特許第6475407号(P6475407)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6475407パラメータ決定システム、プログラムおよびパラメータ決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6475407
(24)【登録日】2019年2月8日
(45)【発行日】2019年2月27日
(54)【発明の名称】パラメータ決定システム、プログラムおよびパラメータ決定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20190218BHJP
   G01C 21/26 20060101ALN20190218BHJP
【FI】
   A61B5/11 200
   A61B5/11ZDM
   !G01C21/26 P
【請求項の数】8
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2013-229203(P2013-229203)
(22)【出願日】2013年11月5日
(65)【公開番号】特開2015-89393(P2015-89393A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2016年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591128453
【氏名又は名称】株式会社メガチップス
(74)【代理人】
【識別番号】100135002
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 直之
(72)【発明者】
【氏名】濱口 真伍
【審査官】 九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−163297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータを含むパラメータ情報と、試行の条件に応じて設定される情報を含む正解情報とを記憶する記憶手段と、
歩行者の動きに関する測定情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された測定情報と前記記憶手段に記憶されたパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報として生成し前記記憶手段に記憶させるとともに、前記中間情報に基づいて、前記歩行者の相対位置を推定する位置推定手段と、
前記記憶手段に記憶されている正解情報に基づいて、前記位置推定手段により生成された中間情報を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果に応じて、前記記憶手段に記憶されているパラメータ情報を更新する更新手段と、
を備え
前記物理量を推定するより前に、前記正解情報を、予め前記記憶手段に記憶するパラメータ決定システム。
【請求項2】
請求項1に記載のパラメータ決定システムであって、
前記取得手段は、前記試行における歩行者の動きに関する測定情報を取得するパラメータ決定システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のパラメータ決定システムであって、
前記歩行者の動きに関する物理量は、前記取得手段における伏角、前記取得手段が存在している場所における地磁気の大きさ、前記歩行者の方位、または、鉛直方向の加速度のうちの少なくとも1つを含むパラメータ決定システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のパラメータ決定システムであって、
前記取得手段が、一般消費者が所有する市販機に設けられるパラメータ決定システム。
【請求項5】
請求項4に記載のパラメータ決定システムであって、
前記市販機は、
前記位置推定手段を備えるとともに、前記位置推定手段により推定された歩行者の相対位置に基づいて、前記歩行者の歩行動作を解析することが可能であり、
前記更新手段によるパラメータ情報の更新は、前記歩行者の歩行動作を解析する直前に実行されるパラメータ決定システム。
【請求項6】
請求項4または5に記載のパラメータ決定システムであって、
前記試行において、前記一般消費者が歩行する試行経路が、解析される歩行動作が行われる場所の近隣に設定されるパラメータ決定システム。
【請求項7】
コンピュータによって読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、
歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータを含むパラメータ情報と、試行の条件に応じて設定される情報を含む正解情報とを記憶する記憶手段と、
歩行者の動きに関する測定情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された測定情報と前記記憶手段に記憶されたパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報を生成し前記記憶手段に記憶させるとともに、前記中間情報に基づいて、前記歩行者の相対位置を推定する位置推定手段と、
前記記憶手段に記憶されている正解情報に基づいて、前記位置推定手段により生成された中間情報を評価する評価手段と、
前記評価手段による評価結果に応じて、前記記憶手段に記憶されているパラメータ情報を更新する更新手段と、
を備え
前記物理量を推定するより前に、前記正解情報を、予め前記記憶手段に記憶するパラメータ決定システムとして機能させるプログラム。
【請求項8】
歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータを含むパラメータ情報を決定するパラメータ決定方法であって、
前記パラメータ情報と、試行の条件に応じて設定される情報を含む正解情報とを記憶手段に記憶する工程と、
歩行者の動きに関する測定情報を取得する工程と、
取得された測定情報と前記記憶手段に記憶されたパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報として生成し前記記憶手段に記憶させる工程と、
前記中間情報に基づいて、前記歩行者の相対位置を推定する工程と、
前記記憶手段に記憶されている正解情報に基づいて、前記中間情報を評価する工程と、
評価結果に応じて、前記記憶手段に記憶されているパラメータ情報を更新する工程と、
を有し、
前記物理量を推定するより前に、前記正解情報を、予め前記記憶手段に記憶するパラメータ決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度センサなどを用いて歩行者の位置を演算する技術において、当該演算に使用するパラメータを予め決定する技術に関する。より詳細には、当該パラメータを決定するときの演算量を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄や屋内の経路をナビゲーションする技術(例えば、PDR:Pedestrian Dead Reckoning)が知られている。通常、人に経路を案内する場合、目的地を含む地図が表示されただけでは不足である。歩行者が正しい経路を理解するためには、当該歩行者が自身の現在位置を把握していなければならない。PDR技術では、歩行者が携帯する端末装置に、当該歩行者の動きを検出するセンサ(加速度センサやジャイロセンサなど)を搭載し、地図上に歩行者の現在位置を表示させる。このような端末装置によって、歩行者は、正しい経路を知得することができ、地下街や店舗等で道に迷うことなく、目的地に到達することができる。このような技術が、例えば、特許文献1に記載されている。
【0003】
上記技術では、歩行者の現在位置を求めるために、当該歩行者の動きを解析して、当該歩行者が移動したことによる相対位置を求める必要がある。そして、当該相対位置を求めるためには、当該歩行者の歩行速度(速さおよび進行方向)を正確に推定する必要がある。そして、さらに歩行者の歩行速度を推定するためには、事前に最適なパラメータを求めておくことが必要となる。すなわち、PDRの精度は、如何に最適なパラメータを決定しておくことができるかに依存すると言える。
【0004】
そこで、従来より、測定により得られた測定情報と、正しいことがすでに知られている正解情報とに基づいて、最適なパラメータを決定する技術が提案されている。このような技術が、例えば、特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4243684号公報
【特許文献2】特許第3404532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、PDRなどの経路を案内する技術に、特許文献2に記載されている技術を適用すると、パラメータを決定するための演算の負荷が大きくなるという問題があった。PDRにおいては、歩行者の相対位置を演算する処理自体が演算量の多い処理であるため、複数のパラメータを様々な組合せで変更しつつ、相対位置を演算する処理を繰り返し実行すると、演算負荷が膨大になるという事情がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、演算負荷を抑制しつつ、PDRに用いるパラメータを決定する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、パラメータ決定システムであって、歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータを含むパラメータ情報と、試行の条件に応じて設定される情報を含む正解情報とを記憶する記憶手段と、歩行者の動きに関する測定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された測定情報と前記記憶手段に記憶されたパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報として生成し前記記憶手段に記憶させるとともに、前記中間情報に基づいて、前記歩行者の相対位置を推定する位置推定手段と、前記記憶手段に記憶されている正解情報に基づいて、前記位置推定手段により生成された中間情報を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果に応じて、前記記憶手段に記憶されているパラメータ情報を更新する更新手段とを備え、前記物理量を推定するより前に、前記正解情報を、予め前記記憶手段に記憶する
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のパラメータ決定システムであって、前記取得手段は、前記試行における歩行者の動きに関する測定情報を取得する
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係るパラメータ決定システムであって、前記歩行者の動きに関する物理量は、前記取得手段における伏角、前記取得手段が存在している場所における地磁気の大きさ、前記歩行者の方位、または、鉛直方向の加速度のうちの少なくとも1つを含む。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明に係るパラメータ決定システムであって、前記取得手段が、一般消費者が所有する市販機に設けられる。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係るパラメータ決定システムであって、前記市販機は、前記位置推定手段を備えるとともに、前記位置推定手段により推定された歩行者の相対位置に基づいて、前記歩行者の歩行動作を解析することが可能であり、前記更新手段によるパラメータ情報の更新は、前記歩行者の歩行動作を解析する直前に実行される。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項4または5の発明に係るパラメータ決定システムであって、前記試行において、前記一般消費者が歩行する試行経路が、解析される歩行動作が行われる場所の近隣に設定される。
【0014】
また、請求項7の発明は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムであって、前記コンピュータによる前記プログラムの実行は、前記コンピュータを、歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータを含むパラメータ情報と、試行の条件に応じて設定される情報を含む正解情報とを記憶する記憶手段と、歩行者の動きに関する測定情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された測定情報と前記記憶手段に記憶されたパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報を生成し前記記憶手段に記憶させるとともに、前記中間情報に基づいて、前記歩行者の相対位置を推定する位置推定手段と、前記記憶手段に記憶されている正解情報に基づいて、前記位置推定手段により生成された中間情報を評価する評価手段と、前記評価手段による評価結果に応じて、前記記憶手段に記憶されているパラメータ情報を更新する更新手段とを備え、前記物理量を推定するより前に、前記正解情報を、予め前記記憶手段に記憶するパラメータ決定システムとして機能させる
【0015】
また、請求項8の発明は、歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータを含むパラメータ情報を決定するパラメータ決定方法であって、前記パラメータ情報と、試行の条件に応じて設定される情報を含む正解情報とを記憶手段に記憶する工程と、歩行者の動きに関する測定情報を取得する工程と、取得された測定情報と前記記憶手段に記憶されたパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報として生成し前記記憶手段に記憶させる工程と、前記中間情報に基づいて、前記歩行者の相対位置を推定する工程と、前記記憶手段に記憶されている正解情報に基づいて、前記中間情報を評価する工程と、評価結果に応じて、前記記憶手段に記憶されているパラメータ情報を更新する工程とを有し、前記物理量を推定するより前に、前記正解情報を、予め前記記憶手段に記憶する
【発明の効果】
【0016】
測定情報とパラメータ情報とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報を生成するとともに、生成した中間情報に基づいて、当該歩行者の相対位置を推定し、正解情報に基づいて、生成された中間情報を評価して、評価結果に応じて、パラメータ情報を更新することにより、相対位置を推定する演算を1度実行するだけで、最適なパラメータ情報を決定することができる。すなわち、演算負荷を抑制しつつ、最適なパラメータ情報を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1の実施の形態におけるパラメータ決定システムを示す図である。
図2】センサノードのブロック図である。
図3】ファイルを例示する図である。
図4】第1の実施の形態におけるサーバ装置を示すブロック図である。
図5】パラメータ情報を例示する図である。
図6】第1の実施の形態におけるサーバ装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
図7】第1の実施の形態におけるパラメータ決定方法において実行される工程を示す流れ図である。
図8】正解情報の例を示す図である。
図9】中間情報生成処理を示す流れ図である。
図10】PDR処理を示す流れ図である。
図11】パラメータ最適化処理を示す流れ図である。
図12】パラメータ最適化処理を示す流れ図である。
図13】地磁気パラメータ最適化処理を示す流れ図である。
図14】第2の実施の形態におけるパラメータ決定システムを示す図である。
図15】携帯端末装置のブロック図である。
図16】第2の実施の形態におけるサーバ装置を示すブロック図である。
図17】第2の実施の形態における携帯端末装置が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。
図18】第2の実施の形態におけるパラメータ決定方法において実行される工程を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。ただし、以下の説明において特に断らない限り、方向や向きに関する記述は、当該説明の便宜上、図面に対応するものであり、例えば実施品、製品または権利範囲等を限定するものではない。
【0019】
<1. 第1の実施の形態>
図1は、第1の実施の形態におけるパラメータ決定システム1を示す図である。本実施の形態におけるパラメータ決定システム1は、図1に示すように、センサノード2およびサーバ装置3から構成されている。
【0020】
なお、本実施の形態におけるパラメータ決定システム1は、メーカの製造工場や開発ルーム、研究施設等に設置される例を想定している。また、センサノード2を携帯する者を「被験者」と称する。
【0021】
図2は、センサノード2のブロック図である。センサノード2は、CPU20、記憶装置21、操作部22および表示部23を備えている。センサノード2は、歩行者(被験者)によって携帯可能な端末装置を構成しており、主に、測定情報211を作成してサーバ装置3に提供する。
【0022】
また、被験者がセンサノード2を携帯しつつ歩行する既知の経路(経路を構成する出発地点、中間点および終着点の位置が既知の経路。)を「試行経路」と称する。本実施の形態では、試行経路として、A地点からB地点までの第1試行経路と、B地点からC地点までの第2試行経路と、C地点からD地点までの第3試行経路と、D地点からE地点までの第4試行経路とが予め設定されているものとして説明する。
【0023】
また、本実施の形態では、被験者が、A地点を出発点として歩行を開始し、B地点、C地点およびD地点を経由して、E地点を終着点とする歩行行為を1回の「試行」と称する。すなわち、本実施の形態では、1回の試行において、被験者は、第1試行経路ないし第4試行経路を連続して歩行する。
【0024】
CPU20は、記憶装置21に格納されているプログラム210を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU20は、センサノード2が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、センサノード2は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0025】
記憶装置21は、センサノード2において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置21がセンサノード2において電子的に固定された情報を保存する。特に、本実施の形態における記憶装置21は、プログラム210および測定情報211を記憶するために使用される。
【0026】
記憶装置21としては、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)、比較的大容量のデータを記憶するハードディスク、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(PCカード、SDカード、USBメモリなど)等が該当する。図2においては、記憶装置21を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置21は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置21は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
【0027】
また、現実のCPU20は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU20が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置21に含めて説明する。すなわち、本実施の形態においては、一時的にCPU20自体が記憶するデータも、記憶装置21が記憶するとして説明する。
【0028】
操作部22は、操作者(被験者)がセンサノード2に様々な情報を入力するために操作されるハードウェアである。操作部22としては、各種ボタン類、キー、回転式セレクタ、あるいは、タッチパネルなどが該当する。
【0029】
表示部23は、各種情報を表示することにより出力する出力部としての機能を有している。すなわち、表示部23は、操作者(被験者)が視覚によって知覚する状態で情報を出力するハードウェアである。表示部23としては、例えば、液晶パネル、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ランプ、あるいは、LEDなどが該当する。
【0030】
また、図1に示すように、センサノード2は、センサノード2自体の運動を観測するための検出装置群として、加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26を備えている。詳細は後述するが、センサノード2は、これらの検出装置群によって得られる情報に基づいて、センサノード2の運動を観測することにより、間接的に、被験者の運動(特に歩行動作)を観測する装置として構成されている。
【0031】
なお、本実施の形態におけるセンサノード2は、パラメータを決定するために必要な情報を収集するための専用の装置(試験機)であって、実際にPDRを提供する端末装置(市販機)ではない。すなわち、本実施の形態におけるセンサノード2は、PDRを提供する機能までは要求されるものではない。しかし、センサノード2が備える検出装置群(加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26)は、センサノード2により決定されたパラメータを用いて実際にPDRを提供する端末装置に搭載される検出装置群と同等のものであることが好ましい。
【0032】
加速度センサ24は、センサノード2における加速度を検出して、加速度情報240を取得する。
【0033】
ジャイロセンサ25は、センサノード2における角速度を測定して角速度情報250を取得する。本実施の形態におけるジャイロセンサ25は、いわゆる3軸のジャイロセンサとして構成されており、互いに垂直な3つの軸(X,Y,Z軸)方向回りの角速度を測定し、当該測定値を角速度情報250として出力する。
【0034】
地磁気センサ26は、地磁気を検出して、地磁気情報260を取得する。
【0035】
さらに、センサノード2は、タイマ27および通信部28を備えている。
【0036】
タイマ27は、時間を計測するハードウェアであり、加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26における測定時間を記録する。詳細は後述するが、タイマ27において計測された時間は、測定情報211に含められる。
【0037】
通信部28は、サーバ装置3との間で無線によるデータ通信を行い、特に測定情報211をサーバ装置3に送信する機能を提供する。ただし、パラメータ決定システム1においては、センサノード2において作成された測定情報211をサーバ装置3に転送することができるのであれば、転送の方法は、通信部28を用いる方法に限定されるものではない。例えば、可搬性の記録媒体に測定情報211を記憶させた後に、当該記録媒体をサーバ装置3に装着して測定情報211をサーバ装置3に取り込むようにしてもよい。
【0038】
なお、センサノード2は、図2に示した構成以外にも、例えば、スピーカやマイク、カメラ、カードスロット、GPS受信機、あるいは、各種コネクタなどを備えていてもよい。
【0039】
次に、センサノード2において作成される測定情報211について説明する。図2に示すように、測定情報211には、ファイル2111ないしファイル211Xが含まれている(Xは、1以上の任意の自然数。)。言い換えれば、測定情報211は、X個のファイル(ファイル2111ないしファイル211X)で構成されている。
【0040】
ファイル2111ないしファイル211Xは、それぞれが1回の試行において収集(観測)された情報(詳細後述)を構成している。例えば、ファイル2111は1回目の試行において収集された情報であり、ファイル211XはX回目の試行において収集された情報である。
【0041】
なお、各試行においては、何らかの条件を変更して実行することが好ましい。例えば、被験者を変更する、試行経路を変更する、あるいは、被験者によるセンサノード2の携帯の仕方(持ち方)を変更するといった例が想定される。本実施の形態においては、特に断らない限り、各試行においては、被験者が変更されているものとして説明する。言い換えれば、本実施の形態では、各試行において、試行経路およびセンサノード2の携帯の仕方(センサノード2の姿勢)は変更されないものとする。
【0042】
図3は、ファイル2111を例示する図である。ファイル2111ないしファイル211Xは、同様の構造であるため、以下の説明では、ファイル2111を代表例として説明する。
【0043】
ファイル2111は、被験者が試行を開始(時間「0」)した後、センシングタイミング(周期T)が到来するたびに、1つのレコードが作成されるテーブル構造の情報である。ファイル2111の1つのレコードには、当該レコードが作成された時間(タイマ27の出力値)と、そのときの被験者の位置と、測定された加速度情報240、角速度情報250および地磁気情報260が格納される。
【0044】
なお、図3の「位置」において「A−B」とは、被験者がA地点とB地点との間に存在し、第1試行経路内に位置していることを示している。言い換えれば、このとき被験者は、A地点からB地点に向かって歩行していることを示している。
【0045】
また、「時間」に示すK,L,M,Nは、いずれも1以上の自然数である。図3に示す例では、時間「0」において試行を開始し(A地点を出発し)、最初のレコードは開始後時間「T」が経過したときに記録されていることを示している。また、最後のレコードは時間「(K+L+M+N)T」に記録されており、時間「(K+L+M+N+1)T」までの間に試行が終了(E地点に到着)していることを示している。
【0046】
また、図3に示す例では、例えば、時間「KT」から時間「(K+1)T」までの間に、被験者がB地点に到着している。すなわち、図3に示すようなファイル2111を作成するためには、試行中において、被験者がA,B,C,D,E地点に存在するタイミングを検出する必要がある。より詳細に言えば、各試行経路を出発した時間と到達した時間とが必要となる。
【0047】
本実施の形態では、被験者が操作部22を操作して、試行経路の出発点から出発したタイミングおよび終着点に到達したタイミングを、センサノード2に入力するものとして説明する。ただし、上記タイミングを取得する手法はこれに限定されるものではない。例えば、外部の観測装置に設けた赤外線センサ等により、被験者の位置を検出し、各地点を出発(あるいは各地点に到着)したタイミングをセンサノード2に送信するようにしてもよい。あるいは、センサノード2にGPS受信機を設けて位置を特定し、当該タイミングを検出してもよい。PDRは一般にはGPS信号を受信することが困難な場所で使用される技術であるが、試行経路自体はGPS信号を受信することができる場所に設定することも可能である。さらには、例えば、B,C,D地点において、被験者が急激な方向転換を行うように試行経路を設定しておき、このような動きを検出したことをトリガとして当該タイミングを検出するように構成してもよい。
【0048】
一方で、A,B,C,D,E地点を通過する経路を1つの試行経路としてもよい。あるいは、第1試行経路、第2試行経路、第3試行経路、および、第4試行経路をそれぞれ別々の試行として、複数のファイルを構成するようにしてもよい。
【0049】
また、図3に示すように、加速度情報240、角速度情報250および地磁気情報260は、いずれもX軸成分の値、Y軸成分の値およびZ軸成分の値を含んでおり、これらが各センサから出力されファイル2111に記録される。本実施の形態では、X軸、Y軸およびZ軸は互いに直交する軸であり、センサノード2において予め定義されているものとする。
【0050】
このように、本実施の形態では、センサノード2が歩行者(被験者)の動きに関する測定情報211(ファイル2111ないしファイル211X)を取得する機能を有している。すなわち、センサノード2が本発明における取得手段に相当する。
【0051】
図4は、サーバ装置3を示すブロック図である。サーバ装置3は、CPU30、記憶装置31、操作部32、表示部33および通信部38を備えている。
【0052】
CPU30は、記憶装置31に格納されているプログラム310を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU30は、サーバ装置3が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、サーバ装置3は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0053】
記憶装置31は、サーバ装置3において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置31がサーバ装置3において電子的に固定された情報を保存する。特に、本実施の形態における記憶装置31は、プログラム310、パラメータ情報311および正解情報312を記憶するとともに、センサノード2から送信された測定情報211を記憶するために使用される。
【0054】
パラメータ情報311は、PDRにおいて演算に使用する様々なパラメータを含む情報であり、予め適当な初期値が格納されている。なお、詳細は後述するが、パラメータ決定システム1は、パラメータ情報311に含まれるパラメータの値を最適な値に更新するためのシステムである。
【0055】
図5は、パラメータ情報311を例示する図である。
【0056】
なお、図5において、試行経路を識別するための識別子を「試行経路識別子S」とする。本実施の形態において、Sは、1ないし4の自然数であり、「1」は第1試行経路を、「2」は第2試行経路を、「3」は第3試行経路を、「4」は第4試行経路をそれぞれ示す。
【0057】
また、図5に示すパラメータPS0は、地磁気センサ26が信頼に足りるか否かを判定するために用いるパラメータである。なお、パラメータPS0における添え字の「S」は、すでに説明したように試行経路を示す。すなわち、例えば、パラメータP10は、第1試行経路において、地磁気センサ26によって取得した方位を採用するか否かを判定するために用いるパラメータである。以下、図5において同様とする。また、本実施の形態におけるパラメータPS0は、最適化の対象ではない。
【0058】
また、図5に示すパラメータPS1は、PDRにおいて、伏角(後述する「伏角φ」。)を求める際に、地磁気センサ26によって取得された地磁気情報260を採用するか否かを決定するためのパラメータである。パラメータPS1の値が大きいほど、PDRにおいて伏角φを求めるときに、地磁気情報260が採用されやすくなる。ただし、詳細は後述するが、パラメータ決定システム1では、演算によって求められる伏角φの正しさを判定するためにパラメータPS1を用いる。
【0059】
また、図5に示すパラメータPS2は、PDRにおいて、磁力(後述する「磁力m」。)を求める際に、地磁気センサ26によって取得された地磁気情報260を採用するか否かを決定するためのパラメータである。パラメータPS2の値が大きいほど、PDRにおいて磁力mを求めるときに、地磁気情報260が採用されやすくなる。ただし、詳細は後述するが、パラメータ決定システム1では、演算によって求められる磁力mの正しさを判定するためにパラメータPS2を用いる。
【0060】
また、図5に示すパラメータPS3は、PDRにおいて方位を推定する際に、地磁気センサ26によって取得された地磁気情報260に基づいて求めるか否かを決定するためのパラメータである。パラメータPS3の値が大きいほど、PDRにおいて方位を求めるときに、地磁気情報260が採用されやすくなる。ただし、詳細は後述するが、パラメータ決定システム1では、演算によって求められる方位(後述する「方位ψ」。)と地磁気センサ26によって取得される方位θとの差分を評価するためにパラメータPS3を用いる。
【0061】
さらに、図5に示すパラメータPS4,PS5は、歩行者(被験者)の速さVSを求めるために用いるパラメータである。本実施の形態では、歩行者の速さは、式1により求めるものとする。
【0062】
S=PS4×αh+PS5 ・・・ 式1
【0063】
図4に戻って、正解情報312は、試行における既知の情報から成る情報であって、パラメータ情報311を更新する際に参照される情報である。正解情報312には、試行の条件(試行に使用する試行経路など)を設定した時点で、固定の情報として決定される情報(以下、「固有情報」と称する。)と、被験者による試行が実行されることによって当該試行の結果として決定される情報(以下、「取得情報」と称する。)とが含まれる。
【0064】
正解情報312における固有情報としては、当該試行経路上を歩行するときの方位(以下、「正解方位ω」と称する。)や、経路距離(以下、「正解距離λ」と称する。)、試行経路上の地磁気の磁力(以下、「正解磁力γ」と称する。)などを含んでいる。また、本実施の形態においては、すでに述べたように、各試行において、被験者によるセンサノード2の持ち方(姿勢)は変更しないものとする。したがって、本実施の形態におけるセンサノード2の伏角(以下、「正解伏角δ」と称する。)は、固有情報として正解情報312に予め設定されている。
【0065】
正解情報312における取得情報としては、例えば、「被験者の歩行する速さ(以下、「正解速さV」と称する。)」がある。本実施の形態では、測定情報211に基づいて、被験者が各試行経路を歩行するのに要した時間(所要時間)を求めることができる。例えば、図3に示すファイル2111の例では、第1試行経路を歩行するのに要した時間は、「KT」とみなせる(あるいは被験者がB地点に到着したことを操作部22を用いて入力したタイミングを使用してもよい)。この所要時間は、ほぼ正確であるため、正解速さVは、式2により求めることができる。
【0066】
V=λ/所要時間 ・・・ 式2
【0067】
すなわち、本実施の形態では、正解速さVは、各試行経路における被験者の平均速さである。
【0068】
記憶装置31としては、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAMやバッファ、読み取り専用のROM、不揮発性のメモリ(例えばNANDメモリなど)、比較的大容量のデータを記憶するハードディスク、専用の読み取り装置に装着された可搬性の記憶媒体(CD−ROM、PCカード、SDカード、USBメモリなど)等が該当する。図4においては、記憶装置31を、あたかも1つの構造物であるかのように図示している。しかし、通常、記憶装置31は、上記例示した各種装置(あるいは媒体)のうち、必要に応じて採用される複数種類の装置から構成されるものである。すなわち、記憶装置31は、データを記憶する機能を有する装置群の総称である。
【0069】
また、現実のCPU30は高速にアクセス可能なRAMを内部に備えた電子回路である。しかし、このようなCPU30が備える記憶装置も、説明の都合上、記憶装置31に含めて説明する。すなわち、本実施の形態においては、一時的にCPU30自体が記憶するデータも、記憶装置31が記憶するとして説明する。
【0070】
操作部32は、操作者がサーバ装置3に様々な情報を入力するために操作されるハードウェアである。操作部32としては、各種ボタン類、キー、回転式セレクタ、あるいは、タッチパネルなどが該当する。
【0071】
表示部33は、各種情報を表示することにより出力する出力部としての機能を有している。すなわち、表示部33は、操作者(被験者)が視覚によって知覚する状態で情報を出力するハードウェアである。表示部33としては、例えば、液晶パネル、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ランプ、あるいは、LEDなどが該当する。
【0072】
通信部38は、無線によるデータ通信を行う機能を提供する。これにより、サーバ装置3は、センサノード2から送信される測定情報211を受信することができる。
【0073】
図6は、第1の実施の形態におけるサーバ装置3が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図6に示すPDR処理部300、評価部301および更新部302は、CPU30がプログラム310に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0074】
PDR処理部300は、センサノード2により取得された測定情報211と、記憶装置31に記憶されたパラメータ情報311とに基づいて、被験者の動きに関する物理量を推定して中間情報313を生成する。さらに、PDR処理部300は、生成した中間情報313に基づいて、当該被験者の相対位置を推定し、位置情報314を生成する。すなわち、PDR処理部300は、本発明における位置推定手段に相当する。
【0075】
なお、本実施の形態におけるPDR処理部300は、例えば、従来のPDR技術を適用することにより実現される機能ブロックである。ただし、PDR処理部300は、中間情報313を演算し求めるだけではなく、求めた中間情報313を記憶装置31に出力する機能を有している。また、PDR処理部300は、決定されたパラメータ情報311がインストールされ実際に使用される端末装置において起動される機能ブロックと同等の機能ブロックであることが好ましい。さらに、詳細は後述するが、本実施の形態において、「被験者の動きに関する物理量」とは、センサノード2の伏角(以下、「伏角φ」と称する。)、地磁気の大きさ(以下、「磁力m」と称する。)、角速度情報250により求めた方位(以下、「方位ψ」と称する。)、地磁気情報260により求めた方位(以下、「方位θ」と称する。)、鉛直方向の加速度(以下、「加速度αh」と称する。)である。従来のPDR技術では、これらの物理量を求めて、歩行者の相対位置を推定する。
【0076】
評価部301は、記憶装置31に記憶されている正解情報312に基づいて、PDR処理部300により生成された中間情報313を評価し、評価情報315を生成する機能を有している。
【0077】
更新部302は、評価部301による評価結果(評価情報315)に応じて、記憶装置31に記憶されているパラメータ情報311を更新する。なお、更新部302がパラメータ情報311を更新する方法については後述する。
【0078】
以上が、本実施の形態におけるパラメータ決定システム1の構成および機能の説明である。次に、パラメータ決定システム1を用いて最適なパラメータ情報311を決定する方法について説明する。
【0079】
図7は、パラメータ決定方法において実行される工程を示す流れ図である。なお、図7に示す処理が開始されるまでに、センサノード2において測定情報211が取得されており、かつ、サーバ装置3においてパラメータ情報311が準備されているものとする。
【0080】
まず、サーバ装置3は、所定の初期設定を実行した後、センサノード2とデータ通信を行い、センサノード2から測定情報211を受信し、取得する(ステップS1)。ステップS1の処理は、サーバ装置3のオペレータにより開始が指示され、当該指示に応じて、サーバ装置3がセンサノード2に対して測定情報211の送信を要求することにより開始される。ただし、センサノード2において測定情報211が作成されたタイミングで、センサノード2からサーバ装置3に向けて測定情報211を送信することによりステップS1の処理が開始されてもよい。ステップS1が実行されることにより、サーバ装置3の記憶装置31に、測定情報211が記憶される。
【0081】
なお、以下の説明では、取得された測定情報211のすべての情報を用いてパラメータ情報311を決定する例について説明する。しかし、例えば、測定情報211を構成する複数のファイル2111ないしファイル211Xを取得条件に応じて適当に分類し、一部のファイルのみを使用してパラメータ情報311を決定してもよい。例えば、ファイル2111ないしファイル211Xのうち、「女性」を被験者とする情報のみに基づいて、「女性」向けのパラメータ情報311を決定してもよい。すなわち、パラメータ情報311は、PDR(歩行者の相対位置推定)に用いる一組のパラメータに限定されるものではなく、様々な条件に応じて使い分けられる複数組のパラメータを含んでいてもよい。
【0082】
サーバ装置3において測定情報211が準備されると、サーバ装置3は、正解情報312(より詳細には、正解情報312のうちの取得情報)を作成する(ステップS2)。
【0083】
本実施の形態においては、まず、測定情報211に基づいて、各試行における各試行経路の所要時間が演算される。さらに、求められた各所要時間と、正解情報312の固有情報に含まれる各試行経路についての正解距離λとに基づいて、式2により、各試行における各試行経路の正解速さVが求められる。
【0084】
なお、各試行における各試行経路の正解速さVについては、被験者が各試行経路を実際に歩行しているときに、外部の観測装置等によって、測定情報211とは別に測定し、取得してもよい。また、この場合は、平均速さではなく、各地点ごと(測定情報211の各レコードが作成されるときごと)に異なる速さとしてもよい。
【0085】
図8は、正解情報312の例を示す図である。図8に示す正解情報312は、ステップS2が実行された後の状態を示している。すなわち、図8に示す正解情報312は、固有情報と、取得情報とを含んでいる。
【0086】
なお、図8において、試行経路を識別するための識別子を「試行経路識別子S」とする。Sは、1ないし4の自然数であり、「1」は第1試行経路を、「2」は第2試行経路を、「3」は第3試行経路を、「4」は第4試行経路をそれぞれ示す。また、正解方位ω、正解距離λおよび正解磁力γは、いずれも試行経路ごとに決定されており、添え字として、試行経路識別子Sを使用する。また、ファイル2111ないしファイル211Xを識別するための識別子を「ファイル識別子Q」とする。Qは、1ないしXの自然数である。さらに、正解速さVは、各試行ごとの各試行経路ごとに求まるため、添え字として、試行経路識別Sおよびファイル識別子Qを使用する。
【0087】
図7に戻って、正解情報312が作成されると、サーバ装置3は、中間情報生成処理を実行する(ステップS3)。中間情報生成処理とは、主に、PDR処理部300が、中間情報313を作成する処理である。
【0088】
図9は、中間情報生成処理を示す流れ図である。
【0089】
中間情報生成処理が開始されると、PDR処理部300は、カウンタQ(ファイル識別子Qを格納するためのカウンタ)に「1」をセットする(ステップS11)。これにより、カウンタQとは、中間情報生成処理において現在演算の対象としているファイル(ファイル2111ないしファイル211X)を示す情報となる。
【0090】
次に、PDR処理部300は、カウンタRに「1」をセットする(ステップS12)。カウンタRとは、1以上の自然数であり、中間情報生成処理において現在演算の対象としているファイル(ファイル2111ないしファイル211X)のレコードを個々に識別する情報である。
【0091】
ステップS12を実行すると、PDR処理部300は、記憶装置31に記憶されている測定情報211を参照し、ファイル211Qの第R番目のレコードを読み出す(ステップS13)。ステップS13が実行されることにより、PDR処理部300は、処理するレコード(各センサにより1回の測定で取得された情報)を読み込むことになる。
【0092】
次に、PDR処理部300は、ステップS13において読み込んだレコードの「位置」を参照し、変数Sに当該位置を示す識別子をセットする(ステップS14)。これによって、変数Sを参照することにより、現在処理中のレコードは、被験者がどの位置(試行経路上)に居るときに取得(観測)されたレコードであるかを識別することができる。本実施の形態では、位置が「A−B」のときに「1」、位置が「B−C」のときに「2」、位置が「C−D」のときに「3」、位置が「D−E」のときに「4」がセットされるものとする。
【0093】
ステップS14が実行されると、PDR処理部300は、記憶装置31に記憶されているパラメータ情報311を参照し、変数Sに対応した一組のパラメータを取得して、PDRにおいて使用するパラメータとして設定する(ステップS15)。
【0094】
パラメータが設定されると、PDR処理部300は、PDR処理を実行する(ステップS16)。従来の技術に従って歩行者(被験者)の相対位置を推定しつつ、中間情報313を作成する処理である。
【0095】
図10は、PDR処理を示す流れ図である。なお、以下の説明では、相対位置を推定し求める処理は、従来技術を適宜採用することができるため、詳細な説明は省略し、簡単に説明する。
【0096】
PDR処理を開始すると、PDR処理部300は、ステップS13において読み込んだレコード(測定されたデータ)を補正し(ステップS21)、そのときのセンサノード2の姿勢を推定する(ステップS22)。これにより、伏角φが求まる。
【0097】
次に、PDR処理部300は、ステップS22において推定した姿勢に基づいて、方位ψを推定する(ステップS23)。いわば、方位ψは演算により求まる演算方位である。なお、ステップS23において、PDR処理部300は、磁力mを求めてから、方位θを求める。方位θは、いわば地磁気を観測することによって求まる観測方位である。
【0098】
さらに、PDR処理部300は、被験者の鉛直方向の加速度を推定し(ステップS24)、歩行速度を推定する(ステップS25)。
【0099】
ステップS21ないしS25を実行すると、PDR処理部300は、これらの処理において求められた様々な情報(伏角φ、磁力m、方位ψ、方位θ、および、加速度αh)に基づいて、中間情報313の中の1つのレコードを作成する(ステップS26)。
【0100】
なお、本実施の形態では、変数S(試行経路)ごとに分類して中間情報313を作成する。すなわち、被験者の位置が第1試行経路上のときのレコードに基づいて作成される中間情報313と、被験者の位置が第2試行経路上のときのレコードに基づいて作成される中間情報313と、被験者の位置が第3試行経路上のときのレコードに基づいて作成される中間情報313と、被験者の位置が第4試行経路上のときのレコードに基づいて作成される中間情報313とが存在することになる。また、作成される各中間情報313には、変数Sの値が試行経路識別子として付加される。
【0101】
中間情報313を作成すると、PDR処理部300は、被験者の相対位置を推定することにより位置情報314を作成し(ステップS27)、PDR処理を終了して、図9に示す処理に戻る。
【0102】
図9に戻って、PDR処理(ステップS16)を終了すると、PDR処理部300は、現在処理中の第R番目のレコードが、ファイル211Q内の最終レコードか否か(ファイルエンドか否か)を判定する(ステップS17)。
【0103】
第R番目のレコードが、ファイル211Q内の最終レコードでない場合(ステップS17においてNo。)、PDR処理部300は、カウンタRをインクリメントして(ステップS18)、ステップS13からの処理を繰り返す。これにより、未処理の次のレコードがファイル211Qから読み出され(ステップS13)、ステップS14ないしS16の処理が実行される。
【0104】
一方、ステップS17においてYesの場合、PDR処理部300は、ファイル211Qに含まれる全てのレコードについての処理が終了したとみなして、カウンタQがXか否かを判定する(ステップS19)。
【0105】
カウンタQがXでない場合は(ステップS19においてNo。)、測定情報211の中に、未だ処理されていないファイルが残っていることを意味する。したがって、この場合、PDR処理部300は、カウンタQをインクリメントして(ステップS20)、ステップS12からの処理を繰り返す。これにより、次のファイルに対する上記処理が実行される。
【0106】
一方、ステップS19においてYesの場合、PDR処理部300は、すでに全てのファイル2111ないしファイル211Xを処理したとみなして、中間情報生成処理を終了し、図7に示す処理に戻る。
【0107】
図7に戻って、中間情報生成処理を終了すると、サーバ装置3は、パラメータ最適化処理を実行する(ステップS4)。
【0108】
図11および図12は、パラメータ最適化処理を示す流れ図である。
【0109】
まず、CPU30(評価部301)は、変数S(試行経路識別子S)に「1」をセットして(ステップS31)、変数Sを初期化する。変数Sは、パラメータ最適化処理において、中間情報313を指定するための変数として使用される。変数Sにより、被験者が第S試行経路上に存在するときのレコードに基づいて作成された中間情報313が指定されることとなる。
【0110】
次に、評価部301は、カウンタQに「1」をセットして(ステップS32)、カウンタQを初期化する。カウンタQ(ファイル識別子Q)は、パラメータ最適化処理において、指定されている中間情報313に含まれるレコードのうち、ファイル211Q由来のレコードを指定するために使用される。
【0111】
さらに、評価部301は、カウンタJに「1」をセットして(ステップS33)、カウンタJを初期化する。カウンタJは、1以上の自然数であり、パラメータ最適化処理において、すでに指定されている中間情報313のレコードの中から、指定されているファイル211Qに由来するレコードを1つ指定するために使用される。
【0112】
ステップS33を実行すると、評価部301は、変数Sによって指定された中間情報313を参照する。そして、当該中間情報313に含まれる複数のレコードから、カウンタQによって指定されたファイル211Q由来のレコード(通常、複数存在する。)のうちの第J番目のレコードを読み出す(ステップS34)。すなわち、ステップS34により、被験者が第S試行経路上に存在しているときに取得された測定値(測定情報211のレコード)に基づいて作成された中間情報313に含まれる、ファイル211Q由来の複数のレコードのうち、第J番目のレコードを1つ読み出す。なお、詳細な説明は省略するが、評価部301は、ステップS34を実行するときに、読み出したレコードから、加速度αhを一時ファイル(あるいはバッファ)などに記録する。
【0113】
ステップS34を実行すると、評価部301は、変数Sに対応する正解情報312を読み出す(ステップS35)。すなわち、ステップS35において、評価部301は、第S試行経路に関する正解情報312を読み出す。
【0114】
次に、評価部301は、変数Sに対応するパラメータ情報311を読み出す(ステップS36)。すなわち、ステップS36において、評価部301は、第S試行経路に関するパラメータ情報311を読み出す。
【0115】
ステップS36を実行すると、評価部301は、地磁気パラメータ最適化処理を実行する(ステップS37)。なお、ステップS37の処理は、ステップS35において読み出した正解情報312と、ステップS36において読み出したパラメータ情報311とを用いて、ステップS34において読み込んだレコードに対して実行する。
【0116】
図13は、地磁気パラメータ最適化処理を示す流れ図である。
【0117】
地磁気パラメータ最適化処理を開始すると、評価部301は、正解情報312に含まれる正解方位ωSと、中間情報313に含まれる地磁気センサ26のみで求めた方位θとの差分が、パラメータ情報311に含まれるパラメータPS0以下か否かを判定する(ステップS51)。すなわち、評価部301は、地磁気センサ26のみで求めた方位θが正解方位ωSに近い値か否かを判定する。評価部301は、この判定結果を評価情報315とする。
【0118】
ステップS51における評価情報315が「No」である場合、更新部302は、地磁気パラメータ最適化処理を終了して、図11に示す処理に戻る。ステップS51においてNoの場合とは、地磁気センサ26(地磁気情報260)のみから求めた方位θは、正解方位ωSと大きく異なっていることを意味する。この場合、更新部302は、地磁気センサ26が信頼するに足りない(無視すべき)とみなす。すなわち、この場合は、更新部302による地磁気パラメータ(パラメータ情報311)の更新は実行されない。
【0119】
一方で、ステップS51においてYesの場合、更新部302は、地磁気センサ26がある程度、信頼するに足りるとみなして、地磁気パラメータ最適化処理を続行する。すなわち、この場合には、評価部301が、中間情報313に含まれる伏角φと、正解情報312に含まれる正解伏角δとの差分を求め、当該差分がパラメータ情報311に含まれるパラメータPS1より大きいか否かを判定する(ステップS52)。評価部301は、この判定結果を評価情報315とする。
【0120】
ステップS52における評価情報315が「Yes」の場合、更新部302は、ステップS52で求められた差分を新たにパラメータPS1とすることにより、パラメータ情報311を更新する(ステップS53)。
【0121】
ステップS52およびS53が実行される場合とは、すでに説明したように、ステップS51においてYesと判定された場合であり、この場合、地磁気センサ26のみで求めた方位θが正解方位ωSに近いことを意味する。そして、ステップS53が実行される場合とは、地磁気センサ26のみで求めた方位θが正解方位ωSに近い(すなわち正確であると考えられる。)にも関わらず、伏角φと正解伏角δとの差分が大きいことを意味する。すなわち、この場合とは、比較的正確に求まっている方位θに基づいて伏角φが求められておらず、地磁気情報260が採用されていないことを意味する。したがって、この場合、更新部302は、パラメータPS1の値を大きくする方向に更新して、地磁気情報260が採用されやすくなるようにパラメータPS1を最適化する。
【0122】
一方で、ステップS52においてNoの場合、更新部302は、ステップS53をスキップして、パラメータPS1(パラメータ情報311)を更新することなく、そのまま維持する。すなわち、伏角φが正解伏角δに近く、正確に求まっているとみなせる場合には、パラメータPS1を維持する。
【0123】
次に、評価部301は、中間情報313に含まれる磁力mと、正解情報312に含まれる正解磁力γSとの差分を求め、当該差分がパラメータ情報311に含まれるパラメータPS2より大きいか否かを判定する(ステップS54)。評価部301は、この判定結果を評価情報315とする。
【0124】
ステップS54における評価情報315が「Yes」の場合、更新部302は、ステップS54で求められた差分を新たにパラメータPS2とすることにより、パラメータ情報311を更新する(ステップS55)。
【0125】
一方で、ステップS54においてNoの場合、更新部302は、ステップS55をスキップして、パラメータPS2(パラメータ情報311)を更新することなく、そのまま維持する。
【0126】
さらに、評価部301は、中間情報313に含まれる方位θと方位ψとの差分を求め、当該差分がパラメータ情報311に含まれるパラメータPS3より大きいか否かを判定する(ステップS56)。評価部301は、この判定結果を評価情報315とする。
【0127】
ステップS56における評価情報315が「Yes」の場合、更新部302は、ステップS56で求められた差分を新たにパラメータPS3とすることにより、パラメータ情報311を更新する(ステップS57)。
【0128】
ステップS56およびS57が実行される場合とは、すでに説明したように、ステップS51においてYesと判定された場合であり、この場合、地磁気センサ26のみで求めた方位θが正解方位ωSに近いことを意味する。そして、ステップS57が実行される場合とは、地磁気センサ26のみで求めた方位θが正解方位ωSに近い(すなわち正確であると考えられる。)にも関わらず、演算により求めた方位ψとの差分が大きいことを意味する。すなわち、この場合とは、演算により求まる方位ψが信用できないことを意味する。したがって、この場合、更新部302は、パラメータPS3の値を大きくする方向に更新して、方位θにより方位が推定されるようにパラメータPS3を最適化する。
【0129】
一方で、ステップS56においてNoの場合、更新部302は、ステップS57をスキップして、パラメータPS3(パラメータ情報311)を更新することなく、そのまま維持する。すなわち、方位θが正確であり、かつ、方位θと方位ψとが近い場合には、いずれもが正確に求まっているとみなして、パラメータPS3を維持する。
【0130】
ステップS51においてNoと判定されるか、ステップS56においてNoと判定されるか、あるいはステップS57が実行されると、サーバ装置3は、地磁気パラメータ最適化処理を終了して、図11に示す処理に戻る。
【0131】
図11に戻って、地磁気パラメータ最適化処理を終了すると、評価部301は、カウンタJに基づいて、同一ファイル由来のレコードについて、最終レコードまで処理が終了したか否かを判定する(ステップS38)。
【0132】
未だ、同一のファイル由来のすべてのレコードについて処理が終了していない場合(ステップS38においてNo。)、評価部301は、カウンタJをインクリメントして(ステップS39)、ステップS34からの処理を繰り返す。これにより、残りのレコードについてもステップS34ないしS38の処理が実行される。
【0133】
一方、同一のファイル由来のすべてのレコードについて処理が終了している場合(ステップS38においてYes。)、評価部301は、ステップS35において読み出した正解情報312に含まれている正解速さVSQを一時ファイル(あるいはバッファ)などに記録する(ステップS41)。
【0134】
本実施の形態においては、ある被験者が第S試行経路上を歩行しているときの速さは一定であるとみなす。したがって、正解速さVSQは一定である。そのため、本実施の形態では、正解速さVSQは、加速度αhと異なり、ステップS35が実行されるたびに記録する必要はなく、ステップS41においてのみ記録すればよい。
【0135】
ステップS41を実行すると、評価部301は、ステップS35が実行されるたびに記録されている加速度αhと、正解速さVSQとに基づいて、最小二乗法を適用して、式1となる、速さに関するパラメータPS4,PS5を求める(ステップS42)。
【0136】
パラメータPS4,PS5が求まると、更新部302は、ステップS42で求めたパラメータPS4,PS5によりパラメータ情報311を更新する(ステップS43)。このように、本実施の形態では、ステップS42が実行されると、必ずステップS43を実行してパラメータ情報311を更新する。しかし、例えば、ステップS42で新たに求めたパラメータPS4,PS5と、すでに設定されているパラメータPS4,PS5との差分を求め、当該差分が所定の閾値よりも大きい場合にのみ、パラメータPS4,PS5を更新するように構成してもよい。
【0137】
ステップS43が実行されると、評価部301は、カウンタQがXか否かを判定する(ステップS44)。
【0138】
ステップS44においてNoと判定すると、評価部301は、変数Sによって指定されている中間情報313の中に、未だ処理が終了していないレコード(未だ処理が終了していないファイルに由来するレコード)が存在するとみなして、カウンタQをインクリメントして(ステップS45)、ステップS33からの処理を繰り返す。
【0139】
一方で、ステップS44においてYesと判定すると、評価部301は、変数Sによって指定されている中間情報313に含まれるすべてのレコードについて処理が終了したとみなして、さらに、変数Sが4であるか否かを判定する(ステップS46)。
【0140】
ステップS46においてNoの場合、評価部301は、未だ処理が完了していない中間情報313が存在するとみなして、変数Sをインクリメントして、ステップS32からの処理を繰り返す。
【0141】
一方で、ステップS46においてYesと判定すると、評価部301は、パラメータ最適化処理を終了して、図6に示す処理に戻る。
【0142】
図6に戻って、パラメータ最適化処理を終了すると、サーバ装置3は、処理を終了する。これにより、最適化されたパラメータ情報311が決定される。
【0143】
以上のように、パラメータ決定システム1は、歩行者の歩行動作を解析するときに用いるパラメータ情報311と正解情報312とを記憶する記憶装置31と、歩行者の動きに関する測定情報211を取得するセンサノード2と、センサノード2により取得された測定情報211と記憶装置31に記憶されたパラメータ情報311とに基づいて、歩行者の動きに関する物理量を推定して中間情報313を生成し、生成した中間情報313に基づいて、当該歩行者の相対位置を推定するPDR処理部300と、記憶装置31に記憶されている正解情報312に基づいて、PDR処理部300により生成された中間情報313を評価する評価部301と、評価部301による評価結果(評価情報315)に応じて、記憶装置31に記憶されているパラメータ情報311を更新する更新部302とを備える。これにより、相対位置を推定する演算を1度実行するだけで、最適なパラメータ情報311を決定することができる。すなわち、演算負荷を抑制しつつ、最適なパラメータ情報311を決定することができる。
【0144】
<2. 第2の実施の形態>
第1の実施の形態におけるパラメータ決定システム1は、メーカの製造工場や開発ルーム、研究施設等に設置され、運用されるシステムとして説明した。すなわち、パラメータ決定システム1によって決定されるパラメータ情報311は、いわば製造工程(開発工程)において最適化される情報である。しかし、一方で、パラメータ決定システム1では、市場に流通させた後にパラメータ情報311を最適化することはできない。そもそも、メーカの製造工場や開発ルーム、研究施設等の内部に設定される試行経路上を、一般のユーザが被験者となって歩行し、ユーザ自身が試行を行うことも困難である。しかし、本発明は、このような形態に限定されるものではない。
【0145】
図14は、第2の実施の形態におけるパラメータ決定システム4を示す図である。以下の説明において、第2の実施の形態におけるパラメータ決定システム4については、第1の実施の形態におけるパラメータ決定システム1と同様の構成については同符号を付し、適宜説明を省略する場合がある。
【0146】
図14に示すように、パラメータ決定システム4は、携帯端末装置5、サーバ装置6および中継機7を備えている。中継機7は、いわゆる無線の基地局であり、無線通信を行う端末装置(本実施の形態における携帯端末装置5など)を公衆網9に接続する機能を提供する。公衆網9は、電話網やインターネットなどのネットワークであり、有線による通信網であるか無線による通信網であるかを問わない。また、これらのネットワークが互いに接続されて複合的なネットワークを構成していてもよい。
【0147】
携帯端末装置5と中継機7との間では、無線によるデータ通信が可能とされている。また、サーバ装置6および中継機7は、いずれも公衆網9にデータ通信が可能な状態で接続されており、互いにデータ通信が可能とされている。これにより、パラメータ決定システム4において、携帯端末装置5とサーバ装置6は、中継機7および公衆網9を介して互いにデータ通信が可能となっている。
【0148】
パラメータ決定システム4を構成する携帯端末装置5は、市場において販売され、一般消費者であるユーザにより所有されている装置(市販機)である。すなわち、本実施の形態における市販機とは、市場に流通している装置と同等の装置を含むもの(広義の市販機)ではなく、現実に市場に流通した装置そのもの(狭義の市販機)をいう。このような装置としては、例えば、一般消費者が所有する携帯電話やスマートフォン、PDA、デジタルカメラ、電子タブレット、電子手帳、電子書籍などが想定されるが、これらに限定されるものではない。
【0149】
なお、第2の実施の形態では、ユーザが携帯端末装置5を携帯しつつ歩行することによって、パラメータが決定される。すなわち、第2の実施の形態においては、ユーザが「歩行者」となる。
【0150】
図15は、携帯端末装置5のブロック図である。携帯端末装置5は、CPU50、記憶装置51、操作部52および表示部53を備えている。また、第1の実施の形態におけるセンサノード2と同様に、加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26を備えている。携帯端末装置5は、すでに説明したように、歩行者(ユーザ)によって携帯可能な端末装置を構成している。
【0151】
なお、第2の実施の形態においても、ユーザが携帯端末装置5を携帯しつつ歩行する既知の経路を「試行経路」と称する。また、本実施の形態においても、試行経路として、A地点からB地点までの第1試行経路と、B地点からC地点までの第2試行経路と、C地点からD地点までの第3試行経路と、D地点からE地点までの第4試行経路とが予め設定されているものとして説明する。ただし、本実施の形態における試行経路は、遊園地やショッピングモール等のPDRを提供する施設の入り口付近に予め設定されており、ユーザが容易に視認できるように、路面あるいは床面に試行経路が描かれているものとする。
【0152】
また、本実施の形態においても、ユーザが、A地点を出発点として歩行を開始し、B地点、C地点およびD地点を経由して、E地点を終着点とする歩行行為を1回の「試行」と称する。すなわち、本実施の形態においても、1回の試行において、ユーザは、第1試行経路ないし第4試行経路を連続して歩行する。
【0153】
CPU50は、記憶装置51に格納されているプログラム510を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU50は、携帯端末装置5が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、携帯端末装置5は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0154】
記憶装置51は、携帯端末装置5において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置51が携帯端末装置5において電子的に固定された情報を保存する。すなわち、携帯端末装置5における記憶装置51は、センサノード2における記憶装置21に相当する装置である。本実施の形態における記憶装置51は、プログラム510、測定情報511、および、パラメータ情報311を記憶するために使用される。
【0155】
操作部52は、操作者(ユーザ)が携帯端末装置5に様々な情報を入力するために操作されるハードウェアである。操作部52としては、各種ボタン類、キー、回転式セレクタ、あるいは、タッチパネルなどが該当する。
【0156】
表示部53は、各種情報を表示することにより出力する出力部としての機能を有している。すなわち、表示部53は、操作者(ユーザ)が視覚によって知覚する状態で情報を出力するハードウェアである。表示部53としては、例えば、液晶パネル、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ランプ、あるいは、LEDなどが該当する。
【0157】
さらに、携帯端末装置5は、タイマ57および通信部58を備えている。
【0158】
タイマ57は、時間を計測するハードウェアであり、加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26における測定時間を記録する。詳細は後述するが、タイマ57において計測された時間は、測定情報511に含められる。
【0159】
通信部58は、中継機7との間で無線によるデータ通信を行うことにより、サーバ装置6との間でデータ通信を行う。特に、通信部58は、サーバ装置6から正解情報611をダウンロードする機能を提供する。
【0160】
なお、携帯端末装置5は、図2に示した構成以外にも、例えば、スピーカやマイク、カメラ、カードスロット、GPS受信機、あるいは、各種コネクタなどを備えていてもよい。
【0161】
次に、携帯端末装置5において作成される測定情報511について説明する。図15に示すように、測定情報511には、ファイル5111が含まれている。そして、ファイル5111は、1回の試行において収集(観測)された情報(詳細後述)を構成している。本実施の形態においては、携帯端末装置5はユーザ一個人の所有物であり、第1の実施の形態のように「歩行者」を変更して複数回の試行を行うようなことはしない。したがって、測定情報に含まれるファイルはファイル5111のみである。ファイル5111は、第1の実施の形態におけるファイル2111と同様の構造を有する情報であるため、ここでは説明を省略する。
【0162】
図16は、第2の実施の形態におけるサーバ装置6を示すブロック図である。サーバ装置6は、CPU60、記憶装置61、操作部32、表示部33、および、通信部68を備えている。
【0163】
第2の実施の形態におけるパラメータ決定システム4を構成するサーバ装置6は、特定の施設などにおいてPDRをサービスとして提供する企業や、これを請け負う企業などに設置される。
【0164】
サーバ装置6のCPU60は、記憶装置61に格納されているプログラム610を読み取りつつ実行し、各種データの演算や制御信号の生成等を行う。これにより、CPU60は、サーバ装置6が備える各構成を制御するとともに、各種データを演算し作成する機能を有している。すなわち、サーバ装置6は、一般的なコンピュータとして構成されている。
【0165】
記憶装置61は、サーバ装置6において各種データを記憶する機能を提供する。言い換えれば、記憶装置61がサーバ装置6において電子的に固定された情報を保存する。すなわち、サーバ装置6における記憶装置61は、サーバ装置3における記憶装置31に相当する装置である。本実施の形態における記憶装置61は、プログラム610および正解情報データベース611を記憶するために使用される。
【0166】
正解情報データベース611は、正解情報6111ないし正解情報611Zが含まれている(Zは1以上の自然数。)。すなわち、正解情報データベース611は、正解情報6111ないし正解情報611Zごとに、1つのレコードが作成されるテーブル構造のデータベースである。
【0167】
正解情報6111ないし正解情報611Zは、それぞれが第1の実施の形態における正解情報312に相当する情報であり、それぞれが登録された施設に対応する情報である。ただし、正解情報データベース611に登録されている正解情報6111ないし正解情報611Zは、いずれも固有情報のみである。
【0168】
登録された施設とは、PDRが提供される施設として正解情報データベース611に登録された施設であって、すでに試行経路が設定されている施設である。具体的には、ユーザが利用する遊園地やアミューズメント施設、ショッピングモール、地下街などであり、ユーザがPDRを利用しようとする場所として携帯端末装置5を用いて指定するものである。
【0169】
なお、正解情報6111ないし正解情報611Zは、互いに同様の構造を有する情報であるため、以下の説明では、正解情報6111を用いる例について説明する。すなわち、ユーザによってサーバ装置6に対して正解情報6111の送信が要求され、正解情報6111が携帯端末装置5にダウンロードされる例で説明する。
【0170】
通信部68は、サーバ装置6を公衆網9に接続する機能を提供する。これにより、サーバ装置6は、携帯端末装置5からの要求に応じて、当該携帯端末装置5に向けて正解情報611を送信することができる。
【0171】
図17は、第2の実施の形態における携帯端末装置5が備える機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図17に示すPDR処理部300、評価部301および更新部302は、CPU50がプログラム510に従って動作することにより実現される機能ブロックである。
【0172】
第1の実施の形態におけるパラメータ決定システム1では、サーバ装置3に、PDR処理部300、評価部301および更新部302が設けられていた。しかし、第2の実施の形態におけるパラメータ決定システム4では、これらの構成が、歩行者(ユーザ)が所持する携帯端末装置5に設けられている。
【0173】
第2の実施の形態におけるPDR処理部300は、測定情報511とパラメータ情報311とに基づいて、ユーザの動きに関する物理量を推定して中間情報313を生成する。すなわち、本実施の形態におけるPDR処理部300は、測定情報211(外部の装置から取得した情報)の代わりに測定情報511(自機において取得した情報)を参照する点が第1の実施の形態におけるPDR処理部300と異なっている。
【0174】
さらに、第2の実施の形態におけるPDR処理部300は、生成した中間情報313に基づいて、当該被験者の相対位置を推定し、位置情報314を生成する。すなわち、第2の実施の形態におけるPDR処理部300も、本発明における位置推定手段に相当する。なお、本実施の形態におけるPDR処理部300は、携帯端末装置5において、実際にPDRが提供される際には、ユーザの現在の位置を推定する機能を提供する機能ブロックである。
【0175】
第2の実施の形態における評価部301は、サーバ装置6からダウンロードされた正解情報6111に基づいて、PDR処理部300により生成された中間情報313を評価し、評価情報315を生成する機能を有している。すなわち、本実施の形態における評価部301は、正解情報312(自機において取得した情報)の代わりに正解情報6111(外部の装置から取得した情報)を参照する点が第1の実施の形態における評価部301と異なっている。
【0176】
以上が、第2の実施の形態におけるパラメータ決定システム4の構成および機能の説明である。次に、パラメータ決定システム4を用いて最適なパラメータ情報311を決定する方法について説明する。
【0177】
図18は、第2の実施の形態におけるパラメータ決定方法において実行される工程を示す流れ図である。図18に示す処理は、ユーザが試行を開始する前に、携帯端末装置5の操作部52を操作して指示を入力することにより開始される。
【0178】
図18に示す処理が開始されると、ユーザからの入力に応じて、正解情報6111ないし正解情報611Zの中からダウンロードするものを特定する(ステップS61)。ステップS61の処理は、例えば、次のようにして実現することができる。まず、ユーザが携帯端末装置5を操作して、サーバ装置6にアクセスすると、サーバ装置6の正解情報データベース611に登録されている施設の一覧が携帯端末装置5の表示部53に表示される。このようにして表示された一覧表の中から、ユーザが、これからPDRの提供を受けようとする施設を選択することにより、正解情報6111ないし正解情報611Zの中から所望の情報が特定される。
【0179】
ステップS61が実行されると、サーバ装置6は、ステップS61において特定された正解情報(本実施の形態では正解情報6111を例に説明する。)を携帯端末装置5に向けて送信する。このようにして、携帯端末装置5は、ユーザが所望する情報である正解情報6111を、サーバ装置6から取得する(ステップS62)。
【0180】
なお、本実施の形態における歩行者は、一般のユーザであるため、被験者に比べて、試行についての知識が浅いことが想定される。したがって、適当なタイミングで、サーバ装置6から、試行に関する情報が携帯端末装置5(ユーザ)に対して提供されることが好ましい。試行に関する情報とは、例えば、試行を行うときの携帯端末装置5の操作方法(A地点ないしE地点に到着したタイミングを入力する方法など)、試行経路上を歩行する際の注意事項(携帯端末装置5の持ち方)などである。また、試行に関する情報には、各試行経路に固有の情報が含まれていてもよい。
【0181】
正解情報6111が準備され、ユーザが操作部52を操作して試行の開始を指示すると、携帯端末装置5は、試行を開始する(ステップS63)。
【0182】
試行が開始されると、携帯端末装置5は、ユーザによって試行の終了が指示されたか否かを判定しつつ(ステップS65)、測定情報511の作成を行う(ステップS64)。
【0183】
測定情報511の作成は、タイマ57を監視し、時間Tが経過するごとに、加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26によって作成される加速度情報240、角速度情報250および地磁気情報260に基づいて、ファイル5111にレコードが追加されることにより実行される。
【0184】
また、ステップS65における試行の終了は、ユーザがE地点(終点)に到着したことを示す指示を操作部52を操作して入力したことにより、判定することができる。なお、図18において図示を省略したが、ステップS64,S65が実行されている間、CPU50は、ユーザがE地点に到着したタイミングを示す指示だけでなく、ユーザがB地点ないしD地点(すなわち中間点)のそれぞれに到着したタイミングを指示についても監視しており、これらの情報に基づいてファイル5111を作成する。
【0185】
ユーザが操作部52を操作して、ユーザがE地点に到着したタイミングを入力すると、CPU50は、ステップS65においてYesと判定し、試行を終了する。この時点で、ファイル5111(測定情報511)が完成する。
【0186】
次に、CPU50は、正解情報6111を作成する(ステップS66)。ステップS66において、CPU50は、ダウンロードした固有情報のみの正解情報6111と、作成された測定情報511(ファイル5111)とを参照しつつ、正解情報6111における取得情報を作成して、正解情報6111を作成する。
【0187】
正解情報6111が作成されると、携帯端末装置5は、中間情報生成処理(ステップS67)およびパラメータ最適化処理(ステップS68)を実行する。なお、中間情報生成処理(ステップS67)およびパラメータ最適化処理(ステップS68)は、第1の実施の形態における中間情報生成処理(ステップS3)およびパラメータ最適化処理(ステップS4)と同様に実行することが可能であるため、説明を省略する。
【0188】
パラメータ最適化処理を実行すると、携帯端末装置5は、パラメータ決定処理を終了する。なお、携帯端末装置5は、パラメータ決定処理を終了すると、PDRの提供を開始する。このとき、ユーザの向きや位置は、試行を行った試行経路により特定されている(D地点からE地点に向かう向きであり、かつ、E地点に存在している。)。すなわち、PDRを開始する時点の条件の一部が既知となるため、PDRをより正確に実現できる。
【0189】
以上のように、第2の実施の形態におけるパラメータ決定システム4においても、第1の実施の形態と同様にパラメータ情報311を決定するための演算を抑制することができる。
【0190】
また、すでに市販された携帯端末装置5(市販機)を用いることにより、個々のユーザにおいて、かつ、PDRを提供する装置ごとにパラメータ情報311を最適化することができる。すなわち、ユーザごとの特徴(性別や年齢など)、携帯端末装置5の装置間差(装置の個性)等に応じてパラメータ情報311を最適化することができるので、第1の実施の形態に比べて、より適切なパラメータ情報311を決定することができる。
【0191】
また、本発明は、演算量が抑制されているため、ユーザが試行を行うように構成したとしても、PDRが開始されるまでの時間を短縮でき、ユーザに対する負担は軽減される。また、ユーザが使用する携帯端末装置5は、試験機に比べて電力消費やコストに対する要請が厳しいが、携帯端末装置5に対する負荷も抑制されているため、従来の技術に比べて、効果が高い。
【0192】
また、PDRの提供を受けようとする直前にパラメータ情報311を最適化することができる。したがって、そのときの環境(温度や湿度)に応じてパラメータ情報311を最適化することができる。特に、ジャイロセンサ25は、温度等の影響が大きい装置であるため、ジャイロセンサ25の出力(角速度情報250)を所望する直前に、パラメータ情報311を最適化しておくことによる効果は大きい。なお、ここにいう「直前」とは、周囲の環境が、加速度センサ24、ジャイロセンサ25および地磁気センサ26に影響を与えるほど変化する前にという意味である。
【0193】
また、ユーザがPDRの提供を受けようとする場所(施設)の近隣において、試行経路を設定して試行を行うことにより、当該施設に応じたパラメータ情報311を決定することができる。特に、地磁気情報260は、比較的、場所による信頼度の差が大きい情報であるため、PDRの提供を受けようとする場所の近隣においてパラメータ情報311を最適化しておくことによる効果は大きい。
【0194】
<3. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
【0195】
例えば、上記実施の形態に示した各工程は、あくまでも例示であって、上記に示した順序や内容に限定されるものではない。すなわち、同様の効果が得られるならば、適宜、順序や内容が変更されてもよい。
【0196】
また、上記実施の形態に示した機能ブロック(例えば、PDR処理部300や評価部301)は、CPU30(またはCPU50)がプログラム310(または510)に従って動作することにより、ソフトウェア的に実現されると説明した。しかし、これらの機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路で構成し、ハードウェア的に実現してもよい。
【0197】
また、上記第1の実施の形態では、ファイル2111ないしファイル211Xから構成される測定情報211は、センサノード2において作成されるとして説明した。しかし、例えば、ファイル2111のうちの1つのレコードが作成されるごとに、センサノード2が当該レコードをサーバ装置3に向けて送信し、サーバ装置3において測定情報211(ファイル2111ないしファイル211X)が作成されてもよい。
【0198】
また、上記第2の実施の形態では、例えば、中間情報生成処理(ステップS67)およびパラメータ最適化処理(ステップS68)が携帯端末装置5において実行される例を説明した。しかし、ユーザによる試行が終了した時点で、測定情報511をサーバ装置6に送信することにより、これらの処理をサーバ装置6で実行してもよい。このように構成した場合には、最適化されたパラメータ情報311は、サーバ装置6から携帯端末装置5に向けて送信され、使用されることになる。
【符号の説明】
【0199】
1,4 パラメータ決定システム
2 センサノード(試験機)
20,30,50,60 CPU
21,31,51,61 記憶装置
210,310,510,610 プログラム
211,511 測定情報
22,32,52 操作部
23,33,53 表示部
24 加速度センサ
240 加速度情報
25 ジャイロセンサ
250 角速度情報
26 地磁気センサ
260 地磁気情報
27,57 タイマ
28,38,58,68 通信部
3,6 サーバ装置
300 PDR処理部
301 評価部
302 更新部
311 パラメータ情報
312,6111 正解情報
313 中間情報
314 位置情報
315 評価情報
5 携帯端末装置(市販機)
7 中継機
9 公衆網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18