(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、ゲーミングマシンがゲームを提供していない場合であっても前記コントロールパネルまたはゲーミングマシン周辺に光を照射する請求項1に記載のゲーミングマシン。
前記制御部により制御され、前記投光部の照射方向又は前記投光部による照射像の位置を変更させる駆動部をさらに備える請求項1〜4の何れか一項に記載のゲーミングマシン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲーミングマシンにあっては、ゲームの進展に伴いランプを点灯させるだけであるため、光による演出が十分であるとはいえない。本技術分野では、光による演出効果を向上させたゲーミングマシンが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一側面に係るゲーミングマシンは、筐体、コントロールパネル、投光部及び制御部を備える。コントロールパネルは、筐体の前面に設けられ、ゲームに関するプレイヤーの操作を受け付ける。投光部は、コントロールパネルに向けて光を出力するように筐体に配置される。制御部は、ゲームの内容を決定するとともに投光部を点灯制御する。
【0006】
本発明の一側面に係るゲーミングマシンによれば、筐体に配置された投光部によって、光がコントロールパネルに向けて照射される。ゲーミングマシンがゲームを提供している場合には、ゲームをしているプレイヤーの手元及びコントロールパネルが投光部からの光によって照らされることになるため、プレイヤーは投光部から光が照射される態様を利用した演出を容易に認識することが可能となる。したがって、投光部からの光を利用したゲームの演出を効果的に実現することができる。さらに、ゲーミングマシンがゲームを提供していない場合であっても、投光部からの光をコントロールパネルに照射する態様を利用した演出により、周囲に居る人の注意をゲーミングマシンのコントロールパネルに集め、ゲーミングマシンをプレイすることへの関心を高めることができる。すなわち、ゲームを提供していない状態でも投光部からの光により、ゲーミングマシンの存在感を強める演出を実現することが可能となる。このように、ゲームを提供している場合と、ゲームを提供していない場合との何れか又は双方において、光を利用した演出を効果的に実現することができる。
【0007】
一実施形態では、制御部は、投光部により出力された光によってコントロールパネル上に照射像を形成してもよい。この場合、プレイヤーはゲームの光演出をより一層認識することが容易となるとともに、ゲーミングマシンの存在感を一層強めることができる。
【0008】
一実施形態では、制御部は、ゲームの進行に応じて投光部の点灯を制御してもよい。一実施形態では、投光部は、出力する光の色調を変更可能に構成されていてもよい。このように構成することで、光演出のバリエーションを増やすことができる。
【0009】
一実施形態では、ゲーミングマシンは、制御部により制御され投光部の照射方向又は投光部による照射像の位置を変更させる駆動部をさらに備えてもよい。一実施形態では、ゲーミングマシンは投光部を複数備え、制御部は、複数の投光部の点灯を順次切り替えて投光部による照射像を移動させてもよい。このように構成することで、照射像を移動させることができるため、光演出のバリエーションを増やすことができる。さらに、移動する照射像は人の興味の対象となるため、プレイヤーはゲームの光演出をより一層認識することが容易となるとともに、ゲーミングマシンの存在感を一層強めることができる。
【0010】
一実施形態では、ゲーミングマシンは、筐体の前面に設けられ投光部とコントロールパネルとの間に位置する表示部を備えてもよい。そして、制御部は、点灯制御に対応させて投光部から出力されている光の軌跡を表示部に表示させてもよい。このように構成することで、投光部から出力された光と表示部に表示させた光の光路を示す映像とを組み合わせた演出をプレイヤーへ提供することができる。よって、光による演出効果を一層向上させることが可能となる。
【0011】
一実施形態では、投光部による照射像が形成されるコントロールパネルの面は、粗面加工されていてもよい。このように構成することで、光が適切に散乱されるため、プレイヤー又はゲーミングマシンの周囲に居る人間が光による演出を認識し易くさせることができる。よって、光による演出効果を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面及び種々の実施形態によれば、光による演出効果を向上させたゲーミングマシンが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
本実施形態に係るゲーミングマシン1は、カジノでプレイヤーにゲームを提供するスロットマシン、ポーカーマシン、キノマシン、ビンゴマシン、パチンコ機、パチスロ機等のように、遊技価値の消費と引き換えにゲームを提供するマシンとして採用され得る。遊技価値とは、硬貨、紙幣、コイン、メダル、チケット等の有体物、又はこれらと同等の価値を有する電子データを含む概念である。このような遊技価値は、ゲーミングマシン1に投入されると消費単位であるクレジットの数に換算されて蓄積され、蓄積されたクレジットを消費することでプレイヤーにゲームを提供するという態様で利用され得る。以下では、ゲーミングマシン1が、複数のシンボルを有するリールを備え、リールを回転させたのちに停止させて、リール停止時に表示されたシンボルに応じて入賞の有無を判定するスロットマシンである場合を例に説明する。
【0016】
図1は実施形態に係るゲーミングマシン1の斜視図であり、
図2はゲーミングマシン1の側面図である。
図1,2に示すように、ゲーミングマシン1は上下方向(z方向)に延びる縦型の筐体19を有する。筐体19の前面19aには、表示部18が設けられている。表示部18は、ゲーム内容を表示する機能を有する。表示部18は、機械的なリールを視認可能とするウィンドウ、及び、仮想的なリールを表示する液晶ディスプレイ装置の少なくとも一方を含み得る。ここでは、表示部18は、機械的なリール2の動作を視認可能なウィンドウ17、ウィンドウ17の下方に設けられた下部ディスプレイ装置9、及び、ウィンドウ17の上方に設けられた上部ディスプレイ装置15を有する。
【0017】
筐体19は、複数のリール2をその内部に収容したリールボックス12を備える。リールボックス12には、複数のリール2をそれぞれ独立して回転駆動させる機構が収容されている。リールボックス12の前面12aには、上述したウィンドウ17が設けられている。ウィンドウ17を介して、プレイヤーは、複数のリール2の動作及び複数のリール2に描かれたシンボルをリールボックス12の外側から視認することができる。また、リールボックス12の前面12aには、上述した下部ディスプレイ装置9が設けられている。下部ディスプレイ装置9は、ゲームの内容に関連した画像又は映像を表示し得る。
【0018】
また、リールボックス12の上方には、上部ボックス13が設けられている。上部ボックス13の前面には、上述した上部ディスプレイ装置15が設けられている。上部ディスプレイ装置15は、ゲームの内容に関連した画像又は映像を表示し得る。
【0019】
表示部18の下方には、コントロールパネル3が設けられている。コントロールパネル3は、リールボックス12の下側に設けられた底部キャビネット10に設けられている。底部キャビネット10は、その前後方向(x方向)の長さがリールボックス12及び上部ボックス13の前後方向の長さよりも長く形成されている。このため、底部キャビネット10がリールボックス12及び上部ボックス13よりも前方向に突出して配置されており、底部キャビネット10の上面の一部が露出している。この露出された底部キャビネット10の上面にコントロールパネル3が設けられている。コントロールパネル3の表面3aは、xy平面と略平行又は手前側が低く奥側が高くなるように緩く傾けて設けられている。また、コントロールパネル3の表面3aは、金属板で構成され、粗面加工が施されている。例えば、コントロールパネル3の表面3aには、ブラスト処理が施されている。表面3aを粗面加工することにより、表面3aに照射された光の散乱が促進される。
【0020】
コントロールパネル3の表面3aには、挿入口4、出力口5及び操作部30が設けられている。挿入口4には、ゲームを実行する対価としての遊技価値がプレイヤーによって投入される。遊技価値は、ここでは一例としてコイン又は紙幣が用いられる。出力口5からは、例えば後述するペイアウトボタンが操作されることに応じて、ゲーミングマシン1内に蓄積されたクレジットの情報が印刷された媒体が出力される。出力口5は、さらに媒体に印刷されたクレジット情報を読み取ってゲーミングマシン1内に蓄積可能な構成としてもよい。操作部30は、ゲーミングマシン1に対するプレイヤーの各種の指示を受け付ける。操作部30は、例えば、スピンボタン7及び複数のボタン6を有する。スピンボタン7は、ゲームの開始(リールの回転開始)の指示を受け付ける。複数のボタン6は、例えば、ベットボタン群、ライン指定ボタン群、マックスベットボタン、又は、ペイアウトボタン等を含む。ベットボタン群は、プレイヤーがベットする遊技価値を所定の単位量ずつ指示する操作を受け付ける。ライン指定ボタン群は、入賞判定の対象とされるべきライン(以下、有効ラインと呼ぶ。)を指定する操作を受け付ける。マックスベットボタンは、一度にベットすることができる最大の遊技価値をベットすることを指示する操作を受け付ける。ペイアウトボタンは、払い出しを指示する操作を受け付ける。コントロールパネル3の下方には、遊技価値を払い出すための払い出しトレイ24が設けられている。払い出しトレイ24は、底部キャビネット10に設けられている。
【0021】
リールボックス12と底部キャビネット10との間には、下部ボックス11が配置されている。下部ボックス11の前面には、複数のスピーカ8が設けられている。複数のスピーカ8は、例えばゲームの進行に応じて音を出力してもよい。また、複数のスピーカ8は、ゲーミングマシン1がゲームを提供していない場合であっても、音を出力してもよい。ペイアウトボタンが操作された場合に、ゲーミングマシン1は蓄積されたクレジットの情報を出力口5から出力してもよいし、遊技価値として払い出しトレイ24から払い出してもよく、これらはゲーミングマシン1の設定によりいずれかが選択される。プレイヤーの指定に応じて何れかを選択する構成としてもよい。
【0022】
上部ボックス13の上方には、拡張上部ボックス14が配置されている。拡張上部ボックス14は、その前後方向の長さが上部ボックス13及びリールボックス12の前後方向の長さよりも長く形成されている。このため、底部キャビネット10がリールボックス12及び上部ボックス13よりも前方向に突出して配置されており、拡張上部ボックス14の下面の一部が露出している。この露出された拡張上部ボックス14の下面には、複数の投光部16が設けられている。複数の投光部16は、表示部18を挟んでコントロールパネル3と対向配置されている。すなわち、表示部18は、複数の投光部16とコントロールパネル3との間に位置している。
図3は、ゲーミングマシン1の上面図である。
図3に示すように、投光部16a〜16fが筐体19の幅方向(y方向)に沿って、等間隔に配置されている。それぞれの投光部16a〜16fは、光源を備え、指向性を有する光を出力する。それぞれの投光部16a〜16fは、コントロールパネル3へ向けて光を出力するように、拡張上部ボックス14に配置されている。これにより、コントロールパネル3の表面3a上に照射像が形成される。なお、投光部16は、出力する光の色調を変更可能に構成されていてもよい。また、投光部16は、図示しない駆動部によって照射方向を制御可能に構成されていてもよい。例えば、投光部16は、鉛直方向下向きだけでなく、所定の角度だけ傾斜させた方向に照射するように制御される。色調や照射位置が変更可能に構成されていることで、光演出のバリエーションを増やすことができる。投光部16の光源としてはLED、レーザー発振器、蛍光管又は電球等を使用することができるが、出力光の指向性を得るために、これらにレンズ又は反射鏡を組み合わせて使用しても構わない。例えば青色LED、緑色LED、赤色LEDを組み合わせたフルカラーLEDに反射鏡を組み合わせて使用すれば、指向性が高く、色調の変更可能な光源を構成することができる。
【0023】
図4は、投光部16aの一例の構成を説明する図である。
図4に示すように、投光部16aは、ベース160、基板161及び反射部材162を備えている。基板161は、板状を呈し、LED光源及び回路を備える。LED光源は、基板161の一方の主面に取り付けられている。回路は、後述するCPU21からの信号に応じてLED光源を駆動し、LED光源に光を出射させる。反射部材162は、鏡面処理が施された反射面を備えている。また、反射面は、光の進行方向を調整するために屈曲されている。基板161及び反射部材162は、LED光源が取り付けられた基板161の面と反射部材162の反射面とを対向させた状態で、ベース160に取り付けられてユニット化されている。ベース160は、拡張上部ボックス14に取り付けられている。
【0024】
図5は、投光部16aの動作の概要を説明する図である。
図5に示すように、基板161から出射された光163は、反射部材162の反射面にて反射される。反射された光は、コントロールパネル3に向かうようにz方向に進行する。このように、投光部16aは、鉛直方向下向きに光を出射することができる。他の投光部16b〜16fも投光部16aと同様に構成してもよい。
【0025】
図6はゲーミングマシン1における制御系の概略を示している。ゲーミングマシン1は、制御部20を備える。制御部20は、中央処理装置(以下、CPUと略称する。)21と、CPU21が参照可能なメモリ22とを備えたコンピュータユニットとして構成されている。メモリ22は、磁気的又は光学的記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含み得る。メモリ22には、ゲームを実行するために必要なゲームプログラム及びそのゲームプログラムで参照されるべきゲームデータが記録されている。CPU21は、ゲームプログラムを読み込んで実行することにより、ゲーム内容を決定し、所定の手順でスロットゲームを進行させる。ここでゲーム内容とは、ゲームの過程および結果においてゲーミングマシン1の各部を制御する内容をいう。
【0026】
CPU21には、I/Oポート(入出力ポート)23を介して操作部30及び識別部31が接続されている。操作部30は、プレイヤーの指示を受け付けて、プレイヤーの指示に応じた信号をCPU21へ出力する。識別部31は、挿入口4から挿入された遊技価値(コイン又は紙幣)を識別し、識別した額に応じた信号をCPU21へ出力する。さらに、CPU21には、下部ディスプレイ装置9、上部ディスプレイ装置15、リール2、投光部16、駆動部35及び払出部36がI/Oポート23を介して接続されている。CPU21は、決定したゲーム内容に応じて下部ディスプレイ装置9、上部ディスプレイ装置15及びリール2の少なくとも1つを動作させ、表示領域にゲーム内容を表示させる。ここで、表示領域とは、表示部18がディスプレイ装置の場合にはディスプレイ装置の表示パネル部分であり、表示部18がウィンドウの場合には、ウィンドウによってリール2等が視認可能となっている領域である。CPU21は、決定したゲーム内容に応じてリール2の回転制御を行う。CPU21は、決定したゲーム内容又はゲーミングマシン1の状態に応じて投光部16を点灯制御する。例えば、CPU21は、複数の投光部16の点灯順序を決定し、点灯を順次切り替えて、コントロールパネル3の表面3a上の照射像を移動させてもよい。また、CPU21は、ゲーミングマシン1がゲームを提供していないときに、複数の投光部16の点灯制御を行ってもよい。また、CPU21は、駆動部35を駆動させて投光部16の照射方向を制御してもよい。これにより、コントロールパネル3上の照射像を移動させてもよい。さらに、CPU21は、払い出しトレイ24への遊技価値の払い出しを払出部36に管理させる。その他にも、制御部20には、スロットゲームを実行するために必要な装置が適宜に接続されるが、それらの図示は省略している。
【0027】
図7は、CPU21の制御に従って表示部18上に表示されるゲーム画面の一例を示す。
図7に示すように、ウィンドウ17内にゲーム画面40が表示される。ゲーム画面40には、リール2のシンボルを表示するためのシンボル領域41が設けられている。シンボル領域41には、シンボル停止位置としての複数のセル42が縦方向に3行、横方向に5列のマトリクスを形成するように規定されている。なお、以下においては、ゲーム画面40の横方向を行方向と、縦方向を列方向と呼ぶことがある。セル42の境界線は、プレイヤーが視覚を通じて把握できる態様で表示部18上に表示されてもよいし、表示が省略されてもよい。すなわち、セル42はシンボル停止位置としてゲーミングマシン1の内部で論理的に、あるいは観念的に規定されていれば足り、それらの境界が視認できることは必ずしも必要とされない。
【0028】
シンボル領域41には、セル42ごとにシンボル43が表示されている。これらのシンボル43は、複数のリール2のそれぞれに配置されている。それらのリール2が所定の配列で並べられることにより、シンボル領域41には、シンボル43が縦横にマトリクス状に並んだ状態で表示される。シンボル43には、数字、文字又は図形等の各種の図柄が適宜に採用され得る。
【0029】
有効ラインは、スロットゲームにて入賞判定の対象となるべき複数のセル42を指定するラインであって、複数のリール2に跨るように設定される。プレイヤーが操作部30のライン指定ボタン群を操作することにより、有効ラインが適宜に設定される。一例として、シンボル領域41の上下方向の中央に位置する全てのセル42を結ぶ水平ラインAが有効ラインとして設定可能である。その他にも、有効ラインとしては、シンボル領域41の対角線方向に延びるライン、シンボル領域41内でV字型又は逆V字型を描くライン等が設定可能である。プレイヤーがベットボタン群を操作して一回のスロットゲームにベットする単位の数を指定し、ライン指定ボタン群により有効ラインを選択すると、それらの選択内容をCPU21が認識する。その後、プレイヤーがスピンボタン7を操作すると、CPU21は、シンボル領域41にて各シンボル43を列方向に移動(スクロール)させ、所定の停止時期にて、一つのセル42に一つのシンボル43が出現するようにしてシンボル43のスクロールを停止させる。シンボル43が停止したとき、有効ライン上のセル42に表示されたシンボル43の図柄が一致、あるいは所定の関係を形成すると入賞パターンが形成されたことになる。リール2が機械的に構成されている場合、シンボル43は各リール2の表面に配されており、リール2を回転させることによりシンボル43はスクロールし、リール2を停止させることによりシンボル43は停止する。これに対してリール2が仮想的に構成されたビデオリールである場合には、シンボル43は各リール2に対応して仮想的に構成されたシンボル配列であるバーチャルリールストリップとして予め定められ、ゲームデータの一部としてメモリ22に記録されている。CPU21は、メモリ22に記録されたデータを参照して、リール2のゲーム画面40への表示を制御する。
【0030】
図8は、スロットゲームの実行時において、CPU21がリール2の表示を制御するために適宜の周期で実行するルーチンを示すフローチャートである。
図8のルーチンを開始すると、CPU21がゲーム開始を決定する(S10)。ゲームを実行する対価としての遊技価値が挿入口4に投入されると、識別部31がCPU21へ信号を出力する。CPU21は、識別部31の信号に基づいてゲーム開始を決定する。ゲーム開始が指示されていなければ判断が繰り返され、ゲーム開始が指示されるとS12へと処理が進められる。
【0031】
S12の処理では、CPU21がゲームの設定を決定する。操作部30が、プレイヤーの指示を受け付けて、プレイヤーの指示に応じた信号をCPU21へ出力する。CPU21は、操作部30の信号に基づいてゲームの設定を決定する。ゲームの設定が指示されていなければ判断が繰り返され、ゲームの設定が指示されると、ゲームの設定が決定され、S14へと処理が進められる。
【0032】
S14の処理では、CPU21がスピンボタン7の信号を入力する。リール2の回転開始が指示されていなければ判断が繰り返され、リール2の回転開始が指示されるとS16へと処理が進められる。
【0033】
S16の処理では、CPU21が複数のリール2を回転させる。以下では、左からX番目のリールをリール(X)として説明する。CPU21が全てのリールを回転させると、S18へと処理が進められる。S18の処理では、CPU21が初期処理としてn=1を設定する。設定後、S20へと処理が進められる。
【0034】
S20の処理では、CPU21が乱数を取得する。取得後、S22へと処理が進められる。S22の処理では、S20の処理で取得された乱数に基づいて、CPU21がリール(n)の停止位置を決定する。決定後、S24へと処理が進められる。S24の処理では、CPU21がn=n+1とする。設定後、S26へと処理が進められる。S26の処理では、CPU21がn>Xを満たすか否かを判定する。n>Xを満たさない場合には、S20へと処理が進められる。これにより、n>Xを満たすまで、S20〜S26の処理が繰り返し実行される。このように、リール(1)からリール(X)まで、停止位置が決定される。n>Xを満たす場合には、全てのリールについて停止位置が決定したことを意味するため、S28へと処理が進められる。
【0035】
S28の処理では、S22の処理で決定された各リール(X)の停止位置に基づいて、CPU21が各リール(X)を停止する。停止後、S30へと処理が進められる。S30の処理では、CPU21は、シンボル領域41のセル42に出現しているシンボル43の組み合わせが所定のボーナスパターンを形成しているか否かを判別する。ボーナスパターンが形成されていない場合、S32へと処理が進められる。
【0036】
S32の処理では、CPU21は、シンボル領域41のセル42に出現しているシンボル43の組み合わせが所定の入賞パターンを形成しているか否かを判別する。入賞パターンが形成されていない場合、
図8に示す制御処理を終了する。一方、入賞パターンが形成されている場合には、S36へと処理が進められる。S36の処理では、形成された入賞パターンに対応する賞金額を計算し、計算された賞金額に等価の遊技価値をプレイヤーに付与する。付与された遊技価値は、次回以降のスロットゲームのベットに利用することができる。プレイヤーがペイアウトボタンを操作すれば、その時点で蓄えられている遊技価値と等価の賞金が払出部36から払い出しトレイ24に払い出されるか、または、蓄積されたクレジット数の情報が媒体に印刷されて出力口5から出力される。払い出し又は出力が終了すると、
図8に示す制御処理を終了する。
【0037】
一方、S30の処理において、ボーナスパターンが形成されている場合、S34へと処理が進められる。S34の処理では、CPU21がボーナスゲームを提供する。その後、S36へと処理が進められる。S36の処理では、ボーナスゲームの結果に対応する賞金額を計算し、計算された賞金額に等価の遊技価値をプレイヤーに付与する。プレイヤーがペイアウトボタンを操作すれば、その時点で蓄えられている遊技価値と等価の賞金が払出部36から払い出しトレイ24に払い出されるか、または、蓄積されたクレジット数の情報が媒体に印刷されて出力口5から出力される。払い出し又は出力が終了すると、
図8に示す制御処理を終了する。
【0038】
ここで、CPU21が行う光演出の一例について説明する。まず、CPU21は、
図8のS10の処理において、ゲーム開始を決定する前に、投光部16の点灯制御を行い、コントロールパネル3の表面3aへ向けて光を照射する。例えば、CPU21は、複数の投光部16の全てを同一タイミングで点灯及び消灯させてもよい。あるいは、CPU21は、複数の投光部16をそれぞれ異なるタイミングで点灯及び消灯させてもよい。あるいは、CPU21は、複数の投光部16の点灯順序を決定し、点灯を順次切り替えて、コントロールパネル3の表面3a上の照射像を移動させてもよい。あるいは、CPU21は、駆動部35を駆動させて投光部16の照射方向を制御し、コントロールパネル3の表面3a上の照射像を移動させてもよい。あるいは、CPU21は、表示部18と投光部16とを協働させて光演出を行ってもよい。また、CPU21は、時間に応じて投光部16の光の色を変更してもよい。これらの光演出の詳細については後述する。上述した光演出を単独又は組み合わせて実行することで、ゲーミングマシン1は、人の興味を引きつけることになり、存在感を強くすることができる。
【0039】
次に、CPU21が行う他の光演出の例について説明する。例えばCPU21は、
図8のS12の処理以降から、ゲームの進行に応じた光演出を行う。
図9は、プレイヤーがゲーミングマシン1を操作する際の光演出の一例である。
図9に示すように、プレイヤーがゲーミングマシン1を操作する場合、プレイヤーの手がコントロールパネル3の上に位置する。このため、投光部16から照射され、コントロールパネル3の表面3aへ向かう光55は、プレイヤーの手に照射される。プレイヤー自身の手が照射されることで、プレイヤーに光演出を容易に気付かせることができる。また、プレイヤーが手を動かすと、手の動きに応じて光の散乱が変化し、さらには、コントロールパネル3の表面3aへ到達する光の量及び範囲も変化する。すなわち、プレイヤーの動きに応じてコントロールパネル3の表面3a上の照射像55aも変化することになる。このため、プレイヤーに光演出を容易に気付かせることができるとともに、プレイヤーの興味を引くことができる。
【0040】
ゲームの進行に応じた光演出は、
図8のS12の処理以降に行う処理ごとに予め用意され、CPU21が実行する。
図10は光演出の一例を示す概要図である。
図10に示すように、投光部16a〜16fそれぞれが、光50〜55それぞれを出力し、コントロールパネル3の表面3a上に、それぞれ円形の照射像50a〜55aを形成する。例えば、
図8のS14に示すスピンボタン7の信号入力後に、CPU21は、投光部16a〜16fを同一タイミングで点灯及び消灯させてもよい。あるいは、CPU21は、投光部16a〜16fをそれぞれ異なるタイミングで点灯及び消灯させてもよい。あるいは、CPU21は、投光部16a〜16fの点灯順序を決定し、点灯を順次切り替えて、コントロールパネル3の表面3a上の照射像を移動させてもよい。例えば、CPU21は、投光部16aを点灯及び消灯し、投光部16aを消灯すると同時に投光部16bを点灯させる。そして、CPU21は、投光部16bを消灯すると同時に投光部16cを点灯させる。上記制御により、コントロールパネル3の表面3a上の照射像がy方向へ移動しているようにプレイヤーに感じさせることができる。あるいは、CPU21は、駆動部35を駆動させて投光部16の照射方向を制御し、コントロールパネル3の表面3a上の照射像50a〜55aを移動させてもよい。
【0041】
あるいは、CPU21は、表示部18(ここでは下部ディスプレイ装置9及び上部ディスプレイ装置15の少なくとも一方)と投光部16とを協働させて光演出を行ってもよい。
図11は、光演出の一例を示す概要図である。
図11では、CPU21が、投光部16b,16dと上部ディスプレイ装置15とを協働させて光演出を実行する。まず、CPU21は、上部ディスプレイ装置15へ表示させる画像60(又は映像)と投光部16b,16dが出力する光の光路(軌跡)54,52とが重なる位置を入力する。CPU21は、例えば、メモリ22に予め記録されている位置情報を参照する。そして、CPU21は、位置に基づいて、画像60において、通常の表示を行う領域60aと光の色を重ねる領域60b,60cとを決定する。その後、CPU21は、投光部16b,16dそれぞれが発光する色をそれぞれ取得する。そして、CPU21は、投光部16b,16dから光を出力させるとともに、領域60b,60cが反映された画像を上部ディスプレイ装置15へ表示させる。このように実行することで、投光部16b,16dの光演出が強調される。上述した光演出は単独又は組み合わせて実行される。
【0042】
図8のS12の処理以降に行う処理ごとに用意された光演出は、同一であってもよいし、それぞれ異なる光演出であってもよい。例えば、
図8のS28に示すスピン停止前に光演出を行うことで、ゲームの進行に対する期待感を高めることができる。また、例えば、S30の処理の前のボーナスゲームへのリーチ時や、S34のボーナスゲームの開始時等のタイミングで、光演出を強調することで、プレイヤーの感情を盛り上げてゲームの進行に対する期待感を高めることができる。
【0043】
また、ゲームの進行に応じた他の光演出の例について、
図10を用いて説明する。CPU21は、例えばS10の処理が終了した後に、ボタン6へ光を照射し、ボタン6と照射像とが重なるように光を照射する。これにより、プレイヤーにボタン6の操作を促すことができる。また、例えば、CPU21は、S12の処理が終了した後に、スピンボタン7へ光を照射し、スピンボタン7と照射像とが重なるように光を照射する。このように、プレイヤーが次に操作すべきボタンを照射することで、プレイヤーに操作を促すことができる。
【0044】
以上、本実施形態に係るゲーミングマシン1によれば、筐体19に配置された投光部16によって、光がコントロールパネル3に向けて照射される。ゲーミングマシン1がゲームを提供している場合には、ゲームをしているプレイヤーの手元及びコントロールパネル3が投光部16からの光によって照らされることになるため、プレイヤーは投光部16から光が照射される態様を利用した演出を容易に認識することが可能となる。したがって、投光部16からの光を利用したゲームの演出を効果的に実現することができる。さらに、ゲーミングマシン1がゲームを提供していない場合であっても、投光部16からの光をコントロールパネル3に照射する態様を利用した演出により、周囲に居る人の注意をゲーミングマシン1のコントロールパネル3に集め、ゲーミングマシン1をプレイすることへの関心を高めることができる。すなわち、ゲームを提供していない状態でも投光部16からの光により、ゲーミングマシン1の存在感を強める演出を実現することが可能となる。このように、ゲームを提供している場合と、ゲームを提供していない場合との何れか又は双方において、光を利用した演出を効果的に実現することができる。
【0045】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく、適宜の形態にて実施することができる。例えば、シンボル領域に配置されるリールの本数は上記の形態の例に限定されない。上記の形態では全てのリールを物理的なリールとして説明したが、一部又は全てのリールを表示装置の画面上に画像として表示される仮想的なリール(ビデオリール)としてもよい。この場合には、投光部からの光とリール画像とを協調させる演出を行うことも可能である。
【0046】
また、投光部が光を照射する領域はゲーミングマシン1のコントロールパネル3上に限定されるものではなく、ゲーミングマシン1周辺のフロアにも光を照射可能な構成とすることができる。この場合には、例えば、光の照射位置をコントロールパネル3上から周辺フロアに移動させ、またコントロールパネル3上に戻す等の演出を行うことが可能となる。また、上記実施形態では投光部16が照射する指向性のある光が照射位置になす明領域を照射像として説明したが、投光部16が出力した光の光路上に所定のシルエット素材やセル画を挿入することにより光の照射位置に所定形状の像が投影される構成することも可能である。