、手の甲に隣接する位置)に配置してもよい。これらの配置設計の下では、ユーザは、マイクロフォンの集音部を、口へ近づけるために、第1軸DVXの延設方向へ上肢部を勢いよく振り上げた後、上肢部を第2軸PDX周りに回転させることが多い。ユーザは、マイクロフォンの集音部を、口へ近づけるつもりがないならば、第2軸PDX周りの上肢部の回転運動は稀である。したがって、ウェアラブル端末100Bは、家電機器APLに対する誤った遠隔操作を引き起こしにくい。
【0078】
<第6実施形態>
上肢部の運動に関して、複数の基準動作が設定されるならば、判定部は、ユーザが家電機器に対する遠隔操作を行おうとしているか否かを正確に判定することができる。第6実施形態において、複数の基準動作を利用して、ユーザが家電機器に対する遠隔操作を行おうとしているか否かを判定するウェアラブル端末内の例示的なデータ処理が説明される。
【0079】
図7は、ウェアラブル端末100Bの例示的なデータ処理を表す概略的なフローチャートである。
図2、
図3、
図6及び
図7を参照して、ウェアラブル端末100B内のデータ処理が説明される。第5実施形態及び第6実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第5実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第5実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0080】
(ステップS310)
ステップS310において、検知部300Bは、上肢部の運動を検知する。加速度検知部310は、第1軸DVXの延設方向の加速度を検知する。角速度検知部320は、第2軸PDX周りの上肢部の回転運動の角速度を検知する。その後、ステップS320が実行される。
【0081】
(ステップS320)
ステップS320において、検知部300Bは、上肢部の運動を表す運動データを生成する。加速度検知部310は、第1軸DVXの延設方向の加速度を表す加速度データを運動データとして生成する。加速度データは、加速度検知部310から加速度判定部430へ出力される。角速度検知部320は、第2軸PDX周りの上肢部の回転運動の角速度を表す角速度データを運動データとして生成する。角速度データは、角速度検知部320から積分部440へ出力される。その後、ステップS330が実行される。ステップS310及びステップS320は、
図3を参照して説明された検知ステップに対応する。
【0082】
(ステップS330)
ステップS330において、加速度判定部430は、加速度データによって表される加速度が、加速度閾値よりも大きいか否かを判定する。加速度が、加速度閾値よりも大きいならば、加速度判定部430は、第1トリガ信号を生成する。第1トリガ信号は、加速度判定部430からトリガ信号生成部460へ出力される。その後、ステップS340が実行される。加速度が、加速度閾値よりも大きくないならば、ステップS310が実行される。
【0083】
(ステップS340)
ステップS340において、積分部440は、角速度データに対して、積分演算処理を行い、回転角を算出する。算出された回転角を表す回転角データは、回転角判定部450へ出力される。その後、ステップS350が実行される。
【0084】
(ステップS350)
ステップS350において、回転角判定部450は、回転角データによって表される回転角が、回転角閾値よりも大きいか否かを判定する。回転角が、回転角閾値よりも大きいならば、回転角判定部450は、第2トリガ信号を生成する。第2トリガ信号は、回転角判定部450からトリガ信号生成部460へ出力される。その後、ステップS360が実行される。回転角が、回転角閾値よりも大きくないならば、ステップS310が実行される。ステップS330乃至ステップS350の処理は、
図3を参照して説明された判定ステップに対応する。
【0085】
(ステップS360)
ステップS360において、トリガ信号生成部460は、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、トリガ信号生成部460から送信データ生成部510へ出力される。
【0086】
家電機器APLを遠隔操作しようとするユーザは、まず、第1軸DVXの延設方向へ上肢部を勢いよく動かす。この結果、ステップS310乃至ステップS330の処理が順次実行されることになる。
【0087】
ユーザは、その後、上肢部を第2軸PDX周りに回転する。この結果、ステップS340乃至ステップS360の処理が順次実行されることになる。
【0088】
第1軸DVXの延設方向への上肢部の素早い運動と、第2軸PDX周りの上肢部の回転運動と、の組み合わせが偶発的に生ずることは稀である。したがって、ウェアラブル端末100Bは、家電機器APLに対する誤った遠隔操作を引き起こしにくい。
【0089】
<第7実施形態>
一般的に、センサ素子は、電力をあまり消費しない。その一方で、ネットワークへのデータ送信は、多量の電力を消費する。したがって、電力が、ネットワークへのデータ送信を担う電子部品へ常時供給されることは、ウェアラブル端末にとって不向きである。第7実施形態において、電力をあまり消費しないウェアラブル端末の設計原理が説明される。
【0090】
図8は、第7実施形態のウェアラブル端末100Cの概略的なブロック図である。
図1、
図4、
図6及び
図8を参照して、ウェアラブル端末100Cが説明される。
【0091】
ウェアラブル端末100Cは、第1集積回路110と、第2集積回路120と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、電力供給部600と、を備える。マイクロフォン200Cは、ユーザからの音声を電気信号(音声データ)に変換する。したがって、マイクロフォン200Cは、
図1、
図4又は
図6を参照して説明された音声データ生成部200に対応する。アンテナ部521は、ネットワーク(図示せず)への送信データの送信に用いられる。したがって、アンテナ部521は、
図1、
図4又は
図6を参照して説明された送信部520の一部に対応する。
【0092】
第1集積回路110は、運動センサ300Cと、動作判定部400Cと、を含む。運動センサ300Cは、ウェアラブル端末100Cが装着された上肢部の運動を検知する。したがって、運動センサ300Cは、
図1、
図4及び
図6を参照して説明された検知部300,300A,300Bのうち1つに対応してもよい。検知部300,300A,300Bと同様に、運動センサ300Cは、上肢部の運動を表す運動データを生成する。運動データは、運動センサ300Cから動作判定部400Cへ出力される。
【0093】
動作判定部400Cは、運動データを解析し、ユーザが家電機器(図示せず)を遠隔操作しようとしているか否かを判定する。したがって、動作判定部400Cは、
図1、
図4及び
図6を参照して説明された判定部400,400A,400Bのうち1つに対応してもよい。動作判定部400Cは、
図1、
図4及び
図6を参照して説明された判定部400,400A,400Bの機能に加えて、ユーザが家電機器を遠隔操作するときに行う上肢部の運動を学習する機能を有してもよい。判定部400,400A,400Bと同様に、ユーザが家電機器を遠隔操作しようとしていると判定した動作判定部400Cは、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、動作判定部400Cから第2集積回路120と電力供給部600とに出力される。
【0094】
電力供給部600は、電力を、上肢部の運動の検知並びに解析を担う第1集積回路110へ常時供給してもよい。一方、電力供給部600が、トリガ信号を受け取らないならば、電力供給部600は、電力を、ネットワークとの通信を担う第2集積回路120へ供給しない。電力供給部600がトリガ信号を受け取ると、電力供給部600は、第2集積回路120への電力供給を開始する。この結果、不必要な電力消費は生じにくくなる。
【0095】
第2集積回路120が、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取り、且つ、第2集積回路120が、電力供給部600から電力供給を受けると、第2集積回路120は、マイクロフォン200Cから受け取った音声データを、送信データに変換するデータ処理を実行する。したがって、第2集積回路120は、
図1、
図4又は
図6を参照して説明されたデータ処理部500に対応する。
【0096】
第2集積回路120は、制御部121と、I/Oセクション122と、符号化部510Cと、送信部522と、を含む。制御部121は、第2集積回路120内でのデータ処理に関する制御を全体的に実行する。したがって、I/Oセクション122、符号化部510C及び送信部522は、制御部121の制御下で動作する。
【0097】
マイクロフォン200Cは、I/Oセクション122を通じて、電力を受け取ってもよい。したがって、動作判定部400Cがトリガ信号を生成する前において、マイクロフォン200Cは、電力を消費しない。この結果、不必要な電力消費は生じにくくなる。
【0098】
上述の如く、マイクロフォン200Cは、ユーザからの音声指示を音声データに変換する。音声データは、マイクロフォン200CからI/Oセクション122へ出力される。I/Oセクション122は、制御部121の制御下で、音声データを符号化部510Cへ出力する。
【0099】
符号化部510Cは、制御部121の制御下で、音声データを符号化し、送信データを生成する。送信データは、符号化部510Cから送信部522へ出力される。符号化部510C及び制御部121は、
図1、
図4又は
図6を参照して説明された送信データ生成部510に対応する。
【0100】
送信部522は、制御部121の制御下で、送信データを出力する。送信データは、アンテナ部521を通じて、ネットワークへ送信される。送信部522は、近距離通信(例えば、Bluetooth(登録商標))に用いられる通信素子であってもよい。この結果、送信部522の消費電力は、低いレベルに設定される。送信部522、アンテナ部521及び制御部121は、
図1、
図4又は
図6を参照して説明された送信部520に対応する。
【0101】
<第8実施形態>
ユーザが、音声指示をウェアラブル端末に入力した後、第2集積回路への電力供給が停止されることは、消費電力の低減の観点から好ましい。ユーザは、音声指示の完了を、ウェアラブル端末に手動式に入力してもよい。しかしながら、ユーザが、電力供給を停止させる指示を忘れるならば、第2集積回路への電力供給は継続されることになる。したがって、第2集積回路への電力供給は自動的に停止されることが好ましい。第8実施形態において、第2集積回路への電力供給を自動的に停止することができるウェアラブル端末が説明される。
【0102】
図9は、第8実施形態のウェアラブル端末100Dの概略的なブロック図である。
図1、
図4、
図6及び
図9を参照して、ウェアラブル端末100Dが説明される。第7実施形態及び第8実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第7実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0103】
第7実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Dは、第1集積回路110と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、を備える。第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0104】
ウェアラブル端末100Dは、第2集積回路120Dと、電力供給部600Dと、を更に備える。電力供給部600Dは、電力を、上肢部の運動の検知並びに解析を担う第1集積回路110へ常時供給してもよい。一方、電力供給部600Dが、トリガ信号を受け取らないならば、電力供給部600Dは、電力を、ネットワークとの通信を担う第2集積回路120Dへ供給しない。電力供給部600Dがトリガ信号を受け取ると、電力供給部600Dは、第2集積回路120Dへの電力供給を開始する。
【0105】
第2集積回路120Dが、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取り、且つ、第2集積回路120Dが、電力供給部600Dから電力供給を受けると、第2集積回路120Dは、マイクロフォン200Cから受け取った音声データを、送信データに変換するデータ処理を実行する。したがって、第2集積回路120Dは、
図1、
図4又は
図6を参照して説明されたデータ処理部500に対応する。
【0106】
第7実施形態と同様に、第2集積回路120Dは、I/Oセクション122と、符号化部510Cと、送信部522と、を含む。第7実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0107】
第2集積回路120Dは、制御部121Dと、タイマ123と、を更に含む。制御部121Dは、第2集積回路120D内でのデータ処理に関する制御を全体的に実行する。したがって、I/Oセクション122、タイマ123、符号化部510C及び送信部522は、制御部121Dの制御下で動作する。
【0108】
電力供給部600Dは、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取ると、電力供給部600Dは、タイマ123の起動を要求する要求信号を生成する。要求信号は、電力供給部600Dから第2集積回路120Dへの電力供給の開始に略同期して、電力供給部600Dから制御部121Dへ出力される。制御部121Dは、要求信号に応じて、タイマ123を起動する。
【0109】
タイマ123には、音声入力に必要とされる入力期間が予め設定されている。タイマ123の起動時刻から入力期間が経過すると、タイマ123は、入力期間の終了を、制御部121Dへ通知する。制御部121Dは、タイマ123からの通知に応じて、電力供給の停止を指示する制御信号を生成する。制御信号は、制御部121Dから電力供給部600Dへ出力される。
【0110】
電力供給部600Dは、制御部121Dからの制御信号に応じて、第2集積回路120Dへの電力供給を停止する。この結果、音声入力の後において、第2集積回路120Dは、電力を、不必要に消費しない。
【0111】
<第9実施形態>
ウェアラブル端末は、ユーザに情報を提示し、且つ、ユーザからの入力を受け付けるユーザインターフェース機能を有してもよい。ウェアラブル端末が、ユーザにとって有用な情報を提示することができるならば、ウェアラブル端末の有用性は高くなる。例えば、ウェアラブル端末が、音声指示の処理経過を表示するならば、ユーザは、音声が適切に入力されたか否かを確認することができる。ウェアラブル端末が、ユーザからの音声指示に加えて、他の入力を受け付けるならば、ウェアラブル端末は、多様な機能を有することができる。例えば、ウェアラブル端末が、ユーザの手動式の入力を受け付けるならば、ユーザは、ウェアラブル端末から送信されるデータの通信経路や制御対象となる家電機器に対する優先順位の設定といった様々な操作を行うことができる。第9実施形態において、ユーザインターフェース機能を有するウェアラブル端末が説明される。
【0112】
図10は、第9実施形態のウェアラブル端末100Eの概略的なブロック図である。
図1、
図4、
図6及び
図10を参照して、ウェアラブル端末100Eが説明される。第8実施形態及び第9実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第8実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0113】
第8実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Eは、第1集積回路110と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、を備える。第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0114】
ウェアラブル端末100Eは、第2集積回路120Eと、ユーザインターフェース130と、電力供給部600Eと、を更に備える。電力供給部600Eは、電力を、上肢部の運動の検知並びに解析を担う第1集積回路110へ常時供給してもよい。一方、電力供給部600Eが、トリガ信号を受け取らないならば、電力供給部600Eは、電力を、第2集積回路120E及びユーザインターフェース130へ供給しない。電力供給部600Eがトリガ信号を受け取ると、電力供給部600Eは、第2集積回路120E及びユーザインターフェース130への電力供給を開始する。
【0115】
第2集積回路120Eが、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取り、且つ、第2集積回路120Eが、電力供給部600Eから電力供給を受けると、第2集積回路120Eは、マイクロフォン200Cから受け取った音声データを、送信データに変換するデータ処理を実行する。したがって、第2集積回路120Eは、
図1、
図4又は
図6を参照して説明されたデータ処理部500に対応する。
【0116】
第8実施形態と同様に、第2集積回路120Eは、タイマ123と、符号化部510Cと、送信部522と、を含む。第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0117】
第2集積回路120Eは、制御部121Eと、I/Oセクション122Eと、を更に含む。制御部121Eは、第2集積回路120E内でのデータ処理に関する制御を全体的に実行する。したがって、I/Oセクション122E、タイマ123、符号化部510C及び送信部522は、制御部121Eの制御下で動作する。
【0118】
電力供給部600Eは、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取ると、電力供給部600Eは、タイマ123の起動を要求する要求信号を生成する。要求信号は、電力供給部600Eから第2集積回路120Eへの電力供給の開始に略同期して、電力供給部600Eから制御部121Eへ出力される。制御部121Eは、要求信号に応じて、タイマ123を起動する。
【0119】
タイマ123の起動後、制御部121Eは、様々な情報を表す表示データを生成してもよい。表示データは、制御部121Eから、I/Oセクション122Eを通じて、ユーザインターフェース130へ出力される。例えば、表示データは、ウェアラブル端末100Eが、音声指示を受け付けることができる状態となったことを表してもよい。代替的に、表示データは、音声指示が終了されるまでの期間を表してもよい。更に代替的に、表示データは、ユーザにとって有用な他の情報を表してもよい。本実施形態の原理は、表示データによって表される特定の情報に限定されない。
【0120】
ユーザインターフェース130は、ディスプレイ131と、タッチパネル132と、を含む。ディスプレイ131は、制御部121Eによって生成された表示データが表す情報を表示する。したがって、ユーザは、ウェアラブル端末100Eから提供された情報を視覚的に取得することができる。
【0121】
ユーザは、タッチパネル132を操作し、様々な情報を、ウェアラブル端末100Eに入力することができる。ユーザがタッチパネル132を通じて入力した情報は、I/Oセクション122Eを通じて、制御部121Eへ出力される。制御部121Eは、ユーザからの入力情報に応じて、様々な制御信号を生成してもよい。様々な制御信号は、送信部522及びアンテナ部521を通じて、ネットワークに出力されてもよい。本実施形態の原理は、入力情報の特定の内容や制御信号によって規定される特定の制御内容に限定されない。
【0122】
<第10実施形態>
ウェアラブル端末は、上肢部から取り外されることもある。ユーザが、上肢部から取り外されたウェアラブル端末を放置するならば、第三者が、ウェアラブル端末を拾得することもある。第三者が、ウェアラブル端末を操作するならば、家電機器は、望ましくない動作を行うこともある。したがって、ウェアラブル端末は、真のユーザによってのみ動作することが好ましい。第10実施形態において、真のユーザを見極めるための認証機能を有するウェアラブル端末が説明される。
【0123】
図11は、第10実施形態のウェアラブル端末100Fの概略的なブロック図である。
図1、
図4、
図6及び
図11を参照して、ウェアラブル端末100Fが説明される。第9実施形態及び第10実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第9実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0124】
第9実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Fは、第1集積回路110と、ユーザインターフェース130と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、を備える。第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0125】
ウェアラブル端末100Fは、第2集積回路120Fと、電力供給部600Fと、電源ボタン610と、を更に備える。ユーザが、電源ボタン610を操作し、ウェアラブル端末100Fの起動を要求すると、電力供給部600Fは、第1集積回路110、第2集積回路120F及びユーザインターフェース130への電力供給を開始する。電力供給部600Fから第1集積回路110への電力供給は、ユーザが、電源ボタン610を操作し、電力供給部600Fから第1集積回路110への電力供給の停止を要求するまで継続する。
【0126】
第9実施形態と同様に、第2集積回路120Fは、I/Oセクション122Eと、タイマ123と、符号化部510Cと、送信部522と、を含む。第9実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0127】
第2集積回路120Fは、制御部121Fと、記憶部124と、認証部125と、を更に含む。制御部121Fは、第2集積回路120F内でのデータ処理に関する制御を全体的に実行する。したがって、I/Oセクション122E、タイマ123、記憶部124、認証部125、符号化部510C及び送信部522は、制御部121Fの制御下で動作する。
【0128】
制御部121Fは、パスワードの入力を要求するための表示データを生成してもよい。表示データは、制御部121Fから、I/Oセクション122Eを通じて、ディスプレイ131へ出力される。この結果、ディスプレイ131は、パスワードの入力を要求するための画像を表示する。
【0129】
ユーザは、ディスプレイ131上のパスワード要求画像に応じて、タッチパネル132を操作し、パスワードを入力する。入力されたパスワードを表す認証情報は、タッチパネル132からI/Oセクション122Eへ出力される。I/Oセクション122Eは、制御部121Fの制御下で、認証情報を認証部125へ出力する。
【0130】
記憶部124は、ユーザが予め設定したパスワードを記憶している。認証情報を受け取った認証部125は、記憶部124からパスワードを読み出す。認証部125は、その後、認証情報を、読み出されたパスワードと比較する。
【0131】
認証情報が、読み出されたパスワードに合致するならば、認証部125は、認証が成功裏に完了したことを制御部121Fへ通知する。制御部121Fは、その後、認証が完了したことを表す表示データを生成してもよい。表示データは、制御部121Fから、I/Oセクション122Eを通じて、ディスプレイ131に出力される。この結果、ディスプレイ131は、認証処理が成功裏に完了したことを表す画像を表示する。
【0132】
認証情報が、読み出されたパスワードに合致しないならば、認証部125は、認証が失敗したことを制御部121Fへ通知する。制御部121Fは、その後、パスワードの再入力及び/又は認証の中断を促すための表示データを生成してもよい。表示データは、制御部121Fから、I/Oセクション122Eを通じて、ディスプレイ131に出力される。この結果、ディスプレイ131は、パスワードの再入力及び/又は認証の中断を促す画像を表示する。ユーザは、表示された画像に応じて、タッチパネル132を操作し、パスワードを再度入力する。あるいは、ユーザは、表示された画像に応じて、タッチパネル132を操作し、認証処理の中断を、ウェアラブル端末100Fに要求する。タッチパネル132を通じて入力された中断処理の要求は、I/Oセクション122Eを通じて、タッチパネル132から制御部121Fへ出力される。
【0133】
認証が完了したことを表す表示データがディスプレイ131へ出力された後、又は、制御部121Fが、中断処理の要求を受け取った後、制御部121Fは、電力供給の停止を要求する制御信号を生成する。制御信号は、制御部121Fから電力供給部600Fへ出力される。この結果、電力供給部600Fは、第1集積回路110への電力供給を継続する一方で、第2集積回路120F及びユーザインターフェース130への電力供給を停止する。
【0134】
ユーザが、その後、上肢部に所定の動作を与えると、動作判定部400Cは、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、動作判定部400Cから、第2集積回路120Fと電力供給部600Fとに出力される。電力供給部600Fがトリガ信号を受け取ると、電力供給部600Fは、第2集積回路120F及びユーザインターフェース130への電力供給を再開する。
【0135】
電力供給部600Fは、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取ると、電力供給部600Fは、タイマ123の起動を要求する要求信号を生成する。要求信号は、電力供給部600Fから第2集積回路120Fへの電力供給の開始に略同期して、電力供給部600Fから制御部121Fへ出力される。制御部121Fは、要求信号に応じて、タイマ123を起動する。
【0136】
第2集積回路120Fが、トリガ信号を、動作判定部400Cから受け取り、且つ、第2集積回路120Fが、電力供給部600Fから電力供給を受けると、第2集積回路120Fは、マイクロフォン200Cから受け取った音声データを、送信データに変換するデータ処理を実行する。したがって、第2集積回路120Fは、
図1、
図4又は
図6を参照して説明されたデータ処理部500に対応する。
【0137】
ユーザ認証が、成功裏に完了するならば、ユーザ認証の結果は、ウェアラブル端末100Fが上肢部から取り外されるまで有効であってもよい。したがって、ユーザは、上述の認証作業を頻繁に行わなくてもよい。
【0138】
ウェアラブル端末100Fは、電源ボタン610に対する操作に応じて、認証処理を開始する。代替的に、認証処理は、ウェアラブル端末100Fが上肢部へ装着されたときに開始されてもよい。したがって、本実施形態の原理は、認証処理を開始するための特定の動作に限定されない。
【0139】
ウェアラブル端末100Fは、ユーザ認証のためにパスワードを用いている。代替的に、他の認証技術が、ユーザ認証に用いられてもよい。声紋認証技術、指紋認証技術や虹彩認証技術といった生体認証技術が、ユーザ認証に利用されてもよい。代替的に、血圧測定技術や脈拍測定技術が、ユーザ認証に利用されてもよい。認証処理時に測定された血圧及び/又は認証処理時に測定された脈拍が、血圧又は脈拍に関する過去の測定データと比較されるならば、ウェアラブル端末は、ウェアラブル端末を利用しようとしている者が、真のユーザであるか否かを見極めることができる。したがって、本実施形態の原理は、特定の認証技術に何ら限定されない。
【0140】
<第11実施形態>
第10実施形態に関連して説明されたウェアラブル端末は、様々な動作を実行することができる。第11実施形態において、ウェアラブル端末の例示的な動作が説明される。
【0141】
図12は、ウェアラブル端末100Fの例示的な動作を表す概略的なフローチャートである。
図3、
図5、
図7、
図11及び
図12を参照して、ウェアラブル端末100F内の動作が説明される。
【0142】
(ステップS405)
ステップS405において、ユーザは、電源ボタン610を操作し、ウェアラブル端末100Fの起動を要求する。ステップS405は、ユーザがウェアラブル端末100Fの起動を要求するまで続けられる。ユーザがウェアラブル端末100Fの起動を要求すると、ステップS410が実行される。
【0143】
(ステップS410)
ステップS410において、電力供給部600Fは、第1集積回路110、第2集積回路120F及びユーザインターフェース130への電力供給を開始する。その後、ステップS415が実行される。
【0144】
(ステップS415)
ステップS415において、第10実施形態に関連して説明された認証処理を行う。ウェアラブル端末100Fが、ユーザを適切に認証すると、ステップS420が実行される。
【0145】
(ステップS420)
ステップS420において、電力供給部600Fは、第2集積回路120F及びユーザインターフェース130への電力供給を停止する。一方、電力供給部600Fは、第1集積回路110への電力供給を継続する。その後、ステップS425が実行される。
【0146】
(ステップS425)
ステップS425において、動作判定部400Cは、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求しているか否かを判定する。すなわち、ステップS425において、
図3を参照して説明された判定ステップが実行される。
図5を参照して説明されたように、判定ステップにおいて、加速度と加速度閾値との間の比較が行われてもよい(
図5のステップS230)。加えて、運動センサ300Cから得られた運動データと予め記憶されたパターンデータとの比較が行われてもよい(
図5のステップS240)。代替的に、
図7を参照して説明されたように、判定ステップにおいて、回転角と回転角閾値との間の比較が行われてもよい(
図7のステップS350)。本実施形態の原理は、特定の判定技術に限定されない。
【0147】
動作判定部400Cは、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求していないと判定するならば、ステップS430が実行される。動作判定部400Cは、ユーザが、家電機器に対する遠隔操作を要求していると判定するならば、ステップS435が実行される。
【0148】
(ステップS430)
ステップS430において、電力供給部600Fは、ユーザが、電源ボタン610を操作し、電力供給を停止しようとしているか否かを判定する。ユーザが、電源ボタン610を操作し、電力供給を停止するならば、ウェアラブル端末100Fは、動作を終了する。他の場合には、ステップS425が実行される。
【0149】
(ステップS435)
ステップS435において、動作判定部400Cは、トリガ信号を生成する。トリガ信号は、動作判定部400Cから電力供給部600F及び制御部121Fへ出力される。電力供給部600Fは、トリガ信号に応じて、第2集積回路120F及びユーザインターフェース130への電力供給を再開する。制御部121Fは、トリガ信号に応じて、タイマ123を起動する。その後、ステップS440が実行される。
【0150】
(ステップS440)
ステップS440において、ユーザは、家電機器を操作するための音声指示をウェアラブル端末100Fに与える。音声指示は、マイクロフォン200Cによって、電気信号(音声データ)に変換される。音声データは、I/Oセクション122Eを通じて、符号化部510Cへ出力される。その後、ステップS445が実行される。
【0151】
(ステップS445)
ステップS445において、制御部121Fは、音声入力のために予め設定された入力期間が完了しているか否かを判定する。制御部121Fが、タイマ123から、入力期間の完了の通知を受けているならば、ステップS450が実行される。代替的に、制御部121Fは、符号化部510Cから符号化処理が完了したことを表す通知を受け取ってもよい。この場合にも、ステップS450が実行される。他の場合には、ステップS435が実行される。
【0152】
(ステップS450)
ステップS450において、符号化部510Cは、音声データを符号化し、送信データを生成する。送信データは、符号化部510Cから送信部522へ出力される。その後、ステップS455が実行される。
【0153】
(ステップS455)
ステップS455において、送信部522は、アンテナ部521から送信データを送信する。その後、ステップS460が実行される。
【0154】
(ステップS460)
ステップS460において、電力供給部600Fは、ユーザが、電源ボタン610を操作し、電力供給を停止しようとしているか否かを判定する。ユーザが、電源ボタン610を操作し、電力供給を停止するならば、ウェアラブル端末100Fは、動作を終了する。他の場合には、ステップS420が実行される。
【0155】
<第12実施形態>
ウェアラブル端末は、ユーザの上肢部に装着される。ユーザが携帯する通信機器が、ウェアラブル端末が生成した送信データを中継するならば、ウェアラブル端末は、送信データの送信のために多量の電力を消費しない。第12実施形態において、ウェアラブル端末の過度の電力消費を生じさせない通信技術が説明される。
【0157】
制御システム700は、様々な家電機器を制御する。
図13は、家電機器として、テレビ装置AP1と、空調機器AP2と、洗濯機AP3と、を示す。本実施形態の原理は、制御システム700によって制御される特定の家電機器に限定されない。
【0158】
制御システム700は、ウェアラブル端末101と、スマートフォン710と、ホームゲートウェイ720と、クラウドサーバ730と、を備える。ウェアラブル端末101は、
図1、
図4、
図6、
図8乃至
図11を参照して説明されたウェアラブル端末100,100A,100B,100C,100D,100E,100Fのうち1つであってもよい。ウェアラブル端末101は、屋外に存在するユーザの手首に装着されている。代替的に、ウェアラブル端末は、ユーザの上肢部の他の部位(例えば、指)に装着されてもよい。本実施形態の原理は、ウェアラブル端末の特定の装着位置に限定されない。
【0159】
ウェアラブル端末101及びスマートフォン710はともに、ユーザによって携帯される通信機器であるので、ウェアラブル端末101は、ユーザからの音声指示を表す送信データを、Bluetooth(登録商標)といった近距離通信技術を用いて、スマートフォン710へ送信することができる。したがって、ウェアラブル端末101は、送信データの送信のために、過度に大きな電力を消費しない。
【0160】
スマートフォン710は、広い領域をカバーすることができる無線通信技術(例えば、W−CDMAやLTE)を用いて、基地局(図示せず)を介して、クラウドサーバ730と通信可能である。スマートフォン710とクラウドサーバ730との間の通信は、既知の様々な通信技術に基づいてもよい。したがって、本実施形態の原理は、スマートフォン710とクラウドサーバ730との間の通信に利用される特定の通信技術に限定されない。
【0161】
ウェアラブル端末101によって生成された送信データは、スマートフォン710を通じて、クラウドサーバ730へ送信される。クラウドサーバ730が、送信データを受信すると、クラウドサーバ730は、送信データに対して、復号化処理を施与する。その後、クラウドサーバ730は、復号化された送信データを解析する。クラウドサーバ730は、送信データの解析のために、様々な音声認識技術を利用することができる。本実施形態の原理は、特定の音声認識技術に限定されない。
【0162】
クラウドサーバ730は、送信データの解析結果に基づいて、制御データを生成する。制御データは、ユーザの音声指示によって規定された制御対象の家電機器に関する情報、ユーザの音声指示によって規定された制御内容や家電機器の制御に必要な他の情報を含んでもよい。例えば、ユーザが、「空調機器を25℃の設定温度で動作させる」との音声指示をウェアラブル端末101に与えるならば、クラウドサーバ730によって生成された制御データは、制御対象として、「空調機器AP2」を指定し、且つ、制御内容として、「25℃の設定温度での運転」を規定する。
【0163】
制御データは、クラウドサーバ730からホームゲートウェイ720へ送信される。ホームゲートウェイ720は、制御データによって指定された家電機器へ制御データを転送する。上述の如く、制御データが、「空調機器AP2」を指定しているならば、ホームゲートウェイ720は、空調機器AP2へ制御データを転送する。制御データが、「25℃の設定温度での運転」を規定しているならば、空調機器AP2は、25℃の設定温度で運転する。
【0164】
<第13実施形態>
ウェアラブル端末は、他の携帯端末から出力される電波や家電機器から出力される電波を受信してもよい。この場合、ウェアラブル端末は、受信された電波に関する情報をネットワークに与えてもよい。この結果、ウェアラブル端末から出力される送信データに対して、適切な通信経路が設定される。第13実施形態において、他の携帯端末から出力される電波や家電機器から出力される電波を受信することができるウェアラブル端末が説明される。
【0165】
図14は、第13実施形態のウェアラブル端末100Gの概略的なブロック図である。
図14を参照して、ウェアラブル端末100Gが説明される。第10実施形態及び第13実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第10実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第10実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0166】
第10実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Gは、第1集積回路110と、ユーザインターフェース130と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、電力供給部600Fと、電源ボタン610と、を備える。第10実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0167】
ウェアラブル端末100Gは、第2集積回路120Gを更に備える。第10実施形態と同様に、第2集積回路120Gは、送信データの生成、ユーザインターフェース130の制御やユーザ認証といった処理を実行する。第10実施形態に関連して説明された処理動作は、第2集積回路120Gに援用される。
【0168】
第10実施形態と同様に、第2集積回路120Gは、I/Oセクション122Eと、タイマ123と、記憶部124と、認証部125と、符号化部510Cと、を含む。第10実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0169】
第2集積回路120Gは、制御部121Gと、通信部522Gと、を更に含む。第10実施形態と同様に、通信部522Gは、送信データを、アンテナ部521を通じて送信する。加えて、通信部522Gは、アンテナ部521が受信した電波から信号を生成する。生成された信号は、通信部522Gから制御部121Gへ出力される。
【0170】
制御部121Gは、通信部522Gからの信号から、ウェアラブル端末100Gと通信可能な複数の機器が存在しているか否かを判定する。ウェアラブル端末100Gと通信可能な複数の機器が存在していると、制御部121Gが判定するならば、ウェアラブル端末100Gの通信先の選択を要求する要求信号を生成してもよい。要求信号は、通信部522G及びアンテナ部521を通じて、ネットワークへ送信される。
【0171】
図15は、ウェアラブル端末100Gの例示的な使用環境を表す概略図である。
図14及び
図15を参照して、ウェアラブル端末100Gの通信先を選択するための技術が説明される。第12実施形態及び第13実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第12実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第12実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0172】
図15は、家電機器として、テレビ装置AP1,AP4と、空調機器AP2と、洗濯機AP3と、を示す。本実施形態の原理は、制御対象となる特定の家電機器に限定されない。
【0173】
ウェアラブル端末100Gは、在宅中のユーザの手首に装着されている。代替的に、ウェアラブル端末は、ユーザの上肢部の他の部位(例えば、指)に装着されてもよい。本実施形態の原理は、ウェアラブル端末の特定の装着位置に限定されない。
【0174】
ウェアラブル端末100Gのアンテナ部521は、スマートフォン710だけでなく、テレビ装置AP4からも電波を受ける。制御部121Gは、ウェアラブル端末100Gが通信可能な機器として、スマートフォン710とテレビ装置AP4が存在していることを見極めることができる。第12実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Gとスマートフォン710との間の通信は、近距離無線技術(例えば、Bluetooth(登録商標))に基づいてもよい。同様に、ウェアラブル端末100Gとテレビ装置AP4との間の通信も、近距離無線技術に基づいてもよい。
【0175】
制御部121Gは、スマートフォン710及びテレビ装置AP4のうち一方を通信先として定めることを要求する要求信号を生成する。要求信号は、スマートフォン710を通じて、ウェアラブル端末100Gからクラウドサーバ730へ送信されてもよい。代替的に、要求信号は、テレビ装置AP4を通じて、ウェアラブル端末100Gからクラウドサーバ730へ送信されてもよい。
【0176】
クラウドサーバ730は、所定の判断基準に基づいて、スマートフォン710及びテレビ装置AP4のうち一方を通信先として決定してもよい。クラウドサーバ730は、決定された通信先を表す通信先信号を生成する。通信先信号は、スマートフォン710を通じて、クラウドサーバ730からウェアラブル端末100Gへ送信されてもよい。代替的に、通信先信号は、テレビ装置AP4を通じて、クラウドサーバ730からウェアラブル端末100Gへ送信されてもよい。
【0177】
テレビ装置AP4は、有線LANを通じて、ホームゲートウェイ720に接続されているので、通信帯域の広さの観点から、クラウドサーバ730は、テレビ装置AP4を、ウェアラブル端末100Gの通信先として決定してもよい。代替的に、クラウドサーバ730は、他の判断基準に基づいて、ウェアラブル端末100Gの通信先を決定してもよい。本実施形態の原理は、特定の判断基準に限定されない。
【0178】
クラウドサーバ730に代えて、ユーザが、ウェアラブル端末100Gの通信先を決定してもよい。制御部121Gは、候補となる通信先(
図13に示される使用環境において、スマートフォン710及びテレビ装置AP4)に関する情報をディスプレイ131に表示させてもよい。ユーザは、タッチパネル132を操作し、スマートフォン710及びテレビ装置AP4のうち一方を、ウェアラブル端末100Gの通信先として指定してもよい。更に代替的に、候補となる通信先は、スマートフォン710に表示されてもよい。ユーザは、スマートフォン710を操作し、スマートフォン710及びテレビ装置AP4のうち一方を、ウェアラブル端末100Gの通信先として指定してもよい。
【0179】
クラウドサーバ730、スマートフォン710及びウェアラブル端末100Gのうち少なくも1つが、通信先を指定する機能を有してもよい。代替的に、テレビ装置AP1,AP4、空調機器AP2、洗濯機AP3やホームゲートウェイ720が、通信先を指定する機能を有してもよい。
【0180】
<第14実施形態>
ユーザが、ウェアラブル端末の周囲に存在する通信装置を操作すると、或いは、ユーザが移動すると、ウェアラブル端末の周りの通信環境が変化することもある。したがって、ウェアラブル端末の通信先が、通信環境の変化に対応して再設定されることが好ましい。第14実施形態において、通信環境の変化に対応して通信先を再設定する技術が説明される。
【0181】
図16A及び
図16Bは、ウェアラブル端末100Gの例示的な使用環境を表す概略図である。
図14、
図16A及び
図16Bを参照して、ウェアラブル端末100Gの通信先を切り替えるための技術が説明される。第13実施形態及び第14実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第13実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第13実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0182】
図16Aは、家電機器として、テレビ装置AP1,AP4と、空調機器AP2と、洗濯機AP3と、を示す。本実施形態の原理は、制御対象となる特定の家電機器に限定されない。
【0183】
第13実施形態に関連して説明された原理に従って、ウェアラブル端末100Gの通信先として、テレビ装置AP4が選択されている。このとき、ユーザは、スマートフォン710の通信方式を、W−CDMA又はLTEに設定している。
【0184】
その後、ユーザは、スマートフォン710の通信方式を、WiFiに切り替える。この結果、スマートフォン710とホームゲートウェイ720との間で、WiFi接続が構築される。
【0185】
ウェアラブル端末100Gのアンテナ部521は、WiFi接続に用いられる電波を受ける。この結果、制御部121Gは、ウェアラブル端末100Gの周りの通信環境が変化したことを検知することができる。制御部121Gは、ウェアラブル端末100Gの通信先の選択を要求する要求信号を生成する。要求信号は、通信部522G及びアンテナ部521を通じて、クラウドサーバ730へ送信される。
【0186】
クラウドサーバ730は、通信帯域の広い通信機器をウェアラブル端末100Gの通信先として選択するように設定されている。スマートフォン710とホームゲートウェイ720との間のWiFi接続は、テレビ装置AP4とホームゲートウェイ720との間の通信接続よりも広い帯域を有する。したがって、クラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、テレビ装置AP4からスマートフォン710へ切り替える。
【0187】
<第15実施形態>
ウェアラブル端末の通信先として利用可能な通信機器は、クラウドサーバに予め登録されてもよい。クラウドサーバ内に登録された通信機器に対して、優先順位が予め設定されてもよい。第15実施形態において、予め設定された優先順位に従って、通信先を設定する技術が説明される。
【0188】
図17は、ウェアラブル端末100Gの通信先としてクラウドサーバ730に登録された通信機器の概略図である。
図14、
図15及び
図17を参照して、ウェアラブル端末100Gの通信先の設定技術が説明される。
【0189】
図17は、スマートフォンA、スマートフォンB、カーナビゲーションシステム、テレビ装置及びホームゲートウェイを示す。スマートフォンA、スマートフォンB、カーナビゲーションシステム、テレビ装置及びホームゲートウェイそれぞれは、ウェアラブル端末100Gと近距離無線技術によって通信可能に接続可能である。
【0190】
クラウドサーバ730には、スマートフォンA、スマートフォンB、カーナビゲーションシステム、テレビ装置及びホームゲートウェイそれぞれの情報(例えば、通信アドレス)が記憶される。クラウドサーバ730は、スマートフォンA、スマートフォンB、カーナビゲーションシステム、テレビ装置及びホームゲートウェイからウェアラブル端末100Gの通信先を選択する。
【0191】
図18は、クラウドサーバ730に設定された優先順位を表す表である。
図14、
図15、
図17及び
図18を参照して、ウェアラブル端末100Gの通信先の設定技術が更に説明される。
【0192】
第14実施形態に関連して説明された如く、ウェアラブル端末100Gは、ウェアラブル端末100Gの周りの通信環境に関する情報をクラウドサーバ730へ伝達することができる。クラウドサーバ730は、通信環境に関する情報から、ユーザの居場所を判定してもよい。通信環境に関する情報が、カーナビゲーションシステムからの電波の存在を表しているならば、クラウドサーバ730は、ユーザが車内に存在していると判断してもよい。通信環境に関する情報が、テレビ装置やホームゲートウェイからの電波の存在を表しているならば、クラウドサーバ730は、ユーザが家の中に存在していると判断してもよい。通信環境に関する情報が、スマートフォンA及び/又はスマートフォンBからの電波のみの存在を表しているならば、クラウドサーバ730は、ユーザが、家の外に存在していると判断してもよい。ウェアラブル端末100Gが、GPS機能を有しているならば、クラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100GからのGPS情報に基づいて、ユーザの居場所を判定してもよい。本実施形態の原理は、ユーザの居場所を検知するための特定の技術に限定されない。
【0193】
図18に示される優先順位の設定の下では、ユーザが車内に存在していると判定したクラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、カーナビゲーションシステムに設定する。ユーザが家の中に存在していると判定したクラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、テレビ装置に設定する。ウェアラブル端末100Gが、テレビ装置と通信可能な環境にないならば、クラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、テレビ装置からホームゲートウェイに変更する。ウェアラブル端末100Gが、ホームゲートウェイとも通信可能な環境にないならば、クラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、ホームゲートウェイからスマートフォンAに更に変更する。ユーザが家の外に存在していると判定したクラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、スマートフォンAに設定する。ウェアラブル端末100Gが、スマートフォンAと通信可能な環境にないならば、クラウドサーバ730は、ウェアラブル端末100Gの通信先を、スマートフォンAからスマートフォンBに変更する。
【0194】
通信先の優先順位は、ユーザによって設定されてもよい。例えば、ユーザは、ウェアラブル端末100Gのタッチパネル132を操作し、通信先の優先順位を設定及び/又は変更してもよい。代替的に、ユーザは、スマートフォンや他の通信機器を用いて、優先順位の設定及び/又は変更を行ってもよい。
【0195】
<第16実施形態>
ウェアラブル端末が、近距離通信技術(例えば、Bluetooth(登録商標))を用いて、他の通信機器と通信するならば、ウェアラブル端末は、通信のために過度に大きな電力を消費しない。しかしながら、ウェアラブル端末と通信可能な通信機器が、近距離通信技術によってカバーされる通信範囲内に存在しないこともある。したがって、ウェアラブル端末は、通信可能距離を、使用環境に合わせて変更してもよい。第16実施形態において、通信可能距離を変更することができるウェアラブル端末が説明される。
【0196】
図19は、第16実施形態のウェアラブル端末100Hの概略的なブロック図である。
図18及び
図19を参照して、ウェアラブル端末100Hが説明される。第13実施形態及び第16実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第13実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第13実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0197】
第13実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Hは、第1集積回路110と、ユーザインターフェース130と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、電力供給部600Fと、電源ボタン610と、を備える。第13実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0198】
ウェアラブル端末100Hは、第2集積回路120Hを更に備える。第13実施形態と同様に、第2集積回路120Hは、送信データの生成、ユーザインターフェース130の制御やユーザ認証といった処理を実行する。第13実施形態に関連して説明された処理動作は、第2集積回路120Hに援用される。
【0199】
第13実施形態と同様に、第2集積回路120Hは、I/Oセクション122Eと、タイマ123と、記憶部124と、認証部125と、符号化部510Cと、を含む。第13実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0200】
第2集積回路120Hは、制御部121Hと、切替部126と、第1通信部523と、第2通信部524と、を更に含む。ウェアラブル端末100Hは、第1通信部523及びアンテナ部521の組を用いて、第1通信技術に基づく通信を行ってもよい。ウェアラブル端末100Hは、第2通信部524及びアンテナ部521の組を用いて、第2通信技術に基づく通信を行ってもよい。切替部126は、通信に用いられる通信素子を、第1通信部523及び第2通信部524から選択する。
【0201】
第2通信技術は、第1通信技術よりも広い範囲に送信データを到達させることができる一方で、第2通信技術は、第1通信技術よりも多くの電力を必要とする。第1通信技術は、Bluetooth(登録商標)によって例示されてもよい。第2通信技術は、WiFiによって例示されてもよい。
【0202】
図18を参照して説明された如く、ユーザが家の中に存在しているとき、スマートフォンA、テレビ装置及びホームゲートウェイがウェアラブル端末100Hの通信先として設定されてもよい。この場合、ユーザが家の中に存在し、且つ、スマートフォンA、テレビ装置及びホームゲートウェイ全てがウェアラブル端末100Hから大きく離れているならば、ウェアラブル端末100Hは、第1通信技術を用いて、スマートフォンA、テレビ装置及びホームゲートウェイと適切に通信できないこともある。第1通信技術に代えて、ウェアラブル端末100Hが、第2通信技術を用いるならば、ウェアラブル端末100Hは、スマートフォンA、テレビ装置及びホームゲートウェイのうち少なくとも1つと通信できることもある。
【0203】
図20A及び
図20Bは、ウェアラブル端末100Hの例示的な使用環境を表す概略図である。
図19乃至
図20Bを参照して、第1通信技術と第2通信技術との間での通信技術の切替が説明される。
【0204】
電力供給部600Fが、第2集積回路120Hへ電力を供給すると、制御部121Hは、第1通信技術及び第2通信技術のうち一方の選択を要求するための画像データを生成してもよい。画像データは、I/Oセクション122Eを通じて、ディスプレイ131に出力される。ディスプレイ131は、画像データを用いて、第1通信技術及び第2通信技術のうち一方の選択を要求する画像を表示する。ユーザは、タッチパネル132を操作し、第1通信技術及び第2通信技術のうち一方を選択する。選択された通信技術を表す情報は、I/Oセクション122Eを通じて、タッチパネル132から制御部121Hへ出力される。
【0205】
ユーザが、第1通信技術を選択するならば、制御部121Hは、切替部126を制御し、第1通信部523から送信データを送信する。この結果、ウェアラブル端末100Hは、電力を大きく消費することなく、送信データをホームゲートウェイ720へ送信することができる。
【0206】
ユーザが、第2通信技術を選択するならば、制御部121Hは、切替部126を制御し、第2通信部524から送信データを送信する。この結果、ウェアラブル端末100Hから大きく離れたホームゲートウェイ720は、送信データを受け取ることができる。
【0207】
通信技術の選択は、ユーザの操作に依存しなくてもよい。制御部121Hは、通信状況に応じて、通信技術を自動的に切り替えてもよい。例えば、第1通信技術の下での通信が可能でないと制御部121Hが判断するならば、或いは、制御部121Hが、第1通信技術の下での通信の中断を検知するならば、切替部126は、自動的に、第2通信技術を選択してもよい。代替的に、第1通信技術の下での通信が可能でないと制御部121Hが判断するならば、或いは、制御部121Hが、第1通信技術の下での通信の中断を検知するならば、ディスプレイ131を通じて、ユーザに通信技術の切替を促してもよい。本実施形態の原理は、通信技術を切り替えるための特定の方法に限定されない。
【0208】
必要に応じて、制御部121Hは、タイマ123を用いて、第2通信技術の使用期間を制限してもよい。この場合、ウェアラブル端末100Hは、過度に大きな電力を消費しなくなる。
【0209】
<第17実施形態>
ウェアラブル端末は、スマートフォンといった中継装置を用いることなく、クラウドサーバにアクセスしてもよい。第17実施形態において、スマートフォンといった中継装置を用いることなく、クラウドサーバにアクセスすることができるウェアラブル端末が説明される。
【0210】
図21は、第17実施形態のウェアラブル端末100Iの概略的なブロック図である。
図21を参照して、ウェアラブル端末100Iが説明される。第16実施形態及び第17実施形態の間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第16実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第16実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0211】
第16実施形態と同様に、ウェアラブル端末100Iは、第1集積回路110と、ユーザインターフェース130と、マイクロフォン200Cと、アンテナ部521と、電力供給部600Fと、電源ボタン610と、を備える。第16実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0212】
ウェアラブル端末100Iは、第2集積回路120Iを更に備える。第16実施形態と同様に、第2集積回路120Iは、送信データの生成、ユーザインターフェース130の制御、ユーザ認証や通信技術の切替といった処理を実行する。第16実施形態に関連して説明された処理動作は、第2集積回路120Iに援用される。
【0213】
第16実施形態と同様に、第2集積回路120Iは、制御部121Hと、I/Oセクション122Eと、タイマ123と、記憶部124と、認証部125と、符号化部510Cと、第1通信部523と、第2通信部524と、を含む。第16実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
【0214】
第2集積回路120Iは、切替部126Iと、第3通信部525と、を更に含む。切替部126Iは、制御部121Hの制御下で、送信データの送信に用いられる通信素子を、第1通信部523、第2通信部524及び第3通信部525から選択する。
【0215】
切替部126Iが、第3通信部525を選択すると、ウェアラブル端末100Iは、第3通信技術に基づく通信を行う。第3通信技術は、第2通信技術よりも広い範囲に送信データを到達させることができる一方で、第3通信技術は、第2通信技術よりも多くの電力を必要とする。第3通信技術は、3Gによって例示されてもよい。
【0216】
切替部126Iが、第3通信部525を選択すると、ウェアラブル端末100Iは、スマートフォンといった中継通信装置を利用することなく、クラウドサーバへ送信データを届けることができる。したがって、屋外のユーザが、スマートフォンを所持していなくとも、ユーザは、家電機器を遠隔操作することができる。
【0217】
<第18実施形態>
ユーザは、ウェアラブル端末に音声指示を与え、家電機器だけでなく、他の装置を操作してもよい。例えば、ユーザが、ウェアラブル端末に音声指示を与え、スマートフォンを遠隔操作することができるならば、ユーザは、スマートフォンを鞄から取り出すことなく、スマートフォンを動作させることができる。第18実施形態において、家電機器だけでなく、他の装置をも遠隔操作することができるウェアラブル端末が説明される。
【0218】
図22は、第18実施形態のウェアラブル端末102の例示的な使用環境を表す概略図である。
図22を参照して、ウェアラブル端末102が説明される。
【0219】
上述の様々な実施形態と同様に、ユーザは、ウェアラブル端末102に音声指示を与え、家電機器のネットワークを遠隔操作することができる。したがって、上述の様々な実施形態に関連して説明された家電機器のネットワークに対する遠隔操作技術は、ウェアラブル端末102に適用される。
【0220】
上述の様々な実施形態とは異なり、ユーザは、ウェアラブル端末102に音声指示を与え、スマートフォンを遠隔操作することができる。スマートフォンを遠隔操作するための送信データの生成技術は、家電機器のネットワークを遠隔操作するための送信データの生成技術と同一であってもよい。
【0221】
ユーザが、音声指示を与えるときに、遠隔操作のターゲットとなる機器の名称を言う必要があるならば、ユーザは、音声指示を与えることを煩わしいと感じることがある。第15実施形態に関連して説明された優先順位の設定技術は、ユーザが感じる煩わしさを解消することに貢献する。
【0222】
図23は、クラウドサーバ内で設定された優先順位を表す表である。
図22及び
図23を参照して、家電機器及びスマートフォンに対する遠隔操作技術が説明される。
【0223】
クラウドサーバ内において、スマートフォンよりも高い優先順位が、家電機器のネットワークに対して与えられている。第15実施形態に関連して説明された如く、ユーザは、ウェアラブル端末102を操作し、優先順位の設定を変更してもよい。
【0224】
ユーザが、遠隔操作のターゲットとなる機器の名称を音声指示に含めないならば、クラウドサーバは、
図23に示される優先順位の設定の下では、音声指示が家電機器のネットワークに与えられていると判断する。したがって、ユーザは、スマートフォンを遠隔操作するときのみ、「スマートフォン」を表す語句を音声指示に含めればよい。
【0225】
ユーザが、「スマートフォン」を表す語句を音声指示に含めず、且つ、スマートフォン固有の機能(たとえば、写真撮影)を音声指示に含めているならば、クラウドサーバは、音声指示がスマートフォンに対して与えられていると判定してもよい。
【0226】
<第19実施形態>
ユーザは、複数台の同種の家電機器を所有していることもある。ユーザが、2台の空調機器を所有し、且つ、ユーザが、音声指示の中に「空調機器」の語句を含めたとしても、クラウドサーバは、ユーザが2台の空調機器のどちらを遠隔操作しようとしているのかを判断できない。
【0227】
2台の空調機器それぞれに対して、固有の名称が割り当てられてもよい。この場合、ユーザは、2台の空調機器それぞれに対して割り当てられた固有の名称を記憶している必要がある。このことは、ユーザに、煩わしさを感じさせる。第19実施形態において、複数台の同種の家電機器に対する適切な遠隔操作を可能にするウェアラブル端末が説明される。
【0228】
図24は、ユーザが所有する家電機器を表す概略図である。
図24を参照して、複数台の同種の家電機器に対する適切な遠隔操作に関する技術が説明される。
【0229】
ユーザは、ホームゲートウェイと、テレビ装置と、洗濯機と、空調機器(1)と、空調機器(2)と、を所有している。従来技術の下では、空調機器(1)及び空調機器(2)に対する遠隔操作は、上述の課題に直面しやすい。第15実施形態に関連して説明された優先順位の設定技術は、上述の課題の解消に貢献する。
【0230】
図25は、クラウドサーバ内で設定された優先順位を表す表である。
図24及び
図25を参照して、家電機器及びスマートフォンに対する遠隔操作技術が説明される。
【0231】
第15実施形態と同様に、クラウドサーバは、ユーザの居場所を判別することができる。ユーザは、居場所ごとに、優先順位を設定することができる。
【0232】
ユーザが、家の外に存在している間、「空調機器(1)」は、遠隔操作のターゲットのうちの1つである一方で、「空調機器(2)」は、遠隔操作のターゲットからは外されている。したがって、ユーザが家の外に存在していると判定したクラウドサーバは、「空調機器(1)」を制御対象として適切に選択することができる。
【0233】
ユーザが、家の中に存在している間、「空調機器(2)」は、遠隔操作のターゲットのうちの1つである一方で、「空調機器(1)」は、遠隔操作のターゲットからは外されている。したがって、ユーザが家の中に存在していると判定したクラウドサーバは、「空調機器(2)」を制御対象として適切に選択することができる。
【0234】
ユーザは、ユーザ自身の日常の行動を鑑みて、優先順位を設定することができる。ユーザが、洗濯機をほとんど利用しないならば、ユーザは、洗濯機を遠隔操作のターゲットから完全に外してもよい。
【0235】
<第20実施形態>
ウェアラブル端末、ウェアラブル端末とクラウドサーバとの間でのデータの中継を担う通信機器及び家電機器が、クラウドサーバの制御下で動作可能に設計されてもよい。この場合、クラウドサーバが、ユーザの操作動作に基づいて、制御の対象を見極めることが好ましい。第20実施形態において、ユーザの操作動作に基づいて、制御対象を見極めるための技術が説明される。
【0236】
図26は、クラウドサーバの制御対象とユーザの操作動作とを関連づける表である。
図26を参照して、ユーザの操作動作に基づいて、制御対象を見極めるための技術が説明される。
【0237】
ユーザが、ウェアラブル端末の電源ボタンを操作し、ウェアラブル端末の電力供給を開始するならば、クラウドサーバは、その後の制御指示が、ウェアラブル端末に対するものであると判定してもよい。
【0238】
ユーザが、スマートフォンのタッチパネルを操作するならば、クラウドサーバは、その後の制御指示が、スマートフォンに対するものであると判定してもよい。
【0239】
ユーザが、ウェアラブル端末が装着された上肢部を運動させるならば、クラウドサーバは、その後の制御指示が、家電機器に対するものであると判定してもよい。
【0240】
上述の実施形態の一局面に係るウェアラブル端末は、ユーザの上肢部に装着可能に形成され、且つ、家電機器を、音声指示によって、ネットワークを通じた遠隔操作するシステムに利用される。ウェアラブル端末は、前記音声指示から音声データを生成する音声データ生成部と、前記上肢部の鉛直下方向と、前記ユーザの移動方向と、により規定される平面に対して、直交する第1軸方向の前記上肢部の運動を検知し、前記運動に関する運動データを生成する検知部と、前記運動データに基づいて、前記ユーザが前記家電機器に対する遠隔操作を行おうとしているか否かを判定する判定部と、前記音声データを処理するデータ処理部と、を備える。前記データ処理部は、(i)前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていると前記判定部が判定するならば、前記音声データに対応する送信データを生成する送信データ生成部と、(ii)前記送信データを前記ネットワークへ送信する送信部と、を含む。
【0241】
上記の構成によれば、検知部は、上肢部の鉛直下方向と、ユーザの移動方向と、により規定される平面に対して、直交する第1軸方向の上肢部の運動に関する運動データを生成するので、判定部は、ユーザが家電機器に対する遠隔操作を行おうとしているか否かを正確に判定することができる。ユーザが遠隔操作を行おうとしていると判定部が運動データに基づいて判定するならば、送信データ生成部は、音声データに対応する送信データを生成するので、家電機器は、正確且つ簡便に遠隔操作される。
【0242】
上記の構成において、前記運動データは、前記第1軸方向における前記上肢部の加速度を表してもよい。前記加速度が加速度閾値よりも大きいならば、前記判定部は、前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていると判定してもよい。
【0243】
上記の構成によれば、加速度が加速度閾値よりも大きいならば、判定部は、ユーザが遠隔操作を行おうとしていると判定するので、家電機器は、正確且つ簡便に遠隔操作される。
【0244】
上記の構成において、前記検知部は、前記鉛直下方向に延びる第2軸周りの前記上肢部の回転運動の角速度を検知し、前記運動データとして、前記角速度を表す角速度データを生成してもよい。前記判定部は、前記角速度データから算出された前記上肢部の回転角を回転角閾値と比較し、前記回転角が前記回転角閾値よりも大きいならば、前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていると判定してもよい。
【0245】
上記の構成によれば、判定部は、加速度だけでなく角速度を用いて、ユーザが遠隔操作を行おうとしているか否かを判定するので、家電機器は、正確且つ簡便に遠隔操作される。
【0246】
上記の構成において、ウェアラブル端末は、前記データ処理部へ電力を供給する電力供給部を更に備えてもよい。前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていると前記判定部が判定すると、前記電力供給部は、前記データ処理部へ前記電力の供給を開始してもよい。
【0247】
上記の構成によれば、ユーザが遠隔操作を行おうとしていると判定部が判定すると、電力供給部は、データ処理部へ電力の供給を開始するので、ウェアラブル端末の消費電力量は小さくなる。
【0248】
上述の実施形態の他の局面に係る制御方法は、ユーザの上肢部に装着可能に形成され、且つ、家電機器を、音声指示によって、ネットワークを通じて遠隔操作するシステムに利用されるウェアラブル端末に好適に適用される。制御方法は、前記上肢部の鉛直下方向と、前記ユーザの移動方向と、により規定される平面に対して、直交する第1軸方向の前記上肢部の運動を検知し、前記運動に関する運動データを生成する検知ステップと、前記運動データに基づいて、前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにおいて得られた判定結果が、前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていることを表しているならば、前記音声指示を受け付け、前記音声指示に対応する送信データを生成する生成ステップと、前記送信データを前記ネットワークへ送信する送信ステップと、を備える。
【0249】
上記の構成によれば、検知ステップにおいて、上肢部の鉛直下方向と、ユーザの移動方向と、により規定される平面に対して、直交する第1軸方向の上肢部の運動に関する運動データが生成されるので、判定ステップにおいて、ユーザが家電機器に対する遠隔操作を行おうとしているか否かが正確に判定される。ユーザが遠隔操作を行おうとしているとの判定結果が判定ステップにおいて得られるならば、生成ステップにおいて、音声指示に対応する送信データが生成されるので、家電機器は、正確且つ簡便に遠隔操作される。
【0250】
上記の構成において、前記検知ステップは、前記第1軸方向における前記上肢部の加速度を検知することを含んでもよい。前記判定ステップは、前記加速度を加速度閾値と比較し、前記加速度が前記加速度閾値よりも大きいならば、前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていると判定することを含んでもよい。
【0251】
上記の構成によれば、加速度が加速度閾値よりも大きいならば、判定ステップにおいて、ユーザが遠隔操作を行おうとしているとの判定結果が得られるので、家電機器は、正確且つ簡便に遠隔操作される。
【0252】
上記の構成において、前記検知ステップは、前記鉛直下方向に延びる第2軸周りの前記上肢部の回転運動の角速度を検知することを含んでもよい。前記判定ステップは、前記角速度から算出された前記上肢部の回転角を回転角閾値と比較し、前記回転角が前記回転角閾値よりも大きいならば、前記ユーザが前記遠隔操作を行おうとしていると判定することを含んでもよい。
【0253】
上記の構成によれば、判定ステップにおいて、加速度だけでなく角速度を用いて、ユーザが遠隔操作を行おうとしているか否かが判定されるので、家電機器は、正確且つ簡便に遠隔操作される。
【0254】
上述の様々な実施形態の原理は、家電機器の制御に対する要求に適合するように、組み合わされてもよい。