(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ウェットティッシュ収納体内のウェットティッシュの残量を表示するための残量表示手段をさらに有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のウェットティッシュ加熱装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ウェットティッシュ加熱装置は、ウェットティッシュを加熱するための加熱部を備えているので、装置の誤使用などを防止して、安全性を確実に確保することが重要である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ウェットティッシュ加熱装置における安全性をより一層高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、第1の態様による本発明のウェットティッシュ加熱装置は、上面開口を有し、ウェットティッシュ収納体を収容するための装置容器本体と、前記上面開口を封止するように前記装置容器本体に着脱自在に装着され、ウェットティッシュを取り出すためのウェットティッシュ取出し口が形成された上面封止部材と、前記ウェットティッシュ収納体を前記上面封止部材に向けて付勢するための収納体付勢手段と、前記上面封止部材に設けられた発熱体を有し、前記ウェットティッシュ収納体を加熱するための収納体加熱手段と、前記装置容器本体に対する前記上面封止部材の装着状態を検出し、非装着状態においては前記発熱体への電力供給を遮断するための電力供給遮断手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
第2の態様による本発明は、第1の態様による本発明において、前記電力供給遮断手段は、前記上面封止部材に設けられ、前記発熱体に対して電気的に接続されたスイッチと、前記装置容器本体に設けられ、前記上面封止部材を前記装置容器本体に装着した際に前記スイッチを切り替え操作する操作片と、を有する、ことを特徴とする。
【0010】
第3の態様による本発明は、第2の態様による本発明において、前記スイッチは、その導通状態と遮断状態とを切り換えるための被操作片を有し、前記装置容器本体の前記操作片は、前記上面封止部材を前記装置容器本体に装着した際に前記スイッチの前記被操作片を押圧するように構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
第4の態様による本発明は、第3の態様による本発明において、前記スイッチの前記被操作片の誤操作を防止するために前記被操作片の周囲に遮蔽部材が設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
第5の態様による本発明は、第2乃至第4のいずれかの態様による本発明において、前記収納体付勢手段は、前記装置容器本体の内部に昇降自在に設けられ、前記ウェットティッシュ収納体が載置される昇降載置台を有し、前記操作片は、前記昇降載置台の昇降動作を案内するために前記装置容器本体に設けられた案内部材と一体に形成されている、ことを特徴とする。
【0013】
第6の態様による本発明は、第1乃至第5のいずれかの態様による本発明において、前記発熱体に対して電力を供給するための電源ケーブルをさらに有し、前記電源ケーブルは、前記上面封止部材に設けられ且つ前記発熱体に電気的に接続された端子に対して着脱自在に接続されている、ことを特徴とする。
【0014】
第7の態様による本発明は、第1乃至第6のいずれかの態様による本発明において、前記上面封止部材を前記装置容器本体に対して解放可能に固定するための封止部材固定手段をさらに有し、前記封止部材固定手段は、フック機構を有する第1封止部材固定手段と、圧嵌機構を有する第2封止部材固定手段と、を有する、ことを特徴とする。
【0015】
第8の態様による本発明は、第1乃至第7のいずれかの態様による本発明において、前記ウェットティッシュ取出し口の上方を開放可能に封止するための蓋部材をさらに有する、ことを特徴とする。
【0016】
第9の態様による本発明は、第1乃至第8のいずれかの態様による本発明において、前記蓋部材の操作箇所をユーザーに表示するための表示手段をさらに有し、前記表示手段は、前記発熱体に電力が供給されている場合に発光する発光体を有する、ことを特徴とする。
【0017】
第10の態様による本発明は、第1乃至第9のいずれかの態様による本発明において、前記ウェットティッシュ収納体内のウェットティッシュの残量を表示するための残量表示手段をさらに有する、ことを特徴とする。
【0018】
第11の態様による本発明は、第1乃至第10のいずれかの態様による本発明において、前記上面封止部材は、その少なくとも一部が前記上面開口を介して前記装置容器本体の内部に嵌め込まれるように形成されており、前記上面封止部材と前記装置容器本体との間の相補的な形状が非対称に形成されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ウェットティッシュ加熱装置における安全性をより一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態によるウェットティッシュ加熱装置を斜め前方向から見た斜視図。
【
図2】
図1に示したウェットティッシュ加熱装置を斜め後方向から見た斜視図。
【
図3】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置の左右方向中央部の縦断面図。
【
図4】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置を、その蓋部材を開放した状態で示した斜視図。
【
図5】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置の上面封止部材を斜め前方向から見た斜視図。
【
図6】
図5に示したウェットティッシュ加熱装置の上面封止部材の正面図。
【
図7】
図5に示した上面封止部材を斜め上方から見た分解斜視図。
【
図8】
図5に示した上面封止部材を斜め下方から見た分解斜視図。
【
図9】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置の昇降載置台の上面側を示した斜視図。
【
図10】
図9に示したウェットティッシュ加熱装置の昇降載置台の裏面側を示した斜視図。
【
図11】
図1に示したウェットティッシュ加熱装置の装置容器本体を斜め前方向から見た斜視図。
【
図12】
図2に示したウェットティッシュ加熱装置の装置容器本体を斜め後方向から見た斜視図。
【
図13】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置の内部にウェットティッシュ収容体を収納する様子を示した縦断面図。
【
図14】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置の内部にウェットティッシュ収容体が収納された状態を示した縦断面図。
【
図15】
図14に示したウェットティッシュ加熱装置の蓋部材を開放した状態を示した縦断面図。
【
図16】(a)は、
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置における電力供給遮断手段を説明するための縦断面図であり、装置容器本体から上面封止部材を取外した状態を示し、(b)は、(a)の断面位置を示した図。
【
図17】(a)は、
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置における電力供給遮断手段を説明するための縦断面図であり、装置容器本体に上面封止部材を装着した状態を示し、(b)は、(a)の断面位置を示した図。
【
図18】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置における電力供給遮断手段の動作を説明するための図であり、
図16に示した状態に対応する説明図。
【
図19】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置における電力供給遮断手段の動作を説明するための図であり、
図17に示した状態に対応する説明図。
【
図20】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置における電力供給遮断手段の誤操作を防止するための機構を説明するための斜視図。
【
図21】
図1および
図2に示したウェットティッシュ加熱装置におけるウェットティッシュ押付け手段を説明するための上面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態によるウェットティッシュ加熱装置について、図面を参照して説明する。
【0022】
本実施形態によるウェットティッシュ加熱装置は、可撓性材料から成る容器(例えばビニール袋)の中に複数枚のウェットティッシュが収容されたウェットティッシュ収容体をその内部に収納して、常温よりも高い温度に加熱されたウェットティッシュをその使用時に供給するためのものである。
【0023】
図1乃至
図4に示したように、本実施形態によるウェットティッシュ加熱装置1は、ウェットティッシュ収納体を収容するための装置容器本体2と、装置容器本体2の上面開口を封止するように装置容器本体2に装着された上面封止部材3を備えている。上面封止部材3は、封止部材固定手段4によって、装置容器本体2に対して解放可能に固定されている。
【0024】
図3に示したように、装置容器本体2の内部には、ウェットティッシュ収納体を上面封止部材3の下面に向けて付勢するための収納体付勢手段5を備えている。収納体付勢手段5は、装置容器本体2の内部に昇降自在に設けられ、ウェットティッシュ収納体が上面に載置される昇降載置台6と、昇降載置台6の下面と装置容器本体2の底面との間に配置されたバネ部材7と、を有する。
【0025】
図3および
図4に示したように、上面封止部材3の中央部には、装置容器本体2の内部からウェットティッシュを取り出すためのウェットティッシュ取出し口8が形成されている。ウェットティッシュ取出し口8は、上面封止部材3の上面に形成された凹部9の底面に形成されている。
【0026】
上面封止部材3の上面には蓋部材10が蝶番式に開閉自在に設けられており、蓋部材10によって上面封止部材3の凹部9の上面が封止されている。
【0027】
蓋部材10は、板バネ部材11によって開放方向に付勢されており、また、蓋部材10の前側中央部を押圧することによって係止状態が解除するワンプッシュ機構(図示を省略)を備えている。このため、閉鎖状態にある蓋部材10の前側中央部を押圧することにより、蓋部材10が自動的に開放する。また、開放状態にある蓋部材10を閉じて、その前側中央部を押圧することにより、蓋部材10が閉鎖状態に固定される。従ってユーザーは、例えば一方の手がふさがっている場合でも、蓋部材10の開閉動作を他方の手で簡単に行なうことができる。
【0028】
蓋部材10の操作箇所をユーザーに表示するための表示手段12として、
図1乃至
図3に示したように操作箇所に装飾12Aが施されている。また、暗所でも操作箇所を認識できるようにするための表示手段12として、
図3に示したように、操作箇所を内側から照らすためのLED(発光体)12Bが設けられている。LED光の透過性をあげるために、LED光が透過する部分の部材の厚みを薄くすると共に、そこに使用している樹脂着色料の原料として炭素を極力減らしている。
【0029】
図5および
図6に示したように、上面封止部材3を装置容器本体2に対して解放可能に固定するための封止部材固定手段4は、フック機構を有する第1封止部材固定手段13と、圧嵌(クランプ)機構を有する第2封止部材固定手段14と、を有する。第1封止部材固定手段13は、上面封止部材3の左右両側に揺動自在に設けられたフック部材13Aを有する。第2封止部材固定手段14は、上面封止部材3の左右両側に設けられた係合片14Aを有する。
【0030】
図7および
図8に示したように、上面封止部材3は環状の中空構造を備えており、上面封止部材3の内部には、ウェットティッシュ取出し口8を囲むようにして発熱体(収納体加熱手段)15が設けられている。発熱体15は、例えばマイカ・クロム・ヒータから構成されており、バイメタルスイッチにより温度制御を行なって、温度をほぼ一定に保つように構成されている。
【0031】
図1および
図2に示したように、電源ケーブル16が上面封止部材3の後面に接続されており、この電源ケーブル16を介して発熱体15に電力が供給される。発熱体15に電気的に接続された端子(図示を省略)が上面封止部材3に設けられており、この端子に対して電源ケーブル16が着脱自在に接続されている。
【0032】
電源ケーブル16は上面封止部材3に対して着脱自在であるため、例えば、ウェットティッシュの保温を必要としない時期には、上面封止部材3から電源ケーブル16を外しておいて、ウェットティッシュ加熱装置1をウェットティッシュ収容体の単なる収納容器として使用することができる。
【0033】
図9および
図10は、ウェットティッシュ収容体が載置される昇降載置台6を拡大して示している。昇降載置台6は、その左右両側の上面に凹部6Aを有しており、中央部6Bの上面が相対的に突出している。これにより、例えばウェットティッシュ収容体の左右端部の剛性が高い場合でも、ウェットティッシュ収容体の中央部分を、昇降載置台6の凸状の中央部6Bで適切に押し上げることができる。従って、ウェットティッシュ収容体の中央部分を上面封止部材3の下面に対して適切に押付けることができ、ウェットティッシュの良好な加熱状態を確保することができる。
【0034】
図10に示したように、昇降載置台6の裏面中央部には短筒状部分17が形成されており、
図3に示したように、短筒状部分17の内側にバネ部材7の上端が嵌合される。装置容器本体2の底面中央部にも短筒状部材18が形成されており、この短筒状部材18の内側にバネ部材7の下端が嵌合される。このようにバネ部材7の上端および下端を各短筒状部材17、18に嵌合することにより、バネ部材7の脱落を確実に防止している。
【0035】
図11に示したように、装置容器本体2の後側の内壁面には、一対の案内部材19Aが上下方向に延在して突設されている。一方、
図10に示したように、昇降載置台6の後面には、装置容器本体2の後側の内壁面に突設された各案内部材19Aが挿入される各案内溝20Aが形成されている。
【0036】
図12に示したように、装置容器本体2の前側の内壁面には、4つの案内部材19Bが上下方向に延在して突設されている。一方、
図9に示したように、昇降載置台6の前面には、装置容器本体2の前側の内壁面に突設された各案内部材19Bが挿入される各案内溝20Bが形成されている。
【0037】
図11および
図12に示したように、装置容器本体2の左右の内壁面には、各一対の案内溝21A、21Bが上下方向に延在して形成されている。一方、
図9および
図10に示したように、昇降載置台6の左右の側面には、装置容器本体2の左右の内壁面に形成された各案内溝21A、21Bに挿入される各案内部材22A、22Bが突設されている。
【0038】
装置容器本体2側に設けられた案内部材19A、19Bおよび案内溝21A、21Bと、昇降載置台6側に設けられた案内溝20A、20Bおよび案内部材22A、22Bとが、上下方向に摺動可能に嵌め合わせられる。これにより、昇降載置台6の昇降動作が案内されるので、当該昇降動作を安定化することができる。
【0039】
図9に示したように、昇降載置台6の前面中央部には、例えば赤色のマーキング23が施されている。
図11および
図12に示したように、装置容器本体2の前壁には表示窓24が形成されている。マーキング23および表示窓24によって、ウェットティッシュの残量を表示するための残量表示手段25が構成されている。
【0040】
すなわち、ウェットティッシュの消費に伴ってウェットティッシュ収容体が薄くなり、これに応じて昇降載置台6が上昇すると、昇降載置台6の前面中央部の赤色のマーキング23が、装置容器本体2の表示窓24から見えるようになる。これによりユーザーは、ウェットティッシュの残量が少ないことを認識することができる。
【0041】
図11および
図12に示したように、装置容器本体2の左右側壁の上部中央には、
図5および
図6に示した第1封止部材固定手段13のフック部材13Aが係止される係止縁13Bが形成されている。また、装置容器本体2の左右側壁の上部中央には、
図5に示した第2封止部材固定手段14の係合片14Aが係合される係合開口14Bが形成されている。
【0042】
このようにフック機構を有する第1封止部材固定手段13に加えて、圧嵌(クランプ)機構を有する第2封止部材固定手段14を設けたので、第1封止部材固定手段13の係止状態が解除された場合でも、第2封止部材固定手段14によって、上面封止部材3が装置容器本体2から簡単には外れないようにすることができる。
【0043】
上面封止部材3は、その下半部が装置容器本体2の上面開口を介して装置容器本体2の内部に嵌め込まれるように形成されている。上面封止部材3と装置容器本体2とは互いに相補的な形状を備えている。この相補的な形状が、前後方向および/または左右方向に非対称に形成されてり、これにより、前後の逆組付けを防止している。
【0044】
ウェットティッシュ加熱装置1の内部にウェットティッシュ収容体を収納する際には、
図13に示したように、装置容器本体2に対する上面封止部材3の固定状態を解除し、上面封止部材3を装置容器本体2から取外す。そして、装置容器本体2の上面開口を介して、ウェットティッシュ収容体26を昇降載置台6の上に載置する。昇降載置台6上に載置されたウェットティッシュ収容体26に対して、上から上面封止部材3を被せ、上面封止部材3の下面でウェットティッシュ収容体26をバネ部材7の弾発力に抗して下方に押し込む。
【0045】
ウェットティッシュ収容体26を下方に十分に押し込むことにより、上面封止部材3の係合片14Aが装置容器本体2の係合開口14Bに係合し、上面封止部材3の暫定的な固定状態が達成される。この状態で上面封止部材3のフック部材13Aを操作して、装置容器本体2の係止縁13Bに係止することにより、
図14に示したように装置容器本体2に対する上面封止部材3の固定が完了する。
【0046】
上述したように上面封止部材3の内部には発熱体15(
図7)が設けられており、この発熱体15からの熱によって上面封止部材3の下面が加熱されている。
図14に示したようにウェットティッシュ収容体26の上面は上面封止部材3の下面に接触しているので、ウェットティッシュ収納体26内の複数のウェットティッシュにおいて、最上層のウェットティッシュから下層に向けて熱が伝わっていくことになる。従って、次に使用される最上層のウェットティッシュを最も良く加熱することができる。
【0047】
ウェットティッシュを使用する際には、
図15に示したように、蓋部材10を開放して、上面封止部材3に形成されたウェットティッシュ取出し口8を介してウェットティッシュ27を取り出す。ウェットティッシュ27の消費に伴ってウェットティッシュ収容体26の厚みが薄くなってきた場合でも、バネ部材7によって昇降載置台6が上方に付勢されているので、ウェットティッシュ収容体26の厚みの減少に応じて昇降載置台6が上方に移動する。これにより、ウェットティッシュ収容体26の使用期間の全体にわたって、ウェットティッシュ収容体26の上面が上面封止部材3の下面に押付けられた状態を維持することができる。
【0048】
上述した構成に加えて、本実施形態によるウェットティッシュ加熱装置1は、
図16および
図17に示したように、装置容器本体2に対する上面封止部材3の装着状態を検出し、非装着状態においては発熱体(収納体加熱手段)15への電力供給を遮断するための電力供給遮断手段28を備えている。
【0049】
すなわち、
図16および
図17に示したように、発熱体15に対して電気的に接続されたスイッチ29が上面封止部材3の内部に設けられている。スイッチ29は、その導通状態と遮断状態とを切り換えるための被操作片30を有する。一方、上面封止部材3を装置容器本体2に装着した際にスイッチ29を切り替え操作する操作片31が装置容器本体2に設けられている。操作片31は、昇降載置台6の昇降動作を案内するために装置容器本体2に設けられた案内部材19Bと一体に形成されている。
【0050】
装置容器本体2の上面開口に上面封止部材3を装着すると、
図18および
図19に示したように、装置容器本体2側の操作片31がスイッチ29の被操作片30に当接され、被操作片30が上方に押圧されて上昇する。これにより、スイッチ29が遮断状態から導通状態に切り替わり、発熱体15に対する電力の供給が開始される。
【0051】
これとは逆に、上面封止部材3を装置容器本体2から取外すと、スイッチ29の被操作片30に対する操作片31からの押圧が解除される。これにより、被操作片30が降下して、スイッチ29が導通状態から遮断状態に切り替わり、発熱体15に対する電力の供給が遮断される。
【0052】
また、
図3に示した表示手段12は、そのLED12Bに対する電力の供給が、発熱体15に対する電力の供給が遮断されると同時に遮断されるように構成されている。
【0053】
図20(および
図5、
図6)に示したように、スイッチ29の被操作片30の周囲には、被操作片30の誤操作を防止するために遮蔽部材32が設けられている。遮蔽部材32は、筒状部材の一部をその軸線方向に切り欠いて形成されており、遮蔽部材の切欠部32Aに操作片31が挿入可能である。
【0054】
以上述べたように、本実施形態によるウェットティッシュ加熱装置1によれば、装置容器本体2から上面封止部材3を取外すと、発熱体15に対する電力の供給が遮断されるので、上面封止部材3に接続された電源ケーブル16がコンセントに差し込まれた状態のままでも、上面封止部材3の取外しによって発熱体15の加熱状態が解除される。これにより、加熱状態にある上面封止部材3との接触による熱傷等を確実に防止することができる。また、取外した状態にある上面封止部材3を暖房器具として使用する等の誤使用を確実に防止することもできる。
【0055】
また、スイッチ29の被操作片30を操作するための操作片31が、昇降載置台6の昇降動作を案内するために装置容器本体2に設けられた案内部材19Bと一体に形成されているので、構造の簡素化を図ることができると共に、製造コストを低減することできる。
【0056】
また、表示手段12のLED12Aに対する電力の供給は、発熱体15に対する電力の供給が遮断されると同時に遮断されるようにしたので、ユーザーは、表示手段12の点灯状態を確認することにより、ウェットティッシュ加熱装置1が加熱状態にあることを認識することができる。
【0057】
また、スイッチ29の被操作片30の周囲に遮蔽部材32を設けたので、取り外された上面封止部材3のスイッチ29の被操作片30が誤操作されることを防止できる。
【0058】
上述した構成に加えて、本実施形態によるウェットティッシュ加熱装置は、ウェットティッシュ収納体26から外部に引き出された部分のウェットティッシュ27を、ウェットティッシュ取出し口8の周囲の部材に押し付けるためのウェットティッシュ押付け手段を備えている。
【0059】
すなわち、
図3および
図4に示したように、ウェットティッシュ押付け手段として、蓋部材10の内側に、蓋部材10を閉じた状態において上面封止部材3の凹部9内に突出する突出部33が形成されている。
図3および
図22に示したように、突出部33は中空構造を有しており、その内部に断熱材34が設けられている。
【0060】
図3および
図22に示したように、突出部33の下面は、ウェットティッシュ取出し口8の全体を上から覆う平面によって形成されている。また、突出部33の下端周縁部とウェットティッシュ取出し口8の周縁部とが近接している。このため、ウェットティッシュ収納体26からウェットティッシュ取出し口8を介して引き出された部分のウェットティッシュ27は、蓋部材10の下面に設けられた突出部33によってウェットティッシュ取出し口8の周縁部に押圧される。
【0061】
以上述べたように本実施形態によるウェットティッシュ加熱装置1によれば、蓋部材10の内側に突出部33を形成して、ウェットティッシュ取出し口8を介して引き出された部分のウェットティッシュ27を、ウェットティッシュ取出し口8の周縁部(加熱状態にある)に押付けるようにしたので、ウェットティッシュ27を確実に加熱することができる。
【0062】
また、突出部33の内部に断熱材34を設けたので、ウェットティッシュ取出し口8付近の保温性が高められ、これにより、ウェットティッシュ取出し口8を介して引き出された部分のウェットティッシュ27をより一層確実に加熱することができる。